JP2018147660A - 固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セル - Google Patents

固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セル Download PDF

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Abstract

【課題】発電面積の低下を招かずに被毒物質の捕集効果を向上させることが可能な固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルを提供する。【解決手段】固体酸化物形燃料電池用電極体1は、外部から電極面内方向に供給される酸化剤ガスOが導入されるカソード層11と、カソード層11の外表面を被覆しており、酸化剤ガスO中に含まれるカソード層11を被毒する被毒物質を捕集する捕集層12とを有している。固体酸化物形燃料電池用電極体1は、さらに、捕集層12内に形成されており、カソード層11と電気的に接続された多数の導電経路13を有していることが好ましい。導電経路13は、捕集層12の厚み方向に沿って柱状に形成されることができる。固体酸化物形燃料電池単セル5は、固体酸化物形燃料電池用電極体1を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルに関する。
従来、例えば、特許文献1には、酸化剤ガス流路における酸化剤ガス供給口側に、カソードと分離して、カソードの触媒を被毒させる酸化剤ガス中の被毒物質を吸着するトラップ層を設けた固体酸化物形燃料電池が開示されている。同文献では、固体電解質層における同じ面に、カソードとトラップ層とを並べて配置する点が記載されている。
特開2015−90788号公報
従来技術には、次の課題がある。すなわち、従来技術では、固体電解質層面が、発電に寄与しないトラップ層によって大きく占められている。そのため、従来技術によると、発電面積が低下する。被毒物質の捕集効果を高めようとしてトラップ層の体積を増加させた場合には、発電面積がさらに低下する。
また、従来技術では、カソードに流れ込む酸化剤ガスの全てがトラップ層を通過するわけではない。そのため、トラップ層を通過しなかった酸化剤ガス中の被毒物質によってカソードが被毒される。さらに、従来技術では、酸化剤ガス流路における酸化剤ガス供給口側にトラップ層が配置されている。そのため、カソード面に対向して配置される金属製インターコネクタから蒸散する被毒物質を捕集することは困難である。このように、従来技術は、被毒物質の捕集効果が十分ではない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、発電面積の低下を招かずに被毒物質の捕集効果を向上させることが可能な固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、外部から電極面内方向に供給される酸化剤ガス(O)が導入されるカソード層(11)と、
上記カソード層の外表面を被覆しており、上記酸化剤ガス中に含まれる上記カソード層を被毒する被毒物質を捕集する捕集層(12)と、
を有する、固体酸化物形燃料電池用電極体(1)にある。
本発明の他の態様は、上記固体酸化物形燃料電池用電極体を有する、固体酸化物形燃料電池単セル(5)にある。
上記固体酸化物形燃料電池用電極体では、捕集層がカソード層の外表面を被覆している。そのため、上記固体酸化物形燃料電池用電極体を固体酸化物形燃料電池単セルに用いた場合に、捕集層の形成によって発電不能となる箇所がセルに生じることがない。それ故、上記固体酸化物形燃料電池用電極体によれば、発電面積の低下を招かずに済む。さらに、上記固体酸化物形燃料電池用電極体では、カソード層に供給されるほぼ全ての酸化剤ガスが捕集層を通過する。それ故、上記固体酸化物形燃料電池用電極体によれば、被毒物質の捕集効果を向上させることが可能になる。
上記固体酸化物形燃料電池単セルは、上記固体酸化物形燃料電池用電極体を有している。そのため、上記固体酸化物形燃料電池単セルは、酸化剤ガスに含まれる被毒物質によってカソード層が被毒され難い。それ故、カソード層の劣化による発電性能の低下を抑制しやすい固体酸化物形燃料電池単セルが得られる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルを模式的に示した断面図である。 実施形態1の固体酸化物形燃料電池用電極体の微構造を模式的に示した断面図である。 図1のIII−III線断面を模式的に示した断面図である。 図3に対応させて、実施形態2の固体酸化物形燃料電池用電極体を模式的に示した断面図である。 図1に対応させて、実施形態4の固体酸化物形燃料電池用電極体を模式的に示した断面図である。 図2に対応させて、実施形態5の固体酸化物形燃料電池用電極体の微構造を模式的に示した断面図である。 図2に対応させて、実施形態6の固体酸化物形燃料電池用電極体の微構造を模式的に示した断面図である。 実験例5における、均等ピッチで配置された柱状の導電経路のパターンを示した説明図である。 実験例5における、不均等ピッチで配置された柱状の導電経路のパターンを示した説明図である。
(実施形態1)
実施形態1の固体酸化物形燃料電池用電極体(以下、単に「電極体」と称することがある。)について、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に例示されるように、本実施形態の電極体1は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)に用いられる。固体酸化物形燃料電池は、固体電解質層を構成する固体電解質として、酸素イオン導電性を示す固体酸化物セラミックスを用いる燃料電池である。
電極体1は、カソード層11と捕集層12とを有している。図1では、電極体1を固体酸化物形燃料電池単セル5に用いた場合に、カソード層11側が固体電解質層3側となるように電極体1が配置されている例が示されている。図1では、カソード層11と固体電解質層3との間に中間層4が形成されており、カソード層11における捕集層12側とは反対側の層面を、中間層4に接するようにして電極体1を用いる例が示されている。中間層4は、主に、固体電解質層材料とカソード層材料との反応を抑制するための層である。なお、図示はされていないが、電極体1のカソード層11における捕集層12側とは反対側の層面を、固体電解質層3に接するようにして電極体1を用いることも可能である。
カソード層11は、外部から電極体1の電極面内方向に供給される酸化剤ガスOが導入される層である。酸化剤ガスOとしては、例えば、空気や酸素等を例示することができる。カソード層材料としては、例えば、遷移金属ペロブスカイト型酸化物などを例示することができる。遷移金属ペロブスカイト型酸化物としては、具体的には、例えば、(La,Sr)(Co,Fe)O、(La,Sr)CoO、(Sm,Sr)CoO、(La,Sr)MnO、(La,Ca)MnOなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができ、また、任意に組み合わせることができる。なお、上記(A,B)は、A元素およびB元素の少なくとも1つを含み、A元素とB元素の合計の化学組成が1となるようにA元素とB元素とが互いに一部置換可能であることを意味する(以下、同様)。カソード層11が(La,Sr)(Co,Fe)Oを含む場合には、高いカソード活性により、発電性能の向上に有利である。(La,Sr)(Co,Fe)Oは、より具体的には、LaSr1−xCoFe1−y(但し、0≦x≦1、0≦y≦1、好ましくは、0.2≦x≦0.8、0.7≦y≦1)とすることができる。また、上記酸化物は、粒子間隙間より構成される気孔を形成しやすくなるなどの観点から、粒子より構成することができる。
カソード層11の平均厚みは、セル面内方向の抵抗成分を低減して集電性を良好に保ちやすくなるなどの観点から、好ましくは、10μm以上、より好ましくは、15μm以上、さらに好ましくは、20μm以上とすることができる。カソード層の平均厚みは、単セルにおける他層との熱膨張係数差によるクラックの発生を抑制しやすくなるなどの観点から、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、80μm以下、さらに好ましくは、60μm以下とすることができる。
なお、カソード層11の平均厚みは、次のようにして測定される値である。電極体1の電極面内方向に垂直な断面をSEM観察できるように、研磨等により測定試料を調整する。次いで、測定試料をSEM観察し、少なくとも電極面内方向に1000μm以上の視野を有するSEM像を取得する。このSEM像に対して、カソード層11の面内方向に垂直な測定線を等間隔に20本引く。電極体の一方面と他方面とで切り取られる各測定線の長さを求め、得られた20箇所の測定線の測定長さの平均値を、電極体1の平均厚みとする。カソード層の平均厚みは、電極体の平均厚み−後述の捕集層の平均厚みより算出することができる。
捕集層12は、カソード層11の外表面を被覆しており、酸化剤ガスO中に含まれるカソード層11を被毒する被毒物質を捕集する層である。ここで、カソード層11の外表面とは、外部から電極面内方向に供給される酸化剤ガスOが流れる酸化剤ガス流路(不図示)に面する表面を意味する。したがって、カソード層11における固体電解質層3側とは反対側の層面は、カソード層11の外表面に含まれる。また、カソード層11の厚み方向に沿う端面は、カソード層11の外表面に含まれる。カソード層11における固体電解質層3側の層面は、中間層4または固体電解質層3に接合されるため、カソード層11の外表面には含まれない。
捕集層12は、カソード層11の外表面の全てを覆っていてもよいし、上記作用効果が得られる限り、カソード層11の外表面の一部を覆っていなくてもよい。捕集層12は、好ましくは、カソード層11の外表面の全てが露出しないようにカソード層11を被覆しているとよい。図1では、具体的には、カソード層11における固体電解質層3側とは反対側の層面と、カソード層11の厚み方向に沿う端面とを、捕集層12が被覆している例が示されている。上記構成によれば、カソード層11の外表面が酸化剤ガス流路に露出せず、カソード層11の外表面から直接的に酸化剤ガスOが流れ込み難くなる。つまり、上記構成によれば、捕集層12を通った酸化剤ガスOが主にカソード層11に流れ込むので、上記作用効果を確実なものとすることができる。なお、図示はされていないが、捕集層12は、カソード層11における固体電解質層3側とは反対側の層面を被覆しているが、カソード層11の厚み方向に沿う端面を被覆していない構成とすることも可能である。
被毒物質としては、例えば、S、Cr、B、Si、P、Clなどの元素、上記元素を含む化合物などを例示することができる。捕集層12は、少なくとも1つの被毒物質を捕集することができればよい。捕集層12は、とりわけ、SおよびCrの少なくとも1つを含む被毒物質を捕集するものであるとよい。Sは、空気中などに含まれる。また、固体酸化物形燃料電池では、インターコネクタや、酸化剤ガスOの供給系等に、Crを含む金属材料が用いられる。そのため、上記構成によれば、発電面積の低下を招かずに、SやCrを含む被毒物質を十分に捕集可能な電極体1が得られる。
捕集層12は、例えば、La、Sr、Co、Fe、Sm、Zn、および、Agからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物を含んで構成することができる。この構成によれば、高い被毒物質捕集効果が得られ、より効果的な捕集層12による被毒物質の捕集を行うことが可能な電極体1が得られる。なお、捕集層12は、1種または2種以上の酸化物を含んで構成することが可能である。
捕集層12は、具体的には、La、SrおよびCoを含む酸化物を含んで構成することができる。この構成によれば、S、Crの捕集効果を確実なものとすることができる。また、この構成によれば、カソード層11への組成拡散により、カソード層材料の特性を変化させ難いなどの利点がある。また、捕集層12は、具体的には、Srを含む酸化物を含んで構成することができる。この構成によれば、S、Cr、B、Siの捕集効果を確実なものとしやすく、La、SrおよびCoを含む酸化物を用いた場合と比較して、単位体積当たりの被毒物質捕集効果を高くしやすくなる。また、捕集層12は、具体的には、ZnまたはAgを含む酸化物を含んで構成することができる。この構成によれば、Sの捕集効果をより確実なものとしやすくなる。
捕集層12を構成する上記酸化物としては、より具体的には、例えば、(La,Sr)CoO、(La,Sr)(Co,Fe)O、(Sm,Sr)CoO、SrO、ZnO、AgOなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができ、また、任意に組み合わせることができる。(La,Sr)CoOは、より具体的には、LaSr1−xCoO(但し、好ましくは、0≦x≦1、より好ましくは、0.1≦x≦0.9、さらに好ましくは、0.2≦x≦0.8)とすることができる。なお、上記酸化物は、粒子間隙間より構成される気孔を形成しやすくなるなどの観点から、粒子より構成することができる。
捕集層12とカソード層11とは、互いに異なる酸化物より構成されており、捕集層12の酸化物には、カソード層11の酸化物よりも被毒物質との反応性が高いものを用いることが好ましい。この構成によれば、捕集層12により捕集された被毒物質がカソード層11に元素拡散することを抑制しやすくなる。より具体的には、捕集層12が(La,Sr)CoOを含み、カソード層11が(La,Sr)(Co,Fe)Oを含んで構成されているとよい。この構成によれば、(La,Sr)CoO自体がカソード電極としての機能を有するために発電性能を向上させることができるとともに、(La,Sr)(Co,Fe)Oと比較して、S、Cr、B、Siとの反応性が非常に高いために、捕集したこれらの被毒物質のカソード層11側への拡散を抑制しやすくなる。
捕集層12の平均厚みは、カソード層11の厚みよりも薄い構成とすることができる。この構成によれば、カソード層11の集電効果を損ない難いなどの利点がある。捕集層12の平均厚みは、具体的には、被毒物質の捕集を確実なものとするなどの観点から、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、8μm以上、さらに好ましくは、10μm以上とすることができる。捕集層の平均厚みは、集電性を低下させ難いなどの観点から、好ましくは、40μm以下、より好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは、20μm以下とすることができる。なお、本実施形態は、図1に示されるように、捕集層12の厚みが、酸化剤ガスOの流れ方向でほぼ同等とされている。
なお、捕集層12の平均厚みは、次のようにして測定される値である。電極体1の電極面内方向に垂直な断面をSEM観察できるように、研磨等により測定試料を調整する。次いで、測定試料をSEM観察し、少なくとも電極面内方向に100μm以上の視野を有するSEM像を取得する。次いで、このSEM像に対して、幅100μm×高さ1μmの視野を電極面内垂直方向に掃引することによりEDSラインプロファイルを取得する。この際、例えば、カソード層11中には含まれず、捕集層12にだけ含まれる元素、もしくは、カソード層11中には含まれず、捕集層12にだけ含まれる元素などに注目し、その元素のラインプロファイルから捕集層12の厚みを測定する。同様の観察を、任意の視野4箇所に対して行い、捕集層12の厚みの測定値(5点)の平均値を、捕集層12の平均厚みとする。なお、カソード層11と捕集層12の構成元素に差異が無い場合は、最も高濃度に含まれる元素に注目し、そのピークの積分強度をラインプロファイルとして測定する。ピーク積分強度は、カソード層11および捕集層12の膜質(気孔率)に依存するため、ピーク積分強度が変化する点によって、捕集層12の厚みを測定することができる。
捕集層12の気孔率は、カソード層11の気孔率よりも大きい構成とすることができる。捕集層12によって被毒物質が捕集されると被毒物質によって二次相が形成される。電極体1の使用時間が長くなればなるほど、二次相の堆積が増え、捕集層12のガス拡散性が低下するおそれがある。上記構成によれば、二次相による捕集層12の閉塞を抑制しやすい電極体1が得られる。なお、捕集層12およびカソード層11の気孔は、いずれも、粒子間の隙間、造孔剤に由来する隙間、これらの組み合わせなどから構成することが可能である。
各層の気孔率の大小関係は、電極体1の電極面内方向に垂直な断面をSEM観察できるように、研磨等により測定試料を調整し、断面をSEM観察することによって判断することができる。断面観察からだけでは各層の気孔率の大小関係を判断することができない場合には、次のように各層の気孔率を測定して比較すればよい。測定試料をSEM観察し、各層について、少なくとも電極面内方向に100μm以上の視野を有するSEM像をそれぞれ取得する。次いで、各SEM像に対して、画像処理により、気孔部分と骨格部分とを二値化し、気孔部分の面積Sp、骨格部分の面積Smをそれぞれ求める。次いで、各層について、100×Sp/(Sp+Sm)Smの計算式により、カソード層11の気孔率φc、捕集層12の気孔率φtを算出する。次いで、カソード層11の気孔率φc、捕集層12の気孔率φtを比較することで、各層の気孔率の大小関係を判断することができる。
カソード層11の気孔率は、具体的には、ガス拡散性等の観点から、好ましくは、30%以上、より好ましくは、35%以上、さらに好ましくは、40%以上とすることができる。カソード層11の気孔率は、カソード層強度の確保、電子導電パスの確保等の観点から、好ましくは、55%以下、より好ましくは、50%以下、さらに好ましくは、45%以下とすることができる。捕集層12の気孔率は、具体的には、二次相による閉塞抑制等の観点から、好ましくは、40%以上、より好ましくは、45%以上、さらに好ましくは、50%以上とすることができる。捕集層12の気孔率は、捕集層強度の確保、捕集能力を良好に保ちやすくなる等の観点から、好ましくは、65%以下、より好ましくは、60%以下、さらに好ましくは、55%以下とすることができる。
本実施形態において、電極体1は、上述したカソード層11、捕集層12以外に、さらに、多数の導電経路13を有している。導電経路13は、捕集層12内に形成されており、カソード層11と電気的に接続されている。この構成によれば、捕集層12の電気伝導度に関わらず、カソード層11側の集電性を確保することが可能になる。なお、図1では、捕集層12内の導電経路13は描かれていない。
導電経路13の材料としては、例えば、La(Ni,Fe)O、(La,Ca)MnO、(La,Ca)CoO、(La,Ca)(Co,Fe)O、(La,Sr)NiOなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができ、また、任意に組み合わせることができる。導電経路は、好ましくは、La(Ni,Fe)Oを含む構成とすることができる。La(Ni,Fe)Oは、被毒物質に対する構造安定性が良好である。そのため、この構成によれば、長期にわたって高い捕集性能を確保しやすい電極体1が得られる。La(Ni,Fe)Oは、より具体的には、LaNiFe1−x(但し、好ましくは、0≦x≦1、より好ましくは、0.1≦x≦0.9、さらに好ましくは、0.2≦x≦0.8)とすることができる。なお、La(Ni,Fe)Oは、捕集層12および導電経路13を焼成により形成する際に、La(Ni,Fe)Oと捕集層12の材料との間に割れ、クラック等を生じ難くするなどの観点から、粒子より構成することができる。
本実施形態では、導電経路13は、図2に例示されるように、捕集層12の厚み方向に沿って柱状に形成されている。この構成によれば、捕集層12の厚み方向に沿って柱状に形成された導電経路13が、電極面内方向に多数配置されることになる。そのため、この構成によれば、多数の柱状の導電経路13の間で、外部から電極面内方向に沿って供給される酸化剤ガスOの流れの滞留が生じる。それ故、この構成によれば、酸化剤ガスOと捕集層12との接触時間が長くなり、より効果的に被毒物質を捕集することが可能になる。なお、捕集層12内に柱状の導電経路13を形成する方法としては、例えば、次の方法を例示することができる。カソード層11の表面に、スクリーン印刷法等により、形成すべき柱状の導電経路13の位置に合わせて多数の貫通孔が配置された捕集層形成用塗膜(不図示)を形成する。次いで、スクリーン印刷法等により、上記貫通孔内に、導電経路形成用ペーストを充填する。次いで、この塗膜を熱処理し、捕集層形成用塗膜および導電経路形成用ペーストを焼付ける。これにより、捕集層12と柱状の導電経路13とを形成することができる。
また、本実施形態では、図2に例示されるように、複数の柱状の導電経路13より構成される導電経路13の列が、複数、酸化剤ガスOの流れ方向に互いに離間した状態で配列されている例が示されている。図2では、複数の導電経路13の列は、酸化剤ガスOの流れ方向と直交する方向に沿っている例が示されている。
導電経路13の一部は、捕集層12の外側層面に露出している構成とすることができる。この構成によれば、捕集層13の外側層面に集電体(不図示)を接触させた場合に、集電体と導電経路13との電気的な接続が確実なものとなる。そのため、この構成によれば、集電性の向上に有利な電極体1が得られる。なお、図2では、導電経路13の一方端部が捕集層12の外側表面に露出し、導電経路13の他方端部がカソード層11に電気的に接続されている例が示されている。
なお、導電経路13とカソード層11との電気的な接続は、次の方法により確認することができる。電極体1における捕集層12の一部を除去し、カソード層11を露出させる。次いで、1cmの発泡銀の板を二枚用意し、その内の一枚を、捕集層12表面に押し当て、もう一枚を、露出させたカソード層11に押し当て、両者間の絶縁抵抗値を測定する。この値が0.5Ω以下であれば、導電経路13とカソード層11とが電気的に接続されていると判断することができる。
捕集層12の外側層面の面積比率は、捕集層12の外側層面に露出する導電経路13の面積比率より大きい構成とすることができる。この構成によれば、導電経路13を通じてカソード層11に到達する酸化剤ガスを少なくすることができ、酸化剤ガスOが捕集層12内を主に拡散しやすくなる。また、捕集層12の電気伝導度に関わらず、カソード層11側の集電性も確保することができる。それ故、この構成によれば、捕集層12による被毒物質の捕集効果とカソード層11側の集電性とのバランスに優れた電極体1が得られる。
捕集層12の外側層面の面積比率:捕集層12の外側層面に露出する導電経路13の面積比率は、具体的には、例えば、捕集効果と集電性とのバランス等の観点から、0.90:0.10〜0.60:0.40、好ましくは、0.80:0.20〜0.65:0.35、より好ましくは、0.75:0.25〜0.70:0.30とすることができる。
上述した捕集層12の面積比率、導電経路13の面積比率は、次のようにして測定される値である。電極体1における捕集層形成側の面について、EPMAにて元素マッピング測定を行う。測定視野は、1000μm×1000μmとする。この際に、捕集層12のみに含まれる元素、および、導電経路13のみに含まれる元素をマッピング対象元素として選択する。なお、このような元素が存在しない場合には、捕集層12、導電経路13の全構成元素を選択の上、各々の構成元素比率をもとにフェーズマッピング測定を行う。次いで、得られたEPMAマッピング像から、捕集層12の面積比率、導電経路13の面積比率を算出する。
本実施形態では、図3に示されるように、電極体1における酸化剤ガスOの入口側端部と出口側端部の中間部Mを基準としたときに、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における導電経路13の平均形成ピッチと、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における導電経路13の平均形成ピッチとが、同等とされている例が示されている。なお、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における導電経路13の平均形成ピッチは、酸化剤ガスOの流れ方向上流側において酸化剤ガスOの流れ方向で隣接する導電経路13の列間距離pの平均値である。また、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における導電経路13の平均形成ピッチは、酸化剤ガスOの流れ方向下流側において酸化剤ガスOの流れ方向で隣接する導電経路13の列間距離qの平均値である。
本実施形態の電極体1では、捕集層12がカソード層11の外表面を被覆している。具体的には、本実施形態では、カソード層11における固体電解質層3側とは反対側の層面、カソード層11の厚み方向に沿う端面を、捕集層12が被覆している。そのため、本実施形態の電極体1を固体酸化物形燃料電池単セル5に用いた場合に、捕集層12の形成によって発電不能となる箇所がセルに生じることがない。それ故、本実施形態の電極体1によれば、発電面積の低下を招かずに済む。さらに、本実施形態の電極体1では、カソード層11に供給されるほぼ全ての酸化剤ガスOが捕集層12を通過する。それ故、本実施形態の電極体1によれば、被毒物質の捕集効果を向上させることが可能になる。
実施形態1の固体酸化物形燃料電池単セル5(以下、単に「単セル」と称することがある。)について、図1を用いて説明する。図1に例示されるように、本実施形態の単セル5は、実施形態1の電極体1を有している。
本実施形態では、単セル5は、具体的には、アノード層2と、固体電解質層3と、カソード層11を含む上記電極体1とを有している。電極体1は、カソード層11側が固体電解質層3側となるように配置されている。単セル5は、図1に例示されるように、固体電解質層3とカソード層11との間に中間層4をさらに備えることができる。本実施形態では、単セル5は、具体的には、アノード層2、固体電解質層3、中間層4、および、電極体1(カソード層11、捕集層12)がこの順に積層され、互いに接合されている。単セル5は、発電性能が高い等の観点から、平板形の電池構造をとることができる。単セル5は、電極であるアノード層2を支持体として機能させるアノード支持型とすることができる。アノード支持型の単セル5では、他の層に比べてアノード層2の厚みが十分に厚く形成されている。なお、図1では、単セル5の外形が四角形状である例が示されている。単セル5の外形は、他にも、円形状等の形状とすることもできる。また、単セル5は、アノード層2における固体電解質層3側とは反対側の面に、外部からアノード層2の面内方向に沿って燃料ガス(不図示)が供給される。
本実施形態では、電極体1の外形は、固体電解質層3や中間層4等の外形よりも小さく形成されている。そのため、電極体1の外周囲には、中間層4の層面が露出している。そして、カソード層11の厚み方向に沿う端面を被覆する捕集層12の部分が、中間層4の層面に接している。なお、中間層4を有さない構成とする場合には、電極体1の外周囲に露出した固体電解質層3の層面に、カソード層11の厚み方向に沿う端面を被覆する捕集層12の部分を接するように構成することができる。
固体電解質層3の材料としては、強度、熱的安定性に優れる等の観点から、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア等の酸化ジルコニウム系酸化物を好適に用いることができる。固体電解質層3の材料としては、酸素イオン伝導性、機械的安定性、他の材料との両立、酸化雰囲気から還元雰囲気まで化学的に安定である等の観点から、イットリア安定化ジルコニアが好適である。本実施形態では、固体電解質層3の材料として、具体的には、イットリア安定化ジルコニアを用いることができる。
固体電解質層3の厚みは、オーミック抵抗の低減などの観点から、好ましくは3〜20μm、より好ましくは4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmとすることができる。
アノード層2は、単層から構成されていてもよいし、複数層から構成されていてもよい。図1では、アノード層2が複数層から構成されている例が示されている。この場合、アノード層2は、具体的には、例えば、固体電解質層3側に配置される活性層22と、活性層22における固体電解質層3側とは反対側に配置される拡散層21とを備える構成などとすることができる。なお、活性層22は、主に、アノード層2側における電気化学的反応を高めるための層である。また、拡散層21は、供給される燃料ガスを層面内に拡散させることが可能な層である。
アノード層2の材料としては、例えば、Ni、NiO等の触媒と、上述した酸化ジルコニウム系酸化物等の固体電解質との混合物などを例示することができる。なお、NiOは、発電時の還元雰囲気でNiとなる。本実施形態では、活性層22および拡散層21の材料として、NiまたはNiOとイットリア安定化ジルコニアとの混合物などを用いることができる。
活性層22の厚みは、反応持続性、取り扱い性、加工性等の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上とすることができる。活性層22の厚みは、電極反応抵抗の低減等の観点から、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下とすることができる。また、拡散層21の厚みは、支持体としての強度確保等の観点から、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、より好ましくは300μm以上とすることができる。拡散層21の厚みは、ガス拡散性の向上等の観点から、好ましくは800μm以下、より好ましくは700μm以下とすることができる。
中間層4の材料としては、例えば、セリア(CeO)、Gd、Sm、Y、La、Nd、Yb、Ca、および、Hoから選択される1種または2種以上の元素等がドープされたセリアなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。本実施形態では、Gdがドープされたセリアなどを用いることができる。
中間層4の厚みは、オーミック抵抗の低減、カソード層11からの元素拡散の抑制等の観点から、好ましくは1〜20μm、より好ましくは2〜5μmとすることができる。
本実施形態の単セル5は、本実施形態の電極体1を有している。そのため、本実施形態の単セル5は、酸化剤ガスOに含まれる被毒物質によってカソード層11が被毒され難い。それ故、本実施形態によれば、カソード層11の劣化による発電性能の低下を抑制しやすい単セル5が得られる。
(実施形態2)
実施形態2の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルについて、図4を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4に例示されるように、本実施形態の電極体1は、酸化剤ガスOの入口側端部と出口側端部の中間部Mを基準としたときに、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における導電経路13の平均形成ピッチが、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における導電経路13の平均形成ピッチよりも大きい構成とされている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態の電極体1を単セル5に用いた場合、導電経路12の形成ピッチが広い部分では、カソード層11の集電抵抗が高くなり、発電能力が抑えられる。一方、導電経路13の形成ピッチが狭い部分では、カソード層11の集電抵抗が低くなり、発電能力が高くなる。通常、単セルが長時間運転されると、酸化剤ガスOの入口側端部に近いほど、被毒物質によるカソード層の劣化が進行しやすい。本実施形態では、カソード層11を被覆する捕集層12により酸化剤ガスO中に含まれる被毒物質の大部分は除去されるが、捕集層12で除去されずにカソード層11まで到達する被毒物質もありうると考えられる。この場合、除去しきれなかった被毒物質によるカソード層11の劣化が生じ得る。また、捕集層12が被毒物質を捕集することによって、捕集層12が被毒物質により目詰まりすることもありうる。しかしながら、上述したように導電経路13の平均形成ピッチを調整し、酸化剤ガスOの入口側の初期発電性能を低下させておくとともに、被毒物質の影響を受け難い酸化剤ガスOの出口側の初期発電性能を高くしておくことで、単セル5が長時間運転された場合でも発電性能の劣化を抑制しやすい電極体1が得られる。その他の作用効果は、実施形態1と同様である。
なお、図示はしないが、電極体1は、酸化剤ガスOの流れ方向の最も上流側における導電経路13の形成ピッチが、酸化剤ガスOの流れ方向の最も下流側における導電経路13の形成ピッチよりも大きい構成とされていてもよい。また、電極体1は、酸化剤ガスOの入口側端部から酸化剤ガスOの流れ方向に向かって導電経路13の形成ピッチが漸次狭くなる構成とされていてもよい。
本実施形態の単セル5は、実施形態2の電極体1を有している。その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態によれば、長期使用時における発電性能の安定性を向上させやすい単セル5が得られる。その他の作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態3)
実施形態3の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルについて説明する。
本実施形態の電極体1は、酸化剤ガスOの入口側端部と出口側端部との中間部Mを基準としたときに、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における捕集層12内に含まれる導電経路13の体積比率が、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における捕集層12内に含まれる導電経路13の体積比率よりも小さい構成とされている。
上述した導電経路13の体積比率、捕集層12の体積比率は、次のようにして測定される値である。電極体1の断面方向を観察可能なサンプルを準備し、捕集層領域(捕集層厚み×セル面内方向100μm)に対して、EPMAにて元素マッピング測定を行う。この際に、捕集層12にだけ含まれる元素、および、導電経路13にだけ含まれる元素をマッピング対象元素として選択する。なお、このような元素が存在しない場合には、捕集層12、導電経路13の全構成元素を選択の上、各々の構成元素比率をもとにフェーズマッピング測定を行う。次いで、得られたEPMAマッピング像から、捕集層12の面積比率、導電経路13の面積比率を算出する。この操作を、電極体1の任意の断面5か所に対して行い、この平均値を捕集層12および導電経路13の体積比率とする(体積比率とみなす)。
本実施形態の電極体1を単セル5に用いた場合、酸化剤ガスOの流れ方向上流側の部分では、カソード層11の集電抵抗が高くなり、発電能力が抑えられる。一方、酸化剤ガスOの流れ方向下流側部分では、カソード層11の集電抵抗が低くなり、発電能力が高くなる。そのため、この構成によっても、実施形態2と同様に、単セル5が長時間運転された場合でも発電性能の劣化を抑制しやすい電極体1が得られる。その他の構成および作用効果は、実施形態2と同様である。
本実施形態の単セル5は、実施形態3の電極体1を有している。本実施形態によっても、実施形態2と同様に、長期使用時における発電性能の安定性を向上させやすい単セル5が得られる。その他の構成および作用効果は、実施形態2と同様である。
(実施形態4)
実施形態4の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルについて、図5を用いて説明する。
図5に例示されるように、本実施形態の電極体1は、酸化剤ガスOの入口側端部と出口側端部との中間部Mを基準としたときに、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における捕集層12の平均厚みが、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における捕集層12の平均厚みよりも小さい構成とされている。なお、図5(a)(b)では、図1と同様に、捕集層12内の導電経路13は描かれていない。
この構成によれば、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における被毒物質の捕集能力が、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における被毒物質の捕集能力よりも高くなる。酸化剤ガスOの入口に近くなるほど、酸化剤ガスO中に含まれる被毒物質の濃度が高い。そのため、上記構成によれば、全体として、捕集層12による被毒物質の捕集効率を高めることが可能な電極体1が得られる。その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
なお、本実施形態のように、捕集層12の厚みが酸化剤ガスの流れ方向で変化する場合、上述した捕集層12の平均厚みは、次のように測定すればよい。酸化剤ガスOの入口側端部と中間部Mとの間を10等分し、各位置において、実施形態1にて説明した手順によって測定した捕集層12の各層厚の平均値が、酸化剤ガスOの流れ方向上流側における捕集層12の平均厚みとされる。また、酸化剤ガスOの出口側端部と中間部Mとの間を10等分し、各位置において、実施形態1にて説明した手順によって測定した捕集層12の各層厚の平均値が、酸化剤ガスOの流れ方向下流側における捕集層12の平均厚みとされる。
本実施形態では、具体的には、図5(a)に示されるように、酸化剤ガスOの入口側端部から酸化剤ガスOの流れ方向に向かって捕集層12の厚みが漸次薄くなるように構成することができる。また、他にも、図5(b)に示されるように、酸化剤ガスOの入口側端部から酸化剤ガスOの流れ方向に向かって捕集層12の厚みが段階的に薄くなるように構成することもできる。
本実施形態の単セル5は、実施形態4の電極体1を有している。本実施形態によれば、捕集層12による被毒物質の捕集効率の向上により、カソード層11の劣化をより抑制しやすい単セル5が得られる。その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態5)
実施形態5の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルについて、図6を用いて説明する。
図6に例示されるように、本実施形態では、捕集層12内に導電経路13が形成されている点で、実施形態1と同様である。しなしながら、本実施形態では、導電経路13が柱状ではなく、捕集層12内に導電経路13が網目立体的に配置されている。本実施形態の電極体1は、導電経路13が柱状でない例であり、捕集層12の材料と導電経路13の材料とが混合された状態とされている。つまり、本実施形態の電極体1は、捕集層12と導電経路13との複合層を有している。図6では、導電経路13の一部が、捕集層12の外側層面に露出している例が示されている。
なお、捕集層12内に網目立体的な導電経路13を形成する方法としては、例えば、次の方法を例示することができる。捕集層12の材料と導電経路13の材料とを含むペーストを調製する。次いで、カソード層11の表面に、スクリーン印刷法等により、上記ペーストによる塗膜を形成する。次いで、この塗膜を熱処理して焼き付ける。これにより、捕集層12内に網目立体的な導電経路13を形成することができる。
本実施形態の単セル5は、実施形態5の電極体1を有している。
本実施形態によっても、発電面積の低下を招かずに被毒物質の捕集効果を向上させることが可能な電極体1および単セル5が得られる。その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態6)
実施形態6の固体酸化物形燃料電池用電極体および固体酸化物形燃料電池単セルについて、図7を用いて説明する。
図7に例示されるように、本実施形態では、捕集層12内に導電経路13を有していない点で、実施形態1と相違している。その他の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態の単セル5は、実施形態5の電極体1を有している。
本実施形態によっても、発電面積の低下を招かずに被毒物質の捕集効果を向上させることが可能な電極体1および単セル5が得られる。その他の構成および作用効果は、導電経路13を有することによる作用効果を除き、実施形態1と同様である。
(実験例1)
<材料準備>
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8mol%のYを含むイットリア安定化ジルコニア(以下、8YSZ)粉末(平均粒子径:0.8μm)と、カーボン(造孔剤)と、ポリビニルブチラール(有機材料)と、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノール(混合溶媒)とをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末との質量比は、60:40とした。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、アノード層の拡散層形成用シートを準備した。なお、上記平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)d50である(以下、同様)。
NiO粉末(平均粒子径:1.0μm)と、8YSZ粉末(平均粒子径:0.8μm)と、カーボンと、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミルおよび1−ブタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。NiO粉末と8YSZ粉末の質量比は、60:40である。上記スラリーを、ドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に層状に塗工し、乾燥させた後、樹脂シートを剥離することにより、アノード層の活性層形成用シートを準備した。なお、上記拡散層形成用シートにおけるカーボン(造孔剤)量は、上記活性層形成用シートにおけるカーボン量と比較して多量とされている。
8YSZ粉末(平均粒子径:0.8μm)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。以降は、拡散層形成用シートの作製と同様にして、固体電解質層形成用シートを準備した。
10mol%のGdがドープされたCeO(以下、10GDC)粉末(平均粒子径:0.8μm)と、ポリビニルブチラールと、酢酸イソアミル、2−ブタノールおよびエタノールとをボールミルにて混合することによりスラリーを調製した。以降は、拡散層形成用シートの作製と同様にして、中間層形成用シートを準備した。
La0.6Sr0.4CoO(以下、LSC)粉末(平均粒子径:0.6μm)と、カーボンと、エチルセルロースと、テルピネオールとをボールミルにて混合することにより、カソード層形成用ペーストを準備した。
LSC粉末(平均粒子径:0.6μm)と、カーボンと、エチルセルロースと、テルピネオールとをボールミルにて混合することにより、捕集層形成用ペーストを準備した。なお、上記捕集層形成用ペーストにおけるカーボン(造孔剤)量は、上記カソード層形成用ペーストにおけるカーボン量と比較して多量とされている。
La(Ni0.6Fe0.4)O(以下、LNF)粉末(平均粒子径:1.2μm)と、エチルセルロースと、テルピネオールとをボールミルにて混合することにより、導電経路形成用ペーストを準備した。
<電極体、単セルの作製>
複数枚の拡散層形成用シート、活性層形成用シート、固体電解質層形成用シート、および、中間層形成用シートをこの順に積層し、静水圧プレス(WIP)成形法を用いて圧着することにより、圧着体を得た。圧着体は、圧着後に脱脂した。なお、WIP成形条件は、温度80℃、加圧力50MPa、加圧時間10分という条件とした。
次いで、圧着体を1350℃で2時間焼成した。これにより、拡散層(500μm)および活性層(50μm)より構成されるアノード層、固体電解質層(10μm)、および、中間層(10μm)がこの順に積層された焼結体を得た。
次いで、上記焼結体における中間層の表面に、カソード層形成用ペーストをスクリーン印刷法により均一に塗布し、1000℃で2時間焼付けすることによってカソード層を形成した。なお、カソード層は、中間層の外形よりも小さく形成した。
次いで、カソード層の外表面全て(カソード層の中間層との接合面を除いた全ての表面、カソード層の端面も含む)を覆うように、捕集層形成用ペーストをスクリーン印刷法により均一に塗布した。この際、図4に示されるような貫通孔を形成可能なパターンを有するスクリーンを用いることで、捕集層形成用ペーストによる塗膜が、複数の貫通孔を有する構造とした。
次いで、上記パターンとネガ・ポジの関係にある逆パターンを有するスクリーンを用い、スクリーン印刷法により、捕集層形成用ペーストによる塗膜の貫通孔内に導電経路形成用ペーストを充填した。
次いで、捕集層形成用ペーストによる塗膜の貫通孔内に導電経路形成用ペーストを充填した焼結体を、960℃で2時間焼付けした。これにより、カソード層の外表面を被覆する捕集層を形成した。また、捕集層内に、複数の柱状の導電経路を形成した。なお、捕集層の外側層面には、柱状の導電経路の上端部が露出していた。以上により、試料1−1の電極体およびこれを有する単セルを得た。
試料1−1の電極体、単セルについて、上述した方法により測定したカソード層の平均厚みは、50μmであった。また、上述した方法により測定した捕集層の平均厚みは、30μmであった。
また、図4に示されるような捕集層、柱状の導電経路を形成したため、酸化剤ガスの入口側端部と出口側端部の中間部を基準としたときに、上述した方法により測定される、酸化剤ガスの流れ方向上流側における導電経路の平均形成ピッチは、酸化剤ガスの流れ方向下流側における導電経路の平均形成ピッチよりも大きかった。また、上述した方法により測定される、酸化剤ガスの流れ方向上流側における捕集層内に含まれる導電経路の体積比率は、酸化剤ガスの流れ方向下流側における捕集層内に含まれる導電経路の体積比率よりも小さかった。また、上述した方法により測定される、捕集層の外側層面に露出する導電経路の面積比率は、捕集層の外側層面の面積比率より小さかった。また、捕集層形成用ペーストにおけるカーボン(造孔剤)量を、カソード層形成用ペーストにおけるカーボン量よりも多くしたため、上述した方法により測定される捕集層の気孔率は、カソードの気孔率よりも大きかった。
(実験例2)
LSC粉末(平均粒子径:0.6μm)と、LNF粉末(平均粒子径:1.2μm)と、カーボンと、エチルセルロースと、テルピネオールとをボールミルにて混合することにより、捕集層と導電経路との複合層形成用ペーストを準備した。LSC粉末とLNF粉末との体積比率は、60:40とした。なお、上記複合層形成用ペーストにおけるカーボン(造孔剤)量は、上記カソード層形成用ペーストにおけるカーボン量と比較して多量とされている。
実験例1と同様にして、拡散層および活性層より構成されるアノード層、固体電解質層、および、中間層がこの順に積層された焼結体を得た後、焼結体における中間層の表面に、カソード層を形成した。
次いで、カソード層の外表面全て(カソード層の中間層との接合面を除いた全ての表面、カソード層の端面も含む)を覆うように、複合層形成用ペーストをスクリーン印刷法により均一に塗布し、960℃で2時間焼付けした。これにより、カソード層の外表面を被覆する捕集層を形成した。また、捕集層内で、網目立体的に繋がった導電経路を形成した。なお、捕集層の外側層面には、導電経路の一部が露出していた。以上により、試料2−1の電極体およびこれを有する単セルを得た。
試料2−1の電極体、単セルについて、上述した方法により測定したカソード層の平均厚みは、50μmであった。また、上述した方法により測定した捕集層の平均厚みは、30μmであった。また、複合層形成用ペーストにおけるカーボン(造孔剤)量を、カソード層形成用ペーストにおけるカーボン量よりも多くしたため、上述した方法により測定される捕集層の気孔率は、カソードの気孔率よりも大きかった。
(実験例3)
実験例1および実験例2における電極体および単セルの作製方法に従って、表1に示される9水準の電極体および単セルを作製した。但し、本例では、カソード層形成用ペーストには、LSC粉末に代えて、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末(以下、LSCF)粉末(平均粒子径:0.6μm)を用いた。捕集層および導電経路の材料は、実験例1と同様である。また、捕集層がカソード層の外表面の全てを被覆している試料以外にも、カソード層の層面全体面積の2/3を被覆する試料も作製した(水準3−3、3−4、3−7、3−8)。この際、捕集層の被覆面積の調整は、格子状にパターニングされたスクリーンを用いたスクリーン印刷にて行った。また、導電経路を有さない試料も作製した(水準3−5、3−6、3−7、3−8)。また、比較のため、捕集層のない試料も作製した(水準3−9)。
全水準において、カソード層の平均厚みは、50μm、カソード層の気孔率は、40%であった。また、水準3−1〜水準3−8において、捕集層の平均厚みは、30μmであり、水準3−1、3−3において、捕集層の気孔率は、53%、水準3−2、3−4において、捕集層の気孔率は、45%であった。
各水準の単セルについて、アノード層を、H雰囲気中、800℃にて還元処理した。次いで、各単セルを発電評価装置にセットし、700℃にて交流インピーダンス測定を行った。Cole−Coleプロットにおけるz’軸との交点でのz’の値を、単セルのオーミック抵抗として読み取った。
次に、各単セルのカソード層に対し、700℃の環境下で、外部から電極面内方向に沿って空気を1L/分で供給させながら、1000時間保持した。この際、空気は、700℃に保持されたSUS316製の配管を通過した後に、カソード層に至るようになっている。これにより、カソード層に至る空気にCr成分を混入させた。上記1000時間の保持後、降温し、単セルを取り出した。取り出した単セルについて、セル断面を研磨し、カソード層の断面を観察可能とした。カソード層の断面における捕集層側の表層部をSEM−EDSにより組成分析し、Cr濃度を測定した。各水準の詳細とともに、上記結果をまとめて表1に示す。
Figure 2018147660
表1に示されるように、捕集層がない水準3−9では、カソード層の表層部におけるCr濃度が高かった。これに対し、カソード層が捕集層で被覆されている水準3−1〜水準3−8は、水準3−9に比べ、カソード層の表層部におけるCr濃度を低くすることができた。とりわけ、カソード層の外表面全てが捕集層で被覆されている水準3−1、3−2、3−5、3−6は、カソード層の表層部でCrが検出されず、捕集層によるCrの捕集効果が高いことが確認された。また、捕集層内に導電経路を有する水準3−1、3−2、3−3、3−4は、捕集層内に導電経路を有していない水準3−5、3−6、3−7、3−8に比べ、セルのオーミック抵抗の増加を抑制することができており、発電性能の低下が抑えられ、より好ましい状態となっていることが確認された。
(実験例4)
実験例1および実験例2における電極体および単セルの作製方法に従って、表2に示される6水準の電極体および単セルを作製した。但し、本例では、カソード層形成用ペーストには、LSC粉末に代えて、LSCF粉末(平均粒子径:0.6μm)を用いた。捕集層および導電経路の材料は、実験例1と同様である。水準4−1〜4−3では、導電経路形成用ペーストの印刷に用いるスクリーンの孔のピッチを変更することにより、捕集層の表面に露出する柱状の導電経路の面積比率を変更した。また、水準4−4〜4−6では、複合層形成用ペーストにおけるLSC粉末とLNF粉末の体積比率を、70:30、50:50、30:70と変更することにより、捕集層の表面に露出する導電経路の面積比率を変更した。
全水準において、カソード層の平均厚みは、50μm、カソード層の気孔率は、40%であった。また、全水準において、捕集層の平均厚みは、30μmであり、水準4−1〜4−3において、捕集層の気孔率は、56%、水準4−4〜4−6において、捕集層の気孔率は、51%であった。
各単セルにおける捕集層表面について、上述した方法に従い、EPMAにて元素マッピング測定を行うことにより、捕集層の面積比率、導電経路の面積比率を算出した。また、実験例3と同様にして、各単セルのオーミック抵抗と、カソード層の表層部におけるCr濃度の測定を行った。各水準の詳細とともに、上記結果をまとめて表2に示す。
Figure 2018147660
表2に示されるように、導電経路の形態によらずに、捕集層の面積比率が導電経路の面積比率よりも大きい場合(水準4−1、4−2、4−4、4−5)には、1000時間後でもカソード層の表層部にCrの濃縮は確認されず、カソード層が良好な状態を保持できていることが確認された。一方、捕集層の面積比率が導電経路の面積比率よりも小さい場合(水準4−3、4−6)には、僅かではあるが、Crの濃縮が確認された。これは、捕集層内ではなく導電経路内を空気が拡散しやすくなった結果、被毒物質を含んだ空気がカソード層に到達してしまったことによるものと考えられる。したがって、上記結果から、捕集層の面積比率は、導電経路の面積比率よりも大きい方が好ましいことが確認された。
(実験例5)
実験例1における電極体および単セルの作製方法に従って、以下の2水準の電極体および単セルを作製した。但し、本例では、カソード層形成用ペーストには、LSC粉末に代えて、LSCF粉末(平均粒子径:0.6μm)を用いた。捕集層および導電経路の材料は、実験例1と同様である。単セルの大きさは100mm角である。
具体的には、水準5−1では、直径2mmの柱状の導電経路が、図8に示されるような均等ピッチ(酸化剤ガスの流れ方向およびとこれと直交す方向ともにw=5mm)で捕集層に配置されるようにした。また、水準5−2では、直径2mmの柱状の導電経路が、図9に示されるような不均等ピッチ(酸化剤ガスの入口側w=8mm、酸化剤ガスの出口側w=4mm、酸化剤ガスの流れ方向と直交す方向w=5mm)で捕集層に配置されるようにした。なお、上述した柱状の導電経路のパターンは、捕集層形成用ペーストの印刷に用いるスクリーンにおける孔の配置パターンを変更することにより実施した。
各水準の単セルについて、アノード層を、H雰囲気中、800℃にて還元処理した。次いで、各単セルを発電評価装置にセットし、アノード層に3%加湿水素を導入するとともに、カソード層に空気を導入した状態で、700℃、20A発電時の初期セル電圧Vをそれぞれ読み取った。
次に、各単セルのカソード層に対し、700℃の環境下で、外部から電極面内方向に沿って空気を1L/分で供給させながら、1000時間保持した。この際、空気は、700℃に保持されたSUS316製の配管を通過した後に、カソード層に至るようになっている。これにより、カソード層に至る空気にCr成分を混入させた。上記1000時間の保持後、上記初期セル電圧の測定と同様にして、耐久後セル電圧Vを読み取った。そして、100×(V−V)/Vの式より、各単セルの発電性能劣化率を算出した。その結果、水準5−1における発電性能劣化率は、0.94%であった。水準5−2における発電性能劣化率は、0.62%であった。
上記結果から、酸化剤ガスの入口側端部と出口側端部の中間部を基準としたときに、酸化剤ガスの流れ方向上流側における導電経路の平均形成ピッチが、酸化剤ガスの流れ方向下流側における導電経路の平均形成ピッチよりも大きい場合には、長時間運転された場合でも、発電性能の劣化を抑制しやすい電極体、単セルが得られることが確認された。これは実施形態2で上述した理由による。
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態、各実験例に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
1 固体酸化物形燃料電池用電極体
11 カソード層
12 捕集層
O 酸化剤ガス
5 固体酸化物側燃料電池単セル

Claims (14)

  1. 外部から電極面内方向に供給される酸化剤ガス(O)が導入されるカソード層(11)と、
    上記カソード層の外表面を被覆しており、上記酸化剤ガス中に含まれる上記カソード層を被毒する被毒物質を捕集する捕集層(12)と、
    を有する、固体酸化物形燃料電池用電極体(1)。
  2. さらに、上記捕集層内に形成されており、上記カソード層と電気的に接続された多数の導電経路(13)を有する、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  3. 上記導電経路は、上記捕集層の厚み方向に沿って柱状に形成されている、請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  4. 上記酸化剤ガスの入口側端部と出口側端部の中間部(M)を基準としたときに、
    上記酸化剤ガスの流れ方向上流側における上記導電経路の平均形成ピッチは、上記酸化剤ガスの流れ方向下流側における上記導電経路の平均形成ピッチよりも大きい、請求項3に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  5. 上記捕集層の外側層面に、上記導電経路の一部が露出している、請求項2〜4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  6. 上記捕集層の外側層面の面積比率は、上記捕集層の外側層面に露出する上記導電経路の面積比率より大きい、請求項5に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  7. 上記酸化剤ガスの入口側端部と出口側端部との中間部(M)を基準としたときに、
    上記酸化剤ガスの流れ方向上流側における上記捕集層内に含まれる上記導電経路の体積比率は、上記酸化剤ガスの流れ方向下流側における上記捕集層内に含まれる上記導電経路の体積比率よりも小さい、請求項2〜6のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  8. 上記捕集層の気孔率は、上記カソード層の気孔率よりも大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  9. 上記酸化剤ガスの入口側端部と出口側端部との中間部(M)を基準としたときに、
    上記酸化剤ガスの流れ方向上流側における上記捕集層の平均厚みは、上記酸化剤ガスの流れ方向下流側における上記捕集層の平均厚みよりも小さい、請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  10. 上記捕集層は、La、Sr、Co、Fe、Sm、Zn、および、Agからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物を含んで構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  11. 上記捕集層は、上記カソード層の外表面の全てが露出しないように上記カソード層を被覆している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  12. 上記導電経路は、La(Ni,Fe)Oを含む、請求項2〜7のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  13. 上記カソード層は、(La,Sr)(Co,Fe)Oを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池用電極体を有する、固体酸化物形燃料電池単セル(5)。
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