JP2018146927A - 残響支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】残響音を放射するスピーカとして板状体を用いても、板状体が音源の位置として特定され難く、音場において自然な響きとなるような残響を得られるようにする。【解決手段】内部に空洞11を有する板状に形成され、同一の平坦面をなすように、かつ、互いの振動が伝わらないように配された第一パネル4及び第二パネル5を有する板状体2と、第一パネル及び第二パネルにそれぞれ設けられ、第一パネルと第二パネルとを互いに逆位相の信号で板状体の板厚方向に振動させる二つの加振器3と、を備え、第一パネル及び第二パネルは、相対的に、第一パネル及び第二パネルのそれぞれから板厚方向に伝わる音同士が互いに干渉して弱められる位置に配されている残響支援装置1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、残響支援装置に関する。
音場における音響的フィードバックを行なう音響制御技術がある。この技術においては、例えば、音場における演奏者の演奏音(音信号)をマイクで集音し、音場における残響が考慮された残響音信号を生成し、残響音をスピーカから放射する残響支援装置がある(例えば特許文献1,2参照)。この種の残響支援装置では、残響音をスピーカから放射することで、音場内において自然な響きとなるような残響を得ることを図っている。
特開平10−69280号公報 特開2001−228867号公報
ところで、残響音などの音を放射するスピーカとして、板状体及び板状体をその板厚方向に振動させる加振器を備えるパネルスピーカを用いることが考えられている。しかしながら、パネルスピーカでは、板状体の板厚方向に伝わる音の強度が、板状体の面方向(板厚方向に直交する方向)に伝わる音の強度よりも高い、すなわち、板状体から放射される音の指向性が強い。このため、板状体が音源の位置として特定されやすく、音場において自然な響きとなるような残響を得ることが難しい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、残響音などの音を放射するスピーカとして板状体を用いても、板状体が音源の位置として特定され難く、音場において自然な響きとなるような残響を得られる残響支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の残響支援装置は、内部に空洞を有する板状に形成され、同一の平坦面をなすように、かつ、互いの振動が伝わらないように配された第一パネル及び第二パネルを有する板状体と、前記第一パネル及び前記第二パネルにそれぞれ設けられ、前記第一パネルと前記第二パネルとを互いに逆位相の信号で前記板状体の板厚方向に振動させる二つの加振器と、を備え、前記第一パネル及び前記第二パネルは、相対的に、前記第一パネル及び前記第二パネルのそれぞれから前記板厚方向に伝わる音同士が互いに干渉して弱められる位置に配されている。
本発明によれば、第一パネルと第二パネルとの間において、板厚方向に振動する第一パネル及び第二パネルからそれぞれ放射される音同士が干渉することで、板状体の板厚方向に放射される音の強度を低下させることができる。これにより、板状体の板厚方向に放射される音の強度と比較して、板状体の面方向(板厚方向に直交する方向)に伝わる音の強度が高くすることができる。したがって、残響音などの音を放射するスピーカとして板状体を用いても、音源となる板状体の位置が特定されにくくなり、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
本発明の第一実施形態に係る残響支援装置を示す正面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1,2の残響支援装置から放射される残響音(音)の伝わりを模式的に示す図である。 本発明の第二実施形態に係る残響支援装置を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る残響支援装置を示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係る残響支援装置を示す正面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1−3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る残響支援装置1は、板状体2と、加振器3と、を備える。
板状体2は、内部に空洞11を有する板状に形成されている。板状体2は、同一の平坦面をなすように、かつ、互いの振動が伝わらないように配された板状の第一パネル4及び第二パネル5を有する。
本実施形態において、第一パネル4及び第二パネル5は、互いに間隔をあけて配される個別のパネルである。また、第一パネル4と第二パネル5との隙間は、振動の伝達を防ぐ振動絶縁部材6によって埋められている。
以下、本実施形態の板状体2の構成について、より具体的に説明する。
本実施形態において、各パネル4,5は、内部に空洞11を有する板状に形成されている。各パネル4,5の板厚方向(Z軸方向)から見た正面視で、各パネル4,5は任意の形状に形成されてよいが、本実施形態では、矩形状に形成されている。各パネル4,5には、空洞11を外部空間に連通させる開口部12が形成されている。
本実施形態において、各パネル4,5は、複数(図示例では三つ)の空洞11を有する。各空洞11は、板状体2の板厚方向に直交する第一直交方向(Y軸方向)に延びている。第一直交方向における空洞11の長さは、例えば複数の空洞11の間で互いに異なっていてもよいが、本実施形態では複数の空洞11の間で互いに等しい。また、第一直交方向における空洞11の長さは、第一パネル4と第二パネル5との間で、互いに異なっていてもよいが、本実施形態では互いに等しい。複数の空洞11は、各パネル4,5の板厚方向及び第一直交方向に直交する第二直交方向(X軸方向)に配列されている。
本実施形態の各パネル4,5は、正面視で第一直交方向を長辺、第二直交方向を短辺とする長方形状に形成されている。正面視した形状及び大きさは、第一パネル4と第二パネル5とで互いに等しい。
各パネル4,5において、複数の空洞11は、各パネル4,5の板厚方向に配列された二つの平板壁部13,14と、二つの平板壁部13,14の間において第二直交方向に間隔をあけて配列され、二つの平板壁部13,14を連結する複数(図示例では四つ)の連結壁部15と、によって形成されている。複数の連結壁部15は、例えば不等間隔で配列されてもよいが、本実施形態では等間隔で配列されている。すなわち、第二直交方向における空洞11の幅寸法は、複数の空洞11の間で互いに等しい。
各パネル4,5を構成する二つの平板壁部13,14及び複数の連結壁部15は、例えば別個に形成した上で、接着等によって互いに固定されてもよいし、例えば全て一体に形成されてもよい。本実施形態においては、一方の平板壁部13(第一平板壁部13)だけが別個に形成され、他方の平板壁部14(第二平板壁部14)及び複数の連結壁部15が一体に形成されている。
各パネル4,5の開口部12は、例えば空洞11の長手方向(第一直交方向)の一端又は両端に形成されてもよいが、本実施形態では板厚方向に向く各パネル4,5の第一端面4a,5aをなす第一平板壁部13に形成されている。本実施形態では、空洞11の長手方向の両端が閉塞壁部16によって塞がれている。
各空洞11は、一つ又は二つの開口部12によって外部空間に連通している。同一の空洞11に対して形成される二つの開口部12は、空洞11の長手方向において互いに間隔をあけた位置に配されている。開口部12は、例えば複数の空洞11の間で空洞11の長手方向において互いに異なる位置に形成されるとよい。
以上のように構成される各パネル4,5は、特開2010−084509号公報にも記載されているように、壁に囲まれた音響空間において、平行対面する壁面間で音が繰り返し反射することによりブーミングやフラッターエコーなどの音響障害の発生を抑制又は防止する機能を有する。
具体的に説明すれば、音響空間内において発生した音は、各々のパネル4,5の各開口部12を介して各空洞11に入射する。空洞11に入射した音は空洞11の共鳴周波数に応じて共鳴し、定在波を発生させる。各空洞11で発生した定在波の音響エネルギーは各空洞11に対応する開口部12から音響空間に向けて放射される。そして、この共鳴現象に起因する吸音効果と散乱効果により、音響空間内における音響障害の発生が防止される。
第一パネル4と第二パネル5とは、例えば第一直交方向に並べて配されてもよいが、本実施形態では第二直交方向に並べて配されている。この状態において、第一パネル4及び第二パネル5からなる板状体2は、正面視で長方形状に形成されている。また、第一パネル4及び第二パネル5の第一端面4a,5a、並びに、第二平板壁部14からなり第一端面4a,5aと反対側に向く第一パネル4及び第二パネル5の第二端面4b,5bは、それぞれ同一の平坦面をなしている。
第一パネル4及び第二パネル5は、これらの間(隙間)に設けられる振動絶縁部材6を介して一体に固定されている。振動絶縁部材6は、例えばゴムやウレタン、ゴム系接着剤等のように弾性変形可能で振動エネルギーを吸収する特性を有する材料によって構成されてよい。
また、振動絶縁部材6は、例えば振動の波がパネル4,5と振動絶縁部材6との界面において反射するように、第一パネル4及び第二パネル5と密度が異なる材料によって構成されてもよい。例えば、パネル4,5及び振動絶縁部材6の一方が木材や金属等のように密度が高い材料によって構成され、パネル4,5及び振動絶縁部材6の他方が発泡スチロールのように密度が低い材料によって構成されてもよい。
加振器3は、第一パネル4及び第二パネル5にそれぞれ設けられている。各加振器3は、例えばボイスコイル型のアクチュエータであってよい。二つの加振器3は、第一パネル4と第二パネル5とを互いに逆位相の信号で板状体2の板厚方向に振動させる。これにより、第一パネル4及び第二パネル5から互いに逆位相の残響音を放射させる。
本実施形態において、各加振器3は、正面視した各パネル4,5の中央領域(対角線の中央)に取り付けられている。各パネル4,5の中央領域は、パネル4,5の振動モードにおける振動の腹に相当するため、加振器3からパネル4,5への振動の伝達効率を高めることができる。これにより、加振器3の駆動力が小さくても、各パネル4,5から放音される残響音の音量を大きくすることができる。
各加振器3は、板厚方向に向く各パネル4,5の第一端面4a,5a(第一平板壁部13)及び第一端面4a,5aと反対側に向く各パネル4,5の第二端面4b,5b(第二平板壁部14)のいずれに取り付けられてもよい。本実施形態では、各パネル4,5の第一端面4a,5aに取り付けられている。
このように各加振器3が各パネル4,5に設けられることで、各パネル4,5を板厚方向に振動させて、各パネル4,5から残響音を放射させることができる。
さらに、本実施形態の残響支援装置1は、第一パネル4及び第二パネル5から互いに逆位相の残響音が放射されるように二つの加振器3の駆動を制御する構成として、信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
信号取得部は、音源から発生する音信号または振動信号、あるいはその両方を取得する。
音信号には、例えば、楽器、スピーカおよび人などが放音した音を表す信号、日常や自然界で発生する音を表す信号の他、電子楽器の出力端子から出力される楽音信号、オーディオ装置、携帯音楽プレーヤなどの楽音再生装置の出力端子から出力される楽音信号、各パネル4,5から放射された残響音が含まれてよい。また、振動信号には、弦楽器の弦の振動やドラムの振動など、楽器等の振動を表す信号が含まれてよい。
信号取得部には、例えば、音信号を収音するマイク、振動信号を検出する圧電素子などのピックアップ、各種機器に設けられて音信号や振動信号を出力するための出力端子に接続されるコネクタ(入力端子)などが含まれてよい。
信号取得部は、音信号や振動信号を電気信号として信号処理部に出力する。
信号処理部は、信号取得部が取得した信号(電気信号)に対して所定の信号処理を施す。信号処理部における所定の信号処理には、信号取得部が取得した信号に基づいて残響音信号(残響音に対応する信号)を生成する処理が含まれる。また、信号処理部における所定の信号処理には、残響音の残響時間を設定する処理が含まれてもよい。この場合、信号処理部は、例えば、残響音の残響時間を調節する機能(残響時間調節機能)を有してもよい。また、信号処理部における所定の信号処理には、生成された残響音信号を増幅する処理が含まれてよい。この場合、信号処理部は、残響音信号の増幅率を調節する機能(増幅機能)を有してもよい。信号処理部は、上記のように生成した残響音信号を駆動制御部に出力する。
信号処理部では、例えば、上記したような信号処理を行わずに、信号取得部が取得した信号(電気信号)をそのまま駆動制御部に出力するバイパス処理を行ってもよい。
駆動制御部は、信号処理部から出力された信号(例えば残響音信号)に応じて二つの加振器3を駆動する。駆動制御部は、二つの加振器3を互いに逆位相で駆動する信号(駆動信号)を二つの加振器3に出力する。
これら信号取得部、信号処理部及び駆動制御部は、例えば二つの加振器3と共に板状体2に取り付けられてもよいし、例えば板状体2から離れた位置に配されてもよい。駆動制御部と二つの加振器3とは、例えば電気配線によって接続されてもよい。この場合、駆動制御部と二つの加振器3とは、例えばコネクタ等によって互いに着脱可能に接続されてもよい。
各加振器3は、駆動制御部から出力された駆動信号に基づいて、第一パネル4と第二パネル5とを互いに逆位相の信号で板状体2の板厚方向に振動させることができる。これにより、二つのパネル4,5から互いに逆位相の残響音を放射することができる。
そして、本実施形態の残響支援装置1では、第一パネル4及び第二パネル5が、互いに音響的に弱音化可能な位置に配されている。弱音化可能な位置とは、第一パネル4及び第二パネル5のそれぞれから板状体2の板厚方向に伝わる二つの残響音同士が互いに干渉して弱められるような、第一パネル4及び第二パネル5の相対的な位置(二つの加振器3の相対的な位置)を意味する。
以下、音響的に弱音化可能とする第一パネル4及び第二パネル5の配置について具体的に説明する。
本実施形態において、正面視における各パネル4,5の中央領域は、加振器3が取り付けられる位置であり、点音源と見なすことができる。また、二つのパネル4,5はそれぞれ加振器3によって互いに逆位相で板厚方向に振動する。このため、二つの点音源をなす二つのパネル4,5の中央領域によって正負二重音源(ダイポール音源)が構成されるように、二つのパネル4,5の中央領域間の距離d(二つの加振器3間の距離d)を設定すればよい、すなわち第一パネル4及び第二パネル5の相対的な位置を設定すればよい。これにより、第一パネル4及び第二パネル5のそれぞれから板状体2の板厚方向に伝わる二つの残響音同士を、互いに干渉させて弱めることができる。
さらに具体的に説明すれば、例えば、弱音化させたい残響音の周波数が1kHzである場合には、二つのパネル4,5の中央領域間の距離dが30cmとなるように、二つのパネル4,5の相対的な位置を設定すればよい。実際には、距離dを30cmよりも短く設定するとよい。また、弱音化させたい残響音の周波数が2kHzである場合、二つのパネル4,5の中央領域間の距離dが15cmとなるように、二つのパネル4,5の相対的な位置を設定すればよい。実際には、距離dを15cmよりも短く設定するとよい。
また、二つのパネル4,5の中央領域間の距離dを設定するためには、例えば正面視した二つのパネル4,5の大きさ(特に第二直交方向における各パネル4,5の寸法)を適切に設定してもよいし、例えば二つのパネル4,5の間に配される振動絶縁部材6の大きさ(特に第二直交方向における振動絶縁部材6の寸法)を適切に設定してもよい。
以上のように構成される本実施形態の残響支援装置1では、第一パネル4と第二パネル5との間において、第一パネル4及び第二パネル5からそれぞれ放射される残響音同士が干渉することで、図3に例示するように、板状体2の板厚方向(図3において上下方向)に放射される残響音の強度を低下させることができる。これにより、板状体2の板厚方向に放射される残響音の強度と比較して、板状体2の面方向(板厚方向に直交する方向;図3において左右方向)に伝わる残響音の強度が高くすることができる。図3では、板状体2から放射される残響音の強度分布を曲線Sdで模式的に示している。したがって、残響音を放射するスピーカとして板状体2を用いても、音源となる板状体2の位置が特定されにくくなり、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
例えば図3に示すように、板状体2の板厚方向が残響音を聞かせる聴者Lに向くように、本実施形態の残響支援装置1(板状体2)を部屋Rの壁に対して隙間なく配置した場合を考える。この場合、板状体2から放射される残響音のうち、板状体2から板状体2の板厚方向に伝わって聴者Lに直接到達する直接音DSの大きさと、板状体2から板状体2の面方向に伝わり部屋Rの壁に反射した上で聴者Lに到達する反射音RSの大きさとの差を小さくすることができる。これにより、聴者Lは、音場である部屋Rにおいて周囲からの残響を感じやすくなる、すなわち、部屋Rにおいて自然な響きとなる残響を感じ取ることができる。
また、上記のことから、本実施形態の残響支援装置1によれば、音場の環境(例えば部屋Rにおける壁の位置や向き)を考慮せず、板状体2の板厚方向が残響音を聞かせる聴者Lに向くように板状体2を配置するだけで、聴者Lは周囲からの残響を感じやすくなる。すなわち、従来のパネルスピーカと比較して、音場における板状体2のセッティングを容易に行うこともできる。
また、本実施形態の残響支援装置1では、板状体2が内部に空洞11を有する板状に形成されている。このため、板状体2の板厚方向に向く板状体2の第一端面4a,5aや第二端面4b,5bだけではなく、第一端面4a,5aや第二端面4b,5bに直交する板状体2の側面からも残響音を放射できる。このため、従来のパネルスピーカのように板状体2が単なる薄板である場合と比較して、板状体2の板厚方向に放射される残響音の強度と、板状体2の面方向に伝わる残響音の強度との差を小さくすることができる。
また、板状体2が内部に空洞11を有することで、板状体2から放射される残響音の周波数特性の凹凸を少なくすることもできる。すなわち、残響音の周波数特性のフラット化を図ることができる。したがって、残響支援装置1によって音響的フィードバックを行っても、ハウリングを抑えてより自然な音質の残響が残るように、残響音を調整することができる。具体的には、ハウリングを抑制できることで、板状体2から放射される残響音の音質、音量、残響の長さをより大きく変化させることが可能となる。これにより、より自然な音質の残響が得られるように残響音を調整できる。
また、本実施形態の残響支援装置1では、第一パネル4及び第二パネル5が、互いに間隔をあけて配される個別のパネルとなっている。このため、同様に構成されたパネルを二つ(複数)作成するだけで、音場において自然な響きとなるような残響を得ることが可能な残響支援装置1を簡単に構成することができる。
また、本実施形態の残響支援装置1では、個別のパネルで構成された第一パネル4と第二パネル5との隙間が、振動絶縁部材6によって埋められている。これにより、第一パネル4と第二パネル5とを近くに配置できるため、残響支援装置1をコンパクトに構成することができる。
第一実施形態の残響支援装置1において、各パネル4,5には、例えば一つの空洞11だけが形成されてもよい。すなわち、各パネル4,5は二つの平板壁部13,14及び二つの連結壁部15によって構成されてもよい。
〔第二実施形態〕
次に、図4を参照して本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一実施形態の残響支援装置1と比較して、主に板状体の構成が異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様に、内部に空洞11を有する板状に形成され、同一の平坦面をなすように、かつ、互いの振動が伝わらないように配された第一パネル4C及び第二パネル5Cを有する板状体2Cを備える。
また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の二つの加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
ただし、本実施形態の板状体2Cでは、第一パネル4C及び第二パネル5Cが、一つのパネル10C(以下、単一パネル10Cと呼ぶ。)によって構成されている。さらに、板状体2Cの板厚方向から見た正面視で、単一パネル10Cのうち第一パネル4Cをなす第一領域104Cと第二パネル5Cをなす第二領域105Cとの境界には、第一領域104Cと第二領域105Cとの間での振動の伝達を防ぐ振動絶縁部材6が設けられている。
以下、本実施形態の板状体2Cの構成について、より具体的に説明する。
本実施形態において、単一パネル10Cは、内部に空洞11を有する板状に形成されている。単一パネル10Cの正面視形状は、任意であってよいが、本実施形態では第一実施形態の板状体2Cと同様の矩形状(図1参照)に形成されている。単一パネル10Cには、空洞11を外部空間に連通させる開口部12が形成されている。
本実施形態において、単一パネル10Cは、複数(図示例では六つ)の空洞11を有する。各空洞11の形状及び複数の空洞11の配列等は、第一実施形態の板状体2Cと同様である。すなわち、各空洞11は、単一パネル10Cの板厚方向(Z軸方向)に直交する第一直交方向(Y軸方向)に延びている。第一直交方向における空洞11の長さは、複数の空洞11の間で互いに等しい。複数の空洞11は、単一パネル10Cの板厚方向及び第一直交方向に直交する第二直交方向(X軸方向)に配列されている。単一パネル10Cは、正面視で第一直交方向を長辺、第二直交方向を短辺とする長方形状に形成されている。
単一パネル10Cにおいて、複数の空洞11は、第一実施形態の場合と同様に、単一パネル10Cの板厚方向に配列された二つの平板壁部13C,14と、二つの平板壁部13C,14の間において第二直交方向に間隔をあけて配列され、二つの平板壁部13C,14を連結する複数(図示例では四つ)の連結壁部15と、によって形成されている。
単一パネル10Cを構成する二つの平板壁部13C,14及び複数の連結壁部15は、例えば別個に形成した上で、接着等によって互いに固定されてもよい。本実施形態においては、一方の平板壁部13C(第一平板壁部13C)だけが別個に形成され、他方の平板壁部14(第二平板壁部14)及び複数の連結壁部15が一体に形成されている。
本実施形態において、単一パネル10Cの開口部12は、第一実施形態と同様に、板厚方向に向く単一パネル10Cの第一端面10Caをなす第一平板壁部13Cに形成されている。各空洞11は、第一実施形態と同様に、一つ又は二つの開口部12によって外部空間に連通している。
以上のように構成される単一パネル10Cは、第一実施形態の各パネル4,5と同様に、壁に囲まれた音響空間において、ブーミングやフラッターエコーなどの音響障害の発生を抑制又は防止する機能を有する。
そして、本実施形態の単一パネル10Cでは、第一平板壁部13Cが、互いに間隔をあけて配された二枚の分割平板18C,19Cによって構成されている。正面視した二枚の分割平板18C,19Cの形状や大きさは、例えば互いに異なってもよいが、本実施形態では互いに等しい。また、二枚の分割平板18C,19Cは、例えば第一直交方向に並べて配されてもよいが、本実施形態では第二直交方向に並べて配されている。
二つの加振器3は、二枚の分割平板18C,19Cにそれぞれ設けられ、二枚の分割平板18C,19Cを互いに逆位相の信号で単一パネル10Cの板厚方向に振動させる。これにより、二枚の分割平板18C,19Cから互いに逆位相の残響音を放射させることができる。各加振器3は、第一実施形態と同様に、正面視した各分割平板18C,19Cの中央領域(対角線の中央)に取り付けられている。
また、本実施形態の単一パネル10Cは、二枚の分割平板18C,19Cの間で振動が伝わることを防ぐように構成されている。すなわち、本実施形態の単一パネル10Cでは、二枚の分割平板18C,19Cの間に振動絶縁部材6が設けられている。また、本実施形態の単一パネル10Cでは、二枚の分割平板18C,19Cの間で第二平板壁部14及び連結壁部15を通る振動の伝達経路にも、振動絶縁部材6が設けられている。振動伝達経路に設けられる振動絶縁部材6は、例えば第二平板壁部14と各連結壁部15との間に配されてもよいが、本実施形態では第一平板壁部13Cと各連結壁部15との間に配されている。
本実施形態における振動絶縁部材6の材料は、第一実施形態と同様であってよい。
以上のように構成される本実施形態の単一パネル10Cでは、一方の分割平板18C(第一分割平板18C)が、第一パネル4Cをなす単一パネル10Cの第一領域104Cを構成する。同様にして、他方の分割平板19C(第二分割平板19C)が、第二パネル5Cをなす単一パネル10Cの第二領域105Cを構成する。また、第一分割平板18C、並びに、第一分割平板18Cと板厚方向に重なる連結壁部15及び第二平板壁部14の部位が、第一パネル4Cとして構成される。同様にして、第二分割平板19C、並びに、第二分割平板19Cと板厚方向に重なる連結壁部15及び第二平板壁部14の部位が、第二パネル5Cとして構成される。
そして、本実施形態では、第一パネル4C及び第二パネル5Cを各々構成する二つの分割平板18C,19Cが、第一実施形態の場合と同様に、互いに音響的に弱音化可能な位置に配されている。具体的には、二つの点音源をなす二つの分割平板18C,19Cの中央領域によって正負二重音源(ダイポール音源)が構成されるように、二つの分割平板18C,19Cの相対的な位置が設定されている。
本実施形態の残響支援装置1Cによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の残響支援装置1Cによれば、第一パネル4C及び第二パネル5Cが単一パネル10Cで構成され、第一パネル4Cをなす第一領域104C(第一分割平板18C)と第二パネル5Cをなす第二領域105C(第二分割平板19C)との境界に、第一領域104Cと第二領域105Cとの間で振動の伝達を防ぐ振動絶縁部材6が設けられている。このため、単一パネル10Cだけで、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
第二実施形態の残響支援装置1Cにおいて、単一パネル10Cには、例えば一つの空洞11だけが形成されてもよい。すなわち、単一パネル10Cは二つの平板壁部13C,14及び二つの連結壁部15によって構成されてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明の残響支援装置において、板状体は、互いに逆位相で振動する第一パネル及び第二パネルを少なくとも一つずつ有していればよい。すなわち、例えば図5,6に示すように、板状体2D,2Eは、第一パネル4D,4E及び/又は第二パネル5D,5Eを複数有してもよい。
図5に例示する残響支援装置1Dでは、板厚方向から見た正面視で、第一パネル4Dと第二パネル5Dとが、第一直交方向(縦方向)及び第二直交方向(横方向)に交互に配列されている。言い換えれば、第一パネル4D及び第二パネル5Dが、第一直交方向(縦方向)及び第二直交方向(横方向)のそれぞれにおいて互い違いに配列されている。
図6に例示する残響支援装置1Eでは、板厚方向から見た正面視で、第一パネル4Eを囲むように複数(図示例では九つ)の第二パネル5Eが配されている。
図5−6に例示した構成では、隣り合う第一パネル4D,4E及び第二パネル5D,5Eからなるユニットが複数あることで、各ユニットにおいて板厚方向に放射される残響音の強度を低下させることができる。すなわち、板状体2D,2E全体では、板状体2D,2Eの板厚方向に放射される残響音の強度を大きく低下させることができる。これにより、板状体2D,2Eの面方向(板厚方向に直交する方向)に伝わる残響音の強度を、板状体2D,2Eの板厚方向に放射される残響音の強度よりも、さらに高くすることができる。また、第一パネル4D,4Eと第二パネル5D,5Eとが板厚方向に直交する様々な方向に配列されることで、板状体2D,2Eの面方向(板厚方向に直交する様々な方向)に伝わる残響音の強度を高めることもできる。したがって、音源となる板状体2D,2Eの位置がさらに特定されにくくなり、音場においてより自然な響きとなるような残響を得ることができる。
また、隣り合う第一パネル4D,4E及び第二パネル5D,5Eからなるユニットが複数ある場合には、隣り合う第一パネル4D,4E及び第二パネル5D,5Eの中央領域の相対的な位置をユニットごとに適宜設定することで、板状体2D,2Eから放射される複数の周波数の残響音について、板厚方向に放射される残響音の強度を低下させることも可能となる。言い換えれば、広い周波数帯域で板厚方向に放射される残響音の強度を低下させることができる。
本発明の残響支援装置においては、例えば、二つのパネル(第一パネル、第二パネル)を上記実施形態のように並べて配置すると共に、二つのパネルを別個の加振器により互いに逆位相とはならない位相で振動させるだけでもよい。すなわち、二つのパネルを逆位相で振動させたり、二つのパネルの中央領域間の距離d(図2参照)を適切に設定しなくてもよい。
このような構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏し得る。例えば、二つのパネルから板状体の板厚方向に放射される二つの残響音の位相が同じであっても、これら二つの残響音が残響支援装置から聴者の耳に届くまでの間に、二つの残響音の位相が互いにずれていくことがある。この場合、板状体の板厚方向に放射される二つの残響音が互いに干渉して弱まる。すなわち、板状体の板厚方向に放射される残響音の強度を低下させることができる。
また、本発明の残響支援装置において、二つのパネルが個別の加振器により振動することで二つのパネルからそれぞれ放射される音は、音場における残響を考慮した残響音のみに限らず、例えば、音場における残響を考慮していない音や、このような音と残響音とを組み合わせた音であってもよい。すなわち、本発明の残響支援装置では、少なくとも二つのパネルのそれぞれから板状体の板厚方向に伝わる音同士が互いに干渉して弱められればよい。
1,1C,1D,1E…残響支援装置、2,2C,2D,2E…板状体、3…加振器、4,4C,4D,4E…第一パネル、5,5C,5D,5E…第二パネル、6…振動絶縁部材、10C…単一パネル、11…空洞、12…開口部、13C…第一平板壁部、18C…第一分割平板、19C…第二分割平板、104C…第一領域、105C…第二領域

Claims (6)

  1. 内部に空洞を有する板状に形成され、同一の平坦面をなすように、かつ、互いの振動が伝わらないように配された第一パネル及び第二パネルを有する板状体と、
    前記第一パネル及び前記第二パネルにそれぞれ設けられ、前記第一パネルと前記第二パネルとを互いに逆位相の信号で前記板状体の板厚方向に振動させる二つの加振器と、を備え、
    前記第一パネル及び前記第二パネルは、相対的に、前記第一パネル及び前記第二パネルのそれぞれから前記板厚方向に伝わる音同士が互いに干渉して弱められる位置に配されている残響支援装置。
  2. 前記第一パネル及び前記第二パネルは、互いに間隔をあけて配される個別のパネルである請求項1に記載の残響支援装置。
  3. 前記第一パネルと前記第二パネルとの隙間が、振動の伝達を防ぐ振動絶縁部材によって埋められている請求項2に記載の残響支援装置。
  4. 前記第一パネル及び前記第二パネルが一つのパネルで構成され、
    前記パネルのうち、前記第一パネルをなす第一領域と前記第二パネルをなす第二領域との境界に、前記第一領域と前記第二領域との間での振動の伝達を防ぐ振動絶縁部材が設けられる請求項1に記載の残響支援装置。
  5. 前記板厚方向から見て、前記第一パネルと前記第二パネルとが、縦方向及び横方向に交互に配列されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の残響支援装置。
  6. 前記板厚方向から見て、前記第一パネルを囲むように複数の前記第二パネルが配されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の残響支援装置。
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