JP2018148135A - リチウムタンタレートウェーハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工負荷の小さいエッジトリミングを実施する。【解決手段】外周縁に面取り加工がされたリチウムタンタレートウェーハにおいて、該ウェーハの外周縁を切削するウェーハの加工方法であって、該表面を露出しつつ該リチウムタンタレートウェーハをチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、該ウェーハの外周縁に切削ブレードを切り込ませつつ該保持面に垂直な軸の周りに該チャックテーブルを回転させて、該ウェーハの該外周縁から中心側に第1の幅を有する第1の環状領域を切削する粗加工ステップと、該ウェーハの表面側に該粗加工ステップで形成された縁に該切削ブレードを切り込ませつつ該チャックテーブルを該軸の周りに回転させて、該粗加工ステップで形成された該縁から中心側に第2の幅を有する第2の環状領域を切削する仕上げ加工ステップと、を備え、該第1の幅は、該第2の幅よりも大きく、該第2の幅は200μm以下である。【選択図】図3
Description
本発明は、リチウムタンタレート(タンタル酸リチウム)ウェーハの加工方法に関する。
デバイスが形成される半導体ウェーハとしてリチウムタンタレート(タンタル酸リチウム)ウェーハが用いられる。例えば、該ウェーハの表面には格子状に配列された複数の分割予定ラインが設定され、区画された各領域には表面弾性波フィルター(Surface acoustic wave filter、SAWフィルター)等のデバイスが形成される。該リチウムタンタレートウェーハ(以下、単にウェーハという)が最終的に該分割予定ラインに沿って分割されると個々のデバイスチップが形成される。
近年、電子機器の小型化・薄型化に伴い、該電子機器に搭載されるデバイスチップに対しても小型化・薄型化への要求が高まっている。薄化されたデバイスチップを形成するには、例えば、表面に複数のデバイスが形成された該ウェーハの裏面を研削して該ウェーハを所定の厚みに薄化し、その後、該分割予定ラインに沿って該ウェーハを分割(ダイシング)する。
ところで、ウェーハの割れや発塵の防止のためにウェーハの外周縁には面取り加工がなされる。そして、該ウェーハの外周に断面形状が円弧状となる面取り部が形成される。このような外周に該面取り部が形成されたウェーハを用いて薄化されたデバイスチップを形成する場合にも該ウェーハの裏面を研削してウェーハを薄化することになる。
しかし、外周に面取り部が形成されたウェーハを薄化すると、該ウェーハの外周がナイフエッジの如く鋭利に尖る。すると、ウェーハの外周から欠けやクラックが生じやすくなり、ウェーハが破損しやすくなるとの問題が生じる。特に、クラック等の損傷がデバイスに達するとデバイスが損傷してデバイスチップが不良となる。
そこで、研削加工を実施する前にウェーハ表面の外周縁を除去するエッジトリミングを実施する技術が提案されている。エッジトリミングにより該面取り部を予め部分的に除去すると、ウェーハを裏面から研削してもウェーハの外周の断面形状が尖らない。そのため、研削加工においてウェーハの外周縁に発生する損傷の数を低減できる。
エッジトリミングには、円環状の切り刃を備える切削ブレードが用いられる。該円環状の切り刃は、例えば、砥粒が分散された結合材を焼結して形成される。エッジトリミングの際には、該切削ブレードを該ウェーハに垂直な面内で回転させ、回転する該切削ブレードを該ウェーハの外周縁付近に切り込ませる。
エッジトリミングでは、ウェーハの外周縁から数mmの幅の環状領域を切削加工により除去するが、この幅がウェーハのダイシング時の切削幅に比べて大きいため、エッジトリミング時に切削ブレードやウェーハにかかる負荷は比較的大きい。そのため、該切削ブレードの切り刃の角部が摩耗して丸くなりやすく所望の形状にトリミングができなくなるとの問題を生じやすい。また、リチウムタンタレートは機械的強度が比較的低いため、加工負荷によりウェーハの外周縁に大きな欠け(チッピング)が生じやすい。
そこで、まず、粗い砥粒を有する切削ブレードを使用してウェーハの外周縁の所定の領域の一部を切削した後に、細かい砥粒を有する切削ブレードを使用して該所定の領域の残りの部分を切削する技術が提案されている(特許文献1参照)。エッジトリミングを2つの段階に分けることで、切削時の負荷を小さくすることができる。
該技術により、エッジトリミングにおける加工負荷を低減することができるが、該技術を実施するためには、粗い砥粒を有する切削ブレードと、細かい砥粒を有する切削ブレードと、の2つの切削ブレードが必要となる。1つの切削ユニットを有する切削装置において2つの切削ブレードを使用するには、切削ブレードを都度交換する必要があり手間がかかる。また、2つの切削ユニットを有し2つの切削ブレードを装着可能な切削装置はコストが高い。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工負荷の小さいエッジトリミングを低コストに実施できるリチウムタンタレートウェーハの加工方法を提供することである。
本発明の一態様によると、表面にデバイスが形成され、外周縁に面取り加工がされたリチウムタンタレートウェーハにおいて、該リチウムタンタレートウェーハの外周縁を切削するウェーハの加工方法であって、該表面を露出しつつ該リチウムタンタレートウェーハをチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、該ウェーハの外周縁に切削ブレードを切り込ませつつ該保持面に垂直な軸の周りに該チャックテーブルを1回転以上回転させて、該ウェーハの該外周縁から中心側に第1の幅を有する第1の環状領域を切削する粗加工ステップと、該ウェーハの表面側に該粗加工ステップで形成された縁に該切削ブレードを切り込ませつつ該チャックテーブルを該軸の周りに1回転以上回転させて、該粗加工ステップで形成された該縁から中心側に第2の幅を有する第2の環状領域を切削する仕上げ加工ステップと、を備え、該第1の幅は、該第2の幅よりも大きく、該第2の幅は200μm以下であることを特徴とするリチウムタンタレートウェーハの加工方法が提供される。
本発明の一態様において、該粗加工ステップは、該ウェーハの該外周縁に該切削ブレードを切り込ませつつ該軸の周りに該チャックテーブルを1回転以上回転させて、該ウェーハの外周縁を切削する第1粗加工ステップと、該ウェーハの表面側に該第1粗加工ステップで形成された縁に、該切削ブレードを切り込ませつつ該軸の周りに該チャックテーブルを該軸の周りに1回転以上回転させて、該第1粗加工ステップで形成された該縁を切削する第2粗加工ステップと、を備えてもよい。
本発明の一態様に係るリチウムタンタレートウェーハの加工方法によると、面取り部が形成された該ウェーハの外周縁を切削してエッジトリミングをする際に、一つの切削ブレードを使用して粗加工ステップと、仕上げ加工ステップと、を実施する。エッジトリミングを2回以上の切削加工に分けて実施するため、1回当たりの加工負荷を低下させることができる。
エッジトリミングで形成されるリチウムタンタレートウェーハの表面側の縁において損傷を抑制するには、特に仕上げ加工ステップにおける加工負荷を低下させることが重要である。そこで、粗加工ステップにおいて切削する第1の環状領域の第1の幅を、仕上げ加工ステップにおいて切削する第2の環状領域の第2の幅よりも大きくする。さらに、該第2の幅を200μm以下とする。すると、仕上げ加工ステップにおける加工負荷を特に低減できる。
本発明の一態様によると、2種以上の切削ブレードを用意して切削ブレードを交換することなく、又は、切り替えることなく、一つの切削ブレードで加工負荷の小さいエッジトリミングを実現できる。そのため、加工負荷の小さいエッジトリミングをコストの増大を極力抑えて実現できる。
したがって、本発明の一態様によると、加工負荷の小さいエッジトリミングを低コストに実施できるリチウムタンタレートウェーハの加工方法が提供される。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る加工方法で加工されるリチウムタンタレートウェーハについて説明する。図1は、リチウムタンタレートウェーハを模式的に示す斜視図である。以下、リチウムタンタレートウェーハを単にウェーハという場合がある。
略円板状のウェーハ1の表面1aには、格子状に複数の分割予定ライン3が設定され、該分割予定ライン3により区画された各領域に、例えば、SAWフィルター等のデバイス5が形成されている。ウェーハ1のデバイス5が形成される領域はデバイス領域と呼ばれる。該ウェーハ1を最終的に該分割予定ライン3に沿って分割すると、個々のデバイスチップを形成できる。
ウェーハ1の表面1a及び裏面1bと、両者の間の側面と、の間が角となっていると、外部からの衝撃等がウェーハ1の該角に与えられたときにウェーハ1に損傷が生じて、ウェーハ1が割れ破片が空中に舞い上がって発塵する場合がある。そこで、予めウェーハ1の外周縁には該角を除去するための面取り加工が実施され、該外周縁には断面形状の縁が円弧状となる面取り部が形成される。すると、ウェーハ1の外周縁における損傷の発生が抑制される。
次に、本実施形態に係る加工方法で使用される切削装置について図2(A)を用いて説明する。図2(A)は、該切削装置2を模式的に示す側面図である。図2(A)に示すように、該切削装置2は、ウェーハ1を保持するチャックテーブル4と、該チャックテーブル4に保持されたウェーハ1の外周縁付近を切削加工する切削ユニット6と、を備える。
チャックテーブル4は上面側に多孔質部材(不図示)を有する。該多孔質部材の上面はウェーハ1を保持する保持面4aとなる。チャックテーブル4は、一端が吸引源(不図示)に接続された吸引路を内部に有し、該吸引路の他端が該多孔質部材に接続されている。該保持面4a上にウェーハ1が載せられ、該多孔質部材の孔を通して該吸引源により生じた負圧がウェーハ1に作用すると、ウェーハ1はチャックテーブル4に吸引保持される。
切削装置2は、パルスモータ等を動力とする加工送り機構(不図示)により、チャックテーブル4を切削装置2の加工送り方向に移動できる。例えば、ウェーハ1を分割予定ライン3に沿って切削する場合、該加工送り機構はチャックテーブルを送ることでウェーハ1を加工送りする。
さらに、切削装置2はパルスモータ等を動力とする割り出し送り機構(不図示)により、切削ユニット6を切削装置2の割り出し送り方向(不図示)に移動できる。また、チャックテーブル4は保持面4aに略垂直な軸の周りに回転可能であり、チャックテーブル4を回転させるとウェーハ1の加工送り方向を変えられる。ウェーハ1のエッジトリミング時には、チャックテーブル4を該軸の周りに回転させながら切削ブレード10をウェーハ1の外周縁付近に切り込ませる。
切削ブレード10は、回転可能に支持されたスピンドル8の先端に装着される。切削加工時にはスピンドル8を回転させることで、切削ブレード10を回転させる。該切削ブレード10は、例えば、リングタイプのいわゆるオールブレードであり、中央に貫通孔を有し、例えば、Cu等の金属でなるボンド材(結合剤)中にダイヤモンド等の砥粒が固定される。
次に、該切削装置2を用いて実施する本実施形態に係るリチウムタンタレートウェーハの加工方法について説明する。該加工方法は、該ウェーハの該外周縁から中心側に第1の幅を有する領域を切削する粗加工ステップと、該粗加工ステップで形成された新たな外周縁から中心側に第2の幅を有する領域を切削する仕上げ加工ステップと、を備える。以下、本実施形態に係るリチウムタンタレートウェーハの加工方法の各ステップについて詳述する。
該加工方法においては、リチウムタンタレートウェーハをチャックテーブルで保持する保持ステップを実施する。該保持ステップでは、まず、切削装置2のチャックテーブル4の保持面4a上にウェーハ1を載せる。該加工方法では、ウェーハ1の表面1aの外周縁付近を切削加工するため、ウェーハ1の裏面1bをチャックテーブル4側に向けて、該裏面1bを該保持面4aに接触させる。
チャックテーブル4は、保持面4aに垂直な軸の周りに回転可能である。ウェーハ1を保持面4aに載せる際は、該軸にウェーハ1の中心が合うようにウェーハ1を保持面4aに載せる。そして、チャックテーブル4の吸引源(不図示)を作動させて該吸引源により生じた負圧がチャックテーブル4の上面の多孔質部材の孔を通してウェーハ1に作用すると、ウェーハ1はチャックテーブル4に吸引保持される。
次に、本実施形態に係る加工方法では、粗加工ステップ及び仕上げ加工ステップを実施する。両ステップを実施することでウェーハ1の外周縁の面取り部を切削するエッジトリミングを実施する。
粗加工ステップでは、ウェーハ1の外周縁から中心側に第1の幅を有する第1の環状領域を切削し、仕上げ加工ステップでは、ウェーハ1の表面側に該粗加工ステップで形成された縁から中心側に第2の幅を有する第2の環状領域を切削する。すなわち、第1の幅と、第2の幅と、の和がエッジトリミングにより切削される領域の全幅となる。
まず、粗加工ステップについて詳述する。粗加工ステップでは、ウェーハ1の外周縁から中心側に第1の幅を有する第1の環状領域を切削する。粗加工ステップは、2以上のステップに分けて実施されてもよく、その場合、該2以上のステップをすべて実施することで該第1の環状領域を切削する。以下、第1粗加工ステップと、第2粗加工ステップと、の2つのステップにより第1の環状領域を切削する粗加工ステップについて説明する。
該粗加工ステップでは、まず、第1粗加工ステップを実施する。第1粗加工ステップについて、図2(A)を用いて説明する。図2(A)は、第1粗加工ステップを模式的に示す部分断面図である。該部分断面図には、ウェーハ1の断面が模式的に示されている。
第1粗加工ステップでは、幅12(図2(B)参照)の第1の環状領域のうち、ウェーハ1の外周側の幅12aの環状領域を切削ブレード10により切削する。まず、チャックテーブル4と、切削ユニット6と、を移動させて、該加工送り方向に伸長し該幅12aの環状領域の内周縁に接する接線と、切削ブレード10の端部と、の水平方向の位置が合うように該接線の上方に切削ブレード10を位置付ける。なお、該幅12aは、切削ブレード10の厚さよりも小さい値となるように設定される。
そして、スピンドル8を回転させて切削ブレード10を回転させるとともに、切削ブレード10を所定の高さまで下降させる。その後、切削ブレード10の該端部が該幅12aの環状領域の該内周縁に接するようにチャックテーブル4を加工送りして、ウェーハ1の外周縁を切削する。さらに、チャックテーブル4を該軸の周りに1回転以上回転させると、ウェーハ1の該外周縁を含む幅12aの環状領域が切削される。その後、切削ブレード10を上昇させて、第1粗加工ステップを終了させる。
粗加工ステップでは、次に第2粗加工ステップを実施する。第2粗加工ステップについて、図2(B)を用いて説明する。図2(B)は、第2粗加工ステップを模式的に示す部分断面図である。該部分断面図には、ウェーハ1の断面が模式的に示されている。
第2粗加工ステップでは、幅12の第1の環状領域のうち、ウェーハ1の中心側の幅12bの環状領域を切削ブレード10により切削する。まず、チャックテーブル4と、切削ユニット6と、を移動させて、該加工送り方向に伸長し幅12の第1の環状領域の内周縁に接する接線と、切削ブレード10の端部と、の水平方向の位置が合うように該接線の上方に切削ブレード10を位置付ける。
なお、第2粗加工ステップで切削される環状領域の幅12bは、切削ブレード10が該第1粗加工ステップで該ウェーハ1の表面1a側に形成された縁と重なるように設定される。
そして、スピンドル8を回転させて切削ブレード10を回転させるとともに、切削ブレード10を所定の高さまで下降させる。その後、切削ブレード10の該端部が第1の環状領域の内周縁に接するようにチャックテーブル4を加工送りして、該第1粗加工ステップで該ウェーハ1の表面1a側に形成された新たな縁を切削する。さらに、チャックテーブル4を該軸の周りに1回転以上回転させると、幅12bの環状領域が切削される。その後、切削ブレード10を上昇させて、第2粗加工ステップを終了させる。
第1粗加工ステップと、第2粗加工ステップと、が実施されると、ウェーハ1の幅12の第1の環状領域が切削される。なお、粗加工ステップを第1粗加工ステップと、第2粗加工ステップと、に分けて実施する場合について説明したが、粗加工ステップを一つのステップで実施してもよい。
本実施形態に係る加工方法では、次に、仕上げ加工ステップを実施する。仕上げ加工ステップについて、図3を用いて説明する。仕上げ加工ステップでは、ウェーハ1の表面1a側に粗加工ステップで形成された縁(該第1の環状領域の内周縁)からウェーハ1の中心側に第2の幅14を有する第2の環状領域を切削する。
まず、チャックテーブル4と、切削ユニットと、を移動させて、該加工送り方向に伸長し幅14の第2の環状領域の内周縁に接する接線と、切削ブレード10の端部と、の水平方向の位置が合うように該接線の上方に切削ブレード10を位置付ける。
そして、スピンドル8を回転させて切削ブレード10を回転させるとともに、切削ブレード10を所定の高さまで下降させる。その後、切削ブレード10の該端部が第2の環状領域の内周縁に接するようにチャックテーブル4を加工送りして、ウェーハ1の表面1a側に粗加工ステップで形成された縁を切削する。さらに、チャックテーブル4を該軸の周りに1回転以上回転させると、第2の環状領域が切削される。その後、切削ブレード10を上昇させて、仕上げ加工ステップを終了させる。
仕上げ加工ステップを実施すると、エッジトリミングによりウェーハ1の表面1a側の外周に最終的な縁が形成される。
損傷が生じやすいリチウムタンタレートウェーハの外周を切削して該最終的な縁を形成するとき、該縁の損傷の発生を抑制するには、該縁を形成する際に実施する切削加工における加工負荷を小さくすればよい。そのため、本実施形態に係る加工方法では、数mmの幅で外周縁を切削してエッジトリミングを実施するのに際して、切削加工を粗加工ステップ及び仕上げ加工ステップに分けて実施し、特に、仕上げ加工ステップで生じる加工負荷を低減させる。
ただし、仕上げ加工ステップにおいて粗加工ステップで使用する切削ブレードとは異なる切削ブレードを用いる場合、切削ブレードの交換又は切り替えのために時間がかかり加工効率が低下する。
そこで、粗加工ステップ及び仕上げ加工ステップにおいて同じ切削ブレード10を使用し、仕上げ加工ステップにおいて切削する第2の環状領域の幅14を粗加工ステップにおいて切削する第1の環状領域の幅12よりも小さくする。同じ切削ブレード10で同様の条件で切削加工を行う場合、切削する領域の幅を小さくすると加工負荷を小さくできる。
ここで、チャックテーブル4を回転させてリチウムタンタレートウェーハを切削加工するとき、切削加工する領域の幅と、該リチウムタンタレートウェーハに形成される新たな外周縁のチッピング等の損傷の数と、の関係を調査して両者の関係を確認した。すなわち、切削加工する領域の幅を500μm、200μm、及び、100μmとしたときに、研削加工でウェーハ1の表面に形成された縁におけるチッピング等の損傷の数を計測した。
切削加工する領域の幅を500μmとすると、該縁に生じた損傷が多く確認され切削による加工負荷が高いことが示唆された。切削加工する領域の幅を200μmとすると、該縁に生じた損傷の数が少なく、十分に切削による加工負荷を低減できたことが示唆された。切削加工する領域の幅を100μmとすると、該縁に生じた損傷の数はさらに少なくなった。すなわち、仕上げ加工ステップにおいては、切削する領域の幅を200μm以下とすると、加工負荷を十分に低減できることが示唆された。
本実施形態に係る加工方法によると、2種以上の切削ブレードを交換等して使用することなく、一つの切削ブレードで加工負荷の小さいエッジトリミングを実施できる。そのため、加工負荷が小さく低コストなエッジトリミングを実現できる。
なお、粗加工ステップ及び仕上げ加工ステップにおいては、切削ブレード10の最下端が位置付けられる表面1aからの高さ位置、すなわち、切削ブレード10の切削深さを、後述の研削ステップにおいて薄化されるウェーハ1の仕上がり厚さよりも大きくする。すると、研削ステップが実施されたとき、ウェーハ1にエッジトリミングを実施した後に残る面取り部が研削加工により除去される。
エッジトリミングがされたウェーハ1は表面1a側に保護テープ(保護部材)が貼着されて、裏面1bに研削加工が実施される。次に、図4を用いて保護部材貼着ステップを説明する。図4は、保護部材貼着ステップを模式的に示す斜視図である。保護部材貼着ステップでは、後述の研削加工時にウェーハ1の表面1aを保護するために、該表面1aに保護テープ7を貼着する。
ウェーハ1の表面1bに貼着される保護部材(保護テープ)7は、可撓性を有するフィルム状の基材と、該基材の一方の面に形成された糊層(接着剤層)と、を有する。例えば、基材にはPO(ポリオレフィン)が用いられる。POよりも剛性の高いPET(ポリエチレンテレフタラート)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が用いられても良い。また、糊層(接着剤層)には、例えば、シリコーンゴム、アクリル系材料、エポキシ系材料等が用いられる。
保護部材貼着ステップを実施した後は、ウェーハ1の裏面1bを研削加工してウェーハ1を薄化する研削ステップを実施する。図5を用いて研削ステップを説明する。図5は、裏面研削ステップを模式的に示す部分断面図である。
図5に示すように、裏面研削ステップで使用される研削装置16は、ウェーハ1を吸引保持するチャックテーブル18と、該チャックテーブル18の上方の研削ユニット16aと、を備える。チャックテーブル18は上述のチャックテーブル4と同様の構成であり、上面がウェーハ1を保持する保持面18aとなる。該チャックテーブル18は、該保持面18aに垂直な軸の周りに回転可能である。
研削ユニット16aは、円環状の研削ホイール22を回転可能に支持するスピンドル20を備える。該スピンドル20の先端には該研削ホイール22が装着されており、該研削ホイール22の下面側には、円環状に並ぶ複数の研削砥石24が固定されている。
ウェーハ1の裏面1b側を研削するために、表面1a側を下方に向けた状態で保護テープ7を介してウェーハ1をチャックテーブル18の保持面18a上に載せる。このとき、ウェーハ1の中心がチャックテーブル18の回転軸と合うようにウェーハ1を位置付ける。そして、チャックテーブル18にウェーハ1を吸引保持させて、ウェーハ1の裏面1b側を上方に露出する。
次に、研削ユニット16aのスピンドル20を回転させ研削ホイール22を回転させるとともに、チャックテーブル18を回転させる。そして、研削ホイール22をウェーハ1に向けて下降させ、回転する研削ホイール22に固定された研削砥石24がウェーハ1の裏面1bに触れるとウェーハ1が研削加工される。そして、所定の高さ位置に研削砥石24が位置付けられると、ウェーハ1が所定の厚さにまで薄化される。
研削加工されるウェーハ1の外周縁に形成されていた面取り部はエッジトリミングにより除去されている。そのため、ウェーハ1が研削加工されて薄化されても、ウェーハ1の外周縁がナイフエッジの如く尖ることはない。すると、ウェーハ1の外周において損傷の発生が抑制されるため、最終的に形成されるデバイスチップが不良とはなりにくくなる。
なお、上記実施形態では、リチウムタンタレートウェーハの外周縁の面取り部を切削する場合について説明したが、本発明の一態様はこれに限定されない。被加工物は、例えば、シリコンウェーハ又はサファイアウェーハでもよい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウェーハ
1a 表面
1b 裏面
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 保護テープ
9 新たな外周縁
2 切削装置
4,18 チャックテーブル
4a,18a 保持面
6 切削ユニット
8 スピンドル
10 切削ブレード
12,12a,12b,14 幅
16 研削装置
16a 研削ユニット
20 スピンドル
22 研削ホイール
24 研削砥石
1a 表面
1b 裏面
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 保護テープ
9 新たな外周縁
2 切削装置
4,18 チャックテーブル
4a,18a 保持面
6 切削ユニット
8 スピンドル
10 切削ブレード
12,12a,12b,14 幅
16 研削装置
16a 研削ユニット
20 スピンドル
22 研削ホイール
24 研削砥石
Claims (2)
- 表面にデバイスが形成され、外周縁に面取り加工がされたリチウムタンタレートウェーハにおいて、該リチウムタンタレートウェーハの外周縁を切削するウェーハの加工方法であって、
該表面を露出しつつ該リチウムタンタレートウェーハをチャックテーブルの保持面で保持する保持ステップと、
該ウェーハの外周縁に切削ブレードを切り込ませつつ該保持面に垂直な軸の周りに該チャックテーブルを1回転以上回転させて、該ウェーハの該外周縁から中心側に第1の幅を有する第1の環状領域を切削する粗加工ステップと、
該ウェーハの表面側に該粗加工ステップで形成された縁に該切削ブレードを切り込ませつつ該チャックテーブルを該軸の周りに1回転以上回転させて、該粗加工ステップで形成された該縁から中心側に第2の幅を有する第2の環状領域を切削する仕上げ加工ステップと、を備え、
該第1の幅は、該第2の幅よりも大きく、
該第2の幅は200μm以下であることを特徴とするリチウムタンタレートウェーハの加工方法。 - 該粗加工ステップは、
該ウェーハの該外周縁に該切削ブレードを切り込ませつつ該軸の周りに該チャックテーブルを1回転以上回転させて、該ウェーハの外周縁を切削する第1粗加工ステップと、
該ウェーハの表面側に該第1粗加工ステップで形成された縁に、該切削ブレードを切り込ませつつ該軸の周りに該チャックテーブルを該軸の周りに1回転以上回転させて、該第1粗加工ステップで形成された該縁を切削する第2粗加工ステップと、を備えることを特徴とする請求項1記載のリチウムタンタレートウェーハの加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017044130A JP2018148135A (ja) | 2017-03-08 | 2017-03-08 | リチウムタンタレートウェーハの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017044130A JP2018148135A (ja) | 2017-03-08 | 2017-03-08 | リチウムタンタレートウェーハの加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018148135A true JP2018148135A (ja) | 2018-09-20 |
Family
ID=63590054
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017044130A Pending JP2018148135A (ja) | 2017-03-08 | 2017-03-08 | リチウムタンタレートウェーハの加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018148135A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111070448A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-04-28 | 成都先进功率半导体股份有限公司 | 一种晶圆环形切割方法 |
JP7450460B2 (ja) | 2020-06-08 | 2024-03-15 | 株式会社ディスコ | ウェーハの加工方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010225976A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Disco Abrasive Syst Ltd | 積層ウェーハの分割方法 |
JP2013012595A (ja) * | 2011-06-29 | 2013-01-17 | Disco Abrasive Syst Ltd | ウエーハの加工方法 |
-
2017
- 2017-03-08 JP JP2017044130A patent/JP2018148135A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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