JP2018145502A - ゲルめっき方法 - Google Patents

ゲルめっき方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018145502A
JP2018145502A JP2017043813A JP2017043813A JP2018145502A JP 2018145502 A JP2018145502 A JP 2018145502A JP 2017043813 A JP2017043813 A JP 2017043813A JP 2017043813 A JP2017043813 A JP 2017043813A JP 2018145502 A JP2018145502 A JP 2018145502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
gel
electrolyte solution
composition
plated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017043813A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6885116B2 (ja
Inventor
理子 多賀谷
Masako Tagaya
理子 多賀谷
徳子 中島
Noriko Nakajima
徳子 中島
倫成 曽根
Michinari Sone
倫成 曽根
正洋 吉野
Masahiro Yoshino
正洋 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshino Denka Kogyo Inc
Original Assignee
Yoshino Denka Kogyo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshino Denka Kogyo Inc filed Critical Yoshino Denka Kogyo Inc
Priority to JP2017043813A priority Critical patent/JP6885116B2/ja
Publication of JP2018145502A publication Critical patent/JP2018145502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6885116B2 publication Critical patent/JP6885116B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

【解決手段】被めっき物上にゲル状のめっき組成物を塗布し、ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬し、電解質溶液中にアノードを浸漬し、被めっき物をカソードとして又はゲル状のめっき組成物にカソードを接触させて、ゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを、電解質溶液を介して電解還元することにより、被めっき物上にめっき皮膜を形成する。【効果】被めっき物上に塗布したゲル状のめっき組成物を一括してめっき皮膜に電解還元できるため、ゲルめっきの高速化が可能である。また、精細化しためっき皮膜に対しても、精度よく、良好な物性でめっき皮膜を形成することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、被めっき物の所望の部分にのみめっき皮膜を形成する部分めっきに好適なゲルめっき方法に関する。
部分めっき技術は、今日の情報通信機器、自動車、ロボット産業分野において広く使用されており、高付加価値なものづくりに欠かせない技術となっている。従来、部分めっきは、フォトレジストやシルク印刷を用いたマスキングによる方法や、部分めっき専用の治具や設備を用いて液面制御して、被めっき物を部分的にめっき液に浸漬する部分浸漬法などにより実施されている。しかしながら、これらの方法では、複雑な前処理や特殊な設備が必要となり、また、製品毎に最適化された工程が必要となるため、試作品や少量多品種製品におけるめっきにおいては、コスト及び労力が高くなってしまう。そのため、より簡便な方法で、特性が良好なめっき皮膜を、所望の部分に形成することができる部分めっき方法の開発が望まれている。
特開2008−266740号公報
曽根倫成、ゲルめっき−次世代めっき技術としての可能性−、表面技術、67巻、4号、2016年、202〜205頁
次世代の部分めっき技術として有望視されているゲルめっき法は、めっき液に寒天やゼラチンなどのゲル化剤を添加してゲル化させ、ゲル状のめっき組成物を被めっき物表面に塗布して還元することにより、めっき皮膜を形成する方法である。一般的な液状のめっき組成物、即ち、めっき液を用いて部分めっきをする場合には、被めっき物のめっき皮膜を形成しない部分をマスキングして、被めっき物をめっき液に浸漬するが、ゲルめっきでは、ゲル化しためっき組成物自体を、例えば、ディスペンサーを用いて、又はインクジェットプリンターなどを利用して、所望の部分に、任意の形状に塗布し、これを電解還元すれば、マスキングをすることなく、ゲル状のめっき組成物を塗布した部分のみにめっき皮膜を形成することができる。そのため、ゲルめっき法は、カスタムメイドに対応可能である。また、同じ範囲に部分めっきを施す場合でも、めっき液を用いた一般的な部分めっきと比べて、使用するめっき組成物の量が格段に少なく、更に、常に、新しいめっき組成物でめっきすることになるため、安定した特性でめっき皮膜を形成できる上、めっき液の再生や交換の必要がない。
被めっき物に塗布されたゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを還元してめっき皮膜を形成する方法としては、例えば、被めっき物上に、ゲル状のめっき組成物を塗布し、被めっき物をカソードとして又はゲル状のめっき組成物にカソードを接触させ、更に、ゲル状のめっき組成物にアノードを接触させ、被めっき物をカソードとして電解還元する方法がある。しかしながら、ゲル状のめっき組成物を塗布した箇所が多くなると、ゲル状のめっき組成物とアノードとを接触させて電解する操作が多くなって時間がかかるため、ゲルめっき法のハイスループット化が求められている。また、形成するめっき皮膜のパターンが精細化すると、アノードとの接触が煩雑になる上、パターン精度を維持する観点からは、アノードとの接触をより厳密に制御する必要が生じるため、電解還元の工程が複雑化する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、被めっき物に塗布したゲル状のめっき組成物を一括してめっき皮膜に電解還元でき、精細化した配線などに用いられるめっき皮膜であっても、精度よく、良好な物性でめっき皮膜を形成することができるゲルめっき方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、被めっき物上にゲル状のめっき組成物を塗布し、ゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを電解還元して被めっき物上にめっき皮膜を形成するゲルめっきにおいて、ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬すると共に、電解質溶液中にアノードを浸漬し、被めっき物をカソードとして又はゲル状のめっき組成物にカソードを接触させて、ゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを、電解質溶液を介して電解還元すること、特に、電解質溶液として、該電解質溶液中で、ゲル状のめっき組成物の表面部に被膜を形成する作用を有するゲル化剤を含むものを用いることにより、被めっき物に塗布したゲル状のめっき組成物を一括してめっき皮膜に電解還元でき、精細化した配線などに用いられるめっき皮膜であっても、精度よく、良好な物性でめっき皮膜を形成することができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、以下のゲルめっき方法を提供する。
[1] 被めっき物上にゲル状のめっき組成物を塗布し、該ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬し、該電解質溶液中にアノードを浸漬し、上記被めっき物をカソードとして又はゲル状のめっき組成物にカソードを接触させて、上記ゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを、上記電解質溶液を介して電解還元することにより、上記被めっき物上にめっき皮膜を形成することを特徴とするゲルめっき方法。
[2] 上記電解質溶液が、上記ゲル状のめっき組成物の表面部に被膜を形成する作用を有するゲル化剤を含むことを特徴とする[1]記載のゲルめっき方法。
本発明によれば、被めっき物上に塗布したゲル状のめっき組成物を一括してめっき皮膜に電解還元できるため、ゲルめっきの高速化が可能である。また、精細化しためっき皮膜に対しても、精度よく、良好な物性でめっき皮膜を形成することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のゲルめっき方法に用いるゲル状のめっき組成物としては、めっき金属イオンを含有するめっき液(水溶液)に、ゲル化剤を添加したものを用いる。めっき金属イオンを含有するめっき液は、公知のめっき液(電解めっき液が好ましいが、無電解めっき液であってもよい。)を用いることができ、市販品を使用し得る。めっき液は、錯化剤、還元剤、平滑剤、光沢剤、pH調整剤などの各種添加剤の含有は許容される。具体的には、例えば、電解銅めっき液としては、硫酸銅/硫酸/添加剤系溶液、電解ニッケルめっき液としては、硫酸ニッケル/ホウ酸/添加剤系溶液、電解金めっき液としては、シアン化金カリウム/クエン酸塩類/添加剤系溶液、電解スズめっき液としては、硫酸第1スズ/硫酸/添加剤系溶液、電解銀めっき液としては、シアン化銀/シアン化カリウム/添加剤系溶液、無電解金めっき液としては、シアン化金カリウム/次亜リン酸ナトリウム/添加剤系溶液、無電解パラジウムめっき液としては、パラジウム塩/ヒドラジン/添加剤系溶液などを挙げることができる。めっき金属種は特に限定されるものではないが、例えば、銅、ニッケル、金、スズ、銀、パラジウムなどが挙げられる。めっき液中のめっき金属イオンの濃度は、めっき金属種によっても異なるが、通常0.5g/L以上、特に5g/L以上で、100g/L以下、特に70g/L以下が好適である。
ゲル状のめっき組成物に含まれるゲル化剤としては、水溶液をゲル化することができる物質であれば、特に限定されるものではないが、例えば、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ローストビーンガム、グアーガム、ダイユータンガム、ウェランガム、ジェランガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン酸、アルギン酸、ゼラチンなどを挙げることができる。これらのゲル化剤の中では、ゲル化温度、ゲル強度の観点からは、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ローストビーンガム、グアーガム、ダイユータンガム、ジェランガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ローストビーンガム、ジェランガムが、特に好ましい。
ゲル状のめっき組成物は、被めっき物に塗布する工程において、例えば10〜30℃の温度で実施される、めっき組成物の塗布が可能な硬さで、かつ例えば、10℃以上、特に20℃以上で、80℃以下の温度で実施される、電解質溶液への浸漬から電解還元までの間は、ゲル状の所定の形状を保つことができる程度の硬さとすることが必要であり、この観点から、ゲル化剤の種類及び濃度が選択される。ゲル化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ゲル化剤の濃度は、ゲル化剤の種類によっても異なるが、めっき組成物全量に対して、10〜50g/Lが好適である。
また、ゲル状のめっき組成物には、ゲル強度を高度に維持させる観点から、また、ゲル化剤の含有率を抑えてゲルの網目構造を大きくし、これによりイオンの移動をより容易にする観点から、被めっき物に塗布する工程において、塗布が可能な硬さで、かつ塗布後から電解還元までの間は、ゲル状の所定の形状を保つことができる程度の硬さとなる範囲で、硬さ調整剤を添加してもよい。この硬さ調整剤としては、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、セシウム塩等の塩類や、糖類など、具体的には、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム塩、塩化カルシウム、乳酸カルシウムなどのカルシウム塩、塩化マグネシウムなどのマグネシウム塩、塩化セシウムなどのセシウム塩、ショ糖などの糖類などが挙げられ、硬さを調整できる範囲の広さの観点から、塩化カリウム、炭酸カリウム、乳酸カルシウムが特に好適である。硬さ調整剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬さ調整剤の濃度は、硬さ調整剤の種類によっても異なるが、めっき組成物全量に対して、0.5〜10g/Lが好適である。硬さ調整剤の濃度が0.5g/L未満であると、硬さの増加効果が確認できない場合がある。一方、硬さ調整剤の濃度が10g/Lを超えると、ゲルが硬くなり過ぎて、被めっき物への塗布がし難くなる場合がある。
めっき組成物のゲル強度は、被めっき物上への塗布、電解質溶液への浸漬、及び電解還元の各工程において、適用される上述した温度範囲において、100〜900g/cm2であることが好ましい。ゲル強度は、例えば、フォースゲージ(FGC−2B、日本電産シンポ社製)を用いてゲル表面1cm2当たり20秒間耐える最大荷重(g)をゲル強度とすることができる。ゲル強度が100g/cm2未満であると、保形性を維持することが難しくなる場合があり、作業性などが煩雑になるおそれがある。一方、ゲル強度が900g/cm2を超えると、ゲルの塗布が困難となるおそれがある。
更に、ゲル状のめっき組成物には、めっき面の平滑性を向上させる、均一なめっき皮膜を形成させる、離水性を制御するなどの観点から、めっき表面調整剤、例えば、非イオン性界面活性剤、塩化ナトリウムなどを添加してもよい。非イオン性界面活性剤として具体的には、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが挙げられる。めっき表面調整剤としては、離水性制御の容易さの観点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、塩化ナトリウムの使用が特に好ましい。めっき表面調整剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。めっき表面調整剤の濃度は、めっき表面調整剤の種類によっても異なるが、めっき組成物全量に対して、0.01〜5g/Lが好適である。めっき表面調整剤の濃度が0.01g/L未満であると、十分な平滑性が得られない場合がある。一方、めっき表面調整剤の濃度が5g/Lを超えると、形成されためっき皮膜の表面が、かえって粗くなる場合がある。
また、本発明のゲル状のめっき組成物のpHは、めっき金属の種類やゲル化剤の種類によって適宜調整され、通常、2以上、特に3以上で、13以下、特に12以下である。pHの調整は、酸又はアルカリの添加により行うことができる。更に、本発明のゲル状のめっき組成物のゲル粘度(25℃)は、1,000〜200,000mPa・sであることが好ましい。
ゲル状のめっき組成物は、めっき金属イオンを含有するめっき液に、ゲル化剤を添加し、必要に応じて、硬さ調整剤、めっき表面調整剤、pH調整剤などの他の成分を添加して混合し、必要に応じて加熱、冷却することにより、離水性が認められないゲル状のめっき組成物として製造することができる。
ゲル状のめっき組成物を塗布する被めっき物、即ち、めっき皮膜を形成する被めっき物は、後述する電解還元において、被めっき物をカソードとする場合は、銅、黄銅等の銅合金、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼(SUS)などの導電性の材料のものが用いられる。この場合、例えば、プリント配線基板のような、絶縁性の材料の上に導電性の材料が形成されたものであってもよい。一方、被めっき物が導電性の材料で形成されていなくても、電解還元の際に、ゲル状のめっき組成物に、別途準備したカソードを接触させるようにしてもよい。
被めっき物にゲル状のめっき組成物を塗布する方法は、所定の部分にゲル状のめっき組成物を塗布できる方法であれば、特に限定されるものではなく、所定の形状、サイズのゲル状のめっき組成物を、被めっき物上に形成できる方法であればよい。このような方法としては、例えば、手作業による塗布の他、広範囲に連続的に塗布する方法としては、ディスペンサーを用いる方法や、インクジェットプリンターを利用する方法、スクリーン印刷法などが挙げられる。被めっき物に塗布する工程は、通常、常温(例えば10〜30℃)の温度で実施される。なお、塗布するゲル状のめっき組成物の厚さは、例えば、0.5μm以上であることが好ましく、また、10mm以下であることが好ましい。
本発明においては、ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬し、ゲル状のめっき組成物が電解質溶液に接触した状態で、電解質溶液を介して電解還元することにより、被めっき物上にめっき皮膜を形成する。この際、通常、被めっき物は、ゲル状のめっき組成物と共に電解質溶液中に浸漬される。
電解質溶液は、水系であっても非水系であってもよい。水系の電解質溶液に用いる支持電解質としては、MX(MはLi+、Na+、K+、Rb+、Cs+又はNH4 +、XはCl-、Br-、I-又はOH-、以下同じ。)、MClO4、R4NX(R4NはR4+、即ち、テトラアルキルアンモニウムイオンであり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。以下同じ。)、M2SO4などが挙げられる。一方、非水系の電解質溶液に用いる支持電解質としては、MClO4、R4NXの他、R4NClO4、R4NBF4、R4NCF3SO4、R4NCF3SO3、R4NPF6などが挙げられる。また、電解質溶液としてイオン液体を用いることも可能である。
電解質溶液中の支持電解質の濃度は、後述する電解還元において、通電が可能な程度、例えば、30分間で電解還元を完了させることができる程度の通電量が得られる濃度以上であればよい。電解質溶液中の支持電解質の濃度は、水系又は非水系の電解質溶液の場合、例えば、0.1g/L以上、特に0.5g/L以上で、400g/L以下である。
電解質溶液は、更にゲル化剤を含むことが好ましい。この場合、電解質溶液に含まれるゲル化剤と、ゲル状のめっき組成物に添加されたゲル化剤とは、同じものであっても、異なるものであってもよい。電解質溶液に含まれるゲル化剤として具体的には、上述したゲル状のめっき組成物中に含まれるゲル化剤が挙げられる。
ゲル化剤としては、特に、ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬したとき、ゲル状のめっき組成物の表面部に被膜を形成する作用を有するもの、例えば、ゲル状のめっき組成物中に含まれるカチオンと反応して、上記被膜を形成するものがより好ましい。この場合、ゲル状のめっき組成物中に、めっき金属イオンの錯化剤が含まれていれば、めっき金属イオンは錯体を形成し、めっき金属イオンと、電解質溶液に含まれるゲル化剤との反応を避けることができる。
このようなゲル化剤を用いることにより、ゲル状のめっき組成物の表面部に形成された被膜により、ゲル状のめっき組成物の電解質溶液への溶解や、ゲル状のめっき組成物に含まれるめっき金属イオンが電解質溶液に溶出することを、効果的に防止することができる。例えば、ゲル状のめっき組成物にカリウムイオンが含まれる場合、電解質溶液にゲル化剤として、ジェランガム、カラギーナンなどを添加すると、ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬したとき、ゲル状のめっき組成物の表面部に強固なゲル状の被膜を形成することができるため特に好ましい。ゲル化剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ゲル化剤の濃度は、ゲル化剤の種類によっても異なるが、電解質溶液全量に対して、0.1g/L以上、特に1g/L以上で、50g/L以下、特に40g/L以下であることが好ましい。
また、電解質溶液の粘度は、0.8mPa・s以上、特に1,000mPa・s以上で、5,000mPa・s以下であることが好ましい。更に、電解質溶液のpHは、1以上、特に2以上、とりわけ3以上で、14以下、特に13以下、とりわけ12以下であることが好ましい。
ゲル状のめっき組成物を電解還元するに際しては、電解質溶液中にアノードを浸漬する。本発明において、アノードとしては、白金、チタン白金、金、ステンレス鋼(SUS)、カーボン、銀、銅、含リン銅などを用いることができるが、不溶性電極であることが好ましい。
電解還元における温度、即ち、電解質溶液及びゲル状のめっき組成物の温度は、通常、10℃以上、特に20℃以上で、80℃以下の温度で実施される。また、めっき時間は、通常5秒以上、特に10秒以上で、30分以下、特に10分以下である。
本発明のゲルめっき方法では、厚さが0.1μm以上、特に0.5μm以上、とりわけ1μm以上で、100μm以下、特に10μm以下、とりわけ5μm以下のめっき皮膜を形成することができる。また、例えば、端子パターンや、配線パターンとして形成されるようなパターンとして、例えば、径又は線幅が100μm以上、特に200μm以上で、2,000μm以下、特に1,000μm以下、とりわけ500μm以下のめっき皮膜を形成することが可能である。更に、表面粗さRaが2μm以下、特に1μm以下の表面状態が良好なめっき皮膜を形成することが可能である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
被めっき物として銅板を準備し、めっき前処理として、脱脂(エースクリーン850(奥野製薬工業(株)製)、60℃、600秒)、化学研磨(CPB−30(菱江化学(株)製、室温(約25℃)、60秒)、酸活性(10体積%硫酸水溶液、室温(約25℃)、10秒)を、順に施した。次に、前処理後の銅板の表面上に、ゲル状の銀めっき組成物を、φ5mm、厚さ0.8mmのドット状に塗布した。ゲル状の銀めっき組成物は、シアン化銀を100g/Lの濃度で含有し、更に、シアン化カリウムを120g/Lの濃度で含有する電気銀めっき液に、ゲル化剤としてジェランガムを、めっき組成物全量に対して30g/Lとなるように混合して調製した。このゲル状の銀めっき組成物のpHは12、ゲル粘度(25℃)は170,000mPa・sであった。
次に、電解質としてNaClを360g/Lの濃度で含有する電解質溶液(水溶液)を調製した。この電解質溶液のpHは7であった。次に、室温(約25℃)の電解質溶液に、ゲル状の銀めっき組成物を塗布した銅板を浸漬すると共に、アノードとして白金板を浸漬し、銅板をカソードとして、アノードとカソードとの間に2.5Vの電圧を12分間印加して、ゲル状の銀めっき組成物中の銀イオンを、電解質溶液を介して電解還元することにより、銅板上に銀めっき皮膜を形成した。
形成された銀めっき皮膜の膜厚を、蛍光X線膜厚計(X−Strata960(Oxford Instruments社製))で測定したところ、4.92μmであった。従って、成膜速度は約25μm/hrである。また、表面粗さRaを、走査型共焦点レーザー顕微鏡(OLS4000(オリンパス(株)製)で測定したところ0.81μmであった。更に、銀めっき皮膜の密着性を、テープ試験で評価したところ、剥がれはなく、良好であった。この場合、ゲル状の銀めっき組成物のスポットサイズであるφ5mmの範囲内の全体に銀めっき皮膜が形成されたが、スポットの範囲外にも、部分的(電解質溶液の液面側)に銀めっき皮膜が形成されていた。
[実施例2]
被めっき物として銅板を準備し、めっき前処理を、実施例1と同様に施した。次に、前処理後の銅板の表面上に、実施例1で用いたゲル状の銀めっき組成物を、φ5mm、厚さ0.8mmのドット状に塗布した。
次に、ゲル化剤としてジェランガムを5g/Lの濃度で含有し、電解質として作用する水酸化カリウムでpHを7に調整した電解質溶液(水溶液)を調製した。次に、室温(約25℃)の電解質溶液に、ゲル状の銀めっき組成物を塗布した銅板を浸漬すると共に、アノードとして白金板を浸漬し、銅板をカソードとして、アノードとカソードとの間に6Vの電圧を3分間印加して、ゲル状の銀めっき組成物中の銀イオンを、電解質溶液を介して電解還元することにより、銅板上に銀めっき皮膜を形成した。
形成された銀めっき皮膜の膜厚を、実施例1と同様の方法で測定したところ、3.01μmであった。従って、成膜速度は約60μm/hrである。また、表面粗さRaを、実施例1と同様の方法で測定したところ0.45μmであった。更に、銀めっき皮膜の密着性を、実施例1と同様の方法で評価したところ、剥がれはなく、良好であった。この場合、ゲル状の銀めっき組成物のスポットサイズであるφ5mmの範囲内の全体に銀めっき皮膜が形成され、スポットの範囲外に、銀めっき皮膜が形成されることはなかった。
実施例2の電解質溶液に含まれるゲル化剤であるジェランガムは、カチオンの存在により強固なゲルを形成する作用を有し、このゲル化剤が、ゲル状の銀めっき組成物中に含まれるカリウムイオンに作用して、電解質溶液中で、ゲル状の銀めっき組成物の表面部にゲル被膜を形成することにより、ゲル状の銀めっき組成物中の成分が、電解質溶液へ溶解又は溶出することが抑制されているものと考えられる。また、この場合、銀めっき皮膜の表面粗さは、ゲル化剤を含まない電解質溶液を用いた実施例1と比べて良好であり、密着性も遜色ないことから、ゲル状の銀めっき組成物中の銀イオンは、ゲル状の銀めっき組成物に含まれるシアンにより錯体を形成しており、銀イオンは、ゲル被膜の形成に寄与していないと考えられる。

Claims (2)

  1. 被めっき物上にゲル状のめっき組成物を塗布し、該ゲル状のめっき組成物を電解質溶液中に浸漬し、該電解質溶液中にアノードを浸漬し、上記被めっき物をカソードとして又はゲル状のめっき組成物にカソードを接触させて、上記ゲル状のめっき組成物中のめっき金属イオンを、上記電解質溶液を介して電解還元することにより、上記被めっき物上にめっき皮膜を形成することを特徴とするゲルめっき方法。
  2. 上記電解質溶液が、上記ゲル状のめっき組成物の表面部に被膜を形成する作用を有するゲル化剤を含むことを特徴とする請求項1記載のゲルめっき方法。
JP2017043813A 2017-03-08 2017-03-08 ゲルめっき方法 Active JP6885116B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017043813A JP6885116B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ゲルめっき方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017043813A JP6885116B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ゲルめっき方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018145502A true JP2018145502A (ja) 2018-09-20
JP6885116B2 JP6885116B2 (ja) 2021-06-09

Family

ID=63589679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017043813A Active JP6885116B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ゲルめっき方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6885116B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246989A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Fujitsu Ltd めっき方法
JP2011074464A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 導電性組成物および電気化学反応方法および構造体
JP2011074465A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 導電性組成物を用いた構造体の作製方法および構造体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007246989A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Fujitsu Ltd めっき方法
JP2011074464A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 導電性組成物および電気化学反応方法および構造体
JP2011074465A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 導電性組成物を用いた構造体の作製方法および構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP6885116B2 (ja) 2021-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5354754B2 (ja) Ni−P層システムおよびその調製方法
US20160024683A1 (en) Apparatus and method for electrolytic deposition of metal layers on workpieces
KR20170007268A (ko) 움직이는 금속 스트립을 도금하는 방법 및 이에 의해 생산된 코팅된 금속 스트립
Pecequilo et al. Study of copper electrodeposition mechanism from a strike alkaline bath prepared with 1-hydroxyethane-1, 1-diphosphonic acid through cyclic voltammetry technique
RU2666391C1 (ru) Ванна для электролитического нанесения покрытия из медно-никелевого сплава.
US4486274A (en) Palladium plating prodedure
JP3223829B2 (ja) 電気ニッケルめっき浴又は電気ニッケル合金めっき浴及びそれを用いためっき方法
Santana et al. Studies on electrodeposition and corrosion behaviour of a Ni–W–Co amorphous alloy
US20200216972A1 (en) Methods and apparatuses for mitigating tin whisker growth on tin and tin-plated surfaces by doping tin with germanium
CN104846408A (zh) 一种在铜基体上镀致密的铼薄膜的镀液配方及电镀方法
TWI794440B (zh) 電解銠電鍍液
CN109415812A (zh) 化学镀铂液
US10260159B2 (en) Methods and apparatuses for mitigating tin whisker growth on tin and tin-plated surfaces by doping tin with gold
JP2018145502A (ja) ゲルめっき方法
JP2018145503A (ja) ゲルめっき方法
EP0073236A1 (en) METHOD FOR ELECTRODEPOSITION COATING OF PALLADIUM AND PALLADIUM ALLOYS.
CN112501595B (zh) 金属镀膜的形成方法
JP2008266740A (ja) ゲル状メッキ組成物
JP2003105581A (ja) スズ合金の電解析出方法及び装置
CN111485262A (zh) 铟电镀组合物和在镍上电镀铟的方法
CN112004963B (zh) 减少或消除不带助焊剂施加的焊料中的空隙的镀覆方法
TWI717360B (zh) 電解硬質金鍍敷液用置換抑制劑及含其之電解硬質金鍍敷液
JP2024086356A (ja) ゲルめっきシステム及びゲルめっき方法
CN115305524A (zh) 一种电解液及其制备方法和应用
JPH04116191A (ja) 電気めっき方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20170327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210413

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6885116

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250