JP2018142470A - 汚損検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で連続的に汚損度を監視することが可能であり、かつ、ヒステリシスに起因する測定精度の低下を抑制することが可能な汚損検出装置を提供する。【解決手段】汚損検出装置50は、絶縁基板の表面上に一対の電極が形成された複数の電極基110板と、相対湿度を測定する湿度センサ120及び湿度計測回路210と、電極基板110毎に、一対の電極間の表面抵抗率を測定する表面抵抗率計測回路220と、一定期間における相対湿度の最高値、及び一定期間における表面抵抗率の最低値から、予め記憶されている汚損量推定情報に基づいて、電極基板の表面の汚損量をそれぞれ推定する処理を実行するCPU230とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、汚損検出装置に関し、特に、碍子等の絶縁物の汚損を検出する技術に関する。
碍子は、発変電設備等に設置され、高電圧が印加されるケーブルを支持する。発変電設備が例えば塩害地区にある場合、碍子表面に塩分が付着して汚損される。汚損が進行すると碍子の絶縁性が低下する。そのため、碍子等の絶縁物の汚損程度を常に把握し、必要な時期にクリーニングを行なう必要がある。
碍子の汚損程度を検出する方法として、後掲の特許文献1には、パイロット碍子を用いる方法が開示されている。この方法では、実機(測定対象の碍子)と同一環境に置かれたパイロット碍子を定期的及び自動的に洗浄し、洗浄した水溶液の塩分濃度を測定することによって、碍子の汚損量を検出する。
後掲の特許文献2には、一対の櫛型電極間に流れる電流を測定する方法が開示されている。碍子の汚損が進行すると碍子表面の抵抗値が低下するため、漏れ電流が増加する。特許文献2では、測定した電流と予め設定した値とを比較することによって、碍子表面の汚損を検出する。
後掲の特許文献3には、電極が形成された絶縁板における電極間抵抗値に基づいて、絶縁板表面の塩分付着量を検出する汚損検出センサが開示されている。この汚損検出センサは、絶縁板を冷却するためのペルチェ素子を含む。特許文献3では、ペルチェ素子で絶縁板を冷却することによって絶縁板の表面を結露させ、電極間を湿潤させた状態で抵抗値を測定する。
さらに後掲の特許文献4には、2つの電極が形成された基板を含む抵抗センサを用いて碍子表面の汚損を検出する碍子汚損検出器が開示されている。この碍子汚損検出器は、上記2つの電極が接続されるCR発振回路、及びCR発振回路の出力信号が入力される判定部をさらに含む。2つの電極間のインピーダンスは、抵抗センサ表面の汚損量に応じて変化するため、これによって、CR発振回路の発振周期も変化する。判定部は、CR発振回路の発振周期に基づいて、汚損量を計算する。
特開2002−279843号公報 特開平8−220158号公報 特開平6−207917号公報 特開2004−95347号公報
特許文献1に開示されたパイロット碍子を用いる方法は、装置及び手間に多大の時間と費用を費やす。加えて、この方法は、連続的に汚損度を監視することが困難である。
一方、特許文献2〜4に開示の方法は、連続的に汚損度を監視することが可能である。しかし、電極間の抵抗は、付着塩分量によってのみ決定されるのではなく、周囲の相対湿度の影響を受ける。その抵抗の挙動は、相対湿度の上昇・下降の変動に対してヒステリシスを持つため、抵抗の測定時点での相対湿度で汚損度を換算すると誤差が生じるという問題がある。特に、塩分付着量が多くなると、後述するように、ヒステリシスも大きくなるため、汚損量の測定誤差が大きくなる。
特許文献3に開示の汚損検出センサは、絶縁板を冷却するためのペルチェ素子を含むため、装置が複雑化すると共に、それによって故障リスクが増加するという不都合もある。
さらに、特許文献1〜4に開示の方法では、碍子のような複雑な構造の絶縁物の汚損度を評価するのが困難であるという問題もある。例えば、碍子の表面は累積汚損しやすい一方、雨により汚損は洗浄される。これに対し、碍子の裏面は台風等の急速に汚損される環境でなければ汚損されにくいものの、一旦汚損すると洗浄されづらい。特許文献1に開示の方法では、パイロット碍子を水溶液に浸けて洗浄を行なうため、表面と裏面とを分離して汚損量を評価することが困難である。同様に、特許文献2〜4に開示の方法でも、表面と裏面とを分離して汚損量を評価することが困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、簡易な構成で連続的に汚損度を監視することが可能であり、かつ、ヒステリシスに起因する測定精度の低下を抑制することが可能な汚損検出装置を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、複雑な構造の絶縁物であっても、その絶縁物の汚損度を評価することが可能な汚損検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明者らが鋭意検討した結果、相対湿度の変動に対して抵抗の挙動がヒステリシスを持つ場合に、一定期間における相対湿度の最高値と表面抵抗率の最低値との関係から汚損量を推定できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の一の局面に係る汚損検出装置は、各々、絶縁基板の表面上に一対の電極が形成された複数の電極基板と、相対湿度を測定するための湿度測定手段と、電極基板毎に、一対の電極間の表面抵抗率を測定するための表面抵抗率測定手段と、一定期間における相対湿度の最高値、及び、一定期間における表面抵抗率の最低値から、予め記憶されている汚損量推定情報に基づいて、電極基板の表面の汚損量をそれぞれ推定するための汚損量推定手段とを含む。
汚損量推定手段は、一定期間における相対湿度の最高値、及び、一定期間における表面抵抗率の最低値から、予め記憶されている汚損量推定情報に基づいて、電極基板の表面の汚損量をそれぞれ推定する。これにより、ヒステリシスの影響を回避した汚損量の推定が可能となる。本汚損検出装置を測定対象である絶縁物と同じ汚損を受ける環境に設置することによって、電極基板の表面の汚損量を推定することにより、測定対象物の汚損量を精度よく推定できる。さらに、本汚損検出装置は、ペルチェ素子のような冷却装置を設けることなく汚損量の推定が可能であるため、装置を簡素化できる。加えて、相対湿度と電極間の抵抗とから汚損量を推定できるため、簡易な構成で連続的に汚損度を監視できる。
本汚損検出装置は、一対の電極が形成された電極基板を複数含み、汚損量推定手段は、電極基板毎に汚損量を推定する。例えば、複数の電極基板の少なくとも1つを、降雨の影響を直接受ける位置に設置し、他の電極基板の少なくとも1つを、台風等の風が強い条件で汚損される位置に設置することによって、各電極基板の測定結果から、天候の影響に応じた汚損度の評価が可能となる。これにより、測定対象の絶縁物が複雑な構造を有していても、例えば表面側と裏面側とを分離して汚損量を評価できる。
好ましくは、汚損量推定手段は、一定期間における相対湿度の最高値である最高到達湿度Hmax(%RH)が70%以上80%未満であって、最高到達湿度Hmaxと一定期間における表面抵抗率の最低値Rmin(kΩ)との関係が、汚損量推定情報として記憶されている以下の式(1)を満たしていることに応答して、電極基板の表面の汚損量を0.06(mg/cm)以上と推定し、
Figure 2018142470
最高到達湿度Hmaxが80%以上90%未満であることに応答して、電極基板の表面の汚損量を、汚損量推定情報として記憶されている以下の式(2)から得られるS(mg/cm)と推定し、
Figure 2018142470
最高到達湿度Hmaxが90%以上であることに応答して、電極基板の表面の汚損量を、汚損量推定情報として記憶されている以下の式(3)から得られるS(mg/cm)と推定する。
Figure 2018142470
より好ましくは、汚損検出装置は、相対湿度及び表面抵抗率の測定期間である一定期間を計測するための期間計測手段をさらに含む。この期間計測手段は、9:00〜15:00の範囲内に計測の開始起点を持つ1日を一定期間として計測する。
さらに好ましくは、複数の電極基板の少なくとも1つは、電極間隔が10mm以上50mm以下に形成された一対の電極を持つ。
さらに好ましくは、汚損検出装置は、複数の電極基板を保持するための保持手段をさらに含む。この保持手段は、一対の電極が上側に位置し、かつ、水平面に対する角度が10度以下となるように、複数の電極基板をそれぞれ傾斜させて保持する。
以上のように、本発明によれば、簡易な構成で連続的に汚損度を監視することが可能であり、かつ、ヒステリシスに起因する測定精度の低下を抑制することが可能な汚損検出装置を提供できる。
さらに本発明によれば、複雑な構造の絶縁物であっても、その絶縁物の汚損度を評価することが可能な汚損検出装置を提供できる。
本発明の実施の形態に係る汚損検出装置の構成を示すブロック図である。 塩分付着量を0〜0.5mg/cm、最高到達湿度を90%RH以上としたときの湿度サイクルに対する表面抵抗率の挙動を示す図である。 最高到達湿度を70〜90%RH、塩分付着量を0.5mg/cmとしたときの湿度サイクルに対する表面抵抗率の挙動を示す図である。 塩分付着量の推定手法を説明するための図である。 温度及び湿度のトレンドの一例を示す図である。 汚損検出装置の付着塩分検知部の全体構成を示す斜視図である。 付着塩分検知部の構成を示す図である。 図7の8−8線に沿った断面図である。 電極基板の構成を示す平面図である。 図1に示す汚損検出装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 他の電極基板の構成を示す平面図である。
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明及び図面においては、同一の部品又は構成要素には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(実施の形態)
本実施の形態に係る汚損検出装置は、海水塩分(塩化ナトリウム)を主な計測対象とする。本汚損検出装置は、測定対象の碍子(実機)と同じ環境に設置されて、碍子の表面に付着した塩分付着量を汚損量として推定する。
[全体構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る汚損検出装置50は、実機と同じ環境に設置される付着塩分検知部100と、付着塩分検知部100と接続されて装置全体を制御する制御装置200とを含む。
付着塩分検知部100は、絶縁基板の表面に一対の電極パターンが形成された電極基板110と、周囲の相対湿度を測定する湿度センサ120とを含む。付着塩分検知部100は、有線又は無線により、制御装置200と通信可能に接続されている。本実施の形態では、付着塩分検知部100は、コネクタ130に接続されたケーブル60により、制御装置200と有線接続されている。付着塩分検知部100の詳細については後述する。
制御装置200は、湿度計測回路210、表面抵抗率計測回路220、CPU(Central Processing Unit)230、記録部240、及びタイマー250を含む。湿度計測回路210は、湿度センサ120からの信号を受信してデータ信号(デジタル信号)に変換し、その信号をCPU230に供給する。表面抵抗率計測回路220は、電極基板110の絶縁率(電極パターン間の表面抵抗率)を計測して、その表面抵抗率をデータ信号(デジタル信号)としてCPU230に供給する。
CPU230は、汚損検出装置50全体を制御する。CPU230は、湿度計測回路210及び表面抵抗率計測回路220から供給されたデータ信号をもとに塩分付着量(汚損量)を推定する処理を実行する。記録部240は、CPU230が汚損検出装置50を制御するためのプログラム及びデータを記憶する記憶装置を含む。記録部240には、塩分付着量(汚損量)の推定処理時に用いられる汚損量推定情報が予め記憶されている。記録部240はさらに、湿度センサ120及び湿度計測回路210を介して取得した相対湿度、表面抵抗率計測回路220で計測された電極基板110の表面抵抗率、及びこれらのデータからCPU230が推定した塩分付着観測結果(塩分付着量)等のデータを記録するデータ記録装置を含む。タイマー250は、相対湿度、及び表面抵抗率の測定期間を計測する。
制御装置200への給電は、商用電源等からのAC給電であってもよいし、内蔵電池による給電であってもよい。抵抗測定時の印加電圧は、電気分解による電極の腐食を防止するために、交流電圧(例えば50Hz〜1kHz)であるのが好ましい。
制御装置200は、データ記録装置に記録されたデータを、図示しないデータ伝送部を介して、有線又は無線により中央監視室などの監視装置(図示せず)にデータ伝送されるよう構成されていると好ましい。制御装置200は、塩分付着観測結果が所定の値以上である場合に、警報出力を行なうように構成することもできる。このように構成すれば、碍子の汚損の状況、及び碍子の洗浄の要否判断を、中央監視室等で行なうことが可能となる。
[塩分付着量の推定手法]
図2〜図4を参照して、相対湿度の変動に対して表面抵抗率の挙動がヒステリシスを持つ場合に、塩分付着量(汚損量)の推定を可能とする手法を見出すために行なった実験について説明する。
本願発明者らは、表面に一対の電極パターンが形成された絶縁基板(電極基板)を作製し、相対湿度を変動させながら電極パターン間の表面抵抗率を測定する実験を行なった。図2及び図3にその結果を示す。図2には、塩分付着量を0〜0.5mg/cmの範囲で変動させたときの湿度サイクルに対する表面抵抗率の挙動が示されている。相対湿度の最高値である最高到達湿度は90%RH以上である。図3には、塩分付着量を0.5mg/cmとし、最高到達湿度を70〜90%RHの範囲で変動させたときの湿度サイクルに対する表面抵抗率の挙動が示されている。図2及び図3のグラフの横軸は相対湿度(%RH)であり、縦軸は対数で示される表面抵抗率(kΩ)である。
本測定は、低湿度条件から開始し、湿度を上昇させた後に、再び低湿度としている。その時間経過を矢印で図中に示している。付着した塩分の潮解性の影響により、湿度上昇時と湿度下降時で、相対湿度に対する表面抵抗率の挙動は一致していない。
図2及び図3より、以下のことが確認できた。
(1)図2を参照して、塩分付着量が増加すると表面抵抗率が低下する。
(2)図2及び図3を参照して、相対湿度の上昇・下降サイクルに対してヒステリシスが存在する。特に、塩分付着量が多くなると、ヒステリシスが大きくなる。さらに、表面抵抗率の最低値が相対湿度の最高値とは必ずしも一致しない。したがって、絶縁物抵抗率は、瞬時の相対湿度の関数で規定できない。
(3)図3(A)を参照して、相対湿度が70%RH以下の領域では、相対湿度の上昇・下降サイクルに対して、表面抵抗率の顕著な低下は確認されなかった。
(4)図2(C)〜(E)及び図3(C)〜(E)を参照して、相対湿度の上昇過程における70%RH以上80%RH未満の領域では、0.06mg/cm以上の塩分付着量に対して、表面抵抗率Rは相対湿度Hの関数として、概略、以下の式で示される関係がある。
Figure 2018142470
この式は、線分Lで図中に示されている。
一方、この領域において、0.06mg/cm以上の塩分付着量に対する表面抵抗率(絶縁物抵抗率)の差異は明確ではなかった。
(5)図2(C)〜(E)及び図3(D)〜(E)を参照して、相対湿度の上昇過程における80%RH以上90%RH未満の領域では、塩分付着量の増加に対する表面抵抗率の差異が確認できた。
(6)図2(D)〜(E)を参照して、相対湿度が90%RHに至ると、表面抵抗率の最低値は飽和する傾向にある。そのときの塩分付着量は、表面抵抗率に概略反比例する。
これらの結果を踏まえて、本願発明者らは、以下のプロセスを採用することにより、絶縁物(碍子)表面の塩分付着量を推定できることを見出した。
すなわち、
(a)一定期間に、継続して相対湿度及び表面抵抗率の測定を行ない、期間中の湿度最高値(最高到達湿度)及び最低抵抗値(表面抵抗率の最低値)を求める。
(b)最高到達湿度と表面抵抗率の最低値とから、塩分付着量を以下の通り推定する。
(b−1)最高到達湿度が70%RH未満の場合
この領域では塩分付着量の推定を行なわない。
(b−2)最高到達湿度が70%RH以上80%RH未満の場合
最高到達湿度をHmax(%RH)、表面抵抗率の最低値をRmin(kΩ)とした場合に、以下の式(4)を満たすときに、0.06mg/cm以上の塩分付着量と推定する。
Figure 2018142470
上記式(4)を満たさない場合は、0.06mg/cm未満の塩分付着量と推定する。
(b−3)最高到達湿度が80%RH以上90%RH未満の場合
塩分付着量を、以下の式(5)から得られるS(mg/cm)と推定する。
Figure 2018142470
(b−4)最高到達湿度が90%RH以上の場合
塩分付着量を、以下の式(6)から得られるS(mg/cm)と推定する。
Figure 2018142470
図4を参照して、上記プロセスによる塩分付着量の推定手法について、より具体的に説明する。相対湿度70%RH未満の領域R1に最高到達湿度がある場合は、上述のように、塩分付着量の推定を行なわない。相対湿度70%RH以上80%RH未満の領域R2に最高到達湿度がある場合は、上記した線分Lで示される式にて、塩分付着量の推定値を0.06mg/cm以上とするか、0.06mg/cm未満とするかを判定する。塩分付着量が0.06mg/cm以上の場合、表面抵抗率の最低値Rminは線分Lの下側に位置する。そのため、領域R2において、表面抵抗率の最低値Rminが上記した式(4)を満たす場合は、塩分付着量は0.06mg/cm以上と推定できる。
相対湿度80%RH以上の領域R3に最高到達湿度がある場合は、上記した式(5)又は式(6)により塩分付着量が推定される。ただし、相対湿度90%RH以上の領域では、上述のように、表面抵抗率の最低値は飽和し、そのときの塩分付着量は表面抵抗率に概略反比例するため、塩分付着量S(mg/cm)はB/Rminと推定できる。一方、相対湿度80%RH以上90%RH未満の領域では、上述のように、塩分付着量の増加に伴い表面抵抗率が変化するため、塩分付着量S(mg/cm)はB/Rminより大きいと推定する。
本実施の形態に係る汚損検出装置50は、このようなプロセスを実行するようプログラムされている。記録部240に記憶される汚損量推定情報は、塩分付着量の推定に用いる上記式(4)〜式(6)を含む。本実施の形態では、式(4)の定数AはA=1とされており、式(5)及び式(6)の定数BはB=2.5とされている。
[測定期間]
上記プロセス(a)における「一定期間」は、例えば1日とするのが好ましい。相対湿度及び表面抵抗率の測定には、温度が低下し、高湿度となり易い夜間のデータを含むよう測定するのが好ましく、一定期間を1日に設定すれば、こうした条件を満たすことができる。一定期間の計測の開始起点は、比較的相対湿度が低い時間帯であるのが好ましい。初回の測定時に相対湿度が比較的低いにもかかわらず、表面抵抗率が低い場合は、測定期間前の高湿度の影響を受けている可能性がある。この場合、一旦、表面抵抗率が上昇するまで測定を保留するのが好ましい。測定期間前の高湿度の影響を受ける可能性を低減するためには、一定期間の計測の開始起点は、昼間の時間帯(例えば午前9時〜午後3時の範囲)とするのが好ましい。測定期間(一定期間)は、タイマー250(図1参照)によって計測される。
図5に、屋外環境における温度及び相対湿度のトレンドの一例を示す。図5(A)は外気温の経時変化を示しており、図5(B)は相対湿度の経時変化を示している。図5(A)及び図5(B)の横軸は、測定日数(日)を示している。この例では、測定日数は10日間である。横軸の1目盛が1日であり、それぞれの目盛位置が真夜中(午後12時)に対応している。
図5を参照して、夜間から明け方にかけて気温が低下し、その結果として相対湿度が上昇している。屋外環境では夜間の気温低下に伴って、夜間から明け方にかけて高湿度となることが頻繁にある。このことからも、比較的湿度の低いことが多い昼間の時間帯を測定の開始起点とすることで、塩分付着量の推定を容易に行なうことが可能となることがわかる。測定期間中の最高到達湿度は、いずれも、70%RH以上である。
汚損検出装置50(付着塩分検知部100)は、実機と同じ環境に設置するため、想定される設置場所は主に屋外環境となる。屋外環境では、夜間時又は雨天時等に高湿度となることが頻繁にあると想定されるため、塩分付着量の推定を行なわない、最高到達湿度が70%RH未満となる日はそれほど多くない。一定期間の測定を繰返し連続して行なう場合に、ほとんどの測定期間で塩分付着量の推定を行なうことが可能となる。なお、最高到達湿度が高いにも関わらず、表面抵抗率が低い場合は、塩分以外の付着物(例えば鳥の糞、塵埃等)の影響が考えられる。
[付着塩分検知部100の構成]
図6〜図8を参照して、付着塩分検知部100は、上記電極基板110と、電極基板110を保持する筐体(ケース)140と、筐体140内に配置された上記湿度センサ120とを含む。筐体140は、上面及び側面の一部が開放されている。この筐体140には、電極基板110が複数枚保持されている。本実施の形態では、3枚の電極基板110A、110B及び110Cが筐体140に保持されている。電極基板110A、110B及び110Cは、互いに同一の構成を有しており、総称する場合は電極基板110と呼ぶ。
図9を参照して、電極基板110は、ガラスエポキシ、又はセラミック等からなる絶縁基板112と、絶縁基板112の表面上に形成された一対の電極114とを含む。一対の電極114は、金属等の導体から構成されており、絶縁基板112の表面上に、一方の電極が他方の電極を取り囲むように形成されている。具体的には、一対の電極114は、同心円状にパターン化されている。電極基板110は、電極114の腐食防止を目的に、金メッキ等の処置が実施されていると好ましい。
一対の電極114間の距離(電極間隔)d1は、10mm以上50mm以下(例えば20mm)であるのが好ましい。電極幅w1は、20mm以上50mm以下(例えば30mm)であるのが好ましい。電極間隔及び電極幅をこのように構成すれば、測定すべき抵抗値が概略1kΩ〜数100kΩとなり、塩分付着量の検出に必要な表面抵抗率を容易に計測することが可能となる。
電極間隔d1を小さくすると、微小な付着物であっても測定抵抗値に影響を与えることがある。こうした点を考慮すると、電極間隔d1は10mm以上であるのが好ましい。また、抵抗(表面抵抗率)の測定のための電界は、1V/cm以上であるのが好ましい。さらに、安価な電源で実現でき、かつ、安全性を考慮すると、電極基板110に印加される電圧の波高値は5V以下であるのが好ましい。この場合、電極間隔d1は最大でも50mmとするのが好ましい。
再び図6〜図8を参照して、筐体140は、一対の電極114が上側に位置し、かつ、水平面に対する角度α(図8参照)が所定の角度となるように、複数の電極基板110A、110B及び110Cをそれぞれ筐体140の開放側が低くなるように傾斜させて保持する。一対の電極114が形成されている面(測定面)に塩分が付着し、相対湿度が70%RHを超えると、潮解性により測定面が湿潤する。相対湿度が90%RH近くになると、測定面に付着する水分量が多くなる。電極基板110の設置角度αが水平面に対して大きくなり過ぎると、電極基板110の測定面が湿潤した際に、測定面に付着した水分とともに塩分が流出する可能性がある。そのため、水平面に対する電極基板110の設置角度αは比較的小さい角度(例えば10度以下)であるのが好ましい。
複数の電極基板110A、110B及び110Cは、風雨に対して塩分の付着し易さを段階的に評価できるように、筐体140に設置されている。具体的には、電極基板110は、筐体140の上面側の開放部を塞ぐように設置されている。電極基板110はその下段側の筐体140内に設置されており、残りの電極基板110はさらにその下段側に筐体140内に設置されている。最上段に設置された電極基板110Aは、一対の電極114が形成されている測定面が、筐体140の上面から露出しているため、降雨の影響を直接受ける。一方、電極基板110B及び110Cは、筐体140の側面の開放部からのみ降雨の影響を受けるので、台風等の風が強い条件のときに塩分付着の影響を受ける。
このように、電極基板110の少なくとも1つは、降雨の影響を直接受ける位置、すなわち、塩分が容易に付着する一方、降雨による洗浄の影響を受ける位置に設置されている。さらに、電極基板110の少なくとも1つは、台風等の風が強い条件のときのみ塩分付着の影響を受ける位置、すなわち、通常の天候状況では塩分付着の影響をうけにくく、台風等の強風発生時(急速汚損条件)のときに塩分付着の影響を受ける位置に設置されている。これにより、複数の電極基板110A、110B及び110Cでの表面抵抗率を比較することにより、碍子への塩分付着状況(例えば、表面に塩分が多く付着しているか、裏面に塩分が多く付着しているか)等を推定することが可能となる。特に、碍子の裏面に付着した塩分は、降雨による洗浄効果が期待できないため、碍子の洗浄必要性が高く、洗浄が必要な時期を特定するために本汚損検出装置50は有効である。
湿度センサ120は、電極基板110の周囲の相対湿度を測定するために、電極基板110の近傍に設置されている。湿度センサ120は、雨等による水分の影響を直接受けないようにすることが好ましい。本実施の形態では、湿度センサ120は、筐体140内部に設置されており、カバー150にて保護されている。
付着塩分検知部100は、例えば海岸沿いに設置する場合、側面側の開放部を海岸側に向けて、又は、通常その測定地点にて風を受ける方角に側面側の開放部を向けて設置されるのが好ましい。また、付着塩分検知部100は、測定精度を高めるために、開放部の向き、又は地面からの高さ等の条件を変えて、複数台を設置するのが好ましい。
[ソフトウェア構成]
図10を参照して、碍子の塩分付着量を推定するために、汚損検出装置50で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、ユーザの操作に応じて開始する。
このプログラムは、相対湿度及び表面抵抗率を一定期間測定するステップS1000と、ステップS1000の後に実行され、一定期間における相対湿度の最高値(最高到達湿度Hmax)及び一定期間における表面抵抗率の最低値Rminを抽出するステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、抽出した最高到達湿度Hmaxに応じて制御の流れを分岐させるステップS1020とを含む。
このプログラムはさらに、ステップS1020において、最高到達湿度Hmaxが70%RH以上80%RH未満であると判定された場合に実行され、表面抵抗率の最低値Rminと最高到達湿度Hmaxとの関係が上記式(4)を満たすか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1030と、ステップS1030において、上記式(4)を満たすと判定された場合に実行され、塩分付着量を0.06mg/cm以上と推定して、その結果を記録するステップS1040と、ステップS1030において、上記式(4)を満たさないと判定された場合に実行され、塩分付着量を0.06mg/cm未満と推定して、その結果を記録するステップS1050と、ステップS1020において、最高到達湿度Hmaxが80%RH以上90%RH未満であると判定された場合に実行され、上記式(5)を用いた演算によって塩分付着量Sを推定して、その結果を記録するステップS1060と、ステップS1020において、最高到達湿度Hmaxが90%RH以上であると判定された場合に実行され、上記式(6)を用いた演算によって塩分付着量Sを推定して、その結果を記録するステップS1070とを含む。
このプログラムはさらに、ステップS1040、ステップS1050、ステップS1060、又はステップS1070の後に実行され、推定された塩分付着量が予め設定された所定量以上か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1080と、ステップS1080において、推定された塩分付着量が所定量以上であると判定された場合に実行され、警報出力を行なうステップS1090とを含む。ステップS1090において警報出力がなされた場合、又は、ステップS1080において、推定された塩分付着量が所定量以上ではないと判定された場合は、制御はステップS1000に戻る。ステップS1020において、最高到達湿度Hmaxが70%RH未満であると判定された場合も、制御はステップS1000に戻る。
[動作]
本実施の形態に係る汚損検出装置50は以下のように動作する。
図10を参照して、汚損検出装置50は、例えば昼間の時間帯に計測の開始起点を持つ1日を一定期間として、電極基板110毎に相対湿度及び表面抵抗率を測定する(ステップS1000)。測定結果は記録部240のデータ記録装置に記録される。一定期間が経過すると、CPU230は、記録した測定結果から、電極基板110毎の最高到達湿度Hmax及び表面抵抗率の最低値Rminを抽出する(ステップS1010)。
最高到達湿度Hmaxが70%RH以上80%RH未満の場合、CPU230は、表面抵抗率の最低値Rminと最高到達湿度Hmaxとの関係が上記式(4)を満たすか否かを判定する。本実施の形態では、上記式(4)において、定数Aを1としている。CPU230は、表面抵抗率の最低値Rminと最高到達湿度Hmaxとの関係が上記式(4)を満たすと判定すると(ステップS1030においてYES)、塩分付着量を0.06mg/cm以上と推定して、その結果を記録部240に記録する(ステップS1040)。一方、CPU230は、表面抵抗率の最低値Rminと最高到達湿度Hmaxとの関係が上記式(4)を満たさないと判定すると(ステップS1030においてNO)、塩分付着量を0.06mg/cm未満と推定して、その結果を記録部240に記録する(ステップS1050)。
最高到達湿度Hmaxが80%RH以上90%RH未満の場合、CPU230は、上記式(5)を用いた演算によって塩分付着量Sを推定し、その結果を記録部240に記録する(ステップS1060)。最高到達湿度Hmaxが90%RH以上の場合、CPU230は、上記式(6)を用いた演算によって塩分付着量Sを推定し、その結果を記録部240に記録する(ステップS1070)。本実施の形態では、上記式(4)及び上記式(5)において、定数Bを2.5としている。なお、最高到達湿度Hmaxが70%RH未満の場合は、CPU230は、塩分付着量の推定処理を行なわない。
汚損検出装置50は、これらの推定処理を電極基板110毎に行なう。塩分付着量を推定すると、CPU230は、推定した塩分付着量が予め設定された所定量以上であるか否かを判定する。CPU230は、推定した塩分付着量が予め設定された所定量以上であると判定すると(ステップS1080においてYES)、中央監視室等に向けて警報を出力する(ステップS1090)。警報を発するトリガとなる所定量は、例えば0.06mg/cmとすることができる。トリガとなる所定量は複数種類であってもよい。例えば、0.06mg/cm、0.2mg/cm、0.5mg/cm等の多段階に所定量を設定し、段階的に異なる警報を発するようにしてもよい。
CPU230は、最高到達湿度Hmaxが70%RH未満であると判定した場合、又は、塩分付着量の推定処理が終了すると、再び、相対湿度及び表面抵抗率を一定期間測定し(ステップS1000)、上記した処理を繰返す。このようにして、汚損検出装置50は、連続的に碍子の塩分付着量(汚損度)を監視(モニタ)する。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る汚損検出装置50を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
汚損検出装置50は、一定期間における相対湿度の最高値(最高到達湿度Hmax)、及び、一定期間における表面抵抗率の最低値Rminから、予め記憶されている汚損量推定情報に基づいて、電極基板110の表面の塩分付着量をそれぞれ推定する。これにより、ヒステリシスの影響を回避した塩分付着量の推定が可能となる。したがって、塩分付着量の推定を精度よく行なうことができる。この汚損検出装置50を測定対象となる碍子と同じ環境に設置することによって、電極基板110の表面の塩分付着量を推定することにより、碍子の塩分付着量を精度よく推定できる。
汚損検出装置50は、ペルチェ素子のような冷却装置を設けることなく塩分付着量の推定が可能であるため、装置を簡素化できる。加えて、相対湿度と表面抵抗率とから塩分付着量を推定できるため、簡易な構成で連続的に碍子の塩分付着量を監視できる。さらに、こうした構成により、従来の装置に比べて、安価に汚損検出装置50を提供できる。
汚損検出装置50は、一対の電極114が形成された電極基板110を複数含み、電極基板110毎に塩分付着量を推定する。複数の電極基板110の少なくとも1つは、直接雨の当たる位置に設置され、他の電極基板110の少なくとも1つは、直接雨は当たらないが、風雨の影響を受ける位置(例えば台風等の風が強い条件で汚損される位置)に設置される。各電極基板110による測定結果を比較することにより、設置場所による累積汚損の違いと、風雨による急速汚損の程度を推定できる。すなわち、天候の影響に応じた汚損度の評価を行なうことができる。これにより、碍子の表面側と裏面側とを分離して塩分付着量を評価できる。
さらに、塩分付着量の推定に上記式(4)、式(5)、及び式(6)を用いることにより、相対湿度の変動に対して表面抵抗率の挙動がヒステリシスを持つ場合であっても、塩分付着量の推定精度を容易に高めることができる。
(変形例)
上記実施の形態では、付着塩分検知部に3枚の電極基板を設置する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。電極基板の設置枚数は、2枚又は4枚以上の複数枚であってもよい。さらに電極基板の設置枚数は、1枚であってもよい。ただし、碍子のような複雑な構造の汚損程度を評価する場合は、電極基板は複数枚であるのが好ましい。電極基板の設置位置(保持位置)は、所望の条件の下での汚損量の評価を可能とするため適宜調整することができる。その際、筐体の形状等を変更することによって、風雨の影響の受け具合を調整してもよい。
上記実施の形態では、同心円状の電極パターンが形成された電極基板を用いた例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。電極基板に形成される電極パターンは、同心円状以外の電極パターンであってもよい。このような電極パターンとして、例えば、直線状の2つの電極を対向配置させた電極パターンが挙げられる。こうした電極パターンが形成された電極基板を図11に示す。図11を参照して、電極基板310は、絶縁基板112と、絶縁基板112の表面上に形成された一対の電極314とを含む。一対の電極314は、金属等の導体から構成されており、絶縁基板112の表面上に対向配置するように形成されている。電極基板310についても、電極314の腐食防止を目的に、金属メッキ等の処置が実施されていると好ましい。
上記実施の形態では、同じ電極パターンが形成された複数の電極基板を付着塩分検知部に設置する例について例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。設置される複数の電極基板の電極パターンは、適宜、異なるパターンとしてもよい。
上記実施の形態では、複数の電極基板のいずれも同じ角度で傾斜させて筐体に保持する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。複数の電極基板の少なくとも一部が異なる角度となるように傾斜させて筐体に保持するようにしてもよい。
上記実施の形態では、海水塩分(塩化ナトリウム)を主な計測対象とし、塩分付着量を汚損量として推定する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、融雪剤塩分(塩化カルシウム)の付着量を汚損量として推定することもできる。
本実施の形態では、70%RH未満、70%RH以上80%RH未満、80%RH以上90%RH未満、及び90%RH以上を到達湿度閾値として設定した例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。測定する塩分によっては到達湿度閾値が変わることがあるため、測定対象に応じて、到達湿度閾値を適宜設定するのが好ましい。
上記実施の形態では、式(4)の定数Aを1に、式(5)及び式(6)の定数Bを2.5とした例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。これらの定数は、測定条件に応じて定義変更することができる。
上記実施の形態では、式(4)〜式(6)を用いた演算により汚損量(塩分付着量)を推定する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、最高到達湿度及び抵抗最低値に対する汚損量が示されたテーブルを汚損量推定情報として記憶しておき、このテーブルを参照して汚損量を推定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、推定された塩分付着量が予め設定された所定量以上である場合に警報出力を行なう例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。警報出力を行なわない構成であってもよい。その場合、例えば、推定された塩分付着量のデータを中央監視室等に向けて出力するようにしてもよい。
上記実施の形態では、湿度センサを付着塩分検知部に設置する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。湿度センサは、例えば、汚損検出装置の制御装置側に設置されていてもよい。ただし、相対湿度のより正確な測定のためには、上記実施の形態で示したように、湿度センサを付着塩分検知部側に設置するのが好ましい。
さらに、相対湿度及び表面抵抗率の測定期間である一定期間は、1日以外であってもよいし、一定期間の開始起点は昼間の時間帯以外であってもよい。ただし、上述した理由により、一定期間は、昼間の時間帯に計測の開始起点を持つ1日であるのが好ましい。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
50 汚損検出装置
60 ケーブル
100 付着塩分検知部
110、110A〜110C、310 電極基板
112 絶縁基板
114、314 一対の電極
120 湿度センサ
130 コネクタ
140 筐体
150 カバー
200 制御装置
210 湿度計測回路
220 表面抵抗率計測回路
230 CPU
240 記録部
250 タイマー
d1、d2 電極間隔
w1、w2 電極幅
α 設置角度

Claims (5)

  1. 絶縁基板の表面上に一対の電極が形成された複数の電極基板と、
    相対湿度を測定するための湿度測定手段と、
    前記電極基板毎に、前記一対の電極間の表面抵抗率を測定するための表面抵抗率測定手段と、
    一定期間における前記相対湿度の最高値、及び、前記一定期間における前記表面抵抗率の最低値から、予め記憶されている汚損量推定情報に基づいて、前記電極基板の表面の汚損量をそれぞれ推定するための汚損量推定手段とを含む、汚損検出装置。
  2. 前記汚損量推定手段は、
    前記一定期間における前記相対湿度の最高値である最高到達湿度Hmax(%RH)が70%以上80%未満であって、前記最高到達湿度Hmaxと前記一定期間における前記表面抵抗率の最低値Rmin(kΩ)との関係が、前記汚損量推定情報として記憶されている以下の式(1)を満たしていることに応答して、前記電極基板の表面の汚損量を0.06(mg/cm)以上と推定し、
    Figure 2018142470
    前記最高到達湿度Hmaxが80%以上90%未満であることに応答して、前記電極基板の表面の汚損量を、前記汚損量推定情報として記憶されている以下の式(2)から得られるS(mg/cm)と推定し、
    Figure 2018142470
    前記最高到達湿度Hmaxが90%以上であることに応答して、前記電極基板の表面の汚損量を、前記汚損量推定情報として記憶されている以下の式(3)から得られるS(mg/cm)と推定する、
    Figure 2018142470
    請求項1に記載の汚損検出装置。
  3. 相対湿度及び表面抵抗率の測定期間である前記一定期間を計測するための期間計測手段をさらに含み、
    前記期間計測手段は、9:00〜15:00の範囲内に計測の開始起点を持つ1日を前記一定期間として計測する、請求項1又は請求項2に記載の汚損検出装置。
  4. 前記複数の電極基板の少なくとも1つは、電極間隔が10mm以上50mm以下に形成された前記一対の電極を持つ、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の汚損検出装置。
  5. 前記複数の電極基板を保持するための保持手段をさらに含み、
    前記保持手段は、前記一対の電極が上側に位置し、かつ、水平面に対する角度が10度以下となるように、前記複数の電極基板をそれぞれ傾斜させて保持する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の汚損検出装置。
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