JP2018139754A - 画像処理装置、x線ct装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、x線ct装置及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
演算時間を増大させることなく複数種類の基底物質の物理量を算出する。
【解決手段】
エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データに基づいて、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量をそれぞれ算出する第1の基底物質変換部と、前記第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量から、被写体の投影像又は再構成像の少なくとも一方であって、かつ、複数の画像を生成する画像生成部と、複数の前記画像に基づいて、前記第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換部と、を備える画像処理装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本願発明は、画像処理装置、X線CT装置及び画像処理方法に関し、特に、フォトンカウンティング型のX線検出器により取得されたデータに対する画像処理を行う画像処理装置、X線CT装置及び画像処理方法に関する。
X線CT装置は、複数の方向から撮影した被検体のX線透過像である投影データからX線吸収係数(線減弱計数)を算出し、被検体の断層像である再構成像を得る装置である。従来、投影データを取得するためのX線検出器として、積分型のX線検出器を用いたX線CT装置が主流であったが、近年、X線フォトンの個数を計測するフォトンカウンティング型のX線検出器を搭載したX線CT装置が開発されつつある(例えば、特許文献1)。この装置では、これまでのX線CT装置では取得できなかったエネルギー毎の仮想単色画像や、基底物質密度画像、実効原子番号画像、電子密度画像、光電効果画像、コンプトン散乱画像など、吸収係数以外の分布を示す再構成像、撮影で用いたスペクトル以外のエネルギー分布のX線における吸収係数像など、様々な再構成像(以降、これらの画像を「マルチエネルギー画像」という)を生成することができる。
このようなフォトンカウンティング型X線CT装置では、複数のエネルギービン毎に投影データを取得し、変換マップなどの変換パラメータを用いて、投影データの出力値に対応する基底物質の物理量を得ることができる。ここで基底物質の物理量とは、投影データの場合、基底物質の長さや面密度である。基底物質の物理量を用いることで、様々なマルチエネルギー画像を生成することができる。
特開2014−239840号公報
しかしながら、特許文献1のX線CT装置では、変換パラメータが、X線照射条件毎に必要であり、更に基底物質の組み合わせ(セット)毎に必要となる。従って、撮影前に、想定するX線照射条件と基底物質の組み合わせに対する多数の変換パラメータを、実験やシミュレーションを用いて決定しておく必要があり、多くの工程を要する。そして、これら工程で得られた多くの変換パラメータを記憶しておくための大きな記憶容量が必要となる。複数種類の基底物質を設定して夫々画像を生成する場合には、さらに多くの工程と大きな記憶容量を要してしまう。
ところで、基底物質の物理量の変換には、投影データを基に行う方法と、再構成像を基に行う方法とがある。投影データを基に行う方法は、特にX線検出素子毎の特性の違いを考慮して変換を行うことができるため、精度良く基底物質の物理量を求めることができるという利点がある。
しかしながら、投影データを基に行う方法によって基底物質の物理量変換を行うと、処理時間を要してしまうため、様々な基底物質を設定して画像を生成するような処理には不向きであった。
一方、再構成像を基に行う方法は、X線検出素子毎の特性の違いを考慮することができないものの、高速に処理を行うことができるという利点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、演算時間を増大させることなく複数種類の基底物質の物理量を算出し、延いては所望の画像を取得することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データに基づいて、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量をそれぞれ算出する第1の基底物質変換部と、前記第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量から、被写体の投影像又は再構成像の少なくとも一方であって、かつ、複数の画像を生成する画像生成部と、複数の前記画像に基づいて、前記第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換部と、を備える画像処理装置を提供する。
本発明によれば、演算時間を増大させることなく複数種類の基底物質の物理量を算出し、所望の画像を取得することができる。
本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置の概略を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置における演算部の概略を示すブロック図である。 図1のX線CT装置の検出部の概略を示す参考図である。 図1のX線CT装置の検出部によって検出するフォトン数とエネルギー範囲との関係を示すラフである。 図1のX線CT装置の検出部において生じた電荷に応じた電圧信号を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置における基底物質演算処理の概略を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置における基底物質演算処理を説明する説明図である。 (A)〜(E)本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置の基底物質演算処理において用いる変換マップの一例である。 (A)〜(C)本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置の基底物質演算処理において用いる変換マップの一例である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置を適用したX線CT装置の表示部に表示されるユーザインターフェース画面の一例を示す参考図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る画像処理装置を適用したX線CT装置における基底物質演算処理を説明する説明図である。 本発明の実施形態の変形例2に係る画像処理装置を適用したX線CT装置における基底物質演算処理を説明する説明図である。 本発明に係る画像処理装置のブロック図である。
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る画像処理装置は、エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データに基づいて、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量をそれぞれ算出する第1の基底物質変換部と、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量から、被写体の投影像又は再構成像の少なくとも一方であって、かつ、複数の画像を生成する画像生成部と、複数の前記画像に基づいて、第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換部と、を備える画像処理装置である。
このような画像処理装置によれば、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量に基づいて取得した画像から第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出するので、画像演算時間を増大させることなく複数種類の基底物質の物理量を算出することができる。
以下、より具体的に本発明の実施形態について説明する。
<実施形態>
以下、本発明の実施形態に係る画像処理装置を備えたX線CT装置について図面を参照して説明する。
図1に示すように、X線CT装置は、撮影系としての、X線源100と、X線検出器111と、これらX線源100及び検出器111の検出部104(後述)を対向配置し所定の回転軸を中心に回転するガントリー回転部101と、ガントリー回転部101の開口内に配置された寝台天板103と、これら撮影系の動作に伴いX線検出器111が取得した信号を処理する信号処理部112とを備えている。
X線源100は、例えば管電圧で加速した電子ビームをタングステンやモリブデンなどのターゲット金属に衝突させ、その衝突位置(焦点)からX線を発生させる。
ガントリー回転部101は、X線源100及び検出部104を互いに対向配置し、所定の回転軸を中心に回転する。ガントリー回転部101の中央には、被検体102が挿入される開口が設けられ、この開口内に、被検体102が寝かせられる寝台天板103が配置されている。寝台天板103とガントリー回転部101とは、所定の方向に相対的に移動可能となっている。
X線検出器111は、入射したX線フォトンを検出し、複数(例えば、3つ)のエネルギー範囲に分別して計数を行うフォトンカウンティング方式のX線検出素子が複数配置された検出部104と、X線検出素子から出力される投影像を収集する信号収集部108とを備えている。検出部104の詳細は後述する。
信号処理部112は、演算部105、表示部106、制御部107、記憶部109及び入力部110を備えている。
図2に示すように、演算部105は、収集した信号に所定の演算処理を行うため、信号収集部108で収集した信号に対して、基底物質変換に用いる変換パラメータを決定する変換パラメータ決定部150、第1の基底物質群に含まれる複数の基底物質の物理量を求める第1の基底物質変換部151、第1の基底物質群に属する基底物質の物理量から投影像を生成する投影像生成部(画像生成部)152、再構成処理を行いマルチエネルギー画像等の再構成像を生成する再構成像生成部153、投影像生成部152において生成された投影像又は再構成像生成部153において生成された再構成像から第2の基底物質群に属する基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換部154、及びこれら各部を制御する主制御部159を備えている。
演算部105は、記憶部109に記憶された情報や変換パラメータに基づいて種々の演算を行う。演算部105は必要に応じて記憶部109から各種情報やパラメータ等を読み出し、信号処理、画像処理、及び画像再構成等の演算を行う。
表示部106は、ユーザによる各種入力を実現するユーザインターフェース画面(詳細は後述する)を表示したり、演算部105により生成されたマルチエネルギー画像等を表示したりする。
制御部107は、X線源100の発生駆動源の動作を制御するX線制御部、X線検出器111の信号読み出し動作を制御する読み出し制御部、ガントリー回転部101の回転と寝台天板103の移動を制御する撮影制御部、及びこれら各部全体を制御する全体制御部を備えている。
記憶部109は、演算部105における演算処理に用いられるパラメータやデータ、投影データを取得した際の撮影条件等を記憶している。具体的には、基底物質変換に用いられる撮影条件情報140や、基底物質の物理量を求めるための変換パラメータ141等が含まれる。基底物質の物理量を算出するための変換パラメータとして、例えば、変換マップ等を記憶している。
入力部110は、X線CT装置における撮影条件等の入力を行う。
演算部105及び制御部107は、その一部又は全部をCPU(中央処理装置)、メモリ及び主記憶部109を含むシステムとして構築することができ、演算部105及び制御部107を構成する各部の機能は、予め記憶部109に格納されたプログラムをCPUがメモリにロードし、実行することにより実現することができる。また機能の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアで構成することも可能である。
以下の説明においては、特に説明しない限り、上述した撮影系、制御部107及び信号処理部112を構成する要素は、公知のX線CT装置が備える要素と同様の構成を有し、同様の機能を持つ。
続いて、X線検出器111の検出部104について説明する。
検出部104は、X線源100を略中心とした円弧状に複数配置されており、ガントリー回転部101の回転に伴い、X線源100との位置関係を保ちながら回転する。なお、図1においては、説明の便宜上、検出部104が8個の場合を示したが、実際の装置では、例えば40個程度である。また検出部104の前面にはX線グリッド(図示せず)が設置されており、X線源100から照射されたX線のうち、被検体300などで散乱されたX線が、検出部104に入射するのを防ぐ。
検出部104は、例えば複数の同一のサイズのX線検出素子が、チャネル方向とスライス方向に2次元的に配置され、それぞれの方向で等間隔に配置された構造となっている。X線検出素子は、図1のX線CT装置において、チャネル方向と回転方向113を、スライス方向と回転軸方向114とを略一致させて配置されている。
一方、検出部104の断面は、例えば、図3に示すように、検出層401を挟むように正負の電極402,403が設けられてX線検出素子が構成され、その電極402,403には、読み出し回路405が接続された構造を有する。本実施形態では、正の電極402は、各X線検出素子で共通の構造である。
検出層401は、例えばCdTe(テルル化カドミウム)、CdZnTe(カドミジンクテルル)、Si(シリコン)などの半導体材料から成る。X線は、図2中の矢印404で示すように、正の電極402側から検出層401に入射し、X線フォトンを検出してそのエネルギーに応じた量の電荷を生じる。そして、検出部104は、この電荷に応じたアナログの電気信号を信号収集部108に出力する。
検出部104からのアナログ信号は、信号収集部108の読出し回路405に入力される。読出し回路405は、入射をトリガーとして読み出し、エネルギー分別とデジタル変換を行う。エネルギー分別は、入射した電荷で生じた電気信号を、所定の閾値により複数のエネルギー範囲に分別する処理である。このとき、発生した電気信号の波高や発生量は、入射したX線フォトンのエネルギーに依存するため、X線フォトンに応じたエネルギー範囲に分別できる。このようにエネルギー範囲に分別してそれぞれでカウントすることで、デジタル信号を得る。信号収集部108は、このように得たエネルギー範囲毎のデジタル信号を演算部105に出力する。
ここで、読出し回路405で行われる分別方法の一例を説明する。ここでは、3つのエネルギー範囲、つまり、所定の低エネルギー閾値未満であるエネルギー範囲(以下、「低エネルギー範囲」という)、所定の低エネルギー閾値以上高エネルギー閾値未満のエネルギー範囲(以下、「中エネルギー範囲」という)、所定の高エネルギー閾値以上のエネルギー範囲(以下、「高エネルギー範囲」という)に判別する例について説明する。
3つのエネルギー範囲について、図4を用いて説明する。図4に示すグラフにおいて、横軸はエネルギーを、縦軸はフォトン数を示している。図4中の曲線133は、検出部104のX線検出素子に入射するX線のスペクトルの一例を示す。閾値130〜132は、X線フォトンの入力の有無を判断する閾値であり、詳細は後述する。領域136−1が低エネルギー範囲、領域137が中エネルギー範囲、領域138が高エネルギー範囲である。ただし、詳細は後述するが、閾値130未満のときは、読み出し回路405は信号読み出しを行わないため、実質的には領域136−2が低エネルギー範囲となる。入射したX線フォトンは、X線検出素子毎に、読み出し回路405にて、エネルギーに応じたエネルギー範囲に分別されて、エネルギー範囲毎に計数されていく。
図5は、発生した電荷により生じた電圧信号127を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸は電圧を示す。また、閾値131が低エネルギー閾値を、閾値132が高エネルギー閾値を表す。図5の例では、サンプリング時間123中にX線が入射してパルス出力120を生じ、サンプリング時間124中にX線が入射してパルス出力121を生じ、サンプリング時間125中にX線が入射してパルス出力122を生じている。なお、図5では、サンプリングはX線が入射するタイミングだけでなく、X線が入射しない場合(サンプリング時間126)でも周期的に行われる場合を示したが、X線フォトンが入射したタイミングでサンプリングが行われる場合も在り得る。
本実施形態においては、読み出し回路405は、入射信号によるX線フォトンをエネルギー範囲に分けて分別する前に、X線フォトンが入射したかを判断する。このため、読み出し回路405は、サンプリング毎に、その区間における出力電圧127の最大値と、閾値130と比較する。ここで閾値130は、X線フォトンの入力の有無を判断する閾値であり、出力電圧120が閾値130以上の場合には、以下に説明するエネルギー範囲の分別を行い、出力電圧120は閾値130未満の場合は行わない。このような閾値130は、電圧127は、X線が入力しないときにも検出部104の回路ノイズによって変動しており、これをX線による信号と誤検出しないために必要となる。そのため閾値130は、ゼロより大きく低エネルギー閾値131より小さな値で設定される。
図5におけるサンプリング時間126はX線が入射していないが、雑音によって変動が生じた出力電圧127の一例であり、出力電圧120は低エネルギー閾値121未満のため、読み出し回路405は、信号のエネルギー範囲の分別を行わない。
X線が入射して閾値130以上の電圧127が生じた場合、読み出し回路405は、その信号をエネルギー範囲に分別し、それぞれのエネルギー範囲で入射X線フォトン数をカウントする。この分別は、例えば、出力電圧127の最大値を、低エネルギー閾値131と高エネルギー閾値132と比較することで行う。
例えば、サンプリング時間123では、出力電圧120は低エネルギー閾値131未満のため、低エネルギー範囲と分別する。サンプリング時間124では、出力電圧121は低エネルギー閾値131以上であって、高エネルギー閾値132未満のため、中エネルギー範囲と分別する。サンプリング時間125では、出力電圧120は高エネルギー閾値132以上のため、高エネルギー範囲と分別する。
エネルギー範囲が分別されて入射したX線フォトン数をエネルギー範囲毎にカウントし、この合計をビュー毎に出力する。サンプリング時間はビューの時間と比較して非常に短く、ビュー間に多数回サンプリングを行うことになる。
このように、入射の有無とエネルギー範囲の分別を行い、信号収集部108は、ビュー毎に、エネルギー範囲毎のデジタル信号を生成する。
なおサンプリングでの最大値を用いて分別を行う代わりに、例えば、サンプリング中の出力電圧の積分値を用いてもよく、分別手法は上記手法に限定されない。
このように構成されたX線CT装置では、一般に、以下のように撮影動作が行われる。
まず撮影者が、入力部110から撮影条件を入力して実撮影の開始を入力すると、制御部107はX線源100からのX線の照射と、ガントリー回転部101を制御し撮影を開始する。例えば、X線源100では、120kVの管電圧で電子ビームを加速して、寝台天板103に載った被検体300に向けて照射されX線が照射される。被検体300を透過したX線は検出部104で検出される。検出部104は、X線検出素子毎に入射X線のエネルギーに応じた電荷を発生する。信号収集部108は、上述の通り、この電荷を高エネルギー範囲、中エネルギー範囲、低エネルギー範囲に分別し、エネルギー範囲毎及びビュー毎にデジタル信号を得て演算部105に出力する。
制御部107は、ガントリー回転部101を回転方向に回転させることで、被検体300に対するX線の照射角度を変化させる。このように回転駆動させながら、ビュー毎に焦点位置を変更させて撮影を繰り返し行い、360度分のデジタル信号を取得する。撮影は、例えば0.4度ごとに複数ビューにわたって行われる。このような撮影により、360度分のデジタル信号が得られ、360度分のデジタル信号を投影データとする。なお、X線源100から発生されるX線は、各ビューに同期したパルスX線でも良いし、連続X線でも良い。
演算部105は、取得した投影データに対し、所定の補正処理や演算処理を行い、マルチエネルギー画像を生成する。すなわち、画像処理部としての演算部105において、第1の基底物質変換、再構成像生成、第2の基底物質変換、マルチエネルギー画像生成等を行う。
以下、演算部105による演算処理について、図6のフローチャートに従って説明する。
本実施形態においては、第1の基底物質変換処理において、第1の基底物質群に属する基底物質A及び基底物質Bの物理量を算出し、第2の基底物質変換処理においては、第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に属する基底物質C及び基底物質Dの物理量を算出する例について説明する。また、第1の基底物質群に属する基底物質A及び基底物質Bの物理量及び第2の基底物質群に属する基底物質C及び基底物質Dの物理量として面密度を算出する例について説明する。
なお、第1の基底物質群と第2の基底物質群とは互いに異なり、第1の基底物質群と第2の基底物質群の何れか一方にのみ含まれる基底物質が存在する。一方で、第1の基底物質群と第2の基底物質群の夫々に含まれる基底物質数が同数であっても異なる数であってもよく、また、基底物質の一部が共通していてもよい。
また、以下の説明において、理解の容易のため便宜的に、信号収集部108から得られる信号を「投影データ」といい、第1の基底物質変換の結果や第2の基底物質変換の結果を用いて生成した投影データを「投影像」という。
図6に示すように、ステップS11において、主制御部159がエネルギー分布の異なる2種類以上の投影データを取得する。ステップS12では、第1の基底物質変換部151が、ステップS11で取得した投影データに基づいて第1の基底物質変換を行う。ここで、第1の基底物質変換とは、エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データから第1の基底物質群に属する基底物質A及び基底物質Bの物理量を算出することをいう。
次のステップS13では、投影像生成部152又は再構成像生成部153が、ステップS12で算出した第1の基底物質群に属する基底物質A及び基底物質Bの物理量から投影像又は再構成像の少なくとも一つを生成する。ステップS14では、主制御部19がステップS13で生成した画像を記憶部109に記憶させると共に、必要に応じて表示部107に表示させる。
次のステップS15では、主制御部159が、ステップS12で算出した基底物質を変更するか否かの判定を行う。つまり、第2の基底物質変換を行うか否かの判定を行う。例えば、ユーザが基底物質の変更を指示した場合、第2の基底物質変換を行うと判定する。基底物質の変更を行うと判定された場合はステップS16に進み、第2の基底物質変換部154が、ユーザにより入力された第2の基底物質群に属する基底物質B及び基底物質Cの物理量を、ステップS13で生成された投影像又は再構成像に基づいて算出する。
ステップS17では、第2の基底物質群に属する基底物質B及び基底物質Cの物理量を用いて、再構成像生成部153が、マルチエネルギー画像を生成し、ステップS18で生成したマルチエネルギー画像を表示部107に表示させて上記処理を終了する。また、ステップS15において基底物質の変更を行わないと判定された場合は、上記処理を終了する。
上述した演算部105による基底物質変換に係る演算処理の詳細及び各処理によって生成されるデータ又は画像について、図7に示す説明図を用いてより詳細に説明する。図7中、実線は処理の内容を示し、破線は実線で示す処理を実行することによって生成されるデータ又は画像を示す。
図7に示すように、ステップS100からステップS106までの処理は、第1の基底物質の物理量を算出してマルチエネルギー画像を取得する処理であり、ステップS107からS110までの処理は、第2の基底物質の物理量を算出して、新たにマルチエネルギー画像を取得する処理である。
ステップS100では、ユーザが、入力部110によりX線CT装置に対して、撮影準備として種々の設定の入力と共に撮影開始指示の入力を行い、撮影を開始し、演算部105が信号収集部108から投影データ200を取得する。撮影準備としては、例えばX線源100のX線管電圧やX線管電流、X線照射範囲、焦点サイズ、X線フィルタの種類や有無、ボータイフィルタの種類や有無、撮影時間、スキャン時間、撮影範囲などの撮影条件の設定や、基底物質の種類、基底物質の物理量、生成する再構成像のサイズや種類(例えば、マルチエネルギー画像として、仮装単色画像を選択する等)などの設定が含まれる。
設定した撮影条件は、記憶部109に記憶される。以下の説明においては、撮影条件情報として、特に、X線管電圧を記憶部109に記憶させた場合について説明する。
ステップS101では、変換パラメータ決定部150が、信号収集部108から取得した投影データ200に対して第1の基底物質変換を行う際に適用する変換パラメータを決定する。ここで、投影データは、低エネルギー範囲、中エネルギー範囲、及び高エネルギー範囲の3つのエネルギー範囲のそれぞれで取得する。基底物質変換処理に適用する変換パラメータは、予め本撮影の前に計測して生成して記憶部109に保存しておき、ステップS101では、記憶部109に保存した撮影条件から、適用する変換パラメータを決定する。
基底物質変換処理に適用する変換パラメータとしては、例えば、図8(A)〜(C)に示す変換用マップを用いることができる。図8(A)に示す変換マップは、基底物質Aの面密度値(横軸)と基底物質Bの面密度値(縦軸)が決まった時に得られる低エネルギー範囲の出力値を表すものであり、曲線161はある出力値の取りうる基底物質Aの面密度値と基底物質Bの面密度値との組み合わせの集合を示す曲線(以下、「等高線」という)の一例を表す。これは同じ低エネルギー範囲の出力値に対して、複数の基底物質Aと基底物質Bの面密度値の組み合わせがあることを意味する。
同様に、図8(B)に示す変換マップは、基底物質Aの面密度値(横軸)と基底物質Bの面密度値(縦軸)が決まった時に得られる中エネルギー範囲の出力値を表すものであり、曲線155はある出力値の等高線の一例を表す。同様に、図8(C)に示す変換マップは、基底物質Aの面密度値(横軸)と基底物質Bの面密度値(縦軸)が決まった時に得られる高エネルギー範囲の出力値を表すものであり、曲線156はある出力値の等高線の一例を表す。
このような変換用マップのセットは、X線照射状況によってそれぞれ異なる。すなわち、撮影条件として、X線管電圧80kVp及び120kVpが設定可能である場合、それぞれのX線管電圧で異なる変換用マップのセットが必要となる。従って、撮影条件毎、すなわちX線管電圧毎の変換マップのセットを変換パラメータとして記憶部109に保存しておく。S101にて、変換パラメータ決定部150が、撮影条件、ここでは、X線管電圧に基づいて変換用マップの1つのセットを、各X線検出素子、各ビューにおいてそれぞれ決定する。
このように第1の基底物質変換処理に適用する変換パラメータを決定した後、次のステップS102では、第1の基底物質変換部151により、低エネルギー範囲、中エネルギー範囲及び高エネルギー範囲の3つのエネルギー範囲における投影データと、ステップS101で決定した第1の基底物質変換処理に適用する変換パラメータとしての変換マップのセットを用いて、第1の基底物質群に含まれる各基底物質の物理量を算出し、第1の基底物質群の基底物質画像を生成する。本実施形態では、物理量として面密度を算出する。面密度の算出は各X線検出素子、各ビューでそれぞれ行い、第1の基底物質群に含まれる各基底物質の面密度から成る基底物質画像(投影像201)をそれぞれ取得する。すなわち、基底物質画像として、基底物質毎の投影像、本実施形態では基底物質Aと基底物質Bの投影像201をそれぞれ生成する。
この面密度値の決定方法について、図8(D)を用いて説明する。
図8(D)は、図8(A)〜(C)を重ねて表示したものであり、1つのエネルギー範囲のデータでは複数の第1の基底物質の面密度値の組み合わせがあるが、複数のエネルギー範囲を用いることで、それらの交点が全てのエネルギー範囲の結果を満たす値となり、最適な第1の基底物質群の面密度値となる。図8(D)中、曲線161、155、156がそれぞれのエネルギー範囲で計測された結果である場合、図8(D)の交点157が最適な値となり、交点157の横軸の値が最適な基底物質Aの面密度値、縦軸の値が最適な基底物質Bの面密度値となる。
ただし、X線の線量や量子数の揺らぎなどにより、投影データの出力値は誤差を有するため、変換マップから一意に解を得られない場合がある。図8(E)に、このような一意に解を得られない場合の一例を示している。図8(E)に示すように、曲線155と曲線156の交点が点157−1、曲線161と曲線155の交点が点157−2、曲線161と曲線156の交点が点157−3となり、解は一意とならない。この場合、最も可能性が高い解を推定する必要がある。
解を推定するために、例えば、シミュレーションにより交点157−1、157−2、157−3の付近で基底物質Aと基底物質Bのそれぞれの面密度の値を変化させて、再構成像を生成した際に最もアーチファクトが少なくなる点を選択することができる。このような解の推定を行うための推定部(図示せず)を、第1の基底物質変換部1053が具備するように構成することもできる。ただし、このような処理は演算量が多く、投影データに対して行う場合、全X線検出素子、全ビューで行うことになるため、多くの時間が必要となる場合がある。
次にステップS103では、投影像生成部152により、基底物質画像201に基づいてマルチエネルギー画像の投影像202を生成する。この投影像202は、ステップS100で設定したマルチエネルギー画像(以下、「指定マルチエネルギー画像」という)の投影像と、第2の基底物質変換で使用するマルチエネルギー画像(以下、「第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像」という)の投影像とを含んでいる。
ここで、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像は、撮影に先立って予め決定されているものであり、第2の基底物質変換に必要な複数の画像から成る。本実施形態では、指定マルチエネルギー画像として、撮影で使用したものと異なるX線管電圧80kVpでの画像であり、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像として50keVと100keVの仮想単色画像とした場合の例について説明する。
ここで、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の仮想単色画像の投影像202の生成方法の一例について説明する。
単色のエネルギーをE、投影像をPE0とし、2つの基底物質を基底物質Aと基底物質Bとしてそれらの投影像の値をδとδ、エネルギーEにおける質量吸収係数をμm(E)とμm(E)、エネルギーEにおけるフォトン数S(E)とすると、基底物質演算部1055にて算出した2つの基底物質の面密度投影像の値δ、δを用いて、投影像PE0は、例えば、式(1)を用いることで算出することができる。
Figure 2018139754
エネルギーEに50keVの場合と100keVの場合を求めることで、それぞれの仮想単色画像の投影像202が生成できる。
続いて、指定マルチエネルギー画像として、X線管電圧80kVpのときの画像の生成方法の一例について説明する。
X線管電圧80kVpである場合は、例えば、フォトン数S(E)として、X線管電圧80kVpのときに照射されるX線スペクトルのフォトン数を用い、式(1)のエネルギーEを0keVから80keVまでの仮想単色画像を求め、それらを積分することで仮想単色画像の投影像を得ることができる。ここでは、例えば、1keV毎に仮想単色画像を求めて、式(2)のように加算することで、X線管電圧80kVpの際の投影像P80kVpを生成できる。
Figure 2018139754
指定マルチエネルギー画像として、は、仮想単色画像、基底物質密度画像、実効原子番号画像、電子密度画像、光電効果画像、及びコンプトン散乱画像など、吸収係数以外の分布を示す再構成像などの様々な画像を生成することができる。
また、本実施形態では、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像として、50keVと100keVの仮想単色画像について説明したが、X線管電圧の組み合わせはこれに限定されるものではなく、様々なエネルギーの仮想単色画像の組み合わせを適用することができる。2種類のエネルギーの組み合わせだけでなく、3種以上の組み合わせとすることもできる。更に、異なる複数のX線管電圧の画像の場合でも良い。また、エネルギー範囲毎の再構成像、すなわち、低エネルギー範囲、中エネルギー範囲、高エネルギー範囲の一部または全てのエネルギー範囲に対応する再構成像のセットでも良い。更に実効原子番号画像、電子密度画像、光電効果画像、コンプトン散乱画像のような様々なマルチエネルギー画像のセットであっても良い。
次にステップS104では、再構成像生成部153が、ステップS103で求めた投影像202に対して再構成処理を行い、再構成像を生成する。再構成像生成部153は、まず指定マルチエネルギー画像の投影像を再構成して指定マルチエネルギー画像を生成し、ステップS105にて表示する。次に、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像を再構成して、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像を生成し、ステップS106にて記憶部109に保存する。
再構成処理には、例えば、フェルドカンプ画像再構成法などの様々な技術を適用することができる。
なお、ステップS105において、演算部105は、表示部107に指定マルチエネルギー画像のみを表示することもできる他、指定マルチエネルギー画像と共に第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像を表示することもできる。また、ステップS106では、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の他に、指定マルチエネルギー画像を保存することもできる。
次にステップS107において、第2の基底物質変換部154は、入力部110を介して、ユーザによる基底物質の変更の有無の入力を受け付ける。第2の基底物質変換部154は、ユーザによる基底物質の変更を行わない旨の入力を受け付けた場合に、処理を終了する。一方、第2の基底物質変換部154は、基底物質の変更を行う旨の入力を受け付けた場合に、次のステップS108に進む。
ステップS108では、第2の基底物質変換部154が、算出する基底物質や生成条件の入力を、入力部110を介して受け付ける。ここで、ユーザにより入力部110を介して入力された基底物質は第2の基底物質群に含まれる基底物質(仮に、基底物質C及び基底物質Dとする)であり、第1の基底物質群に含まれる基底物質A及び基底物質Bとは異なるものである。また、生成条件には、例えば生成するマルチエネルギー画像のサイズや種類などが含まれる。
ステップS108における基底物質や生成条件の入力が終了すると、ステップS109に進み、第2の基底物質変換部154が、記憶部109に記憶された第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像を読み出し、第2の基底物質の物理量を算出する。
以下、第2の基底物質群に含まれる基底物質C及び基底物質Dの物理量の算出手法の一例について、図9を用いて説明する。本実施形態では、第2の基底物質群に含まれる基底物質C及び基底物質Dの密度を算出し、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像として、エネルギー50keVとエネルギー100keVの仮想単色画像を生成する例について説明する。
基底物質C及び基底物質Dの密度の算出には、例えば、第1の基底物質の面密度を用いた場合と同様に変換マップを用いる。この変換マップは、それぞれの第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像毎に、予め記憶部109に記憶される。本実施例では、図9(A)の変換マップがエネルギー50keVの仮想単色画像用であり、図9(B)の変換マップがエネルギー100keVの仮想単色画像用の場合である。図9(A)の横軸は基底物質Cの密度値、縦軸は基底物質Dの密度値を示す。本第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像は、50keVと想定する入射X線のスペクトルが決まっているので、基底物質Cと基底物質Dの質量吸収係数が求まり、基底物質Cの密度値と基底物質Dの密度値との組み合わせが決まる毎に再構成像の画素値(以降、再構成像の画素をボクセル、その画素値をボクセル値と記す)が得られる。図9(A)及び(C)中、曲線158は、あるボクセル値の取りうる基底物質Cの密度値と基底物質Dの密度値の組み合わせの集合を示す曲線(以下、「等高線」という)である。
図9(B)に示すエネルギー100keVの仮想単色画像の変換マップにおいて、曲線159は、あるボクセル値の取りうる基底物質Cの密度値と基底物質Dの密度値の組み合わせを示す曲線(等高線)である。図9(C)は、図9(A)と図9(B)を重ねたものであり、曲線158と曲線159の交点160が、最適な基底物質Cと基底物質Dの密度値となる。
上述の例では、エネルギー50keV及びエネルギー100keVの2つの再構成像を用いて第2の基底物質変換を行う例について説明したが、3つ以上の再構成像を用いてもよい。このとき、図8で示すように、一意に解が得られない場合には、例えば、シミュレーションにより解を推定することが好ましい。再構成像のボクセル数は、投影データに比べて少ないため、投影データから推定する場合に比して短時間で処理することができる。
ステップS109では、このような処理を再構成像の全ボクセルで行い、密度値の集合である密度画像204を生成する。この密度画像204は、基底物質Cと基底物質Dの双方について生成する。
次のステップS110では、再構成像生成部153により、密度画像204からマルチエネルギー画像の生成を行う。以下、マルチエネルギー画像の一例として、仮想単色画像を生成する例について説明する。
エネルギーEにおける吸収係数(線減弱係数)μ(E)を、再構成像の全ボクセルについて算出する。吸収係数μ(E)は、以下の式(3)に従って算出する。
Figure 2018139754
ただし、μm(E)は、基底物質の質量吸収係数、cは基底物質の密度である。基底物質の密度cは、密度画像204の値となり、質量吸収係数μm(E)は、例えば文献値を用いる。また、nは基底物質の種類を表し、基底物質Cのときn=3、基底物質Dのときはn=4である。
以上のように吸収係数を、再構成像の全ボクセルで求め、更にCT値への変換することで、マルチエネルギー画像(再構成像)205として仮想単色画像を生成することができる。次のステップS111では、生成したマルチエネルギー画像205を表示する。
この後、ステップS107に戻り、第2の基底物質変換部154は、入力部110を介して、ユーザによる基底物質の変更の有無の入力を受け付ける。第2の基底物質変換部154は、ユーザによる基底物質の変更を行わない旨の入力を受け付けた場合に、処理を終了する。一方、第2の基底物質変換部154は、基底物質の変更を行う旨の入力を受け付けた場合に、ステップS108以降の処理を繰り返し、再度マルチエネルギー画像205を生成して表示する。このような処理により、第2の基底物質を変更して、それぞれのマルチエネルギー画像を繰り返し取得することができる。
本実施形態によれば、第1の基底物質変換に際して、第1の基底物質群に含まれる基底物質の組み合わせが取り得るX線照射条件に応じた変換用パラメータを予め記憶部109に記憶しておくことで基底物質の物理量を算出することができる。
そして、第2の基底物質変換では、既に得られた投影データもしくは再構成像を用いて第2の基底物質群に含まれる基底物質について変換、すなわち基底物質の物理量を算出するので、投影データ及び再構成像はX線照射条件に依存せず、1つのX線照射条件に応じた変換用パラメータを記憶部109に記憶しておくのみで基底物質変換処理を行うことができる。
すなわち、1回の基底物質変換で予め定めた物理量を求める場合、基底物質群として取り得る基底物質の組み合わせに応じた変換用パラメータが、取り得るX線照射条件に応じた分だけ必要となり、膨大な変換用パラメータが必要となる。これに比して、上述した本実施形態によれば、基底物質を変換するための変換パラメータを予め用意する工数を低減することができるのは勿論、膨大な変換パラメータを記憶させる必要がない。
また、基底物質の変換処理を行う都度被写体の撮影を行う必要がなく、演算部105における計算コストを抑制することができる。
さらに、投影データから基底物質の物理量を算出するには処理時間を要してしまうが、再構成像から基底物質の物理量を算出する場合には、再構成像のボクセル数が投影データに比して少ないため高速に処理することができる。
このように本実施形態によれば、当初算出した第1の基底物質群から変更して、第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する場合であっても、撮影のし直しや投影データからの多くの演算処理を行う必要がなく、短時間で所望の基底物質の物理量を示すマルチエネルギー画像を取得することができる。
なお、上述した実施形態においては、基底物質を変更するか(第2の基底物質変換を行うか)否かに拘わらず、第2の基底物質変換に用いるマルチエネルギー画像を生成する例について説明したが、第2の基底物質変換に用いるマルチエネルギー画像の生成のタイミングは適宜決定することができる。例えば、基底物質の変更指示の入力後に、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像を生成し、これを用いて第2の基底物質変換処理及びマルチエネルギー画像の生成を行い、変更された基底物質のマルチエネルギー画像を生成することもできる。
(表示部106におけるユーザインターフェースの例)
以下、上述した実施形態に係るX線CT装置の表示部106に表示されるユーザインターフェース画面の一例について説明する。
図10に、表示部106に表示するユーザインターフェース画面の一例を示す。図10のユーザインターフェース画面900は、撮影開始入力ボタン911、撮影中止ボタン912、撮影条件設定領域913、基底物質設定領域901、画像種別入力ボタン907、基底物質変更ボタン903、終了ボタン902及び画像表示領域904,905,906を備えている。
撮影条件設定領域913は、撮影の前に、撮影条件を設定し入力するための領域である。図10の例では、X線照射条件として、X線管電圧、X線管電流、X線照射範囲(照射スライス幅)、焦点サイズ、X線フィルタ(種類と有無)、ボータイフィルタ(種類と有無)、撮影時間が表示されている。
撮影開始入力ボタン911は、ユーザにより押下されることにより撮影開始指示を受け付ける。撮影開始以降、撮影を中止する場合は、撮影中止入力部912を押下することにより撮影の停止指示を受け付ける。
画像表示領域904,905,906には、例えば、第1の基底物質から作成したマルチエネルギー画像が画像表示部904に表示され、第1の基底物質から作成したマルチエネルギー画像が画像表示部905に表示される。
基底物質変更ボタン903は、基底物質を変更するか否かの入力を受け付ける。基底物質変更ボタン903がユーザにより押下されると、ユーザは続いて基底物質設定領域901にて第2の基底物質を設定し、画像種別入力ボタン907を介してマルチエネルギー画像の種類を設定する。図10の例では、マルチエネルギー画像の種類として40keVの仮想単色画像を選択した例を示す。基底物質設定領域901では、2セット以上の組み合わせの基底物質を設定可能であり、その中の1つのセットを設定する。図10の例では、基底物質として水と骨を選択した例を示している。
基底物質を変更しない場合は、終了ボタン902を押下する。
次に、基底物質変換の処理開始指示部903にて処理開始を指示すると、演算部105により、再設定された第2の基底物質を算出して得られたマルチエネルギー画像を生成し、画像表示領域906に表示される。
繰り返し第2の基底物質を変更して、マルチエネルギー画像を生成する場合は、上記の設定及び入力を繰り返し行うことで、何度で画像の生成及び表示を行うことができる。
生成された画像は、画像表示領域904,905,906に表示する他、別の画像表示領域を設けて表示することもできる。撮影や基底物質の変換に必要な情報を確認しながら入力できると共に、基底物質の種類や数などが互いに異なる画像を、一画面中に同時に表示することで複数の画像を比較して両者の違いを容易に把握することができるというメリットがある。
上述の例では、第1の基底物質群が2つの基底物質(水とカルシウム)からなる1セットを含み、第2の基底物質群が2つの基底物質(水と骨)からなる1セットを含む場合について説明したが、各基底物質群に含まれる基底物質の組み合わせは適宜変更することができる。ただし、第1の基底物質群に含まれる基底物質数が多いと、それに応じて必要となる変換用パラメータ数が増大するため、第1の基底物質群に含まれる基底物質数は、第2の基底物質群に含まれる基底物質数よりも少ないことが好ましい。
上述の例では、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像を保存する例について説明したが、これに限られず、例えば、基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像を保存することもできる。具体的には、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像202を保存しておき、再構成像作成S104を行わない状態で基底物質の変更の有無S107の入力を待つようにし、基底物質の変更の有無S107で「有」が選択された時のみ、その投影像に再構成演算203を行って第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像203を作成し、これを用いて基底物質の変更の有無S107以降の処理を行っても良い。
ただし、指定マルチエネルギー画像の作成及び表示S105は、図7に示した手順と同様に、基底物質の変更の有無S107の前に完了させておく。このようにすることで、基底物質の変更の有無S107に移るまでの時間を短縮でき、特に基底物質の変更の有無S107で「無」を選択する場合の処理時間を短縮できる。
同様に、例えば基底物質画像201を保存しておき、投影像作成S103及び再構成像作成S104は行わない状態で基底物質の変更の有無S107の入力を待つようにし、基底物質の変更の有無S107で「有」が選択された時のみ、その基底物質画像201に投影像作成S103及び再構成演算203を行って第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像203を作成し、これを用いて基底物質の変更の有無S107以降の処理を行っても良い。
ただし、指定マルチエネルギー画像の作成及び表示S105は、図7に示した手順と同様に、基底物質の変更の有無S107の前に完了させておく。このようにすることで、同様に、基底物質の変更の有無S107に移るまでの時間を短縮できる。
<変形例1>
図7において説明した演算部105による演算処理では、第2の基底物質変換部1058において、再構成像から第2の基底物質変換処理を行う例について説明したが、第2の基底物質変換処理は、例えば、第1の基底物質群に含まれる基底物質の投影像である基底物質画像201や、基底物質画像から作成したマルチエネルギー画像の投影像202を用いて、第2の基底物質変換を行うこともできる。
この場合、第2の基底物質変換を行った後に、第2の基底物質群に含まれる各基底物質の物理量の投影像が得られ、基底物質の投影像からマルチエネルギー画像の投影像を生成してもよく、さらにマルチエネルギー画像の投影像に対して再構成処理を行ってマルチエネルギー画像を取得することもできる。
この場合の演算部105による基底物質変換に係る演算処理の詳細及び生成されるデータ又は画像の例を、図11に従って説明する。図11中、実線は処理の内容を示し、破線は実線で示す処理を実行することによって生成されるデータ又は画像を示す。
図11に示すように、SステップS200において、ユーザが、入力部110によりX線CT装置に対して、撮影準備として種々の設定の入力と共に撮影開始指示の入力を行い、撮影を開始する。次のステップS201において変換パラメータを決定し、ステップS202において第1の基底物質変換を行って基底物質画像(投影像)201を生成する。続いて、ステップS203において、投影像生成部1055が、基底物質毎の投影像に基づいて、マルチエネルギー画像の投影像202を生成する。このとき投影像として、指定マルチエネルギー画像用と、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像用とを生成する。
ステップS204では、ステップS203で生成された指定マルチエネルギー画像用の投影像に対して再構成像生成部153により再構成処理を行ってマルチエネルギー画像を生成し、次のステップS205でこれを表示部106に表示させる。一方、投影像生成部151は、生成した第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像を記憶部109に保存する(ステップS206)。
次にステップS207において、第2の基底物質変換部154が、入力部110を介して、ユーザによる基底物質の変更の有無の入力を受け付ける。第2の基底物質変換部154は、ユーザによる基底物質の変更を行わない旨の入力を受け付けた場合には、処理を終了する。一方、第2の基底物質変換部154が、基底物質の変更を行う旨の入力を受け付けた場合には、次のステップS208に進む。
ステップS208では、第2の基底物質変換部154が、算出する基底物質や基底物質画像の生成条件の入力を、入力部110を介して受け付ける。入力された情報に基づいて、次のステップS209において、第2の基底物質変換部154により第2の基底物質変換を行って基底物質画像(投影像)206を生成する。ステップS209における第2の基底物質変換は、記憶部109に保存されている第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像用の投影像を用いて行う。これは、例えば上述した変換マップ等を適用して行うことができる。
次にステップS210において、再構成像生成部153により、基底物質画像(投影像)206を用いて、マルチエネルギー画像の投影像207を生成し、次のステップS211において再構成処理を行って、マルチエネルギー画像208を生成し、ステップS212において主制御部159が表示部106にマルチエネルギー画像208を表示させる。その後、ステップS107に戻り、再度の基底物質の変更の有無について入力を受け付ける。
第2の基底物質変換部154は、ユーザによる基底物質の変更を行わない旨の入力を受け付けた場合に、処理を終了する。一方、第2の基底物質変換部154は、基底物質の変更を行う旨の入力を受け付けた場合に、ステップS208以降の処理を繰り返し、再度マルチエネルギー画像208を生成して表示する。このような処理により、第2の基底物質を変更して、それぞれのマルチエネルギー画像を繰り返し取得することができる。
<変形例2>
上述した実施形態では、再構成像から第2の基底物質変換処理を行う例について、変形例1では、マルチエネルギー画像の投影像202から第2の基底物質変換を行う例について説明した。以下、図12に従って、第1の基底物質群に含まれる基底物質の投影像である基底物質画像201から第2の基底物質変換を行う例について説明する。
図12示すように、SステップS300において、ユーザが、入力部110によりX線CT装置に対して、撮影準備として種々の設定の入力と共に撮影開始指示の入力を行い、撮影を開始する。次のステップS301において変換パラメータを決定し、ステップS302において第1の基底物質変換を行って基底物質画像(投影像)201を生成する。
続いて、ステップS303において、投影像生成部152が、基底物質毎の投影像に基づいて、マルチエネルギー画像の投影像202を生成する。このとき投影像として、指定マルチエネルギー画像用の投影像を生成する。
ステップS304では、ステップS203で生成された指定マルチエネルギー画像用の投影像に対して再構成像生成部153により再構成処理を行ってマルチエネルギー画像を生成し、次のステップS305でこれを表示部106に表示させる。
ステップS307では基底物質の変更の有無を入力し、基底物質の変更を行わない場合は終了となる。一方、基底物質の変更を行う場合は、次にステップS308にて基底物質や作成条件入力を行う。この情報を基に、ステップS309において、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像を生成する。
この第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像の投影像209を用いて、ステップS310からステップS313の処理を行うことでマルチエネルギー画像208を生成し表示させることができる。その後、ステップS107に戻って、再度の基底物質の変更の有無を入力する。
このように、第2の基底物質変換用マルチエネルギー画像やその投影像を作成する前に、第1の基底物質変換後のマルチエネルギー画像を表示させることができるため、参照したい画像をより早期に表示させることができる。
上述した演算部105による演算処理において、例えば、X線検出素子の感度特性の補正や、欠陥素子の出力値を推定する補正処理などを適宜追加することができる。これらの処理により、アーチファクトの低減やCT値の定量性向上などが実現でき、より高画質な画像を得ることが可能となる。
また、例えば、撮影できるX線照射条件が1通りの場合などは、変換パラメータが一義的に定まるので、変換パラメータを決定する処理が不要となる。
また、上記実施形態及びその変形例では、撮影条件として、X線管電圧を記憶して用いる例について説明したが、例えば、X線管電流、X線照射範囲(チャネル方向やスライス方向など)、焦点サイズ、X線フィルタやボータイフィルタなどの種類や有無、撮影時間、等を1つまたは複数用いることがきる。
上述の実施形態及び変形例では、演算部105による処理の流れとして、基底物質のマルチエネルギー画像を表示後、第2の基底物質の情報を入力する例について説明したが、例えば、撮影前に、第2の基底物質の情報や、第2の基底物質のマルチエネルギー画像の生成の有無を撮影前に入力することもできる。また、第1の基底物質から作成したマルチエネルギー画像を表示後に、自動的に第2の基底物質のマルチエネルギー画像を生成して表示することもできる。
以上の説明において、第1の基底物質の物理量については面密度、第2の基底物質の物理量については密度としたが、他のエネルギーに依存しない物理量とすることもできる。例えば、第1の基底物質の物理量を基底物質の長さとすることもできる他、第2の基底物質変換を再構成像にて行う場合は、密度以外にも、基底物質の存在率とすることもできる。さらに、第2の基底物質変換を投影像にて行う場合は、面密度や基底物質の長さとすることもできる。
エネルギー範囲についても、上述の例に限らず、2つのエネルギー範囲とすることもできる他、4つ以上のエネルギー範囲とすることもできる。
上記実施形態及び変形例において、X線を2つ以上のエネルギー範囲に分別して計数を行うフォトンカウンティング方式の検出器を搭載したX線CT装置について説明したが、X線CT装置が、複数のX線フォトンのエネルギーを積分して出力する積分型のX線検出器であって、2つ以上の異なるX線エネルギー分布で被写体を撮影して得た複数の投影データから再構成像を得るデュアルエネルギーX線CT装置や、マルチエネルギーX線CT装置であってもよい。
このとき2つ以上の異なるX線エネルギー分布で投影データを得る方法として、X線検出器内で2つ以上の異なるエネルギー分布にX線を分離してそれぞれで検出する方式や、X線源から2つ以上のスペクトルのX線を照射して、それぞれで投影データを得る方式であってもよい。X線の照射方法として、半回転、1回転、複数回転毎に照射X線のスペクトルを切り替えても良いし、1ビューや複数ビュー毎に切り替えても良い。またスライス方向に異なるエネルギー分布を照射し、ヘリカル撮影を行うことで、同じパスで異なるエネルギー分布の投影データを得ても良い。
なお、上述した実施形態及びその変形例では、X線CT装置により撮像を行って投影データを取得し、この投影データに対して演算処理を行う例について説明したが、投影データを他の撮像装置から取得して演算処理を行う構成とすることもできる。すなわち、別個のX線撮像装置により撮像された投影データのからデータを取得して、これに対して演算処理を行う画像処理装置とすることができる。
具体的には、図13に示すように、演算部105、表示部106、制御部107、記憶部109及び入力部110を備えた画像処理装置とすることができる。図13の画像処理装置では、別個のX線撮像装置で撮影して取得した投影データを、例えば、入力部110により入力して記憶部109に記憶させ、演算部105がこの投影データに基づいて、投影データ、投影像、マルチエネルギー画像等所望の画像を生成する。
上述した実施形態及び各変形例においてはX線CT装置について説明したが、例えば、画像再構成処理を行わない装置や、X線源を有さない装置などにも適用することができる。具体的には、X線画像診断装置、X線画像撮影装置、X線透視装置、マンモグラフィー、デジタルサブトラクション装置、X線検出器、放射線検出器等にも適用することができる。
104・・・検出部、105・・・演算部、106・・・表示部、107・・・制御部、108・・・信号収集部、109・・・記憶部、110・・・入力部、111・・・X線検出器、112・・・信号処理部、140・・・撮影条件情報、141・・・変換パラメータ、150・・・変換パラメータ決定部、151・・・第1の基底物質変換部、152・・・投影像生成部、153・・・再構像生成部、154・・・第2の基底物質変換部、159・・・主制御部

Claims (8)

  1. エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データに基づいて、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量をそれぞれ算出する第1の基底物質変換部と、
    前記第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量から、被写体の投影像又は再構成像の少なくとも一方であって、かつ、複数の画像を生成する画像生成部と、
    複数の前記画像に基づいて、前記第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換部と、を備える画像処理装置。
  2. 前記画像生成部が、前記第2の基底物質変換部により算出された第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量に基づいて再構成像を生成する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記投影データを撮影した際の撮影条件と、前記投影データと前記基底物質の物理量との関係を示す変換パラメータとを記憶する記憶部を備え、
    前記第1の基底物質変換部が、前記記憶部に記憶された撮影条件に基づいて基底物質の物理量を算出する際に用いる変換パラメータを決定し、該変換パラメータを用いて基底物質の物理量を算出する請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記撮影条件が、前記投影データを撮影した際のX線管電圧、X線管電流、X線照射範囲、焦点サイズ、X線フィルタの種類、ボータイフィルタの種類、及び撮影時間の少なくとも1つに係る情報を含む請求項3記載の画像処理装置。
  5. 前記画像生成部が、生成された画像を表示部に表示させる請求項1記載の画像処理装置。
  6. 前記画像生成部が、前記2以上の基底物質の物理量から、所定のエネルギーの単色X線を照射した場合に得られる仮想単色X線画像の投影像を、異なる2以上のエネルギーの前記単色X線についてそれぞれ演算により求め、前記2以上のエネルギーのそれぞれの仮想単色X線画像の投影像からそれぞれ画像を生成し、
    前記第2の基底物質変換部が、前記仮想単色X線画像の投影像からそれぞれ生成した前記画像に基づいて、前記前記第2の基底物質群に含まれる前記第2の基底物質の物理量を算出する請求項1記載の画像処理装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の画像処理装置を備えたX線CT装置。
  8. エネルギー分布の異なる2種類以上の投影データに基づいて、第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量をそれぞれ算出する第1の基底物質変換工程と、
    前記第1の基底物質群に含まれる2以上の基底物質の物理量から、被写体の投影像又は再構成像の少なくとも一方であって、かつ、複数の画像を生成する画像生成工程と、
    複数の前記画像に基づいて、前記第1の基底物質群とは異なる第2の基底物質群に含まれる基底物質の物理量を算出する第2の基底物質変換工程と、を備える画像処理方法。
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