JP2005018404A - 誘導式読み書き通信端末及びそれを用いた通信システム - Google Patents

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雅彦 田中
Hiroshi Yoshinaga
洋 吉永
Futoshi Deguchi
太志 出口
Akihiko Hirata
明彦 平田
Sukeaki Haruyama
祐明 春山
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Abstract

【課題】本発明は、制御系の信号により容易に変調度を可変可能な誘導式読み書き通信端末及びそれを用いた通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の誘導式読み書き通信端末は、制御系からの信号により抵抗値を可変可能な可変抵抗器と、変調信号により変調を行うスイッチとを有し、増幅器としてFET或いはトランジスタを設けた構成としたものであり、それを用いた通信システムは、非接触ICカード等の無線通信媒体と通信を行うものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触ICカード等の無線通信媒体と通信を行う誘導式読み書き通信端末及びそれを用いた通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触ICカードや非接触IDタグと呼ばれる無線通信媒体と、これを処理する読取/書込装置である誘導式読み書き通信端末を用いた通信システムは、例えば13.56MHzの周波数帯を利用した物流システム、交通システム、航空貨物管理システム等々に実用化されつつある。
【0003】
この非接触ICカードを用いたシステムは、1枚の樹脂製カード上にICチップとアンテナコイルを備えた無線通信媒体である非接触ICカードと、この非接触ICカードとの通信を行う誘導式読み書き通信端末である読取/書込装置とを備え、この読取/書込装置にはループアンテナが備えられている。このループアンテナにより電力と送信データを常時または間欠に送信し、この電力と送信データを受信できる範囲内にある非接触ICカードからの受信データを得るものである。
【0004】
このような、無線通信媒体(非接触ICカード)を処理する誘導式読み書き通信端末や通信システムに関して、(特許文献1)に記載されたものが知られている。
【0005】
図7に従来の誘導式読み書き通信端末(非接触ICカードリーダ/ライタ)の変調回路構造を示しており、変調回路101は、発振器102、増幅器103、変調用トランジスタ104、変調度を決定している固定抵抗105から構成され、処理回路106から入力される送信データを受け変調を行って、アンテナ部107に出力する。なお、図7は従来の誘導式読み書き通信端末の変調回路を示す図である。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−96300号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の誘導式読み書き通信端末においては、使用する非接触ICカードのICの種類により最適な変調度が異なる為、変調度が可変可能であることが要求されているが、制御信号等により容易に変調度の調整を行うことは不可能であった。そこで本発明は、制御系の信号により容易に変調度を可変可能な誘導式読み書き通信端末及びそれを用いた通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、変調器に可変抵抗器を有し、制御系から変調度指定信号が入力された場合には可変抵抗器の抵抗値を可変することにより変調度の可変を行うように構成したものである。これにより、ICに適切な変調度の設定を容易に行うことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、送信波のASK変調の変調度を可変することを可能とした変調器を有する誘導式読み書き通信端末であり、使用する非接触ICカードに適切な変調度を選択できるという作用を有する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、制御系からの信号により抵抗値を可変可能な可変抵抗器と、変調信号により変調を行うスイッチとを有し、増幅器としてFETを設けた請求項1記載の誘導式読み書き通信端末であり、増幅器にFETを使用した場合に変調度を容易に変更できるという作用を有する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、可変抵抗器がFETのソースとグランド間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とする請求項2記載の誘導式読み書き通信端末であり、FETのソース側に変調器を設けた場合に容易に変調度の調整を行えるという作用を有する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、可変抵抗器がFETのドレインと電源間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とする請求項2記載の誘導式読み書き通信端末であり、FETのドレイン側に変調器を設けた場合に容易に変調度の調整を行えるという作用を有する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、制御系からの信号により抵抗値を可変可能な可変抵抗器と、変調信号により変調を行うスイッチとを有し、増幅器としてトランジスタを設けた請求項1記載の誘導式読み書き通信端末であり、増幅器にトランジスタを使用した場合に変調度を容易に変更できるという作用を有する。
【0014】
請求項6に記載に発明は、可変抵抗器がトランジスタのエミッタとグランド間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とする請求項5記載の誘導式読み書き通信端末であり、トランジスタのエミッタ側に変調器を設けた場合に容易に変調度の調整を行えるという作用を有する。
【0015】
請求項7に記載の発明は、可変抵抗器がトランジスタのコレクタと電源間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とする請求項5記載の誘導式読み書き通信端末であり、トランジスタのコレクタ側に変調器を設けた場合に容易に変調度の調整を行えるという作用を有する。
【0016】
請求項8に記載の発明は、最終段の増幅器にE級増幅器を使用した場合、変調度を可変した場合でも発振等の異常状態を引き起こしにくい変調回路を有する請求項2の誘導式読み書き通信端末であり、変調度を可変した場合でも最終段AMPの出力インピーダンスの変化を最小限に抑えることができ、AMPが不安定な動作になることを防止する作用を有する。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8いずれか1項に記載の誘導式読み書き通信端末を用いて、非接触ICカード等の無線通信媒体と通信を行う通信システムであり、最適変調度の違いによる非接触ICカードの認識特性のばらつきをなくすことが可能とする作用を有する。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による誘導式読み書き通信端末のブロック図である。図1において、1は電源部、2はチョークコイルであり、3は発振器、4は増幅器、5は最終段の増幅器を示す。また、6はスイッチ、7は可変抵抗器、8は制御部である。
【0020】
図1に示すように、電源部1は、誘導式読み書き通信端末全体の電源供給を行う。また、発振器3は搬送波の発振源であり、増幅器4は最終段の増幅器5のドライバーとなっている。また、スイッチ6はFET等で構成され、電流の流れを可変抵抗器7からスイッチ6へ移し、変調信号を入力することによりASK変調を行う。更に、制御部8は誘導式読み書き通信端末全体の制御を行うものであり、変調・変調度可変等の指示を行う。
【0021】
次に、以上のように構成された誘導式読み書き通信端末における変調度可変の動作について、図1、図5を用いて説明する。なお、図5は本発明の実施の形態によるASK変調の送信波形及び変調信号を示す図である。
【0022】
図5において変調度は、次の式により求められる。
【0023】
変調度(%)=(1−V/V0)×100
実回路で変調は、図5のAのポイントでスイッチ6がOFFとなり電流が可変抵抗器7を流れ出し、可変抵抗器7で電圧を生じるためソース電圧が上がり、結果として、出力電圧が小さくなり、図5のBのポイントでスイッチ6がONとなり電流が主にスイッチ6側を流れ、ソース電圧が下がり出力電圧が大きくなることによりASK変調を可能としており、制御部8からの変調度指定信号により可変抵抗器7の抵抗値を変化させることにより、スイッチ6がOFF時のソース電圧が変化し変調度を容易に可変することが可能となる。
【0024】
また、本構成で変調度の変更を実施した場合、増幅器の出力インピーダンスの変化を最小に抑えることができ、増幅器がE級動作などの出力インピーダンスの変化で不安定になりやすい構成でも使用可能となる。
【0025】
なお、以上の説明では、最終段の増幅器にFETを用いた場合を示したが、トランジスタを増幅器に用いた場合でもエミッタに変調器を接続することにより同様に実施可能である。これを図2に示す。なお、図2は本発明の実施の形態1による誘導式読み書き通信端末の他の例を示すブロック図であり、9は最終段の増幅器を示す。
【0026】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2による誘導式読み書き通信端末のブロック図を示し、図3において、電源部1、誘導式読み書き通信端末全体の電源供給を行うもので、発振器2は搬送波の発振源で、増幅器4は最終段の増幅器5のドライバーで、スイッチ6はFET等で構成され電流の流れを可変抵抗器7からスイッチ6へ移すことにより変調信号を入力することによりASK変調を行うもので、制御部8は誘導式読み書き通信端末全体の制御を行うもので変調・変調度可変等の指示を行うもので構成されている。
【0027】
以上のように構成された誘導式読み書き通信端末について変調度可変の動作について、図3、図5を用いて説明する。
【0028】
図5において変調度は、次の式により求められる。
【0029】
変調度(%)=(1−V/V0)×100
実回路で変調は、図5のAのポイントでスイッチ6がOFFとなり電流が可変抵抗器7を流れ出し、可変抵抗器7で電圧を生じるためドレイン電圧が下がり結果として、出力電圧が小さくなり、図5のBのポイントでスイッチ6がONとなり電流が主にスイッチ6側を流れ、ドレイン電圧が上がり出力電圧が大きくなることによりASK変調を可能としており、制御部8からの変調度指定信号により可変抵抗器7の抵抗値を変化させることにより、スイッチ6がOFF時のドレイン電圧が変化し変調度を容易に可変することが可能となる。
【0030】
なお、以上の説明では、最終段の増幅器にFETを用いた場合を示したが、トランジスタを増幅器に用いた場合でもコレクタに変調器を接続することにより同様に実施可能である。これを図4に示す。なお、図4は本発明の実施の形態2による誘導式読み書き通信端末の他の例を示すブロック図であり、9は最終段の増幅器を示す。
【0031】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3による誘導式読み書き通信端末を用いた通信システムを示すブロック図である。図6において、11は発振器、12は増幅器、13は最終段の増幅器を示す。また、14はLPF(ローパスフィルタ)であり、15はループアンテナ、16は変調器、17は受信部を示し、18は制御部である。また、10は誘導式読み書き通信端末、20は非接触ICカードを示している。
【0032】
図6に示すように、誘導式読み書き通信端末10がループアンテナ15を介して、無線通信媒体としての非接触ICカード20へASK変調をかけた送信波を送信することにより電力、信号を送信し、非接触ICカード20は誘導式読み書き通信端末10から送信された電力で起動、信号を受信し信号に対する返信をIC内部の負荷を変動させることにより、誘導式読み書き通信端末10にIC内部のデータを読み書きすることが可能となる。
【0033】
このように、通信システムに変調度を可変可能な誘導式読み書き通信端末10を用い、送信する信号の元となるASK変調の変調度を可変可能とすることを特徴としており、非接触ICカードのICの種類が異なることによる変調度における特性においてシステム特性が変化しない通信システムの提供が可能となる。
【0034】
なお、本発明における誘導式読み書き通信端末の通信システムには、非接触で誘導式読み書き通信端末との通信を行うことができる無線通信媒体を用いることができ、非接触ICカードだけでなく、非接触ICタグ、非接触IDタグ、非接触識別ラベルと呼ばれるものを含むのは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、無線通信媒体、例えば、非接触ICカードの種類による最適な変調度を容易に変更することが可能となり、最適変調度の違いによる非接触ICカードの認識特性のばらつきをなくすことが可能となるという有利な効果が得られる。
【0036】
よって、制御系の信号により容易に変調度を可変可能な誘導式読み書き通信端末及びそれを用いた通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による誘導式読み書き通信端末のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1による誘導式読み書き通信端末の他の例を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2による誘導式読み書き通信端末のブロック図
【図4】本発明の実施の形態2による誘導式読み書き通信端末の他の例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態によるASK変調の送信波形及び変調信号を示す図
【図6】本発明の実施の形態3による誘導式読み書き通信端末を用いた通信システムを示すブロック図
【図7】従来の誘導式読み書き通信端末の変調回路を示す図
【符号の説明】
1 電源部
2 チョークコイル
3 発振器
4 増幅器
5,9 最終段の増幅器
6 スイッチ
7 可変抵抗器
8 制御部
10 誘導式読み書き通信端末
20 非接触ICカード

Claims (9)

  1. 送信波のASK変調の変調度を可変することを可能とした変調器を有することを特徴とする誘導式読み書き通信端末。
  2. 制御系からの信号により抵抗値を可変可能な可変抵抗器と、変調信号により変調を行うスイッチとを有し、増幅器としてFETを設けたことを特徴とする請求項1記載の誘導式読み書き通信端末。
  3. 可変抵抗器がFETのソースとグランド間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とすることを特徴とする請求項2記載の誘導式読み書き通信端末。
  4. 可変抵抗器がFETのドレインと電源間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とすることを特徴とする請求項2記載の誘導式読み書き通信端末。
  5. 制御系からの信号により抵抗値を可変可能な可変抵抗器と、変調信号により変調を行うスイッチとを有し、増幅器としてトランジスタを設けたことを特徴とする請求項1記載の誘導式読み書き通信端末。
  6. 可変抵抗器がトランジスタのエミッタとグランド間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とすることを特徴とする請求項5記載の誘導式読み書き通信端末。
  7. 可変抵抗器がトランジスタのコレクタと電源間に接続され変調度指定信号により自在に変調度の可変を行うことを可能とすることを特徴とする請求項5記載の誘導式読み書き通信端末。
  8. 最終段の増幅器にE級増幅器を使用した場合、変調度を可変した場合でも発振等の異常状態を引き起こしにくい変調回路を有することを特徴とする請求項2記載の誘導式読み書き通信端末。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の誘導式読み書き通信端末を用いて、非接触ICカード等の無線通信媒体と通信を行うことを特徴とする通信システム。
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