JP2018146040A - 転がり軸受 - Google Patents

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健治 玉田
Kenji Tamada
健治 玉田
智彦 小畑
Tomohiko Obata
智彦 小畑
藤原 宏樹
Hiroki Fujiwara
宏樹 藤原
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Abstract

【課題】潤滑油の円滑な流通と異物の確実な捕捉を両立できるフィルタを安価に実現する。【解決手段】内輪1及び外輪2と、内輪1と外輪2との間の軸受空間に配置される転動体3と軸受空間の内外間の潤滑油の通過を許容し異物の通過を阻止するフィルタ部Fと、フィルタ部Fに設けられる植毛部20とを備える転がり軸受とした。植毛部20は、例えば、フィルタ部Fが備える透孔6の内面6aや、フィルタ部Fを線材を格子状に連結して透孔を形成したメッシュ部材とした場合は、そのメッシュ部材の線材に設けられる。【選択図】図1

Description

この発明は、オイル潤滑される転がり軸受に関するものである。
輸送機器や産業機械、その他各種機器の可動部には、転がり軸受が組み込まれている。転がり軸受は、軸受空間内に充填された潤滑油によって、潤滑される構造となっている。
ところで、転がり軸受の軸受空間からは、摩耗粉(鉄粉等)等の異物が発生することがある。このような異物が潤滑油内に含まれると、機器の耐久性を低下させる場合がある。そこで、例えば、特許文献1には、転がり軸受に取付けるシールリングにフィルタを設けることにより、潤滑油に含まれる異物を捕捉するフィルタ付き転がり軸受の技術が提案されている。このフィルタには透孔が設けられ、透孔は潤滑油を通過させるが、異物は通過させないサイズに設定される。
しかし、透孔のサイズが大きすぎると、潤滑油は通過しやすくなるものの、作動機構部や転がり軸受の耐久性、寿命に影響を及ぼす異物を、捕捉できない事態が生じ得る。また、逆に、フィルタの透孔のサイズが小さすぎると、捕捉した異物によって目詰まりが生じやすくなり、円滑な潤滑油の流通が阻害される事態が生じ得る。このため、有害な異物を確実に捕捉できるように、また、異物によって目詰まりが生じないように、適切な透孔のサイズが設定される。
また、例えば、特許文献2には、鉄粉等からなる異物が循環経路内に流通する潤滑油に混入した場合に、その異物をセンサが備える磁石に吸着させ、吸着した異物が堆積していくことにより金属製のケーシングと磁石とが電気的に導通した場合に、警報を発信する潤滑油の鉄粉汚濁検知方法が開示されている。
特開2012−211691号公報 特開平7−280180号公報
上記特許文献1のように、フィルタの透孔は、転がり軸受の用途や仕様等に応じて、適切なサイズに設定しなければならない。しかし、より小さい異物等を捕捉するために、フィルタの透孔のサイズを小さくするには、フィルタの製造工程上の問題やコスト上の問題から限界がある。
また、透孔を大きくして潤滑油を円滑に流通させることと、透孔を小さくして異物を確実に捕捉することは、透孔のサイズ設定の上で相反する関係にある。このため、潤滑油の円滑な流通と異物の確実な捕捉を両立させることは、困難である場合が多い。
また、上記特許文献2に記載の技術では、循環経路内の潤滑油に含まれる異物の多くは、センサの磁石、電極に吸着することなく、その傍らを通過してしまう可能性がある。このため、電極をフィルタ付近に設置することが有効であるが、多数の透孔を有するフィルタに電極を設けることは、フィルタの素材の強度や設置スペースの問題から制約が多いという問題がある。
そこで、この発明は、潤滑油の円滑な流通と異物の確実な捕捉を両立できるフィルタを安価に実現することを第一の課題とし、潤滑油に含まれる異物を検知するセンサを、フィルタに容易に設置できるようにすることを第二の課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、内輪及び外輪と、前記内輪と前記外輪との間の軸受空間に配置される転動体と、前記軸受空間の内外間の潤滑油の通過を許容し異物の通過を阻止するフィルタ部と、前記フィルタ部に設けられる植毛部とを備える転がり軸受を採用した。
ここで、前記植毛部は、前記フィルタ部が備える透孔の内面に設けられる構成を採用することができる。
また、前記フィルタは線材を格子状に連結して前記透孔を形成したメッシュ部材であり、前記植毛部は、前記メッシュ部材の線材に設けられる構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記フィルタは内径の異なる複数のサイズの透孔を備え、前記植毛部は、所定の内径以上の透孔にのみ設けられる構成を採用することができる。
透孔の内面に設けられる前記植毛部の繊維の長さは、前記植毛部を設ける前記透孔の内径よりも長く設定される構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記植毛部の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、前記透孔の延びる方向に垂直とする構成を採用することができる。あるいは、前記植毛部の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、前記透孔の延びる方向に対して前記潤滑油の流れ方向下流側に傾斜させる構成を採用することができる。
さらに、前記植毛部は、前記透孔の内面に加え、前記透孔周囲の前記軸受空間側に向く面及び前記透孔周囲の前記軸受空間外側に向く面、又は、そのいずれかの側の面に設けられる構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記植毛部の繊維に静電気又は磁性を付帯させた構成を採用することができる。また、前記植毛部の繊維に発油剤を塗布した構成を採用することができる。
さらに、これらの各態様において、前記植毛部は通電性の繊維で構成される第一植毛部及び第二植毛部を備え、前記第一植毛部と前記第二植毛部をそれぞれ電極として両電極からそれぞれ配線が伸びて電源に至る電気回路と、前記両電極間への前記異物の付着に伴う前記電気回路の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる前記異物の状態を検知する制御装置とを備える構成を採用することができる。
この発明は、軸受空間の軸方向開口部に設けられるシールリングのフィルタ部に植毛部を備えたので、潤滑油の円滑な流通と異物の確実な捕捉を両立できるフィルタを安価に実現することができる。また、対の電極間への異物の付着による電気的出力の変化により異物の混入状態を検知する際に、フィルタ部に備える植毛部を通電性の繊維で構成し、互いに分離した第一植毛部及び第二植毛部を対の電極としたので、異物を検知するセンサを、フィルタに容易に設置できるようになる。
この発明の一実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は要部拡大断面図 フィルタ部に植毛部を備えたシールリングの斜視図 (a)〜(c)は、フィルタ部における植毛部の変形例を示す要部拡大断面図 さらなる植毛部の変形例を示す要部拡大断面図 (a)(b)は、さらなる植毛部の変形例を示す要部拡大断面図 メッシュ部材によってフィルタ部を構成した場合の植毛部を示し、(a)は正面図、(b)は側面図 この発明の他の実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は要部拡大断面図 フィルタ部に異物を検知するためのセンサを備えた実施形態を示す正面図
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、軸受空間の軸方向開口部に設けられるシールリング5にフィルタ部Fを備え、そのフィルタ部Fに植毛部20を備えた転がり軸受10である。
転がり軸受10の構成は、軌道輪である内輪1と外輪2との間の環状の軸受空間に、複数の転動体3が配置されている。転動体3は、軸受空間に配置された保持器4によって、周方向に沿って保持されている。また、軸受空間には潤滑油が充填されている。
転がり軸受10の軸受空間内へは、その軸受空間の軸方向一方の開口部から潤滑油が供給される。また、軸受空間内の潤滑油は、その軸受空間の軸方向他方の開口部から軸受空間内外へ流出するようになっている。
転がり軸受10の軸受空間からは、摩耗粉(鉄粉等)等の異物が発生することがある。この異物は、潤滑油中に浮遊せず、いずれかの箇所に捕捉されて、その場所で保持されることが望ましい。そこで、軸受空間のいずれかの側の軸方向開口部、又は、両方の軸方向開口部に、フィルタ部F付きのシールリング5が取り付けられている。この実施形態では、図1に示すように、両方の軸方向開口部にシールリング5が取り付けられている。
シールリング5は、図2に示すように、軸受空間の軸方向開口部を覆うように環状を成すものとなっている。その環状のシールリング5の側壁部の全周に亘って、多数の透孔6が形成され、それらの透孔6によって環状のフィルタ部Fを構成している。フィルタ部Fは、軸受空間の内外間の潤滑油の通過を許容し、異物の通過は阻止するように、透孔6の内径の寸法、形状が設定されている。
シールリング5の素材としては金属やゴム等を用いることも可能であるが、この実施形態のシールリング5は、合成樹脂の成形品からなる。樹脂製のシールリング5が、内輪1又は外輪2に固定される。図1及び図2の実施形態では、転がり軸受10として、ボールを転動体3とした深溝玉軸受を採用している。シールリング5は、一方の軌道輪に固定され、その先端が反対側の軌道輪に対して摺接するか、又は、その先端が反対側の軌道輪に微小な隙間をもって対向するようになっている。図中の符号7はシールリング5の外径側端を、符号8はシールリング5の内径側端を示す。
ここで、外輪2が固定側である場合には、シールリング5の外径側端7が、その固定側である外輪2に嵌合等により固定されるが、これに代えて、シールリング5の内径側端8を、回転側である内輪1に嵌合等により固定することも可能である。また、内輪1が固定側である場合には、シールリング5の内径側端8が、固定側である内輪1に嵌合等により固定されるが、これに代えて、シールリング5の外径側端7を、回転側である外輪2に嵌合等により固定することも可能である。
フィルタ部Fには、植毛部20が設けられる。図1及び図2の実施形態では、植毛部20は透孔6の内面6aに設けられ、繊維の根本部が内面6aに固定され、繊維の先端部が自由端となっている。透孔6の内面6aに植毛繊維を設けることで、透孔6内に入り込む大きさの摩耗粉等の異物を、その繊維によって捕捉することができる。
一般に、樹脂やゴム、金属等の素材によって、多数の微小な透孔を有するフィルタ部を製造することは容易ではないが、植毛部20の採用により、実質的に透孔6の内径を小さくできる効果が期待でき、フィルタ部Fの製造が容易となる。また、植毛部20は、透孔6の内径よりも小さい異物を捕捉するものの、潤滑油の流れに対しては、仮に、その小さい異物に対応してフィルタ部Fの透孔6の内径を小さくした場合と比較して、相対的に流れの抵抗を生じさせにくい。このため、良好な潤滑油の流通を確保できる。
また、図2に示すように、植毛部20の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、透孔6の延びる方向に沿って、潤滑油の流れ方向Aに対して下流側に傾斜させているので、この点においても、良好な潤滑油の流通を確保できる。
ここで、植毛される繊維の長さや太さは、求められる潤滑油の流量と清浄度を基に決定される。すなわち、植毛部20の繊維の長さが長いほど、あるいは、繊維の太さが太いほど、透孔6を通過する潤滑油に加わる抵抗が大きくなる。その一方で、植毛部20の繊維の長さが長いほど、あるいは、繊維の太さが太いほど、異物を捕捉する性能が高まる。このため、求められる潤滑油の流量と、求められる潤滑油の清浄度(どの程度の大きさの異物の介在を許容するか)の両方の要素を勘案して、繊維の長さや太さを決定する。
図3以下に、植毛部20の変形例を示す。
図3(a)の例は、透孔6の内面6aに設けられる植毛部20(以下、内面植毛部21と称する。)の繊維の長さWを、植毛部20を設ける透孔6の内径Wよりも長く設定して、異物の捕捉効果を高めている。
また、図3(b)の例では、植毛部20を、透孔6の周囲の軸受空間側に向く面、又は、透孔6の周囲の軸受空間外側に向く面のいずれか一方の側の面に設けている。以下、この一方の側の面に設けられる植毛部20を、一方側植毛部22と称する。この一方側植毛部22により、透孔6周囲に浮遊する異物を捕捉することができる。この例では、一方側植毛部22は、潤滑油の流れ方向Aに対面する側の面に設けられているが、一方側植毛部22は、潤滑油の流れ方向Aに対面する側の反対側の面に設けられていてもよい。
なお、フィルタ部Fの設置箇所によっては、潤滑油の流れ方向Aに対面する側の面は、軸受空間側に向く面である場合もあるし、軸受空間外側に向く面である場合もある。また、転がり軸受10の用途や仕様によっては、潤滑油の流れ方向Aが絶えず変化して、その方向を特定できない場合もある。
さらに、図3(c)の例では、植毛部20は、透孔6の周囲の軸受空間側に向く面、又は、透孔6の周囲の軸受空間外側に向く面の両方の側の面に設けている。以下、一方側植毛部22の面と反対側の面に設けられる植毛部20を、他方側植毛部23と称する。この一方側植毛部22に加え、他方側植毛部23によって、透孔6周囲に浮遊する異物をさらに効果的に捕捉することができる。
また、フィルタ部Fの透孔6内における目詰まりが問題となる場合は、図4に示すように、内面植毛部21の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、透孔6の延びる方向に対して垂直とすることができる。このとき、透孔6内の対向面間で、内面植毛部21の向かい合う繊維の先端同士が、互いに接しないような繊維長さと設定するとよい。このとき、一方側植毛部22や他方側植毛部23を、合わせて備えるようにしてもよい(各実施形態、変形例においても同じ)。
すなわち、フィルタ部Fに求める性能として、潤滑油の清浄化を重視する場合は、内面植毛部21の繊維の植設方向を、潤滑油の流れ方向Aに沿って下流側、あるいは上流側へ向けて傾斜するようにすると効果的である。また、透孔6の目詰まり防止を重視する場合は、内面植毛部21の繊維の植設方向を、潤滑油の流れ方向Aに対して垂直方向とすると効果的である。
図5(a)に示す例では、フィルタ部Fは内径の異なる複数のサイズの透孔6,6’を備えており、植毛部20は、所定の内径以上の透孔6にのみ設けられている。この例では、2種類の内径の透孔6,6’が設けられており、相対的に大きい内径(所定の内径以上)を有する透孔6のみに植毛部20が設けられ、相対的に小さい内径(所定の内径未満)を有する透孔6’には、植毛部20が設けられていない。植毛部20を設ける透孔6を所定の内径以上のものに限定することで、大きさの異なる複数の透孔6,6’間の異物の捕捉性能を平均化できる。
図5(b)に示す例は、透孔6の形状を長孔としたものである。長手状の透孔6が同方向に並列して、スリット状のフィルタ部Fを構成している。この長孔からなる透孔6の内面6aに植毛部20が設けられている。なお、植毛部20の繊維の配置箇所や方向は、図3〜図4に示す各例と同様にものを採用できる。
図6に示す例は、フィルタ部Fを、線材を格子状に連結して透孔6を形成したメッシュ部材で構成している。メッシュ部材の素材としては、樹脂や金属等を採用することができる。メッシュ部材からなるフィルタ部Fは、その周縁部が、シールリング5を構成する樹脂に、インサート成型構造や嵌合構造によって固定されている。なお、シールリング5を構成する素材が金属やゴムである場合も、メッシュ部材からなるフィルタ部Fを、同様な方法で固定できる。
植毛部20は、フィルタ部Fのメッシュ部材の線材に設けられている。メッシュ部材の線材に植毛を行うことで、上記の各例と同様、実質的に透孔6の内径を小さくできる効果が期待でき、フィルタ部Fの製造が容易となる。
植毛部20の形成方法は、その植毛部20を設ける対象面に接着剤層を形成し、その接着剤層に繊維が植え付けられて、接着剤層の固化により繊維が固定される。
このとき、高電圧電極による静電界を作り、その静電気の吸引力により、植毛部20を設ける対象面に繊維の植毛を行う静電植毛の手法を採用することができる。例えば、付着させたい多数の短繊維を電極板上に置き、少し距離を隔てて、植毛の対象面を有する母材を配置する。母材(例えば、プラス側)と電極板(例えば、マイナス側)との間に高電圧を印加すると、その高電圧により電界が発生し、短繊維に分極が発生する。その結果、短繊維のマイナス電荷がプラス側である母材に引きつけられて、繊維が接着剤層に付着する。このとき、繊維は、対象面に対して直角となるように接着剤層に突き刺さった状態に固定される。
また、繊維をエアによって接着剤層に吹き付ける手法(静電吹き付け植毛)を採用することもできる。すなわち、帯電した繊維を静電吸引力で対象面の接着剤層に付着させるときに、エアで繊維を吹き付けるようにすると、繊維は、対象面の面方向に対して一定の角度で傾いて接着剤層に固定されるようになる。
植毛部20に用いられる繊維材としては、(1)合成樹脂繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンテフタレートなどのポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニロン樹脂、等の合成樹脂からなる繊維)、(2)無機繊維(例えば、カーボン繊維、グラスファイバーなど)、(3)再生繊維(レーヨン、アセテートなど)、(4)天然繊維(綿、絹、麻、羊毛など)を用いることができるが、合成樹脂繊維を用いると好ましい。繊維材として合成樹脂繊維を用いると、作動油による繊維材の膨潤や溶解を防止することができ、かつ低コストである。
繊維の太さは、0.5〜50デシテックスの範囲で設定することができる。また、繊維の植毛密度(柔軟性構造体33に占める繊維材35の面積割合)は101〜30%の範囲に設定することができる。繊維は、ストレート形状(全長にわたって直線形状)またはベンド形状(曲がった形状)のものを採用することができる。また、繊維は、円形断面または多角形断面を有するものを採用することができる。ベンド形状の繊維はストレート形状の繊維に比べて、潤滑剤を保持する能力が高い。また、多角断面形状の繊維は、円状断面の繊維に比べて表面積が大きいことから、潤滑剤を保持する能力が高い。このため、潤滑油の円滑な流れを期待する場合、繊維は、ストレート形状で円状断面であることが望ましい。
接着剤層は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂を主成分とする接着剤で形成されている。接着剤としては、例えば、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、エポキシ樹脂溶剤系接着剤、酢酸ビニル樹脂溶剤系接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン接着剤、ウレタン樹脂系エマルジョン接着剤、エポキシ樹脂系エマルジョン接着剤、ポリエステル系エマルジョン接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤などが挙げられる。
なお、摩耗粉等の異物を、植毛部20でより確実に捕らえるためには、植毛する繊維に静電気や磁性を付帯させることが有効である。繊維に対する静電気や磁性の付与は、繊維を植毛する前に、または、繊維を植毛した後に、周知の手法により行うことができる。
また、透孔6の目詰まりを効果的に防止するためには、植毛する繊維に発油剤を塗布することにより、植毛部20を発油性植毛部とすることが有効である。発油剤の塗布は、繊維を植毛する前に、または、繊維を植毛した後に、周知の手法により行うことができる。
なお、上記の実施形態では、転がり軸受10として深溝玉軸受を採用したが、他の形態の転がり軸受10にも、この発明を適用できる。例えば、図7は、転がり軸受10として円錐ころ軸受を採用した場合の一つの実施形態である。
この実施形態では、シールリング5は、内輪1の大つばと外輪2の内径面の大径側端部との間に取付けられている。ここでは、外輪2は静止側、内輪1は回転側であり、シールリング5は固定側である外輪2に嵌合等により固定されるが、このシールリング5を、回転側である内輪1に嵌合等により固定することも可能である。図7では、シールリング5の外径側端7が、その固定側である外輪2に嵌合により固定され、シールリング5の内径側端8は、回転側である内輪1に摺接するリップ部となっている。
この図7では、一方の側の軸方向開口部にのみ、フィルタ部F付きのシールリング5を設けたが、図1の場合と同様に、反対側の軸方向開口部にも、フィルタ部F付きのシールリング5を設けてもよい。フィルタ部Fや透孔6の種々の態様や、あるいは、植毛部20の種々の形態については、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
さらに、鉄粉等の金属からなる異物が潤滑油に混入した場合に、その異物を検知する異物検知装置を備えた転がり軸受において、その異物検知装置のセンサの電極として、前述の導電性繊維による植毛部20を用いることができる。
異物検知用センサの電極として用いる植毛部20は、例えば、図8に示すように、通電性の繊維で構成され、互いに分離した第一植毛部32及び第二植毛部33とを備えた構成とすることができる。
また、異物検知装置は、第一植毛部32と第二植毛部33をそれぞれ電極として、両電極からそれぞれ配線31が伸びて電源Pに至る電気回路Cと、両電極間への異物の付着に伴う電気回路Cの電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる異物の状態を検知する制御装置30とを備えている。電気回路Cの配線上には、必要に応じて固定抵抗器を配置することができる。また、配線31は、シールリング5に金、銀、銅、その他金属により施されたメッキ等によって構成することができる。
第一植毛部32と第二植毛部33との間に金属からなる異物が付着して、対向する対の電極間が電気的に短絡することによって、その電極間の抵抗値が小さくなる。一般的には、異物の付着量が少ないと電流が通過し得る部分の断面積が小さいので抵抗値が大きく、付着量が多いと電流が通過し得る部分の断面積が大きいので抵抗値が小さくなる。このため、出力電圧に予め閾値を設けておき、電気的出力が閾値以下になった場合に、制御装置30は、転がり軸受10を異常状態と判断するように設定しておけばよい。
このとき、植毛部20の繊維の太さや長さを増減することにより、異物を検知する際の検知特性を調整することが可能である。植毛部20の繊維の太さが細ければ細いほど、あるいは、繊維の長さが長ければ長いほど、電極間に異物が付着した際の電気的出力の変化が大きくなるので、異物を検知しやすくなる。
なお、第一植毛部32と第二植毛部33の両電極を、互いに距離を隔てて分離して配置しておき、第一植毛部32と第二植毛部33の両電極間に、金属からなる異物を介して電気が流れているかどうかの導通の有無を検出することによって、潤滑油に含まれる異物の有無を判別するようにしてもよい。導通がなければ異物が電極間を短絡しておらず、導通があれば、異物が電極間を短絡していることがわかる。
上記の実施形態では、フィルタ部Fを、転がり軸受10の軸受空間の軸方向開口部を覆うシールリング5に設けたが、フィルタ部Fを設ける場所は、シールリング5以外でもよい。例えば、潤滑油の流通経路の途中に異物を捕捉可能なフィルタ部Fを設けて、そのフィルタ部Fに、上記の各構成からなる植毛部20を設けてもよい。
上記の実施形態では、転がり軸受10として、深溝玉軸受や円すいころ軸受を例に、この発明の内容を説明したが、深溝玉軸受や円すいころ軸受以外の各種の転がり軸受10において、この発明の植毛部20の構成を採用してもよい。
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4 保持器
5 シールリング
6 透孔
6a 内面
20 植毛部
21 内面植毛部
22 一方側植毛部
23 他方側植毛部
30 制御装置
31 配線
32 第一植毛部
33 第二植毛部
C 電気回路
F フィルタ部
P 電源

Claims (11)

  1. 内輪及び外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間の軸受空間に配置される転動体と、
    前記軸受空間の内外間の潤滑油の通過を許容し異物の通過を阻止するフィルタ部と、
    前記フィルタ部に設けられる植毛部と、
    を備える転がり軸受。
  2. 前記植毛部は、前記フィルタ部が備える透孔の内面に設けられる
    請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記フィルタ部は線材を格子状に連結して前記透孔を形成したメッシュ部材であり、
    前記植毛部は、前記メッシュ部材の線材に設けられる
    請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記フィルタ部は内径の異なる複数のサイズの透孔を備え、
    前記植毛部は、所定の内径以上の透孔にのみ設けられる
    請求項1から3のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  5. 前記植毛部の繊維の長さは、前記植毛部を設ける前記フィルター部が備える透孔の内径よりも長く設定される
    請求項1から4のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  6. 前記植毛部の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、前記フィルター部が備える透孔の延びる方向に垂直とする
    請求項1から5のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  7. 前記植毛部の繊維の根本部から先端部に至る植設方向を、前記フィルター部が備える透孔の延びる方向に対して前記潤滑油の流れ方向下流側に傾斜させる
    請求項1から5のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  8. 前記植毛部は、前記透孔周囲の前記軸受空間側に向く面及び前記透孔周囲の前記軸受空間外側に向く面、又は、そのいずれかの側の面に設けられる
    請求項2に記載の転がり軸受。
  9. 前記植毛部の繊維に静電気又は磁性を付帯させた
    請求項1から8のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  10. 前記植毛部の繊維に発油剤を塗布した
    請求項1から8のいずれか一つに記載の転がり軸受。
  11. 前記植毛部は通電性の繊維で構成される第一植毛部及び第二植毛部を備え、
    前記第一植毛部と前記第二植毛部をそれぞれ電極として両電極からそれぞれ配線が伸びて電源に至る電気回路と、
    前記両電極間への前記異物の付着に伴う前記電気回路の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる前記異物の状態を検知する制御装置と、
    を備える請求項1から10のいずれか一つに記載の転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117307612A (zh) * 2023-11-02 2023-12-29 安徽祥东高端装备股份有限公司 一种高强度轴承及其生产系统

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