JP2002045935A - 金属管の段差部とその成形方法 - Google Patents
金属管の段差部とその成形方法Info
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Abstract
状精度で実現できる縮管加工方法を提供する。 【解決手段】 金属管1にテーパ部A,B,Cとそれに
連続する縮径部a,b,cとを、複数回の絞り工程にて
形成する金属管の段差部の成形方法であって、各絞り工
程で形成される各テーパ部の管軸方向への実長Lを略一
定に設定するとともに、各絞り工程で形成されるテーパ
部A,B,Cのテーパ角θ4 ,θ5 ,θ6 を漸増してい
く。
Description
の成形方法に関する。
ては、安全性の要求から、衝突時に軸方向へ過大荷重が
作用した場合に座屈するか折れ曲がるように、図5に示
すように、プロペラシャフト101に予め段差部102
を設けておく場合がある。このような段差部102を設
けたものとして、例えば特開平7―4423号公報に記
載のものがある。このような段差部102は、中空の金
属管からなる原管103の端部を縮径し、該縮径部10
4と原管103部との間にテーパ部105を設けて、該
テーパ部105により形成されている。
製の中空管においても、その金属管の端部に前記のよう
なテーパ部と該テーパ部の先に原管部より小径の直管部
(縮管部)を形成する場合がある。
ーパ部とその先に直管状の縮径部を塑性加工する方法と
して、一般に金型による口絞り工法が用いられている。
部が加工管201の直径と略同等径で内側が縮径するテ
ーパ面(円錐面)202からなる加工孔203を有する
ダイス204を使用し、加工孔203内へ加工管201
が押し込まれるようにダイス204と加工管201を軸
方向へ相対移動させて、加工管201の端部を絞って縮
径する冷間塑性加工方法である。
法によると、縮管率(絞り率)が20〜28%まで可能
とされているが、実際にその縮管率を実現するには、複
数回に分けて少しずつ縮径工程を繰り返さなければなら
ず、場合によってはその複数の縮径工程の間において熱
処理を施して材料の加工硬化を緩和させなければならな
い。
30度ほどが形成できる限度であり、これ以上の急な角
度を望むと座屈等の変形を招き、その成形が困難にな
る。
材、直径75mm、板厚1.6mm)の端部にテーパ角
30度のテーパ部と、そのテーパ部の先に原管に対する
縮管率が25%の直管状の縮径部を形成したい場合に
は、先ず第1工程として図6に示すようなテーパ面20
2の角度θ1 が約15度に形成されているとともに縮管
率が約13%に設定された第1のダイス204を使用し
て縮管を行い、次で第2工程としてテーパ面202の角
度が約30度に形成されているとともに、前記第1工程
で形成された縮径部に対して約12%の縮管率に設定さ
れた第2のダイスを使用して縮管を行い、所期の形状の
管を得るようにしている。
パ角の設定は、各工程における管での成形荷重が素材の
座屈荷重より小さくなるようにして座屈を防ぐためであ
り、この工法を踏襲する限り、実際の成形においては、
この程度の縮管率(25%)とテーパ角(30度)の両
立が限界であるという問題があった。
えば60度のテーパ角を望めば、縮管率をせいぜい5〜
6%に設定するのが限界であった。
荷重によって、テーパ部に隣接する原管部が部分的に外
側へ膨出されてしまい、製品の機能を阻害する問題もあ
った。
される段差部において、工程の中間に熱処理を行わず
に、縮管率が30%程度で、かつテーパ角が30度以上
の縮径が容易に実現できる金属管の段差部とその成形方
法が待たれていた。
決するために、請求項1記載の第1の発明は、複数の絞
り工程にて形成されたテーパ部とそれに連続する縮径部
とを有し、これらを各絞り工程で形成される各テーパ部
の管軸方向への実長を略一定に設定するとともに、各絞
り工程で形成されるテーパ部のテーパ角を漸増して形成
したことを特徴とする金属管の段差部である。
ーパ部とそれに連続する縮径部とを、複数回の絞り工程
にて形成する金属管の段差部の成形方法であって、各絞
り工程で形成される各テーパ部の管軸方向への実長を略
一定に設定するとともに、各絞り工程で形成されるテー
パ部のテーパ角を漸増していくことを特徴とする金属管
の段差部の成形方法である。
絞り工程においてテーパ部の管軸方向への実長を略等し
くして順次絞り加工するため、すなわちテーパ部の実長
を略変化させることなく絞り加工するため、テーパ部
と、テーパ部の原管部及び縮径部との境界部の座屈が防
止される。したがって、各絞り工程におけるテーパ部の
テーパ角とその実長を規定するだけで、容易に高テーパ
角と高縮径率を高形状精度で実現できる。
発明において、マンドレルを内装するダイスの加工孔内
へ金属管の端部を挿入し、これらを相対的に押し込むこ
とで前記各絞り工程を行う金属管の段差部の成形方法で
ある。
り加工方法を用いて、そのダイスの加工孔の形状を変更
するのみで前記第2の発明の絞り加工を実現できる。
発明において、金属管の端部あるいは端部以外の部分に
おいて、スピニング加工により前記の各絞り工程を行う
金属管の段差部の成形方法である。
り、金属管の端部あるいは端部以外の金属管の途中にお
いて、テーパ部と縮径部を形成する場合に、そのテーパ
部と縮径部をスピニング加工で前記の各絞り工程を行う
ことにより、金属管の端部のみならず途中の縮径加工に
おいても、容易に高テーパ角と高縮径率を高形状精度で
実現できる。
いて本発明の実施の形態について説明する。
成された金属管の1例を示す側断面図で、該金属管1は
中空管で、原管部2の両端部に絞り加工されたテーパ部
3a,3bを有し、更に該テーパ部3a,3bの軸方向
における外側に絞り加工された縮径部4a,4bを有す
る。この絞り加工された部分が段差部30である。
金属管は、その原管2の直径が75mmで、その縮径部
4a,4bの原管部2に対する縮管率が約20%で、テ
ーパ部3a,3bの管軸に対するテーパ角度θ3 が60
度のものである。
約20%で、テーパ角度が60度の完成形状を例として
本発明の金属管の段差部とその成形方法を図2及び図3
により説明する。なお、図2及び図3は、前記図1に示
す金属管1の左側のテーパ部3aと縮径部4aの成形工
程を示す。
すように、ダイス軸芯Xに対するテーパ角θ4 が30度
で、かつダイス軸芯Xを含む平面上での軸芯方向への所
定の長さLを有するテーパ加工面11と、該テーパ加工
面11の奥部に形成した縮管率約12%程度の縮径加工
面12とからなる加工孔13aを有する第1のダイス1
3を使用して、直径が75mmの金属管(原管)1の端
部を前記第1のダイス13の加工孔13a内に押し込ん
で金属管1の端部を絞り加工する。この押し込みは、図
2(a)において、金属管1を固定しておいて第1のダ
イス13をプレス機などの適宜駆動手段で図の右側へ移
動してもよく、また、逆に第1のダイス13を固定して
おいて金属管1をプレス機などの適宜駆動手段により図
の左側へ移動してもよく、更に、金属管1と第1のダイ
ス13の前記の動きを、双方同時に行ってもよい。要は
第1のダイス13と金属管1が相対的に押し込み方向へ
移動して絞り加工を行うようにすればよい。
は図3の右側に示すように、金属管1の管軸Xを含む平
面上での断面において、原管部2の点αから、管軸Xに
対して30度のテーパ角θ4 で漸次縮径する実長Lを有
するテーパ部Aと、該テーパ部Aの先部の点β1 から縮
管率約12%程度の直管状の縮径部aが一連に絞り形成
され、図2(b)の右側に示すような金属管1aに形成
される。
縮管率が約12%程度であるため、従来通り無理のない
絞り加工が行える。
に示すようにマンドレル40aが定位置に内装されてお
り、前記の絞り加工が正確に行えるようになっている。
このマンドレル40aは定位置に固定してもよく、ま
た、周知の可動式マンドレル(ダブルアクション式)を
適宜用いてもよい。
で絞り加工された金属管1aの端部を更に絞り加工す
る。
(b)に示すように、ダイス軸芯Xに対するテーパ角θ
5 を45度に設定し、かつダイス軸芯Xを含む平面上で
の軸芯方向の長さLを前記第1のダイス13のテーパ加
工面11の長さLと略等しい長さに設定したテーパ加工
面14と、該テーパ加工面14の奥部に形成された縮管
率(原管径に対する縮管率)約16%の縮径加工面15
とからなる加工孔16aを有する第2のダイス16を使
用する。
ンドレル40bが定位置に設けられ、絞り加工が正確に
行われるようになっている。このマンドレル40bは前
記のように固定式でも可動式でもよい。
ドレル40bと前記第1の工程で絞り加工された金属管
1aとを、前記第1の工程と同様に相対的に押し込み、
第2の工程を行う。
におけるテーパ部Aは、図2(c)の右側及び図3の右
側に示すように、金属管1bの管軸Xを含む平面上での
断面において、前記第1の工程で加工されたテーパ部A
における原管部2との境界点αから、管軸Xに対して4
5度のテーパ角θ5 で漸次縮径し、かつ前記テーパ部A
の管軸方向の実長(境界点γからβ1 までの最端距離)
Lと略等しい長さLを有するテーパ部Bに絞り加工さ
れ、また、前記縮径部aは、テーパ部Bの先部の点β2
から縮管率(原管径に対する縮管率)約16%の縮径部
bに絞り加工される。
Aと縮径部aとの境界点β1 が、図3の右側で示すよう
に、テーパ部Aと原管2との境界点αを中心とする円γ
上に乗りながらβ2 まで絞り加工され、テーパ部Aの実
長Lが略変化することなく縮径される。このように、縮
管に伴うテーパ部長さの変化がないことにより、テーパ
部B及びその境界部α、β2 における座屈の発生が防止
される。
程をそのテーパ部の全周面でみると、テーパ部の面積が
変化するため、テーパ部自体の肉流れ(塑性流動)が生
じる。しかし、軸押し荷重の影響を受けて最も座屈する
原因となるテーパ部の実長Lの変化をなくしたことによ
り、座屈を阻止することができる。
に示すような金属管1bが形成される。
で絞り加工された金属管1bの端部を更に絞り加工す
る。
(c)に示すように、ダイス軸芯Xに対するテーパ角θ
6 が60度で、かつダイス軸芯を含む平面上での軸芯方
向への長さLが前記第1及び第2のダイス13,16の
テーパ加工面11,14の長さLと略等しい長さLを有
するテーパ加工面17と、該テーパ加工面17の奥部に
形成された縮管率(原管径に対する縮管率)が約20%
程度の縮径加工面18とからなる加工孔19aを有する
第3のダイス19を使用する。
ンドレル40cが定位置に設けられ、絞り加工が正確に
行われるようになっている。このマンドレル40cは前
記のように固定式でも可動式でもよい。
ドレル40cと前記第2の工程で絞り加工された金属管
1bとを、前記第1の工程と同様に相対的に押し込み、
第3の工程を行う。
おけるテーパ部Bは、図2(d)及び図3の右側に示す
ように、金属管1cの管軸Xを含む平面上での断面にお
いて、前記第2の工程で加工されたテーパ部Bにおける
原管2との境界点αから、管軸Xに対して60度のテー
パ角θ6 で漸次縮径し、かつ前記テーパ部Bの管軸方向
の実長(境界点γからβ2 までの最端距離)Lと略等し
い長さLを有するテーパ部Cに絞り加工され、また、前
記縮径部bは、テーパ部Cの先部の点β3 から縮管率
(原管径に対する縮管率)約20%の縮径部cに絞り加
工される。
Bと縮径部bとの境界点β2 が、図3の右側で示すよう
に、テーパ部Bと原管2との境界点αを中心とする円γ
上に乗りながらβ3 まで絞られ、テーパ部Bの実長Lが
略変化することなく縮径される。このように縮管に伴う
テーパ部長さの変化がないことにより、前記第2の工程
と同様にテーパ部C及びその境界部α、β3 における座
屈の発生が防止される。
ような段差部30を有する金属管1cが形成される。
ことにより、従来加工法では不可能であった約20%の
縮管率でかつ、約60度のテーパ角を有する金属管を、
熱処理をすることなく容易に得ることができる。
されるため、該テーパ部に隣接する原管部と縮径部も正
確に成形される。更に、マンドレルを内装したダイスで
絞り成形するので、より正確な成形が行える。
属管における前記α部とβ部にそれぞれ図1に示すよう
なアールがつくが、特にβ部はダイスの加工孔のβ部の
アールがそのまま転写される。この転写性も、前記のよ
うな工法によってテーパ部の実長が変化しないため、正
確に行われる。
ーパ角および縮管率は前記の値に限るものではなく、第
3工程でのテーパ角および縮径率が得やすい値に夫々所
望に設定するものである。
1cを、更にテーパ加工面のテーパ角が大きく、かつ縮
径加工面の直径が小さいダイスとマンドレルで順次絞り
加工し、すなわち4工程以上で絞り加工することによ
り、75度あるいは究極的には90度のテーパ角で、か
つ縮径部の縮管率も大きい金属管を得ることができる。
レルと金属管の相対移動技術によっては、前記の工程を
2工程に減らすことも可能であるし、テーパ角が60度
であっても4工程以上必要な場合もあるが、それは適宜
最適条件を選択すればよい。
を使用して金属管の端部に段差部30を成形する例を示
したが、ダイスとマンドレルを使用することなくスピニ
ング加工で金属管の端部を前記の工程によって縮管加工
して段差部30を成形してもよい。
Cを、そのα点を中心として軸方向の実長Lを略等しく
保ちつつスピニングローラで絞り、かつ縮径部a,b,
cもスピニングローラで同時に縮径してもよい。
っても前記と同様の作用、効果が得られる。
方向に等間隔に複数個配置されたスピニングローラが、
加工部位の周囲を、加工部位の軸芯を中心として公転圧
接する方式にするとよい。
径部を形成する例であるが、図4に示すように、スピニ
ングローラ20によって金属管1の中間部(一般部)に
テーパ部3a,3bと縮径部4aを形成する場合に、こ
れを前記本発明による複数の絞り工程を用いて形成して
もよい。
は、前記のような自動車用プロペラシャフトに適用でき
るは勿論、その他の自動車用マフラー、触媒コンバー
タ、容器など、あらゆる中空状の金属管にも適用できる
ものである。
ば、各絞り工程におけるテーパ部のテーパ角とその実長
を規定するだけで、容易に高テーパ角と高縮径率で、高
形状精度の段差部が得られる。
スによる絞り加工の型設定を変更するだけで、前記の効
果を実現できる。
部のみならず途中においても前記と同様の効果を実現で
きる。
面図。
断面図。
金属管の側断面図。
示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の絞り工程にて形成されたテーパ部
とそれに連続する縮径部を有し、これらを各絞り工程で
形成される各テーパ部の管軸方向への実長を略一定に設
定するとともに、各絞り工程で形成されるテーパ部のテ
ーパ角を漸増して形成したことを特徴とする金属管の段
差部。 - 【請求項2】 金属管にテーパ部とそれに連続する縮径
部とを、複数回の絞り工程にて形成する金属管の段差部
の成形方法であって、各絞り工程で形成される各テーパ
部の管軸方向への実長を略一定に設定するとともに、各
絞り工程で形成されるテーパ部のテーパ角を漸増してい
くことを特徴とする金属管の段差部の成形方法。 - 【請求項3】 マンドレルを内装するダイスの加工孔内
へ金属管の端部を挿入し、これらを相対的に押し込むこ
とで前記各絞り工程を行う請求項2記載の金属管の段差
部の成形方法。 - 【請求項4】 金属管の端部あるいは端部以外の部分に
おいて、スピニング加工により前記の各絞り工程を行う
請求項2記載の金属管の段差部の成形方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000234153A JP4592162B2 (ja) | 2000-08-02 | 2000-08-02 | 金属管の段差部の成形方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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