JP2018141751A - 翼振動監視装置及び回転機械システム - Google Patents

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Abstract

【課題】動翼列群の振動を容易に監視する。
【解決手段】軸線回りに回転する回転軸の外周に軸線方向に間隔をあけて設けられた複数の動翼列からなる動翼列群を有するロータ、回転軸を軸線回りに回転可能に支持する軸受、該軸受を支持する軸受台、及び、ロータを囲うステータを有する回転機械の翼振動監視装置であって、蒸気タービンの外面に接続された互いに固有振動数の異なる複数の振動体41と、各振動体41にそれぞれ設けられた振動検出素子と、を有する振動検出部40を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、翼振動監視装置及び回転機械システムに関する。
例えば蒸気タービン、ガスタービン等の回転機械は、回転軸と、該回転軸の外周に設けられた複数の動翼列からなる動翼列群とを有している。回転機械の運転時には、回転する動翼列の振動を計測している。このような計測を行うことにより、動翼列の振動特性が設計計画通りであるか否かを検証することができる。また、運転条件の変化による動翼の振動特性の変化を確認し、タービン製品の信頼性の向上を図ることができる。
例えば特許文献1には、動翼に接触しない静止部に変位センサを設け、該変位センサによって動翼の振動を監視する技術が開示されている。
特に、動翼の翼高さが大きい低圧段では、静止側から各動翼の通過時間を計測し、その結果を演算して動翼の振動形態および振動量を算出する非接触モニタが適用されることが多い。
また特許文献2には、ロータに摺動接触する静止部に振動検出部を設ける技術が開示されている。例えば振動検出部としての加速度計を軸受箱に設置することで、該軸受箱に伝達される翼列群からの振動を該加速度計によって検出する。
特開2003−177059号公報 特開昭53−28806号公報
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、特に動翼の翼高さが小さい高圧段では、変位センサの設置環境が悪く、さらに動翼の振動振幅が小さいため、適切に振動を監視することができない。また、蒸気や燃焼ガス等の作動流体の性状によっては、変位センサの検出値に誤差が生じ、適切に振動を検出できない場合がある。
また、上記特許文献2に記載の技術では、動翼列群から軸受箱まで振動が伝達するために、軸受油膜、軸受、軸受ハウジング等の振動減衰要素を経由する必要がある。そのため、信号自体の品質が悪化し、また、暗振動により信号がマスキングされる可能性が高い。
さらに、動翼列群は複数の振動モードを有するため、各振動モードについて異常を監視できることが好ましい。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、動翼列群の振動を容易に監視することができる翼振動監視装置及び回転機械システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の第一態様に係る翼振動監視装置は、軸線回りに回転する回転軸の外周に前記軸線方向に間隔をあけて設けられた複数の動翼列からなる動翼列群を有するロータ、前記回転軸を前記軸線回りに回転可能に支持する軸受、該軸受を支持する軸受台、及び、前記ロータを囲うステータを有する回転機械の翼振動監視装置であって、前記回転機械の外面に接続された互いに固有振動数の異なる複数の振動体と、各前記振動体にそれぞれ設けられた振動検出素子と、を有する振動検出部を備える。
回転機械の外面では、動翼列群に起因する振動は伝達されにくく、振動レベルは小さい。本態様では、当該振動レベルが小さい場合であっても、動翼列群に起因する振動が、いずれかの振動体の固有振動数であれば、回転機械の外面の振動体によって振動を検出することができる。即ち、振動体が共振することで増幅された振動を振動検出素子で検出することで、間接的に動翼列群の振動を監視することができる。
さらに、本態様では固有振動数の異なる複数の振動体を有しているため、動翼列群の複数の振動モードの振動を検出することができる。
上記翼振動監視装置では、各前記振動体の固有振動数は、基準回転数における前記動翼列群の複数の振動モードの固有振動数にそれぞれ対応しており、対応する前記振動モードの固有振動数から所定の値だけ異なっていることが好ましい。
動翼に異常が生じれば、動翼列群全体の複数の振動モードのうち少なくともいずれかの固有振動数が変化する。本態様では、動翼列群の特定の振動モードの固有振動数が通常時から所定の値だけ変化した際には、当該振動モードに対応する振動体が共振作用によって大きく振動することになる。当該振動を検出することで、間接的に動翼列群の異常振動を検出することができる。なお、各振動体の固有振動数は、異常時における動翼列群の各モードの固有振動数に一致していることが好ましい。
上記翼振動監視装置では、各前記振動体の固有振動数は、対応する前記振動モードの固有振動数から所定の値だけ低くてもよい。
動翼に異常が生じた場合には、通常、動翼列群全体としての固有振動数は低下する。そのため、動翼列群の各振動モードに対応する振動体の固有振動数を、当該振動モードの固有振動数よりも小さく設定しておくことで、動翼の異常を精度高く検出することができる。
上記翼振動監視装置では、前記基準回転数は、前記回転機械の定格回転数であることが好ましい。
これにより回転機械が定格回転数で運転している際の動翼の異常を容易に検出することができる。
上記翼振動監視装置では、前記振動体は、可撓性を有するとともに、一端が前記回転機械の外面に固定された固定端とされ他端が自由端とされた片持ち梁であることが好ましい。
これにより、回転機械の外面に伝達される動翼列群の振動に基づいて振動体が振られ易くなるため、動翼列群の振動を容易に検出することができる。
上記翼振動監視装置では、前記回転機械の外面は、前記軸受台の外面であることが好ましい。
回転機械の外面の中でも、軸受台の外面は動翼列群の振動が比較的伝達され易い。そのため、軸受台に伝達される振動を振動体で増幅することで、より精度高く動翼列群の振動を検出することができる。
上記翼振動監視装置では、前記振動検出素子は、前記振動体の振動に応じて電荷信号を出力する加速度センサであって、前記加速度センサから入力された前記電荷信号を電圧信号に変換して出力するチャージアンプと、前記チャージアンプから入力される前記電圧信号が予め定めた閾値を超えたか否かを判定する判定部、及び、該判定部の判定結果に基づいて警報を出力する警報部を有する翼振動監視装置本体と、をさらに備えていてもよい。
チャージアンプを介して出力される電圧信号にもとづいて判定部が閾値を超えたか否かを判定することで、動翼に異常が生じたか否かを検知できる。そして、閾値を超えた場合には警報が出力されるため、管理者が翼の異常を容易に把握することができる。
上記翼振動監視装置では、前記振動検出素子は、前記振動体の振動に応じて発電することで電気信号を出力する振動発電素子であって、前記振動発電素子から入力される電気信号を電力として警報を発する警報装置をさらに備えていてもよい。
この場合、チャージアンプが不要になるため、当該チャージアンプに常時通電しておく必要はない。また、振動発電素子からの電気信号を電力として警報が発されるため、最低限の給電状態で動翼の異常を監視することができる。
本発明の第二態様に係る回転機械システムは、前記回転機械と、上記いずれかの翼振動監視装置と、を備える。
本発明の翼振動監視装置及び回転機械システムによれば、動翼列群の振動を容易に監視することができる。
第一実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)の模式的な縦断面図である。 第一実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)の翼振動監視装置の模式的な平面図である。 第一実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)の軸受台付近の斜視図である。 第一実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)のキャンベル線図である。 第一実施形態に翼振動監視装置における翼振動監視装置本体のハードウェア構成を示す図である。 第一実施形態に係る翼振動監視装置における翼振動監視装置本体の機能ブロック図である。 第二実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)の翼振動監視装置の模式的な平面図である。
以下、本発明の実施形態に係る蒸気タービンシステム(回転機械システム)について図1〜図6を参照して説明する。
図1に示すように、蒸気タービンシステム1は、蒸気タービン2(回転機械)及び翼振動監視装置30を備える。
蒸気タービン2は、蒸気のエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。蒸気タービン2は、ロータ3、スラスト軸受8、ジャーナル軸受9(軸受)、軸受台15、ステータ20を備えている。
ロータ3は、回転軸4と動翼列群5とを備えている。
回転軸4は、水平方向に沿う軸線Oを中心として延びる円柱形状をなしている。回転軸4の一部には、スラストカラー4aが形成されている。スラストカラー4aは、軸線Oを中心として円板形状をなしており、フランジ状をなすように回転軸4の本体から回転軸4の径方向外側に一体的に張り出している。
動翼列群5は、回転軸4の外周に軸線O方向に間隔をあけて設けられた複数の動翼列6によって構成されている。各動翼列6は、回転軸4の外周面から径方向外側に向かって延びる動翼7が周方向に間隔をあけて複数配列されることで構成されている。即ち、各動翼列6は、回転軸4の同一の軸線O方向位置に放射状に設けられた複数の動翼7によって構成されている。
スラスト軸受8は、スラストカラー4aを軸線O方向両側から摺動可能に支持している。これによって、回転軸4の軸線O方向の移動を規制している。
ジャーナル軸受9は、回転軸4の両端側で該回転軸4を軸線O回りに回転可能に下方から支持するように一対が設けられている。ジャーナル軸受9は、軸受本体10及び軸受ハウジング11を有する。軸受本体10は、回転軸4の外周面を、油膜を介して摺動可能に支持する軸受パッドを有する。該軸受パッドを揺動可能に外周側から支持するピボット等を有する。軸受ハウジング11は、回転軸4を外周側から囲うとともに、内周側に上記軸受本体10を支持している。軸受ハウジング11は、内周面にピボットが固定されており、該ピボットを介して軸受パッドを支持している。なお、軸受ハウジング11の内側にガイドリング等の他の部材があってもよい。
軸受台15は、一対のジャーナル軸受9を下方から支持するように一対が設けられている。これら軸受台15は、それぞれ対応するジャーナル軸受9の下半部を支持している。
一対の軸受台15のうちの一方の軸受台15(図1における右側の軸受台15)は、詳しくは図2に示すように、蒸気タービン2の側方に延びる上面16を有している。上面16のさらに側方には、該上面16に接続されるとともに下方に延びる側面17が形成されている。また、上面16及び側面17の軸線O方向両側には、軸線O方向を向く一対の端面18が形成されている。
ステータ20は、ケーシング21及び静翼列群22を備えている。
ケーシング21は、ロータ3の一部と外周側から囲うように設けられている。ロータ3の回転軸4は、ケーシング21を軸線O方向に貫通している。回転軸4の両端は、ケーシング21外に位置しており、該ケーシング21の外側でスラスト軸受8及びジャーナル軸受9に支持されている。ロータ3の動翼列群5は、ケーシング21の内側に配置されている。
静翼列群22は、ケーシング21の内周に軸線O方向に間隔をあけて設けられた複数の静翼列23によって構成されている。各静翼列23は、ケーシング21の内周面から径方向内側に向かって延びる静翼24が周方向に間隔をあけて複数配列されることで構成されている。即ち、各静翼列23は、回転軸4の同一の軸線O方向位置に放射状に設けられた複数の静翼24によって構成されている。静翼列23は、ロータ3の動翼列6と軸線O方向に交互に配置されている。
このような蒸気タービン2では、ケーシング21内に導入される蒸気が静翼列23及び動翼列6の間の流路を通過する。この際、蒸気が動翼7を回転させることで該動翼7に伴って回転軸4が回転し、該回転軸4に接続された発電機等の機械に動力(回転エネルギー)が伝達される。
次に翼振動監視装置30について説明する。
翼振動監視装置30は、図2に示すように、振動検出部40、チャージアンプ50及び翼振動監視装置本体60を備えている。
振動検出部40は、蒸気タービン2の動翼列群5の振動を検出する。振動検出部40は、図2及び図3に示すように、複数(本実施形態では3つ)の振動体41と、これら振動体41にそれぞれ設けられた加速度センサ42(振動検出素子)とを有している。
各振動体41は、金属や樹脂等の可撓性なす材料から形成されており、それぞれ水平方向に延びる矩形板状をなしている。これら振動体41は蒸気タービン2の外面に固定されている。本実施形態では、各振動体41は蒸気タービン2の外面として軸受台15の外面に固定されている。各振動体41の一端は軸受台15における上面16と側面17との稜線に固定されている。振動体41は、該一端から蒸気タービン2の側方に向かって延びている。振動体41の他端は、他の構造物に固定されていない。したがって、振動体41の一端は固定端とされ、他端は自由端とされている。即ち、振動体41は一端を基端とした片持ち梁とされている。そのため振動体41は、一端を支点として他端が上下方向に揺動可能とされている。これら振動体41は、軸線O方向に互いに間隔をあけて複数が配列されている。
上記複数の振動体41は、例えば一次モードの固有振動数が互いに異なる値に設定されている。本実施形態の振動体41は、軸線O方向の寸法(振動体41の延在方向に直交する水平方向の寸法、即ち、振動体41の幅方向の寸法)は互いに同一とされており、延在方向の寸法が互いに異なる。これにより、各振動体41は、互いに異なる固有振動数に設定されている。振動体41は、延在方向の寸法が大きい程、固有振動数が小さい。振動体41は、軸線O方向一方側(図2の右側)に位置するもの程、延在方向の寸法が大きい。
なお、これら振動体41が接続された軸受台15は剛性が高いため、各振動体41の振動を互いに伝達することはない。
本実施形態では、各振動体41の固有振動数は、図4に示す蒸気タービン2の動翼列群5のキャンベル線図に基づいて定められている。図4の横軸は蒸気タービン2の回転数(rpm)、縦軸は振動数(Hz)を示している。また、斜軸は回転次数を示しており、傾きの大きい斜軸ほど回転次数が大きい。
図4における横軸方向に延びる実線のラインは、いずれの動翼7にも異常・損傷が発生していない正常時における動翼列群5の固有振動数を示す。また、複数の実線のラインは、動翼列群5におけるそれぞれ互いに異なる振動モードの固有振動数を示している。ここでは最も下の実線のラインが正常時における動翼列群5の一次モードの固有振動数、中央の実線ラインが正常時における動翼列群5の二次モードの固有振動数、最も上の実線のラインが正常時における動翼列群5の三次モードの固有振動数を示している。これら動翼列群5の固有振動数は、回転数に応じて変化する。このような正常時における動翼列群5の各モードの固有振動数は、実機での運転時の測定や運転実績を踏まえた経験則、シミュレーション等によって予め把握される。
さらに、図4における横軸方向に延びる破線のラインは、いずれかの動翼7に異常・損傷が発生した異常時における動翼列群5の固有振動数を示す。例えば最も下の破線のラインが異常時における動翼列群5の一次モードの固有振動数、中央の破線のラインが異常時における動翼列群5の二次モードの固有振動数、最も上の破線のラインが異常時における動翼列群5の三次モードの固有振動数を示している。このような異常時における動翼列群5の各モードの固有振動数は、想定される異常・損傷を踏まえたシミュレーションや、これまでの実機での実績を踏まえた経験則によって予め把握されている。
動翼7に異常・損傷が起きた場合には、各動翼列6の剛性が低下する傾向があり、そのため動翼列群5全体としての固有振動数は低下する。そのため、一次モード、二次モード、三次モードのいずれであっても、正常時より異常時の方が固有振動数は小さくなる。その結果として、図4では、各振動モードで、正常時のラインよりも異常時のラインの方が下に位置しており、即ち、振動数が低下している。
ここで、蒸気タービン2が定格回転数(基準回転数)で運転している場合の正常時における動翼列群5の固有振動数をf(一次モード)、f(二次モード)、f(三次モード)とする。また、蒸気タービン2が定格回転数で運転している場合の異常時における動翼列群5の固有振動数をf(一次モード)、f(二次モード)、f(三次モード)とする。固有振動数f、f、fは、対応する振動モードの固有振動数f、f、fよりも所定の値だけ小さな値とされている。
これを踏まえて、本実施形態では3つの振動体41の固有振動数は、互いに異なる値であるf、f、f(f>f>f)に設定されている。即ち、各振動体41の固有振動数は、定格回転数における動翼列群5の複数の振動モードのいずれかの固有振動数に対応しており、該対応する振動モードの固有振動数を基準として定められている。より詳細には、各振動体41の固有振動数は、動翼列群5における対応する振動モードの固有振動数から所定の値だけ低く設定されている。即ち、各振動体41の固有振動数は、異常時の動翼列群5の各振動モードの固有振動数の値に設定されている。
加速度センサ42は、複数の振動体41に対応して複数(本実施形態では3つ)が設けられている。加速度センサ42は、振動体41の自由端側の部分における上面に設けられている。加速度センサ42は、振動体41の延在方向の中央よりも自由端側の部分に位置されていることが好ましい。加速度センサ42は、上下方向の振動を検出する。より詳細には、加速度センサ42の感度軸は振動体41の上面に直交する方向に一致している。そのため、振動体41が固定端を支点として上下に振動すると、加速度センサ42によって当該振動が検出される。
加速度センサ42としては、例えば圧電式センサが採用されている。当該圧電式センサは圧電効果を利用したものである。圧電式センサに加速度が作用すると、その際の応力に基づいて電荷が発生する。このように発生した電荷が加速度センサ42の出力となる。いずれかの振動体41が振動すれば、当該振動体41に設けられた加速度センサ42によって当該振動が加速度として検出され、当該加速度に基づく電荷信号が出力される。
チャージアンプ50は、加速度センサ42に接続されており、当該加速度センサ42の出力である電荷信号が入力される。チャージアンプ50は外部電源に接続されている。チャージアンプ50は外部電源から供給される電力に基づいて、加速度センサ42から入力される電荷信号を電圧信号に変換して出力する。チャージアンプ50は、複数の加速度センサ42に応じたチャンネル数をもっており、複数の加速度センサ42の電荷信号を別々に電圧信号に変換して出力できる構成であってもよい。
翼振動監視装置本体60は、図5に示すように、CPU61(Central Processing Unit)、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、HDD64(Hard Disk Drive)、信号受信モジュール65を備えるコンピュータである。信号受信モジュール65は、チャージアンプ50からの電圧信号を受信する。
図6に示すように、翼振動監視装置本体60のCPU61は予め自装置で記憶するプログラムを実行することにより、制御部71、判定部72、警報部73の各構成を備える。
制御部71は解析装置に備わる他の機能部を制御する。
判定部72は、信号受信モジュール65で受信した電圧信号が、予め定めた閾値を超えたか否かを判定する。判定部72は、例えば電圧信号の値が予め定めた閾値を超えたか否かを判定してもよいし、電圧信号の一定期間の平均値が予め定めた閾値を超えたか否かを判定してもよい。電圧信号が閾値を超えていれば、振動検出部40のいずれかの振動体41が、異常時の振動レベルで振動していることになる。また、判定部72は、チャージアンプ50の異なるチャンネルから出力される電圧信号について、別々に閾値を超えたか否かを判定してもよい。この際の閾値を互いに異なるものとしてもよい。
警報部73は、判定部72の判定結果に基づいて警報を出力する。即ち、警報部73は、電圧信号が閾値を超えたと判定部72が判定した場合には、警報を出力する処理を行う。警報部73は、警報情報をモニタに表示する処理を行ってもよいし、警報としてのアラームを鳴らす処理を行ってもよい。
次に本実施形態の蒸気タービンシステム1の作用効果について説明する。
蒸気タービンシステム1の各動翼7に異常・損傷等が発生していない正常時であれば、動翼列群5の振動が回転軸4、ジャーナル軸受9を介して軸受台15に伝達されても振動検出部40の振動体41は共振することないため、警報が出力されることはない。
一方で、各動翼7のいずれかに異常・損傷等が発生した場合には、動翼列群5の複数の振動モードの固有振動数のうち、少なくとも一つが低下することになる。即ち、動翼列群5の複数の振動モードのいずれかで、卓越する振動数が低下する。例えば、動翼列群5の一次モードの振動数がfから低下してfに達すると、複数の振動体41のうちの固有振動数fの振動体41が共振することになる。即ち、動翼列群5の振動が振動体41に伝達されるまでに減衰されようとも、共振作用によって固有振動数fの振動体41が共振する。動翼列群5の二次モード、三次モードの振動数がf、f低下した場合も同様に、共振作用によって固有振動数f、fの振動体41が共振する。
そして、当該振動体41の共振による振動は、加速度センサ42によって検出され、当該振動の加速度に基づく電荷信号がチャージアンプ50に出力される。次いで、チャージアンプ50は入力された電荷信号を電圧信号に変換して翼振動監視装置本体60に出力する。翼振動監視装置本体60では、電圧信号が閾値を超えたか否かを判定し、超えたと判定された場合にのみ警報部73が警報を発する。これによって、管理者は、いずれかの動翼7に異常・損傷が発生したことを認識することができる。
以上のように本実施形態によれば、動翼列群5の振動を容易に検出・監視することができる。
即ち、蒸気タービン2の外面では、動翼列群5に起因する振動は伝達されにくく、振動レベルは小さい。本実施形態では、当該振動レベルが小さい場合であっても、蒸気タービン2の外面の振動体41によって振動を増幅することができる。そして、増幅された振動を加速度センサ42で検出することで、間接的に動翼列群5の振動を監視することができる。また、振動が増幅されることにより、それほど高感度の加速度センサ42でなくても、動翼列群5の信号を監視することができる。
さらに、本実施形態では固有振動数の異なる複数の振動体41を有しているため、動翼列群5の複数の振動モードの振動を別々に検出することができる。そのため、異常が生じた振動モードに基づいて、動翼列群5におけるいずれの動翼7で異常・損傷が生じているかの推定を行うこともできる。
上述したように動翼7に異常・損傷が生じれば、動翼列群5全体としての各振動モードの固有振動数が変化する。本実施形態では、動翼列群5の特定の振動モードの固有振動数が通常時から所定の値だけ変化した際には、当該振動モードに対応する振動体41が共振作用によって大きく振動することになる。そして、当該振動を検出することで、間接的に動翼列群5の振動を監視することができる。
また、動翼7に異常が生じた場合には、通常、動翼列群5全体としての固有振動数は低下する。そのため、本実施形態のように、動翼列群5の各振動モードに対応する振動体41の固有振動数を、動翼列群5における対応する振動モードの固有振動数よりも小さく設定しておくことで、より具体的には異常時の動翼列群5における各振動モードの固有振動数に設定しておくことで、動翼の異常を精度高く検出することができる。
さらに、各振動体41の固有振動数は、定格運転時の動翼列群5の固有振動数を基準に定められているため、定格運転時での動翼7の異常を容易に検出することができる。
また、振動体41は、可撓性を有するとともに、一端が蒸気タービン2の外面に固定された固定端とされ他端が自由端とされた片持ち梁であるため、蒸気タービン2の外面に伝達される振動を容易に増幅することができる。
さらに、本実施形態では、回転機械の外面の中でも動翼列群5の振動が比較的伝達され易い軸受台15の外面に振動体41が設けられている。そのため、より精度高く動翼列群5の振動を検出することができる。
次に本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態の翼振動監視装置80は、振動検出部90及び警報装置100を備える。
振動検出部90は、第一実施形態と同様の複数の振動体41と、振動発電素子92(振動検出素子)とを有している。
振動発電素子92は、振動体41における第一実施形態の加速度センサ42と同様の箇所に設けられている。振動発電素子92は、振動による振動面に発生する圧力を、圧電素子等を用いて電力に変換して出力する素子である。振動発電素子92は、振動体41が共振作用により振動する際に同様に振動することで発電し、電気信号を出力する。電気信号の大きさは、振動レベルに応じた値とされる。
警報装置100は、振動発電素子92から出力される電気信号を電力として駆動される。警報装置100は、振動発電素子92から出力される電気信号の大きさが閾値を超えた際に、アラーム音、アラーム表示等の警報を発する。
第二実施形態の翼振動監視装置80も第一実施形態同様、動翼7に異常・損傷が発生した際にはいずれかの振動体41が共振する。この際、振動体41に設けられた振動発電素子92が振動レベルに応じた電気信号を出力する。そして当該電気信号を電力として警報が発される構成とすることで、容易に動翼列群5の異常振動を検知することができる。
さらに、第一実施形態と異なり。チャージアンプ50が不要になるため、当該チャージアンプ50に常時通電しておく必要はない。また、警報装置100では振動発電素子92からの電気信号を電力として警報が発されるため、最低限の給電状態で動翼7の異常を監視することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
実施形態では振動検出部40,90を軸受台15の外面に設けた例について説明したが、これに限定されることはなく、例えばケーシング21の外面、ジャーナル軸受9の外面等、蒸気タービン2の他の外面に設けてもよい。これによっても、当該外面が動翼列群5の振動が伝達される箇所ならば、実施形態同様、動翼7を監視することができる。
また、実施形態では、振動体41の固有振動数を定格回転数の動翼列群5の振動モードを基準に設定した。しかしながらこれに限定されることはなく。ターゲットとする他の回転数を基準回転数として振動体41の固有振動数を設定してもよい。この場合は、ターゲットとする回転数における動翼7の異常を検出することができる。
実施形態では、振動体41の固有振動数を対応する振動モードの固有振動数よりも小さく設定したが、大きく設定してもよい。動翼7の異常・損傷パターンによっては、動翼列群5の固有振動数が増大する場合がある。このような場合には、振動体41の固有振動数を対応する振動モードよりも大きくすることで、異常・損傷を容易に検出することができる。
振動体41の形状は板状に限られることはなく、他の形状、例えばスプリングコイル状をなしていてもよい。
振動体41は3つに限られず、二次モードまで対応するように2つであってもよいし、例えば四次モード以上に対応するように4つ以上であってもよい。この場合であっても各振動体41の固有振動数は、異常時の動翼列群5の各振動モードの固有振動数の値に設定される。
例えば各振動体41の材質を異ならせることで、互いに固有振動数を異なるものとしてもよい。
実施形態では本発明を蒸気タービン2に適用した例について説明したが、例えばガスタービン等の他の回転機械に適用してもよい。
1 蒸気タービンシステム
2 蒸気タービン
3 ロータ
4 回転軸
5 動翼列群
6 動翼列
7 動翼
8 スラスト軸受
9 ジャーナル軸受
10 軸受本体
11 軸受ハウジング
15 軸受台
16 上面
17 側面
18 端面
20 ステータ
21 ケーシング
22 静翼列群
23 静翼列
24 静翼
30 翼振動監視装置
40 振動検出部
41 振動体
42 加速度センサ(振動検出素子)
50 チャージアンプ
60 翼振動監視装置本体
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 HDD
65 信号受信モジュール
71 制御部
72 判定部
73 警報部
80 翼振動監視装置
90 振動検出部
92 振動発電素子(振動検出素子)
100 警報装置

Claims (9)

  1. 軸線回りに回転する回転軸の外周に前記軸線方向に間隔をあけて設けられた複数の動翼列からなる動翼列群を有するロータ、前記回転軸を前記軸線回りに回転可能に支持する軸受、該軸受を支持する軸受台、及び、前記ロータを囲うステータを有する回転機械の翼振動監視装置であって、
    前記回転機械の外面に接続された互いに固有振動数の異なる複数の振動体と、
    各前記振動体にそれぞれ設けられた振動検出素子と、
    を有する振動検出部を備える翼振動監視装置。
  2. 各前記振動体の固有振動数は、基準回転数における前記動翼列群の複数の振動モードの固有振動数にそれぞれ対応しており、対応する前記振動モードの固有振動数から所定の値だけ異なっている請求項1に記載の翼振動監視装置。
  3. 各前記振動体の固有振動数は、対応する前記振動モードの固有振動数から所定の値だけ低い請求項2に記載の翼振動監視装置。
  4. 前記基準回転数は、前記回転機械の定格回転数である請求項2又は3に記載の翼振動監視装置。
  5. 前記振動体は、可撓性を有するとともに、一端が前記回転機械の外面に固定された固定端とされ他端が自由端とされた片持ち梁である請求項1から4のいずれか一項に記載の翼振動監視装置。
  6. 前記回転機械の外面は、前記軸受台の外面である請求項1から5のいずれか一項に記載の翼振動監視装置。
  7. 前記振動検出素子は、前記振動体の振動に応じて電荷信号を出力する加速度センサであって、
    前記加速度センサから入力された前記電荷信号を電圧信号に変換して出力するチャージアンプと、
    前記チャージアンプから入力される前記電圧信号が予め定めた閾値を超えたか否かを判定する判定部、及び、該判定部の判定結果に基づいて警報を出力する警報部を有する翼振動監視装置本体と、
    をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の翼振動監視装置。
  8. 前記振動検出素子は、前記振動体の振動に応じて発電することで電気信号を出力する振動発電素子であって、
    前記振動発電素子から入力される前記電気信号を電力として警報を発する警報装置をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の翼振動監視装置。
  9. 前記回転機械と、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の翼振動監視装置と、
    を備える回転機械システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110884681A (zh) * 2019-12-04 2020-03-17 中国直升机设计研究所 一种无轴承旋翼尾桨柔性梁静力试验载荷表征和调试方法
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