JP2018148527A - 残響支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音を放射するスピーカとして板状体を用いても、板状体が音源の位置として特定され難く、音場において自然な響きとなるような残響を得られるようにする。
【解決手段】板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部11,12、及び、一対の平板壁部の間に配されて一対の平板壁部を連結する連結部13を有する板状体2と、一対の平板壁部のうち第一平板壁部11に設けられ、第一平板壁部を板厚方向に振動させる加振器3と、を備え、連結部が、第一平板壁部から第二平板壁部12への振動の伝達を抑制する振動抑制部材21を含む残響支援装置1を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部11,12、及び、一対の平板壁部の間に配されて一対の平板壁部を連結する連結部13を有する板状体2と、一対の平板壁部のうち第一平板壁部11に設けられ、第一平板壁部を板厚方向に振動させる加振器3と、を備え、連結部が、第一平板壁部から第二平板壁部12への振動の伝達を抑制する振動抑制部材21を含む残響支援装置1を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、残響支援装置に関する。
音場における音響的フィードバックを行なう音響制御技術がある。この技術においては、例えば、音場における演奏者の演奏音(音信号)をマイクで集音し、音場における残響が考慮された残響音信号を生成し、残響音をスピーカから放射する残響支援装置がある(例えば特許文献1,2参照)。この種の残響支援装置では、残響音をスピーカから放射することで、音場内において自然な響きとなるような残響を得ることを図っている。
ところで、残響音などの音を放射するスピーカとして、板状体及び板状体をその板厚方向に振動させる加振器を備えるパネルスピーカを用いることが考えられている。しかしながら、パネルスピーカでは、板状体の板厚方向に伝わる音の強度が、板状体の面方向(板厚方向に直交する方向)に伝わる音の強度よりも高い、すなわち、板状体から放射される音の指向性が強い。このため、板状体が音源の位置として特定されやすく、音場において自然な響きとなるような残響を得ることが難しい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、音を放射するスピーカとして板状体を用いても、板状体が音源の位置として特定され難く、音場において自然な響きとなるような残響を得られる残響支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様の残響支援装置は、板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、前記連結部が、前記第一平板壁部から第二平板壁部への振動の伝達を抑制する振動抑制部材を含む。
上記の残響支援装置において、振動抑制部材は、第一平板壁部から連結部を通して第二平板壁部に伝わる振動の割合(振動伝達率)を低く抑えることができる。これにより、加振器によって振動する第一平板壁部の振動の大きさに対し、第一平板壁部の振動が連結部を通して第二平板壁部に伝わることで振動する第二平板壁部の振動の大きさを、小さくすることができる。
本発明の第二態様の残響支援装置は、板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、一対の前記平板壁部のうち第二平板壁部に、制振部材が取り付けられている。
上記の残響支援装置においては、制振部材が、第一平板壁部から連結部を通して第二平板壁部に伝わった振動やそのエネルギーを吸収する。これにより、加振器によって振動する第一平板壁部の振動の大きさに対し、第一平板壁部の振動が連結部を通して第二平板壁部に伝わることで振動する第二平板壁部の振動の大きさを、小さくすることができる。
本発明の第三態様の残響支援装置は、板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、一対の前記平板壁部のうち第二平板壁部の板厚が、前記第一平板壁部の板厚よりも大きい。
上記の残響支援装置においては、加振器によって振動する第一平板壁部の振動が第一平板壁部から連結部を通して第二平板壁部に伝わっても、第二平板壁部の振動の大きさを、第一平板壁部の振動の大きさよりも小さくすることができる。
本発明によれば、加振器によって振動する第一平板壁部の振動の大きさに対し、第一平板壁部の振動が連結部を通して第二平板壁部に伝わることで振動する第二平板壁部の振動の大きさを、小さくすることができる。これにより、第二平板壁部から放射される音の強度を、第一平板壁部から放射される音の強度よりも低くすることができる。このため、第一平板壁部から放射され部屋等の壁で反射して様々な方向に伝わる音の強度を、第二平板壁部から板状体の板厚方向に伝わる音の強度よりも高くすることができる。したがって、音を放射するスピーカとして板状体を用いても、板状体が音源の位置として特定され難く、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
〔第一実施形態〕
以下、図1−3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る残響支援装置1は、板状体2と、加振器3と、を備える。
以下、図1−3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る残響支援装置1は、板状体2と、加振器3と、を備える。
板状体2は、一対の平板壁部11,12と、連結部13と、を有する。
一対の平板壁部11,12は、板厚方向(Z軸方向)に互いに間隔をあけて配されている。一対の平板壁部11,12は互いに平行するように配されている、すなわち、一対の平板壁部11,12の板厚方向は互いに一致している。
一対の平板壁部11,12は、板厚方向(Z軸方向)に互いに間隔をあけて配されている。一対の平板壁部11,12は互いに平行するように配されている、すなわち、一対の平板壁部11,12の板厚方向は互いに一致している。
平板壁部11,12の板厚方向から見た正面視で、各平板壁部11,12は任意の形状に形成されてよい。本実施形態では、各平板壁部11,12が矩形状に形成されている。正面視した一対の平板壁部11,12の大きさは、例えば互いに異なってもよいが、本実施形態では互いに等しい。また、本実施形態において、一対の平板壁部11,12の板厚は互いに等しい。
連結部13は、一対の平板壁部11,12の間に配され、一対の平板壁部11,12を連結する。連結部13は、各平板壁部11,12の板厚方向への振動を阻害しないように、正面視で各平板壁部11,12よりも小さく形成されている。連結部13は、例えば板状体2(平板壁部11,12)の板厚方向に延びる棒状に形成されてもよいが、本実施形態では板状に形成されている。本実施形態において、連結部13の板厚方向は、平板壁部11,12の板厚方向に直交している。連結部13の数は、例えば一つであってよいが、本実施形態では複数(図示例では九つ)である。
本実施形態では、板状体2が内部に空洞14を有する板状に形成されるように、複数の連結部13が配列されている。連結部13の形状や配列、及び、連結部13の形状や配列に伴って形成される空洞14の形状や大きさ等は、任意であってよい。
本実施形態における連結部13には、板状体2の板厚方向に直交する第一直交方向(Y軸方向)に延びる帯板状の第一連結部13Aと、板状体2の板厚方向及び第一直交方向に直交する第二直交方向(X軸方向)に延びる帯板状の第二連結部13Bと、がある。第一連結部13Aは、第二直交方向に間隔をあけて複数(図示例では七つ)配列されている。第二連結部13Bは、第一直交方向における平板壁部11,12及び第一連結部13Aの両端に一つずつ配されている。
本実施形態における連結部13には、板状体2の板厚方向に直交する第一直交方向(Y軸方向)に延びる帯板状の第一連結部13Aと、板状体2の板厚方向及び第一直交方向に直交する第二直交方向(X軸方向)に延びる帯板状の第二連結部13Bと、がある。第一連結部13Aは、第二直交方向に間隔をあけて複数(図示例では七つ)配列されている。第二連結部13Bは、第一直交方向における平板壁部11,12及び第一連結部13Aの両端に一つずつ配されている。
そして、板厚方向に並ぶ一対の平板壁部11,12、第二直交方向に隣り合う二つの第一連結部13A、及び、第一直交方向に並ぶ二つの第二連結部13Bによって囲まれた空間が、板状体2の空洞14として形成されている。本実施形態では、空洞14が第一直交方向に延びている。
板状体2における空洞14の数は、例えば一つであってもよいが、本実施形態では複数である。本実施形態では、七つの第一連結部13Aが第二直交方向に配列されることで、板状体2が第二直交方向に配列された六つの空洞14を有する。
板状体2における空洞14の数は、例えば一つであってもよいが、本実施形態では複数である。本実施形態では、七つの第一連結部13Aが第二直交方向に配列されることで、板状体2が第二直交方向に配列された六つの空洞14を有する。
また、本実施形態の板状体2には、空洞14を外部空間に連通させる開口部15が形成されている。開口部15は、例えば空洞14の長手方向(第一直交方向)の一端又は両端に位置する第二連結部13Bや、一方の平板壁部11(第一平板壁部11)に形成されてもよい。本実施形態では、開口部15が他方の平板壁部12(第二平板壁部12)に形成されている。
各空洞14は、一つ又は二つの開口部15によって外部空間に連通している。同一の空洞14に対して形成される二つの開口部15は、空洞14の長手方向において互いに間隔をあけた位置に配されている。開口部15は、例えば複数の空洞14の間で空洞14の長手方向において互いに異なる位置に形成されるとよい。この場合、空洞14の共鳴周波数を複数の空洞14の間で互いに異ならせることができる。
各空洞14は、一つ又は二つの開口部15によって外部空間に連通している。同一の空洞14に対して形成される二つの開口部15は、空洞14の長手方向において互いに間隔をあけた位置に配されている。開口部15は、例えば複数の空洞14の間で空洞14の長手方向において互いに異なる位置に形成されるとよい。この場合、空洞14の共鳴周波数を複数の空洞14の間で互いに異ならせることができる。
以上のように構成される板状体2は、特開2010−084509号公報にも記載されているように、壁に囲まれた音響空間において、平行対面する壁面間で音が繰り返し反射することによりブーミングやフラッターエコーなどの音響障害の発生を抑制又は防止する音響構造体としての機能を有する。
具体的に説明すれば、音響空間内において発生した音は、板状体2の各開口部15を介して各空洞14に入射する。空洞14に入射した音は空洞14の共鳴周波数に応じて共鳴し、定在波を発生させる。各空洞14で発生した定在波の音響エネルギーは各空洞14に対応する開口部15から音響空間に向けて放射される。そして、この共鳴現象に起因する吸音効果と散乱効果により、音響空間内における音響障害の発生が防止される。
具体的に説明すれば、音響空間内において発生した音は、板状体2の各開口部15を介して各空洞14に入射する。空洞14に入射した音は空洞14の共鳴周波数に応じて共鳴し、定在波を発生させる。各空洞14で発生した定在波の音響エネルギーは各空洞14に対応する開口部15から音響空間に向けて放射される。そして、この共鳴現象に起因する吸音効果と散乱効果により、音響空間内における音響障害の発生が防止される。
加振器3は、第一平板壁部11に設けられている。加振器3は、例えばボイスコイル型のアクチュエータであってよい。
加振器3は、第一平板壁部11を板厚方向に振動させることで、板状体2から音を放射させる。音は、主に板状体2からその板厚方向に放射される。具体的には、第一平板壁部11が板厚方向に振動することで、板厚方向において板状体2の外側に向く第一平板壁部11の面(以下、板状体2の背面2bとも呼ぶ。)から音が放射される。また、第一平板壁部11の振動が連結部13を通して第二平板壁部12に伝わることで、第二平板壁部12も板厚方向に振動する。これにより、板厚方向において板状体2の外側に向く第二平板壁部12の面(以下、板状体2の前面2aとも呼ぶ。)から音が放射される。
加振器3は、第一平板壁部11を板厚方向に振動させることで、板状体2から音を放射させる。音は、主に板状体2からその板厚方向に放射される。具体的には、第一平板壁部11が板厚方向に振動することで、板厚方向において板状体2の外側に向く第一平板壁部11の面(以下、板状体2の背面2bとも呼ぶ。)から音が放射される。また、第一平板壁部11の振動が連結部13を通して第二平板壁部12に伝わることで、第二平板壁部12も板厚方向に振動する。これにより、板厚方向において板状体2の外側に向く第二平板壁部12の面(以下、板状体2の前面2aとも呼ぶ。)から音が放射される。
本実施形態において、加振器3は、正面視した第一平板壁部11の中央領域(対角線の中央)に取り付けられている。第一平板壁部11の中央領域は、第一平板壁部11の振動モードにおける振動の腹に相当するため、加振器3から第一平板壁部11への振動の伝達効率を高めることができる。これにより、加振器3の駆動力が小さくても、板状体2から放音される音の音量を大きくすることができる。
さらに、本実施形態の残響支援装置1は、板状体2から音が放射されるように加振器3の駆動を制御する構成として、信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
信号取得部は、音源から発生する音信号または振動信号、あるいはその両方を取得する。
音信号には、例えば、楽器、スピーカおよび人などが放音した音を表す信号、日常や自然界で発生する音を表す信号の他、電子楽器の出力端子から出力される楽音信号、オーディオ装置、携帯音楽プレーヤなどの楽音再生装置の出力端子から出力される楽音信号、板状体2から放射された音が含まれてよい。また、振動信号には、弦楽器の弦の振動やドラムの振動など、楽器等の振動を表す信号が含まれてよい。
音信号には、例えば、楽器、スピーカおよび人などが放音した音を表す信号、日常や自然界で発生する音を表す信号の他、電子楽器の出力端子から出力される楽音信号、オーディオ装置、携帯音楽プレーヤなどの楽音再生装置の出力端子から出力される楽音信号、板状体2から放射された音が含まれてよい。また、振動信号には、弦楽器の弦の振動やドラムの振動など、楽器等の振動を表す信号が含まれてよい。
信号取得部には、例えば、音信号を収音するマイク、振動信号を検出する圧電素子などのピックアップ、各種機器に設けられて音信号や振動信号を出力するための出力端子に接続されるコネクタ(入力端子)などが含まれてよい。
信号取得部は、音信号や振動信号を電気信号として信号処理部に出力する。
信号取得部は、音信号や振動信号を電気信号として信号処理部に出力する。
信号処理部は、信号取得部が取得した信号(電気信号)に対して所定の信号処理を施す。信号処理部における所定の信号処理には、信号取得部が取得した信号に基づいて音響信号(板状体2から放射される音に対応する信号)を生成する処理が含まれる。また、信号処理部における所定の信号処理には、生成された音響信号を増幅する処理が含まれてよい。この場合、信号処理部は、音響信号の増幅率を調節する機能(増幅機能)を有してもよい。
信号処理部において生成される音響信号は、例えば音場における残響が考慮された残響音信号(残響音に対応する信号)であってもよい。この場合、信号処理部における所定の信号処理には、残響音の残響時間を設定する処理が含まれてもよい。また、信号処理部は、例えば、残響音の残響時間を調節する機能(残響時間調節機能)を有してもよい。
信号処理部は、生成した音響信号を駆動制御部に出力する。
信号処理部において生成される音響信号は、例えば音場における残響が考慮された残響音信号(残響音に対応する信号)であってもよい。この場合、信号処理部における所定の信号処理には、残響音の残響時間を設定する処理が含まれてもよい。また、信号処理部は、例えば、残響音の残響時間を調節する機能(残響時間調節機能)を有してもよい。
信号処理部は、生成した音響信号を駆動制御部に出力する。
駆動制御部は、信号処理部から出力された信号(音響信号)に応じて加振器3を駆動する。駆動制御部は、加振器3を駆動する信号(駆動信号)を加振器3に出力する。これにより、加振器3は、駆動制御部から出力された駆動信号に基づいて、第一平板壁部11をその板厚方向に振動させることができ、板状体2から音を放射することができる。
上記した信号取得部、信号処理部及び駆動制御部は、例えば加振器3と共に板状体2に取り付けられてもよいし、例えば板状体2から離れた位置に配されてもよい。駆動制御部と加振器3とは、例えば電気配線によって接続されてもよい。この場合、駆動制御部と加振器3とは、例えばコネクタ等によって互いに着脱可能に接続されてもよい。
上記した信号取得部、信号処理部及び駆動制御部は、例えば加振器3と共に板状体2に取り付けられてもよいし、例えば板状体2から離れた位置に配されてもよい。駆動制御部と加振器3とは、例えば電気配線によって接続されてもよい。この場合、駆動制御部と加振器3とは、例えばコネクタ等によって互いに着脱可能に接続されてもよい。
そして、本実施形態の残響支援装置1では、連結部13が、第一平板壁部11から第二平板壁部12への振動の伝達を抑制する振動抑制部材21を含む。
本実施形態では、板状体2の板厚方向に延びる連結部13のうち第二平板壁部12側の端部が、振動抑制部材21となっている。すなわち、本実施形態の連結部13は、板状体2の板厚方向に延びる連結部13の本体部22と、本体部22のうち第二平板壁部12側の端部に設けられた振動抑制部材21と、を備える。振動抑制部材21は、本体部22と第二平板壁部12との間に挟み込まれている。
本実施形態では、板状体2の板厚方向に延びる連結部13のうち第二平板壁部12側の端部が、振動抑制部材21となっている。すなわち、本実施形態の連結部13は、板状体2の板厚方向に延びる連結部13の本体部22と、本体部22のうち第二平板壁部12側の端部に設けられた振動抑制部材21と、を備える。振動抑制部材21は、本体部22と第二平板壁部12との間に挟み込まれている。
本実施形態の振動抑制部材21は、例えばゴムやウレタン、ゴム系接着剤等のように弾性変形可能で振動やそのエネルギーを吸収する特性を有する材料によって構成されている。
連結部13の本体部22は、一対の平板壁部11,12と同様の材料、例えば木材や金属などのように振動を伝達する材料によって構成されてよい。
連結部13の本体部22は、一対の平板壁部11,12と同様の材料、例えば木材や金属などのように振動を伝達する材料によって構成されてよい。
以上のように構成される本実施形態の残響支援装置1では、振動やそのエネルギーを吸収する振動抑制部材21によって、第一平板壁部11から連結部13を通して第二平板壁部12に伝わる振動の割合(振動伝達率)を低く抑えることができる。これにより、加振器3によって振動する第一平板壁部11の振動の大きさに対し、第一平板壁部11の振動が連結部13を通して第二平板壁部12に伝わることで振動する第二平板壁部12の振動の大きさを、小さくすることができる。その結果として、第二平板壁部12から放射される音の強度を、第一平板壁部11から放射される音の強度よりも低くすることができる。このため、第一平板壁部11から放射され部屋等の壁で反射して様々な方向に伝わる音の強度を、第二平板壁部12から板状体2の板厚方向に伝わる音の強度よりも高くすることができる。
例えば図3に示すように、第一平板壁部11が音場である部屋R等の壁に対向するように、かつ、第二平板壁部12が部屋R等の空間側に向くように板状体2(残響支援装置1)を配置した状態を考える。この状態では、板状体2の背面2b(第一平板壁部11)から放射されて部屋R等の壁で反射した上で板状体2の前面2a側(第二平板壁部12側)に伝わる音RS(反射音RS)の強度が、第二平板壁部12(板状体2の前面2a)から板厚方向に伝わる音DS(直接音DS)の強度よりも高くなる。これにより、部屋R等の空間では周囲からの残響を感じやすくなる。
以上のことから、音を放射するスピーカとして板状体2を用いても、音源となる板状体2の位置が特定されにくくなり、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
以上のことから、音を放射するスピーカとして板状体2を用いても、音源となる板状体2の位置が特定されにくくなり、音場において自然な響きとなるような残響を得ることができる。
また、本実施形態の残響支援装置1によれば、振動抑制部材21が弾性変形可能で振動やそのエネルギーを吸収する材料からなる。このため、第一平板壁部11から連結部13を通して第二平板壁部12に伝わる振動やそのエネルギーの一部を、振動抑制部材21において吸収して、第一平板壁部11から第二平板壁部12への振動伝達率を低く抑えることができる。
また、本実施形態の残響支援装置1では、板状体2が内部に空洞14を有する板状に形成されている。このため、板状体2の板厚方向に向く板状体2の前面2aや背面2bだけではなく、前面2aや背面2bに直交する板状体2の側面からも音を放射できる。このため、従来のパネルスピーカのように板状体2が単なる薄板である場合と比較して、板状体2の板厚方向に放射される音の強度と、板状体2の面方向に伝わる音の強度との差を小さくすることができる。
また、板状体2が内部に空洞14を有することで、板状体2から放射される音の周波数特性の凹凸を少なくすることもできる。すなわち、音の周波数特性のフラット化を図ることができる。したがって、残響支援装置1によって音響的フィードバックを行っても、ハウリングを抑えてより自然な音質の残響が残るように、板状体2から放射される音を調整することができる。具体的には、ハウリングを抑制できることで、板状体2から放射される音の音質、音量、残響の長さをより大きく変化させることが可能となる。これにより、より自然な音質の残響が得られるように板状体2から放射される音を調整できる。
第一実施形態の残響支援装置1において、振動抑制部材21は、板状体2の板厚方向に延びる連結部13の本体部22のうち、例えば第一平板壁部11側の端部に設けられてもよい。また、板状体2が複数の連結部13を備える場合、振動抑制部材21は、図4に示すように、複数の連結部13のうち幾つかの連結部13に関して、本体部22のうち第一平板壁部11側の端部に設けられ、残りの連結部13に関して本体部22のうち第二平板壁部12側の端部に設けられてもよい。また、この場合、振動抑制部材21は、例えば図4に示すように、隣り合う連結部13の間で本体部22の互いに逆の端部に設けられてもよい。すなわち、振動抑制部材21が本体部22の第一平板壁部11側の端部に設けられた連結部13と、振動抑制部材21が本体部22の第二平板壁部12側の端部に設けられた連結部13が交互に配列されてもよい。
また、例えば連結部13全体が、振動抑制部材21によって構成されてもよい。
また、例えば連結部13全体が、振動抑制部材21によって構成されてもよい。
〔第二実施形態〕
次に、図5を参照して本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一実施形態の残響支援装置1と比較して、板状体の連結部の構成が異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
次に、図5を参照して本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一実施形態の残響支援装置1と比較して、板状体の連結部の構成が異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様に、一対の平板壁部11,12、及び、一対の平板壁部11,12を連結する複数の連結部13Cを有する板状体2Cを備える。各平板壁部11,12及び連結部13Cの形状は、第一実施形態の板状体2と同様である。また、本実施形態の板状体2Cは、第一実施形態と同様に、内部に空洞14を有する板状に形成されている。
また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Cは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
そして、本実施形態の残響支援装置1Cでは、連結部13Cが、第一実施形態と同様に、第一平板壁部11から第二平板壁部12への振動の伝達を抑制する振動抑制部材21Cを含む。ただし、本実施形態では、振動抑制部材21Cと、振動抑制部材21Cに接する一対の平板壁部11,12の少なくとも一方とが、互いに密度が異なる材料によって構成されている。
本実施形態では、連結部13C全体が振動抑制部材21Cによって構成されている。このため、振動抑制部材21Cは、一対の平板壁部11,12の両方に接している。
各平板壁部11,12を構成する材料が木材や金属である場合、振動抑制部材21Cを構成する材料は、例えば木材や金属よりも密度が低い発泡スチロール等であってよい。また、各平板壁部11,12を構成する材料が発泡スチロールである場合、振動抑制部材21Cを構成する材料は、例えば発泡スチロールよりも密度が高い木材や金属等であってもよい。
各平板壁部11,12を構成する材料が木材や金属である場合、振動抑制部材21Cを構成する材料は、例えば木材や金属よりも密度が低い発泡スチロール等であってよい。また、各平板壁部11,12を構成する材料が発泡スチロールである場合、振動抑制部材21Cを構成する材料は、例えば発泡スチロールよりも密度が高い木材や金属等であってもよい。
本実施形態の残響支援装置1Cによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、本実施形態の残響支援装置1Cでは、第一平板壁部11から連結部13Cを通して第二平板壁部12に伝わる振動の波の一部が、第一平板壁部11や第二平板壁部12と振動抑制部材21Cとの界面において反射する。これにより、第一平板壁部11から第二平板壁部12への振動伝達率を低く抑えることができる。すなわち、第二平板壁部12の振動の大きさを、第一平板壁部11の振動よりも小さく抑えて、第二平板壁部12から放射される音の強度を、第一平板壁部11から放射される音の強度よりも低くすることができる。
第二実施形態の残響支援装置1Cにおいて、振動抑制部材21Cは、例えば連結部13Cの一部を構成してもよい。すなわち、連結部13Cは、例えば、本体部と、本体部及び一対の平板壁部11,12の一方の間に挟み込まれる振動抑制部材21Cと、によって構成されてもよい。この場合、本体部と、平板壁部11,12とは、互いに同じ密度の材料によって構成されてもよい。このような構成であっても、上記した効果を奏する。
第二実施形態の連結部13Cの構成は、第一実施形態の残響支援装置1にも適用可能である。例えば、第一実施形態の連結部13の本体部22が、第二実施形態の振動抑制部材21Cによって構成されてもよい。
〔第三実施形態〕
次に、図6を参照して本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一、第二実施形態の残響支援装置1,1Cと比較して、板状体の一部構成のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一、第二実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
次に、図6を参照して本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一、第二実施形態の残響支援装置1,1Cと比較して、板状体の一部構成のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一、第二実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の残響支援装置1Dは、第一実施形態と同様に、一対の平板壁部11,12、及び、一対の平板壁部11,12を連結する複数の連結部13Dを有する板状体2Dを備える。平板壁部11,12及び連結部13Dの形状は、第一実施形態の板状体2と同様である。また、本実施形態の板状体2Dは、第一実施形態と同様に、内部に空洞14を有する板状に形成されている。
また、本実施形態の残響支援装置1Dは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Dは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
また、本実施形態の残響支援装置1Dは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Dは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
本実施形態の連結部13Dは、例えば第一、第二実施形態と同様の振動抑制部材21,21Cを含んでもよいが、本実施形態では含まない。すなわち、本実施形態の板状体2Dでは、第一平板壁部11の振動が連結部13Dにおいて積極的に吸収されたり反射したりすることなく、第二平板壁部12に伝わる。
そして、本実施形態の板状体2Dは、第二平板壁部12に取り付けられた制振部材31Dを備える。制振部材31Dは、第一平板壁部11から連結部13Dを通して第二平板壁部12に伝わった振動やそのエネルギーを吸収する。制振部材31Dは、第二平板壁部12の任意の面に取り付けられてよい。本実施形態において、制振部材31Dは板状体2Dの前面2aをなす第二平板壁部12の面に取り付けられている。
また、制振部材31Dは、第二平板壁部12のうち、例えば第二平板壁部12の振動モードにおける振動の腹に相当する部位に取り付けられてもよいし、例えば第二平板壁部12の振動モードにおける振動の節に相当する部位に取り付けられてもよい。
制振部材31Dを構成する材料は、木材、金属、樹脂など任意であってよく、例えば第一、第二実施形態の振動抑制部材21,21Cを構成する材料と同様であってよい。
また、制振部材31Dは、第二平板壁部12のうち、例えば第二平板壁部12の振動モードにおける振動の腹に相当する部位に取り付けられてもよいし、例えば第二平板壁部12の振動モードにおける振動の節に相当する部位に取り付けられてもよい。
制振部材31Dを構成する材料は、木材、金属、樹脂など任意であってよく、例えば第一、第二実施形態の振動抑制部材21,21Cを構成する材料と同様であってよい。
本実施形態の残響支援装置1Dによれば、制振部材31Dが、第一平板壁部11から連結部13Dを通して第二平板壁部12に伝わった振動やそのエネルギーを吸収する。これにより、加振器3によって振動する第一平板壁部11の振動の大きさに対し、第一平板壁部11の振動が連結部13Dを通して第二平板壁部12に伝わることで振動する第二平板壁部12の振動の大きさを、小さくすることができる。したがって、第一、第二実施形態と同様の効果を奏する。
〔第四実施形態〕
次に、図7を参照して本発明の第四実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一、第二、第三実施形態の残響支援装置1,1C,1Dと比較して、板状体の一部構成のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一、第二、第三実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
次に、図7を参照して本発明の第四実施形態について説明する。本実施形態の残響支援装置は、第一、第二、第三実施形態の残響支援装置1,1C,1Dと比較して、板状体の一部構成のみが異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一、第二、第三実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の残響支援装置1Eは、第一実施形態と同様に、一対の平板壁部11E,12E、及び、一対の平板壁部11E,12Eを連結する複数の連結部13Dを有する板状体2Eを備える。平板壁部11E,12E及び連結部13Dの形状は、第一実施形態の板状体2と同様である。本実施形態の連結部13Dは、第三実施形態と同様である。また、本実施形態の板状体2Eは、第一実施形態と同様に、内部に空洞14を有する板状に形成されている。
また、本実施形態の残響支援装置1Eは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Eは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
また、本実施形態の残響支援装置1Eは、第一実施形態と同様の加振器3を備える。また、本実施形態の残響支援装置1Eは、第一実施形態と同様の信号取得部、信号処理部及び駆動制御部(いずれも不図示)を備える。
そして、本実施形態の板状体2Eでは、第二平板壁部12Eの板厚が、第一平板壁部11Eの板厚よりも大きい。
本実施形態の残響支援装置1Eによれば、加振器3によって振動する第一平板壁部11Eの振動が第一平板壁部11Eから連結部13Dを通して第二平板壁部12Eに伝わっても、第二平板壁部12Eの板厚が第一平板壁部11Eよりも大きいことで、第二平板壁部12Eの振動の大きさを、第一平板壁部11Eの振動の大きさよりも小さくすることができる。したがって、第一、第二、第三実施形態と同様の効果を奏する。
上記した第四実施形態の構成は、第一、第二、第三実施形態の残響支援装置1,1C,1Dにも適用可能である。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,1C,1D,1E…残響支援装置、2,2C,2D,2E…板状体、2a…前面、2b…背面、3…加振器、11,11E…第一平板壁部、12,12E…第二平板壁部、13,13C,13D…連結部、14…空洞、15…開口部、21,21C…振動抑制部材、31D…制振部材
Claims (5)
- 板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、
一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、
前記連結部が、前記第一平板壁部から第二平板壁部への振動の伝達を抑制する振動抑制部材を含む残響支援装置。 - 前記振動抑制部材は、弾性変形可能で振動を吸収する材料からなる請求項1に記載の残響支援装置。
- 前記振動抑制部材と、前記振動抑制部材に接する一対の前記平板壁部の少なくとも一方とが、互いに密度が異なる材料によって構成されている請求項1又は請求項2に記載の残響支援装置。
- 板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、
一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、
一対の前記平板壁部のうち第二平板壁部に、制振部材が取り付けられている残響支援装置。 - 板厚方向に互いに間隔をあけて配された一対の平板壁部、及び、一対の前記平板壁部の間に配されて一対の前記平板壁部を連結する連結部を有する板状体と、
一対の前記平板壁部のうち第一平板壁部に設けられ、前記第一平板壁部を前記板厚方向に振動させる加振器と、を備え、
一対の前記平板壁部のうち第二平板壁部の板厚が、前記第一平板壁部の板厚よりも大きい残響支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017044872A JP2018148527A (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 残響支援装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017044872A Pending JP2018148527A (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 残響支援装置 |
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-
2017
- 2017-03-09 JP JP2017044872A patent/JP2018148527A/ja active Pending
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