JP2018148617A - 給電装置、その制御方法及びプログラム - Google Patents

給電装置、その制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】給電の対象である電子機器に応じて給電を行いながら通信を行うとともに、給電する電力の増加に対し被変調波の電力を抑制可能な給電装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る給電手段は、電子機器に無線給電を行う給電手段と、無線給電のための電力を用いて通信を行うための所定の情報を、電子機器から取得する取得手段と、電力を用いて電子機器と通信する通信手段と、所定の情報に基づいて、通信手段による電子機器との通信を制御する制御手段と、を含み、制御手段は、電子機器が電力を用いて通信が可能である場合、給電手段による送電電力が高いほど、該通信のための振幅変調において振幅が変化する度合いを示す変調度が小さくなるように通信手段を制御する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、給電装置、その制御方法及びプログラムに関する。
近年、有線で接続することなく、電力を無線により供給する給電装置と、給電装置から供給される電力を受け取る電子機器とを含む無線給電システムが知られている。このような給電システムにおいて、汎用的な給電装置を用いることを想定した電子機器が、可変にした電流負荷により給電装置の能力を確認し、確認結果に応じて電子機器の動作可能な機能を表示する技術が知られている(特許文献1)。
特開2010−39283号公報
ところで、給電装置が給電時に出力する搬送波を、送信する情報を表す変調信号(ベースバンド信号)で変調すれば、給電装置と電子機器との間で給電を行いながら通信することが可能になる。このため、給電機器は、近接する電子機器が給電を行いながら通信可能な機器であることが分かれば、給電を行いながら通信を同時に行うことができる。
更に、搬送波をベースバンド信号で変調した信号(被変調波)の電力は給電時の出力(搬送波の振幅)や変調度に依存し、給電時の出力が大きくなれば被変調波の電力も増大し得る。しかし、給電時の出力を増大させる場合であっても、被変調波の電力の増大を抑制して、所定の制限(例えば各国で規定される電波規制の許容範囲)を満たした通信を実現する必要がある。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、給電の対象である電子機器に応じて給電を行いながら通信を行うとともに、給電する電力の増加に対し被変調波の電力を抑制可能な給電装置、その制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
この課題を解決するため、例えば本発明の給電装置は以下の構成を備える。すなわち、電子機器に無線給電を行う給電手段と、無線給電のための電力を用いて通信を行うための所定の情報を、電子機器から取得する取得手段と、電力を用いて電子機器と通信する通信手段と、所定の情報に基づいて、通信手段による電子機器との通信を制御する制御手段と、を含み、制御手段は、電子機器が電力を用いて通信が可能である場合、給電手段による送電電力が高いほど、該通信のための振幅変調において振幅が変化する度合いを示す変調度が小さくなるように通信手段を制御する、ことを特徴とする。
本発明によれば、給電の対象である電子機器に応じて給電を行いながら通信を行うとともに、給電する電力の増加に対し被変調波の電力を抑制することが可能になる。
本実施形態に係る無線給電システムの例を模式的に示す図 本実施形態に係る給電装置の一例としての機能構成例を示すブロック図 本実施形態に係る電子機器の一例としての機能構成例を示すブロック図 本実施形態に係る、給電装置の給電開始前における制御処理の一連の動作を示すフローチャート 本実施形態に係るASK変調について説明する図 本実施形態に係るASK変調を行うための構成について説明する図 本実施形態に係る、電子機器の給電開始前における制御処理の一連の動作を示すフローチャート 本実施形態に係る、給電装置の無線給電中における制御処理の一連の動作を示すフローチャート 本実施形態に係る、給電装置のステータス情報受信後における制御処理の一連の動作を示すフローチャート
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。
(給電システム100の構成例)
図1に示すように、本実施形態に係る給電システム100は、給電装置200と電子機器300とを含む。給電装置200は、電子機器300が給電装置200上の所定の範囲250内で且つ給電装置200上の面から所定の距離内に存在する(この状態を単に近接しているともいう)場合、電子機器300に無線により給電を行うことができる。また、電子機器300が近接していない場合、給電装置200は、電子機器300に電力を給電することができない。なお、所定の範囲250は、給電装置200が電子機器300と通信することができる範囲であればよく、図1に示したような給電装置200の筺体上の範囲に限らない。給電装置200は、電子機器300を含む複数の受電機器(無線により電力を受け取ることができる機器)に対して無線により給電を行うことが可能である。
電子機器300は、例えば、給電される電力を受電するとともに給電のための搬送波を用いて通信可能なデジタルカメラである。しかし、本実施形態は、給電される電力を受電するとともに給電のための搬送波を用いて通信可能な機器であれば、他の機器にも適用可能である。例えば、電子機器300が、デジタルメディアプレイヤ、スマートフォンを含む携帯電話機のような通信装置、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、メガネ型や時計型のウェアラブル端末、ゲーム機器であってもよい。また、電子機器300が電池を含む電池パックであってもよい。更に、本実施形態は、図1に例示したような所定の範囲250に乗せることが可能な機器だけでなく、所定の範囲250上を覆うように置くことが可能なプリンタやディスプレイ、自動車にも適用可能である。
(給電装置200の構成)
次に、図2を参照して、本実施形態に係る給電装置200の機能構成例について説明する。給電装置200は、制御部201、給電部202、不揮発性メモリ208、表示部209、操作部210及び電力検出部211を含む。また、給電部202は、電力生成部203、検出部204、整合回路205、通信部206及び給電アンテナ207を含む。なお、図2に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやプログラマブルロジックアレイ(PLA)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
制御部201は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)とを含む。制御部201は、不揮発性メモリ208に記録されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することによって、給電装置200全体を制御する。また、制御部201は、給電装置200内の各部の動作を制御する際に必要となる時間を計時するためのタイマー201aを有する。
給電部202は、所定の給電方法に準拠した無線給電を行うための給電手段として動作する。所定の給電方法には、例えば、給電装置200と電子機器300との間で共振が行われる状態において給電装置200から電子機器300に電力を伝送する、磁界共鳴方式を用いる。給電装置200と電子機器300との間で共振が行われる状態とは、給電装置200の給電アンテナ207の共振周波数と、電子機器300の受電アンテナ303の共振周波数とが一致している状態である。なお、給電部202は、所定の給電方法として磁界共鳴方式以外の方式を用いてもよい。
電力生成部203は、不図示のAC電源から供給される電力を用いて、給電アンテナ207を介して外部に出力するための電力を生成する。電力生成部203によって生成される電力は、検出部204及び整合回路205を介して給電アンテナ207に供給される。電力生成部203によって生成される電力には、通信部206が電子機器300と通信するために用いられる電力(第1の電力)と、電子機器300が充電や特定の動作を行うために用いられる電力(第2の電力)とがある。第1の電力は、例えば1W以下の微弱な電力である。例えば、第1の電力は、通信部206の通信規格に規定されている電力であってよい。第2の電力は、第1の電力よりも大きい電力であり、例えば2W以上の可変の電力である。第2の電力の値は、制御部201によって後述する制御処理において設定される。本実施形態では、第2の電力は、通信部206が電子機器300と通信するためにも用いることができる。
検出部204は、給電アンテナ207から出力される電力における電圧定在波比VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を検出し、検出したVSWRを示すデータを制御部201に供給する。VSWRは、給電アンテナ207から出力される電力の進行波と、給電アンテナ207から出力される電力の反射波との関係を示す値である。制御部201は、検出部204から供給されたVSWRのデータを用いて、所定の範囲250内に少なくとも一つの受電機器が存在するか否かを検出することができる。
整合回路205は、給電アンテナ207の共振周波数を設定する回路を含む。給電装置200が給電アンテナ207を介して第1の電力及び第2の電力のいずれか一方を出力する場合、制御部201は、給電アンテナ207の共振周波数を所定の周波数fに設定するように整合回路205を制御する。所定の周波数fは、例えば13.56MHzである。また、所定の周波数fは6.78MHzであってもよく、通信部206の通信規格に規定されている周波数であってもよい。
通信部206は、近接無線通信を行う通信回路又は通信モジュールであり、例えばNFC(Near Field Communication)フォーラムによって規定されているNFC規格に準拠した近接無線通信を行う。また、通信部206が用いる通信規格は、近接無線通信を実現するものであれば、他の通信規格、例えばISO/IEC 18092規格、ISO/IEC 14443規格、或いはISO/IEC 21481規格であってもよい。
通信部206は、NFC規格に規定されているリーダライタモード(すなわち給電装置200がICカードやNFCタグに対するリーダライタとして振る舞う)又はP2P(Peer To Peer)モードで動作する。通信部206がリーダライタモードで動作する場合、通信部206は、NFC規格に規定されているカードエミュレーションモード(すなわちICカードやNFCタグのように振る舞う)で動作する電子機器300と、NFC規格に基づいて通信する。
また、通信部206は、リーダライタモードで動作する場合、第1または第2の電力を用いて、カードエミュレーションモードで動作する電子機器300とNDEF(NFC Data Exchange Format)に対応するデータを送受信する。給電装置200と電子機器300とは、NDEFデータを用いて、例えば後述する無線給電認証情報等の情報をやり取りする。なお、通信部206は、通信部206がリーダライタモードで動作し且つ電子機器300がP2Pモードで動作する場合には、電子機器300と通信することができない。
一方、通信部206がP2Pモードで動作する場合には、通信部206は、NFC規格に基づいて、P2Pモードで動作する電子機器300と通信する。通信部206がP2Pモードで動作する場合、通信部206は、第1または第2の電力を用いて、P2Pモードである受電機器とNDEFに対応するデータを送信したり受信したりする。
通信部206は、所定の時間にわたって第2の電力を給電アンテナ207から出力する。以下の説明では、当該第2の電力が給電アンテナ207から出力されている期間を所定の時間として説明する。この所定の時間は、例えば制御部201によって設定される。
給電アンテナ207は、第1の電力及び第2の電力のいずれかを出力するためのアンテナである。また、給電アンテナ207は、通信部206がNFC規格に従って電子機器300と通信するためにも用いられる。
不揮発性メモリ208は、例えば電力の供給が無くなってもデータを保持可能な半導体メモリ等を含み、給電装置200を制御するためのコンピュータプログラムを記録する。さらに、不揮発性メモリ208は、給電装置200の識別データ、給電装置200に関する給電パラメータや給電を制御するためのフラグ等を記録する。また、不揮発性メモリ208は、通信部206が受信したデータを記録することができる。
表示部209は、例えばLCDやOLEDのパネルを含み、給電装置200を操作するためのグラフィカルユーザインタフェースや不揮発性メモリ208から供給される映像データ等を表示する。操作部210は、給電装置200を操作するためのユーザインタフェースを提供する。操作部210は、給電装置200を操作するためのボタン、スイッチやタッチパネル等の操作部材を有する。制御部201は、操作部210を介して入力された入力信号に従って給電装置200を制御する。電力検出部211は、例えばセンサ部材を含み、給電アンテナ207から出力される電力を検出し、検出した電力を示すデータを制御部201に供給する。
なお、本実施形態の例では、給電装置200が無線によって電力を供給するものとして説明するが、「無線」を「非接触」や「無接点」と言い換えてもよい。
(電子機器300の構成)
次に、図3を参照して、電子機器300の機能構成例について説明する。電子機器300は、制御部301、受電部302、検出部307、レギュレータ308、負荷部309、充電部310、電池311、不揮発性メモリ312及び操作部313を含む。また、受電部302は、受電アンテナ303、整合回路304、整流平滑回路305及び通信部306を含む。なお、図3に示す機能ブロックの1つ以上は、ASICやPLAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、CPUやMPU等のプログラマブルプロセッサがソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。また、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。従って、以下の説明において、異なる機能ブロックが動作主体として記載されている場合であっても、同じハードウェアが主体として実現されうる。
制御部301は、CPUとRAMとを含み、不揮発性メモリ312に記録されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することによって、電子機器300を制御する。
受電部302は、上述の所定の給電方法(本実施形態の例では磁界共鳴方式)に対応し、給電装置200から電力を無線により受け取るために用いられる。受電アンテナ303は、給電装置200から供給される電力を受け取るためのアンテナである。また、受電アンテナ303は、通信部306がNFC規格に従って給電装置200と通信するためにも用いられる。受電アンテナ303を介して給電装置200から受け取った電力は、整合回路304を介して整流平滑回路305に供給される。
整合回路304は、受電アンテナ303の共振周波数を設定する回路を含む。整合回路304は、制御部301から制御されることにより受電アンテナ303の共振周波数を設定することができる。整流平滑回路305は、受電アンテナ303によって受電された電力から直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路305は、生成した直流電力を、検出部307を介してレギュレータ308に供給する。受電アンテナ303によって受電された電力にデータが重畳されている場合、受電アンテナ303によって受電された電力から取り出されたデータを通信部306に供給する。
通信部306は、通信部206と同一の通信規格に基づいて、給電装置200と通信する。通信部306は、整流平滑回路305から供給されたデータを解析する。その後、通信部306は、データの解析結果を用いて、給電装置200から要求されたデータを給電装置200に送信したり、給電装置200から受信したデータを記録したりする。さらに、通信部306は、整流平滑回路305から供給されたデータに対応する応答データを給電装置200に送信する。なお、通信部306は、カードエミュレーションモード及びP2Pモードのいずれかを通信モードとして動作する。
検出部307は、受電アンテナ303を介して受け取った電力を検出し、検出した電力を示すデータを制御部301に供給する。
レギュレータ308は、制御部301からの指示に応じて、整流平滑回路305から供給される電力と電池311から供給される電力との少なくとも一方を電子機器300の各部に供給する。負荷部309は、被写体の光学像から静止画や動画等の映像データを生成する不図示の撮像部や、映像データを再生する不図示の再生部等の電力を表示する部材や機構を含む。電子機器300が電源オンモードである場合、レギュレータ308から負荷部309に電力が供給される。電子機器300が電源オフモードまたはスタンバイモードである場合、レギュレータ308から負荷部309への電力供給は制限される。
充電部310は、電池311を充電する充電回路又は充電モジュールを含む。充電部310は、制御部301からの指示に応じて、レギュレータ308から供給される電力を用いて電池311を充電するか、又は電池311から放電される電力をレギュレータ308に供給するかを制御する。充電部310は、定期的に電池311の残容量を検出して電池311の残容量を示すデータを提供する。また、充電部310は、電池311の電池状態に関するデータや電池311の特性に関するデータを制御部301に供給する。
電池311は、所定の電圧で充電可能であり、電子機器300に接続可能な二次電池である。なお、電池311は、電子機器300に内蔵されることが望ましいが、電子機器300に内蔵されずに接続されて用いられるものであってもよい。
不揮発性メモリ312は、例えば電力の供給が無くなってもデータを保持可能な半導体メモリ等を含み、電子機器300を制御するコンピュータプログラムや電子機器300に関するパラメータ等のデータを記憶する。操作部313は、電子機器300を操作するためのユーザインタフェースを提供する。制御部301は、操作部313を介して入力された入力信号に従って電子機器300を制御する。
(給電装置200の無線給電開始前における制御処理)
次に、図4を参照して、無線給電開始前における制御処理の一連の動作について説明する。本処理は、制御部201が不揮発性メモリ208に格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することにより実現される。本処理は、給電装置200において、給電を行うための給電モードに変更された場合に開始される。
S401において、制御部201は、第1の電力を出力している期間において、電子機器300から通信部206を介して無線給電認証情報を受信したか否かを判定する。無線給電認証情報はNDEFデータを用いて通信される。無線給電認証情報は、例えば、電子機器300が第2の電力による無線給電に対応するか否かを示す情報、電子機器300が第2の電力による通信に対応しているか否か、受電パワークラス等の情報を含む。この受電パワークラスは、電子機器300が対応可能な受電電力を示す情報(例えばローパワー、ミドルパワー、ハイパワー対応のいずれであるか等)を含む。制御部201は、通信部206を介して無線給電認証情報を受信したと判定した場合、無線給電認証情報から上述の各情報を取得する。この場合、制御部201は、処理をS402に進め、それ以外の場合には処理をS401に再び戻す。
S402において、制御部201は、給電装置200が第2の電力による通信(すなわち給電手段による通信)に対応しているか否かを判定する。制御部201は、例えば不揮発性メモリ208に記録されている、給電装置の対応機能を示す情報を参照して、給電装置200が第2の電力による通信に対応しているかを判定する。制御部201は、給電装置200が第2の電力による通信に対応していると判定した場合、S403に処理を進める。一方、制御部201は、給電装置200が第2の電力による通信に対応していないと判定した場合、S415に処理を進める。
S403において、制御部201は、S401において受信した無線給電認証情報から取得した電子機器300の対応可否を示す情報を参照して、電子機器300が第2の電力による通信に対応しているか否かを判定する。制御部201は、電子機器300が第2の電力による通信に対応していると判定した場合、S404に処理を進める。一方、制御部201は、電子機器300が第2の電力による通信に対応していないと判定した場合、S415に処理を進める。
S404において、制御部201は、S401において受信した無線給電認証情報から取得した受電パワークラスの情報を参照して、電子機器300の受電パワークラスがローパワー対応であるかを判定する。S404において、制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがローパワー対応であると判定した場合、無線給電時の電力を設定するためにS405に処理を進める。制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがローパワー対応でないと判定した場合、S407に処理を進める。
S405において、制御部201は、第2の電力による無線給電時の電力を2Wに設定し、その後S406に処理を進める。S406において、制御部201は、第2の電力による通信時の変調方式を振幅変調である振幅偏移変調(Amplitude Shift Keying:ASK)方式に設定するとともに、変調度を10%に設定する。ASK変調方式および変調度については、後述する。制御部201は、その後S413に処理を進める。
S407において、制御部201は、上述の受電パワークラスの情報を参照して、電子機器300の受電パワークラスがミドルパワー対応であるかを判定する。S407において、制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがミドルパワー対応であると判定した場合、無線給電時の電力を設定するためにS408に処理を進める。一方、制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがミドルパワー対応でないと判定した場合、S410に処理を進める。
S408において、制御部201は、第2の電力による無線給電時の電力を3Wに設定し、その後S409に処理を進める。S409において、制御部201は、第2の電力による通信時の変調方式をASK方式に設定するとともに、変調度を5%に設定する。制御部201は、その後S413に処理を進める。
S410において、制御部201は、上述の受電パワークラスの情報を参照して、電子機器300の受電パワークラスがハイパワー対応であるかを判定する。制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがハイパワー対応であると判定した場合、無線給電時の電力を設定するためにS411に処理を進める。制御部201は、電子機器300の受電パワークラスがハイパワー対応でない場合と判定した場合、電子機器のパワークラスを判定することができないため、本処理に係る一連の動作を終了する。
S411において、制御部201は、第2の電力による無線給電時の電力を6Wに設定し、S412に処理を進める。S412において、制御部201は、第2の電力による通信時の変調方式をASK方式に設定するとともに、変調度を1%に設定する。制御部201は、その後S413に処理を進める。
S413において、制御部201は、電子機器300に給電装置200側の変調度を通知するために、給電装置200に設定した変調度を示す情報を、通信部206を介して(第1の電力を用いて)電子機器300に送信する。電子機器300に通知する変調度は、上述したS406、S409又はS412において決定した変調度である。制御部201は、その後S414に処理を進める。
S414において、制御部201は、第2の電力による通信機能をオン(有効化)し、その後S415に処理を進める。S415において、制御部201は、S405、S408又はS411において決定した送電電力の大きさで、第2の電力による送電を開始する。
ここで、制御部201は、S414において第2の電力による通信機能を有効化している場合、通信部206を介して、第2の電力による無線給電中に通信することが可能である。すなわち、制御部201は、第2の電力による無線給電中に通信する場合、S406、S409又はS412で決定された変調方式(ASK)および変調度を用いて第2の電力を変調することにより通信する。
(ASK変調及び変調度に関する説明)
ここで、ASK変調方式および変調度について、図5を参照して説明する。本実施形態に係るASK変調方式は、デジタル信号501(すなわち送信する情報を表す変調信号(ベースバンド信号))の2つの状態(すなわち“1”、“0”)によって、搬送波502の振幅をV1からV0に変化させて被変調波を生成する。V1とV0の大小関係は問わないが、説明の便宜上、V1状態を変調されていない振幅の大きい状態とし、V0状態を変調された振幅の小さい状態とする。本実施形態では、ASK変調において信号の振幅が変調によって変化する度合いを示す情報として「変調度」を用い、百分率(%)で表す。ここで、振幅の大きい状態における振幅のピークからピークの幅をa、振幅の小さい状態における振幅のピークからピークの幅をbとすると、変調度は、m=(a−b)/(a+b)×100 (%)となる。すなわち、振幅の和に対する振幅の差の割合により表される。
更に、図6を参照して、通信部206に含まれるASK変調を行うための構成を説明する。ASKの信号は、可変抵抗601(抵抗値R1)と可変抵抗602(抵抗値R2)とに接続されるスイッチ603をオン、オフすることによって発生させることができる。スイッチ603をオフにした場合、搬送波502の振幅はV1となり、スイッチ603をオンにした場合、搬送波502の振幅はV0=(R2/(R1+R2))×V1となる。制御部201は、通信部206のASK変調器の可変抵抗601の抵抗値R1と、可変抵抗602の抵抗値R2とを調整することにより、変調度を制御することができる。
図4において上述した処理では、制御部201は、送電電力2Wのときに変調度10%、送電電力3Wときに変調度5%、送電電力6Wのときに変調度1%というように、送電電力が大きいほど変調度を小さく設定するようにした。これにより、送電電力が大きくなってもASK変調の周波数特性のゲインを抑制することができる。つまり、給電を行いながら通信する際に、給電時の出力を大きくする場合であっても被変調波の電力の強度を抑制することができる。特に、給電時の出力が大きくなっても、送電中の通信時の周波数特性を電波規制において許容される範囲内に収めることができる。一方、送電時の出力が小さいときは、変調度を大きく保つことによって上述のV0とV1の差を広げた状態にすることができるため、送電中の通信感度を高めることができる。
(電子機器300の無線給電開始前における制御処理)
次に、図7を参照して、電子機器300による、無線給電開始前における制御処理に係る一連の動作について説明する。本処理は、制御部301が不揮発性メモリ312に格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することにより実現される。本処理は、電子機器300において、受電を行うための受電モードに変更された場合に開始される。
S701において、制御部301は、通信部306を介して無線給電認証情報を給電装置200に送信する。上述したように、無線給電認証情報は、電子機器300が第2の電力による無線給電に対応するか否か、電子機器300が第2の電力による通信に対応しているか否か、受電パワークラス等の情報を含む。制御部301は、その後S702に処理を進める。
S702において、制御部301は、通信部306を介して、給電装置200から変調度情報を受信したか否かを判定する。制御部301は、変調度情報を受信したと判定した場合、S703に処理を進め、変調度情報を受信していないと判定した場合、S704に処理を進める。なお、給電装置200から受信する変調度情報は、図4に示したS406、S409又はS412において決定された変調度を含む。
S703において、制御部301は、第2の電力による通信機能をオン(有効化)して、その後、S704に処理を進める。S704において、制御部301は、図4において示したS405、S408又はS411において決定された送電電力の大きさで、給電装置200から第2の電力による受電を開始する。ここで、制御部301は、S703において第2の電力による通信機能をオンしている場合、通信部306を介して、第2の電力による無線給電中に通信することが可能である。第2の電力による無線給電中に通信する場合、制御部301は、S702において給電装置200から受信した変調度を用いて第2の電力を変調または負荷変調することにより通信をおこなう。
(給電装置200の無線給電中における制御処理)
次に、図8を参照して、給電装置200による、無線給電開始後における制御処理の一連の動作について説明する。本処理に係る制御処理は、制御部201が不揮発性メモリ208に格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することにより実現される。本処理は、給電装置200において、図4に示したS414において第2の電力による通信機能が有効化されたうえで、S415における送信が開始された後に実行される。また、第2の電力による無線給電中の通信は、図4に示した制御処理において決定された送電電力と変調度とを用いて第2の電力で出力される搬送波が変調されている。
S801において、制御部201は、電力生成部203によって生成される第2の電力を増加するか否かを判定する。第2の電力を増加すると判定した場合にはS802に処理を進め、一方、第2の電力を増加しないと判定した場合にはS805に処理を進める。
S802において、制御部201は、第2の電力を増加させた場合のゲインを抑制するため、第2の電力による通信時の変調度を低下させる。例えば、制御部201は、図4に示した制御処理により、送電電力を3W、変調度を5%に設定し、これから送電電力を4Wに増加する場合、例えば変調度を3%に低下させる。これにより、ASK変調の周波数特性のゲインは送電電力が大きくなっても小さく抑えることができる。
S803において、制御部201は、電力生成部203によって生成される第2の電力を減少する場合、S804に処理を進める。制御部201は、電力生成部203によって生成される第2の電力を減少しない場合、本処理を終了する。
S804において、制御部201は、第2の電力による通信時の変調度を増加させる。例えば、制御部201は、図4に示した制御処理において、送電電力を3Wに設定し且つ変調度を5%に設定し、これから送電電力を2Wに減少させる場合、変調度を10%に増加させる。これにより、送電電力が小さいときは、変調度を大きくすることにより、送電中の通信感度を高めることができる。制御部201は、変調度を変更した後にS805に処理を進める。
S805において、制御部201は、通信部206を介して、第1または第2の電力により、変更後の変調度を示す情報を電子機器300に送信する。電子機器300に送信する変調度情報は、図4のフローチャートにおいて、S406またはS409またはS412で決定された変調度である。このとき、第2の電力によって変更後の変調度を示す情報を送信すれば、給電を継続したまま情報を送信することができる。制御部201は、その後本処理を終了する。
(給電装置200のステータス情報を受信した後における制御処理)
次に、図9を参照して、給電装置200による、ステータス情報を受信した後における制御処理の一連の動作について説明する。制御処理は、制御部201が不揮発性メモリ208に格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開、実行することにより実現される。また、本処理は、給電装置200において、図4に示したS414において第2の電力による通信機能が有効化されたうえで、S415における送信が開始された後に実行される。すなわち、通信部206を介して、第2の電力による無線給電中に通信することが可能である。
S901において、制御部201は、第2の電力を出力している期間において、電子機器300から通信部206を介して無線給電ステータス情報を受信したか否かを判定する。なお、無線給電ステータス情報はNDEFデータであり、電子機器300が第2の電力による無線給電の状況を示すデータである。無線給電ステータス情報は、電子機器300のバッテリ情報、電子機器300による第2の電力による通信時における変調度変更の要求有無、等の情報を含む。制御部201は、電子機器300から通信部206を介して無線給電ステータス情報を受信したと判定した場合、S902に処理を進める。そうでない場合には、本処理を終了する。
S902において、制御部201は、S901において受信した無線給電ステータス情報を参照して、電子機器300が第2の電力による通信時の変調度変更を要求しているか否かを判定する。制御部201は、電子機器300が第2の電力による通信時の変調度変更を要求していると判定した場合、S903に処理を進める。一方、制御部201は、電子機器300が第2の電力による通信時の変調度変更を要求していないと判定した場合、本処理を終了する。
S903において、制御部201は、電力生成部203によって生成される第2の電力による通信時の変調度を変更する。例えば、制御部201は、無線給電ステータス情報を参照して、電子機器300からの第2の電力による通信時の変調度変更の要求が変調度の増加を示す場合、変調度を増加させる。
S904において、制御部201は、通信部206を介して、第1または第2の電力により、変更後の変調度情報を電子機器300に送信する。電子機器300に送信する変調度情報は、S903において変更した、変更後の変調度である。上述したように、第2の電力によって変更後の変調度情報を送信すれば、給電を継続したまま情報を送信することができる。制御部201は、変更後の変調度を送信すると本処理に係る一連の動作を終了する。
以上説明したように本実施形態では、給電装置200は電子機器300から給電中の通信の可否、対応能力を示す情報を取得し、当該情報に応じて電子機器300との間の送電及び通信を制御するようにした。そして、給電を行うための搬送波を用いて電子機器300と通信を行う場合に、搬送波の送電電力が大きいほどASK変調を行う際の振幅の変調度を小さく設定するようにした。一方、搬送波の送電電力が小さいときは、変調度を大きく保つようにした。これにより、送電電力が大きくなってもASK変調の周波数特性のゲインを小さく抑えることができる。すなわち、給電の対象である電子機器に応じて給電を行いながら通信を行うとともに、給電する電力の増加に対し被変調波の電力を抑制することができる。一方、送電時の出力が小さいときには、送電中の通信感度を高めることができる。
(その他の実施形態)
また、本発明に係る給電装置は、本実施形態で説明した給電装置200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る給電装置は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。また、本発明に係る電子機器は、本実施形態で説明した電子機器300に限定されるものではない。例えば、本発明に係る電子機器は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
更に、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、本実施形態で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
201…制御部、206…通信部、207…給電アンテナ、211…電力検出部、301…制御部、303…受電アンテナ、306…通信部

Claims (11)

  1. 電子機器に無線給電を行う給電手段と、
    前記無線給電のための電力を用いて通信を行うための所定の情報を、前記電子機器から取得する取得手段と、
    前記電力を用いて前記電子機器と通信する通信手段と、
    前記所定の情報に基づいて、前記通信手段による前記電子機器との通信を制御する制御手段と、を含み、
    前記制御手段は、前記電子機器が前記電力を用いて通信が可能である場合、前記給電手段による送電電力が高いほど、該通信のための振幅変調において振幅が変化する度合いを示す変調度が小さくなるように前記通信手段を制御する、ことを特徴とする給電装置。
  2. 前記制御手段は、前記所定の情報に含まれる、前記電力を用いた通信に対応するか否かを示す情報に基づいて、前記電子機器が前記電力を用いて通信が可能であるかを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
  3. 前記制御手段は、前記所定の情報に含まれる、前記電子機器が対応可能な受電電力を示す情報に基づいて前記送電電力を判定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
  4. 前記制御手段は、更に、前記電力を用いて通信を行う際に用いる前記変調度を、前記電子機器に通知するために出力する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の給電装置。
  5. 前記制御手段は、更に、前記電力を用いて前記電子機器と通信を開始した後に前記変調度を変更する場合、変調度を該通信によって前記電子機器に通知するために出力する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の給電装置。
  6. 前記制御手段は、前記電力を用いて前記電子機器と通信を開始した後と、該通信を開始する前とで、前記電子機器に通知するための通信を異ならせる、ことを特徴とする請求項4または5に記載の給電装置。
  7. 前記制御手段は、前記電力を用いて前記電子機器と通信を開始した後に、前記電子機器から前記変調度を変更する要求を該通信によって受信し、当該要求に基づいて前記変調度を変更する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の給電装置。
  8. 前記制御手段は、ASK方式を用いて前記振幅変調を行う、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の給電装置。
  9. 前記変調度は、前記振幅変調に用いられる第1の振幅と第2の振幅との和に対する、前記第1の振幅と前記第2の振幅との差の割合を用いて得られる、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の給電装置。
  10. 電子機器に無線給電を行う給電手段を有する給電装置の制御方法であって、
    取得手段が、前記無線給電のための電力を用いて通信を行うための所定の情報を、前記電子機器から取得する取得工程と、
    通信手段が、前記電力を用いて前記電子機器と通信する通信工程と、
    制御手段が、前記所定の情報に基づいて、前記通信工程における前記電子機器との通信を制御する制御工程と、を含み、
    前記制御工程では、前記電子機器が前記電力を用いて通信が可能である場合、前記給電手段による送電電力が高いほど、該通信のための振幅変調において振幅が変化する度合いを示す変調度が小さくなるように前記通信工程における通信を制御する、ことを特徴とする給電装置の制御方法。
  11. コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載の給電装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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