JP2018148815A - 苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料 - Google Patents

苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料 Download PDF

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彰文 植村
Akifumi Uemura
彰文 植村
陽子 森兼
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陽子 森兼
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Abstract

【課題】ビールテイスト飲料にホップに近い風味を付与でき、食品素材のみで組成可能な苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料を提供する。
【解決手段】ビールテイスト飲料に苦味を付与する苦味料組成物であって、緑茶ポリフェノール0.5〜5質量部と、酵母エキス0.5〜5質量部と、カカオエキスパウダー0.1〜5質量部と、トリプトファン0.05〜5質量部とを含有する、苦味料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に苦味を付与する苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料に関する。
近年、ビールに似た味を呈するがアルコールを含有しない、ビールテイスト飲料の需要が高まっている。ビールテイスト飲料の製造方法としては、麦汁や麦芽エキスに、甘味料、酸味料、苦味料等の成分と炭酸を加えて製造する方法がある。例えば、特許文献1では、苦味料として液状またはペースト状のホップエキス(ホップ抽出物)を配合することによって、ビールに近い苦味を付与することが記載されている。
特開2011−217706号公報
ホップエキスは、低温での溶解性が低いため、ビールテイスト飲料の製造効率を低下させる要因となる。また、ホップエキスの添加だけでは不足する香りを補うために香料が併用される場合があるが、食品添加物を使用せずに食品素材のみで香りを補いたいという要望もある。
それ故に、本発明は、ビールテイスト飲料にホップに近い風味を付与でき、食品素材のみで組成可能な苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、ビールテイスト飲料に苦味を付与する苦味料組成物であって、緑茶ポリフェノール0.5〜5質量部と、酵母エキス0.5〜5質量部と、カカオエキスパウダー0.1〜5質量部と、トリプトファン0.05〜5質量部とを含有するものである。
また、本発明に係るビールテイスト飲料は、上記の苦味料組成物を0.005〜1質量%の含有量で含有するものである。
本発明によれば、ビールテイスト飲料にホップに近い風味を付与でき、食品素材のみで組成可能な苦味料組成物及びこれを含有するビールテイスト飲料を提供できる。
本発明に係る苦味料組成物は、ビールテイスト飲料に配合することによって、ホップに似た苦味と香りを付与することができるものであり、食品素材のみからなる。具体的に、本発明に係る苦味料組成物は、緑茶ポリフェノール0.5〜5質量部と、酵母エキス0.5〜5質量部と、カカオエキスパウダー0.1〜5質量部と、トリプトファン0.05〜5質量部とを含有する。
緑茶ポリフェノールは、苦味料組成物の苦味の骨格となる成分である。ただし、緑茶ポリフェノールの苦味は、後引きが長く、渋みも伴うため、後述するカカオエキスパウダーと組み合わせることによって、緑茶ポリフェノールの苦味を改質する。
カカオエキスパウダーは、苦味料組成物の味と香りを調整するための成分であり、緑茶ポリフェノールの渋みと後に引く苦味をマスキングして、切れの良い苦味に改質する。また、カカオエキスパウダーには、ホップの香り成分に近い香りがあるため、後述する酵母エキスと組み合わせることによって、ホップに近い香りを構成することができる。
酵母エキスは、苦味料組成物に主として香りを付与する成分であり、カカオエキスパウダーと組み合わせることによって、ホップに近い香りを再現することができる。
トリプトファンは、それ自体が苦味を持つ成分ではあるが、緑茶ポリフェノールと組み合わせることによって、緑茶ポリフェノールの苦味を相乗的に増強することができる。緑茶ポリフェノールとトリプトファンとを併用した場合、口中で苦味の感じ初めてから感じ終わるまでの過程における中間段階の苦味を向上させる。また、トリプトファンを併用することにより、苦味料組成物全体の苦味を強くし力価を向上させるため、苦味料組成物の添加量を低減することができる。
トリプトファンの一部に代えて、L−アルギニンン及びL−バリンの一方または両方を配合しても良い。L−アルギニン及びL−バリンも苦味を持つアミノ酸であるが、トリプトファンと同様に、緑茶ポリフェノールの苦味を増強し、苦味料組成物の力価を高める役割を有する。トリプトファンの配合量のうち、60質量%以内の部分をL−アルギニンン及び/またはL−バリンで置き換えることができる。L−アルギニンン及びL−バリンは、トリプトファンと比べて安価であるので、トリプトファンの一部の代替成分して使用することで、苦味料組成物の製造コストを低減することができる。
本発明に係る苦味料組成物は、ビールテイスト飲料中の含有量が0.005〜1質量%となるように配合することによって、ビールテイスト飲料にホップに似た苦味や香りを付与し、ビールに近い味わいを再現することができる。また、本発明に係る苦味料組成物は、食品素材のみで構成され、香りの増強のために別途香料を配合する必要もないので、食品添加物の使用を低減するのに有効であり、消費者にも受け入れられやすいと考えられる。また、本発明に係る苦味料組成物は、溶解性が極めて高いため、ビールテイスト飲料の製造中に溶け残ったり析出したりすることを回避でき、ビールテイスト飲料の製造効率を向上させることができる。尚、本発明に係る苦味料組成物を用いる場合、既知の製造方法と同様に、麦汁や麦芽エキスに、甘味料、酸味料等の成分と、本発明に係る苦味料組成物を配合し、炭酸を加えることによりビールテイスト飲料を製造することができる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
以下の材料を粉体混合して、苦味料組成物を調整した。
・緑茶ポリフェノール(メディエンス株式会社):2.0g
・ハイマックスGL(酵母エキス、富士食品工業株式会社)2.0g
・カカオエキスパウダー(明治製菓株式会社)1.0g
・L−アルギニン(株式会社サンクト):0.05g
・L−バリン(株式会社サンクト):0.05g
・トリプトファン(株式会社サンクト):0.5g
・アミコール(日澱化学株式会社):0.5g
市販のビールテイスト飲料(ノンアルコールビール)を用いて、実施例に係る苦味料組成物の効果を検証した。
実施例として、市販のビールテイスト飲料に、上記の苦味料組成物を0.01質量%(最終濃度)となるように配合したサンプルを作成した。また、比較例として、実施例と同じ市販のビールテイスト飲料に、ホップエキスを0.005質量%(最終濃度)となるように配合したサンプルを作成した。
実施例及び比較例に係るサンプルのそれぞれを、識別力のある試験者が口に含み、口中で感じる苦味及び香りを官能試験により評価したところ、実施例に係るサンプルは、ホップに似た芳香と、後引きのないキレのある苦味が感じられ、ビールに近い味わいであり、ホップエキスを添加した比較例に係るサンプルと比べて遜色のない風味を呈した。また、実施例に係るサンプルについては、調整時における苦味料組成物の溶解性は良好で、析出物もなかったが、比較例に係るサンプルでは調整時におけるホップエキスの溶解性の面で実施例よりも劣っていた。
以上説明したように、本発明に係る苦味料組成物を配合することによって、ホップに似た香り及び苦味を再現し、ビールテイスト飲料の風味をビールに近いものにできることが確認された。
本発明は、ビールテイスト飲料に利用できる。

Claims (3)

  1. ビールテイスト飲料に苦味を付与する苦味料組成物であって、
    緑茶ポリフェノール0.5〜5質量部と、
    酵母エキス0.5〜5質量部と、
    カカオエキスパウダー0.1〜5質量部と、
    トリプトファン0.05〜5質量部とを含有する、苦味料組成物。
  2. L−アルギニン0.05〜1質量部と、
    L−バリン0.05〜1質量部とを更に含有する、請求項1に記載の苦味料組成物。
  3. 請求項1または2に記載の苦味料組成物を0.005〜1質量%の含有量で含有する、ビールテイスト飲料。
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