JP2018141231A - 銅合金からなる摺動部材 - Google Patents

銅合金からなる摺動部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018141231A
JP2018141231A JP2018003098A JP2018003098A JP2018141231A JP 2018141231 A JP2018141231 A JP 2018141231A JP 2018003098 A JP2018003098 A JP 2018003098A JP 2018003098 A JP2018003098 A JP 2018003098A JP 2018141231 A JP2018141231 A JP 2018141231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
content
sliding member
member according
weight
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018003098A
Other languages
English (en)
Inventor
アチーム カーン ハンス
Kuhn Hans-Achim
アチーム カーン ハンス
シーガー ジョーグ
Joerg Seeger
シーガー ジョーグ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wieland Werke AG
Original Assignee
Wieland Werke AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wieland Werke AG filed Critical Wieland Werke AG
Publication of JP2018141231A publication Critical patent/JP2018141231A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C9/00Alloys based on copper
    • C22C9/06Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/08Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of copper or alloys based thereon
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/02Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for radial load only
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/12Structural composition; Use of special materials or surface treatments, e.g. for rust-proofing
    • F16C33/121Use of special materials
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2204/00Metallic materials; Alloys
    • F16C2204/10Alloys based on copper
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C9/00Bearings for crankshafts or connecting-rods; Attachment of connecting-rods

Abstract

【課題】鋼に対する摩擦による摩耗に対して耐久性のある摺動部材を提供する。【解決手段】本発明は、(重量%で)以下の成分:Ni 2.0から3.0%まで、Si 0.45から1.0%まで、Tiおよび/またはCr 1.5%まで(このとき、Ni含有量[Ni]とTi含有量[Ti]の合計は、[Ni]+[Ti]≧0.2%である)、選択的に、Co 0.05から1.5%まで、選択的に、Mg、Al、Feそれぞれ0.05から0.1%まで、選択的に、Pb 0.01から0.1%まで、選択的に、P 0.002から0.01%まで、残部Cuおよび不可避な不純物を含有し、Ni含有量[Ni]、Ti含有量[Ti]およびCr含有量[Cr]の合計の、Si含有量[Si]に対する比が、4.3≦([Ni]+[Ti]+[Cr])/[Si]≦6.5である、銅合金からなる摺動部材に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、請求項1の前提部に記載の銅合金からなる摺動部材に関するものである。
銅合金からなる摺動部材は、例えば内燃機関において、コネクティングロッドまたはクランクシャフトのベアリングアイに使用される。摺動部材の材料に対する技術的な要求は、最新式エンジンの開発に伴って大きくなっている。それに加えて、法的規制により、材料中の鉛含有量を最小限まで削減することが求められている。同時に、摺動部材のコスト削減という圧力は増している。
公知の摺動部材用銅‐亜鉛‐合金は、CuZn31Si1である。この合金には、材料の機械加工性を改善するために、0.8重量%までの鉛が混ざっていてもよい。この合金中の銅割合が高いことにより、摺動部材が高価になる。さらに、この合金では耐摩耗性構造成分の接触領域が小さすぎるので、将来的に、最新式エンジン内にかかる負荷には耐えられない。
特許文献1から、電気および電子部品に使用するための、強度および成形性に優れた銅合金が公知である。この銅合金は、ニッケル(Ni)1.5重量%から4.5重量%および珪素(Si)0.3重量%から1.0重量%を有する。それに加えて、場合により、スズ(Sn)0.01重量%から1.3重量%およびマグネシウム(Mg)0.005重量%から0.2重量%の一方または両方、亜鉛(Zn)0.01重量%から5重量%、マンガン(Mn)0.01重量%から0.5重量%およびクロム(Cr)0.001重量%から0.1重量%の一方または両方、それぞれ0.0001重量%から0.1重量%の量のB、C、P、S、Ca、V、Ga、Ge、Nb、Mo、Hf、Ta、BiおよびPbからなる第1の元素群から選ばれた少なくとも1つの構成成分を合計で0.1重量%以下、それぞれ0.001重量%から1重量%の量のBe、Al、Ti、Fe、Co、Zr、Ag、Cd、In、Sb、TeおよびAuからなる第2の元素群から選ばれた少なくとも1つの構成成分を合計で1重量%以下、を有し、第1および第2の元素群の総量は1重量%以下であり、残部は銅および不可避の不純物である。
さらに、特許文献2から、Ni:1.5重量%から3.6重量%、およびSi:0.3重量%から1.0重量%を含有し、残部が銅および不可避の不純物からなる銅合金が公知である。それに加えて、この銅合金は、選択的に、Fe、Mn、Mg、Co、Ti、CrおよびZrからなる群から選ばれた1つ以上の元素を合計0.01重量%から3.0重量%含有してもよい。
前記銅合金は、5μmから30μmの平均結晶粒径を持つ結晶粒を有する。平均結晶粒径の二倍以上の結晶粒の面積率は3%以上であり、平均結晶粒径の二倍以上の結晶粒径を有する結晶粒範囲へ立方晶系方位を有する結晶粒の面積率は50%以上である。
さらに、特許文献3からは、電子分野に使用するための、降伏点と導電率の組み合わせを改善した銅系合金が公知である。この銅合金は、主に、Ni1.0重量%から6.0重量%、Coおよそ3.0重量%まで、Si0.5重量%から2.0重量%、Mg0.01重量%から0.5重量%、Cr1.0重量%まで、Sn1.0重量%まで、およびMn1.0重量%までからなり、残部は銅および不純物である。この合金は、少なくともおよそ945MPaの降伏点と、少なくともおよそ25%IACSの導電率を有するように処理されている。
欧州特許出願公開第2128282号明細書 欧州特許出願公開第2463393号明細書 国際公開第2009/082695号パンフレット
本発明の課題は、鋼に対する摩擦による摩耗に対して耐久性のある摺動部材を提供し、それに加えて、銅合金を発展させることである。
本発明は、請求項1の特徴部により記載されている。その他の従属請求項は、本発明の好適な実施態様に関するものである。
本発明は、(重量%で)以下の成分:
Ni 2.0から3.0%まで、
Si 0.45から1.0%まで、
Tiおよび/またはCr 1.5%まで(このとき、Ni含有量[Ni]とTi含有量[Ti]の合計は、[Ni]+[Ti]≧0.2%である)、
選択的に、Co 0.05から1.5%まで、
選択的に、Mg、Al、Feそれぞれ0.05から0.1%まで、
選択的に、Pb 0.01から0.1%まで、
選択的に、P 0.002から0.01%まで、
残部Cuおよび不可避な不純物
を含有し、
Ni含有量[Ni]、Ti含有量[Ti]およびCr含有量[Cr]の合計の、Si含有量[Si]に対する比が、
4.3≦([Ni]+[Ti]+[Cr])/[Si]≦6.5
である銅合金からなる摺動部材を包含する。
有利には、前記銅合金が、少なくとも0.2重量%のTi含有量および/またはCr含有量を含有している。
本発明による摺動部材の合金は硬質相を含有し、これは、合金マトリックス中に埋まっている。このような硬質相が、摩擦組み合わせにおいて実質的な接触領域を生じさせる。粒径により異なる複数の硬質相画分が形成されてもよい。
上記に示した析出物の前記少なくとも1つの画分により、形成された硬質相によって、摩擦組み合わせの面積率の約3%までの接触領域が提供される。5%までの面積率は、依然、特に有利な接触領域を生じる。これにより、摩擦係数もしくは滑り摩擦係数の実質的な減少も生じる。
選択的に投入される元素であるマグネシウム、アルミニウムおよび鉄は、さらに機械的特性もしくは腐食性の影響に対する耐性を改善する。
基本的に、前記合金中の鉛含有量は0.8重量%まであってもよい。法的規制が許すならば、前記合金に、必要な場合はチップブレーカとして鉛を0.25重量%まで添加してもよい。有利には、鉛含有量は、最大0.1重量%である。しかし、特に有利には、合金は不可避の不純物の範囲内の鉛含有量を有する。本発明による摺動部材の機能は、鉛の不在によって損なわれることはない。
選択的に、前記摺動部材用合金に、さらにリン0.08重量%までを添加してよい。リンは、溶融物の脱酸素に役立ち、ニッケルとともにリン化ニッケルを形成し、これが同様に耐摩耗性に貢献する。
摺動部材の特別な形態は、滑り軸受ブッシュである。滑り軸受ブッシュでは、製造方法の違いに基づき、巻きブッシュと、旋盤加工ブッシュに区別される。
巻きブッシュは、本発明による銅合金からなる帯状の半製品から、対応する寸法に合わせた帯部分を中空円筒体に成形して、その突き合わせた帯の端部同士を結合することにより製造される。有利には、帯体鋳造および平板鋳造からの材料を使用する。このとき、帯体鋳造の際の鋳造形状として、比較的薄い帯体が鋳造される。鋳造されたスラブは、前記の薄い鋳造帯体とは異なり、熱間加工される。熱間加工工程からの冷却によって、すでに、Cr、Ti、Si含有粒子を生成することができる。最終強度に関して冷間加工と焼鈍からなる後続の工程に影響を及ぼすように、熱間加工から迅速に冷却する。
旋盤加工ブッシュは、本発明による銅合金からなる棒状または管状の半製品から、機械加工により製造される。半製品を製造するために、ボルト状の鋳造形状が鋳造され、そこから熱間圧縮工程により、圧縮管またはロッドが圧縮成形される。それぞれの圧縮成形品から、一連の延伸工程により半製品が得られ、それから滑り軸受ブッシュが製造される。この製造法のためには、使用する合金は熱間加工性および冷間加工性が良好でなくてはならない。さらに、この合金は機械加工が可能でなくてはならない。
本発明による銅合金から作られた摺動部材の特別な利点は、市場で使用されている代替品に対して摩擦係数が小さいことである。その上、本発明による摺動部材は、良好な耐応力緩和特性と、それに関連した、例えば軸受ブッシュにおける、安定した固定作用(Setzverhalten)(H.-A. Kuhn, M. Knab, R. Koch著:Thermal Stability of Lead-free Wrought Cu-Based Alloys for Automotive Bushings, World of Metallurgy - ERZMETALL 80 (2007), 199)を示す。本発明による摺動部材の同様に高い熱伝導により、材料中の熱誘起応力が生じにくい。全体として、本発明による解決法は、高い熱伝導性、良好な固定作用についての適性、および油で潤滑する際の、特に鋼鉄製の摩擦相手部材との改善された摩擦係数を有する、耐摩耗性で延性のある材料の形をした銅合金からなる摺動部材である。全体として、前記滑り軸受の基礎になっている、硬質相の析出物を有する摩擦学的体系は、摩擦表面の汚れ粒子の埋入を許すことにより、他の好適な特性を有する。耐摩耗性析出物は、摩擦表面の接触領域をかなり増加させる。
好適には、前記比は、5.1≦([Ni]+[Ti]+[Cr])/[Si]≦6.2であってよい。前記の範囲に含まれる元素比率では、合金マトリックス中に、硬質相の分布が生じ、摩擦組み合わせにおけるその接触領域によって、摩耗傾向が特に小さくなる。ここでは、粒子数および大きさは、特に有利な範囲にある。
本発明の有利な形態では、Ni2.3から2.7%、および/またはSi0.45から0.65%が含有されていてもよい。元素であるニッケルと珪素のこの選択された範囲は、その他の元素であるチタンもしくはクロムとともに、粒径および分布に関し、特に適切な選択肢の1つを表す。
本発明の有利な実施態様では、析出物の画分が少なくとも1つ存在してよく、少なくとも1.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子5,000から20,000個の密度を有する。前記析出物は、化学量論的組成を有する円形または楕円形に伸びた粒子、ならびに、化学量論的ではないCr−Ni−Si、TiSiまたはCr−Si系の析出物であってよい。さらに、前記析出物は、化学量論的組成を有する円形または楕円形に伸びた粒子、ならびに、化学量論的ではないTi−Ni−Si系の析出物であってよい。ここで、Ni含有量は、好適には、Ti含有量と同じかそれより多くてよい。むしろ角張った、もしくは角のある外観を有する丸くない粒子が、同様に合金マトリックス中に埋め込まれていてもよい。
この形態では、本発明による摺動部材の合金は、複数の析出物集団を含有していてもよい。例えば、比較的小さい析出物を有する第1集団および少なくとも比較的大きな析出物を有する第2集団からなる。大きな析出物は、特に耐摩耗性のある接触領域として作用する。組織内におけるその体積率は、比較的少なくてよく、1から2%の間であってよい。前記第2集団の密度が小さいので、これらの間には比較的大きな空間が残る。これらの空間は、小さい析出物を有する前記第1集団により安定化する。第1集団が、前記空間のマトリックスを安定化させるので、第2集団の大きな析出物の突出が防止される。
前記析出物は、合金マトリックスに埋め込まれた硬質相であり、これは、摩擦組み合わせにおける実質的な接触領域を生じることができる。
別の好適な実施態様では、析出物の画分が少なくとも1つ存在してよく、少なくとも1.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子10,000から20,000個の密度を有する。好ましい滑り特性を決定する硬質相割合は、高い粒子密度により保証されている。
好適には、析出物の画分が少なくとも1つ存在してよく、少なくとも1.0μmおよび大きくとも3.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子10,000から18,000個の密度を有する。ここでは、前記析出物の決定的な部分は、1.0μmから3.0μmの大きさの範囲にある。さらに大きい析出物は、このときむしろ散発的に現れる。
本発明の有利な形態では、前記析出物は、Crおよび/またはTi含有珪化物であってよい。前記析出物は、組成(Cr、Ni)Si、(Cr、Ni)Si、CrSiを有する円形または楕円形に伸びた粒子、ならびに、化学量論的ではないCr−Ni−SiまたはCr−Si系の析出物であってよい。さらに、前記析出物は、組成(Ti、Ni)Si、(Ti、Ni)Si、TiSiを有する円形または楕円形に伸びた粒子、ならびに、化学量論的ではないTi−Ni−Si系の析出物であってよい。ここで、Ni含有量は、好適には、Ti含有量と同じかそれより多くてよい。
本発明の有利な実施態様では、Ti含有量および/またはCr含有量は、多くとも1.0重量%であってよい。別の好適な実施態様では、Ti含有量および/またはCr含有量は、少なくとも0.45重量%および多くとも0.95重量%であってよい。これにより、合金マトリックス中に埋まっている硬質相において、摩擦組み合わせにおいて特に有利な接触領域が調整される。その上、これにより、良好な耐応力緩和特性と、それに関連した、材料の良好な固定作用がもたらされる。したがって、高い熱伝導性、良好な固定作用についての適性、および油で潤滑する際の改善された摩擦係数を有する、耐摩耗性で延性のある材料の形をした銅合金からなる摺動部材が提供される。
好適には、300℃から600℃の間の熱処理後の導電率は少なくとも25MS/mであってよい。その上、有利には、最終熱処理は、400℃から500℃の間の温度であってよい。ここでは、熱処理は、最後の最終的な熱工程であってよい。導電率は、熱伝導率と直接関連する。前記の熱処理によって、例えば1から3時間の長さによって、最終的に合金における有利な機械特性が調整される。
本発明の有利な形態では、20℃から300℃の温度範囲での熱膨張率αと、室温における熱伝導率λの比が、α/λ=0.09から0.20μm/Wであってよい。熱伝導率λも、29.5MS/mまでの比較的高い導電率と関連している。この導電率は、Cr不含もしくはTi不含の比較試料の導電率よりかなり上である。
本発明の有利な実施態様では、300℃から600℃の最終熱処理後の硬度は、少なくとも150HBW2.5/62.5であってよい。その上、有利には、最終熱処理は、400℃から500℃の間の温度であってよい。
本発明を、実施例に基づいて詳細に説明する。
様々な摺動部材用銅合金試料を精錬し、鋳造型を鋳造した。鋳物表面を削り取った後、試料の厚さdは約20mmであった。引き続き、圧延機で8mmに熱間圧延工程を行ない、その後、水を用いて急冷した。その次に、冷間圧延を用いて、2mmに圧延した。300℃から600℃の温度で約2時間、最終的な時効処理を行なった。表1は、450℃で時効処理したそれぞれの試料の組成を例として示している。
表1:合金種類の組成[重量%]
Figure 2018141231
試料No.1および4は、本発明による滑り軸受に対する適性について特に有利な性質を有している。
摺動部材、特にブッシュは、エンジン運転中、熱誘起応力もしくは変形に晒されている。このような熱誘起変形は、平均熱膨張係数αと熱伝導率λとの材料特有の比に依存する。比較的小さい熱膨張係数αと著しく高い熱伝導率λ(表2中の記載は室温RTに関する)のために、特に表2に挙げられた試料1および4の低合金銅材料の軸受ブッシュでは、熱誘起変形は好適に少なく現れている。
表2:最終熱処理後の試料No.1および4と他の比較試料の物理特性値
Figure 2018141231
例えば滑り軸受ブッシュは、大抵、それより強度が高いコネクティングロッド材料に挿入されているので、熱誘起変形が付加的な機械的応力の原因となる。したがって、熱誘起変形が少なければ、望ましくない応力緩和に対する耐性にとって有利でもある。ここから、滑り軸受、特にブッシュの、温度依存性および時間依存性の好適な固定作用も生じる。
本発明による摺動部材の耐摩耗性は、適切な実験に基づいて算出され、公知の材料からなる摺動部材の耐摩耗性と関係付けられる。摩耗試験は、特に表2に挙げられた試料1および4では、際立った始動段階を示さない。
ダイヤグラム1:摩擦係数μ(試料No.1および4と比較試料)
Figure 2018141231
試料1および4ならびに比較合金からなる試料のダイヤグラム1に記載の摩擦係数μおよびダイヤグラム2に記載の摩耗率を、連続運転の間、摩擦計で測った。摩擦組み合わせは、合金の平らなディスクと、鋼100Cr6からなる環状部分とからなる。この鋼は、1m/秒の滑り速度で前記銅材料の板上を回転する。摩擦相手部材は、120℃の温度で市販のエンジンオイルで潤滑される。2時間の始動段階の後、5.5時間にわたって、600Nの一定の負荷をかける。このとき、面圧は9N/mmである。
ダイヤグラム2:摩耗(試料No.1および4と比較試料)
Figure 2018141231
現在すでに使用されている銅系合金材料と比べて、本発明による合金は、平均摩擦係数が低いことで優れている。試料1および4の両方とも、スズ‐ニッケル‐青銅、ならびに混合珪化物を有する実証済の鉄含有特殊真鍮よりも、摩耗が著しく少ない。

Claims (12)

  1. (重量%で)以下の成分:
    Ni 2.0から3.0%まで、
    Si 0.45から1.0%まで、
    Tiおよび/またはCr 1.5%まで(このとき、Ni含有量[Ni]とTi含有量[Ti]の合計は、[Ni]+[Ti]≧0.2%である)、
    選択的に、Co 0.05から1.5%まで、
    選択的に、Mg、Al、Feそれぞれ0.05から0.1%まで、
    選択的に、Pb 0.01から0.1%まで、
    選択的に、P 0.002から0.01%まで、
    残部Cuおよび不可避な不純物
    を含有する銅合金からなる摺動部材において、
    Ni含有量[Ni]、Ti含有量[Ti]およびCr含有量[Cr]の合計の、Si含有量[Si]に対する比が、
    4.3≦([Ni]+[Ti]+[Cr])/[Si]≦6.5
    であることを特徴とする、銅合金からなる摺動部材。
  2. 前記比が、
    5.1≦([Ni]+[Ti]+[Cr])/[Si]≦6.2
    であることを特徴とする、請求項1に記載の摺動部材。
  3. Ni 2.3から2.7%まで、および/または
    Si 0.45から0.65%まで
    を特徴とする、請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 析出物の画分が少なくとも1つ存在し、少なくとも1.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子5,000から20,000個の密度を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の摺動部材。
  5. 析出物の画分が少なくとも1つ存在し、少なくとも1.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子10,000から20,000個の密度を有することを特徴とする、請求項4に記載の摺動部材。
  6. 析出物の画分が少なくとも1つ存在し、少なくとも1.0μmかつ大きくとも3.0μmの体積相当球径を有する前記析出物が、1mm当たり粒子10,000から18,000個の密度を有することを特徴とする、請求項5に記載の摺動部材。
  7. 前記析出物が、Cr含有および/またはTi含有珪化物であることを特徴とする、請求項4から6までのいずれか1項に記載の摺動部材。
  8. Ti含有量および/またはCr含有量が、多くとも1.0重量%であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の摺動部材。
  9. Ti含有量および/またはCr含有量が、少なくとも0.45重量%かつ多くとも0.95重量%であることを特徴とする、請求項8に記載の摺動部材。
  10. 300℃から600℃の間の熱処理後の導電率が、少なくとも25MS/mであることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の摺動部材。
  11. 20℃から300℃までの温度範囲の熱膨張係数αと室温における熱伝導率λの比が、
    α/λ=0.09から0.20μm/W
    であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の摺動部材。
  12. 300℃から600℃の間の最終熱処理後の硬度が、少なくとも150HBW2.5/62.5であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の摺動部材。
JP2018003098A 2017-02-25 2018-01-12 銅合金からなる摺動部材 Pending JP2018141231A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102017001846.4 2017-02-25
DE102017001846.4A DE102017001846A1 (de) 2017-02-25 2017-02-25 Gleitelement aus einer Kupferlegierung

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018141231A true JP2018141231A (ja) 2018-09-13

Family

ID=61163467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018003098A Pending JP2018141231A (ja) 2017-02-25 2018-01-12 銅合金からなる摺動部材

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180245184A1 (ja)
EP (1) EP3366793B1 (ja)
JP (1) JP2018141231A (ja)
CN (1) CN108506331B (ja)
DE (1) DE102017001846A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019103550A1 (de) * 2019-02-13 2020-08-13 Minebea Mitsumi Inc. Fluiddynamisches Lagersystem
CN110512115B (zh) * 2019-09-29 2021-08-17 宁波金田铜业(集团)股份有限公司 高强高弹导电铜钛合金棒材及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265731A (ja) * 2005-02-28 2006-10-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 銅合金
JP2007197764A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Mitsubishi Cable Ind Ltd 銅合金トロリ線およびその製造方法
JP2007231364A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Dowa Holdings Co Ltd 曲げ加工性に優れた高強度銅合金板材および製造法
JP2008266787A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 銅合金材およびその製造方法
WO2011068124A1 (ja) * 2009-12-02 2011-06-09 古河電気工業株式会社 銅合金板材
CN102108459A (zh) * 2009-12-23 2011-06-29 沈阳兴工铜业有限公司 高强度镍铬硅铜合金材料及其加工工艺
JP2012046810A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Dowa Metaltech Kk 銅合金板材およびその製造方法
JP2012229467A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Jx Nippon Mining & Metals Corp 電子材料用Cu−Ni−Si系銅合金

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DD291581B5 (de) * 1990-01-22 1994-05-19 Hettstedt Walzwerk Ag Mehrstofflegierung zur Herstellung von Kaltkammerdruckgusskolben
DE4415629C1 (de) 1994-05-04 1995-08-17 Wieland Werke Ag Verwendung einer Kupfer-Nickel-Silizium-Legierung zur Herstellung von Gießkolben für Druckgießmaschinen
US7182823B2 (en) * 2002-07-05 2007-02-27 Olin Corporation Copper alloy containing cobalt, nickel and silicon
CN101166840B (zh) * 2005-02-28 2012-07-18 古河电气工业株式会社 铜合金
DE102005063324B4 (de) 2005-05-13 2008-02-28 Federal-Mogul Wiesbaden Gmbh & Co. Kg Gleitlagerverbundwerkstoff, Verwendung und Herstellungsverfahren
JP4357536B2 (ja) 2007-02-16 2009-11-04 株式会社神戸製鋼所 強度と成形性に優れる電気電子部品用銅合金板
US20090183803A1 (en) 2007-12-21 2009-07-23 Mutschler Ralph A Copper-nickel-silicon alloys
DE102009017362A1 (de) 2009-04-14 2010-10-21 Daimler Ag Mehrschichtgleitlager sowie Kupferbasislegierung
US9845521B2 (en) 2010-12-13 2017-12-19 Kobe Steel, Ltd. Copper alloy
JP2012229465A (ja) * 2011-04-25 2012-11-22 Senju Metal Ind Co Ltd 摺動材料、軸受用合金及び軸受用複層金属材
JP6039999B2 (ja) * 2012-10-31 2016-12-07 Dowaメタルテック株式会社 Cu−Ni−Co−Si系銅合金板材およびその製造法
DE102014207331B4 (de) * 2014-04-16 2017-01-26 Federal-Mogul Wiesbaden Gmbh Bleifreier CuNi2Si-Gleitlagerwerkstoff unter Zugabe eines spanbrechend wirkenden Metalls

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265731A (ja) * 2005-02-28 2006-10-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 銅合金
JP2007197764A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Mitsubishi Cable Ind Ltd 銅合金トロリ線およびその製造方法
JP2007231364A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Dowa Holdings Co Ltd 曲げ加工性に優れた高強度銅合金板材および製造法
JP2008266787A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 銅合金材およびその製造方法
WO2011068124A1 (ja) * 2009-12-02 2011-06-09 古河電気工業株式会社 銅合金板材
CN102108459A (zh) * 2009-12-23 2011-06-29 沈阳兴工铜业有限公司 高强度镍铬硅铜合金材料及其加工工艺
JP2012046810A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Dowa Metaltech Kk 銅合金板材およびその製造方法
JP2012229467A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Jx Nippon Mining & Metals Corp 電子材料用Cu−Ni−Si系銅合金

Also Published As

Publication number Publication date
EP3366793B1 (de) 2020-08-12
US20180245184A1 (en) 2018-08-30
EP3366793A1 (de) 2018-08-29
DE102017001846A1 (de) 2018-08-30
CN108506331A (zh) 2018-09-07
CN108506331B (zh) 2022-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101265391B1 (ko) Pb 프리 구리 합금 슬라이딩 재료 및 미끄럼 베어링
JP5307348B2 (ja) 帯状の複合体およびその使用方法並びにその帯状の複合体からなる複合すべり素子
US10494701B2 (en) Composite material for a sliding bearing
US20090022620A1 (en) Copper-zinc alloy, production method and use
US8580191B2 (en) Brass alloys having superior stress corrosion resistance and manufacturing method thereof
CN102899525B (zh) 一种高强高韧耐磨复杂黄铜及其制造方法
KR20070084467A (ko) 구리-아연 합금의 용도
JP2009535500A (ja) 多成分系銅合金およびその使用方法
CA2635470A1 (en) Copper-zinc alloy, production method and use
KR102623143B1 (ko) 쾌삭성 구리 합금 주물, 및 쾌삭성 구리 합금 주물의 제조 방법
JP6799305B1 (ja) 快削性銅合金鋳物、及び、快削性銅合金鋳物の製造方法
WO2005083137A1 (en) Copper alloy
JP5412530B2 (ja) すべり軸受用アルミニウム合金、すべり軸受及びその製造方法
JP2018141231A (ja) 銅合金からなる摺動部材
JPH04202734A (ja) アルミニウム系軸受合金
JP4889874B2 (ja) 銅−亜鉛−アルミニウム鍛錬材料及びその使用方法
KR20200103709A (ko) 구리-아연 합금
JP6790101B2 (ja) 銅−亜鉛合金からなる摺動部材
WO2016117158A1 (ja) 耐摩耗性銅合金
KR102489980B1 (ko) 알루미늄 합금
KR102546211B1 (ko) 알루미늄 합금
JP6830319B2 (ja) 銅−亜鉛合金、銅−亜鉛合金から成るストリップ状の材料、銅−亜鉛合金から成る半製品を製造するための方法及び銅−亜鉛合金から成るすべり要素
JP2021139365A (ja) バルブガイド
JPH04173935A (ja) 耐摩耗性アルミニウム合金
KR102577574B1 (ko) 특수 황동 합금 및 특수 황동 합금 프로덕트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220502

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221124