JP2018168994A - 転がり軸受ユニット - Google Patents

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Hiroshi Uchimura
宙史 内村
近藤 博光
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博光 近藤
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Abstract

【課題】潤滑油に含まれる異物を、さらに確実に検知する。【解決手段】ハウジング11内に固定される外輪1と、外輪1に対向する内輪2と、外輪1と内輪2との間の軸受空間の側方開口Dを覆う円環状のシール部材40と、ハウジング11の内径面と外輪1の外径面との間に軸方向に沿って配置される潤滑油用の油路12と、外輪1の軸方向他端側に隣接して配置される間座6と、油路12内に入り込みシール部材40を外輪1に固定する連結片80と、連結片80の油路12内に臨む面に対向して配置した対の電極101a,102aからそれぞれ配線103が伸びて電源に至る電気回路104と、対の電極101a,102a間への金属片からなる異物の付着に伴う電気回路104の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる異物の状態を検知する出力検出装置100とを備える転がり軸受ユニットとした。【選択図】図1

Description

この発明は、オイル潤滑される転がり軸受に関し、特に、潤滑用のオイルに含まれる異物の捕捉機能を備えた転がり軸受ユニットに関するものである。
輸送機器や産業機械、その他各種機器の可動部には、転がり軸受が組み込まれている。このような機器の中には、油潤滑される転がり軸受以外に潤滑が必要な作動機構部を有し、その作動機構部と転がり軸受とが、共通のオイルで潤滑される構造となっているものがある。作動機構部としては、例えば、ギヤ同士の噛み合い部分や部材同士の摺接部分等が挙げられる。
例えば、オイルポンプ等は、機器の内部に転がり軸受と作動機構部とを有している。また、特に、オイルポンプは、その転がり軸受と作動機構部とを備えた機器の外部にある他の作動機構部に向かって、内部の潤滑油を送り出す機能を備えている。
ところで、転がり軸受の軸受空間からは、摩耗粉(鉄粉等)等の異物が発生することがある。この異物が、潤滑油の循環経路の途中にある作動機構部に侵入すると、異物の噛み込みによって、機器の耐久性を低下させる場合がある。また、場合によっては、機器の動作不良・故障・破損に繋がることもある。
そこで、例えば、特許文献1には、鉄粉等からなる異物が循環経路内に流通する潤滑油に混入した場合に、その異物をセンサが備える磁石に吸着させ、吸着した異物が堆積していくことにより金属製のケーシングと磁石とが電気的に導通した場合に、警報を発信する潤滑油の鉄粉汚濁検知方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、特許文献2には、転がり軸受の内外輪間に位置する軸受空間の端部を閉じるシールリングに、異物を捕捉するフィルタを設けた技術が開示されている。
さらに、例えば、特許文献3には、シールリングが備えるフィルタに、異物の有無を検知するセンサを設けた技術が開示されている。
特開平7−280180号公報 特開2012−102767号公報 特開2017−32112号公報
上記のように、転がり軸受から発生する摩耗粉(鉄粉等)等の異物が、潤滑油の循環経路の途中にある作動機構部に侵入することは好ましくない。特に、オイルポンプ用の転がり軸受ユニットにおいて、軸受から発生する大きな剥離片は、そのオイルポンプ自身の作動機構部や、そのオイルポンプによって送り出される潤滑油の循環経路内にある他の作動機構部の部品に対して、動作不良・故障・破損の原因となる。
このため、特許文献2に示すように、転がり軸受の軸受空間の端部を閉じるシールリングにフィルタを設置し、さらに、特許文献3に示すように、シールリングのフィルタに異物検知用のセンサを設置することが有効である。しかし、製品の耐久性の向上、信頼性の向上のためには、さらなる異物検知の精度向上が望まれる。
そこで、この発明の課題は、潤滑油に含まれる異物を、さらに確実に検知することである。
上記の課題を解決するために、この発明は、ハウジング内に固定される外輪と、前記外輪に対向する内輪と、前記外輪と前記内輪との間の軸受空間に配置される転動体と、前記外輪の軸方向一端側に取り付けられて前記軸受空間の側方開口を覆う円環状のシール部材と、前記ハウジングの内径面と前記外輪の外径面との間に軸方向に沿って配置され前記軸受空間外への開口部を有する潤滑油用の油路と、前記開口部から前記油路内に入り込み前記シール部材を前記外輪又は前記ハウジングに固定する連結片と、対向して配置した対の電極からそれぞれ配線が伸びて電源に至る電気回路と、前記対の電極間への金属からなる異物の付着に伴う前記電気回路の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる異物の状態を検知する出力検出装置と、を備え、前記対の電極は、前記連結片の前記油路内に臨む面に配置される転がり軸受ユニットを採用した。
この態様において、ここで、前記シール部材に前記軸受空間の内外間の異物の流通を阻止するフィルタを備え、前記対の電極は、前記フィルタの前記軸受空間内に臨む面又は前記軸受空間外に臨む面に配置される構成を採用することができる。
また、各態様において、前記連結片は、前記油路の内壁に当接する外径側突出部を一つ備え、前記対の電極は、前記外径側突出部よりも前記開口部側に配置される構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記連結片は、前記油路の内壁に当接する外径側突出部を複数備え、前記対の電極は、前記開口部から最も遠い側に位置する前記外径側突出部よりも前記開口部側に配置される構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記シール部材は、周方向に沿って分割された複数の分割シール部材が前記連結片によって接続されて円環状の連結体となっている構成を採用することができる。
これらの各態様において、前記油路は前記ハウジングの鉛直方向上側に配置され、前記対の電極を備える前記連結片は、鉛直方向上側の前記油路に入り込む構成を採用することができる。
この発明は、潤滑油に含まれる異物の状態を検知する出力検出装置の電極を、シール部材を外輪に固定するために油路内に入り込む連結片の油路内に臨む面に配置したので、潤滑油に含まれる異物をさらに確実に検知することができる。
この発明の一実施形態を示し、(a)は転がり軸受を複数備えた軸受ユニットの側面図、(b)は縦断面図 (a)はシール部材を備えた転がり軸受の要部平面図、(b)はその斜視図 (a)はシール部材を備えた転がり軸受の正面図、(b)は正面図 シール部材の分解斜視図 分割シール部材同士を接続する連結片を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(a)の右側面図 (a)(b)は分割シール部材同士の接続部を示す要部拡大図、(c)は係止部断面図
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。この実施形態は、シール部材40を取り付けた軸受ユニット20を備えたオイルポンプ装置10である。
オイルポンプ装置10は、機器の内部に転がり軸受を複数備えた転がり軸受ユニット20と、オイルポンプ60の作動機構部30とを有している。
転がり軸受ユニット20は、ハウジング11の内部に、油潤滑される3つの転がり軸受21,22,23を並列して備えている。これらの転がり軸受21,22,23によって、オイルポンプ60の作動機構部30に通じる軸部材32を、固定のハウジング11に対して軸周り回転自在に支持している。
各転がり軸受21,22,23は、外側軌道輪1と内側軌道輪2の各軌道面1a,2aの間に、転動体3が組み込まれている。転動体3は、保持器4によって周方向に保持されている。以下、外側軌道輪1を外輪1と、内側軌道輪2を内輪2と称する。
外輪1はハウジング11の内径面に圧入されて、そのハウジング11に対して相対回転不能に固定されている。内輪2は、軸部材32の外周に圧入されて、その軸部材32に対して相対回転不能に固定されている。
この実施形態では、転がり軸受21,22,23として、転動体3として円すいころを用いた円すいころ軸受を採用しているが、円すいころ軸受以外の転がり軸受を採用してもよく、また、その転がり軸受21,22,23の並列数は、装置の仕様に応じて自由に設定できる。
オイルポンプ60の作動機構部30は、ポンプケーシング内に互いに相対回転することにより潤滑油を循環経路へ送り出すポンプ用ロータ(図示せず)を備える。ポンプ用ロータは、軸部材32の端部に設けた接続部材31に接続され、これにより、軸部材32の軸周りに回転可能な状態である。ロータへの駆動力は、図示しない駆動源から別途のルートで入力される。
図1に示すように、並列する転がり軸受21,22,23のうち軸方向一方側、すなわち、作動機構部30寄りの2つの転がり軸受21,22は、円すいころの小径側端面同士が軸方向に沿って同じ側、すなわち、作動機構部30の反対側になるように配置されている。
また、並列する転がり軸受21,22,23のうち軸方向他方側、すなわち、作動機構部30から最も遠い転がり軸受23は、円すいころの小径側端面が作動機構部30側になるように配置されている。すなわち、転がり軸受21,22と転がり軸受23とは、円すいころの小径側端面同士が背面合わせになるように配置されている。このため、内側軌道輪2の軌道面2aと外側軌道輪1の軌道面1aとは、3列の転がり軸受21,22,23のうち一方側の二つは、軸方向一方側から他方側へ向かって互いの距離が狭まるように設けられ、他方側の一つは、軸方向一方側から他方側へ向かって互いの距離が拡がるように設けられている。
図1に示すように、軸方向に隣り合う転がり軸受21,22,23同士の間には、間座5,6,7が配置されている。
並列する転がり軸受21,22,23のうち軸方向一方側の2つの転がり軸受21,22の間には、内径側に、両側の内輪2,2の端面に当接する間座5が、外径側に、両側の外輪1,1の端面に当接する間座6が配置されている。
また、並列する転がり軸受21,22,23のうち軸方向他方側の2つの転がり軸受22,23の間には、内径側に、両側の内輪2,2の端面に当接する間座が、外径側に、両側の外輪1,1の端面に当接する間座7が配置されている。図1では、転がり軸受22,23の間における内径側の間座は図示していないが、転がり軸受22,23の周方向に沿って、潤滑油の循環経路13bの外径側の開口部以外の部分に、間座が配置されている。
並列する転がり軸受21,22,23の両端は、軸方向一方側では、軸部材32の端部に設けたフランジ状の接続部材31の端面によって、また、軸方向他方側では、押え部材8の端面によって、軸部材32に対して軸方向へ動かないように固定されている。これらの接続部材31と押え部材8との固定によって、各円すいころ軸受には予圧が付与されている。
転がり軸受21,22,23によってハウジング11に支持された軸部材32は、オイルを送り出すためのポンプ本体に相当するオイルポンプ60内の回転部材である作動機構部30に接続されている。オイルポンプ60は、その駆動によって、外部にある他の作動機構部70に向かって、内部の潤滑油を送り出す機能を備えている。送り出した潤滑油は、潤滑油の経路に沿って流れて各部の作動機構部70を潤滑した後、やがてオイルポンプ60に戻ってくる。
また、このオイルポンプ60においては、ポンプ本体内の作動機構部30と、その作動機構部30に通じる軸部材32を支える転がり軸受ユニット20とが、共通の潤滑用のオイルで潤滑されるようになっている。オイルポンプ60側の作動機構部30と転がり軸受ユニット20側の軸受空間とは、軸方向一方側の転がり軸受21の軸方向一端側の軸受空間の側方開口D、及び、潤滑油用の油路である循環経路12,13を通じて連通している。また、その潤滑油は、ポンプ外の作動機構部70にも送り出される。
この実施形態において、循環経路13は、オイルポンプ側から軸部材32の軸心と同心となるように軸心方向に沿って設けられた軸方向潤滑経路13aと、その潤滑経路13aの端部から半径方向外側へ伸びて、軸部材32の外周面に開口する径方向潤滑経路13bを備える。径方向潤滑経路13bは、転がり軸受22,23の間に挟まれた環状空間Cに開口しているので、この環状空間Cを介して、循環経路13は、軸方向一方側(図中左側)へは転がり軸受21,22の各軸受空間に連通し、軸方向他方側(図中右側)へは転がり軸受23の軸受空間に連通している。
環状空間Cを経て、転がり軸受23の軸受空間を通過した潤滑油は、転がり軸受21の軸方向他端側の軸受空間の開口を通じて、転がり軸受23の軸方向他端側に設けられたハウジング端部空間Bに入り込む。その後、ハウジング11内の外径寄りの部分に形成された潤滑油の循環経路12によって、オイルポンプ60の作動機構部30側へと戻っていく。
循環経路12は、ハウジング端部空間Bから半径方向外側へ伸びる径方向潤滑経路12bと、その径方向潤滑経路12bから軸部材32の軸心方向に沿って設けられた軸方向潤滑経路12aとを備える。
また、環状空間Cを経て、転がり軸受22,21の軸受空間を通過した潤滑油は、転がり軸受21の軸方向一端側の軸受空間の側方開口Dを通じて、オイルポンプ60の作動機構部30側へと戻っていく。
これにより、オイルポンプの作動機構部30と、軸受ユニット20の転がり軸受21,22,23が、共通の潤滑油によって潤滑される。
ところで、転がり軸受21,22,23の軸受空間からは、摩耗粉(鉄粉等)等の金属からなる異物が発生することがある。この異物が、オイルポンプ60の作動機構部30や、ポンプ外の循環経路途中にある他の作動機構部70に侵入することは好ましくない。そこで、転がり軸受21の軸方向一端側の軸受空間の側方開口D、及び、循環経路12の軸方向一端側の開口部12c、すなわち、軸方向潤滑経路12aの開口部12cにシール部材40(以下、実施形態では、円環状のシール部材40を用いているので、これをシールリング40と称する)が取付けられている。
シールリング40は、転がり軸受21の軸方向一端側の軸受空間の側方開口D、及び、循環経路12の軸方向一端側の開口部12cを覆うように、ハウジング11及び外輪1に取付けられる。転がり軸受21の軸方向一端側の軸受空間の側方開口Dは、外輪1と内輪2の軌道面1a,2aに沿って環状に形成されているので、それを覆うシールリング40も環状を成すものとなっている。
図2及び図3に示すように、シールリング40が転がり軸受21の端面に当接した状態とされ、他の転がり軸受22,23や間座5,6,7等とともにハウジング11内に収容される。
シールリング40は、図1〜図4に示すように、その筒軸方向端面41が、外輪1の軸方向一端側の端面1dに当接する円筒状部材からなる円筒部42と、円筒部42の筒軸方向一端部から内径側に向かって立ち上がる壁部43とを備える。
壁部43には、フィルタ46が設けられている。フィルタ46は、貫通穴からなるフィルタ孔46aの集合によって、転がり軸受21,22の軸受空間からの異物の通過を阻止し、潤滑油の通過は許容されるものである。このとき、フィルタ孔46aの内径は、少量あれば、作動機構部30側へ侵入しても影響がない程度の異物の通過は許容されるよう、適宜の寸法に設定される。
この実施形態では、シールリング40は合成樹脂の成形品からなるものとしている。また、シールリング40は、転がり軸受21の軸受空間の側方開口Dに沿う円環状を成し、その円環の周方向に沿って分割された複数の分割シール部材40’が、連結片80によって円環状に接続された連結体である。周方向に隣り合う分割シール部材40’同士は、連結片80により接続される。連結片80も、合成樹脂の成形品からなるものとしている。
この実施形態では、中心角180°を成す2つの分割シール部材40’で円環状のシールリング40を構成しているので、連結片80は、シールリング40の上部と下部の2箇所に位置している。
さらに、シールリング40が、中心角180°の分割シール部材40’を二つ用いた2分割構成だけでなく、例えば、中心角90°の分割シール部材40’を四つ用いることで円環状のシールリング40を構成してもよいし、中心角60°の分割シール部材40’を六つ用いることで円環状のシールリング40を構成してもよい。
また、この実施形態では、シールリング40は、壁部43のフィルタ46用の孔46aを、シールリング40の本体に一体に形成しているが、壁部43のフィルタ46を、シールリング40の本体の部材とは別部材として、その別部材をシールリング40の本体に、嵌め込み固定、埋め込み固定、接着等の種々の手段で固定するようにしてもよい。
シールリング40や連結片80の素材としては、樹脂以外にも、金属、ゴム等の他の素材を採用してもよい。フィルタ46をシールリング40とは別部材とする場合も、フィルタ46の素材として、樹脂、金属、ゴム等の他の素材を用いることができる。
また、連結片80には、シールリング40の円筒部42の外周面に当接する基部81から、転がり軸受21側へ向かって軸方向へ伸びる軸方向部材82が設けられている。
軸方向部材82は、ハウジング11の内径面と外輪1の外径面との間を通って転がり軸受21側へ伸びて、その軸方向部材82が軌道輪や間座等の軸受部材に係合することにより、シールリング40はハウジング11及び外輪1に固定される。
この実施形態では、軸方向部材82は、循環経路12の軸方向潤滑経路12a内を通って軸方向一端側から他端側へ向かって伸びており、その軸方向部材82の先端82aは先細りの形状となっている。このため、ハウジング11内への挿入がスムーズである。また、軸方向部材82の先端寄りには、内径側へ向かって伸びる内径側突出部83を備えている。軸方向潤滑経路12aは、ハウジング11の内径面と外輪1の外径面との間に軸方向に沿って配置される潤滑油用の油路である。
軸方向部材82は、外輪1の外径面に接触しつつ、内径側突出部83が軸受の軌道輪や間座に設けた抜け止め凹部50に入り込むことで、シールリング40の軸方向への移動が規制される。この実施形態では、抜け止め凹部50は、間座6の一端側端面6aと、転がり軸受21の外輪1の肩部、すなわち、外輪1の外径面と軸方向他端側の端面1bとの間の稜線部に形成された曲面状のアール部1cや面取り部とによって構成されている。
間座6は、外輪1の軸方向他端側に隣接して配置される隣接部材である。この隣接部材である間座6は、軸方向に隣り合う転がり軸受21,22の外輪1同士を、軸方向に位置決めする機能を有している。
なお、上記の実施形態では、抜け止め凹部50は、外輪1と間座6(隣接部材)との間に形成したが、この抜け止め凹部50を、外輪1の外径面や間座6の外径面に形成してもよい。また、転がり軸受21に隣接する別の転がり軸受22の外輪1を隣接部材として、その隣接部材の外径面に抜け止め凹部50を形成してもよい。
軸方向潤滑経路12aの軸方向一端側の開口部12cは、側面視円環状を成す転がり軸受21の軸受空間の側方開口Dよりも外径側に位置する。この実施形態では、循環経路12の軸方向潤滑経路12aは2本設けられており、周方向に沿って180°の間隔をおいて2箇所に開口部12cを有しているが、この軸方向潤滑経路12a、開口部12cの数は、必要に応じて増減してもよい。この実施形態の2本の軸方向潤滑経路12aは、ハウジング11の鉛直方向に対して上方側と下方側に位置している。
また、連結片80は、循環経路12内側へ突出する外径側突出部を備える。ここで、軸方向他端側、すなわち、開口部12cから遠い側の外径側突出部を第一の外径側突出部84と称し、軸方向一端側、すなわち、開口部12cに近い側の外径側突出部を第二の外径側突出部90と称する。
第一の外径側突出部84及び第二の外径側突出部90は、軸方向部材82の外面から外径側へ向かって立ち上がり、その外径面84a,90aが循環経路12の内面、すなわち、軸方向潤滑経路12aの内面に当接する。また、第一の外径側突出部84及び第二の外径側突出部90は、軸方向潤滑経路12aの軸方向に沿って、潤滑油を通過させるとともに大きな異物は通過させない隙間を有する通油部84b,90bを備える。
外径面84a,90aは、循環経路12の内壁に当接して連結片80を支持し、通油部84b,90bは、循環経路12から軸受空間外への潤滑油の通路となる。この実施形態の通油部84b,90bはスリット状であり、通油部84b,90bのスリットの幅は、フィルタ46のメッシュサイズと同じか、そのメッシュサイズ以下に設定される。なお、連結片80の幅方向中央付近の通油部84b,90bのスリットの幅は相対的に広く、連結片80の幅方向端部付近の通油部84b,90bのスリットの幅は相対的に狭く設定されている。
この実施形態の通油部84b,90bはスリット状であるが、通油部84b,90bの形状はスリット状のものに限定されず、潤滑油を通過させるとともに、所定の大きさの異物を捕捉する機能があれば、通油部84b,90bを貫通孔やメッシュ等で構成してもよい。
軸方向部材82、第一の外径側突出部84、及び、第二の外径側突出部90は、循環経路12内に入り込んでがたつきなく固定されるよう、その幅(転がり軸受の周方向への幅)は循環経路12の幅(同じく転がり軸受の周方向への幅)と合致している。これにより、シールリング40は、ハウジング11及び外輪1に対して回り止めされる。すなわち、軸方向部材82、第一の外径側突出部84、及び、第二の外径側突出部90は、シールリング40の回り止め手段として機能している。また、連結片80は、シールリング40の軸方向への抜け止めの機能も発揮している。
連結片80には、図4及び図5に示すように、基部81から周方向両側へ伸びる対の支え部85が設けられている。支え部85は、シールリング40の外径面に沿う円筒面状の部材である。各支え部85の先端には、内径側へ突出する係止凸部88a,88bが設けられている。この係止凸部88a,88bが、周方向に隣り合う分割シール部材40’の端部にそれぞれ設けられた係止孔48a,48bに入り込むことで、連結片80は、周方向に隣り合う分割シール部材40’の端部同士を接続する。これにより、分割シール部材40’は円環状の連結体に構成される。なお、係止凸部88a,88bの先端の抜け止め片89(図6(c)参照)は、係止凸部88a,88bが係止孔48a,48bから離脱することを防止する。
また、分割シール部材40’の端部同士は、図6(a)(b)に示すように、壁部43に設けられ互いに対向するカギ状部47a,47bが噛み合っているので、その接続がより強固となっている。また、分割シール部材40’の端部同士で形成される凹部49は、連結片80によって塞がれる。
このような構成としたことにより、転がり軸受21,22,23の軸受空間からの潤滑油は、シールリング40に設けたフィルタ46の孔46aや、循環経路12内の孔や隙間を通過して、軸受空間外へ流出する。このため、作動機構部30、70の動作に影響が出るような大きな異物(金属からなる摩耗粉の他、特に剥離片等)は、作動機構部30、70側へは侵入しない。また、連結片80によって、シールリング40が外輪1にしっかりと固定されているので、シールリング40と外輪1等との間に、異物を流出させるような隙間が生じることを防止できる。
シールリング40に設けられるフィルタ46の孔46a周辺と、連結片80の循環経路12内に臨む面には、それぞれ金属片等の異物の付着を検出する異物検知装置のセンサ部101,102を備えている。センサ部101,102としては、例えば、対の電極101a,102a間に異物が介在することにより、その異物が電極101a,102a間を短絡した際の電気的出力の変化によって、異物の存在を検知する電気式センサを採用することができる。
異物検知装置の構成は、対向して配置した対の電極101a,102aからそれぞれケーブル(配線)103が伸びて電源に至る電気回路104と、対の電極101a,102a間への金属からなる異物の付着に伴う電気回路104の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる異物の状態を検知する出力検出装置100とを備えている。
フィルタ46に設けられるセンサ部(フィルタ用センサ)101は、対の電極101aが、フィルタ46の軸受空間内に臨む面に配置されている。このため、センサ部101は、軸受空間内に滞留する異物を検知することができる。ただし、転がり軸受ユニットやそれを含む装置の仕様によっては、潤滑油の流れ方向に応じて、対の電極101aを、フィルタ46の軸受空間外に臨む面に配置してもよい。
連結片80に設けられるセンサ部(連結片用センサ)102は、対の電極102aが、連結片80における循環経路12内(油路12内)に臨む面に配置されている。このため、センサ部102は、循環経路12内に滞留する異物を検知することができる。
ここで、連結片80のセンサ部102は、第一の外径側突出部84と第二の外径側突出部90の間に配置されている。異物の捕捉機能を備える二つの外径側突出部に挟まれた空間は、潤滑油の流れが比較的緩やかなエリアであるので、その緩やかな流れの環境下で、異物が対の電極間102a間に導かれやすいという効果がある。潤滑油中に浮遊する異物がセンサ部102に落下するには、ある程度の時間が必要だからである。
この実施形態では、循環経路12の内壁に当接する外径側突出部を二つ備えたが、三つ以上の外径側突出部を軸方向に沿って備える態様を採用することもできる。基本的に、センサ部102の対の電極102aは、循環経路12に臨む箇所であれば、いずれの位置に設置してもよいが、上記のように、外径側突出部を軸方向に沿って複数備える場合には、センサ部102の対の電極102aは、開口部12cから最も遠い側に位置する外径側突出部よりも開口部12c側に配置されることが望ましい。
また、循環経路12の内壁に当接する外径側突出部を一つだけ備える態様の場合は、センサ部102の対の電極102aは、その一つの外径側突出部よりも開口部12c側に配置されることが望ましい。
また、この実施形態では、センサ部102の対の電極102aを備える連結片80は、ハウジング11の鉛直方向に対して上側と下側に位置する循環経路12にそれぞれ配置されている。ハウジング11の鉛直方向上側の循環経路12内の連結片80は、センサ部102を上向きに備えているので、潤滑油中に浮遊する異物はその自重で沈降してセンサ部102に向かいやすい。また、ハウジング11の鉛直方向下側の循環経路12内の連結片80は、センサ部102を下向きに備えているが、この位置にもセンサ部102を設けることで、異物検知の精度をさらに高めることができる。
これらのセンサ部101,102の対の電極101a,102a間に、フィルタ46の孔46aや、連結片80の通油部84a,90aを通過できない大きさの金属からなる異物が付着することに伴って、その対の電極101a,102aからケーブル103を通じて接続された出力検出装置100は、対の電極101a,102a間の異物を介した導通によって、電気回路104の電気的出力の変化を検出し、潤滑油に含まれる金属からなる異物の状態(含有量)を検知することができる。
対の電極101a,102aに接続されたケーブル103は、基板等を経由してハウジング11外に引き出されて、そのケーブル103に接続された出力検出装置100がいずれかの部分に設けられる。シールリング40外にケーブル103を引き出すためのセンサ孔は、例えば、シールリング40の円筒部42や壁部43等に設けることができる。
この実施形態のように、連結片80に異物検知装置のセンサ部102を設けたことにより、潤滑油中の異物の検知に対する信頼性が高まることで、外径側突出部に設けられる通油部84a,90aの幅や径を従来よりも拡張することができる。これにより、循環経路12における潤滑油の流れが促進されて、その潤滑性能を高めることができる。また、フィルタ46と連結片80の2箇所での異物の検知によって、従来のように、シールリング40のフィルタ46のみにセンサ部を設置した場合に比べて、異物の検知に対する信頼性をさらに向上させることができる。
上記の実施形態では、シールリング40にフィルタ46を設けたが、フィルタ46を備えないシールリング40においても、この発明の内容を適用できる。また、分割シール部材40’や連結片80を用いた分割型のシールリング40以外にも、分割型ではない一体型の円環状のシールリング40においても、この発明の内容を適用できる。分割型ではない一体型の円環状のシールリング40の場合、連結片80は、シールリング40を、ハウジング11や外輪1に対して回り止め、あるいは、抜け止め機能を発揮させるために設置することとなる。
この発明のシール部材は、実施形態以外の各種の転がり軸受ユニットにも適用できる。さらに、そのシール部材を備えた転がり軸受ユニットは、オイルポンプ60以外の各種装置にも適用できる。特に、この発明の転がり軸受は、転がり軸受から発生する摩耗粉(鉄粉等)等の異物が、潤滑油の循環経路の途中にある作動機構部70に侵入することを防ぐ必要がある種々の装置に適用できる。
1 外輪(外側軌道輪)
1b 端面
1c アール部
2 内輪(内側軌道輪)
3 転動体
4 保持器
5,6,7 間座
6a 端面
8 押え部材
10 オイルポンプ装置
11 ハウジング
12,13 循環経路
20 軸受ユニット
21,22,23 転がり軸受
30 作動機構部
31 接続部材
32 軸部材
40 シールリング(シール部材)
40’ 分割シール部材
46 フィルタ
50 抜け止め凹部
60 オイルポンプ
70 作動機構部
80 連結片
81 基部
82 軸方向部材
83 内径側突出部
84 第一の外径側突出部
85 支え部
90 第二の外径側突出部
100 出力検出装置
101 センサ部(フィルタ用センサ)
101a 電極
102 センサ部(連結片用センサ)
102a 電極
103 ケーブル(配線)
104 電気回路

Claims (6)

  1. ハウジング内に固定される外輪と、
    前記外輪に対向する内輪と、
    前記外輪と前記内輪との間の軸受空間に配置される転動体と、
    前記外輪の軸方向一端側に取り付けられて前記軸受空間の側方開口を覆う円環状のシール部材と、
    前記ハウジングの内径面と前記外輪の外径面との間に軸方向に沿って配置され前記軸受空間外への開口部を有する潤滑油用の油路と、
    前記開口部から前記油路内に入り込み前記シール部材を前記外輪又は前記ハウジングに固定する連結片と、
    対向して配置した対の電極からそれぞれ配線が伸びて電源に至る電気回路と、
    前記対の電極間への金属からなる異物の付着に伴う前記電気回路の電気的出力の変化を検出することによって潤滑油に含まれる異物の状態を検知する出力検出装置と、
    を備え、
    前記対の電極は、前記連結片の前記油路内に臨む面に配置される転がり軸受ユニット。
  2. 前記シール部材に前記軸受空間の内外間の異物の流通を阻止するフィルタを備え、
    前記対の電極は、前記フィルタの前記軸受空間内に臨む面又は前記軸受空間外に臨む面に配置される請求項1に記載の転がり軸受ユニット。
  3. 前記連結片は、前記油路の内壁に当接する外径側突出部を一つ備え、
    前記対の電極は、前記外径側突出部よりも前記開口部側に配置される
    請求項1又は2に記載の転がり軸受ユニット。
  4. 前記連結片は、前記油路の内壁に当接する外径側突出部を複数備え、
    前記対の電極は、前記開口部から最も遠い側に位置する前記外径側突出部よりも前記開口部側に配置される
    請求項1又は2に記載の転がり軸受ユニット。
  5. 前記シール部材は、周方向に沿って分割された複数の分割シール部材が前記連結片によって接続されて円環状の連結体となっている
    請求項1〜4のいずれか一つに記載の転がり軸受ユニット。
  6. 前記油路は前記ハウジングの鉛直方向上側に配置され、
    前記対の電極を備える前記連結片は、鉛直方向上側の前記油路に入り込む
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の転がり軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111080607A (zh) * 2019-12-12 2020-04-28 哈尔滨市科佳通用机电股份有限公司 一种基于图像识别的滚动轴承甩油故障检测方法

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