JP2018141049A - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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JP2018141049A JP2017035417A JP2017035417A JP2018141049A JP 2018141049 A JP2018141049 A JP 2018141049A JP 2017035417 A JP2017035417 A JP 2017035417A JP 2017035417 A JP2017035417 A JP 2017035417A JP 2018141049 A JP2018141049 A JP 2018141049A
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Kunihiko Kodama
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Abstract

【課題】高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、さらに耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物の提供。
【解決手段】油性媒体と、式(A−2)で例示される特定のラクトン及び/又はラクタムを有する化合物と、を含有する潤滑剤組成物。
Figure 2018141049

【選択図】なし

Description

本発明は潤滑剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、特定の化合物を含有する潤滑剤組成物であって、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても優れた潤滑性を発揮し得る潤滑剤組成物に関する。
潤滑剤は、一般に基油と種々の添加剤を含む。基油としては、原油から得られる鉱物油、化学合成されるエステル系油、フッ素油、ポリαオレフィン系油などがある。これらの中でも、エステル系油は、低流動点、高粘度指数、高引火点、良好な潤滑性、生分解性などから、ジェット機や自動車のエンジン油、グリースなどに好適に用いられる。
エステル系油としては、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、及び複合エステル等の様々なエステル類が知られている。また、このようなエステル系油は基油として用いられるだけではなく、潤滑特性の改善を目的とした添加剤として用いられる場合もある(特許文献1〜8)。
特開2002−097482号公報 特開2005−154726号公報 特開2005−232434号公報 特開2005−213377号公報 特開2005−232470号公報 特表2001−501989号公報 特表2001−500549号公報 特表2001−507334号公報
近年、資源節約や炭酸ガスの排出量削減がより一層求められており、それに伴い、各種機器の摺動部材に用いられる潤滑剤はより優れた潤滑性を発揮することが求められている。しかしながら、従来の潤滑剤を用いた場合、高圧及び/又は高温といった過酷な状況での摺動部材間の低摩擦化は十分とは言えず、さらなる摩擦係数の低減が求められている。
また、潤滑剤が高圧及び/又は高温といった過酷な状況で使用される場合は、摩擦の低減と同時に摩耗の抑制と焼付き抑制の両立も重要である。しかしながら、従来の潤滑剤においては、高圧及び/又は高温といった過酷条件での耐摩耗性と耐焼付き性が両立されておらず、改善が求められていた。
本発明が解決しようとする課題は、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、高い耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、潤滑剤組成物に、油性媒体とラクトン構造もしくはラクタム構造を有する化合物を含有させることで、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、耐摩耗性及び耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物が得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 油性媒体と、下記一般式(L)で表わされる構造を有する化合物(A)と、を含有する潤滑剤組成物;
Figure 2018141049
一般式(L)中、Zは−O−または>N−Raを表し、Raは水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18及びRaは互いに結合して環を形成してもよい;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
[2] R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、ヘテロ原子を含む連結基で連結された、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基またはこれらの基が単結合もしくは連結基を介して結合した基である[1]に記載の潤滑剤組成物。
[3] R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、下記式で表される基である[1]に記載の潤滑剤組成物;
Figure 2018141049
上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、R31は、置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である。
[4] 化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含み、下記一般式(L−2)で表される化合物である[1]に記載の潤滑剤組成物;
Figure 2018141049
上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、Wは炭素数が4以上のn価の連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す;nは、2以上6以下の整数を表す。
[5] 化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位を有するポリマーである[1]〜[3]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[6] 化合物(A)が下記一般式(L−3)で表される繰り返し単位を有するポリマーである[5]に記載の潤滑剤組成物;
Figure 2018141049
上記式中、Yはポリマー主鎖を構成する連結基であり、Xは単結合またはヘテロ原子を含む連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す。
[7] 化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位(a)と、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(b)を有する共重合ポリマーである[5]又は[6]に記載の潤滑剤組成物。
[8] 化合物(A)は、下記一般式(LTP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマー、または、下記一般式(LAP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマーである[5]〜[7]のいずれかに記載の潤滑剤組成物;
Figure 2018141049
Figure 2018141049
一般式(LTP)中、R13〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R13〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R13〜R18は互いに結合していてもよく、R13〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L11及びL12はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n3及びn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R41は炭素数が4以上の炭化水素基である;R42及びR43はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す;
一般式(LAP)中、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18は互いに結合していてもよく、R11〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L21及びL22はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n5及びn6はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R51は炭素数が4以上の炭化水素基である;R52及びR53はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
[9] 潤滑剤組成物の全質量に対し、化合物(A)の含有量が0.1〜20質量%であり、油性媒体の含有量が60〜99.9質量%である[1]〜[8]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[10] 油性媒体が鉱油、ポリオレフィン油、エステル油及びエーテル油から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[9]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
[11] モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物をさらに含有する[1]〜[10]のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
本発明によれば、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物を得ることができる。さらに本発明によれば、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても耐摩耗性及び耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物を得ることができる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(潤滑剤組成物)
本発明の潤滑剤組成物は、油性媒体と、後述する一般式(L)で表わされる構造を有する化合物(A)と、を含有する。本発明の潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても摩擦を低減することができる。また、本発明の潤滑剤組成物は、高温及び/又は高圧といった過酷条件においても耐摩耗性及び耐焼付き性を発揮することができる。なお、潤滑剤組成物が高温及び/又は高圧といった過酷条件において上記効果を発揮できるということは、当然に通常条件(常温及び常圧)においても上記効果を発揮できることを意味する。
本明細書において、潤滑性は、摩擦係数、摩耗性、焼付き性によって評価することができ、潤滑性が良好であるということは、摺動部材の摩擦係数が小さく、耐摩耗性及び耐焼付き性に優れていることをいう。なお、潤滑剤組成物の焼付き性は、ファレックス試験法を用いASTM D3233−Aに規定された条件にて評価することができ、焼付き荷重の値が大きいほど耐焼付き性に優れていることを意味する。
なお、本発明の潤滑剤組成物の40℃における動粘度は1〜500が好ましく、5〜100がより好ましく、10〜70が更に好ましい。
(化合物(A))
化合物(A)は、下記一般式(L)で表わされる構造を有する。すなわち、化合物(A)は、ラクトン構造またはラクタム構造を有する。
Figure 2018141049
一般式(L)中、Zは−O−または>N−Raを表し、Raは水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18及びRaは互いに結合して環を形成してもよい。n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Raは水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である。中でも、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、置換基を有してもよい炭素数が8以上の有機基であることが好ましく、置換基を有してもよい炭素数が10以上の有機基であることがより好ましく、置換基を有してもよい炭素数が12以上の有機基であることがさらに好ましい。なお、有機基の炭素数とは、置換基に含まれる炭素数も含む炭素数のことである。
本明細書において、R11〜R18及びRaが置換基を有してもよい有機基である場合、R11〜R18及びRaは、単結合または連結基を介して一般式(L)の構造を有する有機基であってもよい。すなわち、上記一般式(L)で表される構造は、単結合または連結基を介した多量体であってもよく、上記一般式(L)で表される構造を繰り返し単位として含むポリマーであってもよい。
11〜R18及びRaは互いに結合して環を形成してもよい。R11〜R18及びRaは、互いに結合して一般式(L)で表されるラクトン構造またはラクタム構造の基本骨格に橋かけ構造を形成してもよい。また、R11とR12、R13とR14、R15とR16、R17とR18がそれぞれ互いに結合して環状構造を形成してもよく、スピロ環を形成してもよい。
なお、本明細書において、ラクトン構造またはラクタム構造とは、以下の構造式で表される骨格を少なくとも含む環状骨格構造をいい、炭素数が4以上の有機基を除いた環状骨格構造をいう。なお、下記構造式中のZは、一般式(L)におけるZと同様であり、n1の範囲も一般式(L)におけるn1と同様である。
Figure 2018141049
n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。n1は0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
一般式(L)中、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、下記式で表される基であることが好ましく、R11〜R18及びRaのうちいずれか1つは下記式で表される基であることがより好ましい。
Figure 2018141049
上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、R31は、置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である。中でも、R31は、置換基を有してもよい炭素数が8以上の有機基であることが好ましく、置換基を有してもよい炭素数が10以上の有機基であることがより好ましく、置換基を有してもよい炭素数が12以上の有機基であることがさらに好ましい。なお、上記式中の*印はラクトン構造またはラクタム構造との結合部位を表す。
上記式中、Xはヘテロ原子を含む連結基であることが好ましく、R31は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基またはこれらの基が単結合もしくは連結基を介して結合した基であることが好ましい。すなわち、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、ヘテロ原子を含む連結基で連結された、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基またはこれらの基が単結合もしくは連結基を介して結合した基であることが好ましく、R11〜R18及びRaのうちいずれか1つがヘテロ原子を含む連結基で連結された、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基またはこれらの基が単結合もしくは連結基を介して結合した基であることがより好ましい。
なお、置換基を有してもよいアルキル基の炭素数は、4以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましく、12以上であることが特に好ましい。置換基を有してもよいアルケニル基の炭素数は、4以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましく、12以上であることが特に好ましい。置換基を有してもよいアリール基の炭素数は、6以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
上記式中、Xはヘテロ原子を含む連結基であることが好ましく、ヘテロ原子を含む連結基としては、例えば、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NRC(=O)−(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。)を挙げることができ、中でもヘテロ原子を含む連結基は、−C(=O)−O−であることが好ましい。
ラクトン構造またはラクタム構造として好ましくは、下記LC1−1〜LC1−17に示す単環または多環のラクトン構造またはラクタム構造が挙げられる。なお、以下の構造において、Zは一般式(L)におけるZと同様である。
Figure 2018141049
11〜R18及びRaのうち少なくとも1つが有する炭素数が4以上の有機基としては、炭素数が4以上の炭化水素基を有する有機基が好ましく、炭素数が4以上のアルキル基、炭素数が4以上のアルケニル基、アリール基又はアラルキル基を有する有機基が好ましい。中でも、炭素数が4以上の炭化水素基を有する有機基は、ヘテロ原子を含む連結基、例えば、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NRC(=O)−(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。)に炭素数が4以上の炭化水素基が結合した基であることが好ましく、上記ヘテロ原子を含む連結基に、炭素数が4以上のアルキル基、炭素数が4以上のアルケニル基、アリール基又はアラルキル基が結合した基であることがより好ましい。
化合物(A)は、ラクトン構造またはラクタム構造を含むものであり、下記一般式(L−2)で表される化合物であってもよい。
Figure 2018141049
上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、Wは炭素数が4以上のn価の連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す。nは、2以上6以下の整数を表す。
上記式中、Xはヘテロ原子を含む連結基であることが好ましく、ヘテロ原子を含む連結基としては、例えば、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NRC(=O)−(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。)を挙げることができ、中でも−C(=O)−O−であることが好ましい。
また、Wは、炭素数が4以上のn価の連結基であり、nは、2以上6以下の整数であることが好ましく、2以上4以下の整数であることがより好ましい。
上記式中、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す。一般式(L−2)におけるW−X−は、ラクトン構造またはラクタム構造における置換可能な位置に置換している基である。
化合物(A)はラクトン構造またはラクタム構造を分子中に2つ以上含有していることが好ましい。中でも、化合物(A)はラクトン構造を有していることが好ましく、ラクトン構造を2つ以上含有していることがより好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物(A)として好ましくは、下記に示す化合物が挙げられる。
Figure 2018141049
また、化合物(A)はラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位を有するポリマーであってもよい。
化合物(A)はラクトン構造またはラクタム構造を有するポリマーであることが好ましく、中でも、ラクトン構造またはラクタム構造を側鎖に含む繰り返し単位を有するポリマーであることがより好ましい。具体的には、化合物(A)は下記一般式(L−3)で表される繰り返し単位を有するポリマーであることが好ましい。
Figure 2018141049
上記式中、Yはポリマー主鎖を構成する連結基であり、Xは単結合またはヘテロ原子を含む連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す。一般式(L−3)におけるX及びLは、一般式(L−2)におけるX及びLと同様である。
中でも、一般式(L−3)で表される繰り返し単位は下式の繰り返し単位であることがより好ましい。
Figure 2018141049
上記式中、R102は水素原子または置換基を有してもよいアルキル基を表し、R102は水素原子またはメチル基であることが好ましい。Xは、一般式(L−3)におけるXと同様であり、Yは、一般式(L−3)におけるYと同様である。
化合物(A)がポリマーである場合、上述したようなラクトン構造またはラクタム構造を側鎖に有する繰り返し単位に加えて更に、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位を有していることが好ましい。すなわち、化合物(A)はラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位(a)と、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(b)を有する共重合ポリマーであることが好ましい。なお、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(b)としては、炭素数4以上の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位、炭素数4以上の炭化水素基を有するαオレフィン繰り返し単位などが挙げられる。
中でも、化合物(A)が共重合ポリマーである場合、化合物(A)は、下記一般式(LTP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマー、または、下記一般式(LAP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマーであることが好ましい。
Figure 2018141049
Figure 2018141049
一般式(LTP)中、R13〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R13〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R13〜R18は互いに結合していてもよく、R13〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L11及びL12はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n3及びn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R41は炭素数が4以上の炭化水素基である;R42及びR43はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す;
一般式(LAP)中、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18は互いに結合していてもよく、R11〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L21及びL22はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n5及びn6はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R51は炭素数が4以上の炭化水素基である;R52及びR53はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
一般式(LTP)中、R13〜R18は、一般式(L)におけるR13〜R18と同様である。また、一般式(LTP)におけるn1は、一般式(L)におけるn1と同様であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。L11及びL12はそれぞれ独立に2価の連結基であり、2価の連結基としては、例えば、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NRC(=O)−(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。)を挙げることができる。なお、n3及びn4はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、n3及びn4はそれぞれ独立に0又は1であることが好ましい。R41は炭素数が4以上の炭化水素基であり、炭素数が8以上の炭化水素基であることが好ましく、炭素数が10以上の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が12以上の炭化水素基であることがさらに好ましい。R42及びR43はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
一般式(LAP)中、R11〜R18は、一般式(L)におけるR11〜R18と同様である。また、一般式(LAP)におけるn1は、一般式(L)におけるn1と同様であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。L21及びL22はそれぞれ独立に2価の連結基であり、2価の連結基としては、例えば、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NRC(=O)−(但し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。)を挙げることができる。なお、n5及びn6はそれぞれ独立に0〜2の整数であり、n5及びn6はそれぞれ独立に0又は1であることが好ましい。R51は炭素数が4以上の炭化水素基であり、炭素数が8以上の炭化水素基であることが好ましく、炭素数が10以上の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が12以上の炭化水素基であることがさらに好ましい。R52及びR53はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
化合物(A)が共重合ポリマーである場合、共重合ポリマーとしては、下記のものを例示することができる。
Figure 2018141049
化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位(a)と、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(b)を有する共重合ポリマーである場合、共重合ポリマー中における繰り返し単位(a)と繰り返し単位(b)の比率(モル比)は、1/99〜90/10が好ましく、5/95〜70/30がより好ましく、5/95〜50/50であることが更に好ましく、5/95〜40/60が特に好ましい。
化合物(A)がポリマーである場合、化合物(A)の重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)における標準ポリスチレン換算で1000〜1000000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、5000〜100000が更に好ましい。また、化合物(A)の数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)における標準ポリスチレン換算で1000〜500000が好ましく1000〜100000がより好ましく、3000〜50000が更に好ましい。分散度は1.0〜5.0が好ましく、1.2〜2.5がより好ましい。
本明細書中、化合物(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量は具体的には、以下の条件で測定した値を採用する。
「HLC−8220GPC(東ソー(株)製)装置」、カラムは「TSKgel、SuperHZM−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、「TSKgel、SuperHZ4000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、TSKgel、SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」を3本用いた。
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 THF(テトラヒドロフラン)
・流速 0.35ml/min
・測定温度 40℃(カラム、インレット)
・検出器: 示差屈折計(Refractive Index Detector)
・分析時間 20分
・試料濃度 0.1%
・サンプル注入量 10μl
化合物(A)の含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。化合物(A)の含有量を上記範囲内とすることにより、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、高い耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物が得られやすくなる。
(油性媒体)
本発明の潤滑剤組成物は油性媒体を含有する。油性媒体としてはグループI〜Vの基油が挙げられる。具体的には鉱物油、油脂化合物、ポリオレフィン油(例えばポリアルファオレフィン)、シリコーン油、パーフルオロポリエーテル油、エステル油(例えば芳香族エステル油、1価脂肪酸エステル、2価脂肪酸ジエステル、ポリオールエステル潤滑油)、エーテル油(例えばジフェニルエーテル誘導体)を挙げることができる。中でも油性媒体は、鉱油、ポリオレフィン油、エステル油及びエーテル油から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ここで、油性媒体は水を実質的に含有していないことが好ましい。実質的に含有していないとは、不純物で含まれる水以外に含有しないということを表し、例えば水の含有量が1質量%以下である。
本発明において、「媒体」は、一般的に「流動性液体」とよばれる媒体の全てを包含するものである。但し、室温又は使用される温度において、液状であることは必要とせず、液体以外にも固体及びゲル等のいずれの形態の材料も利用することができる。本発明において利用する媒体については特に制限はなく、用途に応じて種々の液体から選択することができる。本発明において用いることができる媒体については、特開2011−89106号公報の段落0067〜0096の記載を参照することができる。媒体の40℃における動粘度は1〜500mm2/sが好ましく、1.5〜200mm2/sがより好ましく、2〜50mm2/sがさらに好ましい。
油性媒体の粘度指数は90以上であることが好ましく、より好ましくは105以上、さらに好ましくは110以上である。また160以下であることが好ましい。粘度指数を上記範囲内とすることにより、粘度−温度特性及び熱・酸化安定性、揮発防止性が改善し、摩耗防止性が向上する。なお、本発明でいう粘度指数とは、JIS K 2283−1993に準拠して測定された粘度指数を意味する。
油性媒体の含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対し、60〜99.9質量%であることが好ましく、65〜99.7質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることがさらに好ましい。油性媒体の含有量を上記範囲内とすることにより、高温及び/又は高圧といった過酷条件下においても摩擦を低減し得る潤滑剤組成物であって、高い耐摩耗性と耐焼付き性を兼ね備えた潤滑剤組成物が得られやすくなる。
(任意成分)
本発明の潤滑剤組成物は、化合物(A)と油性媒体に加えて他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤を添加する場合、添加剤としては、例えば、摩耗防止剤、粘度指数向上剤(好ましくはポリアルキル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、極性基を有する(メタ)アクリレート共重合体、オレフィン(コ)ポリマー)、酸化防止剤(好ましくはフェノール化合物、アミン化合物)、清浄剤(好ましくはCaスルホネート、Caフェネート、Mgスルホネート、Caサリチレート、(ホウ酸変性)コハク酸イミド、コハク酸エステル)、分散剤、流動剤、硬化剤、腐食防止剤、シール適合剤、消泡剤(好ましくはポリジメチルシリコーン)、錆防止剤、摩擦調整剤、及び増ちょう剤から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
このような添加剤を添加することにより、摩耗抑制等の潤滑剤としての好ましい機能を付与することができる。本発明において用いることができる添加剤については、特開2011−89106号公報の段落0098〜0165の記載を参照することができる。
本発明の潤滑剤組成物は、他の添加剤として、例えば、モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物をさらに含有することが好ましい。このような化合物は、摩擦調整剤、摩耗防止剤、酸化防止剤などの機能を有する。モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物とは、化合物中にモリブデン、亜鉛、リン及び硫黄をいかなる状態で含んでもよい化合物を意味する。具体的にはモリブデン、亜鉛、リン及び硫黄が、単体(酸化数0)、イオン、錯体などとして含まれる化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物、リン酸誘導体、有機硫黄化合物などが挙げられる。その中でも有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物が好ましい。
また、モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を1種のみ添加してもよく、2種以上を組み合わせて添加してもよい。モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を2種以上組み合わせて添加する場合は、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物、リン酸誘導体及び有機硫黄化合物のうち2種以上を組み合わせることが好ましく、有機モリブデン化合物及び有機亜鉛化合物を組み合わせることがより好ましい。
以下、有機モリブデン化合物、無機モリブデン化合物、有機亜鉛化合物のそれぞれの好ましい態様について説明する。
潤滑剤組成物に添加剤として用いられる有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)等のリンを含有する有機モリブデン化合物を挙げることができる。また、別の有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物を挙げることができる。硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、例えば、硫化オキシモリブデン−N,N−ジ−オクチルジチオカルバメート(C8−Mo(DTC))、硫化オキシモリブデン−N,N−ジ−トリデシルジチオカルバメート(C13−Mo(DTC))などが好ましい。
その他の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、無機モリブデン化合物との錯体を挙げることができる。無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる無機モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩又はアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等を挙げることができる。また、無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる硫黄含有有機化合物としては、例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等を挙げることができる。
その他の硫黄を含有する有機モリブデン化合物としては、硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。
有機モリブデン化合物としては、構成元素としてリンや硫黄を含まない有機モリブデン化合物を用いることができる。構成元素としてリンや硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩及びアルコールのモリブデン塩が好ましい。
無機モリブデン化合物としては、無機モリブデン化合物と硫黄含有有機化合物との錯体である有機モリブデン化合物に用いられる無機モリブデン化合物を用いることができ、上記で列挙した無機モリブデン化合物を用いることができる。
潤滑剤組成物に添加剤として用いられる有機亜鉛化合物としては、下記一般式(4)で表わされるジンクジチオホスフェート(ZDTP)が好ましい。
Figure 2018141049
一般式(4)中、Q1、Q2、Q3、Q4は各々同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立にイソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、ミスチル基、パルミチル基、ステアリル基等の炭素数3〜20のアルキル基を表す。
一般式(4)で表わされるジンクジチオホスフェートとしては、具体的にはn−ブチル−n−ペンチルジチオリン酸亜鉛(C4/C5 ZnDTP)、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛(C8 ZnDTP)又はイソプロピル−1−エチルブチルジチオリン酸亜鉛(C3/C6 ZnDTP)であることが好ましい。
本発明の潤滑剤組成物が有機モリブデン化合物を有する場合、有機モリブデン化合物を、潤滑剤組成物の全質量に対して、Mo含量が10〜5000mg/kg(10〜5000ppm)となるように添加することが好ましく、50〜2000mg/kgとなるように添加することがより好ましく、100〜1000mg/kgとなるように添加することがさらに好ましい。
また、本発明の潤滑剤組成物が有機亜鉛化合物を有する場合、有機亜鉛化合物を、潤滑剤組成物の全質量に対して、0.01〜5質量%となるように添加することが好ましく、0.01〜3質量%となるように添加することがより好ましく、0.01〜1質量%となるように添加することがさらに好ましい。有機モリブデン化合物もしくは有機亜鉛化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、潤滑剤組成物の安定性を高めることができ、高温及び/又は高圧といった過酷条件での潤滑性を改善することができる。具体的には、潤滑剤組成物の摩擦係数を低く抑え、かつ耐摩耗性及び耐焼付き性を高めることができる。
本発明の潤滑剤組成物は、他の添加剤として、リン酸エステルや硫黄原子を有する化合物を含んでもよい。リン酸エステルとしては、例えばトリクレジルホスフェートなどのリン酸トリアリールエステル、トリラウリルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェートなどのリン酸トリエステル;ジラウリルホスフェートなどのリン酸ジエステル;モノラウリルホスフェートなどのリン酸モノエステル;トリブチルホスファイト、トリオレイルホスファイトなどの亜リン酸エステル;上記リン酸モノエステル又は上記リン酸ジエステルのアミン塩などの酸性リン酸エステルアミン塩などが挙げられる。
硫黄原子を有する化合物としては、硫化イソブチレンなどの硫化オレフィン類、硫化油脂、硫化エステル、モノサルファイド、ポリサルファイド(例えばジアルキルサルファイド、ジドデシルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジ−t−ノニルポリサルファイド、ジ−t−ブチルポリサルファイド)などが挙げられる。
本発明の潤滑剤組成物が他の添加剤を含む場合は、他の添加剤の含有量は、潤滑剤組成物の全質量に対して、39.9質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。
(グリース組成物)
本発明の潤滑剤組成物は、グリース組成物であってもよい。すなわち、油性媒体はグリースであってもよく、本発明の潤滑剤組成物がグリース組成物である場合は、化合物(A)は、グリースと混合され、調製される。このような態様では、グリースの用途に適応した場合の実用性能を確保するため、さらに必要に応じて、増ちょう剤等を本発明の目的を損なわない範囲で適宜添加することができる。増ちょう剤を添加する場合は、グリース組成物の全質量に対して、増ちょう剤を10〜50質量%含有することが好ましい。以下、グリース組成物を調製する際に添加可能な添加剤について説明する。
添加可能な増ちょう剤としては、金属石けん、複合金属石けん等の石けん系増ちょう剤、ベントン、シリカゲル、ウレア系増ちょう剤(ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物等)の非石けん系増ちょう剤などのあらゆる増ちょう剤が使用可能である。これらの中でも、樹脂製部材を損傷させるおそれが小さいことから、石けん系増ちょう剤、ウレア系増ちょう剤が好ましく用いられる。
石けん系増ちょう剤としては、例えば、ナトリウム石けん、カルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん等が挙げられるが、これらの中でも、耐水性や熱安定性の点から、リチウム石けんが好ましい。リチウム石けんとしては、例えば、リチウムステアレートやリチウム−12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
また、ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物及びウレタン化合物としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物及びテトラウレア化合物は除く)、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。好ましくはジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物又はこれらの混合物が挙げられる。
グリース組成物には、添加剤として固体潤滑剤を含むこともできる。固体潤滑剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、窒化ホウ素、フラーレン、黒鉛、フッ化黒鉛、メラミンシアヌレート、二硫化モリブデン、Mo(モリブデン)−ジチオカーバメート、硫化アンチモン、アルカリ(土類)金属ほう酸塩等が挙げられる。
また、グリース組成物には、添加剤としてワックスを含むこともできる。ワックスとしては、例えば、天然ワックス、鉱油系ないしは合成系の各種ワックスが例示でき、具体的にはモンタンワックス、カルナウバワックス、高級脂肪酸のアミド化合物、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワックス等が挙げられる。
その他、金属不活性化剤としてベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、チアジアゾールなどが知られていて、これらを添加することができる。
グリース組成物には、増粘剤を添加することができる。増粘剤としては、例えば、ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等が挙げられる。ポリ(メタ)アクリレートは、寒冷地での冷時異音防止の効果も知られている。
(潤滑剤組成物の用途)
本発明の潤滑剤組成物は、例えば、2つの摺動面間に供給され、摩擦を低減するために用いることができる。本発明の潤滑剤組成物は、摺動面に皮膜を形成し得る。摺動面の材質としては、具体的には、機械構造用炭素鋼、ニッケルクロム鋼材・ニッケルクロムモリブデン鋼材・クロム鋼材・クロムモリブデン鋼材・アルミニウムクロムモリブデン鋼材などの構造機械用合金鋼、ステンレス鋼、マルチエージング鋼などが挙げられる。
摺動面の材質としては、鋼鉄以外の各種金属、又は金属以外の無機もしくは有機材料も広く用いられる。金属以外の無機もしくは有機材料としては、各種プラスチック、セラミック、カーボン等、及びその混合体などが挙げられる。より具体的には、鋼鉄以外の金属材料としては、鋳鉄、銅・銅−鉛・アルミニウム合金、その鋳物及びホワイトメタルが挙げられる。
なお、摺動面の材質については、特開2011−89106号公報の段落0168〜0175の記載を参照することができる。
本発明の潤滑剤組成物は、種々の用途に利用できる。例えば、グリース用潤滑油、離型剤、内燃機関用オイル、内燃機関用エンジンオイル、金属加工用(切削用)オイル、軸受け用オイル、燃焼機関用燃料、車両エンジン油、ギヤ油、自動車用作動油、船舶・航空機用潤滑油、マシン油,タービン油、軸受用オイル、油圧作動油、圧縮機・真空ポンプ油、冷凍機油、金属加工用潤滑油剤、磁気記録媒体用潤滑剤、マイクロマシン用潤滑剤、人工骨用潤滑剤、ショックアブソーバ油又は圧延油として用いることができる。さらに、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有するエアコンや冷蔵庫、自動車用エアコンや除湿機、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置などにも用いられる。
本発明の潤滑剤組成物は、塩素系化合物を含まない金属加工用潤滑油剤として利用することもできる。例えば鉄鋼材料やAl(アルミニウム)合金などの金属材料を熱間圧延したり、切削等の加工を行ったりする際に、またアルミニウムの冷間圧延油、切削油、研削油、引き抜き加工油、プレス加工油等の金属加工油や金属の塑性加工油として本発明の潤滑剤組成物を用いることができる。本発明の潤滑剤組成物は、特に高速、高負荷加工時の摩耗、破損、表面あれの抑止剤として、またブローチ加工,ガンドリル加工のような低速・重切削に適用可能な金属加工油組成物としても有用である。
また本発明の潤滑剤組成物は、各種グリース用潤滑油、磁気記録媒体用潤滑剤、マイクロマシン用潤滑剤や人工骨用潤滑剤等に利用することができる。また、潤滑剤組成物の元素組成を炭水化物とすることができるため、例えば、乳化、分散化、可溶化剤として用いることができる。ケーキミックス、サラダドレッシング、ショートニングオイル、チョコレート等に広く利用されている、ポリオキシエチレンエーテルを含むソルビタン脂肪酸エステルといった食用油を基油とすることで、全く人体に無害の高性能潤滑油を得ることができる。このような潤滑油は、食品製造ラインの製造機器や医療機器部材に用いることができる。
さらに、本発明の潤滑剤組成物を水系に乳化して分散したり、極性溶媒中や樹脂媒体中に分散したりすることで、切削油や圧延油として用いることができる。
また、本発明の潤滑剤組成物は離型剤としても、種々の用途に利用できる。例えば、ポリカーボネート樹脂、難燃性ポリカーボネート樹脂、電子写真装置や静電記録装置などで使用される画像形成用トナーの主成分である結晶性ポリエステル樹脂、各種成形用熱可塑性樹脂組成物及び半導体封止用エポキシ樹脂組成物などの離型剤として用いられる。
また、衣料などの繊維製品に予め練り込んだり、塗布したりすることにより、繊維製品に付着した汚れの離脱を促進して繊維製品の汚れを防止する防汚剤としても用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<化合物(A)の合成>
(化合物A−1の合成)
オレイン酸10gをテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、トリエチルアミンを4.7g加えた。これにα−ブロモ−γ−ブチロラクトン6.9gを加え、室温で1日反応させた。反応液に酢酸エチルを加え、希塩酸、次いで蒸留水で洗浄し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、化合物A−1を得た。
(化合物A−2の合成)
ダイマー酸とα−ブロモ−γ−ブチロラクトンを用い、化合物A−1と同様の手法により化合物A−2を合成した。
(化合物A−3の合成)
α−γ−ブトロラクトンメタクリレートとラウリルメタクリレートを、構成単位比(mol比)が20/80となるようにメチルエチルケトンに溶解させ、これに重合開始剤として和光純薬社製のV−601をモノマーの全質量(α−γ−ブトロラクトンメタクリレート及びラウリルメタクリレートの合計質量)に対し、2質量%加えた。この溶液を70℃に加熱したメチルエチルケトンに2時間かけて滴下して反応液とした。滴下終了後70℃で4時間反応させた。反応液を放冷した後、メタノールへ反応液を注ぎ、析出物をろ取、乾燥して化合物A−3を得た。GPCを用い標準ポリスチレン換算にて分子量を測定した結果、化合物A−3の重量平均分子量は50000、数平均分子量は23000であった。
なお、化合物A−3の重量平均分子量と数平均分子量は、以下の条件で測定した。
「HLC−8220GPC(東ソー(株)製)装置」、カラムは「TSKgel、SuperHZM−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、「TSKgel、SuperHZ4000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」、TSKgel、SuperHZ2000(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)」を3本用いた。
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用した。
・溶離液 THF(テトラヒドロフラン)
・流速 0.35ml/min
・測定温度 40℃(カラム、インレット)
・検出器: 示差屈折計(Refractive Index Detector)
・分析時間 20分
・試料濃度 0.1%
・サンプル注入量 10μl
(化合物A−4の合成)
ノルボルナンラクトンアクリレートとオレイルアクリレートを、構成単位比(mol比)が10/90となるように重合し、化合物A−4を合成した。GPCを用い標準ポリスチレン換算にて分子量を測定した結果、化合物A−4の重量平均分子量は31000、数平均分子量は15000であった。
(化合物A−5の合成)
N−ビニルピロリドンとラウリルアクリレートを、構成単位比(mol比)が10/90となるように重合し、化合物A−5を合成した。GPCを用い標準ポリスチレン換算にて分子量を測定した結果、化合物A−5の重量平均分子量は23000、数平均分子量は11000であった。
(化合物A−6の合成)
N−ビニルカプロラクタムとラウリルアクリレートを、構成単位比(mol比)が10/90となるように重合し、化合物A−6を合成した。GPCを用い標準ポリスチレン換算にて分子量を測定した結果、化合物A−6の重量平均分子量は18000、数平均分子量は7000であった。
比較用化合物として下記化合物X−1〜X−3を用いた
化合物X−1:オレイン酸メチル
化合物X−2:ダイマー酸ジメチル
化合物X−3:メタクリル酸メチル/ラウリルメタクリレート共重合体(mol比20/80)、
重量平均分子量48000、数平均分子量23000
Figure 2018141049
(実施例1−1〜1−21及び比較例1−1〜1−5)
化合物(A)および他の成分を下記の表1に示す濃度となるように基油と混合し、実施例1−1〜1−21及び比較例1−1〜1−5の潤滑剤組成物を調製した。この潤滑剤組成物の摩擦係数、耐焼付き性及び耐摩耗性を下記方法にて評価した。
<摩擦係数>
振動型摩擦摩耗試験機(Optimol Instruments Prueftechnik GmbH社製、SRV 4)を用いて摩擦係数を測定した。摩擦係数の測定では、試験温度80℃において、振動数50Hz、荷重400N、振幅3mmの条件で1時間摩擦摩耗試験を行い、30分経過時点における摩擦係数を測定した。摩擦摩耗試験の上部試験片には直径15mm、長さ22mmのSUJ−2シリンダー、下部試験片24mmSUJ−2ディスクを用いた。観測した摩擦係数を以下の基準にしたがって評価した。その結果を下記表1に示した。比較例1−1の摩擦係数を100%として他の評価結果を規格化し、以下のように評価した。値が小さいほど摩擦係数が小さく、潤滑性が良好であることを表す。なお、C評価以上を合格基準とした。
A:60%未満
B:60%以上70%未満
C:70%以上80%未満
D:80%以上100%未満
E:100%以上
<耐焼付き性>
ファレックス試験法を用いASTM D3233−Aに規定された条件にて焼付き荷重を観測した。焼付き荷重は値が大きいほど高荷重まで焼付きが生じないことを示し、良好な性能である。比較例1−1の焼付き荷重を基準として規格化し、以下のように評価した。なお、C評価以上を合格基準とした。
A:焼付き荷重が基準の2倍以上
B:焼付き荷重が基準の1.7倍以上、2倍未満
C:焼付き荷重が基準の1.5倍以上、1.7倍未満
D:焼付き荷重が基準の1.3倍以上、1.5倍未満
E:焼付き荷重が基準の1.3倍未満
<耐摩耗性>
ASTM D4172に規定された四球試験法を行い、下部試験球の摩耗痕直径の平均を観測した。摩耗痕直径が小さいほど摩耗が生じにくいことを示し、良好な性能である。比較例1−1の摩耗痕直径を基準として規格化し、以下のように評価した。なお、C評価以上を合格基準とした。
A:摩耗痕直径が基準の50%未満
B:摩耗痕直径が基準の50%以上、60%未満
C:摩耗痕直径が基準の60%以上、70%未満
D:摩耗痕直径が基準の70%以上、90%未満
E:摩耗痕直径が基準の90%以上
Figure 2018141049
(実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−4)
下記の表2に示す成分を混合し、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−4の潤滑剤組成物を調製した。この潤滑剤組成物の摩擦係数、耐焼付き性及び摩耗性を下記方法にて評価した。
<摩擦係数>
上部試験片のSUJ−2シリンダーを10mmSUJ−2ボールとし、比較例2−1の摩擦係数を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
<耐焼付き性>
比較例2−1の焼付き荷重を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
<耐摩耗性>
比較例2−1の摩耗痕直径を基準として規格化した以外は実施例1群と同じ方法にて評価した。
Figure 2018141049

Claims (11)

  1. 油性媒体と、下記一般式(L)で表わされる構造を有する化合物(A)と、を含有する潤滑剤組成物;
    Figure 2018141049
    一般式(L)中、Zは−O−または>N−Raを表し、Raは水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18及びRaは互いに結合して環を形成してもよい;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
  2. 11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、ヘテロ原子を含む連結基で連結された、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基またはこれらの基が単結合もしくは連結基を介して結合した基である請求項1に記載の潤滑剤組成物。
  3. 前記R11〜R18及びRaのうち少なくとも1つは、下記式で表される基である請求項1に記載の潤滑剤組成物;
    Figure 2018141049
    上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、R31は、置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である。
  4. 前記化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含み、下記一般式(L−2)で表される化合物である請求項1に記載の潤滑剤組成物;
    Figure 2018141049
    上記式中、Xは単結合又はヘテロ原子を含む連結基であり、Wは炭素数が4以上のn価の連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す;nは、2以上6以下の整数を表す。
  5. 前記化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位を有するポリマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  6. 前記化合物(A)が下記一般式(L−3)で表される繰り返し単位を有するポリマーである請求項5に記載の潤滑剤組成物;
    Figure 2018141049
    上記式中、Yはポリマー主鎖を構成する連結基であり、Xは単結合またはヘテロ原子を含む連結基であり、Lはラクトン構造またはラクタム構造を表す。
  7. 前記化合物(A)がラクトン構造またはラクタム構造を含む繰り返し単位(a)と、炭素数4以上の炭化水素基を有する繰り返し単位(b)を有する共重合ポリマーである請求項5又は6に記載の潤滑剤組成物。
  8. 前記化合物(A)は、下記一般式(LTP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマー、または、下記一般式(LAP)で表わされる繰り返し単位を含む共重合ポリマーである請求項5〜7のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物;
    Figure 2018141049
    Figure 2018141049
    一般式(LTP)中、R13〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R13〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R13〜R18は互いに結合していてもよく、R13〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L11及びL12はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n3及びn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R41は炭素数が4以上の炭化水素基である;R42及びR43はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す;
    一般式(LAP)中、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有してもよい有機基であり、R11〜R18のうち少なくとも1つは置換基を有してもよい炭素数が4以上の有機基である;R11〜R18は互いに結合していてもよく、R11〜R18は互いに結合して環を形成してもよい;L21及びL22はそれぞれ独立に2価の連結基であり、n5及びn6はそれぞれ独立に0〜2の整数である;n1は0〜2の整数であり、n1が2の時、複数存在するR15及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい;R51は炭素数が4以上の炭化水素基である;R52及びR53はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
  9. 前記潤滑剤組成物の全質量に対し、前記化合物(A)の含有量が0.1〜20質量%であり、前記油性媒体の含有量が60〜99.9質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  10. 前記油性媒体が鉱油、ポリオレフィン油、エステル油及びエーテル油から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜9のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
  11. モリブデン、亜鉛、リン及び硫黄から選択される少なくとも1種の元素を有する化合物をさらに含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の潤滑剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023008359A1 (ja) * 2021-07-29 2023-02-02 富士フイルム株式会社 磁気粘性流体および磁気粘性流体デバイス

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