JP2018145284A - エチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒活性の低下を抑制し、生産性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法を提供する。【解決手段】金属原子にハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)、ならびに、少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む化合物(B)を含むオレフィン重合触媒の存在下で、エチレンおよび炭素原子数が3以上のα−オレフィンを共重合することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明はエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法に関し、より詳しくは架橋メタロセン化合物および特定の化合物の存在下でエチレンおよびα−オレフィンを共重合し、エチレン/α−オレフィン共重合体を製造する方法に関する。
オレフィン重合触媒としてシクロペンタジエニル配位子または置換シクロペンタジエニル配位子を有する遷移金属化合物、所謂メタロセン化合物を使用する方法が広く知られている。特に、架橋メタロセン化合物は、エチレン/α−オレフィン共重合用の触媒としても開発が進められている。また、架橋メタロセン化合物を触媒として用いたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造においては、生産性の向上、生産コスト(例えば除熱コスト)の低減となどの点から溶液重合が有利である。
例えば特許文献1〜3には、特定の構造を有する架橋メタロセン化合物、並びに、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物および前記架橋メタロセン化合物と反応してイオン対を形成する化合物とから選ばれる少なくとも1種以上の化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンおよびα−オレフィンから選ばれる1種以上のモノマーを溶液重合する方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の方法等の従来のエチレン系重合体の製造方法には、触媒活性の点でさらなる改善の余地があった。そして本発明者らの検討によれば、特許文献1〜3に記載の触媒系においてトリイソブチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物を使用すると、触媒活性が低下する現象がときどき見られた。
本発明は、このような課題を解決する為になされたものである。すなわち本発明の目的は、触媒活性の低下を抑制し、生産性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、触媒系のアルキル化剤としてアルキル化したアルミノキサン化合物を用いることが非常に効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の事項により特定される。
[1]金属原子にハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)、ならびに、
少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む化合物(B)
を含むオレフィン重合触媒の存在下で、エチレンおよび炭素原子数が3以上のα−オレフィンを共重合することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む化合物(B)
を含むオレフィン重合触媒の存在下で、エチレンおよび炭素原子数が3以上のα−オレフィンを共重合することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[2]化合物(B)が、有機金属化合物(B−1)をさらに含む[1]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[3]化合物(B)が、遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)をさらに含む[1]または[2]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[4]遷移金属錯体(A)が、下記一般式[I]または[II]で表される化合物である[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
(式[I]および[II]において、
A1およびA2は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
Yは、炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NRa−、−P(Ra)−、−P(O)(Ra)−、−BRa−または−AlRa−であり(Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基を示す。)
Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
A1およびA2は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
Yは、炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NRa−、−P(Ra)−、−P(O)(Ra)−、−BRa−または−AlRa−であり(Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基を示す。)
Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
[5]遷移金属錯体(A)が、下記一般式[III]で表される化合物である[4]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
(式[III]において、
Y1は炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、またはスズ原子であり、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
R1〜R14は水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる原子または置換基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
R1〜R14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
Y1は炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、またはスズ原子であり、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
R1〜R14は水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる原子または置換基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
R1〜R14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
[6]Qがハロゲン原子である[4]または[5]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
本発明によれば、触媒系のアルキル化剤としてアルキル変性メチルアルミノキサン化合物を用いることにより、触媒活性の低下を抑制し、生産性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法を提供できる。
<遷移金属錯体(A)>
本発明に用いる遷移金属錯体(A)は、オレフィン重合触媒機能を発現し、かつ金属原子にハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体であれば特に限定されない。従来技術ではハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物の組み合わせで活性低下が起こる場合があった。また、その活性低下を抑制する方法の一つとして、メチル錯体を使用する方法が知られていた。しかし、メチル錯体を使用する場合は錯体合成工程が増えるのでコストがアップする。一方、本発明においてはメチル錯体を使用することは必ずしも必要ではなく、ハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)と後述するアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)とを特に選択して組み合わせことにより、高い活性を発現することができる。
本発明に用いる遷移金属錯体(A)は、オレフィン重合触媒機能を発現し、かつ金属原子にハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体であれば特に限定されない。従来技術ではハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物の組み合わせで活性低下が起こる場合があった。また、その活性低下を抑制する方法の一つとして、メチル錯体を使用する方法が知られていた。しかし、メチル錯体を使用する場合は錯体合成工程が増えるのでコストがアップする。一方、本発明においてはメチル錯体を使用することは必ずしも必要ではなく、ハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)と後述するアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)とを特に選択して組み合わせことにより、高い活性を発現することができる。
遷移金属錯体(A)は、下記一般式[I]または[II]で表される化合物であることが好ましい。これら化合物は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニルを配位子として有するオレフィン重合触媒機能を発現する有機金属化合物である。遷移金属錯体(A)は、式[I]で表されるような架橋構造を有する化合物でもよいし、式[II]で表されるような架橋構造を有しない化合物でもよいが、式[I]で表される架橋構造を有する化合物がより好ましい。
(式[I]および[II]において、
A1およびA2は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
Yは、炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NRa−、−P(Ra)−、−P(O)(Ra)−、−BRa−または−AlRa−であり(Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基を示す。)
Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
A1およびA2は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
Yは、炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NRa−、−P(Ra)−、−P(O)(Ra)−、−BRa−または−AlRa−であり(Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基を示す。)
Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。)
式[I]および[II]におけるQのハロゲン原子としては、特に塩素原子が好ましい。式[I]および[II]における各置換基の具体例(炭化水素基、ハロゲン原子などの具体例)は、後述する一般式[III]の各置換基の具体例と同様である。遷移金属錯体(A)は、特に、一般式[I]で表される架橋構造を有する化合物であることが好ましい。
遷移金属錯体(A)は、下記一般式[III]で表される化合物であることがより好ましい。
式[III]において、Y1は炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子およびスズ原子から選ばれ、好ましくは炭素原子である。
式[III]において、Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、好ましくはハフニウム原子である。
式[III]において、R1〜R14は水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる原子または置換基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1〜R14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。
炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20の環状飽和炭化水素基、炭素原子数2〜20の鎖状不飽和炭化水素基、炭素原子数3〜20の環状不飽和炭化水素基が例示される。また、R1〜R14までの隣接した置換基が互いに結合して環を形成する場合であれば、炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数6〜20のアリーレン基等が例示される。
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、直鎖状飽和炭化水素基であるメチル基、エチル基、n−プロピル基、アリル(allyl)基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基など、分岐状飽和炭化水素基であるイソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ネオペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−ジプロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基、シクロプロピルメチル基などが例示される。アルキル基の炭素原子数は好ましくは1〜6である。
炭素原子数3〜20の環状飽和炭化水素基としては、環状飽和炭化水素基であるシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルネニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基など、環状飽和炭化水素基の水素原子が炭素原子数1〜17の炭化水素基で置き換えられた基である3−メチルシクロペンチル基、3−メチルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基などが例示される。環状飽和炭化水素基の炭素原子数は好ましくは5〜11である。
炭素原子数2〜20の鎖状不飽和炭化水素基としては、アルケニル基であるエテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、2−プロペニル基(アリル基)、1−メチルエテニル基(イソプロペニル基)など、アルキニル基であるエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)などが例示される。鎖状不飽和炭化水素基の炭素原子数は好ましくは2〜4である。
炭素原子数3〜20の環状不飽和炭化水素基としては、環状不飽和炭化水素基であるシクロペンタジエニル基、ノルボルニル基、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、アズレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基など、環状不飽和炭化水素基の水素原子が炭素原子数1〜15の炭化水素基で置き換えられた基である3−メチルフェニル基(m−トリル基)、4−メチルフェニル基(p−トリル基)、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、ビフェニリル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基(メシチル基)など、直鎖状炭化水素基または分岐状飽和炭化水素基の水素原子が炭素原子数3から19の環状飽和炭化水素基または環状不飽和炭化水素基で置き換えられた基であるベンジル基、クミル基などが例示される。環状不飽和炭化水素基の炭素原子数は好ましくは6〜10である。
炭素原子数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、エチルメチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、n−プロピレン基などが例示される。アルキレン基の炭素原子数は好ましくは1〜6である。
炭素原子数6〜20のアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、4,4’−ビフェニリレン基などが例示される。アリーレン基の炭素原子数は好ましくは6から12である。
ケイ素含有基としては、炭素原子数1〜20の炭化水素基において、炭素原子がケイ素原子で置き換えられた基であるトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等のアルキルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等のアリールシリル基、ペンタメチルジシラニル基、トリメチルシリルメチル基などが例示される。アルキルシリル基の炭素原子数は1〜10が好ましく、アリールシリル基の炭素原子数は6〜18が好ましい。
窒素含有基としては、アミノ基、ニトロ基、N−モルフォリニル基や、上述した炭素原子数1〜20の炭化水素基またはケイ素含有基において、=CH−構造単位が窒素原子で置き換えられた基、−CH2−構造単位が炭素原子数1〜20の炭化水素基が結合した窒素原子で置き換えられた基、または−CH3構造単位が炭素原子数1〜20の炭化水素基が結合した窒素原子またはニトリル基で置き換えられた基であるジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノメチル基、シアノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピリジニル基などが例示される。窒素含有基としては、ジメチルアミノ基、N−モルフォリニル基が好ましい。
酸素含有基としては、水酸基や、上述した炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または窒素含有基において、−CH2−構造単位が酸素原子またはカルボニル基で置き換えられた基、または−CH3構造単位が炭素原子数1〜20の炭化水素基が結合した酸素原子で置き換えられた基であるメトキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシロキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、n−2−オキサブチレン基、n−2−オキサペンチレン基、n−3−オキサペンチレン基、アルデヒド基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トリメチルシリルカルボニル基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、カルボキシメチル基、エトカルボキシメチル基、カルバモイルメチル基、フラニル基、ピラニル基などが例示される。酸素含有基としては、メトキシ基が好ましい。
ハロゲン原子としては、第17族元素であるフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが例示される。
ハロゲン含有基としては、上述した炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基または酸素含有基において、水素原子がハロゲン原子によって置換された基であるトリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示される。
式[III]において、Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子である。ハロゲン原子および炭素原子数1〜20の炭化水素基の詳細は、上述のとおりである。ハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。炭素原子数1〜20の炭化水素基の炭素原子の数は、1〜7が好ましい。アニオン配位子としては、メトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエートなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基などを例示することができる。孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル化合物などを例示することができる。
式[III]において、jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
式[III]において、R13およびR14はアリール基または置換アリール基であることが好ましい。いずれも置換アリール基である場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
アリール基としては、芳香族化合物から誘導された置換基であるフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、テトラセニル基、クリセニル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、ピロリル基、ピリジル基、フラニル基、チオフェニル基などが例示される。アリール基としては、フェニル基または2−ナフチル基が好ましい。
芳香族化合物としては、芳香族炭化水素および複素環式芳香族化合物であるベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、ピレン、インデン、アズレン、ピロール、ピリジン、フラン、チオフェンなどが例示される。
置換アリール基としては、前記アリール基が有する1以上の水素原子が炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基により置換されてなる基が挙げられ、具体的には3−メチルフェニル基(m−トリル基)、4−メチルフェニル基(p−トリル基)、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ビフェニリル基、4−(トリメチルシリル)フェニル基、4−アミノフェニル基、4−(ジメチルアミノ)フェニル基、4−(ジエチルアミノ)フェニル基、4−モルフォリニルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、5−メチルナフチル基、2−(6−メチル)ピリジル基などが例示される。
式[III]において、R13およびR14の少なくとも一つは、アリール基の水素原子の一つ以上をハメット則の置換基定数σが−0.2以下の電子供与性置換基で置換してなる置換アリール基であることが好ましい。電子供与性置換基を複数個有する場合にはそれぞれの電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、電子供与性置換基以外の、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基を有していてもよく、該置換基を複数個有する場合にはそれぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい置換アリール基(以下「電子供与性基含有置換アリール基」ともいう)である。
ハメット則の置換基定数σpまたはσmが−0.2以下の電子供与性置換基としては、p−アミノ基(4−アミノ基)、p−ジメチルアミノ基(4−ジメチルアミノ基)、p−ジエチルアミノ基(4−ジエチルアミノ基)、m−ジエチルアミノ基(3−ジエチルアミノ基)などの窒素含有基、p−メトキシ基(4−メトキシ基)、p−エトキシ基(4−エトキシ基)などの酸素含有基、p−t−ブチル基(4−t−ブチル基)などの三級炭化水素基、p−トリメチルシロキシ基(4−トリメチルシロキシ基)などのケイ素含有基などを例示することができる。尚、本発明で定義されるハメット則の置換基定数σpまたはσmが−0.2以下の電子供与性置換基は、HanschおよびTaftによる文献[Chem.Rev.,91,165 (1991)]のTable1(168−175頁)に記載された置換基に限定されない。該文献に記載のない置換基であっても、ハメット則に基いて測定した場合の置換基定数σpまたはσmがその範囲となるであろう置換基は、本発明で定義するハメット則の置換基定数σpまたはσmが−0.2以下の電子供与性基に含まれる。このような置換基としては、p−N−モルフォリニル基(4−N−モルフォリニル基)、m−N−モルフォリニル基(3−N−モルフォリニル基)などを例示することができる。
電子供与性基含有置換アリール基において、該電子供与性置換基が複数個置換している場合それぞれの電子供与性置換基は同一でも異なっていてもよく、該電子供与性置換基以外に炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる置換基が置換していてもよく、該置換基が複数個置換している場合それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよいが、一つの電子供与性基含有置換アリール基に含まれる電子供与性置換基および置換基の各々のハメット則の置換基定数σの総和は−0.15以下であることが好ましい。このような置換アリール基としては、m,p−ジメトキシフェニル基(3,4−ジメトキシフェニル基)、p−(ジメチルアミノ)−m−メトキシフェニル基(4−(ジメチルアミノ)−3−メトキシフェニル基)、p−(ジメチルアミノ)−m−メチルフェニル基(4−(ジメチルアミノ)−3−メチルフェニル基)、p−メトキシ−m−メチルフェニル基(4−メトキシ−3−メチルフェニル基)、p−メトキシ−m,m−ジメチルフェニル基(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル基)などが例示される。
電子供与性基含有置換アリール基が有してもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基としては、上述したこれらの原子または置換基の具体例を挙げることができる。
(式[IV]において、Y1、M、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、Qおよびjの定義等は、上述のとおりである。)
上記一般式[IV]で表される遷移金属錯体(A−1)において、Yは炭素原子であることがさらに好ましい。
<化合物(B)>
本発明に用いる化合物(B)は、少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む。さらに化合物(B)は、アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)と共に、有機金属化合物(B−1)も含むことが好ましく、遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン性化合物(B−3)」と略称する場合がある。)を含むことも好ましい。以下、これら化合物(B−1)、(B−2)および(B−3)について説明する。
本発明に用いる化合物(B)は、少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む。さらに化合物(B)は、アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)と共に、有機金属化合物(B−1)も含むことが好ましく、遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)(以下、「イオン性化合物(B−3)」と略称する場合がある。)を含むことも好ましい。以下、これら化合物(B−1)、(B−2)および(B−3)について説明する。
(有機金属化合物(B−1))
有機金属化合物(B−1)としては、例えば、以下に記載の一般式(B−1a)で表される有機アルミニウム化合物、一般式(B−1b)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、一般式(B−1c)で表される第2族または第12族金属のジアルキル化合物等の、第1、2族及び第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
有機金属化合物(B−1)としては、例えば、以下に記載の一般式(B−1a)で表される有機アルミニウム化合物、一般式(B−1b)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、一般式(B−1c)で表される第2族または第12族金属のジアルキル化合物等の、第1、2族及び第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
(B−1a):RamAl(ORb)nHpXq
式(B−1a)中、Ra及びRbはそれぞれ独立に炭素原子数1〜15の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦P<3、qはO≦q<3を満たす数であり、かつm+n+p+q=3である。
式(B−1a)中、Ra及びRbはそれぞれ独立に炭素原子数1〜15の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦P<3、qはO≦q<3を満たす数であり、かつm+n+p+q=3である。
一般式(B−1a)で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムなどのトリ−n−アルキルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ−2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐状アルキルアルミニウム、
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、
トリフェニルアルミニウム、トリ(4−メチルフェニル)アルミニウムなどのトリアリールアルミニウム、
ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、
一般式(i−C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≦2xである。)で表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド、
一般式Ra2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、
エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド、
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドおよびその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム、
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム
などを例示することができる。
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ−2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐状アルキルアルミニウム、
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、
トリフェニルアルミニウム、トリ(4−メチルフェニル)アルミニウムなどのトリアリールアルミニウム、
ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、
一般式(i−C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≦2xである。)で表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド、
一般式Ra2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、
エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド、
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドおよびその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム、
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム
などを例示することができる。
(B−1b):M2AlRa4
式(B−1b)中、M2はLi、NaまたはKであり、Raは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。
式(B−1b)中、M2はLi、NaまたはKであり、Raは炭素原子数1〜15の炭化水素基である。
(B−1c):RaRbM
式(B−1c)中、Ra及びRbはそれぞれ独立に炭素原子数1〜15の炭化水素基であり、MはMg、ZnまたはCdである。
式(B−1c)中、Ra及びRbはそれぞれ独立に炭素原子数1〜15の炭化水素基であり、MはMg、ZnまたはCdである。
有機金属化合物(B−1)としては、市販品のために入手が容易なトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが好ましい。このうち、取り扱いが容易なトリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
(アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2))
アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)としては、例えば、下記一般式[V]で表されるような化合物を使用できる。
アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)としては、例えば、下記一般式[V]で表されるような化合物を使用できる。
(式中、Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基、mおよびnはそれぞれ独立に2以上の整数を示す。)
一般式[V]中のRの具体例としては、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;が挙げられる。中でも、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基が好ましい。
アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)はトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製されるものである。このような化合物は、一般にMMAOと呼ばれており、例えば米国特許第4960878号および米国特許第5041584号で挙げられている方法で調製できる。また、市販品としても入手可能である。
(イオン性化合物(B−3))
イオン性化合物(B−3)としては、例えば、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許5321106号等に記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物及びカルボラン化合物が挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物及びイソポリ化合物も挙げることができる。ただし、前述の化合物(B−2)は含まない。
イオン性化合物(B−3)としては、例えば、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許5321106号等に記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物及びカルボラン化合物が挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物及びイソポリ化合物も挙げることができる。ただし、前述の化合物(B−2)は含まない。
イオン性化合物(B−3)としては、市販品として入手が容易であり、かつ重合活性向上への寄与が大きいことから、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
固体触媒は、さらに必要に応じて、担体(c)を含有することがより好ましい。担体(c)としては、例えば、無機または有機の化合物であって、頼粒状ないしは微粒子状の固体が挙げられる。遷移金属化合物(A)は、担体(C)に担持された形態で用いることが好ましい。
多孔質酸化物としては、例えば、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2、CaO、ZnO、BaO、ThO2等の酸化物、またはこれらを含む複合物もしくは混合物を使用することができる。例えば、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgOを使用することができる。これらの中でも、SiO2及び/またはAl2O3を主成分として含有する多孔質酸化物が好ましい。
固体触媒は、さらに必要に応じて、有機化合物成分(D)を含有することもできる。有機化合物成分(D)は、必要に応じて、重合性能及び生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。有機化合物(D)としては、例えば、アルコール類、フェノール性化合物、力ルボン酸、リン化合物、アミド、ポリエーテル及びスルホン酸塩等が挙げられる。
<エチレンとα−オレフィンとの共重合>
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法は、上記オレフィン重合触媒の存在下で、エチレンと炭素原子数が3以上のα−オレフィンとを共重合することを特徴としている。
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法は、上記オレフィン重合触媒の存在下で、エチレンと炭素原子数が3以上のα−オレフィンとを共重合することを特徴としている。
本発明で用いられるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサンなどの炭素原子数3から20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンを例示することができる。α−オレフィンとしては、炭素原子数3から10の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンがより好ましい。これらのα−オレフィンは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、極性基含有モノマー、芳香族ビニル化合物、および環状オレフィンから選択される少なくとも1種を反応系に共存させて重合を進めることもできる。エチレンおよび炭素原子数が3以上のα−オレフィンとの合計100質量部に対して、他のモノマーは、例えば20質量部以下、好ましくは10質量部以下の量で用いることができる。
極性基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸などのα,β−不飽和カルボン酸類、およびこれらのナトリウム塩等の金属塩類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和グリシジル類などを例示することができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、アリルベンゼンなどを例示することができる。
環状オレフィンとしては、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセンなどの炭素原子数3から30、好ましくは3から20の環状オレフィン類を例示することができる。
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法としては、上記のオレフィン重合触媒の存在下で、エチレンと炭素原子数が3以上のα−オレフィンとを共重合する方法であって、ポリマー中の各々のモノマー由来の構成単位の割合の合計を100モル%としたときに、エチレン由来の構成単位の割合が50モル%以上であるエチレン/α−オレフィン共重合体が得られるように重合する方法が挙げられる。
エチレンと、炭素原子数3から20のα−オレフィンから選ばれる1種のオレフィンとを共重合する場合は、エチレンおよび炭素原子数3から20のα−オレフィンの仕込みモル比は、通常、エチレン:α−オレフィン = 10:90から99.9:0.1、好ましくはエチレン:α−オレフィン = 30:70から99.9:0.1、さらに好ましくはエチレン:α−オレフィン = 50:50から99.9:0.1である。
本発明におけるエチレンおよびα−オレフィンの共重合は、溶液重合、懸濁重合(スラリー重合)などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できるが、溶液重合が特に好ましい。
オレフィン重合触媒の各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれる。また、触媒中の各成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10−9から10−1モル、好ましくは10−8から10−2モルになるような量で用いられる。
成分(B−1)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−1)/M]が通常0.01〜50000、好ましくは0.05〜10000となるような量で用いられる。
成分(B−2)は、成分(B−2)中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−2)/M]が、通常10〜5000、好ましくは10〜1000、より好ましくは10〜100となるような量で用いられる。
成分(B−3)は、成分(B−3)と成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[(B−3)/M]が通常1〜10000、好ましくは1〜5000となるような量で用いられる。
重合温度は、本発明の効果を最大限享受可能な高温が望ましく、通常100℃から300℃であり、下限温度は好ましくは120℃、更に好ましくは130℃であり、上限温度は好ましくは250℃、更に好ましくは200℃である。100℃以上の重合温度領域では温度が高くなるに従い、重合時の溶液粘度が低下し、重合熱の除熱も容易となり、得られるエチレン/α−オレフィン共重合体の高分子量化が達成できる。しかし、重合温度が300℃を過度に超えると得られるポリマーに劣化が起こる場合があるので好ましくない。また、本発明のオレフィン重合によって好ましく製造されるエチレン/α−オレフィン共重合体の性状の観点から、重合温度が100℃から200℃の領域において、フィルム等多くの産業分野で好適に用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体を効率良く生産することが可能である。
重合圧力は、通常、常圧〜10MPaゲージ圧(MPa−G)、好ましくは常圧〜8MPa−Gである。
重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに、重合を反応条件の異なる二つ以上の重合器で連続的に行うことも可能である。
得られるエチレン/α−オレフィン共重合体の分子量は、重合系中の水素濃度や重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する成分(B)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量は生成するエチレン/α−オレフィン共重合体1kgあたり0.001〜5000NL程度が適当である。
液相重合法において用いられる重合溶媒は、通常、不活性炭化水素溶媒であり、好ましくは常圧下における沸点が50℃〜200℃の飽和炭化水素である。重合溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素が挙げられ、特に好ましくは、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサンが挙げられる。重合対象であるα−オレフィン自身を重合溶媒として用いることもできる。尚、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類やエチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素も重合溶媒として使用することが出来るが、環境への負荷軽減の視点および人体健康への影響の最少化の視点からは、これらの使用は好ましくない。
本発明の方法によって得られるエチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、通常、850から950kg/m3、好ましくは860から950kg/m3である。
本発明の方法によって得られるエチレン/α−オレフィン共重合体のメルトフローレートMFR2(ASTMD−1238、190℃、2.16kg荷重)は、通常0.01〜200g/10min、好ましくは0.05から100 g/10minである。MFR2が当該範囲内にあると、成形加工性に優れる点で好ましい。
本発明の方法によって得られるエチレン/α−オレフィン共重合体中のエチレン由来の構成単位は、通常99.9から50mol%、好ましくは99.9から65mol%、より好ましくは99.7から70mol%であり、α−オレフィン由来の構成単位は50mol%から0.1mol%、好ましくは35 mol%から0.1mol%、さらに好ましくは30mol%から0.3mol%である。ただし、エチレン由来の構成単位とα−オレフィン由来の構成単位との合計を100mol%とする。
本発明によって得られるエチレン/α−オレフィン共重合体において、分子鎖二重結合のビニル、ビニリデン、二置換オレフィンおよび三置換オレフィンはそれぞれ、1000炭素当たり好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1未満である。それぞれの下限値は好ましくは1000炭素当たり0である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[メルトフローレート(MFR2)]
MFR2:ASTM D−1238の標準法により、190℃、2.16kg荷重下で測定された数値である。
MFR2:ASTM D−1238の標準法により、190℃、2.16kg荷重下で測定された数値である。
[密度]
190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で0.5mm厚のシートを成形し(スペーサー形状:240×240×0.5mm厚の板に45×45×0.5mm、9個取り)、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で圧縮することで冷却して測定用試料を作成した。熱板は5mm厚のSUS板を用いた。このプレスシートを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した。
190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で0.5mm厚のシートを成形し(スペーサー形状:240×240×0.5mm厚の板に45×45×0.5mm、9個取り)、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力で圧縮することで冷却して測定用試料を作成した。熱板は5mm厚のSUS板を用いた。このプレスシートを120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定した。
[アルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)]
以下の構造のモディファイドメチルアルミノキサン(東ソー株式会社製、商品名MMAO−3A/Hx)を使用した。
以下の構造のモディファイドメチルアルミノキサン(東ソー株式会社製、商品名MMAO−3A/Hx)を使用した。
[実施例1]
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
充分に窒素置換した内容積2 lのステンレス製オートクレーブにヘキサン960ml、1−ブテン140ml、水素300mlを装入し、系内の温度を157℃に昇温した後、エチレンを供給することにより全圧を3MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.3mmolを窒素で圧入した後、モディファイドメチルアルミノキサン(MMAO)0.003mmolと[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−218)0.00015mmolを6分間プレミックスしたもの、およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(CB−3)0.0015mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を250rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、160℃で9分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、1−ブテン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを析出させた。ポリマーをろ過により回収し、120℃の減圧下で一晩乾燥した。
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
充分に窒素置換した内容積2 lのステンレス製オートクレーブにヘキサン960ml、1−ブテン140ml、水素300mlを装入し、系内の温度を157℃に昇温した後、エチレンを供給することにより全圧を3MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.3mmolを窒素で圧入した後、モディファイドメチルアルミノキサン(MMAO)0.003mmolと[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−218)0.00015mmolを6分間プレミックスしたもの、およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(CB−3)0.0015mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を250rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPa−Gに保ち、160℃で9分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、1−ブテン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを析出させた。ポリマーをろ過により回収し、120℃の減圧下で一晩乾燥した。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体13.0gを得た。得られたポリマーのMFR2は0.19g/10min、密度は874kg/m3であった。
[比較例1]
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−218)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メトキシフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−218)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体13.3gを得た。得られたポリマーのMFR2は0.55g/10min、密度は873kg/m3であった。
[実施例2]
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、MMAO0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−46)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、MMAO0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−46)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体31.1gを得た。得られたポリマーのMFR2は2.59g/10min、密度は864kg/m3であった。
[比較例2]
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−46)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−46)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体16.0gを得た。得られたポリマーのMFR2は1.13g/10min、密度は863kg/m3であった。
[実施例3]
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、MMAO0.003mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−62)0.00015mmolを6分間プレミックスしたものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、MMAO0.003mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−62)0.00015mmolを6分間プレミックスしたものを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体23.6gを得た。得られたポリマーのMFR2は2.05g/10min、密度は873kg/m3であった。
[比較例3]
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−62)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η 5 −シクロペンタジエニル)(η 5 −テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリドによるエチレン/1−ブテン共重合
MMAOとHC−218をプレミックスしたものの代わりに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)0.006mmolと[ビス(4−メチルフェニル)メチレン(η5−シクロペンタジエニル)(η5−テトラメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)]ハフニウムジクロリド(HC−62)0.0003mmolを6分間プレミックスしたものを使用し、かつCB−3の量を0.003mmolに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作で重合を行った。
その結果、エチレン−1−ブテン共重合体21.6gを得た。得られたポリマーのMFR2は1.94g/10min、密度は871kg/m3であった。
以上の実施例および比較例の結果をまとめて表1に示す。
以上の表1の結果から明らかなように、実施例1〜3は、各々対応する比較例1〜3と比べて重合Mileageが高い。これは、比較例1〜3ではハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)とトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)を組み合わせたことが触媒活性に悪影響を及ぼし、実施例1〜3ではそのトリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の一部をモディファイドメチルアルミノキサン(MMAO)に置換して使用したので触媒活性の低下が抑制されたものと推測される。
本発明の方法によれば触媒活性の低下を抑制でき、生産性に優れたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法を提供できるため、工業的に極めて価値がある。
Claims (6)
- 金属原子にハロゲン原子が結合した分子構造を含む遷移金属錯体(A)、ならびに、
少なくともアルキル変性メチルアルミノキサン化合物(B−2)を含む化合物(B)
を含むオレフィン重合触媒の存在下で、エチレンおよび炭素原子数が3以上のα−オレフィンを共重合することを特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。 - 化合物(B)が、有機金属化合物(B−1)をさらに含む請求項1に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
- 化合物(B)が、遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)をさらに含む請求項1または2に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
- 遷移金属錯体(A)が、下記一般式[I]または[II]で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
A1およびA2は、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基、置換基を有していてもよいインデニル基、または置換基を有していてもよいフルオレニル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
Yは、炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−Ge−、−Sn−、−NRa−、−P(Ra)−、−P(O)(Ra)−、−BRa−または−AlRa−であり(Raは、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、または窒素原子に炭素原子数1〜20の炭化水素基が1個または2個結合した窒素化合物残基を示す。)
Mは、チタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1〜4の整数である。) - 遷移金属錯体(A)が、下記一般式[III]で表される化合物である請求項4に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
Y1は炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、またはスズ原子であり、
Mはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
R1〜R14は水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、ハロゲン原子およびハロゲン含有基から選ばれる原子または置換基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
R1〜R14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、
Qは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、ただし、Qが1つしか存在しない場にはQはハロゲン原子であり、Qが複数存在する場合には複数Qのうち少なくとも1つはハロゲン原子であり、
jは1から4の整数である。) - Qがハロゲン原子である請求項4または5に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
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Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JP2001523275A (ja) * | 1995-10-19 | 2001-11-20 | アモコ・コーポレイション | メタロセンを主成分とする高活性均一オレフィン重合系 |
JP2005314680A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-11-10 | Mitsui Chemicals Inc | オレフィン重合体の製造方法 |
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-
2017
- 2017-03-06 JP JP2017041223A patent/JP2018145284A/ja active Pending
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