JP2018145064A - ポーラス生石灰およびその製造方法 - Google Patents

ポーラス生石灰およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018145064A
JP2018145064A JP2017043549A JP2017043549A JP2018145064A JP 2018145064 A JP2018145064 A JP 2018145064A JP 2017043549 A JP2017043549 A JP 2017043549A JP 2017043549 A JP2017043549 A JP 2017043549A JP 2018145064 A JP2018145064 A JP 2018145064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quicklime
chlorine
porous
limestone
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017043549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018145064A5 (ja
JP6886175B2 (ja
Inventor
徹 宇野
Toru Uno
徹 宇野
泰和 藤本
Yasukazu Fujimoto
泰和 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Lime Industry Co Ltd
Original Assignee
Kawai Lime Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawai Lime Industry Co Ltd filed Critical Kawai Lime Industry Co Ltd
Priority to JP2017043549A priority Critical patent/JP6886175B2/ja
Publication of JP2018145064A publication Critical patent/JP2018145064A/ja
Publication of JP2018145064A5 publication Critical patent/JP2018145064A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6886175B2 publication Critical patent/JP6886175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

【課題】残留塩素濃度が低く、かつ、崩壊性の高いポーラス生石灰およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明のポーラス生石灰は、塩素濃度が1000ppm未満で、かつ、略球状粒子から成ることを特徴とする。本発明のポーラス生石灰の製造方法は、石灰石の質量に対して塩素成分が0.06〜0.90質量%となるよう有機塩素化合物を添加して焼成することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ポーラス生石灰およびその製造方法に関する。
生石灰(CaO)は、石灰石(CaCO)を焼成することにより得られ、肥料、乾燥剤または銑鉄中の不純物を除去するための製鋼用フラックス(脱硫剤や脱リン剤等の介在物除去剤、造滓剤等の総称)として利用されている。生石灰は、その焼成方法の違いにより、素焼き生石灰や塩焼き生石灰などの様々な種類の生石灰が存在する。
素焼き生石灰とは、石灰石のみを焼成することにより得られる生石灰のことである。また、塩焼き生石灰とは、石灰石を焼成する際に、塩化ナトリウムなどの塩素源を添加して焼成することにより得られる生石灰のことである。塩焼き生石灰は、素焼き生石灰と比較して、粒子径および粒子間に形成される気孔径が大きく、かつ、気孔率も高い、ポーラス(多孔質)な生石灰である。塩焼き生石灰は、そのポーラスな構造により、銑鉄が内部に侵入しやすくなり銑鉄中の不純物を効果的に除去できるため、製鋼用フラックスとして特に有用である。
特許文献1には、堅形焼成炉による塩焼き生石灰の製造方法が開示されている。特許文献1の製造方法では、固体の添加塩10を堅形焼成炉内の石灰石に付着させると共に、その付着した添加塩10を溶融することにより塩焼き生石灰9を製造している。
特許文献2には、石灰焼成炉を用いた有機ハロゲン化合物の分解処理方法が開示されている。当該方法では、焼成炉11内に2〜4mmに砕いた石灰石14を配置した後、焼成炉11内の温度を1000℃まで上昇させ、フロンガスを吹き込みながら焼成を行っている。特許文献2の実施例では、生成した生石灰の塩素含有量(重量%)は、0.88%または1.74%である。
特開2009−155161号公報 特開平10−019227号公報
生石灰中に残留した塩素は、生石灰の使用用途によっては悪影響をもたらすことがある。例えば、生石灰を製鋼用フラックスとして使用した場合、生石灰中の残留塩素は製鋼設備の腐食を引き起こすおそれがある。そのため、生石灰中の残留塩素濃度はできる限り低いほうが望ましい。また、反応性を高めるために、使用時に、粒子同士がほぐれやすい生石灰が求められている。
本発明は上記課題に鑑みてなされた発明であり、残留塩素濃度が低く、かつ、崩壊性の高いポーラス生石灰およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のポーラス生石灰およびその製造方法は以下の特徴を有する。
(項目1)
塩素濃度が1000ppm未満で、かつ、略球状粒子から成る、
ことを特徴とするポーラス生石灰。
(項目2)
塩素濃度が1000ppm未満で、かつ、走査型電子顕微鏡画像から測定された短径と長径との比(短径/長径)が0.8〜1.0である略球状粒子が、個数割合で85%以上である、
ことを特徴とするポーラス生石灰。
(項目3)
圧縮強度が0.85N/mm未満である、
項目1または2に記載のポーラス生石灰。
(項目4)
項目1から3のいずれか1項に記載のポーラス生石灰の製造方法であって、
石灰石の質量に対して塩素成分が0.06〜0.90質量%となるよう有機塩素化合物を添加して焼成する、
ことを特徴とするポーラス生石灰の製造方法。
本発明によって、塩素濃度が1000ppm(0.1%)未満と低く、かつ、略球状粒子から成るポーラス生石灰を提供することができる。粒子が球状に近いほど粒子同士が点接触に近くなるため、粒子間の結合が弱く崩壊しやすくなり、粒子同士がほぐれやすくなると考えられる。また、本発明によって、そのようなポーラス生石灰の製造方法を提供することができる。
(a)〜(d)はそれぞれ、実施例1、実施例5、実施例9および実施例13の試料の走査型電子顕微鏡画像(倍率5000倍)である。 (a)〜(d)はそれぞれ、比較例1、比較例4、比較例7および比較例10の試料の走査型電子顕微鏡画像(倍率5000倍)である。
以下では、まず本発明のポーラス生石灰について説明し、その後、当該ポーラス生石灰の製造方法について説明する。
本発明のポーラス生石灰は、塩素(Cl)濃度が1000ppm未満で、かつ、粒子形状が略球状であることを特徴とする。塩素濃度は好ましくは900ppm以下である。
本発明のポーラス生石灰において、略球状とは、真球に限定されず、楕円形なども含む。本発明のポーラス生石灰において、短径と長径との比(短径/長径)が0.8〜1.0である略球状粒子が、個数割合で85%以上存在していることが好ましく、90%以上存在していることがより好ましい。また、ポーラス生石灰粒子の平均粒子径は1μm以上であることが好ましい。平均粒子径が大きいほど、気孔率が高くポーラスになり、粒子同士がほぐれ易くなる。ポーラス生石灰粒子の短径、長径および平均粒子径並びに短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数割合の測定は、走査型電子顕微鏡(SEM)から得られる画像(倍率5000倍で撮影)に基づいて行うことができる。なお、長径とは、SEM画像において、粒子の略重心を通過する線分のうち最も距離が長いものをいう。短径とは、SEM画像において、粒子の略重心を通過する線分のうち最も距離が短いものをいう。平均粒子径および個数割合の算出方法は後述の実施例で説明する。
本発明のポーラス生石灰において、圧縮強度は0.85N/mm未満であることが好ましく、0.80N/mm以下であることがより好ましく、0.75N/mm以下であることがさらに好ましく、0.70N/mm以下であることが特に好ましい。圧縮強度が小さいほど粒子同士がほぐれ易いことを示す。
本発明のポーラス生石灰において、崩壊率は1.5%よりも大きいことが好ましい。崩壊率が大きいほど粒子同士がほぐれ易いことを示す。
次に、本発明のポーラス生石灰の製造方法について説明する。
本発明のポーラス生石灰の製造方法は、石灰石に有機塩素化合物を添加して焼成することを特徴とする。有機塩素化合物の添加割合は、石灰石の質量に対して塩素成分が0.06〜0.90質量%となるよう決定される。石灰石の質量に対する塩素成分の上限は、0.86質量%以下であることが好ましい。石灰石の質量に対する塩素成分の割合の算出方法は後述の実施例で説明する。石灰石の質量に対する塩素成分の割合が0.06質量%よりも少ないと、素焼きの状態に近くなり、ポーラスな生石灰が得られないおそれがある。また、略球状粒子の個数割合が減少するおそれがある。石灰石の質量に対する塩素成分の割合が0.90質量%よりも多いと、生成した生石灰中の塩素濃度が高くなると共に、略球状粒子の個数割合が減少するおそれがある。
有機塩素化合物は、一種類の有機塩素化合物を単独で使用してもよく、二種類以上の有機塩素化合物を混ぜて使用してもよい。有機塩素化合物は、低分子化合物または高分子化合物のいずれであってもよい。有機塩素化合物としては特に限定されないが、例えば、クロロエタン、クロロエチレン、ジクロロメタン、ジクロロエチレン、トリクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロメタン、テトラクロロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。この中でも、ポリ塩化ビニルは、入手容易性や取り扱いの容易性の観点から好ましい。また、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは、それらの有機塩素化合物1mol中の塩素原子のモル比が高く、かつ、環境への負荷が小さいため好ましい。
有機塩素化合物は、固体状、液体状または気体状の有機塩素化合物のいずれかを単独で使用してもよく、それらの有機塩素化合物を組み合わせて使用してもよい。石灰石は焼成炉内で有機塩素化合物と接触した状態で焼成される。固体状または液体状の有機塩素化合物を使用する場合、それらの有機塩素化合物を焼成炉に投入前の石灰石に予め接触(付着または散布など)させておいてもよく、焼成炉に投入した後に石灰石に接触させてもよい。
気体状の有機塩素化合物は、常温で気体である有機塩素化合物の他、固体状または液体状の有機塩素化合物が気化(昇華、燃焼または蒸発など)することによって発生した気体であってもよい。例えば固体状または液体状の有機塩素化合物を焼成炉の熱源近傍に導入し、または、熱源の燃料に混合し、それらの有機塩素化合物を熱源によって気化させ、発生した気体を焼成炉内に吹き込んで石灰石と接触させるようにしてもよい。また、常温で気体の有機塩素化合物の場合、焼成炉内に直接吹き込んだり、焼成炉の熱源の燃料に混合したりして、焼成炉内に導入することができる。気体状の有機塩素化合物を使用すると、気体状の有機塩素化合物が焼成炉内に広く拡散して行くため、焼成炉内の石灰石全体に均一に塩素源を接触させることができる。その結果、品質が均一なポーラス生石灰を得ることができる。
一般に高分子化合物は燃焼により大きな熱量が発生し、この熱量は焼成炉内の温度の上昇または維持に寄与する。そのため、有機塩素化合物として有機塩素高分子化合物を使用すれば、石灰石の焼成中に、当該有機塩素高分子化合物の燃焼によって発生した熱量により焼成炉内の温度を上昇または維持することができる。その結果、焼成炉の熱源の熱発生量を抑えることができ、熱源の燃料使用量を抑えることができる。例えば、焼成炉の熱源の燃料の一部を有機塩素高分子化合物で代替することもできる。
石灰石の焼成温度は、生石灰を生成可能な温度であればよく、一例として、1000℃から1500℃である。また、石灰石の焼成時間も生石灰を生成可能な時間であれば、特に限定されない。
焼成炉としては、特に限定されないが、横型ロータリキルンまたは竪型焼成炉であるKHD(カーハーディ)炉若しくはメルツ炉を使用することが好ましい。生石灰の製造は連続操業が一般的であるため、焼成炉には、特性の異なる生石灰製品の品種替えを簡単かつ短時間で行える焼成炉を使用することが望ましい。この点、横型ロータリキルン、KHD炉またはメルツ炉では、素焼きから塩焼き、塩焼きから素焼きへの品種替えを簡単かつ短期間で行うことができるため好ましい。
以下では、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜16および比較例1〜23の試験条件および試験結果を表1に示す。
<試験方法>
実施例1〜16および比較例1〜12では、直径48mmの外側るつぼ内に直径36mmの内側るつぼが配置された二重るつぼを使用して試験を行った。内側るつぼには、大きさ5〜15mmの石灰石を10g入れた。外側るつぼには、有機塩素化合物を所定量(表1参照)入れた。有機塩素化合物から発生した気体が二重るつぼ外へ逃げないように、また、外部から二重るつぼ内に気体が流入しないように、二重るつぼの上部に蓋をした。本実施例および比較例では、石灰石と有機塩素化合物とは、内側るつぼによって隔離されているため、直接接触しないようになっている。一方、有機塩素化合物から発生した気体は、上方へ流れると共に、内側るつぼ内へ流入し、石灰石と接触することが可能となっている。あらかじめ1000℃に加熱した電気炉(YAMATO製、FO300)内に二重るつぼを入れ、2時間加熱した。2時間経過後、二重るつぼを室温まで徐冷した。
比較例13では何ら化合物を使用せず石灰石のみで焼成を行った以外は、実施例と同様の方法により試験を行った。比較例13で得られる生石灰はいわゆる素焼き生石灰である。比較例14〜20では、使用化合物として無機塩素化合物である塩化ナトリウム(NaCl)を使用した以外は、実施例と同様の方法により試験を行った。比較例21〜23では、使用化合物として塩素原子を有さない有機化合物を使用した以外は、実施例と同様の方法で試験を行った。
なお、表1における「石灰石の質量に対する塩素成分の割合」は、塩素化合物1molに対する塩素原子のモル質量比から算出される。以下では、石灰石の質量に対する塩素成分の割合の算出方法について実施例5を例に挙げ説明する。ジクロロメタンの化学式は、CHClで表される。ジクロロメタンの分子量(モル質量)は約84.93g/molであり、塩素の原子量(モル質量)は約35.45g/molである。ジクロロメタンは、二つの塩素原子を有している。したがって、ジクロロメタン1molに対する塩素原子のモル質量比は、(35.45×2)/84.93=約0.8となる。よって、石灰石の質量に対するジクロロメタンの添加割合が0.1質量%(石灰石10gに対してジクロロメタン0.01g添加)のとき、石灰石の質量に対する塩素成分の割合は、0.1質量%×0.8=0.08質量%となる。なお、有機塩素高分子化合物の場合には、有機塩素高分子化合物のモノマー1molに対する塩素原子のモル質量比から算出される。
<評価方法>
[塩素濃度測定]
パックテスト(株式会社共立理化学研究所、塩化物(200))により生成した生石灰中の塩素濃度を測定した。
(1)生石灰を150μm以下まで粉砕した。
(2)純水50mL中に粉砕した生石灰5.0gを入れ、1時間放置後、ろ過した。
(3)ろ液1.5mLに上記パックテストに付属のK−1試薬を2滴加え比色を行い、塩素濃度(ppm=mg/L)を測定した。
(4)なお、パックテスト法は、塩素濃度測定において、安価で簡易な測定法であるが、測定試料などによっては、測定誤差が大きくなる場合があり得る。また、塩素濃度測定において、イオンクロマトグラフィー法は精度が高い測定法であるが、測定装置自体が高価であり、外部委託測定費用も高く、かつ、測定時間も長いという問題がある。そこで、パックテスト法とイオンクロマトグラフィー法とによる測定値差を確かめるため、実施例4、実施例8および実施例13の三つの試料について、パックテスト法とイオンクロマトグラフィー法の両方で測定を行い、両者の測定値を比較した。表2に示すように、パックテスト法による測定値とイオンクロマトグラフィー法による測定値とは、ほとんど差がなかった。この結果から、パックテスト法による測定であってもイオンクロマトグラフィー法と同じように精度が高い測定を行うことが可能であることが確かめられた。したがって、実施例および比較例では、パックテスト法による塩素濃度測定を採用した。
[粒子形状観察および個数割合の測定]
(1)走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社、JSM−7500F)を使用して、倍率5000倍で、試料ステージ上の生石灰粉末の任意の5箇所の画像撮影を行った。
(2)走査型電子顕微鏡の画像解析モードにて、SEM画像中の粒子の総数をカウントした。これを、5箇所のSEM画像すべてについて行った。
(3)SEM画像中のすべての粒子の短径と長径とを測定し、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数をカウントした。これを、5箇所のSEM画像すべてについて行った。
(4){(5箇所のSEM画像中の、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の合計個数)/(5箇所のSEM画像中の粒子の総数)}×100から、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数割合を算出した。
[平均粒子径の測定]
(1)上記個数割合の測定と同じ走査型電子顕微鏡および倍率により、試料ステージ上の生石灰粉末の5箇所の画像撮影を行った。なお、この画像撮影は、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数割合が30%以上である箇所を選択して行った。
(2)SEM画像中の、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の総数をカウントした。これを5箇所のSEM画像すべてについて行った。
(3)SEM画像中の、短径/長径が0.8〜1.0であるすべての粒子の長径を測定した。これを5箇所のSEM画像すべてについて行った。
(4){(5箇所のSEM画像中の、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の長径の合計)/(5箇所のSEM画像中の、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の総数)}から、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の平均長径を算出した。この平均長径を平均粒子径とした。
[圧縮強度測定]
(1)生石灰を10mm角にカットした。
(2)一軸圧縮強度試験器(共同精機製作所、MIS−226−1−02)の測定部にカットした生石灰をセットし、生石灰が破断するまで加圧した。
(3)圧縮応力−ひずみ曲線の上降伏点を圧縮強度とした。
[崩壊率測定]
(1)目開き1mmの篩によってあらかじめ篩下を取り除いた5〜15mmの生石灰100gをポリエチレン製の袋に入れ、1mの高さから3回落下させた。
(2)3回落下させた後、袋内の生石灰を目開き1mmの篩にかけ、篩下の生石灰の質量を測定した。
(3){(篩下の生石灰の質量)/(落下させる前の生石灰の質量)}×100から、篩下発生率を求めた。この篩下発生率を崩壊率と定義した。
<結果>
図1に実施例のSEM画像の代表例として、実施例1、実施例5、実施例9および実施例13の試料のSEM画像を示す。また、図2に比較例のSEM画像の代表例として、比較例1、比較例4、比較例7および比較例10の試料のSEM画像を示す。
表1において、比較例3の塩素濃度が未測定であるのは、比較例3では比較例2よりも多くの有機塩素化合物を添加しているため、比較例3の生石灰の塩素濃度は比較例2よりも高くなることが容易に推測できるためである。同様の理由により、比較例6、比較例9および比較例12の塩素濃度も測定していない。
表1から分かるように、実施例1〜16のポーラス生石灰はいずれも塩素濃度が1000ppm未満であり、かつ、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数割合は85%以上であった。図1に示すように、実施例のポーラス生石灰は、ほぼすべての粒子が球状に近いことが分かる。これに対し、比較例1〜23の中には、塩素濃度が1000ppm未満の生石灰は存在するものの、短径/長径が0.8〜1.0である粒子の個数割合は85%を大きく下回っていた。図2に示すように、比較例の生石灰は、球状の粒子が少ないことが分かる。
実施例1〜16のポーラス生石灰粒子の平均粒子径はいずれも1μm以上であった。
実施例1〜16のポーラス生石灰は圧縮強度が0.85N/mm未満であり、崩壊率は1.5%よりも大きかった。
本発明のポーラス生石灰は塩素濃度が低いため、製鋼用フラックスとして使用した場合、製鋼設備の腐食を抑えることができると考えられる。また、本発明のポーラス生石灰は圧縮強度が低く、崩壊率が高い。よって、使用時に迅速に崩壊し、反応性が高くなる。そのため、当該ポーラス生石灰を製鋼用フラックスとして銑鉄中に投入した場合、粒子同士が素早くほぐれ、銑鉄と迅速に反応すると考えられる。

Claims (4)

  1. 塩素濃度が1000ppm未満で、かつ、略球状粒子から成る、
    ことを特徴とするポーラス生石灰。
  2. 塩素濃度が1000ppm未満で、かつ、走査型電子顕微鏡画像から測定された短径と長径との比(短径/長径)が0.8〜1.0である略球状粒子が、個数割合で85%以上である、
    ことを特徴とするポーラス生石灰。
  3. 圧縮強度が0.85N/mm未満である、
    請求項1または2に記載のポーラス生石灰。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のポーラス生石灰の製造方法であって、
    石灰石の質量に対して塩素成分が0.06〜0.90質量%となるよう有機塩素化合物を添加して焼成する、
    ことを特徴とするポーラス生石灰の製造方法。
JP2017043549A 2017-03-08 2017-03-08 ポーラス生石灰およびその製造方法 Active JP6886175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017043549A JP6886175B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ポーラス生石灰およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017043549A JP6886175B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ポーラス生石灰およびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018145064A true JP2018145064A (ja) 2018-09-20
JP2018145064A5 JP2018145064A5 (ja) 2020-01-09
JP6886175B2 JP6886175B2 (ja) 2021-06-16

Family

ID=63589449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017043549A Active JP6886175B2 (ja) 2017-03-08 2017-03-08 ポーラス生石灰およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6886175B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289688A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Ube Material Industries Ltd 多孔質酸化カルシウム粒子及びその製造方法
JP2007277664A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Osaka Koukai Kk 石灰系精錬用フラックス
WO2007142192A1 (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 National University Corporation Tohoku University 多孔質酸化カルシウム粒状物及び多孔質水酸化カルシウム粒状物
WO2016007287A1 (en) * 2014-07-11 2016-01-14 Henkel IP & Holding GmbH Thermal interface material with mixed aspect ratio particle dispersions

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005289688A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Ube Material Industries Ltd 多孔質酸化カルシウム粒子及びその製造方法
JP2007277664A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Osaka Koukai Kk 石灰系精錬用フラックス
WO2007142192A1 (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 National University Corporation Tohoku University 多孔質酸化カルシウム粒状物及び多孔質水酸化カルシウム粒状物
WO2016007287A1 (en) * 2014-07-11 2016-01-14 Henkel IP & Holding GmbH Thermal interface material with mixed aspect ratio particle dispersions

Also Published As

Publication number Publication date
JP6886175B2 (ja) 2021-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Iljana et al. Effect of adding limestone on the metallurgical properties of iron ore pellets
US20200224285A1 (en) Raw material for direct reduction, method of producing raw material for direct reduction, and method of producing reduced iron
Sotiriou et al. An integrated methodology for the assessment of environmental health implications during thermal decomposition of nano-enabled products
Luo et al. Removal of gaseous elemental mercury by hydrogen chloride non-thermal plasma modified biochar
CN101513605A (zh) 浸硫脱汞活性炭的制备方法
van Essen et al. Tailoring the separation performance of ZIF-based mixed matrix membranes by MOF-matrix interfacial compatibilization
JP2018145064A (ja) ポーラス生石灰およびその製造方法
ES2906779T3 (es) Uso de tamices moleculares para la descarbonatación de gas natural
JP5045102B2 (ja) 固結性の小さい炭酸水素ナトリウム結晶粒子の製造方法
CN101146617B (zh) 有机卤素类化合物分解剂的制造方法
JP2016003178A (ja) 高炉スラグの選別方法及び高炉セメントの製造方法
JP2008001534A (ja) 酸化カルシウム粉末及びその製造方法
JP7197478B2 (ja) 不溶化材の製造方法
JP5713375B1 (ja) セシウム吸着剤及びその製造方法並びにセシウム吸着剤を使用したセシウムの除去方法
JP4387870B2 (ja) 粒状生石灰
JP2012126906A (ja) 有機ハロゲン系化合物分解剤の製造法
JP6562452B2 (ja) 石炭灰の選別方法
TW201842197A (zh) 燒結礦的製造方法
BR112019019433A2 (pt) método de fabricação de matéria-prima de sinterização granulada e método de fabricação de minério sinterizado
Min et al. Mercury adsorption characteristics of sulphur-impregnated activated carbon pellets for the flue gas condition of a cement-manufacturing process
Li et al. Chemical, mineralogical, and morphological characteristics of pidgeon magnesium slag
JP4765692B2 (ja) 炭酸水素ナトリウム結晶粒子の分析方法
WO2006004004A1 (ja) 炭酸水素ナトリウム結晶粒子の固結性評価方法
JP5082040B2 (ja) 有機ハロゲン系化合物分解剤の製造法
JP2018044185A (ja) 焼結用無煙炭の評価方法及び焼結鉱の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210413

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6886175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250