JP2018145606A - 地下水利用システム - Google Patents

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    • Y02E10/10Geothermal energy

Abstract

【課題】地下水位を低下するために揚水された地下水を有効利用することができる地下水利用システムを提供する。【解決手段】地下水位を低下させる対象地盤Gに対して略鉛直状に埋設され、その上方開口部21が地上に対して開放し、下方に対象地盤Gの地下水Wを内部に流入するストレーナ部22が設けられた中空筒状のケーシング管2と、ケーシング管2内の地下水Wを地上側に揚水して対象地盤Gの地下水位を低下させる揚水ポンプ3と、揚水ポンプ3で揚水した地下水が流れる流路4と、流路4を流れる地下水Wとの間で熱交換を行うヒートポンプ(熱交換器)5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、地下水利用システムに関し、特に、地下水位を低下させて工事を行う際に地上に排出される地下水を利用する地下水利用システムに関する。
従来、土木建築構造物の基礎や地下構造物等を構築する際に、地下水を汲み上げて工事箇所の地下水位を低下させる地下水位低下装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この地下水位低下装置は、地盤に鉛直に埋設され地盤中の地下水を内部に通水させる通水部が形成された井戸ケーシング管と、井戸ケーシング管の内部に集水される地下水を排水するための水中ポンプと、水中ポンプで吸水した地下水を地上まで排水するための揚水管と、揚水量を調整するための揚水バルブとを備えている。
この地下水位低下装置では、揚水バルブを開くと、水中ポンプから吸水された井戸ケーシング管の内部の地下水が揚水管を通過して地上に排水され、井戸ケーシング管内の地下水位が低下する。
また、井戸ケーシング管内の地下水位が低下すると、地盤中の地下水位との差により地盤中の地下水が井戸ケーシング管に形成された通水部を介して内部に集水され、この集水された地下水が水中ポンプから吸水されて地上に排水される。このように、井戸ケーシング管の内部の地下水を地上に排出することにより地盤中の地下水位を低下させている。
特開2007−100401号公報
しかしながら、上述したような地下水位低下装置により揚水された地下水は、利用されることなく下水道に排出されるため、この揚水された地下水を有効利用することが求められている。
本発明の目的は、地下水位を低下するために揚水された地下水を有効利用することができる地下水利用システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の地下水利用システムは、地下水位を低下させる対象地盤に対して略鉛直状に埋設され、その上方開口部が地上に対して開放し、下方に前記対象地盤の地下水を内部に流入するストレーナ部が設けられた中空筒状のケーシング管と、前記ケーシング管内の地下水を地上側に揚水して前記対象地盤の地下水位を低下させる揚水ポンプと、前記揚水ポンプで揚水した地下水が流れる流路と、前記流路を流れる地下水との間で熱交換を行う熱交換器と、を備えることを特徴とする。
本発明の地下水利用システムは、前記熱交換器は、前記熱交換により得られた熱エネルギーを所定の建物に設置された空調機に供給することを特徴とする。
本発明の地下水利用システムは、前記揚水ポンプで揚水した地下水を、所定の建物に電力を供給する太陽光発電装置の太陽電池を覆う太陽光パネルを洗浄する洗浄ノズルへ供給する洗浄水供給路を更に備えることを特徴とする。
本発明の地下水利用システムは、前記揚水ポンプで揚水した地下水を雑用水として供給する雑用水供給路を更に備えることを特徴とする。
本発明の地下水利用システムは、前記ケーシング管の上方開口部を閉塞した閉塞ケーシング管と、前記閉塞ケーシング管内に配設され、当該閉塞ケーシング管内の地下水と熱交換を行う熱交換媒体が流れる採熱管と、前記閉塞ケーシング管内の地下水との熱交換により得られた熱エネルギーを、所定の構造物に設置された空調機に供給する採熱用熱交換器と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、地下水位を低下するために揚水された地下水を有効利用することができる。
本発明の実施形態に係る構造物を建設中の建設現場における地下水利用システムを示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る構造物の建設後における地下水利用システムを示す概略構成図である。 図2の地下水利用システムにおける埋設管内の熱交換媒体への地下水の熱伝達状態を説明するための図である。 図2の地下水利用システムにおける埋設管の第1の変形例を示す斜視図及び断面図である。 図2の地下水利用システムにおける埋設管の第2の変形例を示す斜視図及び断面図である。
以下、本発明の地下水利用システムの実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
はじめに、図1を参照して、本発明の実施形態に係る地下水利用システムについて説明する。なお、本発明の実施形態では、構造物を建設中の建設現場において利用される地下水利用システムと、構造物が完成した後において利用される地下水利用システムについて説明する。
[1.構造物を建設中の建設現場において利用される地下水利用システム]
まず、図1を参照して、構造物を建設中の建設現場において利用される地下水利用システムについて説明する。図1は、構造物を建設中の建設現場において利用される地下水利用システム1を示す概略構成図である。
図1に示すように、建設中の構造物BLの建設現場において利用される地下水利用システム1は、地下水位を低下させる対象地盤Gに対して略鉛直状に埋設されたケーシング管2と、ケーシング管2内の地下水Wを地上側に揚水する揚水ポンプ3と、揚水ポンプ3で揚水した地下水Wが流れる流路4と、流路4を流れる地下水Wとの間で熱交換を行うヒートポンプ(熱交換器)5とを備えている。
ケーシング管2は、鋼製又はステンレス製等の中空筒状であり、地下水位を低下させる対象地盤Gを支持する山留めRの内側に対象地盤Gの地表から地盤に向けて掘削した掘削孔Hに埋設されている。掘削孔Hの径は、例えば500mm〜600mmであり、ケーシング管2の径は、例えば300mm〜400mmである。また、掘削孔H及びケーシング管2の長手方向Xの長さは、例えば30m〜40mである。
上記の掘削孔Hとケーシング管2の外周面との間には、フィルター層6が設けられている。このフィルター層6は、砕石からなり、地下水Wが流入可能な透水性を有している。砕石の大きさは、例えば後述するケーシング管2のストレーナ部22を通過することがない、例えば粒径が2mm〜3mmの砕石であることが好ましい。
このケーシング管2は、長手方向Xにおける上方には地上に対して開放した開口部21が設けられており、長手方向Xにおける下方には対象地盤Gの地下水Wを内部に流入するストレーナ部22が設けられている。ストレーナ部22は、例えば、複数のスリット状の貫通孔をメッシュ材で覆う、あるいはコイルで巻回することにより構成されている。ストレーナ部22は、対象地盤G中の地下水Wをケーシング管2の内部に通水させるとともに、対象地盤G及びフィルター層6の粒子がケーシング管2の内部に流入するのを防止している。
揚水ポンプ3は、ケーシング管2の底部に設けられており、ストレーナ部22を介してケーシング管2内に流入した地下水Wを吸水するポンプである。
流路4は、揚水ポンプ3で吸水した地下水Wが流れる揚水管41と、ヒートポンプ5側へ供給される地下水Wが流れる熱交換路42と、ヒートポンプ5で熱交換が行われた地下水Wを他へ供給する地下水Wが流れる第1供給路43とを備えている。第1供給路43は、第2供給路44(洗浄水供給路)と第3供給路(雑用水供給路)45とに分岐されている。
揚水管41は、一端が揚水ポンプ3に接続され、他端が濾過フィルター8に接続されており、揚水ポンプ3で吸水されて地上側へ揚水された地下水Wが流れる流路である。
熱交換路42は、濾過フィルター8で濾過されてヒートポンプ5へ送られる地下水Wが流れる流路である。
第1供給路43は、ヒートポンプ5により熱交換が行われた地下水Wが流れる流路である。
第2供給路44は、熱交換が行われた地下水Wが洗浄ノズル10に送られる地下水Wが流れる流路である。洗浄ノズル10は、所定の建物に電力を供給する太陽光発電装置7の太陽電池7aを覆う太陽光パネル7bを洗浄する際に用いられるノズルである。所定の建物とは、対象地盤Gに構造物を構築する建設現場内に建設された現場事務所等の建物である(以下、現場建物OFと称する)。
第3供給路45は、熱交換が行われた地下水Wが散布ノズル11に送られる地下水Wが流れる流路である。散布ノズル11は、地下水Wを雑用水として散布するノズルであり、例えば建設中の構造物BLの建設現場内にミストや打ち水として散布する。
ヒートポンプ5は、熱交換路42を流れる地下水Wと、現場建物OFに設置された空調機12に接続された循環路13を流れる熱交換媒体F1との間で熱交換を行う機器である。熱交換媒体F1は、例えば水や不凍液(例えばエチレングリコール)等の液体又は気体である。
この地下水利用システム1では、揚水ポンプ3で吸水したケーシング管2内の地下水Wが揚水管41を通って揚水される。ケーシング管2内の水位WLが対象地盤Gの地下水位S1より低下すると、ストレーナ部22からケーシング管2内へ矢印A方向に地下水Wが流入する。そして、揚水ポンプ3でケーシング管2内の地下水Wを吸水している間、対象地盤Gの地下水位S1が低下する。このように、ケーシング管2内の地下水Wを揚水ポンプ3で吸水して対象地盤Gの地下水位S1を地下水位S2まで低下させる、いわゆるディープウェル工法により、対象地盤Gから地下水Wが湧出、あるいは盤膨れを防止した状態で構造物を構築する。
また、揚水管41を流れる地下水Wは、濾過フィルター8で濾過されてヒートポンプ5へ送られる。ヒートポンプ5へ送られた地下水Wは熱交換媒体F1との間で熱交換が行われ、熱交換により降温あるいは昇温した地下水Wが第1供給路43を介して第2供給路44又は第3供給路45へ送られる。
この地下水利用システム1によれば、ヒートポンプ5により熱交換が行われた地下水Wを、第2供給路44から洗浄ノズル10に送り太陽光パネル7bを洗浄するため、地下水位S1を低下させるために揚水された地下水Wを有効活用することができる。
通常、構造物BLを構築する際、構造物BLを構築する対象地盤Gから地下水Wが湧出、あるいは盤膨れを防止するため、対象地盤Gの地下水Wを汲み上げて地下水位S1を低下させながら工事を行っている。そして、この汲み上げた大量の地下水Wは、料金を支払って下水道に排出している。
しかしながら、この地下水利用システム1によれば、揚水ポンプ3で吸水したケーシング管2内の地下水Wと熱交換媒体F1との間で熱交換が行われるため、地下水Wの熱を現場建物OFの空調機12に利用することにより、空調機12の消費電力を低減することが可能となる。このため、地下水Wの熱エネルギーを利用することにより、建設現場における消費電力の低減を図ることができる。
また、地下水利用システム1では、ヒートポンプ5により熱交換が行われた地下水Wを、第2供給路44から洗浄ノズル10に送り太陽光パネル7bを洗浄するため、太陽光パネル7bに付着した埃や塵により太陽電池7aの発電効率の低下を抑制し、現場建物に効率よく電力を供給することができる。
さらに、地下水利用システム1では、ヒートポンプ5により熱交換が行われた地下水Wを第3供給路45から散布ノズル11へ送り、建設現場内にミストや打ち水として散布するため、特に、夏期に現場の大気中に放熱された熱によるヒートアイランド現象を抑制することができる。
[2.構造物の完成後において利用される地下水利用システム]
次いで、図2及び図3を参照して、構造物の完成後において利用される地下水利用システム50について説明する。図2は、構造物BLの完成後において利用される地下水利用システム50を示す概略構成図である。図3は、地下水利用システム50におけるケーシング管2内の熱交換媒体F2に地下水Wの熱が伝達される状態を説明するための図である。
以下の構造物の完成後において利用される地下水利用システム50では、上述した構造物BLの建設中における地下水利用システム1で対象地盤Gに埋設されたケーシング管2を当該構造物BLの完成後の構造物BL´にも利用するものである。
図2に示すように、完成後の構造物BL´において利用される地下水利用システム50は、上述したケーシング管2と、ケーシング管2内に配設されて地下水Wと熱交換を行う熱交換媒体F2が流れる採熱管51と、熱交換媒体F2との間で熱交換を行うヒートポンプ52とを備える。
また、地下水利用システム50は、採熱管51に設けられて熱交換媒体F2をヒートポンプ52に送るポンプ装置53と、熱交換媒体F3が流れる循環路54に接続され、熱交換媒体F3を介してヒートポンプ52が採熱した熱が供給される空調機55を備える。上記熱交換媒体F2,F3は、例えば水や不凍液(例えばエチレングリコール)等の液体あるいは気体である。
ケーシング管2は、完成後の構造物BL´における対象地盤Gの掘削孔Hに埋設されており、長手方向Xにおける上方には、地上に対して開放した開口部21(図1参照)を閉塞する蓋体56が設けられている。すなわち、ケーシング管2は、上述した開口部21を蓋体56で閉塞した閉塞ケーシング管である。閉塞ケーシング管では、上述した揚水ポンプ3のメンテナンスをすることができないため、地下水利用システム50では、揚水ポンプ3を取外し、揚水ポンプ3の代わりにポンプ装置53を設置している。
採熱管51は、例えば高密度ポリエチレン樹脂からなり、蓋体56を貫通するU字状の中空管であり、熱交換媒体F2がケーシング管2内とヒートポンプ52との間を循環する循環路57a,57bからなる。
循環路57aは、熱交換媒体F2がヒートポンプ52側へ送られる往路管であり、循環路57bは、熱交換媒体F2がケーシング管2側へ送られる復路管である。なお、採熱管51は、往路管である循環路57aと復路管である循環路57bを一組として、配設されているが、往路管である循環路57aと復路管である循環路57bが二組以上配設されていてもよい。
ヒートポンプ52は、採熱管51を流れる地下水Wと、所定の構造物に設置された空調機55に接続された循環路54を流れる熱交換媒体F3との間で熱交換を行う機器である。所定の構造物とは、上述した構造物BLを構築する工事により完成した完成後の構造物BL´である。
図3に示すように、地下水利用システム50では、採熱管51を流れてケーシング管2内の地下水Wとの間で熱交換することにより昇温あるいは降温した熱交換媒体F2が、ポンプ装置53により循環路57aを流れてヒートポンプ52へ送られる。ヒートポンプ52にて熱交換が行われた熱交換媒体F2は循環路57bを流れてケーシング管2内へ戻る。
この地下水利用システム50では、ケーシング管2内の採熱管51の周囲が地下水Wであるため、対象地盤Gに採熱管51を埋設して地中熱を利用する場合よりも採熱効率が高い。すなわち、ケーシング管2内ではストレーナ部22から流入した地下水Wが所定の方向(例えば矢印B方向)に対流しているため、地中熱を利用する固体の熱伝達の場合に対し、対流熱伝達により早く熱交換媒体F2を昇温あるいは降温することができる。
また、この地下水利用システム50では、対象地盤Gにおいて地下水Wが所定の方向(例えば矢印C方向)に移流するため、地中熱を利用する固体の熱伝達の場合に対し、早く熱交換媒体F2を昇温あるいは降温することができる。
この地下水利用システム50によれば、上述した地下水利用システム1において対象地盤Gに掘削した掘削孔Hに埋設したケーシング管2の開口部21(図1参照)を閉塞して採熱管51により地下水Wの熱エネルギーを利用するため、ケーシング管2をそのまま有効に活用することができる。
通常、構造物BLを構築する際に地下水Wを汲み上げるために埋設したケーシング管2などの井戸は、構造物BLを構築する工事が終了すると開口部21を塞いで埋設したままにしている。しかしながら、上述したように、地下水利用システム50では、構造物BLを構築する工事が終了した後のケーシング管2をそのまま利用し、そのケーシング管2に採熱管51を配設して地下水Wの熱エネルギーを活用するため、完成後の構造物BL´の空調機55に地下水Wの熱エネルギーを供給することができる。
また、地下水利用システム50では、工事が終了したケーシング管2に対して採熱管51を配設しているため、完成後の構造物BL´の空調機55に地下水Wの熱エネルギーを供給するための追加設備としては、採熱管51とヒートポンプ52を配設及び接続するのみである。このため、新たに採熱管51を配設するための管を埋設する掘削工事等が不要となる。
さらに、地下水利用システム50では、ケーシング管2内の採熱管51の周囲が地下水Wであるため、地下水Wと熱交換媒体F2との間で良好な熱交換が行われ、この熱交換媒体F2は熱交換媒体F3との間で熱交換が行われる。したがって、地下水利用システム50では、地下水Wの熱エネルギーを効率良く採熱することができると共に、地下水Wの熱エネルギーを空調機55において高効率に利用することができ、空調機55の消費電力を低減することが可能となる。
次いで、図4及び図5を参照して、上述した地下水利用システム50の第1及び第2の変形例について説明する。第1の変形例及び第2の変形例では、図2の地下水利用システム50の採熱管51の構造とは異なっている。第1及び第2の変形例では、図2の地下水利用システム50と同一の構成要素には同一の符号を付し、異なる部分について説明する。
図4(a)は、採熱管51の第1の変形例を示す採熱管61の斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示すA−A線に沿う断面における断面図である。図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の変形例における採熱管61は、長手方向X方向に沿った4本の循環路62a,62b,62c,62dと、1本の循環路63とからなる。4本の循環路62a,62b,62c,62dは熱交換媒体F2をヒートポンプ52側へ送る往路管であり、循環路63は熱交換媒体F2をケーシング管2側へ送る復路管である。
循環路62a,62b,62c,62d及び循環路63のうち、循環路63はケーシング管2内の平面中心部(例えば図4(b)の中心)に配置され、残りの4本の循環路62a,62b,62c,62dは循環路63を囲んで配置されている。すなわち、循環路62a,62b,62c,62dは、循環路63を囲んでケーシング管2の内周面側に接近して等間隔に配置されている。
この採熱管61を流れる熱交換媒体F2は、ケーシング管2内の地下水Wとの間で熱交換することにより昇温あるいは降温した後、循環路62a,62b,62c,62dを流れてヒートポンプ52(図2参照)へ送られる。そして、ヒートポンプ52において熱交換媒体F3との間で熱交換が行われて降温あるいは昇温した熱交換媒体F2が循環路63を流れてケーシング管2内へ戻る。
この採熱管61によれば、循環路63がケーシング管2内の平面中心部に配置され、循環路62a,62b,62c,62dが循環路63を囲んでケーシング管2の内周面側に接近して等間隔に配置されているため、循環路63に対する循環路62a,62b,62c,62dとの間隔を大きくすることができ、循環路62a,62b,62c,62dと循環路63との間で熱が移動するショートサーキットを抑制して熱交換効率を高めることができる。
また、熱交換媒体F2がケーシング管2側へ送られる復路管である循環路63に対して、熱交換媒体F2がヒートポンプ52側へ送られる往路管である循環路62a,62b,62c,62dの本数が多いため、地下水W(図2参照)との間で熱交換を行うための面積を拡大することができ、熱交換効率をさらに高めることができる。
図5(a)は、採熱管51の第2の変形例を示す採熱管71の斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示すB−B線に沿う断面における断面図である。
図5(a)及び図5(b)に示すように、第2の変形例における採熱管71は、長手方向X方向に沿った3本の循環路72a,72b,72cからなる循環路73と、循環路74とからなる。換言すると、循環路73は循環路72a,72b,72cの3本の管路に分岐されている。循環路73は熱交換媒体F2をヒートポンプ52側へ送る往路管であり、循環路74は熱交換媒体F2をケーシング管2側へ送る復路管である。
循環路72a,72b,72c及び循環路74は、それぞれケーシング管2の内周面側に接近して等間隔に配置されている。
この採熱管71を流れる熱交換媒体F2は、ケーシング管2内の地下水Wとの間で熱交換することにより昇温あるいは降温した後、循環路72a,72b,72cを流れ循環路73で合流してヒートポンプ52(図2参照)へ送られる。そして、ヒートポンプ52にて熱交換媒体F3との間で熱交換が行われて降温あるいは昇温した熱交換媒体F2が循環路74を流れてケーシング管2内へ戻る。
この採熱管71によれば、循環路72a,72b,72c及び循環路74は、それぞれケーシング管2の内周面側に接近して等間隔に配置されているため、循環路72a,72b,72c及び循環路74の間隔を大きくすることができ、循環路72a,72b,72cと循環路74との間で熱が移動するショートサーキットを抑制して熱交換効率を高めることができる。
また、熱交換媒体F2がケーシング管2側へ送られる復路管である循環路74に対して熱交換媒体F2がヒートポンプ52側へ送られる往路管である循環路72a,72b,72cの本数が多いため、地下水W(図2参照)との間で熱交換を行うための面積を拡大することができ、熱交換効率をさらに高めることができる。
[3.他の実施形態]
なお、上述した実施形態における地下水利用システム1では、山留めRの内側にケーシング管2が埋設されている場合について説明したが、山留めRの外側の対象地盤Gにケーシング管2が埋設されていてもよい。
また、上述した実施形態における地下水利用システム1では、熱交換が行われた地下水Wを、現場建物に電力を供給する太陽光発電装置7の太陽光パネル7bを洗浄する洗浄ノズル10に送る場合について説明したが、これに限定されない。例えば、熱交換が行われた地下水Wを、構造物BLを構築する現場外に建設された建物に電力を供給する太陽光発電装置の太陽光パネルを洗浄する洗浄ノズルに送ってもよい。
さらに、上述した実施形態における地下水利用システム1では、熱交換が行われた地下水Wを、構造物BLを構築する現場内にミストや打ち水として散布される散布ノズル11に送る場合について説明したが、これに限定されない。例えば、散布ノズル11に送る地下水Wは、太陽光パネル7bを洗浄した後の地下水Wでもよいし、地下水Wを現場外にミストや打ち水として散布される散布ノズルに送ってもよい。
また、上述した実施形態における地下水利用システム1では、地下水Wの熱エネルギーを現場建物OFに設置された空調機12に利用する構成について説明したが、さらに、地下水Wの熱エネルギーを現場建物OFに設置された給湯器、現場内に設定された融雪器等の他の機器で利用する構成であってもよい。また、これらの機器の中から1以上の機器を組み合わせた機器に利用してもよい。
さらに、上述した実施形態における地下水利用システム50では、地下水Wの熱エネルギーを完成後の構造物BL´に設置された空調機55に利用する構成について説明したが、さらに、地下水Wの熱エネルギーを完成後の構造物BL´に設置された給湯器、完成後の構造物BL´に設置された融雪器等の他の機器で利用する構成であってもよい。また、これらの機器の中から1以上の機器を組み合わせた機器に利用してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に係る地下水利用システム1,50に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。
1 地下水利用システム
2 ケーシング管
3 揚水ポンプ
4 流路
5 ヒートポンプ(熱交換器)
6 フィルター層
7 太陽光発電装置
7a 太陽電池
7b 太陽光パネル
8 濾過フィルター
10 洗浄ノズル
11 散布ノズル
12 空調機
13 循環路
21 開口部
22 ストレーナ部
41 揚水管
42 熱交換路
43 第1供給路
44 第2供給路
45 第3供給路
50 地下水利用システム
51 採熱管
52 ヒートポンプ
53 ポンプ装置
54 循環路
55 空調機
56 蓋体
57a,57b 循環路
61 採熱管(第1の変形例)
62a,62b,62c,62d 循環路(第1の変形例)
63 循環路(第1の変形例)
71 採熱管(第2の変形例)
72a,72b,72c 循環路(第2の変形例)
73 循環路(第2の変形例)
74 循環路(第2の変形例)
BL 構造物
F1,F2,F3 熱交換媒体
G 対象地盤
H 掘削孔
OF 現場建物
R 山留め
S1 地下水位
S2 地下水位
W 地下水
WL 水位

Claims (5)

  1. 地下水位を低下させる対象地盤に対して略鉛直状に埋設され、その上方開口部が地上に対して開放し、下方に前記対象地盤の地下水を内部に流入するストレーナ部が設けられた中空筒状のケーシング管と、
    前記ケーシング管内の地下水を地上側に揚水して前記対象地盤の地下水位を低下させる揚水ポンプと、
    前記揚水ポンプで揚水した地下水が流れる流路と、
    前記流路を流れる地下水との間で熱交換を行う熱交換器と、を備える
    ことを特徴とする地下水利用システム。
  2. 前記熱交換器は、前記熱交換により得られた熱エネルギーを所定の建物に設置された空調機に供給する
    ことを特徴とする請求項1記載の地下水利用システム。
  3. 前記揚水ポンプで揚水した地下水を、所定の建物に電力を供給する太陽光発電装置の太陽電池を覆う太陽光パネルを洗浄する洗浄ノズルへ供給する洗浄水供給路を更に備える
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の地下水利用システム。
  4. 前記揚水ポンプで揚水した地下水を雑用水として供給する雑用水供給路を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地下水利用システム。
  5. 前記ケーシング管の上方開口部を閉塞した閉塞ケーシング管と、
    前記閉塞ケーシング管内に配設され、当該閉塞ケーシング管内の地下水と熱交換を行う熱交換媒体が流れる採熱管と、
    前記閉塞ケーシング管内の地下水との熱交換により得られた熱エネルギーを、所定の構造物に設置された空調機に供給する採熱用熱交換器と、を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の地下水利用システム。
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