JP2018140530A - 印刷装置 - Google Patents

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JP2018140530A
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Yuta Fujisawa
雄太 藤澤
巧 加藤
Takumi Kato
巧 加藤
秀章 鈴木
Hideaki Suzuki
秀章 鈴木
普 萩森
Hiro Hagimori
普 萩森
栄治 半場
Eiji Hanba
栄治 半場
啓八 福井
Keihachi Fukui
啓八 福井
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Akihiro Yamamoto
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Abstract

【課題】外気からの異物の混入の抑制と印刷により発生する臭気の清浄化とを両立することができる印刷装置を提供する。【解決手段】プリンタ1は、印刷部20と、印刷部20を収容する筐体10と、気体を清浄化する気体清浄部30と、筐体10と気体清浄部30とを連結する排出部40および供給部50とを備える。筐体10内の気体は、プリンタ1内を循環しつつ、気体清浄部30で清浄化される。【選択図】図3

Description

本発明は、気体清浄機能を有する印刷装置に関する。
従来より、記録媒体にインクを供給することで文字や図柄等を印刷する印刷装置が知られている。また、印刷に使用するインクとして、例えば、顔料と有機溶剤とを含む溶剤系インクや、顔料と紫外線により硬化する樹脂成分とを含む紫外線(UV)硬化インク等が提供されている。これらのインクは印刷時に臭気を発生することから、印刷装置には、印刷時に発生する臭気を脱臭してから外部に排気する排気装置を備えたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−240270公報
従来の印刷装置においては、装置内の臭気を脱臭してから排出すると、外装体である筐体に設けられた吸入口や隙間等から装置内に外気が導入されていた。吸入口には一般的にはろ過フィルタが設けられているが、かかるフィルタでのろ過能力は十分とは言えない。そのため、外気とともに空気中の挨等の異物が装置内に入り込むのを避けることができず、これらの異物が印刷中のインクや印刷された印刷体に混入して印刷不良が発生してしまう場合があった。このことは、例えば、事務的な書類の印刷時には問題とならない程度であったとしても、意匠性の高い印刷を行う場合には印刷結果の品質を大きく損ねるものとなり得た。
また、近年では印刷により多様な意匠の実現が求められ、通常の印刷のみならず、同じ印刷位置に下地インクと画像インクとで多層に印刷する重ね印刷や、三次元的な造形物を印刷で形成する三次元造形等が実施されている。しかしながら、このような重ね印刷法や三次元造形法による印刷では、印刷に使用するインク量が増加するため、発生する臭気も増大する傾向にある。また、より高い意匠性を実現するために、インクへの埃等の混入はこれまで以上に避けることが求められる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、外気からの異物の混入の抑制と印刷により発生する臭気の清浄化とを両立することができる印刷装置を提供することである。
ここに開示される技術は、循環換気型印刷装置を提供する。この循環換気型印刷装置は、印刷対象に印刷を実行する印刷部と、上記印刷部を収容する筐体と、上記気体を清浄化する気体清浄部と、上記筐体と上記気体清浄部とを連結し、上記筐体内の気体を上記気体清浄部に排出する排出部と、上記筐体と上記気体清浄部とを連結し、上記気体清浄部で清浄化された気体を上記筐体に供給する供給部と、を備える。
このような構成によると、気体清浄部は筐体内の気体を取り込んで、浄化したのち、筐体内に戻すことができる。つまり、筐体内の気体の清浄に際し、気体を、筐体、排出部、気体清浄部および供給部の経路で循環させることができる。このとき、気体清浄部は、例えば、筐体から取り込んだのと等量の気体を筐体に供給することができる。これにより、循環換気型印刷装置は、外部から気体を吸引することなく、筐体内の気体の浄化を実施することができる。その結果、埃等を印刷体に混入させることなく高品質な印刷を行うことができる。また、万一、外部からの気体が筐体内に進入した場合でも、従来の簡易なフィルタでは容易に通過してしまっていた微細な異物を循環過程で十分に除去することができる。
本発明の循環換気型印刷装置によれば、印刷空間の気体を印刷部から排出するとともに清浄化して、再び印刷部に戻すことができる。したがって、印刷空間からの気体の排出に伴い、外部空間から印刷部に気体は導入されない。これにより、印刷部に外気とともに異物が混入することを抑制することができる。また、印刷により印刷部に発生した臭気を外部に排出することなく清浄化することができる。
一実施形態に係る循環換気型印刷装置の斜視図である。 一実施形態に係る印刷部の構成を説明する要部斜視図である。 図1のIII−III線断面図である。 一実施形態に係る気体清浄部の構成を説明する要部断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る循環換気型印刷装置(以下、単にプリンタということがある。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本実施形態において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。図中で同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
ここに開示される技術において、印刷対象に印刷される印刷用材料の種類は特に制限されない。印刷用材料は、例えば、インクや、光硬化性樹脂等を用いることができる。インクは、例えば、色料と分散媒(溶剤であり得る。)とを含む各種の液体(流体,粘性体等を含む。以下同じ。)であってよい。色料は、顔料および染料の少なくとも1つであってよく、分散媒は、水、水性溶剤、非水性溶剤および揮発性ソルベント、未硬化の光硬化性樹脂の少なくとも1つを含んでいてもよい。顔料および染料の種類は特に制限されず、この種のインクに用いられる各種の化合物の1種以上であってよい。このインクは、顔料の分散性や発色性、定着性等を向上させる各種の添加剤、化合物、樹脂等を含んでもよい。このようなインクとしては、代表的には、いわゆる顔料系インク,染料系インク、ソルベント顔料インクなどが挙げられる。また、インクは、上記の色料とともに光硬化性樹脂を含み、光硬化性樹脂の光化学反応によって液相状態から固相状態へと変化する光硬化性インクであってもよい。この光硬化性インクは、重合開始剤や、顔料の分散性や発色性、硬化性等を向上させる各種の添加剤、化合物、樹脂等を含んでもよい。
また、本明細書において「インクジェット方式」とは、インクや、光硬化性樹脂等の液体を微細な液滴として吐出することで、目的の位置に該液体を供給する液体供給手法を意味する。液滴化の手法は特に制限されない。例えば、二値偏向方式あるいは連続偏向方式などの各種の連続方式や、サーマル方式あるいは圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む、従来より公知の各種の手法を特に制限なく採用することができる。
印刷対象である記録媒体は、プリンタにより印刷が行われる対象である。記録媒体の素材や形状は特に制限されない。例えば、形状は、柔軟性のあるシート状や、剛性がある板状の平面物であってもよいし、各種ケース、日用品、小型電子機器、部品小物等の任意の立体物であってもよい。素材は、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride:PVC),アクリル樹脂,ポリエチレンテレフタレート(PET),アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体,ポリカーボネート(PC),熱可塑性ポリウレタン(TPU)等の高分子材料、紙,天然皮革,布等の有機材料、アルミニウム合金,金,銀,銅,ステンレス鋼等の金属材料、陶器,セラミック,ガラス等の無機材料等を少なくとも1つを含むものを広く採用することができる。なお、記録媒体として、代表的には記録紙を用いることができる。記録紙は、吸水性や乾燥性を高めるよう表面処理されたものであってもよいし、かかる処理がされていないものであってもよい。また、三次元造形法による印刷では、造形の土台となるステージを記録媒体とみなしてもよい。
図1は、一実施形態に係るプリンタ1の斜視図である。図2は、プリンタ1のうち後述する印刷部20の要部を表す斜視図である。図面中の符号U、D、F、Rr、L、Rは、それぞれプリンタ1を正面から見たときの垂直方向における上、下、水平面における前、後、左、右を示している。また、符号Yは、後述する供給ヘッド22を移動させる方向である主走査方向を示している。符号Xは、記録媒体を移動させる方向のうちの主走査方向と同じ水平面内の方向である副走査方向を示している。符号Zは、高さ方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは左右方向に一致し、副走査方向Xは主走査方向に直交する前後方向に一致している。また、高さ方向Zは、記録媒体を移動させる方向のうちの副走査方向Xと異なる方向であり、上下方向に一致している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、プリンタ1の設置態様を何ら限定するものではない。
プリンタ1は、大略的には箱状に形成された筐体10と、筐体10内に収容された印刷部20および制御部60と、筐体10を支持する気体清浄部30とを備えている。筐体10と気体清浄部30とは、図3に示される排出部40および供給部50により連結されている。本実施形態において、筐体10は気体清浄部30に載置される形態で設置されている。
筐体10は、本体12とフロントカバー14とを備えている。本体12は、主走査方向Yに長い箱状であって、主走査方向Yの中央付近に前面から上面に亘る開口12aを備えている。フロントカバー14は、本体12の開口12aに沿う縁部に回動自在に固定されており、本体12の開口12aを開閉自在に覆うことができる。フロントカバー14が上方に向けて開かれることにより、筐体10の内部空間と外部空間とが連通される。そしてフロントカバー14を閉めることにより、筐体10の内部空間と外部空間とが遮断される。フロントカバー14には窓部14aが設けられている。窓部14aは、例えば、可視光に対して透明のアクリル板により形成され、後述の光照射部24から発生される光を吸収する加工が施されている。したがって、ユーザーは、フロントカバー14を閉じた状態であっても、窓部14aから内部空間を視認することができる。また、本実施形態の筐体10は、排出部40、供給部50および開口12aの他に、内部空間と外部空間とを連通する開口や通気孔等を備えていない。このような密閉性に優れた本体12を備えることにより、筐体10内で発生する気体(後述の臭気を含む。)や光等を外部に漏らすことなく印刷を実施することができる。加えて、外部空間から埃等が筐体10の内部に進入して、印刷物の表面等が汚れるのを防ぐことができる。
図2に示すように、プリンタ1は、仕切り部材16によって、内部空間が大まかに印刷エリア10Aと制御エリア10Bとに区分けされている。印刷エリア10Aは、仕切り部材16の左側を占める空間である。印刷エリア10Aでは、印刷部20によって印刷が行われる。印刷部20は、インクを液滴として吐出する供給ヘッド22と、インクを硬化させるための光照射部24と、記録媒体と供給ヘッド22との相対位置を変化させる移動装置70(図3参照)とを備えている。制御エリア10Bは、仕切り部材16の右側を占める空間である。制御エリア10Bには、プリンタ1の各部の動作を制御する制御部60や、供給ヘッド22のクリーニングを行うクリーニングユニット(図示せず)等が設置されている。印刷エリア10Aと制御エリア10Bとは、仕切り部材16の上方で連通されている。この連通された部位において、移動装置70のうちのガイドレール78aが、主走査方向Yに沿って印刷エリア10Aおよび制御エリア10Bに亘り延設されている。
印刷エリア10Aの中央付近には、テーブル72が備えられている。テーブル72は、記録媒体としての基材を載置する台である。印刷部20は、テーブル72に載置された基材に対して印刷を実施する。本実施形態におけるテーブル72は平らな板状であって、典型的には基材の全体をテーブル72に載せて印刷を行う。テーブル72は、図3に示すように、水平移動装置74と、テーブル昇降装置76とを備えるテーブル移動機構上に配設される。テーブル移動機構は、移動装置70のうち、記録媒体と供給ヘッド22との相対位置を副走査方向Xと高さ方向Zとで変化させる。水平移動装置74は、スライドレール74a、スライド固定装置74bおよび駆動装置(図示せず)を備えている。テーブル72は、スライド固定装置74bを介してスライドレール74aにスライド自在に係合されている。スライド固定装置74bは、図示しない駆動装置によってスライドレール74aに沿って前方または後方に移動される。これにより、テーブル72は、印刷エリア10A内で副走査方向Xに移動可能である。また、テーブル72は、水平移動装置74を介してテーブル昇降装置76上に設置されている。テーブル昇降装置76は、テーブル72を高さ方向Zに移動させることができる。テーブル昇降装置76としては特に限定されないが、ここではシリンダ機構を採用している。テーブル昇降装置76がテーブル72を高さ方向Zで移動させることで、ここに開示されるプリンタ1は、三次元の立体形状を有する印刷物を印刷(造形であり得る。)することができる。テーブル昇降装置76が高さ方向Zで移動できる距離は、例えば基材に印刷する三次元形状を有する印刷物の高さ寸法よりも大きくなるよう設計することができる。
なお、テーブル72は、基材を安定的に載置するための固定治具(図示せず)を着脱可能に備えていてもよい。固定治具としては、基材の下面(非印刷面)とテーブル72の上面とを粘着させる粘着部材であってもよいし、基材の副走査方向Xおよび高さ方向Zでの移動を制止する固定部材(例えば基材固定枠)等であってもよいし、基材の形状の少なくとも一部に追随して基材を固定する保持具等であってもよい。
テーブル72の上方には、供給ヘッド22のヘッド移動機構78が備えられている。ヘッド移動機構78は、移動装置70のうち、記録媒体と供給ヘッド22との相対位置を主走査方向Yで変化させる。ヘッド移動機構78は、ガイドレール78aと、キャリッジ78bと、キャリッジ移動機構78cとを備えている。ガイドレール78aは、上述のように主走査方向Yに延びている。ガイドレール78aは、テーブル72の上方に備えられている。ガイドレール78aは、主走査方向Yの寸法がテーブル72の寸法よりも大きく、テーブル72を上方で跨ぐように配置されている。キャリッジ78bは、供給ヘッド22と光照射部24とを保持している。キャリッジ78bは、ガイドレール78aに係合している。キャリッジ78bは、キャリッジ移動機構78cによって、ガイドレール78aに沿って左方向または右方向(即ち主走査方向Y)に移動することができる。キャリッジ移動機構78cの構成は特に限定されないが、例えば、ガイドレール78aの左端側および右端側に配置された一対の駆動プーリ、従動プーリ、無端ベルトおよび駆動プーリを回転駆動させるモータ等により構成される。例えば、キャリッジ移動機構78cがキャリッジ78bを主走査方向Yで移動させることにより、供給ヘッド22も主走査方向Yで移動される。
印刷エリア10Aの左側には、カートリッジ収容部80が設けられている。本例のカートリッジ収容部80には、光硬化性インクが充填された複数のインクカートリッジ81が着脱自在に収容されている。光硬化性インクは、未硬化の状態では粘性を備えた液体であって、例えば紫外線等の光を照射することで硬化する性質を有する。複数のインクカートリッジ81には、色の異なるインクが未硬化の状態で貯留されている。本例では、例えば、プリンタ1は、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインクを貯留する5つのインクカートリッジ81を備えている。
プリンタ1は、図示しないインク供給システムを備えている。インク供給システムは、インクカートリッジ81に貯留されたインクを、後述する供給ヘッド22に供給するためのシステムである。インク供給システムは、インクカートリッジ81と供給ヘッド22とを可撓性を有するチューブ等により構成されるインク供給路を介して連結する。インク供給路には、必要に応じて送液ポンプが設けられる。インク供給システムは、インクカートリッジ81ごとに、貯留されたインクを供給ポンプによりインクチューブ内を圧送して供給ヘッド22のノズルにまで供給する。
供給ヘッド22は、本実施形態の印刷用材料である光硬化性インクを液滴状に吐出して供給するインクジェット方式の供給装置である。本例において供給ヘッド22は、記録媒体と対向する側の面(本実施形態では供給ヘッド22の下面)に、インクを吐出するための複数のノズルを備えている。各ノズルは、上述のように、インク供給システムを介してインクカートリッジ81に接続されている。また、供給ヘッド22は、キャリッジ78bに保持され、テーブル72に対して相対的に3次元で移動することができる。また、供給ヘッド22は、後述の制御部60により、所定のタイミングで所定の量のインク液滴をノズルから吐出させるように制御される。これにより、供給ヘッド22は、テーブル72上の所定の位置に光硬化性インクを吐出することができる。
光照射部24は、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに硬化のための光を照射する。本例の光照射部24は、主走査方向Yにおいて供給ヘッド22の右方と左方とに一つずつ設けられ、供給ヘッド22と共にキャリッジ78bに保持されている。例えば、供給ヘッド22がキャリッジ78bにより右方に移動されながら光硬化性インクを吐出するときは、供給ヘッド22の左方に設置された光照射部24が光を発することで、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに瞬時に光を照射することができる。また、例えば、供給ヘッド22がキャリッジ78bにより左方に移動されながら光硬化性インクを吐出するときは、供給ヘッド22の右方に設置された光照射部24が光を発することで、供給ヘッド22から吐出された光硬化性インクに瞬時に光を照射することができる。供給ヘッド22から吐出されたインクは、光の照射により硬化を開始する。また吐出されたインクは、完全に硬化しない半硬化の状態で基材または先に供給されたインク(硬化後の光硬化性樹脂)の上に着弾する。このことによって、各色のインクは互いに交じり合わず、基材または先に供給されたインク上に固定される。光照射部24の発光のタイミングは、後述の制御部60により、供給ヘッド22のインクの吐出タイミングに応じた任意のタイミングで制御される。光照射部24は、光源として例えば紫外線発光ダイオードを備えている。紫外線発光ダイオードは、少ない電力で高輝度な光を発光することができ、また、発光に際して発熱しないため、比較的熱に弱い基材に対しても基材の変質を招き難いために好ましい。なお、光照射部24の光源は紫外線発光ダイオードに制限されず、例えばハロゲンランプなどの他の光源であってもよい。
なお、光硬化性インクには、一般的には、光重合開始剤が含まれている。光重合開始剤は、紫外線や電子線等の照射によってラジカル,カチオンまたはアニオン等の活性種を瞬時に発生し、光硬化性インクの硬化反応を開始させて、硬化反応の進行を促進する。その一方で、光硬化性インクを用いた印刷では、インクの硬化に伴い不快な臭いが発生し得ることが知られている。この臭気は、光重合開始剤や光硬化樹脂等が紫外線等により分解されて発生する分解生成物や、紫外線の照射により空気中の酸素から生成するオゾンに由来すると考えられる。また、この分解生成物は、臭気の発生だけでなく、人体に皮膚刺激をもたらしたり皮膚感作性を示したりするため、安全上の課題を有している。近年では、光重合開始剤の改良により光硬化性インクの硬化時の臭気発生等の問題は低減されてきているが、三次元的な印刷物を印刷する場合にはインク量も増えるため、プリンタ1の外部に臭気等を排出することは好ましくない。
ここに開示されるプリンタ1は、気体清浄部30を備えている。気体清浄部30は、気体を清浄化する機能を有する。本実施形態の気体清浄部30は、筐体10を支持する支持台も兼ねている。図4は、気体清浄部30の構成を示す断面図である。気体清浄部30は、排出部40によって筐体10と連結されており、筐体10の内部の気体を排出部40を通じて気体清浄部30内に排出する。その一方で、気体清浄部30は、供給部50によっても筐体10と連結されており、気体清浄部30で浄化された気体を供給部50を通じて筐体10内に供給する。すなわち、ここに開示されるプリンタ1は、筐体10と気体清浄部30との間で気体を循環させる。気体清浄部30は、例えば、送気部32と、脱臭部34と、フィルタ部36とを備えている。
送気部32は、例えば、筐体10内の気体を排出部40を通じて気体清浄部30内に取り込んだのち、気体清浄部30から供給部50を通じて筐体10内へと送気することができる。送気部32は、気体の搬送が可能であればその構成は特に制限されない。送気部32は、例えば、図示しない送気路とファンとを備え、筐体10から気体を吸引し、吸引した気体を脱臭部34に搬送する。ファンとしては、例えば、回転翼とこの回転翼を回転させるモータ等の駆動部を備える回転翼式ファンや、スクリューとこのスクリューを回転させるモータ等の駆動部を備えるスクリュー式のファン等を使用することができる。
脱臭部34は、送気部32により送られてきた気体の臭気を脱臭する。脱臭部34は、例えば臭いの元となる物質を、分解、吸着または分離等することで気体から除去する。脱臭部34は、例えば、脱臭作用を有する脱臭剤を備えることができる。脱臭剤としては、例えば、臭気化合物を吸着する活性炭や、臭気化合物を分解するオゾン酸化剤等を好適に用いることができる。本実施形態の脱臭部34は脱臭室内に活性炭を収容することで構成されている。本実施形態において、脱臭部34は500g以上(典型的には1kg以上、2kg以上、例えば3kg以上であって、例えば10kg以下。)の活性炭を備えている。なお、脱臭部34は、例えば、プラズマ発生装置を備え、気体に対してコロナ放電やプラズマ放電等を照射して臭気を発する物質を分解する構成であってもよい。また、脱臭部34はオゾン発生装置を備え、臭気を発する有機化合物の炭素−炭素二重結合をオゾン酸化によって切断することでその有機化合物を分解する構成であってもよい。なお、従来の吸入口等に備えられる簡易なろ過フィルタは、光硬化性インクの使用に伴う臭気等の脱臭は不可能であるか、あるいは可能であっても長期に亘ってその脱臭能を維持することは不可能であった。これに対し、上記脱臭部34によると、例えば、当該臭気を分解または除去することができる。これにより、プリンタ1で発生した臭気が外部に放出されるのを防止することができる。
フィルタ部36は、送気部32により送られてきた気体から当該気体に混入している異物(固体および気体)を除去(ろ過)する。このような異物としては、空気中の塵や埃、また印刷装置内で発生したヒューム、インクミスト等が挙げられる。また、このような異物は、臭気を発する気体状ないしはミスト状の化合物を含んでいてもよい。フィルタ部36は、除去対象の異物の大きさ等に応じて複数のフィルタ機能を備えていてもよい。例えば、一例として、約50μm以上の粒子を除去対象とした粗塵用フィルタ、約25μm以上50μm未満の粒子を除去対象とした中性能フィルタ、約0.3μm以上25μm未満の粒子を除去対象としたHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、約0.15μm以上0.3μm未満の粒子を除去対象としたULPAフィルタ(Ultra Low Penetoration Air Filter)等の1つまたは2つ以上の組み合わせにより構成することができる。なお、フィルタ部36は脱臭部34の下流側に設けられ、脱臭部34で脱臭された気体が導入されてもよい。脱臭部34として、本実施形態のように活性炭粉末が充填された活性炭フィルタを用いる場合、この脱臭部34が粗塵用フィルタとしての機能を担ってもよい。
本実施形態では、フィルタ部36は水フィルタ37を備えている。水フィルタ37は、粗塵用フィルタおよび/または中性能フィルタとしての機能を担う。水フィルタとは、気体を水面に触れさせたり水中に通したりすることで、気体に混入している埃等の異物を水に吸着させて除去する。本実施形態の水フィルタ37は、水37aを入れる容器37bと、気体を送るエアポンプ37cと、ヒータ37dとを備えている。ヒータ37dは必須の構成ではないが、後述のように、ヒータ37dを備えることにより容器37b内の空間を加湿室37eとすることができる点において好ましい態様である。
水フィルタ37において、フィルタ機能を発現する主体である水37aは、容器37bに収容される。容器37bには、内部空間の一部(例えば、20%以上80%以下の容量)を占める量の水37aが収容され、容器37bの内部空間の残部は加湿室37eとなる。加湿室37eは、容器37b内の水37aの上方に位置する。ヒータ37dは、容器37b内の水37aを加熱できるように容器37bに設置される。エアポンプ37cは、例えば、脱臭部34と容器37bとに接続され、脱臭部34で脱臭された気体を容器37bに送る。エアポンプ37cにより水中に送られた気体は水37aと接触し、例えば浮力によって加湿室37eに送られる。このとき、気体と水37aとが接触することで、気体中に含まれる埃等の異物が水37aに吸着されて、気体から除去されて清浄化される。上記のとおり清浄化された気体は加湿室37eに貯留される。容器37bの上方には供給部50が接続されている。供給部50は、容器37bの上方から加湿室37eに貯留されている気体を筐体10へと送ることができる。これによって、筐体10内の気体を気体清浄部30にて清浄化したのち、再び筐体10へと戻すことができる。
エアポンプ37cは、気体を送気できる限りその構造や設置位置は特に限定されない。エアポンプ37cは、例えば、ダイヤフラムを電磁方式で振動させることで気体を送る電磁式ダイヤフラム構造を備えるものであってよい。エアポンプ37cは、例えば図4に示すように、容器37bの下方に接続されており、容器37b内に収容された水37a中に気体を送るように構成されていてもよい。エアポンプ37cは、例えば、流路とエアストーン等と呼ばれる多孔質部を備え、気体を微細な泡状にして水37a中に放出するように構成されていてもよい。また、エアポンプ37cは、図示しない高圧ポンプであってもよい。高圧ポンプは、ピストン型やプランジャー型のいずれであってもよい。容器37b内に収容された水37aに高圧の気体を送ることで、水37a中で気体を微細な泡の状態にして水流を作ることができる。これにより、気体と水37aとの接触面積を拡大することができ、気体に含まれるゴミやホコリを効率よく除去することができる。
なお、本実施形態の印刷部20は、インクジェット方式のプリンタであることから、霧状の極微小な液滴からなるインクミストが発生し得る。インクミストは微小なサイズ効果により印刷エリア10A内の気体中を浮遊し得るが、その比重は光硬化性樹脂の比重とほぼ等しく、例えば約1.1以上であり得る。したがって、インクミスト等を含む気体が水フィルタ37に導入され、インクミスト等が水37aと接触すると、水37aよりも比重の高いインクミスト等は水中に沈降し得る。また、エアポンプ37cが気体を微細な泡状にして水37aに導入することで、気体と水との接触面積が増大してより多くの埃やインクミスト等が水37aに吸着される。このように、水フィルタ37によるとプリンタ1の筐体10内の気体を効果的に清浄化することができる。
なお、ヒータ37dが容器37b内の水37aを加熱することで、水37a中を通過する気体や加湿室37eの気体も加熱される。ヒータ37dが加熱を停止することで、水37aや加湿室37eの温度は環境温度と同じ温度に戻る。このようにヒータ37dの動作を制御することで、フィルタ部36の温度を調節することができる。その結果、プリンタ1内を循環する気体の温度をプリンタ1の所定の動作定格温度にまで加熱することができるでき、印刷エリアAの温度をプリンタ1による印刷に最適な温度に調整することができる。水37aおよび加湿室37eの温度は、例えば、22℃以上32℃以下の温度範囲に調整することが好ましい。
ヒータ37dの発熱原理や構成等は特に制限されない。例えば、ヒータ37dの加熱形式は、抵抗加熱、誘導加熱、誘電加熱、遠赤外線加熱、近赤外線加熱、レーザ加熱、電子ビーム加熱、アーク・プラズマ加熱等であってよい。本実施形態において、ヒータ37dは、セラミックやニクロム線等からなる抵抗発熱体に電流を流すことで発熱する電熱線ヒータである。ヒータ37dは、例えば、容器37b内の水37aの温度に基づいて動作が制御されるように構成されていてもよい。例えば、容器37bの内壁または外壁にサーミスタ等からなる温度センサ(図示せず)が備えられており、かかる温度センサが測定する水37aの温度に基づきヒータ37dの動作を制御することができる。
また、ヒータ37dが容器37b内の水37aを加熱すると、水37aの気化が促進される。すると加湿室37e内の水蒸気量が増大し、加湿室37eは加湿される。ヒータ37dが水37aの加熱を停止し、水温が環境温度と同じ温度になると、加湿室37e内の過剰な水蒸気は液化して水37aに戻る。このようにヒータ37dの作動を制御することで、加湿室37e内の湿度を調節することができる。その結果、筐体10内に送る気体の湿度を調整することができる。換言すると、印刷エリア10Aの湿度を調整することができる。これにより、供給ヘッド22におけるインクの乾燥を抑制したり、周辺環境による印刷条件の変化の影響を低減したりすることができる。なお、光硬化性インクとして、ラジカル重合やアニオン重合により硬化するタイプのインクを使用する場合、印刷品質は湿度にさほど影響されない。しかしながら、カチオン重合により硬化するカチオン重合タイプのインクを使用する場合、過剰な加湿はカチオン活性種の活性を低下させ得るため、過剰な加湿は避けることが好ましい。例えば、湿度は60%以下(例えば20%以上50%以下)の範囲で印刷エリア10Aの調湿を行うことが好ましい。
なお、従来の吸入口等に備えられている簡易なろ過フィルタでは、例えば、光硬化性インクの使用に伴う臭気等の脱臭は不可能であるか、あるいは可能であっても長期に亘ってその脱臭能を維持することは不可能であった。また簡易な構成のため、簡易なろ過フィルタのみで外部からの埃等の異物の進入を十分に防止できるものではなかった。さらに、従来の簡易なろ過フィルタのサイズを維持したまま、ここに開示されるプリンタ1と同程度の十分な清浄化性能を備えようとすると、当該ろ過フィルタの価格が著しく高価となったり、ろ過フィルタの抵抗が高くなりすぎて吸入口として機能し得なくなる虞があった。これに対し、上記脱臭部34によると、例えば、当該臭気を分解または除去することができる。これにより、プリンタ1内で発生した臭気が外部に放出されるのを防止することができる。また、ここに開示されるプリンタ1では、従来の簡易なろ過フィルタに比べて長い循環経路を経て清浄化を行えるため、筐体1内の気体を十分に清浄化することができる。また、ここに開示されるプリンタ1によると、清浄化に伴う外部から筐体1への気体の導入を抑制することができる。さらに、筐体1から外部へ気体が排出される場合でも、当該気体はクリーンな状態とすることができる。
制御部60は、水平移動装置74の駆動装置と、テーブル昇降装置76と、ヘッド移動機構78と、供給ヘッド22と、光照射部24とに対して、通信可能に接続されており、これらの動作を包括的に制御する。制御部60は、典型的には、複数の回路により構成されたコンピュータである。制御部60は、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器からの印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU)と、CPUが実行するプログラムを格納したROMと、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAMと、上記プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)とを備えている。この制御部60による各部の制御によって、プリンタ1は、外部機器からの印刷データに基づく印刷を実施することができる。
また、制御部60は、気体清浄部30の送気部32と、エアポンプ37cと、ヒータ37dとに対して、通信可能に接続されており、これらの動作も包括的に制御する。プリンタ1が印刷部20により印刷を行っているときや、印刷を実施した後などに、印刷エリアAには臭気が発生する場合がある。したがって、制御部60が印刷時や印刷後等に気体清浄部30のこれら各部を作動させるよう制御することで、プリンタ1の外部に臭気を含む気体を排出することなく内部循環によって筐体10内の気体を清浄化することができる。また、筐体10は、排出部40から気体が排出されるとともに、清浄化された気体が供給部50から供給される。したがって、筐体10から気体を排出する際に、筐体10の本体12とフロントカバー14との隙間など、意図しない箇所から筐体10内に外気が導入されるのを防止することができる。このことにより、外部空間に含まれる埃等の異物が印刷エリア10Aに導入され、インクに混入して印刷品質が低下するのを抑制することができる。
なお、本実施形態において排出部40は筐体10の底面と気体清浄部30の上面との境に設けられ、両者を接続している。しかしながら排出部40の位置はこれに限定されない。排出部40は、印刷により発生する臭気やインクミスト等を効果的に気体清浄部30に排出できる構成であることが好ましい。したがって、排出部40の筐体10側の端部(筐体10の排出口であり得る。)は、筐体10の内部に位置してもよい。例えば、排出口は、印刷エリア10A内であって、印刷部の各部の動きを妨げない位置に1つまたは2つ以上設置することができる。具体的には、排出口は、例えば印刷エリア10Aの下方および上方の少なくとも一方に設置することができる。これにより、印刷により発生する臭気を、臭気の元となる化合物の比重が空気よりも大きい場合や小さい場合に、当該化合物を含む気体を効率的に筐体10から清浄部30へと排出することができる。また、印刷により発生するインクミスト等が筐体10等に付着して硬化する前の浮遊状態で効率的に排出することができる。また例えば、排出口は、制御エリア10B内であって、供給ヘッド22のクリーニング等を妨げない位置に設置することができる。具体的には、排出口は、例えばクリーニングユニットによりクリーニングされている供給ヘッド22の周囲(好ましくは下方)に設けることができる。これにより、インクミストの固化物等がクリーニング時に欠片となって脱落した場合等に、この欠片を気体とともに筐体10から清浄部30へと排出することができる。
また、制御部60は、気体清浄部30による気体の清浄化の開始および停止のタイミングを制御することができる。
例えば、制御部60は、プリンタ1の電源が入れられた時に気体清浄部30による筐体10内の気体の清浄化を開始し、電源が切られた時に清浄化を停止するようにしてもよい。これにより、プリンタ1の内部空間の気体を定常的に清浄化することができる。また、プリンタ1の使用時(電源がオンのとき)に、気体清浄部30を常時作動させることで、実際の印刷時にも比較的低出力で気体の清浄を行うことができる。これにより、気体清浄部30のファン等の動作音等を小さく抑えることができる。また、プリンタ1内を循環する気体の流速を低く抑えて清浄化を行うことができる。これにより、印刷部20が印刷を行う際の供給ヘッド22からのインクの吐出挙動に影響を与えることなく、気体の清浄化を実施することができる。なお、ここでいう電源は、副電源が設けられている装置については、主電源であってもよいし副電源であってもよい。典型的には副電源である。
また、制御部60は、気体の清浄化の進行に応じて印刷のタイミングを制御することができる。例えば、制御部60は、プリンタ1の電源が入れられた時に気体清浄部30による筐体10内の気体の清浄化を開始する。そして、サーミスタ等の温度センサにより検知されるプリンタ1内を循環する気体の温度が所定の定格温度に達したときに、印刷部20に印刷を開始するよう指示することができる。これにより、適切な印刷環境で印刷を実施することができる。
さらに制御部60は、気体清浄部30による気体の清浄に際し、気体の送気速度(循環速度であり得る。)を制御することができる。例えば、送気部32の駆動を制御することで、気体の循環速度を任意に調整することができる。例えば、印刷部20が印刷を実施しているときは、気体の循環を続けながら、その循環速度を低減するように気体清浄部30を制御することができる。たとえば、気体清浄部30の送気部32やフィルタ部36部等が備える気体清浄能力が凡そ150〜170m/hであった場合、制御部60は、印刷部20が印刷を実施していないときは任意の送気速度で気体の清浄を行うことができる。これに対し、制御部60は、印刷部20が印刷を実施しているときは、送気速度が例えば120m/h以下(一例として、10〜100m/h、例えば20〜50m/h)となるように気体清浄部30の駆動を制御することができる。これにより、印刷部20の供給ヘッド22から吐出されるインク液滴の挙動に影響を与えることなく、気体の清浄化を行うことができる。
また、制御部60は、例えば、フロントカバー14が開けられたときに、気体の循環速度を低下させたり、循環を停止させたりするよう、気体清浄部30を制御することができる。これにより、フロントカバー14が開いているときに、印刷エリアAに異物を含む外気が多量に導入されるのを防ぐことができる。
一方で、制御部60は、例えば、フロントカバー14が閉じられたときに、これまでに印刷エリアAに導入された外気の清浄化が必要であると判断し、気体の循環速度を高めることができる。これにより、より短時間で筐体10内の気体を清浄化することができる。
また制御部60は、例えば、印刷部20が印刷を終えたとき、あるいは印刷を待機しているときに、気体の循環速度を高めることができる。ここで印刷部20が印刷を終えたときは、筐体10内の気体と浄化後の気体とを置換するのに必要な時間だけ、循環速度を速めるようにしてもよい。なおこのとき、付加的に、印刷後の筐体10内の気体の清浄化を終えるまで、フロントカバー14が開けられないようにフロントカバー14をロックしたり、フロントカバー14の近傍にフロントカバー14の開放操作を規制する警告を表示したりしてもよい。これにより、筐体10内に発生した臭気等を迅速に浄化することができる。また、筐体10内の気体から臭気が除去された状態で、安全に印刷物を取り出すことができる。
なお、本実施形態では、フィルタ部36として水フィルタ37を備えるようにしていた。しかしながら、フィルタ部36として、HEPAフィルタを備えていてもよい。HEPAフィルタを備える場合、HEPAフィルタと水フィルタ37とを併用し、水フィルタ37の下流側にHEPAフィルタを設置するとよい。HEPAフィルタは、JIS Z8122:2000に規定されるように、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。しかしながら、HEPAフィルタで約0.3μm以上の粒子を全て補足すると、目詰まりを生じ易いために好ましくない。そのため、メンテナンスが容易で低コストにフィルタ交換が可能な水フィルタ37をHEPAフィルタのプレフィルタとして使用することが好ましい。また、HEPAフィルタは、水フィルタ37に対して垂直方向の上方Uに備えられるとよい。HEPAフィルタが、水フィルタ37を通過した気体を下方Dから吸い込み、上方Uへ排出するように構成されていることで、水フィルタ37を通過した気体中に万一粒子が含まれていても、比較的サイズの大きな粒子を重力の作用によって水フィルタ37側に落下させることができる。なお、水フィルタ37の加湿室37eを通過する粒子については、粒子に水分子が結合して落下する割合が増大する。これにより、
フィルタの清浄化効率を高めると共に、フィルタの寿命を長大化させることができる。
なお、本実施形態では、印刷用材料であるインクとして光硬化性インクを使用していた。しかしながら、ここに開示されるプリンタ1に使用可能なインクは光硬化性インクに限定されず、上述のような各種のインクを使用することができる。ここに開示されるプリンタ1は筐体10内の気体の清浄化を好適に行えることから、例えば、強い臭気を発生する有機溶剤を含む、いわゆるソルベントインク(高溶剤系インク)を使用する場合に、特に本プリンタ1の特長が発揮されるために好ましい。色材を水ではなく有機溶剤で分散させた高溶剤系インクは高い耐候性を有するために、屋外用途の印刷に使用が望まれているインクである。ここに開示されるプリンタ1は、ソルベントインクを用いた印刷を、安全かつ高品質に実施することができる。
また、本実施形態において、プリンタ1は印刷部20として、印刷用材料をインクジェット方式で記録媒体に供給する、いわゆるインクジェットプリンタであった。しかしながら、プリンタ1の印刷用材料の供給方式は、インクジェット方式に限定されない。プリンタ1は、帯電された感光体に印刷イメージでレーザ等の光を照射し、その光照射部位にトナーを付着させることで、トナーを所定のイメージで記録媒体に転写(印刷)する、いわゆるレーザプリンタ等であってもよい。また、プリンタ1は、ワイヤ状の印刷用材料を加熱して軟化または溶融させながら基材(記録媒体であり得る。)に供給する熱溶解積層方式の3Dプリンタであってもよい。これらのプリンタも、印刷に際して印刷用材料に由来する臭気や分解生成物の発生を伴い得る。ここに開示されるプリンタ1は、このような臭気や分解生成物の発生を伴い得る印刷を、安全かつ高品質に実施することができる。
また、本実施形態において、プリンタ1は印刷部20が高さ方向Zで移動可能なフラットベッドタイプのテーブル72と密閉空間を実現する筐体全体を覆うカバー14,14a,12,12a,10,10a,10bを備えた、いわゆるフラットベットタイプのプリンタであった。また、筐体10は密閉空間を実現し得る構成であった。しかしながら、プリンタ1はかかる例に限定されない。上記フラットベットタイプのプリンタは、例えば、2次元での印刷も可能である。しかしながら、プリンタ1は、例えば、記録媒体を高さ方向Zで移動可能な構成を備えない、2次元での印刷を主体とするプリンタ(いわゆる2Dプリンタ)であってもよい。このようなプリンタは、副走査方向Xでの記録媒体の搬送に、例えば、一対のグリッドローラ(駆動ローラ)とピンチローラ等から構成される搬送機構を採用することができる。また、筐体10は、本体12とフロントカバー14との間にシート状の記録媒体が通過できる隙間を備え、外部空間と内部空間とがこの狭い隙間で連通されていてもよい。このような隙間を備えるプリンタ1であっても、ここに開示される技術による利点を得ることができる。
なお、本実施形態において、供給ヘッド22と記録媒体を載置するテーブル72との相対位置を変化させる移動装置70は、テーブル72をX方向およびZ方向で移動させる水平移動装置(第1移動部)74およびテーブル昇降装置(第2移動部)76と、供給ヘッド22をY方向で移動させるヘッド移動機構(第3移動部)78とを備えていた。しかしながら、移動装置70の構成はこれに限定されない。例えば、移動装置70は、記録媒体やこれを載置するテーブル72に対し、供給ヘッド22をX方向、Y方向およびZ方向の3次元空間で自在に移動させることができるよう構成されていてもよい。これにより、印刷体(造形物)を安定に支持しつつ印刷(造形)を実施することができる。
1 プリンタ(循環換気型印刷装置)
10 筐体
20 印刷部
30 気体清浄部
36 フィルタ部
40 排出部
50 供給部
60 制御装置

Claims (12)

  1. 印刷対象に印刷を実行する印刷部と、
    前記印刷部を収容する筐体と、
    気体を清浄化する気体清浄部と、
    前記筐体と前記気体清浄部とを連結し、前記筐体内の気体を前記気体清浄部に排出する排出部と、
    前記筐体と前記気体清浄部とを連結し、前記気体清浄部で清浄化された気体を前記筐体に供給する供給部と、
    を備える、循環換気型印刷装置。
  2. 前記気体清浄部は、前記気体に含まれる異物を除去するフィルタ部を備えている、請求項1に記載の循環換気型印刷装置。
  3. 前記フィルタ部は、前記気体を水に接触させることで水に異物を吸着させて除去する水フィルタを備えている、請求項2に記載の循環換気型印刷装置。
  4. 前記フィルタ部は、HEPAフィルタを備えている、請求項2または3に記載の循環換気型印刷装置。
  5. 前記気体清浄部は、前記気体に含まれる臭気を脱臭する脱臭部を備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の循環換気型印刷装置。
  6. 前記脱臭部は、活性炭を備えている、請求項5に記載の循環換気型印刷装置。
  7. 前記印刷部は、
    インクを液滴として吐出する供給ヘッドと、
    前記印刷対象と前記供給ヘッドとの相対位置を変化させる移動装置と、
    を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の循環換気型印刷装置。
  8. 前記印刷部は、
    前記供給ヘッドから吐出された前記インクを硬化させるための光照射部を備え、
    前記移動装置は、
    前記供給ヘッドを前記印刷対象に対して三次元で移動可能なように構成されている、請求項7に記載の循環換気型印刷装置。
  9. 前記筐体は、開口を有する本体と、前記開口を塞ぐカバー部とを備え、
    前記筐体は、前記排出部および前記供給部以外に前記筐体の内部と外部とを連通する開口を備えない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の循環換気型印刷装置。
  10. 前記気体清浄部の作動および停止を制御する制御部を備えている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の循環換気型印刷装置。
  11. 前記制御部は、前記印刷部が印刷を停止している停止時および印刷を終了した終了時の少なくとも一方のタイミングで前記気体清浄部を作動させる、請求項10に記載の循環換気型印刷装置。
  12. 前記気体清浄部の作動および停止を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記カバー部が前記開口を閉じているときに前記気体清浄部を作動させる、請求項9のいずれか1項に記載の循環換気型印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117565572A (zh) * 2024-01-04 2024-02-20 北京印刷学院 一种绿色环保油墨打印机及方法
US11964501B2 (en) 2020-09-30 2024-04-23 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Printing device

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