JP2018144063A - スピニング加工方法及び載頭円錐部を端部に有する筒状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を低下させること無く、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を成形することができるスピニング加工方法、並びに、このような載頭円錐部を端部に有する筒状体を提供する。【解決手段】所定の目標長さよりも短い第1長さを有する小径直管部と所定の目標テーパ角よりも小さい第1テーパ角を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部を成形した後、第1載頭円錐部に追加工を施して、第1長さよりも長い第2長さを有する小径直管部と第1テーパ角よりも大きい第2テーパ角を有するテーパ部とからなる第2載頭円錐部を成形する。第2工程においては、小径直管部の軸方向において管端側から管央側に向かって成形工具を移動させて小径直管部の長さを増大させた後にテーパ部のテーパ角を増大させるサイクルを繰り返し実行する。【選択図】図2

Description

本発明は、スピニング加工方法及び載頭円錐部を端部に有する筒状体に関する。より詳しくは、本発明は、生産性を低下させること無く、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を成形することができるスピニング加工方法、並びに、このような載頭円錐部を端部に有する筒状体に関する。
当該技術分野においては、スピニング加工により、例えば鋼管等の金属製の筒状部材(ワーク)の端部の径を縮めて(縮径成形して)、テーパ部と当該テーパ部の先端に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を一体的に成形する加工方法が知られている。特に、自動車の排気システムに配設される消音器及び触媒コンバータ等の内蔵物を内部に収容する外筒として用いられる筒状の部材(以降、「筒状体」と称される場合がある。)の端部に載頭円錐形状を成形する技術として、種々のスピニング加工方法が提案されている。尚、本明細書において、「載頭円錐形状」とは、所謂「截頭円錐」(例えば円錐台)の上底(頂面)に当該上底と同じ形状の断面を有する円柱を載せた形状を指し、「載頭円錐部」とは、このような形状を有する部分を指す。
一方、軽量化及びコスト削減の要請からは、従来よりも薄い板厚を有するワークを使用して筒状体(外筒)の板厚を薄くすることが求められている。更に、筒状体の内部に収容される内蔵物の大型化に伴い、筒状体の未加工部(ワークの径を維持している部分)と小径直管部との径の差を大きくして、筒状体の内容積を増大させることが求められている。筒状体の未加工部の径に対する未加工部の径と小径直管部の径との差の比率は「縮径率」又は「縮管率」と称され、小径直管部の径が同一である場合、この縮径率が大きいほど筒状体の未加工部の径が大きく、内容積が大きい。
ところで、スピニング加工とは、例えば、成形工具(例えば、成形ローラ)によって(筒状又は板状の)ワーク(例えば、素管)を相対的に公転している成形型(マンドレル)に押圧して成形する塑性加工の一種である。スピニング加工は逐次加工であり、所定のパターンに沿って移動する成形工具の1往復(パス)毎に周方向及び軸方向に素材流動が起こる。従って、スピニング加工においては、ワークの板厚変動が起こり易い。特に、自動車の排気システムにおいて使用されるステンレス鋼材は硬質であるため、厚さと外径との比(t/D)が小さいワークを所定のテーパ角にて大きい縮径率となるように加工することは非常に困難であり、局所的な板厚の減少に起因する変形(例えば、皺及び/又は割れ等)が発生する問題が惹起され易く、所望の形状を得ることが困難である。以降、このような「厚さ(板厚)と外径との比(t/D)が小さいワークを所定のテーパ角にて大きい縮径率となるように加工する」ことを「難加工」と称する。
具体的には、典型的な工具運用(所定のパターンに沿った成形工具の移動)を採用する従来技術に係るスピニング加工においては、ワークの未加工部(非成形部)からテーパ部へと移行する起点(テーパ開始点)からワークの端部(管端)側への一方的な切り込み(絞り込み)を成形工具が繰り返す(例えば、特許文献1を参照。)。従って、ワークを構成する材料(素材)は起点から管端側へのみ流動する。その結果、管端(小径直管部及びテーパ部)側の板厚が薄くなり、上記のような難加工は不可能となる場合が多い。
そこで、上記のような課題を解決すべく、上記のようにワークの長手方向における中央(管央)側から管端側への一方向の工具運用による切り込みによってテーパ部及び小径直管部の両方を一気に(1つのステップにて)成形するのではなく、先ずテーパ部を成形した後に、小径直管部を成形するスピニング加工方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。具体的には、初期乃至中期段階においては成形工具を筒状のワークの軸に傾斜する方向において往復運動させることによりワークの端部を切り込んでテーパ部を成形し、最終段階においてはワークの軸に平行な方向と傾斜する方向へと成形工具を往復運動させることにより小径直管部を追加的に成形(追成形)し、テーパ部と小径直管部とを成形する。これにより、テーパ部及び小径直管部の板厚を均一化することができるとしている。
しかしながら、上記スピニング加工方法によれば、初期乃至中期段階において成形されるテーパ部の板厚は大きいものの、その後の最終段階における小径直管部の追成形(更なるスピニング加工)に伴って板厚が小さくなる。従って、上述したような問題(例えば、皺及び/又は割れの発生等)を惹起し易く、やはり上記のような難加工は困難である。
特に、小径直管部が長くなるほど、難加工は一層困難となる。例えば、図1は、自動車の排気システムにおいて外筒として量産されている載頭円錐部を端部に有する様々な筒状体について、これらの筒状体の縮径率をワーク(素管)の厚さと外径との比(t/D)に対してプロットすることによって得られたグラフである。これらの筒状体は何れも、当該用途に使用される外筒として一般的な長さ(例えば、40mm程度)を有する小径直管部を備える。図1から明らかであるように、所定の値(α)よりも小さいt/Dを有するワークから所定の値(β)よりも大きい縮径率を有するテーパ部と所定の長さよりも長い小径直管部とからなる載頭円錐部を端部に有する筒状体は量産されていない。また、テーパ部のテーパ角を小さくすることにより上記のような難加工を実現することは技術的には可能である。しかしながら、テーパ部のテーパ角を小さくするとテーパ部が長くなり、筒状体の重量化及び大型化に繋がるため、このような対策は現実的な解とはなり難い。
一方、上述した典型的な工具運用を採用する従来技術に係るスピニング加工においても、成形工具の1往復(加工サイクル)当たりの切り込みを小さくする代わりに加工サイクル数を増やすことにより上記のような難加工を実現することは技術的には可能である。しかしながら、実際には、このように加工サイクル数を増やすと、成形工具と(ワークを構成する)材料との接触時間(加工時間)が増大するために材料の加工硬化を招き、成形性が低下する。また、このような加工条件においても成形性を維持することができる手法を見出せたとしても、加工時間の増大により生産性が低下し、製造コストが増大するため、このように加工サイクル数を増やすこともまた現実的な解とはなり難い。
特開2000−288639号公報 特許第4182335号明細書 特許第3390725号明細書
上述したように、当該技術分野においては、生産性を低下させること無く、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を成形することができるスピニング加工方法、並びに、このような載頭円錐部を端部に有する筒状体が求められている。本発明は、このような要求に応えるために為されたものである。
上記に鑑みて、本発明に係るスピニング加工方法(以降、「本発明方法」と称される場合がある。)は、筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部とテーパ部の管端側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体を成形するスピニング加工方法である。本発明方法は、以下に記載する第1工程と第2工程とを含む。
第1工程:所定の加工サイクルである第1サイクルを少なくとも1回実行することにより、所定の目標長さよりも短い第1長さを有する小径直管部と所定の目標テーパ角よりも小さい第1テーパ角を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部を成形する。
第2工程:所定の加工サイクルである第2サイクルを少なくとも1回実行することにより、第1載頭円錐部に追加工を施して、第1長さよりも長い第2長さを有する小径直管部と第1テーパ角よりも大きい第2テーパ角を有するテーパ部とからなる第2載頭円錐部を成形する。
尚、本明細書においては、「テーパ角」とは、テーパ部の軸を含む平面によるテーパ部の断面においてテーパ部の軸とテーパ部の母線とがなす角を指す。
上記第1サイクルにおいては、成形工具によって筒状のワークを押圧しつつテーパ部又は小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながらテーパ部又は小径直管部の径方向及び/又は軸方向に成形工具を移動させる。
上記第2サイクルにおいては、延伸処理を実行した後に、絞り処理を実行する。延伸処理とは、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながら小径直管部の軸方向において管端の側からワークの軸方向における中央である管央の側に向かって成形工具を移動させることにより小径直管部の長さを増大させる処理である。絞り処理とは、成形工具によってテーパ部を押圧しつつテーパ部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながらテーパ部の径方向及び軸方向に成形工具を移動させることによりテーパ部のテーパ角を増大させる処理である。
尚、詳しくは後述するように、第1サイクル及び第2サイクルにおける成形工具の具体的な移動パターン(工具運用)は、例えば、ワークの材質、目的とする加工形状、加工上の条件及び制約(例えば、加工機械の性能及び仕様等)等に応じて適宜設定することができる。
更に、本発明に係る筒状体(以降、「本発明筒状体」と称される場合がある。)は、筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部と、テーパ部の管端の側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体である。本発明筒状体において、載頭円錐部以外の部分である未加工部の外径に対する管壁の厚さの比(t/D)は0.008よりも小さく、未加工部の外径と小径直管部の外径との差の未加工部の外径に対する比である縮径率は60%よりも大きく、テーパ部の軸を含む平面によるテーパ部の断面においてテーパ部の軸とテーパ部の母線とがなす角であるテーパ角が20°以上であり且つ45°以下であり、小径直管部の軸方向における長さは40mm以上である。
本発明によれば、生産性を低下させること無く、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を成形することができるスピニング加工方法、並びに、このような載頭円錐部を端部に有する筒状体を提供することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、本発明の各実施形態についての以下の説明から容易に理解されるであろう。
自動車の排気システムにおいて外筒として量産されている載頭円錐部を端部に有する様々な筒状体について、これらの筒状体の縮径率をワーク(素管)の厚さと外径との比(t/D)に対してプロットすることによって得られたグラフである。 本発明の第1実施形態に係るスピニング加工方法(第1方法)における工程の流れを説明するフローチャート及び第1方法の実行に伴うワークの形状の変化を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るスピニング加工方法(第2方法)の第1工程において実行される第1サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るスピニング加工方法(第3方法)の第1工程において実行される第1サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。 本発明の第5実施形態に係るスピニング加工方法(第5方法)の第2工程において実行される第2サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。 本発明の第8実施形態に係るスピニング加工方法(第8方法)の第2工程において実行される第2サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。 本発明の第9実施形態に係る筒状体(第9筒状体)の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施例に係るスピニング加工方法(実施例方法)の第1工程及び当該第1工程によって成形される第1載頭円錐部を端部に有する中間的な筒状体の構成を示す模式図である。 実施例方法の第2工程及び当該第2工程によって成形される第2載頭円錐部を端部に有する中間的な筒状体の構成を示す模式図である。 実施例方法の第3工程及び当該第3工程によって成形される載頭円錐部を端部に有する最終的な筒状体の構成を示す模式図である。 実施例方法によって成形された載頭円錐部を端部に有する幾つかの筒状体について、これらの筒状体の縮径率及びワーク(素管)の厚さと外径との比(t/D)を図1に示したグラフにプロットすることによって得られたグラフである。
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第1方法」と称される場合がある。)について説明する。
第1方法は、筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部とテーパ部の管端側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体を成形するスピニング加工方法である。ここでは、図2の(a)において実線によって示す直管状のワーク(素管)をスピニング加工によって成形して、図2の(a)において点線によって示す載頭円錐部を有する筒状体を製造しようとする場合について説明する。尚、図2の(a)乃至(c)は、第1方法の実行に伴うワークの形状の変化を示す模式図であり、一点鎖線によって示すワークの軸を含む平面による模式的な断面図である。
尚、図2においては、筒状体の小径直管部、テーパ部及び未加工部(ワークの径を維持している部分)の全ての軸が一致する「同軸スピニング加工」の場合を例示するが、第1方法によって成形される筒状体の形状は上記に限定されない。例えば、小径直管部の軸と未加工部の軸とが平行ではあるもののずれて(偏芯して)いてもよく、小径直管部の軸と未加工部の軸とが同一平面内において所定の角度にて交差して(傾斜して)いてもよく、或いは小径直管部の軸と未加工部の軸とが平行ではなく且つ交差しない所謂「ねじれの位置」にあってもよい。
第1方法は、以下に説明する第1工程と第2工程とを含む。より具体的には、第1方法においては、図2のフローチャートに示すように、第1工程(ステップS01)を実行した後に第2工程(ステップS02)を実行する。
第1工程(ステップS01)においては、所定の加工サイクルである第1サイクルを少なくとも1回実行することにより、所定の目標長さよりも短い第1長さを有する小径直管部と所定の目標テーパ角よりも小さい第1テーパ角を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部を成形する。これにより、図2の(a)に示したワークは図2の(b)に示すような中間的な形状に成形される。目標長さを有する小径直管部と目標テーパ角を有するテーパ部とからなる最終的な載頭円錐部を成形するためには、図2の(b)において斜線によって示されている部分を更に切り込む(絞り込む)必要がある。
上記のように、第1工程においては、所定の目標長さよりも短い第1長さを有する小径直管部と所定の目標テーパ角よりも小さい第1テーパ角を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部が成形される。即ち、第1工程において実行されるスピニング加工は、目標長さを有する小径直管部と目標テーパ角を有するテーパ部とからなる最終的な載頭円錐部を成形するスピニング加工に比べて、より緩やかな加工であり、容易に実行することができる「易加工」であると言うことができる。従って、第1工程においては、上述した難加工において発生しがちな局所的な板厚の減少に起因する変形(例えば、皺及び/又は割れ等)等の問題が惹起され難い。しかしながら、第1工程において成形された筒状体の形状は目標とする最終的な形状には至っていない中間的な形状である。
そこで、第1工程の後に実行される第2工程(ステップS02)においては、所定の加工サイクルである第2サイクルを少なくとも1回実行することにより、第1載頭円錐部に追加工を施して、第1長さよりも長い第2長さを有する小径直管部と第1テーパ角よりも大きい第2テーパ角を有するテーパ部とからなる第2載頭円錐部を成形する。これにより、図2の(b)に示した中間的な形状を有するワークは、図2の(c)に示すような最終的な形状により近い形状に成形される。図2の(c)に示した例においては、載頭円錐部の形状は未だ最終的な形状に一致していないが、第2工程の実行により、載頭円錐部の形状を最終的な形状に成形してもよい。
上記のように、第2工程においては、第1載頭円錐部に追加工を施し、筒状体の中間的な形状を最終的な形状に近付けるか、或いは最終的な形状に一致させる。このように中間的な形状を経由して、第1載頭円錐部よりも最終的な形状により近い形状又は最終的な形状を有する筒状体を成形することにより、上述した難加工において発生しがちな局所的な板厚の減少に起因する変形(例えば、皺及び/又は割れ等)等の問題を有効に低減することができる。
結果として、第1方法によれば、生産性を低下させること無く、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから、従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を端部に有する筒状体を成形することができる。
第1サイクルにおいては、成形工具によって筒状のワークを押圧しつつテーパ部又は小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながらテーパ部又は小径直管部の径方向及び/又は軸方向に成形工具を移動させる。成形工具は、例えば成形ローラ及びヘラ等、スピニング加工において一般的に使用される種々の成形工具の中から、例えば、ワークの材質、目的とする加工形状、加工上の条件及び制約(例えば、加工機械の性能及び仕様等)等に応じて適宜選択することができる。
また、「テーパ部又は小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させる」とは、テーパ部(又はテーパ部として成形されるワークの部分)を押圧するときはテーパ部の軸を基準とし、小径直管部(又は小径直管部として成形されるワークの部分)を押圧するときは小径直管部の軸を基準とした場合に、当該軸を中心として成形工具を回転させることを指す。このとき、ワークが固定されていて成形工具がワークの周りを公転していてもよく、成形工具が固定されていてワークが回転(自転)していてもよく、或いはワーク及び成形工具の両方が回転していてもよい(即ち、ワークが自転し且つ成形工具がワークの周りを公転していてもよい)。
更に、「テーパ部又は小径直管部の径方向及び/又は軸方向に成形工具を移動させる」とは、所望の方向及び深さにてワークの切り込み(絞り込み)を行うことができるように成形工具の移動方向を制御することを指す。例えば、テーパ部の切り込みを行う場合は径方向及び軸方向に(即ち、斜めに)成形工具を移動させ、小径直管部の切り込みを行う場合は軸方向のみに成形工具を移動させるようにしてもよい。
加えて、第1サイクルにおける成形工具の具体的な移動パターン(工具運用)は、特に限定されず、縮径成形を行うスピニング加工において一般的に採用される種々の工具運用の中から、例えば、ワークの材質、目的とする加工形状、加工上の条件及び制約等に応じて適宜選択することができる。
第2サイクルにおいては、延伸処理を実行した後に、絞り処理を実行する。延伸処理とは、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながら小径直管部の軸方向において管端の側からワークの軸方向における中央である管央の側に向かって成形工具を移動させることにより小径直管部の長さを増大させる処理である。絞り処理とは、成形工具によってテーパ部を押圧しつつテーパ部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながらテーパ部の径方向及び軸方向に成形工具を移動させることによりテーパ部のテーパ角を増大させる処理である。
上記のように、延伸処理においては、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながら小径直管部の軸方向において管端の側から管央の側に向かって成形工具を移動させる。従って、第1工程においてワークの管央側から管端側へと流動した素材を延伸処理によって管端側から管央側へと戻すことができる。その結果、素材の流動に伴う局在化に起因する局所的な板厚の斑が低減されるので、局所的な板厚の減少に起因する変形等の問題を有効に低減することができる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第2方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述したように、第1工程において実行されるスピニング加工は、目標長さを有する小径直管部と目標テーパ角を有するテーパ部とからなる最終的な載頭円錐部を成形するスピニング加工に比べて、より容易に実行することができる「易加工」である。従って、第1サイクルにおける工具運用は、特に限定されず、縮径成形を行うスピニング加工において一般的に採用される種々の工具運用の中から適宜選択することができる。
具体的には、例えば、前述した従来技術に係る典型的な工具運用のように、ワークの未加工部(非成形部)からテーパ部へと移行する起点(テーパ開始点)からワークの端部(管端)側への一方的な切り込み(絞り込み)を成形工具が繰り返すようにしてもよい。
即ち、第2方法の第1工程において実行される第1サイクルにおいては、成形工具によってワークを押圧しつつ、テーパ部の管端とは反対側の端部に位置するテーパ開始点から管端に向かって成形工具を移動させる。
図3は、第2方法の第1工程において実行される第1サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。(a)に概略を示すように、第2方法の第1工程においては、成形工具としての成形ローラRをテーパ開始点Ptから管端Peに向かって移動させながら成形ローラRによってワークWを押圧する。
より詳細には、(b)に示すように、最初に実行される第1サイクルにおいては、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、未加工のワークW(素管)の(a)に示したテーパ開始点Ptに対応する点1から素管の管端Peよりも内側(軸に近い側)に位置する点2に向かって成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、なだらかなテーパ部及び短い(且つ径が未だ大きい)小径直管部が成形される。そして、成形ローラRをワークWから離して点3まで待避させ、起点である点1へと成形ローラRを戻す(白抜きの矢印)。このように、図3においては、黒塗りの矢印は「ワークWを押圧している状態での成形ローラRの移動」を、白抜きの矢印は「ワークWと接触していない状態での成形ローラRの移動」を、それぞれ示す。
次に実行される第1サイクルにおいては、点1から点2よりも内側(軸に近い側)に位置する点4に向かって成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、最初に実行された第1サイクルよりも大きいテーパ角を有するテーパ部及び長い(且つ径がより小さい)小径直管部が成形される。そして、成形ローラRをワークWから離して点3まで待避させ、点1へと戻す(白抜きの矢印)。以降は上記と同様に第1サイクルを繰り返し実行して、上述した第1載頭円錐部を成形する。
即ち、この例に示した工具運用においては、点1→点2→点3→点1→点4→点3→点1→点5→点3→点1…というように、成形ローラRを移動させる。尚、(b)に示した点2、点4及び点5は、その時々における管端Peに対応する点である。この例においては点2、点4及び点5の軸方向(図に向かって左右方向)における位置は変化していないが、実際の管端Peの位置は、各成形工程における加工サイクルの実行に伴って刻々と変化する。
上記のように、第2方法の第1工程においては、管端Peよりも管央Pcに近い位置にあるテーパ開始点Ptから管端Peに向かって成形工具(成形ローラR)を移動させつつ成形工具によってワークWを押圧する。従って、ワークWを構成する材料(素材)は工具運用の起点であるテーパ開始点Ptから管端側Peへのみ流動する。その結果、管端Pe側へと素材が偏り(局在化し)、板厚の斑が生ずる場合がある。
しかしながら、第2方法の第2工程においても、上述した第1方法の第2工程と同様に、小径直管部の軸方向において管端Peの側から管央Pcの側に向かって成形工具(成形ローラR)を移動させつつ成形工具によって小径直管部を押圧する延伸処理が実行される。従って、第1工程においてワークWの管央Pc側から管端Pe側へと素材が流動しても、第2工程の延伸処理によって管端Pe側から管央Pc側へと素材を戻すことができる。その結果、素材の流動に伴う局在化に起因する局所的な板厚の斑が低減されるので、上記のような工具運用を第1工程において採用しても、局所的な板厚の減少に起因する変形等の問題を有効に低減することができる。
尚、第2方法の第1工程においては、必ずしも全ての第1サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第3方法」と称される場合がある。)について説明する。
上記のように、第2方法の第1工程においては、テーパ開始点から管端側への一方向の切り込みを成形工具が繰り返すようにした。しかしながら、例えば、前述した特許文献2に記載されているように、ワークの軸に平行な方向と傾斜する方向とへ成形工具を往復運動させることによりテーパ部及び小径直管部を成形してもよい。
即ち、第3方法の第1工程において実行される第1サイクルにおいては、成形工具によってワークを押圧しつつ、テーパ部の管端とは反対側の端部に位置するテーパ開始点と管端との間の領域において成形工具を往復運動させる。
図4は、第3方法の第1工程において実行される第1サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。(a)に概略を示すように、第3方法の第1工程においては、成形工具としての成形ローラRをテーパ開始点Ptと管端Peとの間の領域において往復運動させながら成形ローラRによってワークWを押圧する。
より詳細には、(b)に示すように、最初に実行される第1サイクルにおいては、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、未加工のワークW(素管)の(a)に示したテーパ開始点Ptに対応する点1から素管の管端Peよりも内側(軸に近い側)に位置する点2に向かって成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、なだらかなテーパ部が一時的に成形される。そして、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、ワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させて、成形しようとするテーパ部のテーパ面上の点に対応する位置にある点3まで成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、ワークWの未加工部よりも僅かに径が小さい小径直管部が一時的に成形される。
更に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点3から点1へと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、成形しようとするテーパ部のテーパ面の一部が成形される。最後に、点1から点3へと成形ローラRを戻す(斜線が施された矢印)。このとき、成形ローラRはワークWを押圧しているものの、移動の向きが逆であるだけで、その移動経路は直前の移動経路と同じである。つまり、点3から点1への成形ローラRの移動によって形成されたテーパ面の表面を点1から点3への成形ローラRの移動によって均すこととなる。
上記のように、図4における黒塗りの矢印は、図3と同様に「ワークWを押圧している状態での成形ローラRの移動」を示す。一方、斜線が施された矢印は「ワークWと接触しているものの積極的に切り込みを行わない状態での成形ローラRの移動」を示す。
次に実行される第1サイクルにおいては、点3から点2よりも内側(軸に近い側)に位置する点4に向かって成形ローラRを移動させる。これにより、なだらかなテーパ部が再び一時的に成形される(黒塗りの矢印)。そして、ワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させて、成形しようとするテーパ部のテーパ面上の点に対応する位置にある点5まで成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、ワークWの未加工部よりも僅かに径が小さい小径直管部が再び一時的に成形される。
更に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点5から点3へと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、成形しようとするテーパ部のテーパ面の一部が成形される。最後に、点3から点5へと成形ローラRを戻す(斜線が施された矢印)。これにより、点5から点3への成形ローラRの移動によって形成されたテーパ面の表面が均される。以降は上記と同様に第1サイクルを繰り返し実行して、上述した第1載頭円錐部を成形する。
即ち、この例に示した工具運用においては、点1→点2→点3→点1→点3→点4→点5→点3→点5→点6→点7→点5→点7…というように、成形ローラRを移動させる。尚、(b)に示した点2、点4及び点6は、その時々における管端Peに対応する点である。このように、管端Peの位置は各成形工程における加工サイクルの実行に伴って刻々と変化する。
上記のように、第3方法の第1工程においては、テーパ開始点Ptと管端Peとの間の領域において成形工具(成形ローラR)を往復運動させつつ成形工具によってワークWを押圧する。従って、第1工程においてテーパ開始点Ptから管端Peに向かって成形工具を移動させつつ成形工具によってワークWを押圧する第2方法に比べて、テーパ部及び小径直管部の板厚を均一化することができる。
尚、第3方法の第1工程においては、必ずしも全ての第1サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第4実施形態》
以下、本発明の第4実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第4方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述した第1方法乃至第3方法を始めとする本発明の各種実施形態に係るスピニング加工方法の第2工程においては、上述したように延伸処理を実行した後に絞り処理を実行する第2サイクルを少なくとも1回実行する。これにより、第1工程において成形された第1載頭円錐部に追加工が施されて、最終的な形状により近い形状又は最終的な形状と同一の形状を有する第2載頭円錐部が成形される。
上記延伸処理における具体的な工具運用は、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ小径直管部の軸周りに成形工具を相対的に公転させながら小径直管部の軸方向において管端側から管央側に向かって成形工具を移動させることにより小径直管部の長さを増大させるものである限り特に限定されない。
第4方法の第2工程においては、第2サイクルを2回以上実行する。そして、それぞれの第2サイクルにおいて実行される延伸処理において、成形工具によって押圧される小径直管部の領域が互いに重ならないように成形工具を移動させる。
具体的には、例えば、第2サイクルの延伸処理における成形ローラRの移動の始点が前回実行された第2サイクルの延伸処理における成形ローラRの移動の終点よりも管端側に位置しないように工具運用を定める。これにより、複数回実行される第2サイクルの延伸処理における成形ローラの移動範囲が互いに重ならないようにすることができる。
上記のように、第4方法の第2工程においては、それぞれの延伸処理において成形ローラRによって押圧される小径直管部の領域が互いに重ならない。従って、延伸処理における成形ローラRの移動を少なくすることができるので、本発明方法の生産性を向上することができる。
尚、第4方法の第2工程においては、必ずしも全ての第2サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第5実施形態》
以下、本発明の第5実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第5方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述した第4方法の第2工程においては、複数回実行される第2サイクルの延伸処理において、成形工具によって押圧される小径直管部の領域が互いに重ならないように成形工具を移動させる。このような工具運用の具体例としては、例えば、それぞれの延伸処理において、小径直管部を管央側へと徐々に拡張するように成形工具を移動させるものが挙げられる。
そこで、第5方法の第2工程においては、延伸処理において、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ、小径直管部の管端とは反対側の端部から管央の側に向かって成形工具を移動させる。
図5は、第5方法の第2工程において実行される第2サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。(a)に概略を示すように、第5方法の第2サイクルの延伸処理においては、小径直管部の管端Peとは反対側の端部から管央Pcの側に向かって成形工具(成形ローラR)を移動させながら成形ローラRによってワークWを押圧することにより小径直管部の長さを増大させる。延伸処理の後に実行される絞り処理においては、延伸処理の終点とテーパ開始点Ptとの間で成形ローラRを往復運動させながら成形ローラRによってワークWを押圧することによりテーパ部のテーパ角を増大させる。
より詳細には、(b)に示すように、最初に実行される第2サイクルにおいては、成形ローラRによってワークW(小径直管部)を押圧しつつ、(a)に示した載頭円錐部の管端Peに対応する点Aから管央Pcの側に位置する点BへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、小径直管部の長さが増大される。即ち、延伸処理が実行される。次に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点Bから(a)に示した載頭円錐部のテーパ開始点Ptに対応する点Cへと成形ローラRを移動させた後、点Cから点Bよりも管央Pcに近い側に位置する点Dへと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、テーパ部のテーパ角が増大される。即ち、絞り処理が実行される。このとき、小径直管部の長さも(点Bから点Dへと)僅かに増大される。
次に実行される第2サイクルにおいては、点Dから管央Pcの側に位置する点EへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、小径直管部の長さが更に増大される。即ち、延伸処理が実行される。次に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点Eから点Cへと成形ローラRを移動させた後、点Cから点Eよりも管央Pcに近い側に位置する点Fへと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、テーパ部のテーパ角が更に増大される。即ち、絞り処理が実行される。このとき、小径直管部の長さも(点Eから点Fへと)僅かに増大される。以降は上記と同様に第2サイクルを繰り返し実行して、上述した第2載頭円錐部を成形する。
この例においては、第2工程の最後に、その時点における管端Peに対応する点Xへと成形ローラRを戻す(斜線が施された矢印)。このとき、成形ローラRによって小径直管部を押圧しつつ、ワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させることにより、第2サイクルの延伸処理によって形成された小径直管部の表面を均すようにしてもよい。即ち、この例に示した工具運用においては、点A→点B→点C→点D→点E→点C→点F→…→点Xというように、成形ローラRを移動させる。
上記のように、図5においても、黒塗りの矢印は「ワークWを押圧している状態での成形ローラRの移動」を示す。一方、斜線が施された矢印は「ワークWと接触しているものの積極的に切り込みを行わない状態での成形ローラRの移動」を示す。
尚、一般的には、第2工程において複数回実行される第2サイクルのうち先に実行される第2サイクルにおける小径直管部の径よりも後に実行される第2サイクルにおける小径直管部の径の方が小さくなるように工具運用が設定される。この例において成形ローラRによって小径直管部を押圧するときの小径直管部の径の大きさを成形ローラの位置によって表すと、「目標径=X≦…≦F≦E≦D≦B≦A」となる。
上記のように、第5方法の第2工程においては、前回実行された第2サイクルの絞り処理が終了した時点における成形ローラRの位置から、今回実行される第2サイクルの延伸処理が開始される。これにより、より確実に、それぞれの延伸処理において成形ローラRによって押圧される小径直管部の領域が互いに重ならないようにすることができる。従って、延伸処理における成形ローラRの移動をより確実に少なくすることができるので、本発明方法の生産性をより確実に向上することができる。
尚、第5方法の第2工程においては、必ずしも全ての第2サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第6実施形態》
以下、本発明の第6実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第6方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述した第4方法及び第5方法の第2工程においては、第2サイクルを2回以上実行し、それぞれの延伸処理において成形工具によって押圧される小径直管部の領域が互いに重ならないように成形工具を移動させる。これにより、延伸処理における成形工具の移動を少なくすることができるので、本発明方法の生産性を向上することができる。
しかしながら、上記のような工具運用を採用した場合、例えば、ワークの材質、目的とする加工形状、加工上の条件及び制約(例えば、加工機械の性能及び仕様等)等によっては、例えば、小径直管部の管端側が広がってフレア状の形状となる場合がある。このようなフレア状の形状における管端側の広がりが過度に大きくなると、例えば、その後の小径直管部の成形加工時に皺が発生する等の問題に繋がる虞がある。このような問題を低減するためには、第2工程において成形工具によって小径直管部を押圧する頻度を高めることが望ましい。
そこで、第6方法の第2工程においては、第2サイクルを2回以上実行する。そして、前回の延伸処理において成形工具によって押圧された小径直管部の領域の少なくとも一部と、今回の延伸処理において成形工具によって押圧される小径直管部の領域の少なくとも一部と、が重なるように前記成形工具を移動させる。
上記のように、第6方法の第2工程においては、複数回実行される第2サイクルのそれぞれの延伸処理において成形工具によって押圧される小径直管部の領域の少なくとも一部が互いに重なり合う。従って、延伸処理において成形工具によって複数回押圧される小径直管部の領域を増大させることができる。その結果、例えば、第2工程の途中において上述したようなフレア状の形状が小径直管部に出現しても成形工具によって押圧されるので、その広がりが過度に大きくなることが抑制される。これにより、その後の小径直管部の成形加工時に皺が発生する等の問題を低減することができる。
尚、第6方法の第2工程においては、必ずしも全ての第2サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第7実施形態》
以下、本発明の第7実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第7方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述した第6方法の第2工程によれば、複数回実行される第2サイクルのそれぞれの延伸処理において成形工具によって押圧される小径直管部の領域の少なくとも一部を互いに重なり合わせる。これにより、延伸処理において成形工具によって複数回押圧される小径直管部の領域を増大させ、小径直管部におけるフレア状の形状の出現に起因する皺の発生等の問題を低減することができる。このような工具運用の具体例としては、例えば、それぞれの延伸処理において、小径直管部を管央側へと徐々に拡張するように成形工具を移動させるものが挙げられる。
そこで、第7方法の第2工程の延伸処理においては、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ管端から管央の側に向かって成形工具を移動させる。即ち、第2サイクルにおいて実行される延伸処理の起点を管端とする。
上記によれば、第2工程の延伸処理において成形工具によって押圧される頻度を小径直管部の管端側ほど高くすることができるので、上述したフレア状の形状の出現をより有効に低減することができる。
尚、第7方法の第2工程においては、必ずしも全ての第2サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
《第8実施形態》
以下、本発明の第8実施形態に係るスピニング加工方法(以降、「第8方法」と称される場合がある。)について説明する。
上述した第7方法の第2工程によれば、第2サイクルにおいて実行される延伸処理の起点を管端とすることにより、第2工程の延伸処理において成形工具によって押圧される頻度を小径直管部の管端側ほど高くして、フレア状の形状の出現をより有効に低減することができる。ところが、上記のような工具運用は、小径直管部を構成する材料(素材)を管端側から管央側へと流動させ、管端近傍の板厚を減少させたり、板厚の斑を増大させたりする虞がある。
一方、上記のように第2サイクルにおいて実行される延伸処理の起点を管端とするためには、延伸処理の後に実行される絞り処理が終了した後に成形工具を管端へと戻す必要がある。絞り処理が実行される位置は管端よりも管央に近い側にあり、第2サイクルが繰り返される度に管央へと近づいてゆく。従って、絞り処理が終了した後に成形工具を管端へと戻すときには成形工具が管央側から管端へと移動させることとなるので、このときにも成形工具によって小径直管部を押圧することにより、それ以前の延伸処理によって管端側から管押側へと流動した素材を管押側から管端側へと戻すことができる。その結果、素材の流動に伴う局在化に起因する局所的な板厚の減少及び/又は斑等の問題を低減することができる。
そこで、第8方法の第2工程の延伸処理においては、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ成形工具を管端へと移動した後に、成形工具によって小径直管部を押圧しつつ管端から管央の側に向かって成形工具を移動させる。
図6は、第8方法の第2工程において実行される第2サイクルにおける工具運用(成形ローラの移動パターン)の一例を示す模式図である。(a)に概略を示すように、第8方法の第2サイクルの延伸処理においては、延伸処理の開始時に成形工具(成形ローラR)を管端Peに移動させながら成形ローラRによってワークW(小径直管部)を押圧し、更に管端Peから管央Pcの側に向かって成形ローラRを移動させながら成形ローラRによってワークWを押圧することにより小径直管部の長さを増大させる。延伸処理の後に実行される絞り処理においては、延伸処理の終点とテーパ開始点Ptとの間で成形ローラRを往復運動させながら成形ローラRによってワークWを押圧することによりテーパ部のテーパ角を増大させる。
より詳細には、(b)に示すように、最初に実行される第2サイクルにおいては、成形ローラRによってワークW(小径直管部)を押圧しつつ、(a)に示した載頭円錐部の管端Peに対応する点Aから管央Pcの側に位置する点BへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、小径直管部の長さが増大される。即ち、延伸処理が実行される。次に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点Bから(a)に示した載頭円錐部のテーパ開始点Ptに対応する点Cへと成形ローラRを移動させた後、点Cから点Bよりも管央Pcに近い側に位置する点Dへと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、テーパ部のテーパ角が増大される。即ち、絞り処理が実行される。このとき、小径直管部の長さも(点Bから点Dへと)僅かに増大される。
次に実行される第2サイクルにおいては、成形ローラRによって小径直管部を押圧しつつ、点Dから管端PeへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させた後、管端Peから点DへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させる(斜線が施された矢印)。これにより、第2サイクルの延伸処理によって形成された小径直管部の表面が均され、例えば、素材の流動に伴う局在化に起因する局所的な板厚の減少及び/又は斑並びにフレア状の形状の出現等の問題を低減することができる。更に、点Dよりも管央Pcの側に位置する点EへとワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、小径直管部の長さが増大される。即ち、延伸処理が実行される。次に、成形ローラRによってワークWを押圧しつつ、点Eから点Cへと成形ローラRを移動させた後、点Cから点Eよりも管央Pcに近い側に位置する点Fへと成形ローラRを移動させる(黒塗りの矢印)。これにより、テーパ部のテーパ角が更に増大される。即ち、絞り処理が実行される。このとき、小径直管部の長さも(点Eから点Fへと)僅かに増大される。以降は上記と同様に第2サイクルを繰り返し実行して、上述した第2載頭円錐部を成形する。
この例においては、第2工程の最後に、その時点における管端Peに対応する点Xへと成形ローラRを戻す(斜線が施された矢印)。このときも、成形ローラRによって小径直管部を押圧しつつ、ワークWの軸に平行に成形ローラRを移動させることにより、第2サイクルの延伸処理によって形成された小径直管部の表面を均すようにしてもよい。即ち、この例に示した工具運用においては、点A→点B→点C→点D→点A→点E→点C→点F→…→点Xというように、成形ローラRを移動させる。
上記のように、図6においても、黒塗りの矢印は「ワークWを押圧している状態での成形ローラRの移動」を示す。一方、斜線が施された矢印は「ワークWと接触しているものの積極的に切り込みを行わない状態での成形ローラRの移動」を示す。
尚、一般的には、第2工程において複数回実行される第2サイクルのうち先に実行される第2サイクルにおける小径直管部の径よりも後に実行される第2サイクルにおける小径直管部の径の方が小さくなるように工具運用が設定される。この例においても成形ローラRによって小径直管部を押圧するときの小径直管部の径の大きさを成形ローラの位置によって表すと、「目標径=X≦…≦F≦E≦D≦B≦A」となる。
上記のように、第8方法の第2工程においては、前述した第5方法の第2工程における工具運用に加えて、延伸処理の開始時に成形工具(成形ローラR)を管端Peに移動させながら成形ローラRによってワークW(小径直管部)を押圧する。これにより、第2サイクルの延伸処理によって形成された小径直管部の表面が均され、例えば、素材の流動に伴う局在化に起因する局所的な板厚の減少及び/又は斑並びにフレア状の形状の出現等の問題を低減することができる。
尚、第8方法の第2工程においては、必ずしも全ての第2サイクルにおいて上記工具運用を採用しなくてもよく、必要に応じて他の工具運用と組み合わせてもよい。
以上、本発明の幾つかの実施形態に係るスピニング加工方法について詳しく説明してきたが、これらの実施形態を始めとする本発明の各種実施形態を含む本発明方法は、上述した第1工程及び第2工程に加えて、第1工程の前、第1工程と第2工程との間、及び/又は第2工程の後に、1つ以上の加工工程を更に含むことができる。
例えば、第2工程によって成形された筒状体の形状が未だ最終的な形状に一致していない場合は、第2載頭円錐部を追加工する第3工程を第2工程の後に更に設けて、最終的な形状を有する筒状体を製造するようにしてもよい。また、第2工程によって成形された筒状体の表面の平滑性が不十分である場合等においては、第2工程に比べて1加工サイクル当たりの切り込みを小さくする代わりに加工サイクル数を増やした第3工程を第2工程の後に更に設けて、筒状体の表面の平滑性を向上させてもよい。
また、以上の説明においては、成形工具の移動の開始位置(始点)及び終了位置(終点)等の位置を「点」として表現した。しかしながら、前述したように本発明を実行するときにはワークの軸周りに成形工具が相対的に公転しているので、これらの点は実際には周線を意味する。
《第9実施形態》
以下、本発明の第9実施形態に係る筒状体(以降、「第9筒状体」と称される場合がある。)について説明する。
本明細書の冒頭において述べたように、本発明は、上述したようなスピニング加工方法のみならず、従来よりも管の厚さと外径との比(t/D)が小さいワークから成形され且つ従来よりも大きい縮径率を有するテーパ部及び従来よりも長い小径直管部からなる載頭円錐部を端部に有する筒状体にも関する。
第9筒状体は、筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部とテーパ部の管端の側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体である。更に、第9筒状体は、以下に列挙する特徴(1)乃至(4)を有する。以下の説明においては、第9筒状体の構成を示す模式的な斜視図である図7に記載した符号を添えて説明する。
(1)載頭円錐部以外の部分である未加工部(11)の外径(D)に対する管壁(t)の厚さの比(t/D)は0.008よりも小さい。
(2)未加工部(11)の外径(D)と小径直管部の外径(d)との差(D−d)の未加工部の外径(D)に対する比((D−d)/D)である縮径率は60%よりも大きい。
(3)テーパ部の軸を含む平面による前記テーパ部の断面において前記テーパ部の軸と前記テーパ部の母線とがなす角であるテーパ角が20°以上であり且つ45°以下であり、
(4)小径直管部(13)の軸方向における長さ(L)は40mm以上である。
本明細書の冒頭において述べたように、外径(D)に対する板厚(t)の比(t/D)が小さいワークを所定のテーパ角にて大きい縮径率となるように加工することは困難であり、特に小径直管部(13)の長さ(L)が大きくなるほど、このような難加工は一層困難となる。従って、図1のグラフを参照しながら説明したように、自動車の排気システム等の用途において使用される外筒として一般的な長さ(例えば、40mm程度)を有する小径直管部と、所定のテーパ角及び所定の値(β)よりも大きい縮径率を有するテーパ部とからなる載頭円錐部を端部に有する筒状体は所定の値(α)よりも小さいt/Dを有するワークから量産されていない。
第9筒状体が有する上記特徴(1)乃至(4)は、当該技術分野において量産されている筒状体によっては達成し得ない特徴である。第9筒状体によれば、生産性を低下させること無く、例えば、当該技術分野における軽量化及びコスト削減の要請に応えることができる。
尚、第9筒状体を始めとする本発明筒状体は、上述した各種実施形態に係るスピニング加工方法を始めとする本発明に係るスピニング加工方法によって、容易に製造することができる。
以上、本発明の種々の実施形態に係るスピニング加工方法及び筒状体について説明してきたが、本発明の代表的な実施例につき、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
《筒状体》
本実施例に係る筒状体の構成は、図7に示したものと同様の構成とした。各部位の具体的な寸法等については、後述する製造手順についての説明において記載する。尚、本実施例においては、ステンレス鋼材によって形成された1mmの板厚(t)を有する直管をワークとして使用した。
《製造手順》
本実施例においては、上述した第1工程及び第2工程の後に、仕上げ工程としての第3工程を実施した。各加工工程の詳細につき、以下に説明する。
〈第1工程〉
第1工程においては、図8の(a)に示すように、前述した第3方法に該当する手順を採用した。具体的には、第1工程において繰り返し実行される第1サイクルにおいて、成形ローラによってワークを押圧しつつ、テーパ部の管端とは反対側の端部に位置するテーパ開始点Ptと管端Peとの間の領域において成形ローラを往復運動させた。これにより、図8の(b)に示すように、所定の目標長さ(46mm)よりも短い第1長さ(19mm)を有する小径直管部と所定の目標テーパ角(θ=32°)よりも小さい第1テーパ角(θ=22°)を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部を成形した。即ち、この段階における筒状体は中間的な形状を有する。
〈第2工程〉
第2工程においては、図9の(a)に示すように、前述した第8方法に該当する手順を採用した。具体的には、第2工程において繰り返し実行される第2サイクルの延伸処理において、成形ローラによって小径直管部を押圧しつつ成形ローラを管端Peへと移動した後に、成形ローラによって小径直管部を押圧しつつ管端Peから管央Pcの側に向かって成形ローラを移動させた。これにより、図9の(b)に示すように、所定の目標長さ(46mm)よりも短い第2長さ(32mm)を有する小径直管部と所定の目標テーパ角(θ=32°)よりも小さい第2テーパ角(θ=26°)を有するテーパ部とからなる第2載頭円錐部を成形した。即ち、この段階における筒状体も未だ最終的な形状ではなく中間的な形状を有する。
〈第3工程〉
第3工程においては、図10の(a)に示すように、基本的には上記第2工程と同様の手順を採用した。但し、第3工程においては、第2工程に比べて1加工サイクル当たりの切り込みを小さくする代わりに加工サイクル数を増やした。これにより、筒状体の表面の平滑性を向上させると共に、図10の(b)に示すように、所定の目標長さ(46mm)を有する小径直管部と所定の目標テーパ角(θ=32°)を有するテーパ部とからなる載頭円錐部を成形した。即ち、この段階における筒状体は最終的な形状を有する。また、この段階における筒状体のテーパ部における縮径率は60%よりも大きい。
《評価》
上述した実施例方法によれば、生産性の低下を伴うこと無く局所的な板厚の減少に起因する変形(例えば、皺及び/又は割れ等)の発生等の問題を低減しつつ、伴うこと無く、従来から量産されている筒状体によっては達成し得ない長さを有する小径直管部とテーパ角を有するテーパ部とからなる載頭円錐部を端部に備える筒状体を容易に成形することができ。
図11は、上述した実施例方法によって成形された載頭円錐部を端部に有する筒状体(黒塗りの四角形のプロット)及び同様に成形された他の幾つかの筒状体(白抜きの四角形のプロット)につき、これらの筒状体の縮径率及びワーク(素管)の厚さと外径との比(t/D)を図1に示したグラフにプロットすることによって得た。当該グラフから明らかであるように、本実施例に係る筒状体は何れも、所定の目標長さ(46mm)を有する小径直管部と所定の目標テーパ角(32°)を有するテーパ部とからなる載頭円錐部を端部に有するにもかかわらず、従来から量産されている筒状体によっては達成し得ない縮径率及びt/Dを同時に達成している。
従って、実施例筒状体によれば、生産性を低下させること無く、例えば、当該技術分野における軽量化及びコスト削減の要請に応えることができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施形態及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施形態及び実施例に限定されると解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。
10…筒状体、11…未加工部、12…テーパ部、13…小径直管部、Pc…管央、Pt…テーパ開始点、Pe…管端、D…未加工部の外径、d…小径直管部の外径、t…未加工部の板厚、及びL…小径直管部の長さ。

Claims (9)

  1. 筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部の前記管端の側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体を成形するスピニング加工方法であって、
    所定の加工サイクルである第1サイクルを少なくとも1回実行することにより、所定の目標長さよりも短い第1長さを有する小径直管部と所定の目標テーパ角よりも小さい第1テーパ角を有するテーパ部とからなる第1載頭円錐部を成形する第1工程と、
    所定の加工サイクルである第2サイクルを少なくとも1回実行することにより、前記第1載頭円錐部に追加工を施して、前記第1長さよりも長い第2長さを有する小径直管部と前記第1テーパ角よりも大きい第2テーパ角を有するテーパ部とからなる第2載頭円錐部を成形する第2工程と、
    を含み、
    前記第1サイクルにおいては、成形工具によって筒状のワークを押圧しつつ前記テーパ部又は前記小径直管部の軸周りに前記成形工具を相対的に公転させながら前記テーパ部又は前記小径直管部の径方向及び/又は軸方向に前記成形工具を移動させ、
    前記第2サイクルにおいては、前記成形工具によって前記小径直管部を押圧しつつ前記小径直管部の軸周りに前記成形工具を相対的に公転させながら前記小径直管部の軸方向において前記管端の側から前記ワークの軸方向における中央である管央の側に向かって前記成形工具を移動させることにより前記小径直管部の長さを増大させる延伸処理を実行した後に、前記成形工具によって前記テーパ部を押圧しつつ前記テーパ部の軸周りに前記成形工具を相対的に公転させながら前記テーパ部の径方向及び軸方向に前記成形工具を移動させることにより前記テーパ部のテーパ角を増大させる絞り処理を実行する、
    スピニング加工方法。
  2. 請求項1に記載のスピニング加工方法であって、
    前記第1サイクルにおいて、前記成形工具によって前記ワークを押圧しつつ、前記テーパ部の前記管端とは反対側の端部に位置するテーパ開始点から前記管端に向かって前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  3. 請求項1に記載のスピニング加工方法であって、
    前記第1サイクルにおいて、前記成形工具によって前記ワークを押圧しつつ、前記テーパ部の前記管端とは反対側の端部に位置するテーパ開始点と前記管端との間の領域において前記成形工具を往復運動させる、
    スピニング加工方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスピニング加工方法であって、
    前記第2工程において、前記第2サイクルを2回以上実行し、
    それぞれの前記延伸処理において前記成形工具によって押圧される前記小径直管部の領域が互いに重ならないように前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  5. 請求項4に記載のスピニング加工方法であって、
    前記延伸処理において、前記成形工具によって前記小径直管部を押圧しつつ、前記小径直管部の前記管端とは反対側の端部から前記管央の側に向かって前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  6. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のスピニング加工方法であって、
    前記第2工程において、前記第2サイクルを2回以上実行し、
    前回の前記延伸処理において前記成形工具によって押圧された前記小径直管部の領域の少なくとも一部と、今回の前記延伸処理において前記成形工具によって押圧される前記小径直管部の領域の少なくとも一部と、が重なるように前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  7. 請求項6に記載のスピニング加工方法であって、
    前記延伸処理において、前記成形工具によって前記小径直管部を押圧しつつ前記管端から前記管央の側に向かって前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  8. 請求項7に記載のスピニング加工方法であって、
    前記延伸処理において、前記成形工具によって前記小径直管部を押圧しつつ前記成形工具を前記管端へと移動した後に、前記成形工具によって前記小径直管部を押圧しつつ前記管端から前記管央の側に向かって前記成形工具を移動させる、
    スピニング加工方法。
  9. 筒状部材の端部である管端に向かって縮径するテーパ部と、前記テーパ部の前記管端の側の端部に連続する小径直管部とからなる載頭円錐部を有する筒状体であって、
    前記載頭円錐部以外の部分である未加工部の外径に対する管壁の厚さの比(t/D)は0.008よりも小さく、
    前記未加工部の外径と前記小径直管部の外径との差の前記未加工部の外径に対する比である縮径率は60%よりも大きく、
    前記テーパ部の軸を含む平面による前記テーパ部の断面において前記テーパ部の軸と前記テーパ部の母線とがなす角であるテーパ角が20°以上であり且つ45°以下であり、
    前記小径直管部の軸方向における長さは40mm以上である、
    筒状体。
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