JP2018142493A - 導電材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗値変動が改善された導電材料が得られる導電材料の製造方法を提供する。【解決手段】支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成後、該光透過性導電層をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液で処理する。【選択図】なし

Description

本発明は、抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の製造方法に関する。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、支持体上に光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、これら導電材料をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する導電材料を1枚、または1層の光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
従来技術においては、光透過性導電層はITO(インジウム−錫酸化物)等の透明導電性酸化物を含有する導電膜により形成されるのが一般的であった。例えば特開2015−32183号公報(特許文献1)には、光透過性導電層の材料としてITOやIZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電体を使用したタッチパネルセンサー部材が開示されている。
また、近年では光透過性導電層として網目状金属細線パターンを有する導電材料も開示されている。例えば特開2015−133239号公報(特許文献2)には網目状金属細線パターンを、銀微粒子を含有するインクを印刷して形成する方法や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料を印刷した後に無電解めっきを施す方法、金属層上にフォトレジスト層を設け、レジストパターンを形成した後、金属層をエッチング除去するサブトラクティブ法、銀塩感光材料を用いる方法等、様々な方法により形成できることが記載されている。
上記した導電材料において、網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層上に粘着剤層と、該粘着剤層上に機能材料とを有する導電材料積層体も知られており、例えば特開2014−198811号公報(特許文献3)にはタッチパネルセンサー上に粘着剤層と、該粘着剤層上に保護基板を有するタッチパネル用積層体が開示されている。該粘着剤層は一般的に、表示装置やタッチパネルセンサー等の各部材間を密着させるために利用されるものである。
上記した導電材料積層体は様々な場所で用いられ、例えば太陽光が照射される場所でも使用される。ところが、網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層上に粘着剤層を設け導電材料積層体とした場合、太陽光が照射されると該光透過性導電層の抵抗値が変動するという問題があり、改善が求められていた。
一方、太陽光の照射に伴う光透過性導電層の抵抗値変動を改善する方法として、特開2015−58662号公報(特許文献4)には、光透過性導電層の下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がカチオン重合型光硬化性樹脂を含有する導電材料積層体が開示され、特開2015−106500号公報(特許文献5)には光透過性導電層の下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がアシルホスフィン系化合物やトリハロアルキル化合物を用いて重合された樹脂を含有する導電材料積層体が開示される。また特開2016−110726号公報(特許文献6)には光透過性導電層が有する金属細線を銀より貴な金属イオンを含有する処理液で処理し、さらにメルカプト基を有する含窒素複素環式化合物を含有する処理液で処理する導電材料の製造方法が開示され、特開2016−186035号公報(特許文献7)にはメルカプト基を有するオキサゾール化合物やメルカプト基を有するオキサジアゾール化合物を含有する粘着剤層を有する導電材料積層体が開示される。しかしながら、上記のいずれの方法でも太陽光の照射に伴う光透過性導電層の抵抗値変動は改善されるものの、さらなる改善が望まれていた。
他方、特開2007−207987号公報(特許文献8)には、支持体上にポリビニルアルコール等の合成樹脂バインダーを含有する現像銀パターン層を有する透光性電磁波シールド膜が開示され、ポリビニルアルコールにより電磁波シールド膜の導電性およびガラス基材等への接着性が改善されることが記載されている。特開2012−22844号公報(特許文献9)には、基材上の導電性繊維含有層の耐傷性を向上することを目的として、該導電性繊維含有層上にポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含有する可溶性保護層を設けた導電膜形成用積層体が開示される。
特開2015−32183号公報 特開2015−133239号公報 特開2014−198811号公報 特開2015−58662号公報 特開2015−106500号公報 特開2016−110726号公報 特開2016−186035号公報 特開2007−207987号公報 特開2012−22844号公報
本発明の課題は、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成後、該光透過性導電層をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液で処理することを特徴とする導電材料の製造方法。
本発明により、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の製造方法を提供することができる。
実施例で作製した導電材料の概略図
以下、本発明について説明する。本発明の導電材料の製造方法は、支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成後、該光透過性導電層をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液で処理することを特徴とする。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール>
本発明に用いるメルカプト基含有ポリビニルアルコールとは、分子構造中にメルカプト基を1つ以上有するポリビニルアルコールを意味する。メルカプト基はポリビニルアルコールの分子鎖末端に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。分子鎖末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールは、例えば特開昭59−187003号公報に記載されている方法で得ることができ、側鎖にメルカプト基を有するポリビニルアルコールは、例えば国際公開第2013/105188号パンフレットに記載されている方法で得ることができる。
メルカプト基含有ポリビニルアルコールにおけるビニルアルコール単位の含有率、つまりメルカプト基含有ポリビニルアルコールのケン化度は特に限定されないが、全構成単位を100モル%として、60モル%以上であることが溶媒への溶解性に優れることから好ましく、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である。ケン化度の上限は、99.99モル%以下であることが溶媒への溶解性に優れることから好ましく、より好ましくは99.9モル%以下であり、さらに好ましくは99.5モル%以下である。メルカプト基含有ポリビニルアルコールの重合度は特に限定されないが、100〜5000であることが溶媒への溶解性に優れるため好ましく、より好ましくは200〜4000である。
上記したようなメルカプト基含有ポリビニルアルコールとしては市販品を用いることができる。メルカプト基含有ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば(株)クラレよりM−115、M−205等が例示でき、これらを入手し利用することができる。
本発明においてはメルカプト基含有ポリビニルアルコールを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液>
本発明におけるメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液は、上記したメルカプト基含有ポリビニルアルコールを水や有機溶媒等の公知の溶媒に溶解した溶液である。かかる溶媒としては、メルカプト基含有ポリビニルアルコールの溶解性の観点から、水を50質量%以上含有する溶媒が好ましく、より好ましい水の含有量は60質量%以上であり、特に好ましくは70質量%である。水の他に溶媒が含有していてもよい物質としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等)を例示できる。
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液のメルカプト基含有ポリビニルアルコール含有量は特に限定されないが、1.0g/L以上であることが太陽光の照射に伴う導電材料の光透過性導電層の抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましくは3.0g/L以上であり、特に好ましくは7.0g/L以上である。上限はメルカプト基含有ポリビニルアルコールの溶解度に依存するが、200g/L以下とすることが好ましい。
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液は、メルカプト基含有ポリビニルアルコールと溶媒以外に、pH調整剤(塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸塩、炭酸塩等のpH調整作用を有する物質)、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、増粘剤、防腐剤等の公知の添加剤を含有できる。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液による処理>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を用いて後述する導電材料の光透過性導電層を処理する方法は特に限定されず、導電材料が有する光透過性導電層にメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を接触させればよい。具体的には、導電材料をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液に浸漬する方法、バーコート法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の塗布方法で導電材料の光透過性導電層上にメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を塗布する方法、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の印刷方法で導電材料の光透過性導電層上にメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を印刷する方法が例示できる。
導電材料が有する光透過性導電層にメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を接触させる時間は特に限定されないが、5秒以上であることが抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましくは15秒以上であり、特に好ましくは30秒以上である。上限は30分以下とすることが好ましい。導電材料が有する光透過性導電層にメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を接触させる際のメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液の温度は特に限定されないが、10℃以上であることが抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましく20℃以上である。上限は90℃以下とすることが好ましい。
<水洗>
上記した方法で導電材料が有する光透過性導電層をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液で処理した後、余剰なメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液を除去することを目的として、導電材料を水洗することが好ましい。メルカプト基の性質により、導電材料の光透過性導電層が有する金属細線の表面にメルカプト基含有ポリビニルアルコールは化学的に吸着しているので、水洗後もメルカプト基含有ポリビニルアルコールによる効果は有効である。水洗は水単体で行ってもよく、リン酸塩、炭酸塩等のpH調整剤を含有する水で行ってもよく、腐敗を防止する目的で防腐剤を含有する水で行ってもよい。
水洗方法は特に限定されないが、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や、温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法を例示できる。シャワーやノズルを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。水洗後は加熱や自然乾燥により導電材料上の残存する水分を乾燥させることが好ましい。
本発明の導電材料の製造方法において、メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液による処理が行われた後の導電材料を水洗しない場合は、光透過性導電層上に存在するメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液の溶媒を加熱や自然乾燥により乾燥させ、光透過性導電層上にメルカプト基含有ポリビニルアルコールを含有する膜が形成されていてもよい。メルカプト基含有ポリビニルアルコールを含有する膜の厚みは特に限定されない。
<導電材料>
本発明における導電材料が有する支持体の材質は特に限定されないが、導電材料をタッチパネルセンサー等の光透過性が必要な用途に利用する場合、導電材料には透明性が求められるため、支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。支持体の全光線透過率は60%以上であることが導電材料の透明性に優れるため好ましく、特に好ましくは70%以上であり、支持体のヘイズは0〜3%であることが導電材料の透明性に優れるため好ましく、特に好ましくは0〜2%である。支持体は、光透過性導電層を有する側の面や、光透過性導電層を有する側の面の反対側の面に、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、ITOやポリチオフェン等の非金属系導電材料を含有する層、等の公知の層を有していてもよい。
支持体上の光透過性導電層を形成する網目状金属細線は金属を含有し、かつ導電性を有していればよく、該金属細線の金属種や金属組成、金属以外のバインダー成分の有無、光透過性導電層の形状等は限定されない。網目状金属細線が有する金属細線が含有する金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれらの合金が光透過性導電層の導電性に優れることから好ましく、銀およびその合金が特に好ましい。
支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与し網目状金属細線パターンを形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、硬化現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、直接現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層した感光性レジスト材料を導電材料前駆体として用い、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解めっきを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2012−28183号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属ナノワイヤーを含有する層を形成し、該層をパターニングして網目状金属細線パターンを形成する方法等が例示できる。
上記した方法の中でも、導電性金属インキや導電性ペーストを印刷する方法、および銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いる方法が導電性に優れた銀を含有する網目状金属細線パターンを容易に形成できることから好ましく、金属細線の微細化が容易であることから銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いた銀塩拡散転写法を用いる方法が特に好ましい。
本発明において光透過性導電層はさらに、公知の金属表面処理が施されていてもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。また、銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いて網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成する場合、光透過性導電層と粘着剤層との接着性を改善する観点から、特開2007−12404号公報に記載されているように光透過性導電層をタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理し、残存するゼラチン等を低減してもよい。上記金属表面処理は前述のメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液による処理よりも前の工程にて実施することが、抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましい。
本発明の導電材料の製造方法に従い得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、光透過性導電層が有する網目状金属細線パターンは、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有することがセンサーの感度、視認性(難視認性)等の観点から好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も、好ましい網目状金属細線パターンの形状の一つである。
本発明の導電材料の製造方法により得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、該導電材料は光透過性導電層として、互いに電気的に絶縁された複数のセンサーを有するセンサー部を有することが好ましい。また該センサー部の視認性(難視認性)の観点から、光透過性導電層にはセンサーと電気的に絶縁されたダミー部を有していてもよい。またセンサー部、ダミー部以外に、外部に電気信号を取り出すために設けられる端子部や、センサー部と端子部を電気的に接続する周辺配線部を有していてもよい。該端子部および周辺配線部は網目状金属細線パターンからなっていてもよく、塗りつぶしパターンであってもよい。
網目状金属細線パターンを構成する金属細線の線幅は、光透過性導電層が良好な光透過性と導電性を両立するために1.0〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜15μmである。網目状金属細線パターンが単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有する場合、単位格子の繰り返し周期は100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜400μmである。
本発明により得られた導電材料の光透過性導電層を有する側の面、あるいはもう一方の側の面に、粘着剤層を介して機能材料を設け、導電材料積層体とすることができる。粘着剤層とは、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の公知の粘着剤を含有する層を意味する。粘着剤層の厚みは5〜500μmであることが導電材料積層体の透明性に優れるため好ましく、より好ましくは10〜250μmである。同様の観点から、粘着剤層の全光線透過率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上であり、粘着剤層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。
粘着剤層として、特開平9−251159号公報、特開2011−74308号公報等に例示されている透明性の高いアクリル系粘着剤を使用した光学用粘着テープや、特開2009−48214号公報、特開2010−257208号公報等に例示されている透明性の高い硬化型樹脂の硬化物を用いてもよい。光学用粘着テープ、透明性の高い硬化型樹脂はともに市販されており、前者としては住友スリーエム(株)より高透明性接着剤転写テープ(8171CL/8172CL/8146−1/8146−2/8146−3/8146−4等)、日東電工(株)より光学用透明粘着シート(LUCIACS CS9622T/CS9862UA等)等が例示でき、後者としてはデクセリアルズ(株)より光学弾性樹脂SVRシリーズ(SVR1150、SVR1320等)、協立化学産業(株)よりWORLD ROCKシリーズ(HRJ−46、HRJ−203等)、ヘンケルジャパン(株)より紫外線硬化型光学透明接着剤Loctite LOCAシリーズ(Loctite3192、3193、3195、5192等)等が例示でき、これらを入手し利用することができる。
機能材料としては、本発明の導電材料や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂を含有するフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO導電膜等の公知の機能層を有する材料を例示できる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコールの合成>
特開昭59−187003号公報に記載された合成方法に従い、重合時のチオール酢酸の量を変化させ、ポリ酢酸ビニルの濃度および水酸化ナトリウムと酢酸ビニルとのモル比を変化させてケン化し、メルカプト基含有ポリビニルアルコールを2種類合成し、それぞれPVA−1、PVA−2とした。重合度はPVA−1が560、PVA−2が1500であり、ケン化度はPVA−1が88.0モル%、PVA−2が98.0モル%であった。
<導電材料1の作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91.8%、ヘイズは0.7%であった。
次に下記組成の物理現像核層塗液を支持体上にグラビアコーティングにより均一に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液/1mあたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.4mg
2質量%グリオキサール水溶液 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 500mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10,000)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層1、ハロゲン化銀乳剤層1、および保護層1を上記物理現像核層の上にスライドコーティングにより均一に塗布、乾燥して、導電材料前駆体1を得た。ハロゲン化銀乳剤層1が含有するハロゲン化銀乳剤は、コントロールドダブルジェット法で製造した。このハロゲン化銀乳剤が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は、銀1gあたり0.5gのゼラチンを保護コロイド(バインダー)として含有する。
<中間層1組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層1組成/1mあたり>
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層1組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
導電材料前駆体1と、網目状細線パターン、塗りつぶしパターンを有するポジ型透過原稿とを密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。このようにして図1に示す導電材料1を得た。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000ml、pH=12.2に調整した。
図1において、導電材料1は支持体20上に光透過性導電層21と塗りつぶしパターン22、22’から構成される試験パターン23(23a〜23eの5本)を有する。試験パターン23を構成する塗りつぶしパターン22と22’は光透過性導電層21を介して電気的に接続されている。光透過性導電層21は便宜上格子模様で示しているが、線幅5.0μm、一辺の長さが300μmで狭い方の角度が60°の菱形の単位格子による網目状金属細線パターンによって構成される。なお、破線は後述する機能材料の貼合場所30を表す。
<導電材料2の作製>
導電材料1を下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中に60℃で1分間浸漬した後、シャワー水洗により余剰なメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1を除去し、乾燥して導電材料2を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1>
PVA−1 50g
水 950g
<導電材料3の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を60℃で40秒間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料3を得た。
<導電材料4の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を60℃で20秒間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料4を得た。
<導電材料5の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を60℃で10秒間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料5を得た。
<導電材料6の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を60℃で10分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料6を得た。
<導電材料7の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を25℃で1分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料7を得た。
<導電材料8の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を15℃で1分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料8を得た。
<導電材料9の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を5℃で1分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料9を得た。
<導電材料10の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を70℃で1分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料10を得た。
<導電材料11の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1中への浸漬条件を80℃で1分間とした以外は導電材料2と同様にして導電材料11を得た。
<導電材料12の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液2を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料12を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液2>
PVA−1 150g
水 850g
<導電材料13の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液3を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料13を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液3>
PVA−1 10g
水 990g
<導電材料14の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液4を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料14を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液4>
PVA−1 4g
水 996g
<導電材料15の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液5を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料15を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液5>
PVA−1 2g
水 998g
<導電材料16の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液6を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料16を得た。
<メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液6>
PVA−2 50g
水 950g
<導電材料17の作製>
メルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液1に代わり、下記メルカプト基を含有しないポリビニルアルコール溶液1を用いた以外は導電材料2と同様にして導電材料17を得た。
<メルカプト基を含有しないポリビニルアルコール溶液1>
PVA−205 50g
((株)クラレ製ポリビニルアルコール、重合度500、ケン化度88%)
水 950g
<導電材料積層体の作製>
導電材料1〜17それぞれについて、機能材料の貼合場所30に住友スリーエム(株)製高透明性接着剤転写テープ8146−4を貼合し、厚み100μmの粘着剤層とした。続いて機能材料としてイーグル2000(コーニングジャパン(株)製無アルカリガラス)を粘着剤層上に貼合し、導電材料積層体1〜17を得た。
<抵抗値評価>
導電材料積層体1〜17が有する試験パターン23a〜23eの5本それぞれについて、塗りつぶしパターン22と22’の間の抵抗値を測定し、試験パターン23a〜23eの初期抵抗値Ra〜Re(単位:kΩ)を得た。次に、導電材料積層体1〜17を2週間にわたり太陽光を曝露した後に、試験パターン23a〜23eの5本それぞれについて抵抗値を再測定し、抵抗値R’a〜R’e(単位:kΩ)を得た。そして以下の式に従い、太陽光曝露前後での試験パターン23a〜23eの5本それぞれの抵抗値変化率(単位:%)を算出し、さらに試験パターン23a〜23eの抵抗値変化率を平均して導電材料積層体1〜17の平均抵抗値変化率(単位:%)とした。この結果を表1に示す。なお、太陽光曝露はJIS Z2381に従い、光透過性導電層を有する側の面が太陽光の照射を受けるようにアンダーグラス曝露装置中に入れて行った。
試験パターン23xの抵抗値変化率(単位:%)=(R’x−Rx)/Rx×100
式中xはa〜eを表す。
表1の結果から本発明の有効性が判る。
20 支持体
21 光透過性導電層
22、22’ 塗りつぶしパターン
23a〜23e 試験パターン
30 機能材料の貼合場所

Claims (1)

  1. 支持体上に網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成後、該光透過性導電層をメルカプト基含有ポリビニルアルコール溶液で処理することを特徴とする導電材料の製造方法。
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