JP2019102388A - 導電材料の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の処理方法を提供する。【解決手段】支持体上に網目状金属細線パターンを有する導電材料を、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される1種以上の金属塩を含有し、錯化剤及び光沢剤を実質的に含有しない処理液で処理する導電材料の処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の処理方法に関する。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、支持体上に光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、これら導電材料をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する導電材料を1枚、または1層の光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
従来技術においては、光透過性導電層はITO(インジウム−錫酸化物)等の透明導電性酸化物を含有する導電膜により形成されるのが一般的であった。例えば特開2015−32183号公報(特許文献1)には、光透過性導電層の材料としてITOやIZO(インジウム−亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)等の透明導電体を使用したタッチパネルセンサー部材が開示されている。
また、近年では光透過性導電層として網目状金属細線パターンを有する導電材料も開示されている。例えば特開2015−133239号公報(特許文献2)には網目状金属細線パターンを、銀微粒子を含有するインクを印刷して形成する方法や、無電解めっき触媒を含有する樹脂塗料を印刷した後に無電解めっきを施す方法、金属層上にフォトレジスト層を設け、レジストパターンを形成した後、金属層をエッチング除去するサブトラクティブ法、銀塩感光材料を用いる方法等、様々な方法により形成できることが記載されている。
上記した導電材料において、網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層上に粘着剤層と、該粘着剤層上に機能材料とを有する導電材料積層体も知られており、例えば特開2014−198811号公報(特許文献3)にはタッチパネルセンサー上に粘着剤層と、該粘着剤層上に保護基板を有するタッチパネル用積層体が開示されている。該粘着剤層は一般的に、表示装置やタッチパネルセンサー等の各部材間を密着させるために利用されるものである。
上記した導電材料積層体は様々な場所で用いられ、例えば太陽光が照射される場所でも使用される。ところが、網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層上に粘着剤層を設け導電材料積層体とした場合、太陽光が照射されると該光透過性導電層の抵抗値が変動するという問題があり、改善が求められていた。
太陽光の照射に伴う光透過性導電層の抵抗値変動を改善する方法として、特開2015−58662号公報(特許文献4)には、光透過性導電層の下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がカチオン重合型光硬化性樹脂を含有する導電材料積層体が開示され、特開2015−106500号公報(特許文献5)には光透過性導電層の下引き層がアミノ基を有する化合物を含有し、粘着剤層がアシルホスフィン系化合物やトリハロアルキル化合物を用いて重合された樹脂を含有する導電材料積層体が開示される。また特開2016−210916号公報(特許文献6)には紫外線吸収能または光安定性能を有する分子骨格を有するアクリルモノマー等を重合させて得られるアクリル系粘着剤を含有するタッチパネル用層間充填材料を光透過層導電層上に貼合する方法が開示され、特開2016−1608号公報(特許文献7)には金属繊維と、金属粒子や金属酸化物粒子等の金属添加剤を含む樹脂層とを有する膜(導電材料積層体)が開示され、特開2016−21170号公報(特許文献8)には金属ナノワイヤーを含有する光透過性導電層と、特定波長以上の可視光を透過させる光透過層を備える静電容量結合方式タッチパネル入力装置付き表示装置(導電材料積層体)が開示される。しかしながら、太陽光の照射に伴う光透過性導電層の抵抗値変動に関しては、さらなる改善が望まれていた。
他方、金属塩を含有する処理液による処理としてめっき処理が挙げられるが、無電解銅めっき液を例に挙げた場合、特開2013−91846号公報(特許文献9)に示される通り、めっき液中には金属塩のほかに錯化剤が必要であることが知られている。また、電解銅めっき液を例に挙げた場合、特開平7−184832号公報(特許文献10)や特開平7−625872号公報(特許文献11)に示される通り、めっき液中には金属塩のほかに光沢剤が必要であることが知られている。
特開2015−32183号公報 特開2015−133239号公報 特開2014−198811号公報 特開2015−58662号公報 特開2015−106500号公報 特開2016−210916号公報 特開2016−1608号公報 特開2016−21170号公報 特開2013−91846号公報 特開平7−184832号公報 特開平7−625872号公報
本発明の課題は、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の処理方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上に網目状金属細線パターンを有する導電材料を、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される1種以上の金属塩を含有し、錯化剤及び光沢剤を実質的に含有しない処理液で処理することを特徴とする導電材料の処理方法。
本発明により、太陽光の照射に伴う抵抗値変動が改善された導電材料が得られる、導電材料の処理方法を提供することができる。
実施例で用いたポジ型透過原稿の概略図
以下、本発明について説明する。本発明の導電材料の処理方法は、支持体上に網目状金属細線パターンを有する導電材料を、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される1種以上の金属塩を含有し、錯化剤及び光沢剤を実質的に含有しない処理液(以下、本発明の金属塩含有処理液と省略する)で処理することを特徴とする。
<金属塩含有処理液>
本発明の金属塩含有処理液は、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される1種以上の金属塩を含有する。
本発明の金属塩含有処理液が含有する金属塩(水溶性金属塩)としては、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物塩等の水溶性無機金属塩、同金属のギ酸塩、酢酸塩等の水溶性有機塩等を例示することができる。これらの金属塩の中でも銅および鉄の水溶性金属塩は抵抗値の変動をより低減することが可能となるため好ましく、特に銅の水溶性金属塩が好ましい。また、これらの金属塩は1種単独又は2種以上混合して用いることができる。
上記金属塩含有処理液が含有する金属塩の含有量は0.0001mol/L以上であることが太陽光の照射に伴う導電材料の光透過性導電層の抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましくは0.0003mol/L以上である。また、得られる効果が増大せず不経済であり、金属塩の溶解に時間が掛かる等の観点から上限は0.4mol/L以下であることが好ましく、0.1mol/L以下がより好ましい。
本発明の金属塩含有処理液のpHは特に限定されないが、太陽光の照射に伴う導電材料の抵抗値変動を効果的に抑制する観点から2〜9であることが好ましい。pH調整のため、金属塩含有処理液は塩酸、硫酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸塩、炭酸塩等のpH調整剤を含有していてもよい。さらに本発明における金属塩含有処理液は、pH調整剤以外に必要に応じて界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、増粘剤、防腐剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
本発明の金属塩含有処理液が実質的に含有しない錯化剤とは、一般的な無電解めっき液において金属塩の沈殿を防止し、さらに、めっき金属の析出反応を適度な速度としてめっき浴の分解を抑制するために有効な成分であり、公知の無電解めっき液において用いられている各種の錯化剤である。このような錯化剤の具体例としては、酒石酸、リンゴ酸等のオキシカルボン酸、その可溶性塩;エチレンジアミン、トリエタノールアミン等のアミノ化合物;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、バーセノール(N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N′,N′−三酢酸)、クォードロール(N,N,N′,N′−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン)等のエチレンジアミン誘導体、その可溶性塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸等のホスホン酸、その可溶性塩等を挙げることができる。
このような錯化剤を本発明の金属塩含有処理液が含有すると、太陽光の照射に伴う導電材料の光透過性導電層の抵抗値変動を効果的に抑制できなくなる。このことから、本発明の金属塩含有処理液は該錯化剤を実質的に含有しない。なお、本発明において錯化剤を実質的に含有しないとは錯化剤の含有量が錯化剤としての効果が発現しない程度の量であることを意味し、具体的には0.001mol/L未満であることが必要であり、より好ましくは0.0004mol/L未満である。
本発明の金属塩含有処理液が実質的に含有しない光沢剤とは、一般的な電解めっき液においてめっき面の光沢を得るために有効な成分であり、公知の電解めっき液において用いられている各種の光沢剤である。このような光沢剤の具体例としては、有機チオ化合物、酸素含有高分子有機化合物等が知られており、有機チオ化合物としては、3−メルカプトプロパンスルホン酸、そのナトリウム塩、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド、その2ナトリウム塩、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸(3−スルホプロピル)エステル、そのナトリウム塩等が使用されている。また、酸素含有高分子有機化合物としては、オキシアルキレンポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレンと酸化プロピレンとの共重合体などが使用されている。
このような光沢剤を本発明の金属塩含有処理液が含有すると、太陽光の照射に伴う導電材料の光透過性導電層の抵抗値変動を効果的に抑制できなくなる。このことから、本発明の金属塩含有処理液は該光沢剤を実質的に含有しない。なお、本発明において光沢剤を実質的に含有しないとは光沢剤の含有量が光沢剤としての効果が発現しない程度の量であることを意味し、具体的には0.1mg/L未満であることが必要であり、より好ましくは0.04mg/L未満である。
<金属塩含有処理液による処理>
金属塩含有処理液を用いて導電材料の網目状金属細線パターンを処理する方法は特に限定されず、導電材料が有する網目状金属細線パターンに金属塩含処理液を接触させればよい。具体的には、該導電材料を金属塩含有処理液に浸漬する方法、バーコート法、スピンコーティング法、ダイコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、キスコート法等の公知の塗布方法で導電材料の網目状金属細線パターン上に金属塩含有処理液を塗布する方法、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー印刷、パッド印刷等の公知の印刷方法で導電材料の網目状金属細線パターン上に金属塩含有処理液を印刷する方法が例示できる。上記した方法の中でも、導電材料を金属塩含有処理液に浸漬する方法は、微細な網目状金属細線の表面に対して金属塩含有処理液を容易に接触させることができるため、好ましい。
導電材料が有する光透過性導電層に金属塩含有処理液を接触させる時間は特に限定されないが、1秒以上であることが抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましくは3秒以上であり、特に好ましくは5秒以上である。上限は10分以下であることが好ましい。導電材料が有する網目状金属細線に金属塩含有処理液を接触させる際の金属塩含有処理液の温度は特に限定されないが、10℃以上であることが抵抗値変動を効果的に抑制できるため好ましく、より好ましく30℃以上である。上限は70℃以下であることが好ましい。
<水洗>
上記した方法で導電材料が有する網目状金属細線パターンを金属塩含有処理液で処理した後、余剰な金属塩含有処理液を除去することを目的として、導電材料を水洗することが好ましい。これにより、光学特性(ヘイズ、全光線透過率等)に優れた導電材料が得られる。水洗は水のみからなる水洗水で行ってもよく、リン酸塩、炭酸塩等のpH調整剤を含有する水洗水で行ってもよく、腐敗を防止する目的で防腐剤を含有する水洗水で行ってもよい。
水洗方法は特に限定されないが、スクラビングローラ等を用いて水洗水シャワーを噴射する方法や、水洗水をノズル等でジェット噴射する方法が例示できる。シャワーやノズルを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。あるいは水洗水中に導電材料を浸漬してもよい。水洗後は加熱や自然乾燥により導電材料上の残存する水分を乾燥させることが好ましい。
<導電材料>
本発明における導電材料が有する支持体の材質は特に限定されないが、導電材料をタッチパネルセンサー等の光透過性が必要な用途に利用する場合、導電材料には透明性が求められるため、支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。支持体の全光線透過率は60%以上であることが好ましく、特に好ましくは70%以上であり、支持体のヘイズは0〜3%であることが導電材料の透明性に優れるため好ましく、特に好ましくは0〜2%である。支持体は、光透過性導電層を有する側の面や、光透過性導電層を有する側の面の反対側の面に、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層、ITOやポリチオフェン等の非金属系導電材料を含有する層、等の公知の層を有していてもよい。
本発明において網目状金属細線パターンを構成する金属細線の金属種や金属組成、金属以外のバインダー成分の有無、光透過性導電層の形状等は限定されない。金属細線が含有する金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケルおよびこれらの合金が光透過性導電層の導電性に優れることから好ましく、一方で銀およびその合金は太陽光の照射に伴う抵抗値変動がとりわけ大きいことから、このような場合において、本発明はとりわけ有効に作用する。
支持体上に網目状金属細線パターンを形成する方法は特に限定されず、例えば特開2015−69877号公報に開示される方法に従い、金属およびバインダーを含有する導電性金属インキや導電性ペーストを、支持体上に印刷等の方法で付与し網目状金属細線パターンを形成する方法や、特開2007−59270号公報に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、硬化現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法に従い、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を設けた銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、直接現像方式を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2003−77350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に開示される方法に従い、支持体上に物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させる、いわゆる銀塩拡散転写法を用いて網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2014−197531号公報に開示される方法に従い、支持体上に下地層、感光性レジスト層を積層した感光性レジスト材料を導電材料前駆体として用い、感光性レジスト層を任意のパターン状に露光後、現像し、レジスト画像を形成した後、無電解めっきを施してレジスト画像に被覆されていない下地層上に金属を局在化させ、その後レジスト画像を除去し網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2015−82178号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属膜、レジスト膜を設け、該レジスト膜を露光および現像して開口部を形成し、該開口部の金属膜をエッチングして除去して網目状金属細線パターンを形成する方法、特開2012−28183号公報に開示されている方法に従い、支持体上に金属ナノワイヤーを含有する層を形成し、該層をパターニングして網目状金属細線パターンを形成する方法等が例示できる。
上記した方法の中でも、銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いる方法、および感光性レジスト材料を導電材料前駆体として用いる方法が、導電性に優れた銀を含有する網目状金属細線パターンを容易に形成できることから好ましく、金属細線の微細化が容易であることから銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いた銀塩拡散転写法を用いる方法が特に好ましい。
本発明において光透過性導電層は、金属塩含有処理液による処理に先立って、公知の金属表面処理が施されていてもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。また、銀塩感光材料を導電材料前駆体として用いて網目状金属細線パターンを有する光透過性導電層を形成する場合、光透過性導電層と粘着剤層との接着性を改善する観点から、特開2007−12404号公報に記載されているように光透過性導電層をタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理し、残存するゼラチン等を低減してもよい。
本発明の導電材料の処理方法に従い得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、網目状金属細線パターンにより光透過性導電層を形成することが好ましく、該網目状金属細線パターンは、複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有することがセンサーの感度、視認性(難視認性)等の観点から好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も、好ましい網目状金属細線パターンの形状の一つである。
本発明の導電材料の処理方法により得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、光透過性導電層は網目状金属細線パターンにより形成された複数のセンサーを有するセンサー部を有することが好ましい。また該センサー部の視認性(難視認性)の観点から、光透過性導電層にはセンサーと電気的に絶縁されたダミー部を有していてもよい。またセンサー部、ダミー部以外に、外部に電気信号を取り出すために設けられる端子部や、センサー部と端子部を電気的に接続する周辺配線部を有していてもよい。該端子部および周辺配線部は網目状金属細線パターンからなっていてもよく、塗りつぶしパターンであってもよい。
網目状金属細線パターンを構成する金属細線の線幅は、光透過性導電層が良好な光透過性と導電性を両立するために1.0〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜15μmである。網目状金属細線パターンが単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有する場合、単位格子の繰り返し周期は100〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜400μmである。
本発明により得られた導電材料の網目状金属細線パターンを有する側の面、あるいはもう一方の側の面に、粘着剤層を介して機能材料を設け、導電材料積層体とすることができる。粘着剤層とは、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の公知の粘着剤を含有する層を意味する。粘着剤層の厚みは5〜500μmであることが導電材料積層体の透明性に優れるため好ましく、より好ましくは10〜250μmである。同様の観点から、粘着剤層の全光線透過率は90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上であり、粘着剤層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。
粘着剤層として、特開平9−251159号公報、特開2011−74308号公報等に例示されている透明性の高いアクリル系粘着剤を使用した光学用粘着テープや、特開2009−48214号公報、特開2010−257208号公報等に例示されている透明性の高い硬化型樹脂の硬化物を用いてもよい。光学用粘着テープ、透明性の高い硬化型樹脂はともに市販されており、前者としては住友スリーエム(株)より高透明性接着剤転写テープ(8171CL/8172CL/8146−1/8146−2/8146−3/8146−4等)、日東電工(株)より光学用透明粘着シート(LUCIACS(登録商標) CS9622T/CS9862UA等)等が例示でき、後者としてはデクセリアルズ(株)より光学弾性樹脂SVR(登録商標)シリーズ(SVR1150、SVR1320等)、協立化学産業(株)よりWORLD ROCK(登録商標)シリーズ(HRJ(登録商標)−46、HRJ−203等)、ヘンケルジャパン(株)より紫外線硬化型光学透明接着剤Loctite(登録商標) LOCAシリーズ(Loctite3192、Loctite3193等)等が例示でき、これらを入手し利用することができる。
機能材料としては、本発明の導電材料や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂を含有するフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO導電膜等の公知の機能層を有する材料を例示できる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<導電材料1の作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は91.8%、ヘイズは0.7%であった。
次に下記組成の物理現像核層塗液を支持体上にグラビアコーティングにより均一に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液/1mあたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.4mg
2質量%グリオキサール水溶液 200mg
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)HM−2000水溶液 500mg
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量30,000)
Figure 2019102388
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、および保護層を上記物理現像核層の上にスライドコーティングにより均一に塗布、乾燥して、導電材料前駆体を得た。ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀乳剤は、コントロールドダブルジェット法で製造した。このハロゲン化銀乳剤が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は、銀1gあたり0.5gのゼラチンを保護コロイド(バインダー)として含有する。
<中間層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
Figure 2019102388
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1mあたり>
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
導電材料前駆体と、図1で示したポジ型透過原稿とを密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。該ポジ型透過原稿は網目状パターン21と塗りつぶしパターン22、22’から構成される試験パターン23(23a〜23eの5本)を有する。試験パターン23を構成する塗りつぶしパターン22と22’は、線幅5.0μm、一辺の長さが300μmで狭い方の角度が60°の菱形の単位格子による網目状パターン21を介して接続されている。なお図中、破線は後述する機能材料の貼合領域30を表す。その後、下記拡散転写現像液中に20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理した。このようにして導電材料1を得た。なお、得られた導電材料1が有するパターンの形状、線幅等は、前記したポジ型透過原稿と同様であった。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL
pH=12.2に調整する。
上記のようにして得られた導電材料1を、表1に示す金属塩含有処理液1〜15中に40℃で1分間浸漬した後、シャワー水洗により余剰な金属塩含有処理液を除去し、乾燥して導電材料2〜16を得た。なお各金属塩含有処理液のpHは塩化アンモニウムにより5.0に調整した。
Figure 2019102388
<積層体の作製>
導電材料1〜16それぞれについて、機能材料の貼合場所30に住友スリーエム(株)製高透明性接着剤転写テープ8146−4を貼合し、厚み100μmの粘着剤層とした。続いて機能材料としてEAGLE XG(登録商標)(コーニングジャパン(株)製無アルカリガラス)を粘着剤層上に貼合して積層体を作製した。
<抵抗値評価>
積層体の試験パターン23a〜23eの5本それぞれについて、塗りつぶしパターン22と22’の間の抵抗値を測定し、試験パターン23a〜23eの初期抵抗値Ra〜Re(単位:kΩ)をそれぞれ得た。次に、積層体に対して、スガ試験機(株)製キセノンウェザーメーターNX25を用いてキセノンランプ光(太陽光と類似した分光分布を有する光)を1000時間照射した。条件はJIS K7350−2に従い、放射照度60W/m(波長300nm〜400nm)、槽内温度38℃、槽内湿度50%RH、ブラックパネル温度63℃とした。照射終了後、試験パターン23a〜23eの5本それぞれについて抵抗値を再測定し、抵抗値R’a〜R’e(単位:kΩ)を得た。そして以下の式に従い、個々の試験パターン(試験パターン23a〜23e)のそれぞれについて、キセノンランプ光照射前後での抵抗値変化率(単位:%)を算出し、さらに試験パターン23a〜23eの抵抗値変化率を平均して導電材料1〜16の平均抵抗値変化率(単位:%)とした。この結果を表1に示す。
試験パターン23xの抵抗値変化率(単位:%)={(R’x−Rx)/Rx}×100
式中xはa〜eを表す。
Figure 2019102388
表2の結果から本発明の有効性が判る。
21 網目状パターン
22、22’ 塗りつぶしパターン
23a〜23e 試験パターン
30 機能材料の貼合領域

Claims (1)

  1. 支持体上に網目状金属細線パターンを有する導電材料を、銅、鉄、錫、ニッケル、コバルトから選択される1種以上の金属塩を含有し、錯化剤及び光沢剤を実質的に含有しない処理液で処理することを特徴とする導電材料の処理方法。
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