JP2018145868A - オイルポンプ - Google Patents

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秀樹 中野
Hideki Nakano
秀樹 中野
賢司 青木
Kenji Aoki
賢司 青木
一史 奥田
Kazunori Okuda
一史 奥田
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Abstract

【課題】オイルポンプの機械効率を低下させることなく、異常な高圧を防いで振動や騒音の発生を防ぐ。【解決手段】ケーシング2の内部空間5を形成する、アウターロータ6の底面が摺接する軸方向の一方の内周面にオイル吐出ポート4に連通するノッチ溝9を形成する。このノッチ溝9を、1つの閉じ込み部8が吸入行程を終えた段階から所定ピッチ回転した段階で閉じ込み部に連通する第1ノッチ溝9aと、この第1ノッチ溝9aに連続して第1ノッチ溝9aよりも深く且つオイル吐出ポート4の深さよりも浅い第2ノッチ溝9bと第2ノッチ溝9bに連続し、第2ノッチ溝9bよりも浅く、オイル吐出ポート4に連通可能な第3ノッチ溝9cを備えた3段階の深さに構成する。第1ノッチ溝9aをアウターロータ6の厚さに対して0.8%以上2.0%以下の深さとし、第2ノッチ溝9bをアウターロータ6の厚さに対して4.0%以上35%以下の深さとする。【選択図】図1A

Description

本発明は、自動車エンジン用のオイルポンプに関し、特にインナーロータとアウターロータとの間の閉じ込み部の容積変化によりポンプ作用を行うものに関する。
従来より、図5A〜図5Eに示すように、オイル吸入ポート103とオイル吐出ポート104とを有するロータ室105と、アウターロータ106とインナーロータ107とを備えたオイルポンプ101が知られている。特に自動車用のオイルポンプ101では、オイル(作動油、潤滑油)中に空気の気泡Bを多数含んだ状態で使用される。自動車の運転や作動機器の運動により、オイル中に気泡Bが混入し撹拌されるためである。
オイル中に気泡Bが多数存在すると、オイルを吸入するときには負圧になっているため、図5Aに示すように、気泡Bが膨張して吸入充填を抑制し、充填率が不充分な状態で吸入行程が終了する。
吸入路と、閉じ込み路と、外歯107aを有するインナーロータ107と、内歯106aを有するアウターロータ106とで形成される閉じ込み部108は、吸入が終了した時点で負圧となり、インナーロータ107の回転と、それに従動するアウターロータ106の回転により、図5B〜図5D並びに図3の破線で示すように、閉じ込み部108内の圧力は大きく変動する。そして、図5Eに示すように、オイル吐出ポート104につながると高圧オイルが急激に流入し、水撃作用と同じ現象が生じ、異常な高圧が発生して振動及び騒音を悪化させる。
そこで、例えば、特許文献1のオイルポンプでは、吐出ポートの始端部側で且つアウターロータの回転による歯底部位置の軌跡円周上に形成された浅溝を備え、吸入ポートの終端部と吐出ポートの始端部との間の間仕切部とアウターロータとインナーロータとにて形成される密封空間が最大から減少した状態で、この密封空間が浅溝に連通されるようになっている。
また、特許文献2のトロコイドオイルポンプでは、浅溝よりなるハウジング溝をアウターロータの外周まで拡大し、ロータ溝(放射溝)をアウターロータも歯底部よりも径方向側に向かって形成している。
特開2005−42689号公報 特開昭61−138893号公報(特に図7)
特許文献2のように、放射溝をアウタロータに設ける場合、アウタロータの回転のための隙間等が原因でオイルが放射溝から漏れてしまって供給油量が減り、機械効率が低下する可能性がある。一方で、特許文献1のものでは、浅溝での圧力コントロールが十分に行えていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械効率を低下させることなく、異常な高圧を防いで振動や騒音の発生を防ぐことにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、閉じ込み部の圧力をノッチ溝を介して徐々に上昇させて異常な高圧の発生を防止するようにした。
具体的には、第1の発明では、オイル吸入ポートと、オイル吐出ポートと、これらオイル吸入ポート及びオイル吐出ポートに連通する内部空間を有するケーシングと、
上記内部空間に回転可能に収容される、所定の歯数の内歯を備えたアウターロータと、
上記アウターロータの内歯に内側から噛み合う外歯を上記内歯の歯数よりも1つ少なく有し、該アウターロータの内側に該アウターロータとは偏心した軸を中心に回転可能に収容され、上記アウターロータとの間に複数の閉じ込み部を形成するインナーロータとを備えたオイルポンプであって、
上記オイル吸入ポートの終端部と上記オイル吐出ポートの始端部との間は、所定の間隔が空けられ、
上記オイル吸入ポートの終端部と上記オイル吐出ポートの始端部との間における、上記ケーシングの上記内部空間を形成する、アウターロータの摺接する軸方向の一方の内周面には、ノッチ溝が形成され、
上記ノッチ溝は、1つの上記閉じ込み部が吸入行程を終えた段階から所定ピッチ回転した段階で該閉じ込み部に連通する第1ノッチ溝と、該第1ノッチ溝に連続して該第1ノッチ溝よりも深く且つ上記オイル吐出ポートの深さよりも浅い第2ノッチ溝とを備えた少なくとも2段階の深さに構成されており、
上記第1ノッチ溝は、上記アウターロータの厚さに対して0.8%以上2.0%以下の深さで、
上記第2ノッチ溝は、上記アウターロータの厚さに対して4.0%以上35%以下の深さである。
上記の構成によると、オイル吐出ポートに連通するノッチ溝の深さを2段階とすることで、ノッチ溝と閉じ込み部との間での高圧オイルの出入りを制限することができる。より深い第2ノッチ溝内に溜められた高圧オイルを閉じ込み部に徐々に供給することで、オイル吐出ポートに連通した際に急激に閉じ込み部に流れ込むのを防ぎ、水激作用と同じ現象の発生が防止される。また、第1ノッチ溝をアウターロータの厚さに対して0.8%よりも浅くすると、絞りすぎでオイル吐出ポートからの高圧オイルが閉じ込み部へ適切に流れ込まず、2.0%よりも深くすると、急激に高圧オイルが閉じ込み部に流れ込んで圧力変動が抑制できない。また、第2ノッチ溝をアウターロータの厚さに対して4.0%よりも浅くすると、第1ノッチ溝へ高圧オイルが適切に流れ込まず、35%よりも深くすると、高圧オイルが第1ノッチ溝に流れ込みすぎて圧力変動を抑制できない。しかし、上記の構成のように第1ノッチ溝及び第2ノッチ溝の深さを適切な範囲とすることで、閉じ込み部内の圧力変動を効果的に抑えることができる。オイル吸入ポートの終端部とオイル吐出ポートの始端部との間の所定の間隔は、例えば、内歯の間隔である内歯ピッチの1.1倍以上1.2倍以下の間隔である。
第2の発明では、第1の発明において、
上記ノッチ溝は、上記第2ノッチ溝に連続し、該第2ノッチ溝よりも浅く、上記オイル吐出ポートに連通可能な第3ノッチ溝を有する。
上記の構成によると、第2ノッチ溝よりも浅い第3ノッチ溝を介してオイル吐出ポートとノッチ溝とを連通させることで、オイル吐出ポートから必要以上のオイルがノッチ溝を介して閉じ込み部に流れ込むのが防止され、閉じ込み部の内部での急激な圧力変化が避けられる。
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記第3ノッチ溝は、平面視で上記オイル吐出ポートの始端部に交差するように半径方向内側へ湾曲している。
上記の構成によると、オイル吐出ポートから閉じ込み部へオイルが適切に流れ込む。
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、
上記第1ノッチ溝は、1つの上記閉じ込み部が吸入行程を終えた段階から上記内歯ピッチの0.02倍以上0.06倍以下進んだ位置で上記閉じ込み部に連通するように形成されている。
上記の構成によると、第1ノッチ溝と閉じ込み部とを連通するタイミングを適切に設定することで、閉じ込み部の圧力を徐々に上昇させて水激作用と同じ現象の発生を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、ケーシングの内部空間を形成する、アウターロータの摺接する軸方向の一方の内周面にノッチ溝を形成し、このノッチ溝を1つの閉じ込み部が吸入行程を終えた段階から所定ピッチ回転した段階で閉じ込み部に連通する第1ノッチ溝と、これに連続してこれよりも深く且つオイル吐出ポートの深さよりも浅い第2ノッチ溝との2段階の深さに構成し、第1ノッチ溝をアウターロータの厚さに対して0.8%以上2.0%以下の深さとし、第2ノッチ溝をアウターロータの厚さに対して4.0%以上35%以下の深さとしたことにより、従来のように放射溝からオイル漏れが発生せず、機械効率を低下させることなく、閉じ込み部内での異常な高圧を防いで振動や騒音の発生を防ぐことことができる。
本発明の実施形態に係るオイルポンプにおいて、吸入行程が終了した状態のアウターロータ、インナーロータ及びその周辺が見えるようにした平面図及びノッチ溝を示す軸方向断面図である。 ノッチ溝連通直前を示す図1A相当平面図である。 0.084ピッチ進んだ状態を示す図1A相当平面図である。 吐出行程直前を示す図1A相当平面図及び軸方向断面図である。 オイル吐出ポートに連通した状態を示す図1A相当平面図である。 カバーを外して内部が見えるようにしたオイルポンプを示す平面図である。 インナーロータ及びアウターロータを取り出して示す平面図である。 ノッチ溝がある本発明の実施形態に係るオイルポンプと、ノッチ溝がない従来(比較例)のオイルポンプの閉じ込み部内の圧力変動を示すグラフである。 ノッチ溝がある場合とない比較例の周波数と振動加速度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態の比較例に係るオイルポンプにおいて、吸入行程が終了した状態のアウターロータ、インナーロータ及びその周辺が見えるようにした平面図である。 ノッチ溝連通直前を示す図5A相当平面図である。 0.084ピッチ進んだ状態を示す図5A相当平面図である。 吐出行程直前を示す図5A相当平面図である。 ノッチ溝連通終了を示す図5A相当平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2Aは本発明の実施形態のオイルポンプ1を示し、このオイルポンプ1は、例えば鋳物製のケーシング2を備えている。なお、図2Aでは、円板状のカバー2aを省略している。このケーシング2には、オイル吸入ポート3と、オイル吐出ポート4と、これらオイル吸入ポート3及びオイル吐出ポート4に連通する断面円形の内部空間5とを有する。この内部空間5には、所定の歯数(本実施形態では11)の内歯6aを備えたアウターロータ6が回転可能に収容されている。
図2Bにも示すように、アウターロータ6の内側には、インナーロータ7が配置されている。インナーロータ7は、内歯6aに内側から噛み合う外歯7aを内歯6aの歯数(N+1)よりも1つ少なく有し(歯数N)、このアウターロータ6の内側にアウターロータ6の軸の中心Ooutとは偏心した軸の中心Oinを中心に回転可能に収容され、アウターロータ6との間に複数の閉じ込み部8を形成する役割を果たす。インナーロータ7は、例えば、図示しないエンジンのクランク軸に連結されている。すなわち、インナーロータ7がOinを中心にエンジンに駆動され、そのインナーロータ7によって、アウターロータ6がOoutを中心に従動的に駆動されるようになっている。
図1Aに示すように、オイル吸入ポート3の終端部3aとオイル吐出ポート4の始端部4aとの間は、例えば、内歯6aの間隔である内歯6aピッチPの1.1倍以上1.2倍以下の間隔θ0が空けられている(1.1≦θ0≦1.2)。
そして、図1Aに一部を断面で示すように、ケーシング2の内部空間5を形成する、アウターロータ6のオイル吐出ポート4と反対側の面が摺接するカバー2aの内周面には、ノッチ溝9が形成されている。ノッチ溝9は、エンドミルなどで加工され、1つの閉じ込み部8が吸入行程を終えた段階から所定ピッチ回転した段階で閉じ込み部8に連通する第1ノッチ溝9aと、この第1ノッチ溝9aに連続して第1ノッチ溝9aよりも深く且つオイル吐出ポート4の深さよりも浅い第2ノッチ溝9bと、第2ノッチ溝9bに連続し、この第2ノッチ溝9bよりも浅く、オイル吐出ポート4に連通可能な第3ノッチ溝9cを備えた3段階の深さに構成されている。なお、図1A〜図1Eでは、カバー2aを省略し、ノッチ溝9は、破線で示している。
ここで、第1ノッチ溝9aの深さH1は、アウターロータ6の厚さH0に対して0.8%以上2.0%の深さ(0.008H0≦H1≦0.02H0)である。第2ノッチ溝9bの深さH2は、アウターロータ6の厚さH0に対して4.0%以上35%の深さ(0.04H0≦H1≦0.35H0)である。第3ノッチ溝9cの深さH1は、アウターロータ6の厚さH0に対して0.8%以上2.0%の深さ(0.008H0≦H1≦0.02H0)である。第3ノッチ溝9cは、平面視でオイル吐出ポート4の始端部4aに交差するように半径方向内側へ湾曲している。
例えば、アウターロータ6の厚さH0=12mmで、第1ノッチ溝9aの深さH1が0.2mm(H0の1.7%)、第2ノッチ溝9bの深さH2=0.5mm(H0の4.2%)で、第3ノッチ溝9cの深さH3=0.5mm(H0の6.7%)で、吐出ポート4の入口の深さH3=0.8mm(H0の6.7%)とする。
詳しくは後述するが、本実施形態では、第1ノッチ溝9aは、1つの閉じ込み部8が吸入行程を終えた段階から内歯ピッチの0.02倍以上0.06倍以下進んだ位置θ1(0.02P≦θ1≦0.06P)で閉じ込み部8に連通するように形成されている。
図1Dに拡大して示すように、閉じ込み部8がオイル吐出ポート4に連通する直前において、平面視で、第1ノッチ溝9aと閉じ込み部8とが連通する領域の面積S1は、閉じ込み部8の面積S0に対して0.2倍以上0.4倍以下である(0.2S0≦S1≦0.4S0)。そして、第3ノッチ溝9cの下流側は湾曲し、平面視でオイル吐出ポート4の始端部4aに交差している。
そして、1つの閉じ込み部8がオイル吐出ポート4に向かって回転するにつれて、平面視で第1ノッチ溝9aと閉じ込み部8とが連通する領域の面積S1は、この閉じ込み部8の面積S0に対して徐々に大きくなるように構成されている。
次に、本実施形態に係るオイルポンプ1の作動について説明する。
図1Aに示すように、吸入行程を終えた状態では、吸入負圧のためにオイル内の気泡Bが膨張し、閉じ込み部8にオイルを十分に充填できない。
次いで、図1Bに示すように、約0.04Pの位置θ1(0.02P≦θ1≦0.06P)で第1ノッチ溝9aと閉じ込み部8とが連通し始め、気泡Bに邪魔されることなく、閉じ込み部8内の圧力が徐々に上昇する。このとき、まず第3ノッチ溝9cが浅くなっているので、オイル吐出ポート4から必要以上に大量のオイルが流れ込まず、より深い第2ノッチ溝9bに溜められる。そして、第2ノッチ溝9bよりも浅い第1ノッチ溝9aで絞られるようにして閉じ込み部8にオイルが適度に流れ込む。
次いで、図1Cに示すように、例えば約0.084Pの位置では、閉じ込み部8からノッチ溝9内へオイルが流出し、図3に実線で示すように、ゲージ圧がいったん低下する。このときも、第1ノッチ溝9a及び第3ノッチ溝9cが浅くなっているので、必要以上にオイルの行き来が発生しない。
次いで、さらに回転が進むと、閉じ込み部8の容積が縮小することで圧力が上昇していくが、ノッチ溝9と連通しているので、図3に実線で示すように圧力の上昇が抑えられる。
次いで、図1Dに示すように、カバー吐出口直前(0.1〜0.2P)以降では、気泡Bは、ほぼ消失しており、急激な負圧も発生しないことから、オイル吐出ポート4からの急激なオイルの流入は抑制され、油圧脈動及び機械振動が低減される。
次いで、図1Eに示すように、ノッチ溝9の終端位置に近付く頃でもノッチ溝9と閉じ込み部8とは連通している。
このサイクルが、次の閉じ込み部8でも同様に行われる。
本実施形態では、オイル吐出ポート4に連通するノッチ溝9の深さを第1ノッチ溝9aとそれよりも深い第2ノッチ溝9bと第2ノッチ溝9bよりも浅い第3ノッチ溝9cの3段階とし、また、閉じ込み部8とノッチ溝9との間でオイルが流通する部分の平面視の面積S1を大きすぎず小さすぎない適切な大きさとしたので、第1ノッチ溝9a及び第3ノッチ溝9cに絞られながら第2ノッチ溝9bに蓄えられたオイルが閉じ込み部8に流れ込み、閉じ込み部8での急激な圧力の変動が防止される。
さらに、第1ノッチ溝9aに連通するタイミングを適切に設定することで、水激作用と同じ現象の発生を防いで閉じ込み部8の圧力が急激に上昇しないようにすることができる。
次いで、比較例としてノッチ溝9がない場合で他の構成は同じオイルポンプにおけるゲージ圧の変化を調べた結果を図3に破線で示す。この比較例では、吸入終わりの時点で吸入負圧のため気泡が膨張し、図3に破線で示すように、閉じ込み部にオイルが充填できないために圧力の立ち上がりが遅れる。図6A及び図6Bでは、図1A及び図1Bと同様に気泡Bが発生しているが、0.084P進んだ辺りの図6Cでは、気泡Bは図1Cのようには減少しておらず、図3に見られるように、圧力は上昇し続けている。0.14P進んだ図6Dにおいても気泡Bが残存しており、図3に見られるように、圧力は急激に上昇している。
そして、比較例では、閉じ込み部108の圧力が低いまま、オイル吐出ポート104につながるので、大きな圧力差のためオイル吐出ポート104から急激にオイルが流入し、油圧脈動及び機械振動を起こす。
しかし、本実施形態では、図3に実線で示すように、ノッチ溝9の作用により閉じ込み部8内のゲージ圧は極力抑えられている。このことで、図4に示すように、加速度及び騒音効果としては、比較例に比べて単体で3dB改善された。なお、第1ノッチ溝9aの連通位置を内歯6aピッチPの0.03倍よりも近付けると、閉じ込み部8内のオイルがオイル吸入ポート3に逆流しやすくなり、また、0.05倍よりも離れてしまうと、ノッチ溝9の領域が狭くなりすぎるおそれがある。
したがって、本実施形態に係るオイルポンプ1によると、オイル漏れが発生せず、機械効率を低下させることなく、異常な高圧を防いで振動や騒音の発生を防ぐことことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、ノッチ溝9はカバー2aに設けたが、ケーシング2側に設けてもよい。すなわち、ケーシング2の内部空間5を形成する、アウターロータ6の底面が摺接する内周面にオイル吐出ポート4に連通するノッチ溝9を形成してもよい。この場合、ノッチ溝9の加工時にオイル吐出ポート104の始端部4aとの位置関係を調整しやすい。
上記実施形態では、ノッチ溝9に第3ノッチ溝9cを設けたが、この第3ノッチ溝9cのない、第1ノッチ溝9aと第2ノッチ溝9bのみからなるノッチ溝9で構成してもよい。この場合は、第2ノッチ溝9bがオイル吐出ポート4と連通しないので、第2ノッチ溝9bがオイルを貯留するアキュムレータの役割を果たし、第1ノッチ溝9aが絞りを与えてノッチ溝9と閉じ込み部8との間の急激なオイルの出入りを防止する役割を果たす。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 オイルポンプ
2 ケーシング
2a カバー
3 オイル吸入ポート
3a 終端部
4 オイル吐出ポート
4a 始端部
5 内部空間
6 アウターロータ
6a 内歯
7 インナーロータ
7a 外歯
8 閉じ込み部
9 ノッチ溝
9a 第1ノッチ溝
9b 第2ノッチ溝
9c 第3ノッチ溝

Claims (4)

  1. オイル吸入ポートと、オイル吐出ポートと、該オイル吸入ポート及びオイル吐出ポートに連通する内部空間を有するケーシングと、
    上記内部空間に回転可能に収容される、所定の歯数の内歯を備えたアウターロータと、
    上記アウターロータの内歯に内側から噛み合う外歯を上記内歯の歯数よりも1つ少なく有し、該アウターロータの内側に該アウターロータとは偏心した軸を中心に回転可能に収容され、上記アウターロータとの間に複数の閉じ込み部を形成するインナーロータとを備えたオイルポンプであって、
    上記オイル吸入ポートの終端部と上記オイル吐出ポートの始端部との間は、所定の間隔が空けられ、
    上記オイル吸入ポートの終端部と上記オイル吐出ポートの始端部との間における、上記ケーシングの上記内部空間を形成する、アウターロータの摺接する軸方向の一方の内周面には、ノッチ溝が形成され、
    上記ノッチ溝は、1つの上記閉じ込み部が吸入行程を終えた段階から所定ピッチ回転した段階で該閉じ込み部に連通する第1ノッチ溝と、該第1ノッチ溝に連続して該第1ノッチ溝よりも深く且つ上記オイル吐出ポートの深さよりも浅い第2ノッチ溝とを備えた少なくとも2段階の深さに構成されており、
    上記第1ノッチ溝は、上記アウターロータの厚さに対して0.8%以上2.0%以下の深さで、
    上記第2ノッチ溝は、上記アウターロータの厚さに対して4.0%以上35%以下の深さである
    ことを特徴とするオイルポンプ。
  2. 請求項1に記載のオイルポンプにおいて、
    上記ノッチ溝は、上記第2ノッチ溝に連続し、該第2ノッチ溝よりも浅く、上記オイル吐出ポートに連通可能な第3ノッチ溝を有する
    ことを特徴とするオイルポンプ。
  3. 請求項2に記載のオイルポンプにおいて、
    上記第3ノッチ溝は、平面視で上記オイル吐出ポートの始端部に交差するように半径方向内側へ湾曲している
    ことを特徴とするオイルポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のオイルポンプにおいて、
    上記第1ノッチ溝は、1つの上記閉じ込み部が吸入行程を終えた段階から上記内歯のピッチの0.02倍以上0.06倍以下進んだ位置で上記閉じ込み部に連通するように形成されている
    ことを特徴とするオイルポンプ。
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