JP2016070531A - 浸透桝を活用した地下水熱利用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】地下水を効率的かつ有効利用して地下水揚水量を削減するとともに、影響を最小限に抑えて熱交換後の地下水を地中に戻すことが可能な地下水熱利用システムを提供する。【解決手段】地中より地下水を汲み上げるための揚水井1と、汲み上げた地下水の熱エネルギーを利用して冷暖房を行なう冷暖房設備と、熱交換後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用する予熱装置イ10と、前記冷暖房設備で利用した後の地下水を地中に戻すための浸透桝9とを有する。冷暖房設備は、地下水を熱源とするヒートポンプ13による冷暖房システムが最適である。また、浸透枡の前段に水量調整装置7を備え、その水量調整装置に予熱装置を付加してもよい。【選択図】図1
Description
この発明は、浸透桝を活用した地下水から汲み上げた地下水の熱エネルギーを冷暖房のために利用する地下水熱利用システムに関する。
現在、省エネの観点から空気を熱源とした空冷式ヒートポンプが我が国おいて広く普及している。しかし、空冷式ヒートポンプでは、屋外の空気を熱源とし、夏季には30度以上の外気を用いて室内の空気を冷却し、冬季には氷点下程度の外気を用いて室内の空気を加熱する。一方、地下水熱利用システムは、年間を通じて平均気温と同程度の安定した地下水を熱源として利用することにより、効率的に室内の空気を夏は冷却、冬は加熱することが可能であり、環境負荷の少ない再生可能エネルギーとして注目されている。
そして、地下水資源に恵まれた地域では、地下水を熱交換に利用した後、そのまま排水することも多いが、一般的には地下水資源保全の観点から、地下水を汲み上げるための井戸(揚水井)に加えて、別途地下の帯水層に達する井戸(還元井)を掘削し、排水を帯水層に戻す方式が採用されている(非特許文献1)。
そして、還元井を利用した地下水熱利用システムでは、還元井の目詰まり防止等の観点から特許文献1などで様々なシステムが提案されている。
「地中熱ヒートポンプシステム」、環境省 平成25年3月
非特許文献1に示される従来の地下水熱利用システムでは、熱交換のために多くの地下水を使用するため、揚水井並びに還元井の掘削が大掛かりとなり、多額の掘削費用を要するため、初期導入費用が高額となることが地下水熱利用システムを普及する上での大きな課題の一つとなっている。
また、非特許文献1に示された従来からの地下水熱利用システムでは、熱交換を行なった後の地下水の温度が、夏季には5度程度上昇、冬季には5度程度低下する。そのため、熱交換後に大幅な温度変化が生じた地下水を帯水層に直接戻す従来の方式では、地中環境への化学的、物理的並びに生物的影響が懸念されるケースも多い。しかし、地下環境への影響を評価する手法が確立されておらず、懸念を払拭することが困難なため、我が国における地下水熱利用システムを普及する上での大きな課題の一つとなっている。
上記事情に鑑み、本発明は、熱交換後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用するとともに、地表面から時間をかけて帯水層に戻すことで、地下水使用量の削減並びに地中環境への影響の最小限に抑えることを可能とする地下水熱利用システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明の地下水熱利用システムは、地中より地下水を汲み上げるための揚水井と、前記揚水井から汲み上げた地下水の熱エネルギーを利用して冷暖房を行なう冷暖房設備と、前記冷暖房設備により利用した後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用する予熱装置と、前記冷暖房設備により利用した後の地下水を地中に戻すための浸透桝とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の地下水熱利用システムであって、前記冷暖房設備は、地下水を熱源とする水熱源ヒートポンプによるヒートポンプ冷暖房システムを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の地下水熱利用システムであって、前記浸透桝の前段に設置されて利用後の地下水を前記浸透桝に送水する際の水量を調整する調整装置を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3の地下水熱利用システムであって、前記水量を調整する調整装置に予熱装置を有することを特徴とする。
本発明の地下水熱利用システムによれば、冷暖房設備により利用した後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用する予熱装置を備えたことにより、使用地下水量を削減でき、したがって、井戸掘削費の削減並びに設備全体の小型化を図ることができ、初期導入費用の削減が可能である。
また、本発明の地下水熱利用システムによれば、浸透桝を設置して熱交換に使用した地下水を地中に戻すことにより、多額の掘削費用を要する還元井の設置が不要となり、初期導入費用の削減が可能である。
加えて、本発明の地下水熱利用システムによれば、浸透桝の前段に送水量を調整する調整装置を設置することにより、運転停止を繰り返す冷暖房設備の運転状況に応じて大きく変化する地下水揚水量に対して浸透桝への送水量を平準化させることができるため、浸透桝の規模を小型化でき、初期導入費用の削減が可能である。
また、本発明の地下水熱利用システムによれば、予熱装置により、使用する地下水量を削減でき、揚水に伴う地中環境への影響を小さくすることが可能である。
加えて、使用した地下水を浸透桝から時間を掛けてゆっくりと帯水層に戻すことが可能であり、熱交換後に大幅な温度変化が生じた地下水を地中に戻す際にも、地中での緩衝作用により地中環境への影響を低下させることが可能である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は図1に示すように、揚水井1は地下水熱利用のため井戸であって、取水用ストレーナ付きのケーシング2が挿入されている。
本発明は図1に示すように、揚水井1は地下水熱利用のため井戸であって、取水用ストレーナ付きのケーシング2が挿入されている。
さらに、図1に示すように、ケーシング2内には、揚水ポンプ3が設置され、揚水管4と接続し、地上まで地下水を揚水できるようになっている。揚水ポンプ3は制御回路によりヒートポンプ13と連動し、ヒートポンプ13が稼動すると同時に運転を開始し、ヒートポンプ13が運転を停止すると同時に運転を停止する構成となっている。なお、揚水ポンプは地上に揚水用のポンプを設置することもできる。
汲み上げた地下水は熱交換器5で地下水と熱媒流路(往き)11の熱媒との間で熱交換を行なった後、排水管6を通じて排水され、送水管8を通って浸透桝9に導かれる。
なお、浸透桝9の浸透量が地下水揚水量を十分浸透し得る場合には、排水管6と送水管8を直接繋いで浸透桝9に導くことも可能である。しかし、一般的な地下水熱利用システムの地下水揚水量変化を示した図2から明らかなように、ヒートポンプ13の運転状況と連動して揚水ポンプ3が運転停止するため、地下水揚水量は0から設計地下水揚水量まで大きく変化する。したがって、排水管6と送水管8を直接繋ぐ場合には、浸透桝9は設計地下水揚水量を浸透可能な規模の施設とすることが必要である。
本実施例では、浸透桝9の規模を小さくする目的で、排水管6と送水管8の間に水量調整装置7として、水槽などの貯留装置を設置して一時的に熱交換後の地下水を貯留し、送水管8を通じて浸透桝9へと導くことにより、図2のように浸透量を平準化させる構成としている。
本実施例では、水量調整装置7から送水管8へ送水する方法としては、水槽下端に小孔を設け、オリフィス流の公式に基づき、
Q=C・A・(2gH)^(1/2)
Q:送水量(m3/sec)
H:孔中心から水面までの高さ(m)
C:流出係数
g:重力加速度(=9.8m/sec2)
A:孔の断面積(m2)
の計算式より算出される送水量を送水管8に自然流下させる方法のほか、ポンプを用いて送水管8へ送水する構成としてもよい。
Q=C・A・(2gH)^(1/2)
Q:送水量(m3/sec)
H:孔中心から水面までの高さ(m)
C:流出係数
g:重力加速度(=9.8m/sec2)
A:孔の断面積(m2)
の計算式より算出される送水量を送水管8に自然流下させる方法のほか、ポンプを用いて送水管8へ送水する構成としてもよい。
本実施例では、ヒートポンプ13の熱媒(25%エチレングリコール溶液の不凍液等)は図1に示すように、熱媒流路(往き)11の途中に設置された浸透桝9内の予熱装置イ10に流入し、熱交換後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用して熱交換できるよう構成されている。熱交換器は、柔軟性のある高密度ポリエチレン製などの熱交換パイプのほか、ステンレスやチタンなどを用いたコイル式の熱交換器などを使用してもよい。なお、本実施例では、ヒートポンプを用いて暖房時には地下水から採熱、冷房時には地下水へ放熱する構成としているが、穀物倉庫の冷房などの用途によっては、ヒートポンプを使用せずに、熱交換器5で地下水と熱交換を行なった熱媒をそのまま冷温水回路に導いて熱利用しても構わない。
熱媒流路(往き)11は熱交換器5と接続され、浸透桝9内の予熱装置イ10を通過した熱媒を熱交換器5へと導き、揚水ポンプ3により地中より汲み上げた地下水と熱交換を行なう構成としている。
熱交換器5の熱媒側流出部には熱媒流路(戻り)12が接続されており、熱媒流路の他方末端はヒートポンプ13と接続され、熱交換器5にて地下水との間で熱交換を行った後の熱媒がヒートポンプ13に戻る構成となっている。また、熱媒流路(戻り)12には循環ポンプ15を設置し、本実施例では、ヒートポンプ13、熱媒流路(往き)11(途中に予熱装置イ10)、熱交換器5、熱媒流路(戻り)12の閉鎖回路内を熱媒が循環する構成としている。
熱交換器5を介して地下水との間で採放熱した熱はヒートポンプ13により、二次側の冷温水回路14へと導かれ、冷温水回路14に接続されたファンコイルユニットなどの空調機により冷暖房を行なう構成となっている。なお、図1の実施例はインバータ制御を行なうヒートポンプ13を想定したものであるが、オンオフ制御を行なうタイプのヒートポンプを使用する場合など、必要に応じて冷温水回路14の途中にバッファータンクを設置する構成とする。
また、図3の実施例では、熱媒流路(往き)11の浸透桝9と熱交換器5の途中で予熱装置ロ16を水量調整装置7内に設置し、熱交換後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用して、より高効率に地下水の熱を利用できる構成としている。なお、予熱装置イ10と同様、熱交換器は、柔軟性のある高密度ポリエチレン製などの熱交換パイプのほか、ステンレスやチタンなどを用いたコイル式の熱交換器などを使用してもよい。
なお、上記開示された本発明の実施形態は、あくまで例示である。本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって示されるとともに、当該記載と均等と評価される技術的構成まで含むものである。例えば、本発明の実施例では、水量調整装置7は地上に設置されるものとして示されているが、地中に設置されるものであっても問題はなく、また、水槽の変わりに水路に堰を設けて浸透量の平準化を図る構成としても問題はない。
1 揚水井
2 ケーシング
3 揚水ポンプ
4 揚水管
5 熱交換器
6 排水管
7 水量調整装置
8 送水管
9 浸透桝
10 予熱装置イ
11 熱媒流路(往き)
12 熱媒流路(戻り)
13 ヒートポンプ
14 冷温水回路
15 循環ポンプ
16 予熱装置ロ
2 ケーシング
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8 送水管
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10 予熱装置イ
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12 熱媒流路(戻り)
13 ヒートポンプ
14 冷温水回路
15 循環ポンプ
16 予熱装置ロ
Claims (4)
- 地中より地下水を汲み上げるための揚水井と、前記揚水井から汲み上げた地下水の熱エネルギーを利用して冷暖房を行なう冷暖房設備と、前記冷暖房設備により利用した後の地下水に残存する熱エネルギーを再利用する予熱装置と、前記冷暖房設備により利用した後の地下水を地中に戻すための浸透桝とを有することを特徴とする地下水熱利用システム。
- 請求項1記載の地下水熱利用システムであって、
前記冷暖房設備は、地下水を熱源とする水熱源ヒートポンプによるヒートポンプ冷暖房システムを有することを特徴とする地下水熱利用システム。 - 請求項1または請求項2記載の地下水熱利用システムであって、
前記浸透桝の前段に設置されて利用後の地下水を前記浸透桝に送水する際の水量を調整する調整装置を有することを特徴とする地下水熱利用システム。 - 請求項3の地下水熱利用システムであって、
前記水量を調整する調整装置に予熱装置を有することを特徴とする地下水熱利用システム。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2014197599A JP2016070531A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | 浸透桝を活用した地下水熱利用システム |
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| JP2014197599A JP2016070531A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | 浸透桝を活用した地下水熱利用システム |
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