JP2018147528A - ホログラム記録再生方法およびホログラム記録再生装置 - Google Patents
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このような問題が生ずることを回避するためには、移動時間を50ms以上に長くする必要があることから、記録時の転送速度を大幅に低下させることとなり、シフト多重記録方式の有効性を大きく損なうことになる。すなわち、シフト多重記録方式によって記録情報の大容量化を図る場合には、記録媒体をシフトさせる度に、メカ機構による移動時間が必要となるため、記録時の転送速度を低下させることとなる。
参照光として球面波を用い、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムを参照光の記録媒体に対する入射方向を参照光入射角度変更手段によって変更して当該記録媒体における同一箇所に多重記録することによってマルチホログラムを記録した後、
信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムをその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録することを特徴とする。
このような場合には、前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることが好ましい。
信号光を記録媒体に照射する信号光照射光学系と、球面参照光を当該記録媒体に照射する参照光照射光学系とを備えた光学ヘッドを有しており、
当該参照光照射光学系は、球面参照光の記録媒体に対する入射方向を変更させる参照光入射角度変更手段を備えており、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムが球面参照光の記録媒体に対する入射方向が前記参照光入射角度変更手段によって変更されて当該記録媒体における同一箇所に多重記録されることによってマルチホログラムが記録された後、
前記光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録されることを特徴とする。
このような場合には、前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることが好ましい。
記録媒体は、図2を参照して説明すると、各々例えばガラス材料よりなる2枚の光透過性基板11,12と、これらの光透過性基板11,12の間に形成された、光反応性モノマーよりなるホログラム記録層15とを有する。
ホログラム記録層15の厚みは、記録再生能の観点から、例えば0.3〜2.0mmとされ、好ましくは0.5〜1.0mmとされる。
ホログラムの記録に際しては、先ず、記録媒体に対するプリキュアが行われる(T0)。プリキュアは、例えば、ホログラムの記録再生光源と同一の波長のレーザ光を出射するレーザ光源またはLED光源からの光を記録媒体における記録再生領域の全面に照射することにより行うことができる。プリキュアに要する時間は、例えば200msである。
記録媒体における単位記録再生領域は、例えばディスク状の記録媒体においては、記録媒体の表面における記録再生領域を、記録媒体の周方向に並ぶ複数の記録再生部分に分割すると共に複数の記録再生部分の各々をさらに記録媒体の中心から外周縁に向かって径方向に並ぶ複数のブロック単位に分割して得られる当該ブロック単位に設定することができる。また、カード状の記録媒体においては、各々一方向に延びる複数の記録トラックの各々が所定のピッチで当該一方向と直交する方向に並ぶよう形成されており、記録トラックまたは記録トラックにおけるセクタを単位記録再生領域として設定することができる。
この状態において、新たなマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録される(T3)。
音響光学変調器においては、例えば、音響光学変調器を駆動する搬送波の振幅変調させる信号周波数を制御することにより参照光の入射方向を変更することができるため、ホログラムの高速な記録再生が可能となる。
なお、音響光学変調器の駆動制御方法は、このような方法に限定されるものではない。
ポストキュアは、プリキュアと同様に、ホログラムの記録再生光源と同一の波長のレーザ光を出射するレーザ光源またはLED光源からの光を記録媒体における記録再生領域の全面に照射することにより行うことができる。
また、例えばカード状の記録媒体においても同様に、一の単位記録領域においてホログラムの多重記録数が飽和した時点で、記録媒体に対するポストキュアが行われる。
具体例を示すと、シフト量δを例えば10μmに設定した場合には、角度間隔θは5°〜10°の範囲内で設定され、特に、角度間隔θが例えば5°(α=50)に設定すると、記録密度を可及的に高くすることができるため好ましい。このとき、参照光集光用対物レンズとして、開口数NAが例えば0.85であるものが用いた場合には、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を16個とすることができる。また、シフト量δを40μm、角度間隔θを1.25°と設定した場合(α=50)には、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を64個とすることができる。
また、例えば参照光集光用レンズとして開口数NAが0.6であるものを用いた場合には、シフト量δを例えば10μmに設定すると、クロストークを発生させることなく、同一箇所に重ね書きすることが可能なホログラムの数(重ね書き数)を6個となる。
然るに、上記のようにして角度間隔θの大きさおよびシフト量δの大きさが設定された状態で記録されたマルチホログラムのシフト多重ホログラム列においては、ホログラムの再生時に用いられる参照光が球面波であるため、図5に示すように、同一箇所において多重記録された複数のホログラムの各々の再生光Lg1,Lg2が互いに異なる方向に発せられて撮像素子50に入射される。これにより、同時に再生される複数のホログラムの再生像I1,I2は、撮像素子において分離された状態で再生される。また、一のマルチホログラムにおいてブラッグの回折条件を満足する状態で球面参照光が照射されるとき、他のマルチホログラムにおける各ホログラムについては、ブラックの回折条件を満たさないため、当該他のマルチホログラムに係るホログラムの再生は不可となる。
図5において、kr1およびkr2は、互いに異なる入射角度で照射される球面参照光の波数ベクトルを示し、kg1およびkg2は、同一箇所に記録された2つのホログラムの各々の記録格子ベクトルを示す。
このホログラム記録再生装置は、信号光Lsおよび球面参照光Lrを例えばディスク状の記録媒体10aに照射する記録再生光照射光学系を備えた光学ヘッドと、記録媒体10aをその表面に沿った平面内において回動(回転)および平行移動させる記録媒体駆動機構(図示せず)とを備えている。
このホログラム記録再生装置においては、記録媒体10aに記録されたホログラムから記録媒体10aの他面に向かって発せられる再生光が、偏光プリズムビームスプリッタ42から参照光集光用対物レンズ40を介して記録媒体10aに向かう参照光用の光の光路を逆進して、偏光プリズムビームスプリッタ42に入射される。再生光は、再生用の参照光用の光の偏光面に対して90°回転されているため、偏光プリズムビームスプリッタ42を透過することとなる。従って、撮像素子50は、ホログラムからの再生光が偏光プリズムビームスプリッタ42を透過して入射される位置に配置されている。
このような光源60は、例えば、プリキュア用およびポストキュア用の光が信号光照射光学系における偏向ビームスプリッタ28に入射されるよう配置することができる。例えばプリキュア用およびポストキュア用の光が信号光照射光学系における偏向ビームスプリッタ28に入射される構成とされる場合には、プリキュア用およびポストキュア用の光が、偏向ビームスプリッタ28を透過して信号光用の光と同一の光路を介して記録媒体10aに照射される。
一方、参照光用の光は、反射ミラー43によって反射されて進行方向が変更され、レンズ44を介して参照光入射角度変更手段45に入射される。この参照光入射角度変更手段45の作用によって、参照光用の光の参照光集光用対物レンズ40に対する入射位置が制御された状態において、参照光用の光が偏向プリズムビームスプリッタ42を介して参照光集光用対物レンズ40に入射される。参照光用の光は、参照光集光用対物レンズ40によって球面波に変換されて球面参照光Lrとして記録媒体10aの他面側から当該記録媒体10aに照射される。これにより、記録媒体10aにおいては、信号光Lsと球面参照光Lrとによる干渉縞がホログラムとして記録される。
このホログラム記録再生装置は、カード状の記録媒体10bの表面に沿った平面内において、記録媒体10bを当該記録媒体10bにおけるトラックに沿った方向およびトラックの並列方向の2方向に平行移動させる記録媒体移動機構65を備えた構成とされている。
記録媒体10bにおける各セクタ(単位記録領域)へのアクセスは、光学ヘッドの移動によるアクセスの他、記録媒体10bの2軸移動によって行われる。
10a 記録媒体
10b 記録媒体
11 光透過性基板
12 光透過性基板
15 ホログラム記録層
21 記録再生光源
22 ビーム整形用プリズム
25 光分離手段
26 ビームエクスパンダ
27 空間フィルタ
28 偏光プリズムビームスプリッタ
30 空間光変調器(SLM)
31 リレーレンズ
32 ナイキストフィルタ
35 信号光集光用対物レンズ
40 参照光集光用対物レンズ
41 レンズ
42 偏向プリズムビームスプリッタ
43 反射ミラー
44 レンズ
45 参照光入射角度変更手段
46 音響光学媒体
50 撮像素子
60 プリキュア用およびポストキュア用の光源
65 記録媒体移動機構
I1,I2 再生像
kg1,kg2 記録格子ベクトル
kr1,kr2 球面参照光の波数ベクトル
Lg 再生光
Lg1,Lg2 再生光
Lr 参照光
Lr´ 参照光用の光
Ls 信号光
S 駆動用入力信号
SL1 〜SLn 下側帯波回折光
U 超音波
Claims (8)
- データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生方法において、
参照光として球面波を用い、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムを参照光の記録媒体に対する入射方向を参照光入射角度変更手段によって変更して当該記録媒体における同一箇所に多重記録することによってマルチホログラムを記録した後、
信号光と参照光とを照射する光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムをその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録することを特徴とするホログラム記録再生方法。 - 前記参照光入射角度変更手段として音響光学素子が用いられることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録再生方法。
- 参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホログラム記録再生方法。
- 前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定されると共に、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることを特徴とする請求項3に記載のホログラム記録再生方法。
- データ情報を担持した信号光と参照光とを干渉させることにより形成されるホログラムをシフト多重方式によって記録媒体に多重記録すると共に、ホログラムが記録された記録媒体に参照光を照射することによりホログラムに記録されたデータ情報を再生するホログラム記録再生装置において、
信号光を記録媒体に照射する信号光照射光学系と、球面参照光を当該記録媒体に照射する参照光照射光学系とを備えた光学ヘッドを有しており、
当該参照光照射光学系は、球面参照光の記録媒体に対する入射方向を変更させる参照光入射角度変更手段を備えており、
記録媒体を静止させた状態において、複数のホログラムが球面参照光の記録媒体に対する入射方向が前記参照光入射角度変更手段によって変更されて当該記録媒体における同一箇所に多重記録されることによってマルチホログラムが記録された後、
前記光学ヘッドおよび当該記録媒体の一方を他方に対して相対的に一方向にシフトさせた状態において、新たにマルチホログラムがその記録領域の一部が既に記録されたマルチホログラムの記録領域に重なる状態で記録されることを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 前記参照光入射角度変更手段が音響光学素子よりなることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録再生装置。
- 参照光の入射角度を変更させる角度間隔θ〔°〕と、前記光学ヘッドまたは前記記録媒体のシフト量δ〔μm〕との積をα〔°・μm〕としたとき、50≦α≦100となるよう、前記角度間隔θの大きさおよび前記シフト量δの大きさが設定されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のホログラム記録再生装置。
- 前記角度間隔θが1°以上10°以下の範囲内で設定され、前記シフト量δが5μm以上50μm以下の範囲内で設定されることを特徴とする請求項7に記載のホログラム記録再生装置。
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