JP2008188984A - 紫外線照射装置および該紫外線照射装置を用いた記録装置、ならびに記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線照射装置190A,190Bは、紫外線硬化型インクを噴射する印刷ヘッド52を搭載するキャリッジ50に取り付けられ、印刷ヘッド52が印刷用紙P上に噴射したインク膜196に対して紫外線を照射する複数の紫外線光源192,193を備える。印刷ヘッド52近傍の印刷用紙P上を照射する紫外線光源192の紫外線192aは、印刷ヘッド52近傍からキャリッジ50の移動方向に沿って離れた印刷用紙P上を照射する紫外線光源193の紫外線193aよりも、波長が短い。
【選択図】図2
Description
紫外線硬化型インクが通常の水性インクや油性インクと異なる点は、記録媒体(印刷用紙)等に付着させた後、適量の紫外線を照射すれば速やかに硬化して、インク浸透性等の記録媒体の物性に左右されずに、安定した印刷品質を維持できる点である。
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短いことを特徴とする紫外線照射装置によって達成される。
そこで、例えばインクの粘度が低く、インク膜の膜厚が比較的薄い多色印刷時にも、記録媒体上に付着された複数の紫外線硬化型インクを、にじみや色混じりという不具合を招くことなく、良好に硬化させることができる。
なお、ここで指す「波長」とは、光源から放たれる光のピークとなる波長のことを示す。
また、この様な構成の紫外線照射装置によれば、短波長用光源及び長波長用光源のレイアウトが容易で、紫外線光源の構成が簡単となるので、製造コストを低減することができる。
かかる手段によれば紫外線光源を複数設置しなくとも、紫外線光源から出射された紫外線を、波長の異なる複数の紫外線に分離可能である。
また、例えば、反射機構の反射面を、紫外線光源の発光中心を焦点とする放物曲面とすることで、各フィルタを透過する紫外線方向を揃えて、インクに照射される紫外線強度の均一化を図ることができ、紫外線照射によるインクの硬化性能を安定させることができる。
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から前記記録媒体の送り方向に沿って離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短いことが望ましい。
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から前記キャリッジの移動方向に沿って離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短いことが望ましい。
特に、紫外線照射装置を複数の紫外線光源を有する構成とした場合、紫外線光源としてLED又はLDのいずれかを使用することにより、フィルタ等を使用せずとも、光源単体で短波長及び長波長の紫外線光源をそれぞれ用意できる。そこで、例えば紫外線光源として水銀灯ランプやメタルハライドランプその他のランプ類を使用した場合と比較して、フィルタ等の装備のために紫外線照射装置が大型化することを回避でき、また、フィルタによる吸収で出射された紫外線強度が低下することがなく、効率良く、紫外線硬化型インクの硬化を実施できる。
一方、紫外線光源から出射された紫外線をフィルタによって複数の波長が異なる紫外線に分離する構成とした場合には、フィルタで紫外線の波長を調整できることから、紫外線光源の選択自由度が高い。したがって、例えば、紫外線硬化型のカラーインクに含有される発色用の色材(顔料又は染料)によって吸収する紫外線の波長域や、硬化温度等が相異する場合、そのインクの物性に適した波長域や発熱温度の紫外線光源を選択することで、より効率良く、紫外線の照射によるインクの硬化処理を実現できる。
記録ヘッドから前記記録媒体上に噴出された前記複数の紫外線硬化型インクを硬化する際、前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短い紫外線を照射することによって前記紫外線硬化型インクを硬化することを特徴とする記録方法によって達成される。
図1は本発明の第1実施形態に係る紫外線照射装置を搭載したインクジェット式記録装置の斜視図である。
図1に示した印刷ヘッド52は、3色以上のインクを噴射するフルカラー印刷用の所謂シリアル型ヘッドであり、各色毎に多数のヘッドノズルが備えられている。この印刷ヘッド52が搭載されるキャリッジ50には、上記の印刷ヘッド52の他に、印刷ヘッド52に供給される黒色インクを収容したブラックインク容器としてのブラックカートリッジ54と、印刷ヘッド52に供給されるカラーインクを収容したカラーインク容器としてのカラーインクカートリッジ56とが搭載されている。
各カートリッジ54,56に収容されているインクは、所謂紫外線硬化型インクである。
紫外線照射装置190A,190Bは、図1乃至図3に示すように、キャリッジ50の移動方向に沿った両側端にそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、印刷ヘッド52の向かって左側に取り付けられた紫外線照射装置190Aは、キャリッジ50が右方向(図2の矢印B方向)に移動する右走査時に、印刷用紙P上に吐出されたインク膜196に対して紫外線照射を行う。一方、印刷ヘッド52の向かって右側に取り付けられた紫外線照射装置190Bは、キャリッジ50が左方向(図2の矢印C方向)に移動する左走査時に、印刷用紙P上に吐出されたインク膜196に対して紫外線照射を行う。
各紫外線照射装置190A、190Bは、キャリッジ50に取り付けられて、出射する紫外線の波長が異なる2種の紫外線光源192,193をそれぞれ複数個ずつ整列支持した筐体194と、各紫外線光源192,193の発光及び消灯を制御する不図示の光源制御回路とを備えている。
本第1実施形態の場合、各紫外線照射装置190A、190Bには、これら2種の紫外線光源192,193が、それぞれ2個ずつ配置されている。
即ち、紫外線硬化型のカラーインクに含有される発色用の色材(顔料又は染料)によって吸収する紫外線の波長域や、硬化温度等が相異する場合、そのインクの物性に適した波長域や発熱温度の紫外線光源を選択することで、より効率良く、紫外線照射によるインクの硬化処理を実現できる。
例えば、上記実施形態では、出射する紫外線の波長が異なる紫外線光源として、2つの紫外線光源192,193を装備したが、出射する紫外線の波長が異なる3種以上の紫外線光源を使用するようにしても良い。その場合には、印刷ヘッド52からの離間距離が遠くなるほど、出射する紫外線の波長が順次長くなるように、各紫外線光源を配置すると良い。
次に、本発明の第2実施形態に係る紫外線照射装置を搭載したインクジェット記録装置を説明する。
図4に示した本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリンタ(インクジェット式記録装置)1は、記録媒体である印刷用紙Pを図示しない用紙トレーから給紙するための給紙ローラ2と、印刷用紙Pを搬送するための搬送ローラ3と、搬送ローラ3と対向して設けられた従動ローラ4と、印刷用紙Pを支持するためのプラテン5と、プラテン5に対向して設けられた記録ヘッドとしての印刷ヘッド6と、印刷ヘッド6によって紫外線硬化型インクを付着させた印刷用紙P上のインク付着面に紫外線を照射する紫外線照射装置7とを備えている。
そして、ヘッドモジュール10A〜10Dは、図示しないインク供給手段から供給されたブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクを、それぞれライン配列ごとのノズル11から吐出し、フルカラー印刷を行うようになっている。
これら2種の紫外線光源18,19は、図5及び図6に示すように、出射する紫外線の波長が短い紫外線光源18が、波長の長い紫外線光源19より印刷ヘッド6に近い位置に配置されるように、2本の紫外線光源18,19が、印刷用紙Pの搬送方向(図6の矢印D方向)に沿って印刷ヘッド6の中心からの離間距離L11,L12(但し、L11<L12)を有する複数の取り付け位置S11,S12に装備されている。
即ち、紫外線硬化型のカラーインクに含有される発色用の色材(顔料又は染料)によって吸収する紫外線の波長域や、硬化温度等が相異する場合、そのインクの物性に適した波長域や発熱温度の紫外線光源を選択することで、より効率良く、紫外線照射によるインクの硬化処理を実現できる。
本第3実施形態は、上記で説明した図1において、紫外線照射装置90A、90Bとして図7に示す紫外線照射装置290A、290Bを搭載した以外は、上記で説明した第1実施形態と同様である。
各紫外線照射装置290A,290Bは、図7に示すように、出射する紫外線の波長域が広い紫外線光源291と、キャリッジ50に取り付けられて前記紫外線光源291を印刷ヘッド52から所定の離間距離に支持する筐体293と、該紫外線光源291から出射された広波長域の紫外線UVslを長波長の紫外線UVlと短波長の紫外線UVsとに分離する2つのフィルタF1,F2と、紫外線光源291から出射された広波長域の紫外線UVslを2つのフィルタF1,F2に向けて反射する反射機構294と、紫外線光源291の発光及び消灯を制御する不図示の光源制御回路とを備えた構成である。
この反射機構294の反射面294aは、例えば、紫外線光源291の発光中心を焦点とする放物曲面に形成されており、紫外線光源291から入射した紫外線を放物曲面の軸線に平行に反射して、各フィルタF1,F2に入射させる。
そのため、紫外線光源291から前記各フィルタF1,F2側とは反対側に出射された紫外線も、反射機構294による反射によって各フィルタF1,F2側に戻され、紫外線硬化型インクの硬化用に活用されるため、紫外線光源291から出射される紫外線の利用効率が向上する。
例えば、上記実施形態では、紫外線光源291の出射する紫外線を、長波長フィルタ及び短波長フィルタの2種のフィルタF1,F2を使って、長短2種類の紫外線に分離したが、紫外線硬化型インクの特性によっては、3種以上のフィルタを使って、波長の異なる3種以上の特定波長の紫外線に分離し、波長の短い紫外線から順に、印刷用紙P上のインクに照射するようにしても良い。
以下、本発明の第4実施形態に係るインクジェットプリンタ(インクジェット式記録装置)について説明する。
本第4実施形態は、上記で説明した図4において、紫外線照射装置7として図8に示す紫外線照射装置27とする以外は、上記で説明した第2実施形態と同様である。
(顔料分散液の調製)
着色材としてC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)15重量%、モノマーとしてのアリルグリコール(日本乳化剤社製)加えて全体を100重量%とし、混合攪拌して混合物とした。この混合物を、サンドミル(安川製作所社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。
その後ジルコニアビーズをセパレータで分離しブラック顔料分散液を得た。
アリルグリコール
(モノマー:日本乳化剤社製)
U−15HA
(ウレタン系オリゴマー:新中村化学工業(株)製)
Irgacure 819
(光重合開始剤:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
Irgacure 127
(光重合開始剤:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
BYK−UV3570
(界面活性剤:ビックケミー・ジャパン株式会社製)
Irgastab UV10
(熱ラジカル重合禁止剤:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
(条件1)
記録ヘッド近傍に365nm波長の紫外線を、その外側に395nm波長の紫外線を照射強度が60mW/cm2になるように配置。
(条件2)
記録ヘッド近傍に395nm波長の紫外線を、その外側に365nm波長の紫外線を照射強度が60mW/cm2になるように配置。
硬化状態の指標は以下の通りである。
A:にじみや色混じりが無く硬化
B:にじみや色混じりが発生して硬化
Claims (13)
- 記録ヘッドが記録媒体上に噴射した複数の紫外線硬化型インクに対して紫外線を照射する紫外線光源を備えた紫外線照射装置であって、
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短いことを特徴とする紫外線照射装置。 - 前記紫外線照射装置が、複数の紫外線光源を備える紫外線照射装置であって、前記複数の紫外線光源が、前記記録ヘッド近傍に配置された短波長用光源と、該短波長用光源よりも前記記録ヘッドから離れて配置された長波長用光源と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
- 前記複数の紫外線光源は、前記記録ヘッド近傍から離れるにしたがって波長が順次長くなる紫外線を前記記録媒体上に照射することを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線照射装置。
- 前記紫外線照射装置が、前記紫外線光源から出射された紫外線を波長が異なる複数の紫外線に分離する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
- 前記手段が、特定の波長を優先的に透過させるフィルタであることを特徴とする請求項4に記載の紫外線照射装置。
- 前記フィルタと対向する位置に反射機構が配置され、前記紫外線光源から出射された紫外線を前記各フィルタ側に反射することを特徴とする請求項5に記載の紫外線照射装置。
- 前記手段は、前記記録ヘッド近傍から離れるにしたがって透過させる波長が順次長くなるように紫外線を分離することを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の紫外線照射装置。
- 前記記録ヘッドが前記記録媒体の幅方向にわたって設けられたライン型ヘッドであり、
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線照射光源の紫外線が、前記記録ヘッド近傍から前記記録媒体の送り方向に沿って離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線照射光源の紫外線よりも、波長が短いことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の紫外線照射装置。 - 前記記録ヘッドがキャリッジに搭載されたヘッドであり、
前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線照射光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から前記キャリッジの移動方向に沿って離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線照射光源の紫外線よりも、波長が短いことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の紫外線照射装置。 - 前記紫外線照射装置が、前記キャリッジの移動方向に沿った両側端に設けられることを特徴とする請求項9に記載の紫外線照射装置。
- 前記紫外線光源が、LED、LD、水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ又はエキシマランプから選択した少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の紫外線照射装置。
- 請求項1〜11の何れか1項に記載の紫外線照射装置を備えた記録装置。
- 複数の紫外線硬化型インクを用いて記録媒体上に多色印刷する記録方法であって、
記録ヘッドから前記記録媒体上に噴出された前記複数の紫外線硬化型インクを硬化する際、前記記録ヘッド近傍の前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線は、前記記録ヘッド近傍から離れた前記記録媒体上を照射する前記紫外線光源の紫外線よりも、波長が短い紫外線を照射することによって前記紫外線硬化型インクを硬化することを特徴とする記録方法。
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