JP2018144975A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドフレームの縮小及び拡大に際し、ロワーウエイトの取り外し及び取り付け作業が不要な建設機械を提供する。【解決手段】カーボディ21の幅方向両側に縮小及び拡張可能に設けられた一対のサイドフレーム32と、サイドフレーム32間に配置されるロワーウエイト40と、を備え、ロワーウエイト40が下段ウエイト44及び下段ウエイト44の上に取り付けられる上段ウエイト42を含むクローラクレーン100において、下段ウエイト44及び上段ウエイト42はそれぞれ幅方向の寸法が同程度の一部材からなり、上段ウエイト42の両側面42Eに、サイドフレーム32が拡張したときに開いて使用状態とし、縮小したときに閉じて格納状態に設定されるサイドステップ43を備え、上段ウエイト42は、下段ウエイト44に対して連結部材48Dによって連結される。【選択図】図4

Description

本発明は、左右一対のサイドフレームを有する建設機械に関する。
一般に、クローラクレーンや油圧ショベル等のクローラ式建設機械は、左右一対のサイドフレームを有する下部走行体と、下部走行体の上方に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備える。このようなクローラ式の建設機械では、サイドフレームの間に機体の安定性を図るためにロワーウエイトを備えているものがある。また、この種の建設機械では、用途に合わせ、あるいは機体の安定性をさらに高めるために左右のサイドフレームの間隔を拡縮する機能を備えているものもある(例えば、特許文献1参照)。
図15は従来技術における建設機械の下部走行体の一例を示す斜視図である。同図に示すように従来技術における下部走行体1のロワーウエイト101は、第1及び第2の一対の上段ウエイト103A,103Bと、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bの下側に位置し、これらとボルトで結合される1個の下段ウエイト105とを含み、これらがカーボディ21の前後に対となって設けられていた。
図15は下部走行体1のサイドフレーム32が最も拡張された状態を示している。この状態では、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bは下段ウエイト105の両端部にそれぞれ大径のボルトによりボルト締めされている。また、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bの図において前側の角部は下部ブーム5A(図1)を組立・分解時に格納したときに下部ブーム5Aとの干渉を避けるために斜めに切り欠かれている。すなわち、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bの図において前側の角部の中央部分は第1及び第2の切欠き部103A1,103B1となっている。第1及び第2の切欠き部103A1,103B1とその間の空間部を含むサイドフレーム32に直交する方向の長さ寸法は下部ブーム5Aの幅寸法に応じて設定されている。
従来技術に係るロワーウエイト101では、図15に示すように前側及び後側でそれぞれ3つの部材によって構成され、サイドフレーム32の幅を縮める場合には、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bをそれぞれクレーンで吊り上げ、ボルトを外して位置を内側に変更した後、下段ウエイト105のボルト孔にボルトを合わせて締め直す必要がある。縮小位置から拡張位置に変更する場合には、逆の操作を行うことになる。この縮小及び拡張作業は前後2個所で実施する必要がある。
特許第4619147号公報
このように、従来では、サイドフレームを縮幅あるいは拡張する場合、そのたびに第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bの縮小及び拡張作業を前後2個所で実施する必要があり、作業の効率の低下を招いていた。この作業効率の低下は、現地での組み立ての長時間化を招くことから、短時間で組み立て分解可能なロワーウエイトを備えた建設機械が望まれていた。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、サイドフレームの縮小及び拡大に際し、ロワーウエイトの取り外し及び取り付け作業が不要で、短時間で組み立て分解可能なロワーウエイトを備えた建設機械を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は、カーボディの幅方向両側に、当該幅方向の間隔を縮小及び拡張可能に設けられた一対のサイドフレームと、当該一対のサイドフレーム間に配置されるロワーウエイトと、を備え、該ロワーウエイトが下段ウエイト及び前記下段ウエイトの上に取り付けられる上段ウエイトを含み、前記ロワーウエイトが前記下段ウエイトを介して前記カーボディに支持される建設機械において、前記下段ウエイト及び前記上段ウエイトは、それぞれ幅方向の寸法が同程度の一部材からなり、前記上段ウエイトの幅方向の両側面に、前記一対のサイドフレームが拡張したときに開いて使用状態とし、縮小したときに閉じて格納状態に設定されるサイドステップをそれぞれ備え、前記下段ウエイトの上に取り付けられる前記上段ウエイトは、前記下段ウエイトに対して連結部材によって連結されることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、サイドフレームの縮小及び拡大に際し、ロワーウエイトの取り外し及び取り付け作業が不要で、短時間で組み立て分解可能なロワーウエイトを備えた建設機械を提供することができる。なお、前記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明において明らかにされる。
本発明の実施形態に係るクローラ付き作業装置としてのクローラクレーンの全体構成を示す側面図である。 図1のクローラクレーンの下部走行体及び上部旋回体部分を示す要部斜視図である。 図1のクローラクレーンの上部旋回体を取り外した下部走行体の斜視図である。 図1のクローラクレーンのロワーウエイトをカーボディ側から見た斜視図である。 図4のロワーウエイトのサイドステップを示す図で、同図(a)はサイドステップ使用時の状態、同図(b)はサイドステップ格納時の状態を示す。 図5(a)のサイドステップの使用時に装着するロックピンとサイドステップとの関係を示す斜視図で、サイドステップに対して右下側から見た図である。 図5(a)のサイドステップの使用時に装着するロックピンとサイドステップとの関係を示す斜視図で、サイドステップに対して左下側から見た図である。 図4のロワーウエイトのジャッキアップ装置への取付部を示す要部斜視図である。 図4のロワーウエイトのジャッキアップ装置への取り付けが完了したときの状態を示す要部を断面した側面図である。 図4のロワーウエイトをジャッキアップ装置に取り付けるときのロワーウエイトとジャッキアップ装置の関係を示す要部を断面した側面図である。 図1に示したクローラクレーンの下部ブームを折り畳んだ組立・分解の状態を示す要部を断面した側面図である。 従来における鋳造で製造されたロワーウエイトと本実施形態に係る製缶で製造されたロワーウエイトを用いたときのサイドフレームの縮小時と拡張時の状態を比較して示す平面図である。 図12に示した従来の構成と本実施形態の構成を比較して示す正面図で、同図(a)が従来の構成、同図(b)が本実施形態の構成である。 従来技術における建設機械の下部走行体の一例を示す斜視図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る建設機械としてのクローラクレーンの全体構成を示す側面図である。クローラクレーン100は、下部走行体1、上部旋回体3、ブーム5及びカウンタウェイト7から基本的に構成されている。上部旋回体3は旋回輪9を介して下部走行体1に旋回可能に設けられている。ブーム5は下部ブーム5A、中間ブーム5B及び上部ブーム5Cを含み、上部旋回体3に起伏可能に軸支されている。上部旋回体3のカウンタウェイト7設置側とは逆側の端部にはキャブ(運転室)11が設置され、キャブ11とカウンタウェイト7との間には旋回フレーム13が設けられている。
旋回フレーム13には巻き上げ用のウインチドラムである巻上ドラムと、起伏用のウインチドラムである起伏ドラムが搭載されている。巻上ドラムには巻上ロープが巻回され、巻上ドラムの駆動により巻上ロープが巻き取り又は繰り出され、ブーム5の先端に吊り下げられたフックが昇降する。起伏ドラムには起伏ロープ15が巻回され、起伏ドラムの駆動により起伏ロープ15が起伏ドラムに巻き取り又は繰り出され、マスト14及びペンダントロープ16を介して連結されたブーム5が起伏する。
また、上部ブーム5Cの先端からフロントウインチワイヤロープ17Aとリアウインチワイヤロープ18Aがそれぞれ垂下され、その下端にブームフック17と補助シーブフック18がそれぞれ上下動可能に垂下されている。旋回フレーム13内にはフロントウインチドラム上用油圧モータ、リアウインチドラム用油圧モータ及び起伏用油圧モータが設置されている。フロントウインチドラムはフロントウインチドラム用油圧モータによって駆動される。リアウインチドラムはリアウインチドラム用油圧モータによって駆動される。起伏ドラムは起伏用油圧モータによって駆動される。また、フロントウインチドラム上用油圧モータ、リアウインチドラム用油圧モータ及び起伏用油圧モータ、及び起伏用油圧モータを制動するブレーキ装置がそれぞれの油圧モータに設けられている。
図2は、クローラクレーン100の下部走行体1及び上部旋回体3部分を示す要部斜視図、図3は上部旋回体3を取り外した下部走行体1の斜視図である。図2及び図3において、下部走行体1は、ロワーフレームとも称されるカーボディ21と一対のクローラ31から構成されている。カーボディ21の前部及び後部には、それぞれ左右に合計4本のアダプタ22が設けられている。各アダプタ22は取り付け、取り外しを行うことでサイドフレーム32の間隔を縮小及び拡大できるようになっている。カーボディ21の前部及び後部には、下部走行体1をジャッキアップするためのジャッキアップ装置38が一対ずつ設けられている。
クローラ(走行装置)31は所謂履帯式のものであって、右側前部及び右側後部のアダプタ22並びに左側前部及び左側後部のアダプタ22にそれぞれ取り付けられる。クローラ31は、サイドフレーム(クローラサイドフレーム)32、走行用駆動装置の駆動輪33及び従動輪34、上部ローラ、下部ローラ36、並びに前記駆動輪33と従動輪34との間に掛け回されたクローラベルト(履帯)37を備えている。走行用駆動装置は、各サイドフレーム32の後端近傍にそれぞれ回転可能に支持された駆動輪(スプロケット)と、駆動輪を駆動する走行用油圧モータとを備えている。
図4はロワーウエイト40をカーボディ21側から見た斜視図である。クローラクレーン100の前側と後側には、図4にも示すようなロワーウエイト40がジャッキアップ装置38を介してカーボディ21にそれぞれ取り付けられている。ロワーウエイト40は、上段ウエイト42と下段ウエイト44からなる。すなわち、ロワーウエイト40は上段ウエイト42と下段ウエイト44を上下2段に重ねた構成となっている。また、上段ウエイト42と下段ウエイト44は製缶品であり、鋼材を切断し、溶接し、塑性変形させて製品化されたものである。
図3に示すように上段ウエイト42は中央部に階段状の切欠き部42Aが形成され、下段ウエイト44の前側は上段ウエイト42の前面42Bより突出し、重ね合わせて3段の階段を構成している。また、下段ウエイト44の前面44Aには、跳ね上げ式のステップ44Bが取り付けられ、ステップ44Bから下段ウエイト44の上面44Jを経て、上段ウエイト42の上面42Fに容易に上がることができる。なお、図3に示すロワーウエイト40とカーボディ21を挟んで対称に後側のロワーウエイト40も構成され、ジャッキアップ装置38に取り付けられている。なお、切欠き部42Aは、後述するが、下部ブーム5Aを前側に倒したときに上段ウエイト42と干渉しない幅に設定されている。また、切欠き部42Aの深さは、下部ブーム5Aの先端部が地面と同等の高さにあるとき、上段ウエイト42と干渉しない高さに設定されている。下段ウエイト44の前側上端部44Hも、高さと前側の突出寸法が下部ブーム5Aの先端部が地面と同等の高さにあるとき干渉しない高さと突出寸法に設定されている。なお、前側上端部44Hにおける前側とは、下段ウエイト44のカーボディ21から離れた側を意味する。
ロワーウエイト40の下段ウエイト44には、ジャッキアップ装置38への取付部46、上段ウエイト42へ連結するためのリンク48、並びに下側はしご50が設けられている。取付部46は、取付ブラケット46Aと、支持ピン46Bと、外れ止めピン46Cとから構成されている。取付ブラケット46Aは、一対の平行な板材46A1を下段ウエイト44の内側の面44Cに溶接することにより一体に設けられている。取付ブラケット46Aは、下段ウエイト44の内側の面44Cの左右端部のジャッキアップ装置38と対向する位置に、それぞれ設けられている。支持ピン46Bは、取付ブラケット46Aの上部に、例えば抜け止めリング46Eにより抜け止め不能に前記一対の平行な板材46A1間に設置されている。なお、内側の面44Cとはカーボディ21側の面を意味する。
前記支持ピン46Bの下方には外れ止めピン46Cの挿入孔46Dが形成されている。挿入孔46Dは、支持ピン46Bがジャッキアップ装置38のガイド溝38Bの所定位置に嵌入する。このとき、ロワーウエイト40は、支持ピン46Bを回転中心として、反時計回りに回転しようとする。これを当てボルト38Eで支持することによりジャッキアップ装置38側に形成された外れ止め孔38Cと合致する。そして、外れ止めピン46Cを挿入孔46Dの側部から対となる平行な板材46A1の挿入孔46Dまで挿通する。これにより、ロワーウエイト40はジャッキアップ装置38に取り付けられる。下側はしご50は下段ウエイト44の内側の面44Cのほぼ中央に設けられている。
上段ウエイト42の内側の面42C、斜面42D及び側面42Eと下段ウエイト44の内側の面44C、斜面44D及び側面44Eの外縁形状は、下段ウエイト44の階段を形成する上段ウエイト42の前面42Bの突出部分を除いてほぼ同一に形成されている。これにより、重ね合わせたときに内側の面42C,44C、斜面42D,44D及び側面42E,44Eは、ほぼ面一となる。上段ウエイト42の両側の側面42Eには、折り畳み式のサイドステップ43が設けられている。サイドステップ43はサイドフレーム32を拡張したときに、クローラベルト37の上面との間の架橋として機能する。なお、下段ウエイト44に上段ウエイト42を重ねたときに、少なくとも両者の幅寸法(サイドフレームに直交する方向の寸法)は同一、製造時の誤差を勘案しても同程度の幅寸法に設定されている。
また、上段ウエイト42の前記下側はしご50の上部に当たる位置には、上側はしご54が設けられている。この上側はしご54は、下側はしご50と一連のものが、上段ウエイト42と下段ウエイト44に分割されていることから、分割し、それぞれ上段ウエイト42と下段ウエイト44の内面42Cと44Cに固設したものである。このように下側はしご50と上側はしご54を設けると、両者を利用して地上と上段ウエイト42の上面42F間を移動することができる。また、地上から上段ウエイト42の上面42Fを通ってカーボディ21の上面、あるいはクローラベルト37上等に移動することもできる。
上段ウエイト42の上面42Fには、一対の吊りラグ収納空間42Gが形成されている。吊りラグ収納空間42Gは、切欠き部42Aの両側面から前記内側の面42C方向にさらに切り欠かれて形成されている。吊りラグ収納空間42G内の内側に位置する面には、切欠き部42Aの垂直面に沿って第1の吊りラグ42H1が一対突設されている。また、吊りラグ収納空間42G内の外側に位置する面には、切欠き部42Aの垂直面からさらに前記内側の面42C方向に入った位置に第2の吊りラグ42H2が一対突設されている。前記第1の吊りラグ42H1と第2の吊りラグ42H2は互いに平行に配置されている。第1の吊りラグ42H1は上段ウエイト42及び下段ウエイト44を連結した状態でロワーウエイト40を吊り上げる際に使用される。第2の吊りラグ42H2は上段ウエイト42のみを吊り上げる際に使用される。第1の吊りラグ42H1を使用する場合には、連結された上段ウエイト42及び下段ウエイト44は下側及び上側はしご50,54側が下がった所定の角度、例えば3度前後を保った状態で吊られる。第2の吊りラグ42H2を使用する場合には、上段ウエイト42は水平の状態で吊られる。第1及び第2の吊りラグ42H1,42H2は、重心を考慮して前記所定の角度の状態及び水平の状態となる位置にそれぞれ設けられる。
図5はサイドステップ43を示す図で、同図(a)はサイドステップ使用時の状態、同図(b)はサイドステップ格納時の状態をそれぞれ示す。図6及び図7は図5(a)のサイドステップ43の使用時に装着するロックピン43Aとサイドステップ43の関係を示す斜視図である。なお、図6では、リンク48は上段ウエイト42と下段ウエイト44を連結した状態を示している。図5において、サイドステップ43は上段ウエイト42の側面42Eの上端に突設されたサイドステップ取付用ブラケット42Jに支軸42Kによって回動可能に軸支されている。サイドステップ取付用ブラケット42Jには、サイドステップ43の格納時にロックピン43Aを挿通する格納用挿通孔42Lが形成されている。また、サイドステップ取付用ブラケット42Jのサイドステップ43の使用時にロックピン43Aが当接する端面は、サイドステップ43とサイドステップ43を使用する作業者の重量を支える支持部42Mとして機能する。
サイドステップ43の裏面には、補強部としてのリブ43Bが設けられ、リブ43Bのサイドステップ取付用ブラケット42Jと対応する位置には、サイドステップ支持用ブラケット43Cが設けられている。サイドステップ支持用ブラケット43Cには、支軸42Kが装着される支軸装着孔43Dと、ロックピン43Aが挿通されるロックピン挿通孔43Eと、ロックピン43Aの位置決めを行う位置決めピン43Fが設けられている。ロックピン43Aは、ピン本体43A1とピン本体43A1の一端に設けられたフランジ43A2とを含み、フランジ43A2には、位置決めピン43Fに挿入する位置決め孔43A3が形成されている。位置決めピン43Fには、抜け止めピン43Gが挿入される抜け止めピン挿入孔43F1が形成されている。
サイドステップ43は使用時には、ロックピン43Aのピン本体43A1を、サイドステップ43を上げた図6及び図7の状態で、ロックピン挿通孔43Eに挿通する。その際、フランジ43A2に形成された位置決め孔43A3を位置決めピン43Fに外挿する。そして、フランジ43A2が抜け止めピン挿入孔43F1よりもサイドステップ支持用ブラケット43C側に位置したら、抜け止めピン43Gを抜け止めピン挿入孔43F1に挿入する。これにより、図5(a)に示すようにサイドステップ43の使用時におけるロックピン43Aの位置決めと抜け止めが行われる。このとき、ロックピン43Aは、サイドステップ取付用ブラケット42Jの端面の支持部42Mに当接し、サイドステップ43を使用状態に保持する。
サイドステップ43は、非使用時には図5(b)に示すように上段ウエイト42の側面42Eに沿った位置に収納される。その際、ロックピン43Aはロックピン挿通孔43Eから引き抜かれ、収納位置で格納用挿通孔42Lと合致したロックピン挿通孔43Eに挿入される。そして、位置決め孔43A3を位置決めピン43Fに合致させて挿入し、フランジ43A2が抜け止めピン挿入孔43F1よりもサイドステップ支持用ブラケット43C側に位置したら、抜け止めピン43Gを抜け止めピン挿入孔43F1に挿入する。これにより、図5(b)に示すようにサイドステップ43の格納時におけるロックピン43Aの位置決めと抜け止めが行われる。
リンク48は図6に示すように下段ウエイト44に立設された第1及び第2の突起48A,48Bと、上段ウエイト42に立設された第3の突起48Cと、第1及び第2の突起48A,48B、あるいは第1及び第3の突起48A,48C間に掛け渡される連結部材48Dと、第1ないし第3の突起48A,48B,48Cにそれぞれ形成された第1ないし第3のリングピン挿入孔48A1,48B1,48C1に挿入可能な第1及び第2のリングピン48E1,48E2と、からなる。なお、上段ウエイト42と下段ウエイト44との間には、相対的な位置決めを行う突起44Fと、突起挿入孔42Nが形成され(図9)、下段ウエイト44に上段ウエイト42を前記突起44Fと前記突起挿入孔42Nを合致させて重ねたときに、リンク48は図6に示す連結位置に位置決めされる。なお、図4では非連結時におけるリンク48の状態が示されている。
下段ウエイト44に上段ウエイト42を重ねた直後の非連結時の状態では、図4に示すように連結部材48Dは下段ウエイト44の第1の突起48Aと第2の突起48Bとの間に装着されている。この非連結状態から連結状態にするには、第1及び第2のリングピン48E1,48E2を、第1及び第2のリングピン挿入孔48A1,48B1から引き抜き、連結部材48Dを第1及び第2の突起48A,48Bから取り外す。次いで、連結部材48Dを下段ウエイト44側の第1の突起48Aと上段ウエイト42側の第3の突起48Cに装着し、第1のリングピン48E1を第1のリングピン挿入孔48A1に挿入し、第2のリングピン48E2を第3のリンクピン挿入孔48C1に挿入する。これを4個のリンク48に実施する。これにより、上段ウエイト42は下段ウエイト44に重ねられ、4箇所で連結されて一体に取り扱うことができる。
図8はロワーウエイト40のジャッキアップ装置38への取付部46を示す要部斜視図である。下段ウエイト44の内側の面44Cには、図4に示したように取付部46が設けられている。取付部46では、支持ピン46Bがジャッキアップ装置38側のガイド板38Aに形成されたガイド溝38Bに嵌入して支持される。このとき、ロワーウエイト40は、支持ピン46Bを回転中心として反時計回りに回転しようとする。これを当てボルト38Eで支持することにより、外れ止め孔38Cと取付ブラケット46Aの挿入孔46Dとが一致する。そして、外れ止めピン46Cを取付ブラケット46Aの一対の平行な板材46A1に形成された挿入孔46Dとガイド板38Aに形成された外れ止め孔38Cに挿通する。次いで、外れ止めピン46Cが保持完了位置に達すると、抜け止めピン46C1を外れ止めピン46Cに形成された抜け止めピン挿入孔に挿入することにより、ロワーウエイト40のジャッキアップ装置38への取り付けが完了する。
図9はロワーウエイト40のジャッキアップ装置38への取り付けが完了したときの状態を示す要部を断面した側面図である。この状態では、支持ピン46Bはガイド板38Aに形成されたガイド溝38Bに嵌入し、外れ止めピン46Cが外れ止め孔38Cに挿入された状態である。この状態で抜け止めピン46C1が抜け止めピン挿入孔に挿入され、抜け止め処理が行われ、ロワーウエイト40をジャッキアップ装置38に確実に取り付けることができる。
図10はロワーウエイト40をジャッキアップ装置38に取り付けるときのロワーウエイト40とジャッキアップ装置38の関係を示す要部を断面した側面図である。この状態では、ロワーウエイト40は第1の吊りラグ42H1で、支持ピン46Bがガイド溝38Bの形成部分より高い位置まで吊り上げられ、ロワーウエイト40の下側及び上側はしご50,54の取付側が予め設定された角度、例えば3度程度下になるように傾いた状態で吊り下ろして装着される。その際、支持ピン46Bはガイド板38Aの端面に形成されたガイド面38Dに当接し、ロワーウエイト40を吊り下ろす際にガイド面38Dに沿ってガイド溝38Bまでガイドされる。そして、支持ピン46Bがガイド溝38Bの最深部まで嵌入し、さらに吊り下ろすと、ロワーウエイト40は図10において支持ピン46Bを中心に反時計回り方向に回動する。この回動により、下段ウエイト44のストッパ44Gがジャッキアップ装置38側の当てボルト38Eに当接すると、図9に示したように外れ止め孔38Cと挿入孔46Dの位置が合致する。この位置で外れ止めピン46Cを外れ止め孔38C側から挿入し、挿入孔46Dを超えて反対側の外れ止め孔38Cまで挿通すると、図9を参照して説明したようにロワーウエイト40がジャッキアップ装置38に取り付けられることになる。
図11はクローラクレーン100の組立・分解の状態を示す要部を断面した側面図である。この図は、下部ブーム5Aを輸送状態まで折り畳んだときにロワーウエイト40と干渉がないことを説明するためのものである。すなわち、図2及び図3に示すようにロワーウエイト40の上段ウエイト42には、中央部に階段状の切欠き部42Aが形成され、下段ウエイト44の前側は上段ウエイト42の前面42Bより突出し、重ね合わせて3段の階段を構成している。この階段の下段ウエイト44側の前側上端部44H、上段ウエイト42の切欠き部42Aの前側上端部42P、及び上段ウエイト42の上面42Fの前側上端部42Qは、下部ブーム5Aを地面(クローラベルト37の下面)と同レベルまで倒したときに、干渉しない位置に位置するように設定されている。これにより、下部ブーム5Aを倒して組立・分解するときにおいても、前述の図15に示した従来技術の場合と同様に、下部ブーム5Aとロワーウエイト40が干渉することはない。
図12は、従来における鋳造で製造されたロワーウエイト101と本実施形態に係る製缶で製造されたロワーウエイト40を用いたときのサイドフレーム32の縮小時と拡張時の状態を比較して示す平面図である。同図において水平方向の中央を示す線L1から下がサイドフレーム縮小時、上がサイドフレーム拡張時の状態であって、垂直方向の中央を示す線L2から左が従来の構成、右が本実施形態の構成を示す。従来では、縮小時は第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bのボルトを外し、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bをそれぞれ吊り上げて下段ウエイト105の内側に移動し、下段ウエイト105の内側のボルト孔にボルトを挿入し、締め付けることにより第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bの位置を変更していた。そして、この位置変更後、サイドフレーム32の例えば輸送幅まで縮小する、という作業を行っていた。
これに対し、本実施形態では、ロワーウエイト40の上段ウエイト42及び下段ウエイト44はそれぞれ1つの製缶品によって構成され、上段ウエイト42を下段ウエイト44の上に重ね、リンク48を使用して両者を連結することにより一体化される。サイドフレーム32の縮小時には、図12の右下の部分に示されるように、サイドステップ43を折り畳み、拡張時には、同図右上の部分に示されるように、サイドステップ43を使用位置に立てて、ロックピン43Aによって使用位置でロックすればよい。そのため、本実施形態では、従来のように分割された第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bを取り外す作業も、内側あるいは外側に移動して取り付ける作業も不要となる。すなわち、サイドフレーム32の縮小及び拡張に際して、本実施形態では、サイドステップ43の開閉のみの作業でよい。これに対し、従来の2分割された第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bを使用する例では、サイドフレーム32の縮小及び拡張に際して、第1及び第2の上段ウエイト103A,103Bを組み替える必要がある。これにより、本実施形態では、従来に比較して作業効率を大きく向上させることができる。
図13は図12に示した従来の構成と本実施形態の構成を比較して示す正面図である。図13は、サイドフレーム32を拡張したときの状態を示し、同図(a)が従来の構成、同図(b)が本実施形態の構成である。図13に示すように従来の構成では、サイドフレーム32を拡張したとき、中央部に空間部107が形成され、その空間部107の両側に斜面からなる第1及び第2の切欠き部103A1,103B1が形成されている。そのため作業者がロワーウエイト101の上面を移動する際に、空間部107で足を踏み外すおそれがあり、また、第1及び第2の切欠き部103A1,103B1の斜面に足を取られて滑るおそれがある。しかし、本実施形態では、一方のサイドステップ43から他方のサイドステップ43まで平面で形成され、中央部に階段状の切欠き部42Aが存在するが、その切欠き部42Aは平面であり、足を取られて滑るおそれはない。したがって、作業者に対する安全性の向上も図ることができる。
なお、本実施形態に係るロワーウエイト40は製缶品であり、内部に空間が形成されていることから、その空間に鋼材、スラグなどの重量物を収納し、それらの重量を付加してウエイトとして機能する。ロワーウエイト40の各部は製缶品であることから、鋳造品のように鋳型を使用することなく、鋼板を成形し、溶接して全体を一体のものとして安価に製造することができる。一方、従来技術では、ロワーウエイト101が鋳造品であることとから、本体に付設される突起物、取付部等はボルト締めで取り付けられ、一体のものとして構成される。そのため、取り付けに時間がかかる、ボルトが緩むおそれがある、鋳型が必要なことから高価なものとなる、などの問題点が存在した。しかし、本実施形態のように製缶品でロワーウエイト40を構成すると、これらの問題点を解消することができる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。なお、以下の説明では、特許請求の範囲における各構成要素と本実施形態の各部について対応を取り、両者の用語が異なる場合には前者をかっこ書きで示し、また、対応する参照符号を付して両者の対応関係を明確にした。
本実施形態では、カーボディ21の幅方向両側に、当該幅方向の間隔を縮小及び拡張可能に設けられた一対のサイドフレーム32と、当該一対のサイドフレーム32間に配置されるロワーウエイト40と、を備え、当該ロワーウエイト40が下段ウエイト44及び当該下段ウエイト44の上に取り付けられる上段ウエイト42を含み、前記ロワーウエイト40が前記下段ウエイト44を介して前記カーボディ21に支持されるクローラクレーン(建設機械)100において、前記下段ウエイト44及び前記上段ウエイト42はそれぞれ幅方向の寸法が同程度の一部材からなり、前記上段ウエイト42の両側面42E(幅方向の両側面)に、前記一対のサイドフレーム32が拡張したときに開いて使用状態とし、縮小したときに閉じて格納状態に設定されるサイドステップ43をそれぞれ備え、前記上段ウエイト42は、前記下段ウエイト44に対して連結部材48Dによって連結される構成とした。
このように構成すると、サイドフレーム32の幅方向の間隔を縮小する場合でも拡張する場合でも、上段ウエイト42を取り外して位置を調整する必要がないので、上段ウエイト42の取り外し及び再取り付け作業が不要となる。その結果、作業の効率化を図ることができる。すなわち、縮小時にはサイドステップ43を折り畳んで格納状態とし、拡張時には開いて使用状態とする作業を行うだけでよく、効率的な作業が可能となる。また、サイドフレーム32の拡張時にロワーウエイト40とクローラ31間に生じる間隙を小さくすることができる。その結果、作業者のロワーウエイト40とクローラ31間の移動が容易となり、作業時の安全性の向上にも寄与することができる。
本実施形態では、前記連結部材48Dは、前記下段ウエイト44及び前記上段ウエイト42の側面42E,44Eからそれぞれ突出した第1及び第3の突起(突起)48A,48Cに嵌め込まれ、当該第1及び第3の突起48A,48Cを連結する構成とした。
このように構成すると、上段ウエイト42の下段ウエイト44への取付作業が、上段ウエイト42と下段ウエイト44の上に重ねる作業と、連結部材4Dによって両者を連結する作業だけでよいので、簡単かつ効率的に、上段ウエイト42と下段ウエイト44を一体化することができる。
本実施形態では、前記上段ウエイト42の上面42Fから退避した吊りラグ収納空間(位置)42Gに配置された第1及び第2の吊りラグ(吊り部材)42H1,42H2を備え、第1の吊りラグ(吊り部材)42H1は、下段ウエイト44に上段ウエイト42を連結してカーボディ21側に取り付ける際に予め設定された角度傾く位置に設けられ、第2の吊りラグ(吊り部材)42H2は、上段ウエイト42を下段ウエイト44に取り付ける際に水平になる位置に設けられた構成とした。
このように構成すると、下段ウエイト44に上段ウエイト42を連結してカーボディ21側に取り付ける際には、ロワーウエイト40をカーボディ21側への取り付けに適切な角度傾斜させて取り付けることができる。一方、上段ウエイト42を下段ウエイト44の上に取り付ける際には、下段ウエイト44側への取り付けに適切な水平状態で取り付けることができる。
本実施形態では、前記上段ウエイト42の前側上端部(前記カーボディ21から離れた側の上端部)42Qに、前記クローラクレーン(建設機械)100の下部ブーム(ブーム)5Aを折り畳んだときに当該下部ブーム(ブーム)5Aとの干渉を防ぐための階段状の切欠き部42Aを設けた構成とした。
このように構成すると、階段状の切欠き部42Aはサイドフレーム32の幅の縮小、拡張にかかわらず一定で、作業者は従来のように斜面に足を取られるおそれがないので、下部ブーム5Aを折り畳んだときの干渉を防止することができることに加えて、作業者は一定の環境の中でロワーウエイト40上を移動することが可能となり、作業時の安全性を向上させることができる。
本実施形態では、前記下段ウエイト44の前側上端部(前記カーボディ21から離れた側の上端部)44Hが、前記クローラクレーン(建設機械)100の下部ブーム(ブーム)5Aを折り畳んだときに当該下部ブーム(ブーム)5Aとの干渉を防ぐことが可能な位置であって、前記下段ウエイト44の上面44Jが前記階段状の切欠き部42Aに続く階段として機能する位置に設定された構成とした。
このように構成すると、下部ブーム5Aを折り畳んだときの干渉を防止することができることに加えて、作業者は下段ウエイト44の上段ウエイト42が重なっていない上面44Jの全面を移動することが可能となり、作業時の安全性を向上させることができる。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
5A 下部ブーム(ブーム)
21 カーボディ
32 サイドフレーム
40 ロワーウエイト
42 上段ウエイト
42A 階段状の切り欠き部
42E 上段ウエイトの側面
42F 上段ウエイトの上面
42G 吊りラグ収納空間(上段ウエイトの上面から退避した位置)
42H1 第1の吊りラグ(吊り部材)
42H2 第2の吊りラグ(吊り部材)
42Q 上段ウエイトの前側上端部(カーボディから離れた側の上端部)
43 サイドステップ
44 下段ウエイト
44E 上段ウエイトの側面
44H 下段ウエイトの前側上端部(カーボディから離れた側の上端部)
44J 下段ウエイトの上面
48A 第1の突起(突起)
48B 第2の突起(突起)
48C 第3の突起(突起)
48D 連結部材
100 クローラクレーン(建設機械)

Claims (5)

  1. カーボディの幅方向両側に、当該幅方向の間隔を縮小及び拡張可能に設けられた一対のサイドフレームと、
    当該一対のサイドフレーム間に配置されるロワーウエイトと、
    を備え、当該ロワーウエイトが下段ウエイト及び前記下段ウエイトの上に取り付けられる上段ウエイトを含み、前記ロワーウエイトが前記下段ウエイトを介して前記カーボディに支持される建設機械において、
    前記下段ウエイト及び前記上段ウエイトは、それぞれ幅方向の寸法が同程度の一部材からなり、
    前記上段ウエイトの幅方向の両側面に、前記一対のサイドフレームが拡張したときに開いて使用状態とし、縮小したときに閉じて格納状態に設定されるサイドステップをそれぞれ備え、
    前記上段ウエイトは、前記下段ウエイトに対して連結部材によって連結されることを特徴とする建設機械。
  2. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記連結部材は、前記下段ウエイト及び前記上段ウエイトの前記両側面からそれぞれ突出した突起に嵌め込まれ、当該突起を介して前記下段ウエイトに前記上段ウエイトを連結することを特徴とする建設機械。
  3. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記上段ウエイトの上面から退避した位置に配置された第1及び第2の吊り部材を備え、
    前記第1の吊り部材は、前記下段ウエイトに前記上段ウエイトを連結して前記カーボディに取り付ける際に予め設定された角度傾く位置に設けられ、
    前記第2の吊り部材は、前記上段ウエイトを前記下段ウエイトに取り付ける最に水平になる位置に設けられていることを特徴とする建設機械。
  4. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記上段ウエイトの前記カーボディから離れた側の上端部に、前記建設機械のブームを折り畳んだときに当該ブームとの干渉を防ぐための階段状の切り欠きを設けたことを特徴とする建設機械。
  5. 請求項4に記載の建設機械において、
    前記下段ウエイトの前記カーボディから離れた側の上端部が、前記建設機械のブームを折り畳んだときに当該ブームとの干渉を防ぐことが可能な位置であって、前記下段ウエイトの上面が前記階段状の切り欠きに続く階段として機能する位置に設定されていることを特徴とする建設機械。
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