JP2018148055A - 液相レーザーアブレーションを利用したナノ粒子の製造方法 - Google Patents

液相レーザーアブレーションを利用したナノ粒子の製造方法 Download PDF

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【課題】従来法と比べ、収率が高く、より粒径の小さい多元系金属ナノ粒子の製造方法を提供する。【解決手段】溶液中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照射して、液相レーザーアブレーションを行い、該溶液中で多元系金属ナノ粒子を形成させる、多元系金属ナノ粒子の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、液相レーザーアブレーションを利用したナノ粒子の製造方法に関する。
近年、ナノメートルオーダーの粒径を有する粒子では、通常、バルク体とは異なる物性を示すことがあることから、粒子のさらなる微細化について種々の検討がなされている。
このような中、ビスマス−テルル−アンチモン等の多元系金属材料を含む、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子の熱電半導体材料として、粒径がナノメートルサイズの粒子の粉末が用いられることがある。粉末の粒径が小さくなるほど、粒界がフォノンの散乱源となり、熱伝導率が低下し、結果的に熱電性能の向上につながるからである。
特許文献1には、前記ナノメートルサイズの粒径を有する粒子の製造方法として、粉砕/ミル粉砕法、気相凝縮法、レーザーアブレーション法、化学合成(例えば、湿式または乾式法)法、スプレイの急速冷却法等が記載されている。
国際公開第2008/140596号
しかしながら、例えば、粉砕法では、収率の観点から50nm以下のナノ粒子を調製することが難しく、かつ不純物が混入しやすく、多元系金属材料の粉砕にあっては、各金属成分の組成比の維持が難しいという問題がある。また、レーザーアブレーションを行った場合、気相中のレーザーアブレーションでは、生成したナノ粒子を凝集させることなく回収することが困難であり、収率が低下してしまうという問題がある。さらに、多元系金属材料に関しては十分に検討されていない。
本発明は、上記を鑑み、従来法と比べ、収率が高く、より粒径の小さい多元系金属ナノ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分散剤を含む溶液中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照射して、液相レーザーアブレーションを行い、該溶液中でもとの粒子より小さい多元系金属ナノ粒子を形成させることにより、従来の製造方法に比べ、収率が高く、より粒径の小さい粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(10)を提供するものである。
(1)溶液中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照射して、液相レーザーアブレーションを行い、該溶液中で多元系金属ナノ粒子を形成させる、多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(2)前記溶液中に分散剤を含む、上記(1)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(3)前記多元系金属材料の粒子の平均粒径が、80nm〜30μmである、上記(1)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(4)前記多元系金属ナノ粒子の平均粒径が、1〜45nmである、上記(1)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(5)前記多元系金属材料が、熱電半導体材料である、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(6)前記熱電半導体材料が、ビスマス−テルル系、テルライド系、アンチモン−テルル系、ビスマスセレナイド系、又はシリサイド系である、上記(5)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(7)前記レーザーが、基本波1064nm、第二高調波532nm、又は第三高調波355nmの光を発するNd:YAGレーザーである、上記(1)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(8)前記溶液の溶媒がアルコール、及び脂肪族炭化水素から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(9)前記分散剤が、リン酸エステル系、ポリエステル/ポリエーテル型、又はポリエーテル型である、上記(2)に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法により形成される、多元系金属ナノ粒子。
本発明によれば、従来法と比べ、収率が高く、より粒径の小さい多元系金属ナノ粒子の製造方法を提供することができる。
本発明に用いる液相レーザーアブレーション装置の構成の一例を説明するための模式図である。
[多元系金属ナノ粒子の製造方法]
本発明の多元系金属ナノ粒子の製造方法は、溶液中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照射して、液相レーザーアブレーションを行い、該溶液中で多元系金属ナノ粒子を形成させる、多元系金属ナノ粒子の製造方法である。
後述する所定の粒径を有する多元系金属材料の粒子に、溶液内でレーザーアブレーションを行うことにより、レーザー光により金属粒子が、溶液中に原子、イオン、クラスター等までに解離し、解離物が、溶液中で反応し、多元系金属粒子に成長することにより、平均粒径がレーザー照射前の多元系金属材料の粒子よりも小さなナノ粒子が形成される。
図1に本発明の本発明に用いる液相レーザーアブレーション装置の構成の一例を模式図により示す。液相レーザーアブレーション装置1は、レーザー装置2から出射したレーザー光3を、反射ミラー4、及び集光レンズ5等の光学系を介して、石英ガラスセル6からなる容器に満たされた、分散剤を含む溶液中の多元系金属材料の粒子7にレーザー光3を照射する構成となっている。レーザー光照射時は、分散性を維持するために、石英ガラスセル6内の回転子8を、スターラー9により回転させることにより、多元系金属材料の粒子の分散溶液を攪拌させる。
本発明に用いるレーザーの種類は、特に制限されないが、例えば、固体レーザー(Nd:YAGレーザー、Nd:YLFレーザーなど)、エキシマレーザー、又はガスレーザーを用いることができ、この中で、高調波を利用することで近赤外から紫外の波長領域を利用でき、安定した出力を得ることができる観点から、Nd:YAGレーザーが好ましい。Nd:YAGレーザーを用いた場合、基本波の波長は1064nm、第二高調波の波長は532nm、第三高調波の波長は355nm、第四高調波の波長は266nmである。
本発明に用いるレーザー光の波長は、好ましくは157〜1200nm、より好ましくは248〜1100nm、さらに好ましくは355〜1064nmである。
本発明において、液相レーザーアブレーションにおけるレーザー照射の態様として、前述した集光レンズを介して集光してもよく、そのままレンズを介さずに照射してもよい。多元系金属材料の粒子の組成、粒径、形状、溶液中の含有量等により、選択できる。集光レンズを介して溶液中に照射する場合には、多元系金属材料の粒子に直接集光させる観点から、集光レンズの焦点距離は、10〜100mmが好ましく、より好ましくは20〜75mm、さらに好ましくは25〜50mmである。
また、レーザー照射の他の態様として、他の光学系、例えば、XY2次元エリアにレーザー光を走査させる、いわゆるガルバノミラーを用いた、レーザー光の照射方法が挙げられる。これによると、多元系金属材料の粒子が存在するエリアに対し照射効率を向上させることができ、液相レーザーアブレーションをより短時間に効率的に行い、結果として収率を上げることにつながる。
レーザー光の照射強度は、溶液中の多元系金属材料の粒子に対し、アブレーションが行われる強度であればよい。レーザー光のパルス幅は、多元系金属材料の粒子の組成、粒径、形状等により、適宜調整されるが、好ましくは1〜50nsec、より好ましくは1〜20nsec、さらに好ましくは1〜10nsecである。また、レーザーの強度は、10〜1000mJ/cmが好ましく、20〜500mJ/cmより好ましく、さらに好ましくは30〜100mJ/cmである。ピークパワーは、好ましくは1〜1000MW、さらに好ましくは1〜600MW、平均パワーは、好ましくは0.01〜100W、さらに好ましくは0.1〜50Wである。なお、レーザーの発振周波数は、特に限定されないが、好ましくは1〜60Hz、より好ましくは10〜30Hzである。レーザー光のパルス幅、強度、パワーが上記の範囲にあると、溶液中に分散した所定の粒径を有する多元系金属材料の粒子に対し、アブレーションが効果的に行われ、より粒径の小さなナノ粒子が得られる。
(多元系金属材料)
本発明に用いる多元系金属材料は、2以上の金属からなるものであり、特に制限されないが、粉末の粒径が小さくなるほど、粒界がフォノンの散乱源となり、熱伝導率を低下させる観点から、好ましくは多元系の熱電半導体材料が挙げられる。
前記熱電半導体材料としては、温度差を付与することにより、熱起電力を発生させることができる材料であれば特に制限されず、例えば、p型ビスマステルライド、n型ビスマステルライド、BiTe等のビスマス−テルル系熱電半導体材料;GeTe、PbTe等のテルライド系熱電半導体材料;アンチモン−テルル系熱電半導体材料;ZnSb、ZnSb2、ZnSb等の亜鉛−アンチモン系熱電半導体材料;SiGe等のシリコン−ゲルマニウム系熱電半導体材料;BiSe等のビスマスセレナイド系熱電半導体材料;β―FeSi、CrSi、MnSi1.73、MgSi等のシリサイド系熱電半導体材料;酸化物系熱電半導体材料;FeVAl、FeVAlSi、FeVTiAl等のホイスラー材料、TiS等の硫化物系熱電半導体材料等が用いられる。
これらの中でも、本発明に用いる前記熱電半導体材料は、p型ビスマステルライド又はn型ビスマステルライド、BiTe等のビスマス−テルル系熱電半導体材料であることが好ましい。
前記p型ビスマステルライドは、キャリアが正孔で、ゼーベック係数が正値であり、例えば、BiTeSb2−Xで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Xは、好ましくは0<X≦0.8であり、より好ましくは0.4≦X≦0.6である。Xが0より大きく0.8以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、p型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
また、前記n型ビスマステルライドは、キャリアが電子で、ゼーベック係数が負値であり、例えば、BiTe3−YSeで表わされるものが好ましく用いられる。この場合、Yは、好ましくは0≦Y≦3(Y=0の時:BiTe)であり、より好ましくは0.1<Y≦2.7である。Yが0以上3以下であるとゼーベック係数と電気伝導率が大きくなり、n型熱電変換材料としての特性が維持されるので好ましい。
本発明に用いる好ましい溶液の溶媒としては、使用するレーザー光の波長範囲において、吸収が小さい溶媒であれば、特に限定されず、水や非水溶媒を適宜使用することができる。好ましくは、アルコール、または脂肪族炭化水素が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、モノテルペンアルコール等がさらに好ましい。脂肪族炭化水素としてはヘキサン等がさらに好ましい。モノテルペンアルコールとしては、テルピネオールが好ましい。これらの溶媒は、1種又は2種以上を組み合せて用いてもよい。レーザーとしてNd:YAGレーザーを使用する場合は、エタノール、イソプロパノール、テルピネオールがさらに好ましい。
本発明において、多元系金属材料の粒子の分散性を向上させるために、分散剤を含有させることが好ましい。上記溶媒と同様、使用するレーザー光の波長範囲において、吸収が小さい分散剤であれば、特に限定されない。例えば、リン酸エステル系、ポリエステル/ポリエーテル型、ポリエーテル型等が好ましい。この中で、末端吸着基が酸性または中性であることがより好ましい。また、分散剤の市販品として、DISPERBYK103、111、118、171、180、2022、2152、BYK4510(ビックケミージャパン社製)、SMA1000P、EF−30(Cray Valley社製)、アルフォンUC−3900、US−6110(東亞合成社製)等が挙げられる。上記の分散剤を用いることにより、多元系金属材料の粒子の分散性がより向上し、レーザーアブレーションを効率的に行え、収率が向上する。
さらに、溶液中には各種の公知の界面活性剤、金属塩、酸、又はアルカリ等を添加剤として加えてもよい。
本発明において、多元系金属材料の粒子を含む溶液の温度は20〜30℃が好ましい。また、レーザーアブレーション時の溶液の温度は、用いる多元系金属材料からなる粒子のレーザー光の吸収率等に依存するが、好ましくは25〜40℃、より好ましくは25〜30℃である。溶液の温度がこの範囲にあれば、レーザーアブレーションが溶液内で均一に行われる。
本発明において、溶液に分散させる多元系金属材料の粒子は、公知の方法で、下述する平均粒径までに粉砕又は合成された粒子であることが好ましい。多元系金属材料の粒子の平均粒径は、好ましくは80nm〜30μm、より好ましくは100nm〜20μm、さらに好ましくは200nm〜15μmである。
多元系金属材料の粒子の量は、溶液1L中に好ましくは0.01〜30g、より好ましくは0.10〜20g、さらに好ましくは1.0〜15gである。
前記分散剤の含有量が、溶液中の多元系金属材料の粒子の量に対し、好ましくは0.1〜200質量%、より好ましくは1.0〜100質量%、さらに好ましくは5.0〜55質量%である。
多元系金属材料の粒子の平均粒径、量、及び分散剤の含有量が上記の範囲にあれば、分散性が高く、アブレーションが効果的に行え、アブレーション後に凝集することもないことから、収率の向上につながる。
なお、本発明において平均粒径とは、レーザー回折式粒度分析装置で測定されるD50(メディアン径;頻度分布が累積50%に相当する粒子径)の値をいう。
液相レーザーアブレーションにおいて、容器中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照
射する方向は特に制限されないが、容器の側面又は容器上部から照射することが好ましいい。
液相レーザーアブレーションに用いる容器は、特に限定されないが、用いる溶媒に不溶であり、用いるレーザー光の波長範囲に対し高い透明性を有し吸収が少ない材料からなる
容器を、適宜選択することが好ましい。例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
容器側面からレーザーを照射する場合には、石英ガラスであることが好ましい。レーザーを上部から照射する場合には、前述した条件において、高い透明性を有さない容器を使用してもよい。
また、レーザーアブレーション時は、多元系金属材料の粒子が分散された溶液を攪拌することが好ましい。撹拌手段としては、レーザーアブレーションの効果が阻害されなければ、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
液相レーザーアブレーション後に形成された多元系金属ナノ粒子の平均粒径は、好ましくは1〜45nmであり、より好ましくは2nm〜40nmであり、さらに好ましくは3nm〜25nmである。平均粒径がこの範囲にあると、例えば、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子の熱電半導体材料として用いた場合、熱伝導率を小さくすることができるため、優れた熱電性能が得られる。また、ナノメートルオーダーの粒径を有する粒子では、前述したように、通常、バルク体とは異なる物性を示すことがあり、色々な応用が期待される。
本発明の製造方法によれば、上記のように所定の平均粒径を有する多元系金属材料の粒子に溶液中でレーザー光を照射するという簡便な工程で、高い収率でより粒径の小さい多元系金属ナノ粒子が得られる。
[多元系金属ナノ粒子]
本発明の液相レーザーアブレーションによる製造方法で得られる多元系金属ナノ粒子は、粒径が45nm以下であり、不純物が少なく、各金属成分の組成比が維持される。
このため、例えば、粉末の粒径が小さくなるほど、粒界がフォノンの散乱源となり、熱伝導率を低下させることができることから、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子の熱電半導体材料のナノ粒子として好適に利用できる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例、比較例で作製した熱電半導体微粒子の粒度分布評価は、以下の方法により行った。
<粒度分布評価>
実施例及び比較例で作製した熱電半導体微粒子を、レーザー回折式粒度分析装置(Malvern社製、マスターサイザー3000)を用い粒度分布を測定し、平均粒径を算出した。なお、平均粒径は、前述したように、レーザー回折式粒度分析装置で測定されるD50の値をいう。
(実施例1)
(熱電半導体微粒子の作製)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるp型ビスマステルライドBi0.4TeSb1.6の粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:1.8μm)20mg、エタノール1.99gに、分散剤(BYK社製、DISPERBYK−118)10mgを加え溶液を調整した。調整した溶液、及び撹拌子を石英セルに加え、セル側面からNd:YAGレーザー(波長:355nm、パルス幅:10nsec、繰り返し周波数:10Hz、レーザー強度:50mJ/cm)を15分間照射することで、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子に関して、上述したレーザー回折式粒度分析装置を用い粒度分布測定を行った。熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
熱電半導体材料をn型ビスマステルルの粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:1.2μm)、分散剤をBYK社製DISPERBYK−103にした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
熱電半導体材料をn型マグネシウムシリサイドの粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:13.1μm)、分散剤をBYK社製DISPERBYK−103にした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例4)
熱電半導体材料をp型マンガンシリサイドの粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:5.7μm)、分散剤をBYK社製DISPERBYK−118にした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例5)
熱電半導体材料をn型テトラへドライトの粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:6.7μm)、分散剤をBYK社製DISPERBYK−103にした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例6)
レーザーの波長を532nmとした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料の粒子に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例7)
レーザーの波長を1064nmとした以外は実施例1と同様にして、熱電半導体材料の粒子に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例8)
レーザーの波長を532nmとした以外は実施例2と同様にして、熱電半導体材料の粒子に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(実施例9)
レーザーの波長を1064nmとした以外は実施例2と同様にして、熱電半導体材料の粒子に対し、液相レーザーアブレーションを行った。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるp型ビスマステルライドBi0.4TeSb1.6の粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:1.8μm)を、高圧ガスエネルギー下での粒子間衝突を利用し粉砕した。粉砕装置としてナノジェットマイザー(アイシンテクノロジーズ社製、型名:NJ−50)を使用した。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
(比較例2)
ビスマス−テルル系熱電半導体材料であるp型ビスマステルライドBi0.4TeSb1.6の粒子(高純度化学研究所製、平均粒径:1.8μm)を、高圧下湿式ジェットミルにより粉砕した。粉砕装置としてナノジェットパル(常光社製、型名:JN100)を使用した。得られた熱電半導体微粒子の平均粒径の測定結果を表1に示す。
実施例1〜9の熱電半導体微粒子(多元系金属ナノ粒子)の平均粒径は16〜40nmであり、もとの粒子と比べ非常に小さいものであり、かつ製造方法が異なる比較例1、2のナノ粒子の平均粒径と比べ、より小さくなっていることがわかる。
本発明の製造方法で得られた多元系金属ナノ粒子、特に、熱電半導体ナノ粒子を、熱と電気の相互エネルギー変換を行う熱電変換素子に用いることで、優れた熱電性能が得られることが期待される。また、ナノメートルオーダーの粒径を有する粒子では、通常、バルク体とは異なる物性を示すことがあり、色々な応用が期待される。例えば、可視光波長範囲に表面プラズモン共鳴吸収を有する粒子の超格子構造は、光デバイスとして用いられ、量子サイズ効果による発色現象は、ディスプレイ用蛍光体として用いられる。
1:液相レーザーアブレーション装置
2:レーザー装置
3:レーザー光
4:反射ミラー
5:集光レンズ
6:石英ガラスセル
7:多元系金属材料の粒子
8:回転子
9:スターラー

Claims (10)

  1. 溶液中の多元系金属材料の粒子にレーザーを照射して、液相レーザーアブレーションを行い、該溶液中で多元系金属ナノ粒子を形成させる、多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記溶液中に分散剤を含む、請求項1に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記多元系金属材料の粒子の平均粒径が、80nm〜30μmである、請求項1に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記多元系金属ナノ粒子の平均粒径が、1〜45nmである、請求項1に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記多元系金属材料が、熱電半導体材料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記熱電半導体材料が、ビスマス−テルル系、テルライド系、アンチモン−テルル系、ビスマスセレナイド系、又はシリサイド系である、請求項5に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記レーザーが、基本波1064nm、第二高調波532nm、又は第三高調波355nmの光を発するNd:YAGレーザーである、請求項1に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  8. 前記溶液の溶媒がアルコール、及び脂肪族炭化水素から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  9. 前記分散剤が、リン酸エステル系、ポリエステル/ポリエーテル型、又はポリエーテル型である、請求項2に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の多元系金属ナノ粒子の製造方法により形成される、多元系金属ナノ粒子。
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