JP2018146141A - エジェクタモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】適用されたエジェクタ式冷凍サイクルの大型化を招くことなく、通路断面積を変更可能に構成されたエジェクタモジュールを提供する。
【解決手段】可変ノズル部を有するエジェクタ15と可変絞り機構16とをエジェクタモジュール20として一体化させる際に、エジェクタ15のノズル部15aの中心軸と可変絞り機構16の絞り通路20aの中心軸とを同軸上に配置し、ノズル部15aの通路断面積と絞り通路20aの絞り開度を連動して変化させる複合弁体部22を、機械的機構で構成された1つの駆動機構部23によって連動して変位させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エジェクタ式冷凍サイクルに適用されるエジェクタモジュールに関する。
従来、冷媒減圧装置としてエジェクタを備える冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。この種のエジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタの昇圧作用によって、圧縮機へ吸入される冷媒の圧力を、蒸発器における冷媒蒸発圧力よりも上昇させることができる。これにより、エジェクタ式冷凍サイクルでは、圧縮機の消費動力を低減させてサイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、特許文献1には、エジェクタ式冷凍サイクルに適用される蒸発器ユニットが開示されている。この特許文献1の蒸発器ユニットは、エジェクタ式冷凍サイクルの構成機器のうち、分岐部、エジェクタ、固定絞り、第1蒸発器、第2蒸発器等を一体化(換言すると、ユニット化あるいはモジュール化)させたものである。
より詳細には、分岐部は、放熱器から流出した高圧冷媒の流れを分岐して、エジェクタのノズル部側および固定絞り側へ流出させる。第2蒸発器は、エジェクタのディフューザ部から流出した冷媒を空調対象空間へ送風される送風空気と熱交換させて蒸発させる熱交換器であり、蒸発させた冷媒を圧縮機の吸入口側へ流出させる。第1蒸発器は、固定絞りにて減圧された冷媒を第2蒸発器通過後の送風空気と熱交換させて蒸発させる熱交換器であり、蒸発させた冷媒をエジェクタの冷媒吸引口側へ流出させる。
特許文献1の蒸発器ユニットでは、上記の如く、サイクル構成機器の一部を一体化させることによって、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化、および生産性の向上を図っている。
特許第4259531号公報
ところが、特許文献1の蒸発器ユニットでは、固定絞りを採用し、さらに、エジェクタのノズル部として通路断面積を変更することのできない固定ノズル部を採用している。このため、適用されたエジェクタ式冷凍サイクルに負荷変動が生じて、ノズル部へ流入する冷媒流量が変化すると、エジェクタのエネルギ変換効率が低下してしまうことがある。
従って、エジェクタ式冷凍サイクルに負荷変動が生じると、エジェクタが充分な昇圧作用を発揮できなくなってしまうことや、エジェクタの吸引作用が低下して蒸発器に適切な流量の冷媒を供給できなくなってしまうことがある。その結果、特許文献1の蒸発器ユニットでは、エジェクタ式冷凍サイクルに負荷変動が生じると、上述したCOP向上効果を充分に得ることができなくなってしまう。
これに対して、特許文献1には、固定絞りに代えて通路断面積(すなわち、絞り開度)を変更可能に構成された可変絞り機構を採用してもよいこと、並びに、エジェクタのノズル部としてノズル部内の冷媒通路の通路断面積を変更可能に構成された可変ノズル部を採用してもよいことが記載されている。
これによれば、エジェクタ式冷凍サイクルの負荷変動に応じて可変絞り機構の絞り開度あるいは可変ノズル部の通路断面積を調整して、可変絞り機構へ流入する冷媒流量およびノズル部へ流入する冷媒流量を適切に調整することができる。従って、負荷変動によらず、エジェクタに充分な昇圧作用を発揮させるとともに、双方の蒸発器にて充分な冷凍能力を発揮させて、エジェクタ式冷凍サイクルに高いCOPを発揮させることができる。
しかしながら、固定絞りに代えて可変絞り機構を採用すると、絞り開度を変化させるための駆動装置が必要となる。このことは、エジェクタのノズル部として可変ノズル部を採用した場合も同様である。
この種の駆動装置は、比較的体格が大きい。このため、可変絞り機構あるいは可変ノズル部を有するエジェクタを含む構成機器を一体化させたユニット(あるいは、モジュール)は、大型化しやすい。その結果、構成機器を一体化したことによるエジェクタ式冷凍サイクル全体としての小型化効果が損なわれてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、適用されたエジェクタ式冷凍サイクルの大型化を招くことなく、通路断面積を変更可能に構成されたエジェクタモジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用されるエジェクタモジュールであって、
冷媒を減圧させて噴射するノズル部(15a)と、冷媒を減圧させる減圧部(20a)と、ノズル部から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって外部から冷媒を吸引する冷媒吸引口(21b)、および噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させる昇圧部(15c)が形成されたボデー部(21)と、ノズル部の通路断面積および減圧部の通路断面積の双方を変化させる弁体部(22)と、弁体部を変位させる駆動機構部(23)と、を備え、
駆動機構部は、冷媒の温度および圧力の少なくとも一方の変化に応じて変形する変形部材(23b)を有する機械的機構で構成されているエジェクタモジュールである。
これによれば、ノズル部(15a)、ボデー部(21)、弁体部(22)、および駆動機構部(23)を備えているので、可変ノズル部を有するエジェクタ(15)を構成することができる。さらに、減圧部(20a)、弁体部(22)、および駆動機構部(23)を備えているので、可変絞り機構(16)を構成することができる。
従って、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル(10)の負荷変動に応じて、弁体部(22)を変位させて、ノズル部(15a)の通路断面積、および可変絞り機構(16)の絞り開度を連動させて変化させることができる。その結果、負荷変動によらずエジェクタ式冷凍サイクル(10)に高いCOPを発揮させることができる。
さらに、ノズル部(15a)の通路断面積および減圧部(20a)の絞り開度を、共通する1つの駆動機構部(23)および弁体部(22)で調整するので、複数の駆動機構を備えるものに対して、大型化を招くことなく、可変ノズル部を有するエジェクタ(15)および可変絞り機構(16)を一体化させることができる。
これに加えて、駆動機構部(23)として、機械的機構で構成されたものを採用しているので、弁体部(22)を変位させるために電気的な接続を必要とすることもない。
すなわち、本請求項に記載の発明によれば、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル(10)の大型化を招くことなく、通路断面積を変更可能に構成されたエジェクタモジュールを提供することができる。
また、請求項2に記載の発明では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用されるエジェクタモジュールであって、
冷媒を減圧させて噴射するノズル部(15a)と、冷媒を減圧させる減圧部(20a)と、ノズル部から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって外部から冷媒を吸引する冷媒吸引口(21b)、および噴射冷媒と冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させる昇圧部(15c)が形成されたボデー部(21)と、ノズル部の通路断面積および減圧部の通路断面積の双方を変化させる弁体部(22)と、ノズル部および減圧部を変位させる駆動機構部(23)と、を備え、
駆動機構部は、冷媒の温度および圧力の少なくとも一方の変化に応じて変形する変形部材(23b)を有する機械的機構で構成されているエジェクタモジュールである。
これによれば、請求項1に記載の発明と同様に、可変ノズル部を有するエジェクタ(15)、および可変絞り機構(16)を構成することができる。
従って、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル(10)の負荷変動に応じて、ノズル部(15a)および減圧部(20a)を変位させて、ノズル部(15a)の通路断面積、および可変絞り機構(16)の絞り開度を連動させて変化させることができる。その結果、負荷変動によらずエジェクタ式冷凍サイクル(10)に高いCOPを発揮させることができる。
さらに、請求項1に記載の発明と同様に、大型化を招くことなく、可変ノズル部を有するエジェクタ(15)および可変絞り機構(16)を一体化することができる。
すなわち、本請求項に記載の発明によれば、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル(10)の大型化を招くことなく、通路断面積を変更可能に構成されたエジェクタモジュールを提供することができる。
また、駆動機構部(23)として、昇圧部よりも下流側の冷媒の温度変化に伴って圧力変化する感温媒体が封入される封入空間(23d)を形成する封入空間形成部材(23c)を有し、変形部材は、感温媒体の圧力に応じて変形するものを採用してもよい。
ここで、昇圧部(15c)よりも下流側の冷媒とは、昇圧部(15c)から流出した冷媒を意味している。
従って、この冷媒には、昇圧部(15c)の冷媒出口(21c)に圧縮機(11)の吸入側が接続される冷凍サイクル装置(10)では、昇圧部(15c)の冷媒出口(21c)から圧縮機(11)の吸入口へ至る冷媒流路を流通する冷媒が含まれる。さらに、昇圧部(15c)の冷媒出口(21c)に冷媒吸引口(21b)側が接続される冷凍サイクル装置(10)では、昇圧部(15c)の冷媒出口(21c)から冷媒吸引口(21b)へ至る冷媒流路を流通する冷媒が含まれる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態のエジェクタモジュールの軸方向断面図である。 第2実施形態のエジェクタモジュールの軸方向断面図である。 第3実施形態のエジェクタモジュールの軸方向断面図である。 他の実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。
(第1実施形態)
図1、図2を用いて、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態のエジェクタモジュール20は、図1の全体構成図に示すように、冷媒減圧装置としてエジェクタを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であるエジェクタ式冷凍サイクル10に適用されている。このエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、冷却対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を果たす。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10の冷却対象流体は、送風空気である。
エジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)あるいはHFO系冷媒(具体的には、R1234fy)を採用しており、サイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
エジェクタ式冷凍サイクル10の構成機器のうち、圧縮機11は、冷媒を吸入して高圧冷媒となるまで圧縮して吐出するものである。より具体的には、本実施形態の圧縮機11は、1つのハウジング内に固定容量型の圧縮機構、および圧縮機構を駆動する電動モータを収容して構成された電動圧縮機である。
この圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。また、電動モータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式のものを採用してもよい。
圧縮機11の吐出口には、放熱器12の凝縮部12aの冷媒入口側が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧側冷媒と冷却ファン12cから送風された車室外空気(外気)を熱交換させることによって、高圧冷媒を放熱させて冷却する放熱用熱交換器である。
より具体的には、放熱器12は、凝縮部12aおよびレシーバ部12bを有する、いわゆるレシーバ一体型の凝縮器として構成されている。凝縮部12aは、圧縮機11から吐出された高圧気相冷媒と冷却ファン12cから送風された外気とを熱交換させて、高圧気相冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮用の熱交換部である。レシーバ部12bは、凝縮部12aから流出した冷媒の気液を分離して余剰液相冷媒を蓄える冷媒容器である。
冷却ファン12cは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動送風機である。
放熱器12のレシーバ部12bの冷媒出口には、エジェクタモジュール20のボデー部21に設けられた高圧入口21a側が接続されている。エジェクタモジュール20は、エジェクタ式冷凍サイクル10を構成するサイクル構成機器の一部を一体化(換言すると、モジュール化)させたものである。
より具体的には、本実施形態のエジェクタモジュール20は、サイクル構成機器のうち、分岐部14、エジェクタ15、可変絞り機構16等を一体化させたものである。
分岐部14は、放熱器12から流出した冷媒の流れを分岐し、分岐された一方の冷媒をエジェクタ15のノズル部15aから噴射させ、分岐された他方の冷媒を可変絞り機構16へ流出させる機能を果たす。分岐部14は、エジェクタモジュール20のボデー部21内に形成された空間および冷媒通路を接続することによって形成されている。
エジェクタ15は、分岐部14にて分岐された一方の冷媒を減圧させて噴射するノズル部15aを有し、冷媒減圧装置としての機能を果たす。さらに、エジェクタ15は、ノズル部15aの冷媒噴射口15bから噴射された噴射冷媒の吸引作用によって、外部から冷媒を吸引して循環させる冷媒循環装置としての機能を果たす。より具体的には、エジェクタ15は、後述する第1蒸発器17から流出した冷媒を吸引する。
これに加えて、エジェクタ15は、ノズル部15aから噴射された噴射冷媒とボデー部21に形成された冷媒吸引口21bから吸引された吸引冷媒との混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換して、混合冷媒を昇圧させるエネルギ変換装置としての機能を果たす。エジェクタ15は、昇圧させた冷媒を後述する第2蒸発器18の冷媒入口側へ流出させる。エジェクタ15のノズル部15aは、通路断面積を変更可能に構成されている。
可変絞り機構16は、分岐部14にて分岐された他方の冷媒を減圧させる絞り通路20aを有している。可変絞り機構16は、絞り通路20aの通路断面積(すなわち、絞り開度)を変更可能に構成されている。可変絞り機構16は、減圧させた冷媒を第1蒸発器17の冷媒入口側へ流出させる。
次に、図2を用いて、エジェクタモジュール20の詳細構成を説明する。エジェクタモジュール20は、ボデー部21、複合弁体部22、駆動機構部23等を有している。
ボデー部21は、エジェクタモジュール20の外殻を形成するとともに、エジェクタ15、可変絞り機構16等の構成部材の一部を形成するものである。ボデー部21は、本体部211、ノズルボデー212、ディフューザボデー213等の複数の構成部材を組み合わせることによって形成されている。
ボデー部21には、高圧入口21a、冷媒吸引口21b、エジェクタ側出口21c、絞り側出口21d、低圧入口21e、および低圧出口21fといった複数の冷媒出入口が設けられている。
高圧入口21aは、放熱器12のレシーバ部12bの冷媒出口から流出した高圧冷媒をエジェクタモジュール20の内部へ流入させる冷媒入口である。従って、高圧入口21aは、分岐部14の冷媒入口となる。冷媒吸引口21bは、第1蒸発器17から流出した冷媒を吸引する冷媒入口である。
エジェクタ側出口21cは、エジェクタ15のディフューザ部15cにて昇圧された冷媒を第2蒸発器18の入口側へ流出させる冷媒出口である。絞り側出口21dは、可変絞り機構16にて減圧された冷媒を、第1蒸発器17の入口側へ流出させる冷媒出口である。
低圧入口21eは、第2蒸発器18から流出した冷媒を流入させる冷媒入口である。低圧出口21fは、低圧入口21eからエジェクタモジュール20の内部へ流入した冷媒を、圧縮機11の吸入口側へ流出させる冷媒出口である。
これらの冷媒出入口のうち、高圧入口21a、冷媒吸引口21b、絞り側出口21d、低圧入口21e、および低圧出口21fは、本体部211に設けられている。エジェクタ側出口21cは、ディフューザボデー213に設けられている。
本体部211は、円柱状あるいは角柱状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。本体部211の内部には複数の冷媒通路が形成されている。本体部211は、樹脂にて形成されていてもよい。
ノズルボデー212は、冷媒の流れ方向に向かって先細る円筒状の金属(本実施形態では、ステンレス合金または真鍮)で形成されている。ノズルボデー212は、圧入等の手段によりディフューザボデー213の内部に固定されている。さらに、ディフューザボデー213の外周側は、圧入等の手段により本体部211に固定されている。
ノズルボデー212は、内部に高圧冷媒を流入させるための流入空間20dを形成するとともに、冷媒を等エントロピ的に減圧させて噴射するノズル部15aを形成している。ノズルボデー212およびディフューザボデー213の筒状側面には、流入空間20dと高圧入口21aとを連通させて、放熱器12から流出した高圧冷媒を流入空間20dへ流入させる入口穴が形成されている。流入空間20dは、円柱状に形成されている。
ノズル部15aは、ノズルボデー212の軸方向一端側に設けられている。ノズル部15aの冷媒通路には、冷媒通路断面積を縮小させる喉部、および喉部から冷媒を噴射する冷媒噴射口15bへ向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する末広部が形成されている。つまり、ノズル部15aは、ラバールノズルとして構成されている。
さらに、本実施形態では、ノズル部15aとして、エジェクタ式冷凍サイクル10の通常運転時に、冷媒噴射口15bから噴射される噴射冷媒の流速が音速以上となるように設定されたものが採用されている。もちろん、ノズル部15aを先細ノズルで構成してもよい。
ノズルボデー212の流入空間20dの軸方向他端側には、本体部211に形成された絞り通路20aの入口が開口している。このため、高圧入口21aからノズルボデー212の流入空間20dへ流入した高圧冷媒は、流入空間20dからノズル部15aおよび絞り通路20aの双方へ流入する。つまり、本実施形態では、ノズルボデー212の流入空間20d内に、分岐部14が形成されている。
絞り通路20aは、通路断面積を縮小させることによって、冷媒を減圧させる減圧部である。絞り通路20aは、円柱形状や円錐台形状等の回転体形状等に形成されている。つまり、本実施形態の減圧部は、ボデー部21と一体的に形成されている。もちろん、減圧部として、ボデー部21に対して別部材で形成されたオリフィスを採用して、圧入等の手段によってボデー部21に固定してもよい。
さらに、流入空間20dの中心軸、ノズル部15aの中心軸、および絞り通路20aの中心軸は、互いに同軸上に配置されている。従って、本実施形態のノズル部15aと絞り通路20aは、ノズル部15aの軸方向に並んで配置されている。
ディフューザボデー213は、円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されている。ディフューザボデー213は、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させる昇圧部であるディフューザ部15cを形成している。ディフューザボデー213の筒状側面には、ディフューザ部15cと冷媒吸引口21bとを連通させて、第1蒸発器17から流出した冷媒をディフューザ部15cへ流入させる吸引穴が形成されている。
冷媒吸引口21bから吸引された吸引冷媒は、ノズルボデー212のノズル部15aの外周側の空間に導かれる。ディフューザ部15cは、冷媒流れ下流側に向かうに伴って通路断面積が徐々に拡大する略円錐台形状に形成された冷媒通路である。ディフューザ部15cでは、このような通路形状によって、混合冷媒の運動エネルギを圧力エネルギに変換することができる。
複合弁体部22は、ノズル部15aの通路断面積、および絞り通路20aの通路断面積の双方を変化させる弁体部である。複合弁体部22は、ノズル部15aと同じ材質の金属で円柱状に形成されている。複合弁体部22の中心軸は、ノズル部15aの中心軸および絞り通路20aの中心軸と、同軸上に配置されている。複合弁体部22は、ニードル弁部22a、絞り弁部22b、および連結部22cを有している。
ニードル弁部22aは、ノズル部15aの通路断面積を変化させる部位である。ニードル弁部22aは、針状(あるいは、円錐形状と円柱形状とを組み合わせた形状)に形成されており、ノズル部15aの流入空間20d内および冷媒通路内に、ノズル部15aの中心軸方向に延びるように配置されている。ニードル弁部22aは、冷媒噴射口15bへ近づく側へ変位することによって、ノズル部15aの通路断面積を縮小させる。
絞り弁部22bは、底面側の外径がニードル弁部22aの外径よりも大きい円錐台形状に形成されており、絞り通路20aの冷媒流れ下流側(すなわち、絞り通路20aよりも冷媒噴射口15bから遠い側)に配置されている。絞り弁部22bは、ニードル弁部22aとともに、冷媒噴射口15bへ近づく側へ変位することによって、絞り通路20aの通路断面積(すなわち、絞り開度)を縮小させる。
さらに、本実施形態では、ニードル弁部22aを、ノズル部15aの喉部に当接させることによって、ノズル部15aを閉塞させることもできる。もちろん、絞り弁部22bを、絞り通路20aの出口部に当接させることによって、絞り通路20aを閉塞させるようにしてもよい。また、ノズル部15aおよび絞り通路20aの双方を閉塞させるようにしてもよい。
連結部22cは、外径が絞り弁部22bの外径よりも小さい円柱状に形成されており、絞り弁部22bよりもノズル部15aから離れる方向に延びている。連結部22cのノズル部15aの反対側の端部には、駆動機構部23が連結されている。
駆動機構部23は、複合弁体部22をノズル部15aの中心軸方向へ変位させるものである。駆動機構部23は、機械的機構で構成されている。
より具体的には、駆動機構部23は、第2蒸発器18から流出した冷媒の温度および圧力に応じて変形する変形部材であるダイヤフラム23bを有する感温部23aを備えている。そして、このダイヤフラム23bの変形を複合弁体部22の連結部22cに伝達することによって、複合弁体部22を変位させる。
感温部23aは、ダイヤフラム23bとともに封入空間23dを形成する封入空間形成部材であるケース23cを有している。封入空間23dには、温度変化に伴って圧力変化する感温媒体が封入されている。本実施形態では、感温媒体として、エジェクタ式冷凍サイクル10を循環する冷媒を主成分とするものを採用している。
ケース23cとダイヤフラム23bは、ノズル部15aの中心軸周りに円環状に形成されている。従って、封入空間23dも、ケース23cおよびダイヤフラム23bと同様の円環状に形成されている。感温部23aは、本体部211内に形成された収容空間20b内に配置されている。収容空間20bは、低圧入口21eと低圧出口21fとを接続する流出側通路20cに連通している。
このため、封入空間23d内の感温媒体の圧力は、流出側通路20cを流通する低圧冷媒(すなわち、第2蒸発器18から流出した冷媒)の温度に応じて変化する。そして、ダイヤフラム23bは、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力と封入空間23d内の感温媒体の圧力との圧力差に応じて変形する。
従って、ダイヤフラム23bは弾性に富み、かつ耐圧性および気密性に優れる材質で形成されていることが望ましい。そこで、本実施形態では、ダイヤフラム23bとして、ステンレス(SUS304)製の円環形状の金属薄板を採用している。さらに、ダイヤフラム23bとして、基布(ポリエステル)入りのEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やHNBR(水素添加ニトリルゴム)等のゴム製のものを採用してもよい。
また、本実施形態では、封入空間23dがダイヤフラム23bよりも、ノズル部15aに近い側に配置されている。さらに、複合弁体部22の連結部22cは、連結部材24を介してダイヤフラム23bのノズル部15aの反対側の面に連結されている。
従って、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が上昇すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が上昇し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が大きくなる。これにより、ダイヤフラム23bがノズル部15aから離れる側(封入空間23dが膨らむ側)に変形する。その結果、複合弁体部22がノズル部15aの通路断面積を拡大させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を増加させる側に変位する。
一方、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が低下すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が低下し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が小さくなる。これにより、ダイヤフラム23bがノズル部15aへ近づく側(封入空間23dが縮まる側)に変形する。その結果、複合弁体部22がノズル部15aの通路断面積を縮小させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を減少させる側に変位する。
つまり、駆動機構部23は、第2蒸発器18から流出した冷媒の温度および圧力に応じて、複合弁体部22を変位させることができる。そこで、本実施形態の駆動機構部23は、第2蒸発器18出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度(具体的には、1℃)に近づくように、複合弁体部22を変位させる。
また、駆動機構部23は、複合弁体部22に対して、ノズル部15aの通路断面積を縮小させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を減少させる側の荷重をかける弾性部材であるコイルバネ23eを有している。基準過熱度は、このコイルバネ23eの荷重を変更することによって、調整することができる。
以上の説明から明らかなように、エジェクタモジュール20では、ノズルボデー212のノズル部15a、本体部211の冷媒吸引口21b、ディフューザボデー213内のディフューザ部15c、複合弁体部22のニードル弁部22a、および駆動機構部23等によって、ノズル部15aの通路断面積を変更可能に構成された可変ノズル部を有するエジェクタ15が構成されている。
また、エジェクタモジュール20では、本体部211の絞り通路20a、複合弁体部22の絞り弁部22b、および駆動機構部23等によって、絞り通路20aの通路断面積(すなわち、絞り開度)を変更可能に構成された可変絞り機構16が構成されている。
そして、駆動機構部23が複合弁体部22を変位させることによって、ノズル部15aの通路断面積および絞り通路20aの通路断面積の双方が連動して変化する。本実施形態では、ノズル部15aの通路断面積と絞り通路20aの通路断面積との通路面積比が、負荷変動に応じて決定される適切な値となるように、ノズル部15a、ニードル弁部22a、絞り通路20a、絞り弁部22bの形状が設定されている。
次に、図1に示す第2蒸発器18は、送風機18aから車室内へ向けて送風された送風空気とエジェクタモジュール20のエジェクタ側出口21c(すなわち、エジェクタの15のディフューザ部15cの冷媒出口)から流出した低圧冷媒とを熱交換させ、この低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気を冷却する吸熱用熱交換器である。
送風機18aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動送風機である。第2蒸発器18の冷媒出口には、エジェクタモジュール20の低圧入口21e側が接続されている。
第1蒸発器17は、第2蒸発器18を通過した送風空気とエジェクタモジュール20の絞り側出口21d(すなわち、可変絞り機構16の冷媒出口)から流出した低圧冷媒とを熱交換させ、この低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気を冷却する吸熱用熱交換器である。第1蒸発器17の冷媒出口には、エジェクタモジュール20の冷媒吸引口21b側が接続されている。
また、本実施形態の第1蒸発器17および第2蒸発器18は、一体的に構成されている。具体的には、第1蒸発器17および第2蒸発器18は、いずれも冷媒を流通させる複数本のチューブと、この複数のチューブの両端側に配置されてチューブを流通する冷媒の集合あるいは分配を行う一対の集合分配用タンクとを有する、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器で構成されている。
そして、第1蒸発器17および第2蒸発器18の集合分配用タンクを同一部材にて形成することによって、第1蒸発器17および第2蒸発器18を一体化させている。この際、本実施形態では、第2蒸発器18が第1蒸発器17に対して送風空気流れ上流側に配置されるように、第1蒸発器17および第2蒸発器18を送風空気流れに対して直列に配置している。従って、送風空気は図1の二点鎖線で描いた矢印で示すように流れる。
次に、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROM、RAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種制御対象機器11、12c、18a等の作動を制御する。
また、空調制御装置には、車室内温度を検出する内気温センサ、外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、第1蒸発器17から吹き出される吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ等のセンサ群が接続され、これらの空調用センサ群の検出値が入力される。
さらに、空調制御装置の入力側には、図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種操作スイッチからの操作信号が空調制御装置へ入力される。操作パネルに設けられた各種操作スイッチとしては、空調を行うことを要求する空調作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
なお、本実施形態の空調制御装置は、その出力側に接続された各種の制御対象機器の作動を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、空調制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御部を構成している。例えば、本実施形態では、圧縮機11の作動を制御する構成が、吐出能力制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動について説明する。操作パネルの空調作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置が、圧縮機11、冷却ファン12c、送風機18a等を作動させる。
これにより、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器12へ流入する。放熱器12へ流入した冷媒は、凝縮部12aにて冷却ファン12cから送風された外気と熱交換して凝縮する。凝縮部12aにて冷却された冷媒は、レシーバ部12bにて気液分離される。
レシーバ部12bにて分離された液相冷媒は、エジェクタモジュール20の高圧入口21aへ流入する。エジェクタモジュール20の内部へ流入した冷媒は、分岐部14にて分岐される。分岐された一方の冷媒は、エジェクタ15のノズル部15aへ流入して等エントロピ的に減圧されて冷媒噴射口15bから噴射される。そして、この噴射冷媒の吸引作用によって、第1蒸発器17から流出した冷媒が、冷媒吸引口21bから吸引される。
この際、駆動機構部23は、流出側通路20cを流通する冷媒(換言すると、第2蒸発器18出口側冷媒)の過熱度が、基準過熱度(具体的には、1℃)に近づくように、複合弁体部22を変位させる。
ノズル部15aの冷媒噴射口15bから噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口21bから吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部15cへ流入する。ディフューザ部15cでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。これにより、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の圧力が上昇する。ディフューザ部15cにて昇圧された冷媒は、エジェクタ側出口21cから流出する。
エジェクタ側出口21cから流出した冷媒は、第2蒸発器18へ流入する。第2蒸発器18へ流入した冷媒は、送風機18aによって送風された送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風機18aによって送風された送風空気が冷却される。第2蒸発器18から流出した冷媒は、エジェクタモジュール20の流出側通路20cを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
一方、分岐部14にて分岐された他方の冷媒は、可変絞り機構16の絞り通路20aへ流入して等エンタルピ的に減圧される。可変絞り機構16にて減圧された冷媒は、絞り側出口21dから流出して、第1蒸発器17へ流入する。第1蒸発器17へ流入した冷媒は、第2蒸発器18通過後の送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2蒸発器18通過後の送風空気がさらに冷却される。
この際、本実施形態では、通路面積比が適切な値となるように、ノズル部15a、ニードル弁部22a、絞り通路20a、絞り弁部22bの形状が設定されているので、第1蒸発器17から流出する冷媒の乾き度が0°程度となる。第1蒸発器17から流出した冷媒は、冷媒吸引口21bから吸引される。
以上の如く、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、第1蒸発器17および第2蒸発器18にて、車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、第2蒸発器18下流側の冷媒、すなわちエジェクタ15のディフューザ部15cにて昇圧された冷媒を圧縮機11へ吸入させることができる。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10では、蒸発器における冷媒蒸発圧力と吸入冷媒の圧力が同等となる通常の冷凍サイクル装置よりも、圧縮機11の消費動力を低減させて、サイクルの成績係数(COP)の向上させることができる。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、第2蒸発器18における冷媒蒸発圧力をディフューザ部15cにて昇圧された冷媒圧力とし、第1蒸発器17における冷媒蒸発圧力をノズル部15aにて減圧された直後の低い冷媒圧力とすることができる。従って、各蒸発器における冷媒蒸発温度と送風空気との温度差を確保して、送風空気を効率的に冷却することができる。
また、本実施形態のエジェクタモジュール20では、可変ノズル部を有するエジェクタ15、および可変絞り機構16を備えている。従って、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動に応じて、エジェクタ15のノズル部15aの通路断面積、および可変絞り機構16の絞り開度を連動させて変化させることができる。
この際、ノズル部15aの通路断面積と絞り通路20aの通路断面積との通路面積比が、適切な値となるように設定されているので、ノズル部15aへ流入する冷媒流量および可変絞り機構16へ流入する冷媒流量を適切に調整することができる。その結果、負荷変動によらずエジェクタ式冷凍サイクル10に高いCOPを発揮させることができる。
さらに、通路面積比を適切な値に調整できることは、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のように、ノズル部15aよりも冷媒流れ上流側で冷媒の流れを分岐し、分岐された一方の冷媒をノズル部15aへ流入させ、分岐された他方の冷媒を絞り機構および蒸発器を介してエジェクタ15の冷媒吸引口21bから吸引させるサイクル構成では有効である。
その理由は、このようなサイクル構成では、低負荷運転時のように、サイクルを循環する循環冷媒流量が低下すると、エジェクタ15の冷媒吸引能力が低下して、第1蒸発器17へ冷媒を供給しにくくなってしまうからである。
これに対して、本実施形態のエジェクタモジュール20によれば、通路面積比を適正な値に調整することができる。さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10によれば、圧縮機11の吸入吐出作用を利用して、第1蒸発器17および第2蒸発器18へ確実に冷媒を供給することができる。その結果、第1蒸発器17および第2蒸発器18にて、確実に冷凍能力を発揮させるができる。
また、本実施形態のエジェクタモジュール20によれば、サイクル構成機構のうち、分岐部14、可変ノズル部を有するエジェクタ15、および可変絞り機構16を一体化させているので、エジェクタ式冷凍サイクル10全体としての小型化、および生産性の向上を狙うことができる。
ところが、可変ノズル部を有するエジェクタ15および可変絞り機構16では、通路断面積あるいは絞り開度を変化させるための駆動装置(本実施形態では、駆動機構部23)が必要となる。このような駆動装置は、比較的体格が大きい。このため、上述したエジェクタモジュール20全体としての小型化効果を得にくくなってしまう。
これに対して、本実施形態のエジェクタモジュール20によれば、エジェクタ15と可変絞り機構16とを一体化させる際に、エジェクタ15のノズル部15aの通路断面積、および可変絞り機構16の絞り開度を、共通する1つの駆動機構部23および複合弁体部22で調整するように一体化させている。
従って、ノズル部15a用の駆動機構部と可変絞り機構16用の駆動機構部の2つの駆動機構を備えるエジェクタモジュールと比較して、大型化を招くことなくエジェクタ15と可変絞り機構16とを一体化させることができる。さらに、駆動機構部23として、機械的機構で構成されたものを採用しているので、複合弁体部22を変位させるために電気的な接続を必要とすることもない。
その結果、本実施形態のエジェクタモジュール20によれば、通路断面積を変更可能に構成されていても、適用されたエジェクタ式冷凍サイクル10の大型化を招くことがない。
また、本実施形態のエジェクタモジュール20では、ノズル部15aの中心軸および絞り通路20aの中心軸が同軸上に配置されている。従って、複合弁体部22として、ノズル部15aの中心軸方向に延びる柱状のものを採用することができる。これによれば、複合弁体部22を容易に形成できるとともに、ノズル部15aの通路断面積および可変絞り機構16の絞り開度を同時に変化させる弁体部を容易に実現することができる。
また、本実施形態のエジェクタモジュール20では、ボデー部21の本体部211に、流出側通路20cが形成されており、駆動機構部23の感温部23aが流出側通路20cに連通する空間内に配置されている。これによれば、感温部23aと流出側通路20cとを近づけることができる。
従って、エジェクタモジュール20の大型化を招くことなく、感温部23aに流出側通路20cを流通する冷媒の温度および圧力を、精度良く伝達することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図3に示すエジェクタモジュール201を採用した例を説明する。なお、図3では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
エジェクタモジュール201のボデー部21では、本体部211とディフューザボデー213が互いに固定されている。そして、本体部211とディフューザボデー213との内部に形成された回転体形状の内部空間に、ノズルボデー212がノズル部15aの中心軸方向へ摺動可能に配置されている。
ノズルボデー212の筒状外周面とディフューザボデー213の内周面との間には、シール部材(具体的には、Oリング)が介在されており、これらの部材の隙間から冷媒が漏れることはない。さらに、本実施形態では、冷媒吸引口21bがディフューザボデー213に設けられている。
また、エジェクタモジュール201は、中心部に絞り通路20aが設けられた有底円筒状の金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されたオリフィス部材25を備えている。オリフィス部材25は、本体部211の内部に形成された円柱形状の内部空間に、ノズル部15aの中心軸方向へ摺動可能に配置されている。
オリフィス部材25の筒状外周面と本体部211の内周面との間には、シール部材(具体的には、Oリング)が介在されており、これらの部材の隙間から冷媒が漏れることはない。さらに、オリフィス部材25は、連結部材24および円板状の金属で形成されたプレート部材23fを介して、駆動機構部23のダイヤフラム23bに連結されている。
また、エジェクタモジュール201の複合弁体部22は、支持部材を介して、本体部211に固定されている。従って、エジェクタモジュール201の複合弁体部22は、本体部211に対して変位しない。さらに、ノズル部15aの中心軸、絞り通路20aの中心軸、オリフィス部材25の中心軸、および複合弁体部22の中心軸は、互いに同軸上に配置されている。
また、エジェクタモジュール201の駆動機構部23では、ノズル部15aの中心軸方向から見たときに円形状に形成されたケース23およびダイヤフラム23bを採用している。さらに、封入空間23dがダイヤフラム23bよりも、ノズル部15aから遠い側に配置されている。また、オリフィス部材25は、ダイヤフラム23bのノズル部15a側の面に連結されている。
従って、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が上昇すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が上昇し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が大きくなる。これにより、ダイヤフラム23bがノズル部15aへ近づく側(封入空間23dが膨らむ側)に変形する。その結果、ノズルボデー212およびオリフィス部材25が、ノズル部15aの通路断面積を拡大させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を増加させる側に変位する。
一方、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が低下すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が低下し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が小さくなる。これにより、ダイヤフラム23bがノズル部15aから離れる側(封入空間23dが凹む側)に変形する。その結果、ノズルボデー212およびオリフィス部材25が、ノズル部15aの通路断面積を縮小させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を減少させる側に変位する。
つまり、エジェクタモジュール201の駆動機構部23は、第2蒸発器18から流出した冷媒の温度および圧力に応じて、ノズル部15aおよび絞り通路20aを変位させることができる。そして、駆動機構部23が、ノズル部15aおよび絞り通路20aを変位させることによって、ノズル部15aの通路断面積および絞り通路20aの通路断面積の双方を連動して変化させることができる。
ここで、本実施形態のノズルボデー212とオリフィス部材25との間には、ノズル部15aの中心軸方向に隙間が形成されている。
このため、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が上昇すると、駆動機構部23は、まず、オリフィス部材25を絞り通路20aの絞り開度を増加させる側に変位させる。そして、オリフィス部材25がノズルボデー212に当接すると、駆動機構部23は、オリフィス部材25とともにノズルボデー212をノズル部15aの通路断面積を増加させる側に変位させる。
つまり、エジェクタモジュール201では、絞り通路20aの絞り開度を増加させる際に、絞り通路20aに対して、ノズル部15aの通路断面積の増加を遅らせることができる。
このことは、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10のように、ノズル部15aよりも冷媒流れ上流側で冷媒の流れを分岐し、分岐された一方の冷媒をノズル部15aへ流入させ、分岐された他方の冷媒を絞り機構および蒸発器を介してエジェクタ15の冷媒吸引口21bから吸引させるサイクル構成では有効である。
その理由は、このようなサイクル構成では、低負荷運転時のように、サイクルを循環する循環冷媒流量が低下すると、エジェクタ15の冷媒吸引能力が低下して、第1蒸発器17へ冷媒を供給しにくくなってしまうからである。
従って、低負荷運転時には、ノズル部15aを閉塞させて、圧縮機11の吸入吐出作用を利用して、圧縮機11→放熱器12→エジェクタモジュール20(具体的には、分岐部14→可変絞り機構16)→第1蒸発器17→エジェクタモジュール20(具体的には、ディフューザ部15c)→第2蒸発器18→エジェクタモジュール20(具体的には、流出側通路20c)→圧縮機11の順に冷媒を循環させて、第1蒸発器17および第2蒸発器18へ確実に冷媒を供給するようにしてもよい。
もちろん、エジェクタ式冷凍サイクル10の負荷変動によらず、エジェクタ15が充分な冷媒吸引能力を発揮できるサイクルでは、ノズルボデー212とオリフィス部材25との間に軸方向の隙間を設けることなく、ノズル部15aおよび絞り通路20aを一体的に変位させてもよい。
その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の作動および構成は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のエジェクタモジュール201およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の駆動機構部23では、円形状に形成されたダイヤフラム23bを採用しているので、ノズルボデー212およびオリフィス部材25のノズル部15aの中心軸方向の変位量を確保しやすい。従って、ノズル部15aおよび絞り通路20aを径方向への拡大を招くことなく、充分に通路断面積を変化させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図4に示すエジェクタモジュール202を採用した例を説明する。エジェクタモジュール202では、第2実施形態と同様に、ノズル部15aの中心軸方向から見たときに円形状に形成されたケース23およびダイヤフラム23bを有する駆動機構部23を採用している。
エジェクタモジュール202の駆動機構部23では、封入空間23dがダイヤフラム23bよりも、ノズル部15aから遠い側に配置されている。ダイヤフラム23bは、プレート部材23fおよび支持部材を介して、本体部211に固定されている。さらに、複合弁体部22は、連結部材24を介してケース23cに連結されている。
その他のエジェクタモジュール201の構成は、第1実施形態で説明したエジェクタモジュール20と同様である。
従って、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が上昇すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が上昇し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が大きくなる。これにより、ダイヤフラム23bが変形し封入空間23dが膨らむ。その結果、ケース23cとともに複合弁体部22が、ノズル部15aの通路断面積を拡大させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を増加させる側に変位する。
一方、流出側通路20cを流通する低圧冷媒の温度(過熱度)が低下すると、封入空間23d内の感温媒体の飽和圧力が低下し、封入空間23d内の感温媒体の圧力から流出側通路20cを流通する低圧冷媒の圧力を減算した圧力差が小さくなる。これにより、ダイヤフラム23bが変形し封入空間23dが縮む。その結果、ケース23cとともに複合弁体部22が、ノズル部15aの通路断面積を縮小させるとともに、絞り通路20aの絞り開度を減少させる側に変位する。
つまり、エジェクタモジュール202の駆動機構部23は、第1実施形態と同様に、第2蒸発器18から流出した冷媒の温度および圧力に応じて、複合弁体部22を変位させることができる。そして、駆動機構部23が、ノズル部15aの通路断面積および絞り通路20aの通路断面積の双方を連動して変化させることができる。
その他のエジェクタ式冷凍サイクル10の構成および作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態のエジェクタモジュール201およびエジェクタ式冷凍サイクル10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の駆動機構部23では、円形状に形成されたダイヤフラム23bを採用しているので、第2実施形態と同様に、ノズル部15aおよび絞り通路20aを径方向への拡大を招くことなく、充分に通路断面積を変化させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、本発明に係るエジェクタモジュール20を車両に搭載されるエジェクタ式冷凍サイクル10に適用した例を説明したが、エジェクタモジュール20の適用はこれに限定されない。例えば、定置型の空調装置、冷温保存庫等に用いられるエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよい。
(2)エジェクタモジュール20、201、202は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、変形部材として薄板状に形成されたダイヤフラム23bを採用した例を説明したが、変形部材はこれに限定されない。変形部材として有底円筒状(カップ状)の金属にて形成されて、複合弁体部22の変位方向に伸縮自在の蛇腹部を有する有底円筒状のベローズを採用してもよい。また、変形部材として有底円筒状のゴムにて形成されたベロフラムを採用してもよい。
また、上述の実施形態では、駆動機構部として、第2蒸発器18から流出した冷媒の温度および圧力に応じて、複合弁体部22等を変位させるものを採用した例を説明したが、駆動機構部はこれに限定されない。駆動機構部として、冷媒の温度変化に応じて体積変化するサーモワックスによって変形部材を変形させるものや、冷媒の温度変化に応じて変形する形状記憶合金によって形成された変形部材を有するもの採用してもよい。
(3)エジェクタモジュール20、201、202を適用可能なエジェクタ式冷凍サイクルは、上述の実施形態で開示されたものに限定されない。
例えば、エジェクタ式冷凍サイクル10に、放熱器12から流出した冷媒を気液二相状態の中間圧冷媒となるまで減圧させてエジェクタモジュールの高圧入口21a側へ流出させる中間圧減圧装置を追加してもよい。
これによれば、エジェクタモジュールの高圧入口21aへ気相冷媒と液相冷媒が均質に混合した気液混合状態の冷媒を流入させることができる。従って、高圧入口21aへ気相冷媒と液相冷媒が偏在して不均質に混合した冷媒を流入させる場合に対して、分岐部14にて分岐される冷媒流量の流量比の変動を抑制することができる。
また、エジェクタ式冷凍サイクル10に、第2蒸発器18から流出した冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させる低圧アキュムレータを追加してもよい。
また、図5の全体構成図に示すエジェクタ式冷凍サイクル30に、エジェクタモジュール20、201、202を適用してもよい。
具体的には、エジェクタ式冷凍サイクル30は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機11、圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる放熱器12、冷媒の気液を分離する気液分離器31、気液分離器31にて分離された液相冷媒を減圧させる減圧装置32、減圧装置32にて減圧された冷媒を蒸発させる第1蒸発器17、減圧部にて減圧された冷媒を蒸発させる第2蒸発器18、および気液分離器31にて分離された気相冷媒と第2蒸発器18から流出した冷媒とを合流させて圧縮機11の吸入側へ流出させる合流部33を有している。
エジェクタ式冷凍サイクル30では、エジェクタモジュール20の高圧入口21aには、放熱器12の出口側が接続され、冷媒吸引口21bには、第1蒸発器17の冷媒出口側が接続され、エジェクタ側出口21cには、気液分離器31の入口側が接続され、絞り側出口21dには、第2蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。
さらに、エジェクタ式冷凍サイクル30の第1蒸発器17では、減圧装置32にて減圧された低圧冷媒と第1送風機17aから送風された送風空気とを熱交換させる。第2蒸発器18では、可変絞り機構16にて減圧された低圧冷媒と第2送風機18aから送風された送風空気とを熱交換させる。
また、エジェクタ式冷凍サイクル30において、合流部33の冷媒出口を圧縮機11の吸入側へ直接接続し、第1蒸発器17の冷媒出口を低圧入口21e側へ接続し、低圧出口21fを冷媒吸引口21bへ接続してもよい。これによれば、第1蒸発器17出口側冷媒の過熱度を調整することができる。
(4)エジェクタ式冷凍サイクル10、30を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、圧縮機11として、プーリ、ベルト等を介して車両走行用エンジンから伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。さらに、エンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整可能な可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整可能な固定容量型圧縮機を採用することができる。
また、上述の実施形態では、放熱器12として、レシーバ一体型の凝縮器を採用した例を説明したが、さらに、レシーバ部12bから流出した液相冷媒を過冷却する過冷却部を有して構成される、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用してもよい。この他にも、凝縮部12aのみからなる放熱器12、および放熱器12から流出した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒を下流側へ流出させる受液器(レシーバ)を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、冷媒としてR134aあるいはR1234yfを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。さらに、冷媒として二酸化炭素を採用して、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成してもよい。
また、エジェクタ式冷凍サイクル10では、第1蒸発器17および第2蒸発器18を一体的に構成した例を説明したが、エジェクタ式冷凍サイクル30のように、第1蒸発器17および第2蒸発器18を別体で構成されていてもよい。そして、第1蒸発器17および第2蒸発器18にて、異なる冷媒対象流体を異なる温度帯で冷却するようにしてもよい。
(5)また、上述の各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。例えば、第2、第3実施形態で説明したエジェクタモジュール201、202を、上述の図5で説明したエジェクタ式冷凍サイクル30に適用してもよい。
10、30 エジェクタ式冷凍サイクル(冷凍サイクル装置)
15a ノズル部
15c ディフューザ部(昇圧部)
17、18 第1、第2蒸発器
20、201、202 エジェクタモジュール、
20a 絞り通路
21 ボデー部
21b 冷媒吸引口
22 複合弁体部(弁体部)
23 駆動機構部
23b ダイヤフラム(変形部材)

Claims (5)

  1. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用されるエジェクタモジュールであって、
    冷媒を減圧させて噴射するノズル部(15a)と、
    冷媒を減圧させる減圧部(20a)と、
    前記ノズル部から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって外部から冷媒を吸引する冷媒吸引口(21b)、および前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させる昇圧部(15c)が設けられたボデー部(21)と、
    前記ノズル部の通路断面積および前記減圧部の通路断面積の双方を変化させる弁体部(22)と、
    前記弁体部を変位させる駆動機構部(23)と、を備え、
    前記駆動機構部は、冷媒の温度および圧力の少なくとも一方の変化に応じて変形する変形部材(23b)を有する機械的機構で構成されているエジェクタモジュール。
  2. 蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に適用されるエジェクタモジュールであって、
    冷媒を減圧させて噴射するノズル部(15a)と、
    冷媒を減圧させる減圧部(20a)と、
    前記ノズル部から噴射された噴射冷媒の吸引作用によって外部から冷媒を吸引する冷媒吸引口(21b)、および前記噴射冷媒と前記冷媒吸引口から吸引された吸引冷媒との混合冷媒を昇圧させる昇圧部(15c)が設けられたボデー部(21)と、
    前記ノズル部の通路断面積および前記減圧部の通路断面積の双方を変化させる弁体部(22)と、
    前記ノズル部および前記減圧部を変位させる駆動機構部(23)と、を備え、
    前記駆動機構部は、冷媒の温度および圧力の少なくとも一方の変化に応じて変形する変形部材(23b)を有する機械的機構で構成されているエジェクタモジュール。
  3. 前記駆動機構部は、前記昇圧部よりも下流側の冷媒の温度変化に伴って圧力変化する感温媒体が封入される封入空間(23d)を形成する封入空間形成部材(23c)を有し、
    前記変形部材は、前記感温媒体の圧力に応じて変形するものである請求項1または2に記載のエジェクタモジュール。
  4. 前記弁体部は、前記ノズル部の軸方向に伸びる形状に形成されており、
    前記ノズル部および前記減圧部は、前記軸方向に並んで配置されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタモジュール。
  5. 前記冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)、前記圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12)、冷媒を蒸発させる第1蒸発器(17)、および冷媒を蒸発させて前記圧縮機の吸入側へ流出させる第2蒸発器(18)を有し、
    前記ノズル部および前記減圧部へ冷媒を流入させる高圧入口(21a)には、前記放熱器の出口側が接続され、
    前記冷媒吸引口には、前記第1蒸発器の冷媒出口側が接続され、
    前記昇圧部から冷媒を流出させるエジェクタ側出口(21c)には、前記第2蒸発器の冷媒入口側が接続され、
    前記減圧部から冷媒を流出させる絞り側出口(21d)には、前記第1蒸発器の冷媒入口側が接続されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタモジュール。
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