JP2018144762A - 鉄道車両用ヨーダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、上記の場合におけるヨーダンパの配置態様として、図2に示すように、1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者を上下方向に並設する態様と、図3に示すように、1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者を台車3の前後方向に並設する態様とが知られている。
いずれの態様についても、ヨーダンパ1a、1bの減衰力は台車3の前後方向にのみ作用し、高速走行時の台車3の蛇行動が抑制される。
ヨーダンパは、台車の上下軸周りの回転振動を低減するのみならず、車体の上下方向の曲げ振動を低減する役割をも果たすものの、車体の上下方向の曲げ振動を低減するのに有効な配置態様は明らかになっていない。
具体的には、特許文献1の図2に示す鉄道車両モデルのパラメータのうち、台車の全等価質量と、回転慣性を考慮した輪軸の等価質量とを既知としたとき、軸箱の前後支持剛性、ヨーダンパとその緩衝ゴムや牽引リンクの緩衝ゴム等の車体と台車間の前後系合成結合剛性を調整して、特許文献1の[数1]の右辺に示す値を左辺に示す車体の上下方向の曲げ振動の固有振動数f0に一致させることで、車体の上下方向の曲げ振動を低減している。
この特許文献1に記載の方法は、ヨーダンパに関わる諸元のみならず、軸箱や牽引リンクの諸元についても適正化を考えなければならないため、パラメータの同定が難しいという問題がある。
(1)1対のヨーダンパを上下方向に並設するよりも、台車の前後方向に並設する方が、車体の上下方向の曲げ振動(具体的には、上下方向の振動加速度)を低減可能である。
(2)1対のヨーダンパを台車の前後方向に並設する場合において、各ヨーダンパの伸縮方向の両端部のうち、車体の端部側に位置する端部を双方共に台車に取り付ける(車体の中央側に位置する端部を双方共に車体に取り付ける)か、或いは、車体の端部側に位置する端部を双方共に車体に取り付ける(車体の中央側に位置する端部を双方共に台車に取り付ける)ことで、車体の上下方向の曲げ振動(具体的には、上下方向の振動加速度)を低減可能である。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、車体と該車体に連結された台車とを具備する鉄道車両に用いられるヨーダンパ装置であって、前記台車の前後方向に並設された1対のヨーダンパを前記台車の左右それぞれに備え、前記1対のヨーダンパは、それらの伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する双方の端部が前記台車に取り付けられ、前記車体の中央側に位置する双方の端部が前記車体に取り付けられているか、或いは、前記車体の端部側に位置する双方の端部が前記車体に取り付けられ、前記車体の中央側に位置する双方の端部が前記台車に取り付けられている、ことを特徴とする鉄道車両用ヨーダンパ装置を提供する。
本発明に係るヨーダンパ装置によれば、1対のヨーダンパの配置態様を変えるだけで良いため、車体の上下方向の曲げ振動を容易に低減可能であり、鉄道車両の乗り心地を容易に向上させることが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。図1(a)は一の例を示し、図1(b)は他の例を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る鉄道車両用ヨーダンパ装置(以下、適宜、単に「ヨーダンパ装置」という)100は、車体2と車体2に連結された台車3とを具備する鉄道車両に用いられるものである。図1では、便宜上、1台の台車3のみを図示しているが、実際には、車体2に前後1対の台車3が連結されている。
台車3は、前後1対の輪軸3a、3bと、台車枠3cと、車体2(車体本体21)と台車枠3cとを連結し車体2を支持する空気ばね3dとを備えている。台車3が備える上記の構成要素及びその他の構成要素は、周知慣用の台車と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
ヨーダンパ1a、1bは、内部で粘性流体が流通する際の粘性抵抗により、伸縮する際に抵抗力(減衰力)を付与するものである。一般に、ヨーダンパ1a、1bの減衰力は、車体2と台車3との速度差にヨーダンパ1a、1bの減衰係数を乗算して得られる。ヨーダンパ1a、1bの更に具体的な構成は、公知のヨーダンパと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態に係るヨーダンパ装置100が備える1対のヨーダンパ1a、1bは上記のように配置されているため、車体2の上下方向の曲げ振動を容易に低減可能である。
図2は、比較例1の鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。
図2に示すように、比較例1のヨーダンパ装置は、前述のように1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者が上下方向に並設されている点が本実施形態に係るヨーダンパ装置100と異なる。比較例1のヨーダンパ装置では、各ヨーダンパ1a、1bの伸縮方向(図2の紙面左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側(図2の紙面右側)に位置する双方の端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられ、車体2の中央側(図2の紙面左側)に位置する双方の端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22)に取り付けられている。
各ヨーダンパ1a、1bの減衰係数など、比較例1のヨーダンパ装置における各ヨーダンパ1a、1bの配置態様以外の点については、本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同様の設定であるため、説明を省略する。
図3は、比較例2の鉄道車両用ヨーダンパ装置の概略構成を説明する説明図である。
図3に示すように、比較例2のヨーダンパ装置は、前述のように1対のヨーダンパ1a、1bの伸縮方向が水平方向(台車3の前後方向)となるようにして両者が台車3の前後方向に並設されている(一直線上に並設されている)点で本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同じである。しかしながら、比較例2のヨーダンパ装置では、各ヨーダンパ1a、1bの両端部の取り付け方が本実施形態に係るヨーダンパ装置100と異なる。すなわち、比較例2のヨーダンパ装置では、ヨーダンパ1aの伸縮方向(図3の紙面左右方向)の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側(図3の紙面右側)に位置する端部E1が車体2(ヨーダンパ受け22a)に取り付けられ、車体2の中央側(図3の紙面左側)に位置する端部E2が台車3(台車枠3c)に取り付けられているのに対し、ヨーダンパ1bの伸縮方向の両端部E1、E2のうち、車体2の端部側に位置する端部E1が台車3(台車枠3c)に取り付けられ、車体2の中央側に位置する端部E2が車体2(ヨーダンパ受け22b)に取り付けられている。
各ヨーダンパ1a、1bの減衰係数など、比較例2のヨーダンパ装置における各ヨーダンパ1a、1bの配置態様以外の点については、本実施形態に係るヨーダンパ装置100と同様の設定であるため、説明を省略する。
以下、各ヨーダンパ装置を用いた場合における鉄道車両の乗り心地を実際に運動解析によって評価した結果について説明する。運動解析を行う鉄道車両のモデルとしては、いずれのヨーダンパ装置を用いる場合であっても、車体2に前後1対の台車3が連結され、台車3を剛体要素、車体2を弾性体要素としたモデルを用いた。そして、軌道不整を有する直線区間を高速走行する際の運動解析を行った。
図4に示すように、本実施形態に係るヨーダンパ装置(実施例1、2)によれば、比較例1、2のヨーダンパ装置を用いた場合に比べて、乗り心地レベルが3%程度低減されることが分かった。
2・・・車体
21・・・車体本体
22,22a,22b・・・ヨーダンパ受け
3・・・台車
3c・・・台車枠
100・・・ヨーダンパ装置
Claims (2)
- 車体と該車体に連結された台車とを具備する鉄道車両に用いられるヨーダンパ装置であって、
前記台車の前後方向に並設された1対のヨーダンパを前記台車の左右それぞれに備え、
前記1対のヨーダンパは、それらの伸縮方向の両端部のうち、前記車体の端部側に位置する双方の端部が前記台車に取り付けられ、前記車体の中央側に位置する双方の端部が前記車体に取り付けられているか、或いは、前記車体の端部側に位置する双方の端部が前記車体に取り付けられ、前記車体の中央側に位置する双方の端部が前記台車に取り付けられている、
ことを特徴とする鉄道車両用ヨーダンパ装置。 - 前記1対のヨーダンパは、前記台車の前後方向に一直線上に並設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用ヨーダンパ装置。
Priority Applications (1)
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JP2017044668A JP6862938B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
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JP2017044668A JP6862938B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
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JP2018144762A true JP2018144762A (ja) | 2018-09-20 |
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JP2017044668A Active JP6862938B2 (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113788042A (zh) * | 2021-09-26 | 2021-12-14 | 中车唐山机车车辆有限公司 | 一种转向架及轨道车辆 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321431A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Hitachi Ltd | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
JP2016185727A (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-27 | 新日鐵住金株式会社 | 鉄道車両用ヨーダンパ装置 |
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- 2017-03-09 JP JP2017044668A patent/JP6862938B2/ja active Active
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