JP2018143615A - 粒状物印刷装置および粒状物印刷方法 - Google Patents

粒状物印刷装置および粒状物印刷方法 Download PDF

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信行 中野
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直樹 内田
博司 岩佐
Hiroshi Iwasa
博司 岩佐
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Yoshihisa Fujimori
義久 藤森
尚彦 野田
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尚彦 野田
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Takahiro Hayami
貴大 速水
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Abstract

【課題】摩耗を抑えて粒状物に印刷する粒状物印刷装置および粒状物印刷方法を提供することを目的とする。【解決手段】印刷装置1は、錠剤9に対して印刷を行う。この印刷装置は、ポケット331を有するPTPシート330を搬送するPTPシート搬送部と、錠剤9を吸着保持しつつ搬送し、吸着保持した錠剤9を、PTPシート330のポケット331へ収容する搬送コンベアと、ポケット331に収容された錠剤9に対して非接触で印刷するインクジェット式の下流側印刷部42と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、錠剤または錠菓等、成形された粒状物に印刷を行う粒状物印刷装置および粒状物印刷方法に関する。
成形された粒状物、特に、医薬品の錠剤は、表面に文字またはコードなどの必要な情報が印刷され、PTP(Press Through Pack)包装された状態で提供されることが多い。例えば、特許文献1には、錠剤の印刷面に印刷を施した後、ブリスタシートの透明なポケットに収容する錠剤印刷包装機が開示されている。
特許文献1に記載の錠剤印刷包装機は、錠剤の被印刷面に対して、転写ロールを押し当てて印刷を施す。そして、錠剤の被印刷面がポケットの表側(透明な方向)を向くように向きを揃えて、錠剤をポケットに収容する。これにより、ブリスタシートの透明な側から、錠剤の被印刷面が視認できるようになる。また、この錠剤印刷包装機は、錠剤の搬送途中で、被印刷面、および非印刷面それぞれの検査を行い、不良品と判定した錠剤を、不良品排出シュートに排出する。
特開平3−148430号公報
特許文献1に記載の錠剤印刷包装機は、転写ロールを錠剤に接触させて印刷を行う。このため、表面がコーティングされていない素錠、または、OD(Oral Disintegration)錠など、錠剤の種類によっては、転写ロールの接触時に被印刷面が摩耗して、不良品となるおそれがある。また、印刷後、印刷状態の検査を行うが、検査結果が良好であっても、検査後の搬送時の振動により、転写ロールの接触で脆くなった被印刷面がはがれて、錠剤が不良品となるおそれがある。特に、印刷後の錠剤をPTP包装する場合、印刷工程からPTP包装工程へと、搬送機構(フィーダまたはホッパー等)により搬送するとき、搬送時に受ける圧力または衝撃により、表面の印刷が他に転写し、または、印刷がはがれることがある。このような場合、ポケットとは反対側の面は、ポケットを封止するアルミシートで隠れるため、アルミシートで封止した後では、この面が不良品となっているか否かの判断が難しい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、摩耗を抑えて粒状物に印刷する粒状物印刷装置および粒状物印刷方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、成形された粒状物に印刷を行う粒状物印刷装置であって、凹部を有する包装用シートを搬送するシート搬送部と、粒状物を前記凹部へ収容する収容部と、前記凹部に収容された粒状物に対して印刷するインクジェット式の第1印刷部と、を備える。
本願の第2発明は、第1発明の粒状物印刷装置であって、前記包装用シートはPTPシートである。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の粒状物印刷装置であって、前記第1印刷部よりも搬送方向の上流側において、前記凹部内における粒状物の位置を検出する検査カメラをさらに備え、前記第1印刷部は、前記検査カメラの検査結果に基づいて、インクの吐出位置を調整する。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明のいずれかの粒状物印刷装置であって、前記粒状物は、表裏関係にある第1被印刷面と、第2被印刷面とを有し、前記第1被印刷面側を保持して、前記粒状物を搬送する粒状物搬送部と、前記粒状物搬送部により搬送される粒状物の前記第2被印刷面に対し印刷する、インクジェット式の第2印刷部と、を備え、前記収容部は、前記第2印刷部による印刷後、前記第2被印刷面を前記凹部側に向けて、前記粒状物を前記凹部へ収容し、前記第1印刷部は、前記第1被印刷面に対し印刷する。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明のいずれかの粒状物印刷装置であって、前記粒状物は錠剤である。
本願の第6発明は、第1発明から第3発明のいずれかの粒状物印刷装置であって、前記粒状物はカプセル剤である。
本願の第7発明は、成形された粒状物に印刷を行う粒状物印刷方法であって、a)凹部を有する包装用シートを搬送する工程と、b)粒状物を前記凹部へ収容する工程と、c)前記凹部に収容された粒状物に対して、インクジェット式で印刷する工程と、を備える。
本願の第1発明〜第7発明によれば、粒状物に対して、非接触で印刷するため、印刷時に、粒状物の表面が摩耗して、粒状物が不良品となるおそれを抑制できる。また、非接触で印刷するため、粒状物を、包装用シートの凹部に収容した状態であっても、粒状物に対して印刷できる。例えば転写ローラを、粒状物の表面に接触させて印刷した後、包装用シートの凹部に収容させた場合、接触印刷により表面が脆くなった状態で、凹部に収容されることがある。この場合、収容時の衝撃により、粒状物の表面がはがれ、凹部内で、粒状物が不良品となるおそれがある。そこで、粒状物を包装用シートの凹部に収容してから、粒状物に対して印刷することで、粒状物が不良品となるおそれを抑制できる。
特に、第3発明によれば、粒状物の第1被印刷面および第2被印刷面それぞれに対し、非接触で印刷するため、印刷時に、粒状物の表面の摩耗を抑えて、粒状物が不良品となるおそれを回避できる。
特に、第4発明によれば、凹部内の粒状物の位置は定まらないが、検出した粒状物の位置に応じて、吐出位置を調整することで、粒状物に対して、確実に印刷することができる。
印刷装置の構成を示した図である。 傾斜フィーダの一部、搬送ドラムおよび搬送コンベアの一部を含む斜視図である。 搬送コンベア一部、およびPTPシート搬送部により搬送されるPTPシート一部を含む斜視図である。 複数の錠剤を包装した状態のPTPシートを示す斜視図である。 上流側印刷部を説明するための図である。 下流側印刷部を説明するための図である。 制御部と、印刷装置内の各部との接続を示したブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、複数の粒状物が搬送される方向を「搬送方向」と称し、搬送方向に対して垂直かつ水平な方向を「幅方向」と称する。また、以下の実施形態において、本発明の「粒状物」は、医薬品である錠剤であるとし、「粒状物印刷装置」は、錠剤を印刷する印刷装置として説明する。
<1.印刷装置の構成>
図1は、印刷装置1の構成を示した図である。
印刷装置1は、医薬品である複数の錠剤9を搬送しながら、各錠剤9の表面に、製品名、製品コード、会社名、ロゴマーク等の文字または画像を印刷する装置である。本実施形態では、錠剤9は、円盤形またはレンズ形であって、表裏関係にある第1表面(第1被印刷面)と、第2表面(第2被印刷面)とを有する。そして、錠剤9は、第1表面および第2表面それぞれに、文字または画像が印刷される。錠剤9は、素錠(裸錠)であってもよいし、フィルムコーティング錠(FC錠)等のコーティング錠であってもよい。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置1は、供給機構20、搬送機構30、印刷機構40、検査機構50および制御部10を有する。
供給機構20は、ホッパー21、直進フィーダ22、回転フィーダ23および傾斜フィーダ24を有する。供給機構20は、ホッパー21から装置内に投入された錠剤9を、搬送機構30へ受け渡すための機構である。
直進フィーダ22、回転フィーダ23および傾斜フィーダ24は、ホッパー21へ投入された複数の錠剤9を、搬送機構30まで搬送する機構である。直進フィーダ22は、平板状の振動トラフ221を有する。ホッパー21から振動トラフ221に供給された複数の錠剤9は、振動トラフ221の振動によって、回転フィーダ23側へ搬送される。
回転フィーダ23は、円板状の回転台231を有する。振動トラフ221から回転台231の上面に落下した複数の錠剤9は、回転台231の回転による遠心力で、回転台231の外周部付近へ集まる。
傾斜フィーダ24は、回転台231の外周部から搬送機構30の後述する搬送ドラム31まで、斜め下向きに延びる板状のスロープ241を有する。図2は、傾斜フィーダ24の一部、搬送ドラム31および搬送コンベア32の一部を含む斜視図である。図2に示すように、スロープ241の上面には、複数(図2の例では8本)の搬送溝242が設けられている。回転台231の外周部へ搬送された複数の錠剤9は、それぞれ、複数の搬送溝242のいずれか1つに供給され、搬送溝242に沿って斜め下向きに流れ落ちる。このように、複数の錠剤9は、複数の搬送溝242に分散供給されることによって、複数の搬送列に整列される。そして、各搬送列の複数の錠剤9は、先頭から順に搬送ドラム31へ供給される。
搬送機構30は、搬送ドラム31、搬送コンベア32およびPTPシート搬送部33を有する。
搬送ドラム31は、傾斜フィーダ24から搬送コンベア32へ、複数の錠剤9を受け渡す機構である。搬送ドラム31は、略円筒形状の外周面を有する。搬送ドラム31は、図示を省略したモータから得られる動力により、幅方向に延びる回転軸を中心として、図1および図2中の矢印の方向へ回転する。図2に示すように、搬送ドラム31の外周面には、搬送方向および幅方向に略等間隔に配置された複数の吸着部310が設けられている。複数の吸着部310は、傾斜フィーダ24の搬送溝242の各々に対応する幅方向位置において、搬送ドラム31の外周面に配列されている。
吸着部310はそれぞれ、搬送ドラム31の表面に設けられた貫通孔である。搬送ドラム31の内部には、吸引機構(図示せず)が設けられている。吸引機構を動作させると、複数の吸着部310のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧が生じる。吸着部310は、当該負圧によって、傾斜フィーダ24から供給される錠剤9を、1つずつ吸着保持する。
そして、搬送ドラム31上において搬送コンベア32に対向する位置まで移動した吸着部310には、大気圧よりも高い陽圧を作用させて、錠剤9の吸着を解除する。搬送ドラム31は、このように、傾斜フィーダ24から供給される複数の錠剤9を吸着保持しつつ回転し、それらの錠剤9を、搬送コンベア32へ受け渡す。搬送ドラム31から第1搬送コンベア32に錠剤9が受け渡される際、搬送ドラム31が吸着保持する錠剤9の面と、搬送コンベア32が吸着保持する錠剤9の面とは異なる。このため、搬送ドラム31に保持されている間と、搬送コンベア32に保持されている間とで、錠剤9の表裏が反転する。
以下では、搬送コンベア32が吸着保持する錠剤9の面を、前記した「第1表面」とする。また、搬送ドラム31が吸着保持する錠剤9の面を、前記した「第2表面」とする。
搬送コンベア32は、搬送ドラム31から受け取った錠剤9を搬送する粒状物搬送部である。搬送コンベア32は、一対のプーリ321と、搬送ベルト322と、吸引機構(図示せず)とを有する。搬送ベルト322は、一対のプーリ321の間に、環状に掛け渡されている。搬送ベルト322の一部分が、搬送ドラム31の外周面に近接して対向するように配置される。一対のプーリ321の一方は、図示を省略したモータから得られる動力で回転する。これにより、搬送ベルト322が、図1および図2の矢印の方向へ回動する。このとき、一対のプーリ321の他方は、搬送ベルト322の回動に伴い従動回転する。
また、図2に示すように、搬送ベルト322には、複数の吸着部320が設けられている。複数の吸着部320は、搬送ドラム31の吸着部310と同様、搬送ベルト322の表面に設けられた貫通孔である。複数の吸着部320は、複数の搬送列の各々に対応する幅方向位置において、搬送方向に配列されている。搬送ベルト322における複数の吸着部320の搬送方向および幅方向の間隔は、搬送ドラム31における複数の吸着部320の搬送方向および幅方向の間隔と等しい。
搬送コンベア32は、搬送ドラム31と同様、吸引機構(図示せず)を有する。吸引機構は、プーリ321および搬送ベルト322の内側の空間に負圧を生じさせる。吸引機構を動作させると、複数の吸着部320のそれぞれに、大気圧よりも低い負圧が生じる。吸着部320は、当該負圧によって、搬送ドラム31から引き渡された錠剤9を、1つずつ第1表面側で吸着保持する。これにより、搬送コンベア32は、複数の吸着部320に負圧を作用させて、複数の錠剤9を、搬送方向および幅方向に整列された状態で吸着保持しつつ、搬送する。
PTPシート搬送部33は、搬送コンベア32の下方に配置されている。PTPシート搬送部33は、不図示の搬送ローラにより、PTPシート330を搬送する。PTPシート330は、錠剤9を包装する包装用シートであって、例えば、PP(ポリプロピレン)またはPVC(ポリ塩化ビニル)等の透明又は半透明の熱可塑性樹脂材料からなる。
図3は、搬送コンベア32の一部、およびPTPシート搬送部33により搬送されるPTPシート330の一部を含む斜視図である。
印刷装置1には、外部からPTPシート330が引き入れられる。PTPシート搬送部33は、PTPシート330を下流方向へ送り出す。PTPシート330は、図3に示すように、搬送ベルト322の幅方向の長さと略同じ幅方向の長さを有する。
PTPシート330は、幅方向および搬送方向に沿って配列された複数のポケット331を有する。複数のポケット331は、例えば、印刷装置1内へと搬送される途中で、不図示の装置により形成される。ポケット331は、錠剤9を収容する、透明又は半透明の凹部である。この複数のポケット331の搬送方向および幅方向の間隔は、搬送コンベア32における複数の吸着部320の搬送方向および幅方向の間隔と等しい。
搬送コンベア32は、幅方向に配列された複数の吸着部320が、PTPシート330の幅方向に配列された複数のポケット331に対向する位置まで移動すると、当該吸着部320に大気圧よりも高い陽圧を作用させる。これにより、吸着部320に吸着保持された錠剤9の吸着が解除される。そして、錠剤9は、保持されていた吸着部320に対向するポケット331へ落下する。このとき、錠剤9の表裏は反転する。
詳しくは、搬送コンベア32は、吸着部320で、錠剤9の第1表面を保持する。吸着部320による吸着が解除されると、錠剤9は、第2表面が下側を向いて、PTPシート330のポケット331へ落下する。その結果、錠剤9は、第1表面が上側を向いて、ポケット331に収容される。
このように、搬送ベルト322は、吸着保持する錠剤9を、PTPシート330のポケット331へ収容する収容部の役割を果たす。
PTPシート搬送部33は、錠剤9がポケット331に収容されたPTPシート330を、印刷装置1の外部へ搬送する。この搬送されたPTPシート330には、例えば、アルミニウム箔が熱吸着されて、ポケット331が封止される。そして、PTPシート330を切断して、1つのシートに複数個の錠剤9がPTP包装された状態となる。
図4は、複数の錠剤9をPTP包装した状態のPTPシート330を示す斜視図である。前記のように、搬送機構30により搬送された錠剤9は、その第2表面9Aが、透明のポケット331側(図中上側)を向き、第1表面9Bが、ポケット331を封止するアルミニウム箔側(図中下側)を向いて、ポケット331に収容される。
印刷機構40は、上流側印刷部41と、下流側印刷部42とを有する。
上流側印刷部41は、一対のプーリ321にかけ渡された搬送ベルト322の上部に配置される。上流側印刷部41は、吸着部320に吸着保持される錠剤9の第2表面9A(図4参照)に、画像を印刷するための第2印刷部である。
図5は、上流側印刷部41を説明するための図である。
上流側印刷部41は、4つのヘッド411と、2つのイオナイザ412とを有する。図5では、搬送ベルト322と、搬送ベルト322に保持された複数の錠剤9とが、二点鎖線で示されている。
2つのイオナイザ412は、それぞれ、4つのヘッド411の上流側に配置される。イオナイザ412は、放電によりイオンを発生させる。印刷処理中にイオナイザ412を駆動させると、イオナイザ412は、搬送機構30の搬送ベルト322上に保持された錠剤9の周囲を浮遊する浮遊粉に対してイオンを供給する。これにより、イオナイザ412は、当該浮遊粉を除電する。
また、錠剤9の周囲を浮遊する浮遊粉は、静電気を帯びている。ヘッド411の周囲に帯電した浮遊粉が浮遊していると、浮遊粉がヘッド411のノズル411A付近に付着するおそれがある。浮遊粉がノズル411A付近に付着すると、ノズル411A詰まりの原因となったり、ノズル411Aから吐出されるインク滴の軌道に影響を与えたりして、印刷不良を引き起こす虞がある。また、ノズル411Aと錠剤9との間に帯電した浮遊粉が浮遊していると、ノズル411Aから錠剤9へ向かって吐出されたインク滴が静電気により軌道を変更して、印刷不良を引き起こすおそれがある。そこで、ヘッド411の上流側にイオナイザ412を配置し、ヘッド411の手前において浮遊粉を除電することにより、このような印刷不良が生じるのが抑制される。
4つのヘッド411はそれぞれ、搬送機構30により搬送される錠剤9の表面に向けてインク滴を吐出して印刷処理を行うインクジェット式のヘッドである。4つのヘッド411は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色)のインク滴を吐出する。これらの各色により形成される単色画像の重ね合わせによって、錠剤9の表面に、多色画像が記録される。なお、各ヘッド411から吐出されるインクには、食品衛生法で認可された原料により製造された可食性インクが使用される。
図5に示すように、ヘッド411の下面には、インク滴を吐出可能な複数のノズル411Aが設けられている。本実施形態では、複数のノズル411Aは、ヘッド411の下面に、搬送方向および幅方向に二次元的に配列されている。複数のノズル411Aを二次元的に配置することで、各ノズル411Aの幅方向の位置を、互いに接近させることができる。
ノズル411Aからのインク滴の吐出方式には、例えば、圧電素子であるピエゾ素子に電圧を加えて変形させることにより、ノズル411A内のインクを加圧して吐出させる、いわゆるピエゾ方式が用いられる。なお、インク滴の吐出方式は、ヒータに通電してノズル411A内のインクを加熱膨張させることにより吐出する、いわゆるサーマル方式であってもよい。
前記のように、搬送コンベア32からPTPシート330への錠剤9の受け渡しの際、錠剤9の表裏は反転する。つまり、錠剤9は、上流側印刷部41により画像が印刷された第2表面9Aが下向きとなって、PTPシート330のポケット331に収容される。
下流側印刷部42は、PTPシート330のポケット331に収容された錠剤9の第1表面9Bに、画像を印刷するための第1印刷部である。下流側印刷部42は、PTPシート搬送部33に搬送されるPTPシート330の上部であって、搬送コンベア32よりも下流側に配置される。
図6は、下流側印刷部42を説明するための図である。
下流側印刷部42は、4つのヘッド421と、イオナイザ422とを有する。イオナイザ422は、上流側印刷部41のイオナイザ412と同様に、錠剤9の周囲を浮遊する浮遊粉に対してイオンを供給して、当該浮遊粉を除電する。また、イオナイザ422は、ヘッド421の上流側において浮遊粉を除電することにより、印刷不良を抑制する。図1および図6では、1つのイオナイザ422のみ表示しているが、下流側印刷部42は、上流側印刷部41と同様に、幅方向に配置された2つのイオナイザ422を有する。
4つのヘッド421はそれぞれ、上流側印刷部41が有する4つのヘッド411と同じ構成であって、下面には、インク滴を吐出可能な複数のノズルが設けられている。4つのヘッド421はそれぞれ、ポケット331に収容された錠剤9の第1表面9Bに向けてインク滴を吐出して印刷処理を行うインクジェット式のヘッドである。
インクジェット式の上流側印刷部41および下流側印刷部42は、錠剤9の第2表面9Aおよび第1表面9Bそれぞれに対して、非接触で画像を印刷する。つまり、錠剤9の第1表面9Bおよび第2表面9Aそれぞれには、印刷による摩耗は生じない。このため、摩耗によって、錠剤9が不良品となるおそれを回避できる。
また、下流側印刷部42は、インクジェット式であるため、錠剤9をポケット331に収容した後であっても、錠剤9への印刷は可能となる。特に本実施形態では、搬送コンベア32からPTPシート330への受け渡しの際、錠剤9を落下させて、錠剤9をポケット331へ収容している。仮に、錠剤9の表面に、転写ローラを接触させて印刷させた場合、錠剤9の表面は、摩耗で脆くなっている可能性がある。その状態の錠剤9を、ポケット331に向けて落下させると、落下時の衝撃で、錠剤9の表面が不良となるおそれがある。このため、上流側印刷部41により、非接触で錠剤9の第2表面9Aを印刷し、ポケット331への収容後に、錠剤9の第1表面9Bを印刷することで、錠剤9が不良品となるおそれを抑制できる。
さらに、錠剤9を、ポケット331に収容して印刷するため、ポケット331の壁面が、錠剤9に対する風の影響を防ぐ防風の機能を果たし、印刷時の風の影響を抑えることができる。特に、本実施形態では、図6に示すように、ポケット331の深さd1が、錠剤9の厚みd2よりも深い。このため、ポケット331に収容された錠剤9の表面付近に、より風が生じにくい。
なお、上流側印刷部41および下流側印刷部42が印刷する印刷内容は、特に限定されない。しかしながら、図4で説明したように、PTP包装された錠剤9の第1表面9Bは、アルミニウム箔で外部からは視認できない。一方、錠剤9の第2表面9Aは、ポケット331が透明または半透明のため、外部から視認できる。したがって、錠剤9の第2表面9Aには、錠剤9の服用者が把握できる情報、第1表面9Bには、服用者には不要な情報が印刷されるようにしてもよい。
検査機構50は、図1に示すように、第1外観検査カメラ51と、第2外観検査カメラ52と、印刷検査カメラ53と、第3外観検査カメラ54と、を有する。
第1外観検査カメラ51は、搬送ドラム31により搬送される錠剤9の第1表面9Bを撮影するカメラである。第2外観検査カメラ52は、上流側印刷部41の上流側において、搬送コンベア32により搬送される錠剤9の第2表面9Aを撮影するカメラである。第1外観検査カメラ51および第2外観検査カメラ52により、各吸着部320における錠剤9の有無、各錠剤9の形状不良の有無、各錠剤9の向き等を検出する。
印刷検査カメラ53は、上流側印刷部41の下流側において、搬送コンベア32により搬送される錠剤9の第2表面9Aを撮影するカメラである。印刷検査カメラ53により、上流側印刷部41による印刷処理の不良の有無を検出する。
第3外観検査カメラ54は、下流側印刷部42の上流側において、PTPシート330のポケット331に収容された錠剤9の第1表面9Bを撮影するカメラである。第3外観検査カメラ54により、各ポケット331における錠剤9の有無、ポケット331に収容された錠剤9の位置、各錠剤9の形状不良の有無、各錠剤9の向き等を検出する。
下流側印刷部42は、第3外観検査カメラ54が検出する、錠剤9の位置に応じて、錠剤9へのインクの吐出位置を調整する。ポケット331に収容された錠剤9は、固定されていない。このため、搬送時の振動により、錠剤9の位置はずれる。つまり、複数のポケット331それぞれに収容された、複数の錠剤9それぞれの位置は定まっていない。この状態で、下流側印刷部42がすべての錠剤9に対して、同じ位置にインクを吐出すると、印刷位置にばらつきが生じ、また、印刷不良が生じることがある。そこで、第3外観検査カメラ54の検出結果から、インクの吐出位置を調整することで、錠剤9に対して、確実に印刷することができる。
なお、図示しないが、下流側印刷部42の下流側において、錠剤9の第1表面9Bを撮影するカメラを設けてもよい。このカメラにより、下流側印刷部42による印刷処理の不良の有無を検出する。
制御部10は、印刷装置1内の各部を動作制御するための手段である。図7は、制御部10と、印刷装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図1中に概念的に示したように、制御部10は、CPU等の演算処理部11、RAM等のメモリ12、および、ハードディスクドライブ等の記憶部13を有するコンピュータにより構成される。記憶部13内には、印刷処理を実行するためのコンピュータプログラムPおよびデータDが、インストールされている。
図7に示すように、制御部10は、直進フィーダ22、回転フィーダ23、搬送ドラム31(モータ、吸引機構を含む)、搬送コンベア32(モータ、吸引機構を含む)、PTPシート搬送部33、上流側印刷部41および下流側印刷部42のイオナイザ412,422およびヘッド411,421、第1外観検査カメラ51、第2外観検査カメラ52、印刷検査カメラ53および第3外観検査カメラ54と、それぞれ通信可能に接続されている。
制御部10は、記憶部13に記憶されたコンピュータプログラムPおよびデータDをメモリ12に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部11が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、複数の錠剤9に対する印刷処理が進行する。
以上、説明したように、印刷装置1は、インクジェット式の上流側印刷部41と下流側印刷部42とを用いて、錠剤9に非接触で印刷するため、印刷時に、錠剤9の表面が摩耗して、錠剤9が不良品となることを抑制できる。特に本実施形態では、搬送コンベア32からPTPシート330への受け渡しの際、錠剤9を落下させて、錠剤9をポケット331へ収容している。仮に、錠剤9の表面に、転写ローラを接触させて印刷させた場合、錠剤9の表面は、摩耗で脆くなっている可能性がある。その状態の錠剤9を、ポケット331に向けて落下させると、落下時の衝撃で、錠剤9の表面が不良となるおそれがある。このため、上流側印刷部41により、非接触で錠剤9の第2表面9Aを印刷し、ポケット331への収容後に、錠剤9の第1表面9Bを印刷することで、錠剤9が不良品となるおそれを抑制できる。
<2.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、錠剤9は、円盤形またはレンズ形としたが、硬カプセル剤および軟カプセル剤を含むカプセル剤であってもよい。また、本発明の印刷装置の印刷対象は錠剤に限らず、成形された粒状物であればよく、ラムネ等の錠菓であってもよい。
また、上記の実施形態では、錠剤9を包装するものとして、PTPシート330を例に挙げているが、これに限定されない。錠剤9を収容する凹部(ポケット)を有するシートであれば、適宜変更可能である。
また、上記の上流側印刷部41および下流側印刷部42は、4つのヘッドを有しているが、ヘッドの数は限定されない。また、印刷装置1は、上流側印刷部41を有さなくてもよい。つまり、印刷装置1は、錠剤9の第1表面9Bにのみ印刷するものであってもよい。
さらに、PTPシート330にポケット331を形成するタイミングは、特に限定されない。印刷装置1外でポケット331を形成してもよいし、印刷装置1内で形成してもよい。少なくとも、搬送コンベア32から錠剤9が受け渡される前に、ポケット331が形成されていればよい。また、ポケット331の形状は、特に限定されない。
また、印刷装置1の細部の構成については、本願の各図と相違していてもよい。また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 印刷装置(粒状物印刷装置)
9 錠剤(粒状物)
9A 第2表面(第2被印刷面)
9B 第1表面(第1被印刷面)
10 制御部
20 供給機構
30 搬送機構
31 搬送ドラム
32 搬送コンベア(収容部)
33 PTPシート搬送部
40 印刷機構
41 上流側印刷部(第2印刷部)
42 下流側印刷部(第1印刷部)
411,421 ヘッド
412,422 イオナイザ
50 検査機構
330 PTPシート(包装用シート)
331 ポケット(凹部)

Claims (7)

  1. 成形された粒状物に印刷を行う粒状物印刷装置であって、
    凹部を有する包装用シートを搬送するシート搬送部と、
    粒状物を前記凹部へ収容する収容部と、
    前記凹部に収容された粒状物に対して印刷するインクジェット式の第1印刷部と、
    を備える、粒状物印刷装置。
  2. 請求項1に記載の粒状物印刷装置であって、
    前記包装用シートはPTPシートである、
    粒状物印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の粒状物印刷装置であって、
    前記第1印刷部よりも搬送方向の上流側において、前記凹部内における粒状物の位置を検出する検査カメラ
    をさらに備え、
    前記第1印刷部は、前記検査カメラの検査結果に基づいて、インクの吐出位置を調整する、
    粒状物印刷装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の粒状物印刷装置であって、
    前記粒状物は、表裏関係にある第1被印刷面と、第2被印刷面とを有し、
    前記第1被印刷面側を保持して、前記粒状物を搬送する粒状物搬送部と、
    前記粒状物搬送部により搬送される粒状物の前記第2被印刷面に対し印刷する、インクジェット式の第2印刷部と、
    を備え、
    前記収容部は、
    前記第2印刷部による印刷後、前記第2被印刷面を前記凹部側に向けて、前記粒状物を前記凹部へ収容し、
    前記第1印刷部は、
    前記第1被印刷面に対し印刷する、
    粒状物印刷装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の粒状物印刷装置であって、
    前記粒状物は錠剤である、
    粒状物印刷装置。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の粒状物印刷装置であって、
    前記粒状物はカプセル剤である、
    粒状物印刷装置。
  7. 成形された粒状物に印刷を行う粒状物印刷方法であって、
    a)凹部を有する包装用シートを搬送する工程と、
    b)粒状物を前記凹部へ収容する工程と、
    c)前記凹部に収容された粒状物に対して、インクジェット式で印刷する工程と、
    を備える、粒状物印刷方法。
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