JP2018139193A - 燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法 - Google Patents

燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発電効率の低下を抑制することができる燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システムを提供することを目的とする。【解決手段】SOFCモジュール201は、圧力容器205内にSOFCサブモジュール202を収容している。SOFCサブモジュール202は、それぞれが、燃料ガスと酸化性ガスを供給することで発電する複数のセルスタック101と、複数のセルスタック101の中央部分を囲うカートリッジ断熱材2とを備える。カートリッジ断熱材2は、酸化性ガス供給隙間及び酸化性ガス排出部隙間以外の残部では、内部への酸化性ガスの流入及び内部からの酸化性ガスの排出を妨げる。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法に関するものである。
燃料ガスと酸化性ガスとを化学反応させることにより発電する燃料電池が知られている。このうち、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、都市ガス、天然ガス、石油、メタノール、石炭ガス化ガスなどを燃料として運転される燃料電池である。このようなSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が約700〜1000℃程度と高く、用途の広い高効率な高温型燃料電池として知られている。このようなSOFCは、例えばマイクロガスタービン(以下、「MGT」と呼ぶ)等の内燃機関と組み合わせた複合発電システムが構成されており、圧縮機から吐出される圧縮空気を酸化性ガスとしてSOFCの空気極に供給するとともに、SOFCから排出される高温の排燃料ガスを、MGTの燃焼器に供給して燃焼させ、燃焼器で発生した高温の燃焼ガスでタービンを回転させることで、発電効率の高い発電が可能とされている。
SOFCにおける発電時には、SOFCの発電部が発熱する。発電部は、発電効率や構成材料の耐久性等の観点に基づいて、予め設定された温度範囲で発電を行うのが好ましい。
このため、例えば特許文献1には、SOFCの発電部を備えるカートリッジを収容する圧力容器内で、SOFCの発電部を備えるカートリッジの内部空間とカートリッジの外部空間とを接続する流路と、この流路を通る酸化性ガス(空気)の流量を調整する流量調整装置と、を備える構成が開示されている。この構成によれば、カートリッジの内部の温度に応じて、カートリッジの内部空間から外部空間(圧力容器内の空間)に漏出させる酸化性ガスの流量を調整し、カートリッジの内部の温度を適切な温度範囲内に維持している。
特開2016−91968号公報
ところで、酸化性ガスの供給変動があっても発電への影響を少なくするために、カートリッジの外周を覆う構造として供給した酸化性ガスの一部はカートリッジ内部空間と外部空間(圧力容器内の空間)との間で少流量が流通することを可能としている。発電のためにカートリッジ内に供給された酸化性ガスは、発電部の発熱によって昇温され、カートリッジ内を上昇する。このとき、酸化性ガスの一部はカートリッジ上部の隙間から外部空間に漏出する。外部空間に漏出した酸化性ガスは、圧力容器を介して圧力容器の外部との熱交換による放熱によって冷却され、外部空間内を下降し、カートリッジの下部の隙間からカートリッジの内部空間に吸い込まれる。これにより、圧力容器内においては、カートリッジの内部空間における上昇流と、カートリッジの外部空間における下降流とによって、酸化性ガスの自然対流が生じている。このような自然対流は、酸化性ガスがカートリッジの外部空間を通るときに圧力容器を介して圧力容器の外部に熱を放熱してしまう可能性がある。
近年、より出力の大きいガスタービンとSOFCとを組み合わせた、より大規模な複合発電システムの開発が進んでいる。ガスタービンは出力が増加するほど圧縮機から吐出される空気の圧力は高まる傾向にあるため、大規模なSOFC複合発電システムでは圧力容器内の運転圧力も高くなる。また、圧力容器内の運転圧力を高くすることは、SOFCの発電効率を向上させるために有効である。一方、圧力容器内の運転圧力を高くすると、カートリッジの内部空間から外部空間に漏出する酸化性ガスの量は増大するという問題がある。これは、運転圧力の上昇によりガス密度が増大することにより、発電部で昇温されたカートリッジ内の酸化性ガスに働く浮力が増大し、かつ、カートリッジ内の酸化性ガスと断熱材との圧力損失が減少するためである。このような要因により、運転圧力が高い状態では、圧力容器内におけるカートリッジ内部空間から漏出した酸化性ガスが上方から下方に向かう自然対流量が増大し、酸化性ガスがカートリッジの外部空間を通るときに圧力容器を介して圧力容器の外部への放熱量も増大する。その結果、カートリッジの内部空間の発電部の温度が必要以上に低下し、SOFCの発電効率の低下が生じてしまう。
特許文献1に開示された構成では、カートリッジの内部の温度に応じてカートリッジの内部空間から外部空間に流出させる酸化性ガスの流量を調整しているが、圧力容器内における酸化性ガスの鉛直方向上方から下方に向かう自然対流が発生している以上、圧力容器から外部に放熱してしまい、SOFCの発電効率を低下させてしまうという問題があった。また、特許文献1に開示された構成で、加圧運転を行った場合には、さらに自然対流が増加し、SOFCの発電効率がより低下してしまう可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、発電効率の低下を抑制することができる燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法は以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、圧力容器内にサブモジュールを収容した燃料電池モジュールであって、前記サブモジュールは、それぞれが、燃料ガスと酸化性ガスを供給することで発電する燃料電池セルを備える複数のセルスタックと、複数の前記セルスタックの少なくとも一部分を囲う密閉部材と、を備え、複数の前記セルスタックは、それぞれ、前記燃料電池セルが設けられる中央部と、前記燃料電池セルが設けられていない端部とを含み、前記密閉部材が囲う前記セルスタックの一部分は、前記燃料電池セルが設けられる前記中央部であり、前記密閉部材は、該密閉部材の内部の複数の前記セルスタック周囲に前記酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、該内部から前記酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出部とを備え、前記酸化性ガス供給部及び前記酸化性ガス排出部以外の残部では、該内部への酸化性ガスの流入及び該内部からの酸化性ガスの漏出を抑制する。
上記構成では、サブモジュールにおいて密閉部材が、複数のセルスタックの燃料電池セルが設けられる中央部分を囲っている。これにより、燃料電池モジュールの発電を行う領域(以下、「発電領域」という。)の周囲を密閉部材で囲うことができる。また、密閉部材は、酸化性ガス供給部及び酸化性ガス排出部以外の残部では、密閉部材の内部(すなわち発電領域)への酸化性ガスの流入及び、密閉部材の内部からの酸化性ガスの排出を妨げているので、圧力容器内の空間とサブモジュールの発電領域との間で意図しない酸化性ガスの流入及び漏出を抑制することができる。したがって、圧力容器内の空間で発生する可能性のある、発電領域の内部から漏出し、圧力容器内における発電領域の外部を鉛直方向上方から下方に向かい循環する酸化性ガスの自然対流循環の発生を抑制することができる。よって、酸化性ガスの自然対流循環に起因した圧力容器外への放熱を抑制することができ、燃料電池モジュールの発電効率の低下を抑制することができる。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記密閉部材の周囲外側面で、前記密閉部材の側方を覆う側方外装板と、複数の前記セルスタックが接続され、複数の該セルスタックに前記燃料ガスの供給または複数の該セルスタックから前記燃料ガスの排出を行う燃料ガスヘッダと、一端が前記側方外装板の下端に接続され、他端が前記燃料ガスヘッダの側方端部に対して接続される下方外装板と、を備えていてもよい。
上記構成では、サブモジュールの密閉部材の周囲外側面の側方から、発電領域内に流入しようとする酸化性ガスは、まず、側方外装板によって妨げられる。また、鉛直方向下方からサブモジュール内に流入しようとする酸化性ガスは、まず、下方外装板または燃料ガスヘッダの底面によって妨げられる。このように、密閉部材の外側でも酸化性ガスの流入を防止しているので、より確実に、圧力容器内の空間からサブモジュールの発電領域内への意図しない酸化性ガスの流入を抑制することができる。したがって、より確実に発電領域の内部と圧力容器内における発電領域の外部を鉛直方向上方から下方に向かい循環する酸化性ガスの自然対流循環を抑制することができ、酸化性ガスの自然対流循環に起因した圧力容器外への放熱を抑制することができる。
また、燃料ガスヘッダのあるサブモジュールの底面が下方外装板で覆われていないので、燃料ガスヘッダの底面に配管や集電棒等を接続する場合、配管や集電棒等が下方外装板を貫通する構造とする必要がない。配管や集電棒等が下方外装板を貫通する構造とした場合、下方外装板の内側に酸化性ガスが流入しないように、それぞれの配管や集電棒に絶縁性を確保しつつ密閉構造とする必要があり、構造が複雑となるが、上記構成では、簡易に接続することができる。
また、サブモジュールの組み立てを行う際に、側方の位置決めについては、側方外装板を基準として組み立てることができ、鉛直上下方向の位置決めは、下方外装板を基準として組み立てを行うことができる。したがって、組み立てを行う際の位置決め作業を容易にすることができる。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記下方外装板の鉛直方向上面と前記燃料ガスヘッダの底面とは、鉛直上下方向に離間し、前記下方外装板の鉛直方向上面と前記燃料ガスヘッダの底面とは、鉛直上下方向に延びるシール板を介して接続されていてもよい。
上記構成では、下方外装板の上面と燃料ガスヘッダの底面とを接続するシール板が設けられている。これにより、下方外装板の上面と燃料ガスヘッダの底面との間に空間を形成しつつ、この空間から酸化性ガスが流入することを防止することができる。したがって、例えば、燃料ガスヘッダの底面から、鉛直下方に延びる部材があった場合であっても、発電部への意図しない酸化性ガスの流入を抑制することができる。燃料ガスヘッダの底面から鉛直下方に延びる部材としては、例えば、サブモジュールを構成するカートリッジをサブモジュール内に立設させるための脚部などがある。
前記サブモジュールの側方を規定し、下端に開口が形成される板枠状の側方外装板と、前記側方外装板の下端に形成された開口を塞ぐ下方外装板と、を備えていてもよい。
上記構成では、側方からサブモジュール内に流入しようとする酸化性ガスは、側方外装板によって妨げられる。また、サブモジュールの下方全体が下方外装板で覆われているので、下方からサブモジュール内に流入しようとする酸化性ガスは、確実に下方外装板によって妨げられる。したがって、意図しない酸化性ガスが圧力容器内の空間からサブモジュールの発電領域へ流入するのをより確実に防止することができる。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記側方外装板の上端には、上縁で規定された開口が形成されていてもよい。
上記構成では、側方外装板の上端には、上縁で規定された開口が形成される。このように、サブモジュールの鉛直上方を覆う蓋材が設けられていないので、サブモジュールを構成する部材が高温により熱膨張した場合であっても、熱膨張を鉛直上方に許容することができて、サブモジュールを拘束することを抑制する。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記下方外装板には、貫通穴が形成され、前記下方外装板は、前記貫通穴と連通し、鉛直下方に延びる筒状部材を備えていてもよい。
上記構成では、下方外装板に貫通穴が形成され、貫通穴に連通する筒状部材が設けられている。これにより、例えば、燃料ガスヘッダの側方から鉛直下方に向かって延びる配管があった場合であっても、貫通穴及び筒状部材の内部を挿通させてシールすることで、この配管をサブモジュールの外部と連通させることができる。また、筒状部材の内部を挿通させているので、当該部分が二重管構造となり、配管が下方外装板を貫通する構造としても、圧力容器内の空間から当該部分を通過してサブモジュールの内部に酸化性ガスが流入することを抑制することができる。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記筒状部材の内部を挿通する配管を備え、前記筒状部材の一部は、可撓性を備えるフレキシブル管で形成され、前記フレキシブル管で形成された部分は、前記筒状部材と前記配管とをシール固定する部分よりも鉛直上方に位置していてもよい。
上記構成では、筒状部材の一部が可撓性を有して鉛直上下方向への伸縮を許容するフレキシブル管で形成されている。これにより、筒状部材または配管がサブモジュールの発電領域の高温の影響を受けて熱膨張しても、フレキシブル管が鉛直上下方向の伸縮を吸収するので、筒状部材と配管との固定部分に発生する荷重を低減することができる。なお、配管の一部も可撓性を有するフレキシブル管で形成されてもよい。このような構成とすることで、配管側でも鉛直上下方向の伸縮を吸収することができるので、筒状部材と配管との固定部分を拘束しないので配管に発生する応力を、より低減することができる。
本発明の一態様に係る燃料電池モジュールは、前記酸化性ガス供給部または前記酸化性ガス排出部と連通する酸化性ガス流通管を備え、前記酸化性ガス流通管は、前記側方外装板の内側で、鉛直上下方向に延在していてもよい。
上記構成では、酸化性ガス流通管が側方外装板の内側で鉛直上下方向に延在しているので、酸化性ガス流通管と側方外装板とが干渉しない。したがって、側方外装板に酸化性ガス流通管を貫通させるための構造を形成する必要がないので、簡易な構成とすることができる。また、例えば、側方外装板と酸化性ガス流通管との間に断熱材等を設けていた場合には、酸化性ガス流通管がこの断熱材とも干渉しない。したがって、断熱材を貫通させる部材を設けることなくサブモジュールを形成することができるので、サブモジュールを分解する際にこの断熱材を破損させることなく分解することができる。
本発明の一態様に係る複合発電システムは、上記のいずれかの燃料電池モジュールと、前記燃料電池モジュールから排気される排燃料ガスと排酸化性ガスとを用いて回転動力を生成するガスタービンとを備え、前記燃料電池モジュールには、前記回転動力を用いて圧縮された前記酸化性ガスが供給され、複数の前記セルスタックは、前記燃料ガスと前記酸化性ガスとを用いて発電する。
本発明の一態様に係るサブモジュールの組み立て方法は、それぞれが、燃料ガスと酸化性ガスを供給することで発電する燃料電池セルを備える複数のセルスタックと、複数の前記セルスタックの少なくとも一部分を囲う密閉部材と、前記密閉部材の周囲外側面で、前記密閉部材の側方を覆う板枠状の側方外装板と、前記側方外装板の下端部から略水平方向に延びる下方外装板と、を備え、複数の前記セルスタックは、それぞれ、前記燃料電池セルが設けられる中央部と、前記燃料電池セルが設けられていない端部とを含み、前記密閉部材が囲う前記セルスタックの一部分は、前記燃料電池セルが設けられる前記中央部であり、前記密閉部材は、該密閉部材の内部の複数の前記セルスタック周囲に前記酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、該内部から前記酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出部とを有し、前記酸化性ガス供給部及び前記酸化性ガス排出部以外の残部では、該内部への酸化性ガスの流入及び該内部からの酸化性ガスの排出を抑制するサブモジュールの組み立て方法であって、前記側方外装板と前記下方外装板を接続する接続工程と、複数の前記セルスタックの前記中央部を囲うように、前記密閉部材を組立てする密閉部材組み立て工程と、前記接続工程で接続した前記側方外装板に対して、鉛直上方から前記密閉部材組み立て工程で組立てた密閉部材を挿入する挿入工程と、を備えている。
上記構成では、下方外装板を接続した側方外装板にセルスタックを取り付けた密閉部材を上方から挿入している。このように、一方向から密閉部材を挿入してサブモジュールを組み立てることができるので、組み立て作業における位置決め等が簡易に行え、組み立て作業を容易にすることができる。
本発明によれば、燃料電池モジュールの発電効率の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るセルスタックを示すものである。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールを示すものである。 本発明の一実施形態に係るSOFCカートリッジの断面を示すものである。 本発明の一実施形態に係るSOFCモジュールを示す縦断面図である。 図4のV部分の拡大断面図である。 図4のSOFCサブモジュールの下部を示す概略図である。 図6のVII−VII矢視断面図である。 図4のシール板を示す斜視図である。 図4のSOFCサブモジュールの組み立て方法を示す図である。
以下に、本発明に係る燃料電池モジュール及び燃料電池モジュールを備えた複合発電システム並びにサブモジュールの組み立て方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて各構成要素の位置関係を鉛直上方側、鉛直下方側を示すものである。また本実施形態では、鉛直方向に対して上下方向と水平方向で同様な効果を得られるものは、紙面における上下方向が鉛直方向に直行する水平方向に対応してもよい。また、以下においては、固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックとして円筒形を例として説明するが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。基体上に燃料電池セルを形成するが、基体がなく電極(燃料極もしくは空気極)が厚く形成されて、基体を兼用しても良い。
まず、図1を参照して本実施形態に係る一例として、基体管を用いる円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。セルスタック101は、円筒形状の基体管103と、基体管103の外周面に複数形成された燃料電池セル105と、隣り合う燃料電池セル105の間に形成されたインターコネクタ107とを有する。燃料電池セル105は、燃料極109と固体電解質111と空気極113とが積層して形成されている。また、セルスタック101は、基体管103の外周面に形成された複数の燃料電池セル105の内、基体管103の軸方向において最も端の一端に形成された燃料電池セル105の空気極113に、インターコネクタ107を介して電気的に接続されたリード膜115を備え、最も端の他端に形成された燃料電池セル105の燃料極109に電気的に接続されたリード膜115を備える。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAlなどを主成分とされる。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード膜115とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
燃料極109は、Niとジルコニア系電解質材料との複合材の酸化物で構成され、例えば、Ni/YSZが用いられる。燃料極109の厚さは50〜250μmである。この場合、燃料極109は、燃料極109の成分であるNiが燃料ガスに対して触媒作用を有する。この触媒作用は、基体管103を介して供給された燃料ガス、例えば、メタン(CH)と水蒸気との混合ガスを反応させ、水素(H)と一酸化炭素(CO)に改質するものである。また、燃料極109は、改質により得られる水素(H)及び一酸化炭素(CO)と、固体電解質111を介して供給される酸素イオン(O2−)とを固体電解質111との界面付近において電気化学的に反応させて水(HO)及び二酸化炭素(CO)を生成するものである。なお、燃料電池セル105は、この時、酸素イオンから放出される電子によって発電する。
SOFC10の燃料極109に供給し利用できる燃料ガスとしては、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素系ガス、都市ガス、天然ガスのほか、石油、メタノール、石炭などの炭素質原料をガス化設備により製造したガスなどが挙げられる。
固体電解質111は、ガスを通しにくい気密性と、高温で高い酸素イオン導電性とを備えるYSZが主として用いられる。この固体電解質111は、空気極で生成される酸素イオン(O2−)を燃料極に移動させるものである。燃料極109の表面上に位置する固体電解質111の膜厚は10〜100μmである。
空気極113は、例えば、LaSrMnO系酸化物、又はLaCoO系酸化物で構成される。この空気極113は、固体電解質111との界面付近において、供給される空気等の酸化性ガス中の酸素を解離させて酸素イオン(O2−)を生成するものである。
空気極113は2層構成とすることもできる。この場合、固体電解質111側の空気極層(空気極中間層)は高いイオン導電性を示し、触媒活性に優れる材料で構成される。空気極中間層上の空気極層(空気極導電層)は、Sr及びCaドープLaMnOで表されるペロブスカイト型酸化物で構成されても良い。こうすることにより、発電性能をより向上させることができる。
酸化性ガスとは,酸素を略15%〜30%含むガス であり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である。
インターコネクタ107は、SrTiO系などのM1−xTiO(Mはアルカリ土類金属元素、Lはランタノイド元素)で表される導電性ペロブスカイト型酸化物から構成される。インターコネクタ107は、燃料ガスと酸化性ガスとが混合しないように緻密な膜となっている。また、インターコネクタ107は、酸化雰囲気と還元雰囲気との両雰囲気下で安定した耐久性と電気導電性を備える。このインターコネクタ107は、隣り合う燃料電池セル105において、一方の燃料電池セル105の空気極113と他方の燃料電池セル105の燃料極109とを電気的に接続し、隣り合う燃料電池セル105同士を直列に接続するものである。リード膜115は、電子伝導性を備えること、及びセルスタック101を構成する他の材料との熱膨張係数が近いことが必要であることから、Ni/YSZ等のNiとジルコニア系電解質材料との複合材で構成されている。このリード膜115は、インターコネクタにより直列に接続される複数の燃料電池セル105で発電された直流電力をセルスタック101の端部付近まで導出すものである。
次に、図2と図3とを参照して本実施形態に係るSOFCモジュール及びSOFCカートリッジについて説明する。ここで、図2は、本実施形態に係るSOFCモジュールを示すものである。また、図3は、本実施形態に係るSOFCカートリッジの断面図を示すものである。
SOFCモジュール(燃料電池モジュール)201は、図2に示すように、例えば、複数のSOFCカートリッジ203と、これら複数のSOFCカートリッジ203を収納する圧力容器205とを備える。なお、図2には円筒形のSOFCのセルスタックを例示しているが、必ずしもこの限りである必要はなく、例えば平板形のセルスタックであってもよい。また、SOFCモジュール201は、燃料ガス供給管207と複数の燃料ガス供給枝管207a、及び燃料ガス排出管209と複数の燃料ガス排出枝管209aとを備える。また、SOFCモジュール201は、酸化性ガス供給管211(図4参照)と酸化性ガス供給枝管(酸化性ガス流通管)212(図4参照)、及び酸化性ガス排出管213(図4参照)と複数の酸化性ガス排出枝管214(図4参照)とを備える。
燃料ガス供給管207は、圧力容器205の外部に設けられ、SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の燃料ガスを供給する燃料ガス供給部に接続されると共に、複数の燃料ガス供給枝管207aに接続されている。この燃料ガス供給管207は、上述の燃料ガス供給部から供給される所定流量の燃料ガスを、複数の燃料ガス供給枝管207aに分岐して導くものである。また、燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続されると共に、複数のSOFCカートリッジ203に接続されている。この燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207から供給される燃料ガスを複数のSOFCカートリッジ203に略均等の流量で導き、複数のSOFCカートリッジ203の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出枝管209aは、複数のSOFCカートリッジ203に接続されると共に、燃料ガス排出管209に接続されている。この燃料ガス排出枝管209aは、SOFCカートリッジ203から排出される排燃料ガスを燃料ガス排出管209に導くものである。また、燃料ガス排出管209は、複数の燃料ガス排出枝管209aに接続されると共に、一部が圧力容器205の外部に配置されている。この燃料ガス排出管209は、燃料ガス排出枝管209aから略均等の流量で導出される排燃料ガスを圧力容器205の外部に導くものである。
圧力容器205は、内部の圧力が0.1MPa〜約3MPa、内部の温度が大気温度〜約550℃で運用されるので、耐力性と酸化性ガス中に含まれる酸素などの酸化剤に対する耐食性を保有する材質が利用される。例えばSUS304などのステンレス系材が好適である。
ここで、本実施形態においては、複数のSOFCカートリッジ203が集合化されて圧力容器205に収納される態様について説明しているが、これに限られず例えば、SOFCカートリッジ203が集合化されずに圧力容器205内に収納される態様とすることもできる。
SOFCカートリッジ203は、図3に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室(燃料ガスヘッダ)219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを備える。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備える。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図3のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
発電室215は、上部断熱体227aと下部断熱体227bとの間に形成された領域である。この発電室215は、セルスタック101の燃料電池セル105が配置された領域であり、燃料ガスと酸化性ガスとを電気化学的に反応させて発電を行う領域である。また、この発電室215のセルスタック101長手方向の中央部付近での温度は、温度センサなどで監視され、SOFCモジュール201の定常運転時に、およそ700℃〜1000℃の高温雰囲気となる。
燃料ガス供給室217は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aとに囲まれた領域であり、上部ケーシング229aの上部に設けられた燃料ガス供給孔231aによって、燃料ガス供給枝管207aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、上部管板225aとシール部材237aにより接合されており、この燃料ガス供給室217は、燃料ガス供給枝管207aから燃料ガス供給孔231aを介して供給される燃料ガスを、複数のセルスタック101の基体管103の内部に略均一流量で導き、複数のセルスタック101の発電性能を略均一化させるものである。
燃料ガス排出室219は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bとに囲まれた領域であり、下部ケーシング229bの下部に設けられた燃料ガス排出孔231bによって、燃料ガス排出枝管209aと連通されている。また、複数のセルスタック101は、下部管板225bとシール部材237bにより接合されており、燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して、この燃料ガス排出室219は、複数のセルスタック101の基体管103の内部を通過して燃料ガス排出室219に供給される排燃料ガスを集約して、燃料ガス排出孔231bを介して燃料ガス排出枝管209aに導くものである。
SOFCモジュール201の発電量に対応して所定ガス組成と所定流量の酸化性ガスを酸化性ガス供給枝管212へと分岐して、複数のSOFCカートリッジ203へ供給する。酸化性ガス供給室221は、SOFCカートリッジ203の下部ケーシング229bと下部管板225bと下部断熱体227bとに囲まれた領域である。また、下部ケーシング229bの側面に設けられた酸化性ガス供給孔233aによって、図示しない酸化性ガス供給枝管と連通されている。この酸化性ガス供給室221は、図示しない酸化性ガス供給枝管212から酸化性ガス供給孔233aを介して供給される所定流量の酸化性ガスを、後述する酸化性ガス供給隙間(酸化性ガス供給部)235aを介して発電室215に導くものである。
酸化性ガス排出室223は、SOFCカートリッジ203の上部ケーシング229aと上部管板225aと上部断熱体227aとに囲まれた領域である。また、上部ケーシング229aの側面に設けられた酸化性ガス排出孔233bによって、酸化性ガス排出枝管214と連通されている。この酸化性ガス排出室223は、発電室215から、後述する酸化性ガス排出隙間(酸化性ガス排出部)235bを介して酸化性ガス排出室223に供給される排酸化性ガスを、酸化性ガス排出孔233bを介して図示しない第3酸化性ガス排出枝管に導くものである。
上部管板225aは、上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとの間に、上部管板225aと上部ケーシング229aの天板と上部断熱体227aとが略平行になるように、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また上部管板225aは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この上部管板225aは、複数のセルスタック101の一方の端部をシール部材237a及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス供給室217と酸化性ガス排出室223とを隔離するものである。
下部管板225bは、下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとの間に、下部管板225bと下部ケーシング229bの底板と下部断熱体227bとが略平行になるように下部ケーシング229bの側板に固定されている。また下部管板225bは、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応した複数の孔を有し、該孔にはセルスタック101が夫々挿入されている。この下部管板225bは、複数のセルスタック101の他方の端部をシール部材237b及び接着部材のいずれか一方又は両方を介して気密に支持すると共に、燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221とを隔離するものである。
上部断熱体227aは、上部ケーシング229aの下端部に、上部断熱体227aと上部ケーシング229aの天板と上部管板225aとが略平行になるように配置され、上部ケーシング229aの側板に固定されている。また、上部断熱体227aには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。上部断熱体227aは、この孔の内面と、上部断熱体227aに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス排出隙間235bを備える。
この上部断熱体227aは、発電室215と酸化性ガス排出室223とを仕切るものであり、上部管板225aの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。上部管板225a等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、上部管板225a等が発電室215内の高温に晒されて上部管板225a等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、上部断熱体227aは、発電室215を通過して高温に晒された排酸化性ガスを、酸化性ガス排出隙間235bを通過させて酸化性ガス排出室223に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、排酸化性ガスは、基体管103の内部を通って発電室215に供給される燃料ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る上部管板225a等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて酸化性ガス排出室223に供給される。また、燃料ガスは、発電室215から排出される排酸化性ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に適した温度に予熱昇温された燃料ガスを発電室215に供給することができる。
下部断熱体227bは、下部ケーシング229bの上端部に、下部断熱体227bと下部ケーシング229bの底板と下部管板225bとが略平行になるように配置され、下部ケーシング229bの側板に固定されている。また、下部断熱体227bには、SOFCカートリッジ203に備えられるセルスタック101の本数に対応して、複数の孔が設けられている。この孔の直径はセルスタック101の外径よりも大きく設定されている。下部断熱体227bは、この孔の内面と、下部断熱体227bに挿通されたセルスタック101の外面との間に形成された酸化性ガス供給隙間235aを備える。
この下部断熱体227bは、発電室215と酸化性ガス供給室221とを仕切るものであり、下部管板225bの周囲の雰囲気が高温化し強度低下や酸化性ガス中に含まれる酸化剤による腐食が増加することを抑制する。下部管板225b等はインコネルなどの高温耐久性のある金属材料から成るが、下部管板225b等が高温に晒されて下部管板225b等内の温度差が大きくなることで熱変形することを防ぐものである。また、下部断熱体227bは、酸化性ガス供給室221に供給される酸化性ガスを、酸化性ガス供給隙間235aを通過させて発電室215に導くものである。
本実施形態によれば、上述したSOFCカートリッジ203の構造により、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れるものとなっている。このことにより、基体管103の内部を通って発電室215を通過した排燃料ガスは、発電室215に供給される酸化性ガスとの間で熱交換がなされ、金属材料から成る下部管板225b等が座屈などの変形をしない温度に冷却されて燃料ガス排出室219に供給される。また、酸化性ガスは排燃料ガスとの熱交換により昇温され、発電室215に供給される。その結果、ヒーター等を用いることなく発電に必要な温度に昇温された酸化性ガスを発電室215に供給することができる。
発電室215で発電された直流電力は、複数の燃料電池セル105に設けたNi/YSZ等からなるリード膜115によりセルスタック101の端部付近まで導出した後に、SOFCカートリッジ203の集電棒(不図示)に集電板(不図示)を介して集電して、各SOFCカートリッジ203の外部へと取り出される。前記集電棒によってSOFCカートリッジ203の外部に導出された直流電力は、各SOFCカートリッジ203の発電電力を所定の直列数および並列数へと相互に接続され、SOFCモジュール201の外部へと導出されて、図示しないパワーコンディショナ等の電力変換装置(インバータなど)により所定の交流電力へと変換されて、電力供給先(例えば、負荷設備や電力系統)へと供給される。集電棒には、SOFCカートリッジ203の上方に突出するもの及び下方に突出するものがある。上方に突出する集電棒は、燃料ガス供給室217及び後述のサブモジュール上部断熱材11を貫通して上方に延びている。下方に突出する集電棒は、燃料ガス排出室219及び後述のサブモジュール下部断熱材12を貫通して下方に延びている。
SOFCモジュール201は、さらに、圧力容器側断熱材1を備えている。圧力容器側断熱材1は、圧力容器205の内周壁を覆うように配置されている。
次に、複数のSOFCカートリッジ203を組み合わせたSOFCサブモジュール(サブモジュール)202(図2参照)の詳細について図4から図9を用いて説明する。なお、図4はSOFCモジュール201の縦断面図を模式的に示したもので、図示の関係上、複数のSOFCカートリッジ203(図2参照)をそれぞれに分割して図示せず、1つにまとめたSOFCサブモジュール202として図示している。
図4に示すように、SOFCサブモジュール202は、複数のSOFCカートリッジ203の他に、発電室215を囲うカートリッジ断熱材(密閉部材)2と、カートリッジ断熱材2よりも外側で複数のSOFCカートリッジ203全体を囲うサブモジュール断熱材3と、SOFCサブモジュール202の側方を規定する板枠状の側方外装板4と、側方外装板4の下端の全域からSOFCサブモジュール202の中心軸方向に向かって略水平に所定の長さ延びてSOFCサブモジュール202の下方を規定する下方外装板5とを有し、圧力容器205の内部に収容されている。
カートリッジ断熱材2は、断熱材から形成された複数のボード(もしくは板)が積層され、接合されて形成されている。また、カートリッジ断熱材2は、複数のSOFCカートリッジ203がそれぞれ備える上部断熱体227a(図3参照)が接合されたカートリッジ上部断熱材6と、複数のSOFCカートリッジ203がそれぞれ備える下部断熱体227bが接合されたカートリッジ下部断熱材7と、カートリッジ上部断熱材6の側面全域とカートリッジ下部断熱材7の側面全域とを接続する板枠状のカートリッジ側部断熱材8とを備える。カートリッジ側部断熱材8は、上下の端面がカギ状の凹凸形状を有する複数の断熱部材8aで構成され、複数の断熱部材8aは、上下に隣り合う断熱部材8a同士の凹凸が嵌め合わされるように接続されるいわゆるインロー構造となっていて、断熱部材8a同士の間に連続した隙間が発生しにくい構造として、酸化性ガスの通過を抑制している(図9参照)。カートリッジ上部断熱材6とカートリッジ下部断熱材7とカートリッジ側部断熱材8とは、内部に箱状の密閉空間を形成するように接続され、内部にはSOFCサブモジュール202が備えるすべての燃料電池セル105が配置される。すなわち、カートリッジ上部断熱材6とカートリッジ下部断熱材7とカートリッジ側部断熱材8とは、酸化性ガス供給隙間235a及び酸化性ガス排出隙間235b以外の残部を通過して圧力容器205の内部との間で酸化性ガスの流入又は漏出を抑制するように、内部に密閉された発電室215を形成している。よって、カートリッジ断熱材2は、セルスタック101のうちの、燃料電池セル105が設けられている一部分のみを囲っている。すなわち、燃料電池セル105は、セルスタック101の長手方向の略中央部分に設けられ、端部には設けられていないので、カートリッジ断熱材2は、セルスタック101の略中央部分のみを囲っていることとなる。
サブモジュール断熱材3は、断熱材から形成された複数のボード(もしくは板)が積層され、接合されて形成され、複数のSOFCカートリッジ203を囲むように、圧力容器205の内部に配置されている。サブモジュール断熱材3は、内部に空間が形成された略直方体形状をしている。サブモジュール断熱材3は、直方体の上面部分にあたるサブモジュール上部断熱材11と、直方体の下面部分にあたるサブモジュール下部断熱材12と、直方体の側面部分にあたるサブモジュール側部断熱材13とを備える。
サブモジュール上部断熱材11の下面は、上部ケーシング229aの上面に固定されている。サブモジュール側部断熱材13は、サブモジュール上部断熱材11の四方の側端部から鉛直下方に延びる板枠状の部材であって、内周面の例えば中央部分もしくは下端部分などで熱膨張による相対位置変位や相互拘束を避けるようにカートリッジ側部断熱材8の外周面に固定されている。サブモジュール下部断熱材12の上面は、下部ケーシング229bの底面に固定されている。サブモジュール下部断熱材12の四方の側端部は、サブモジュール側部断熱材13の下端の近傍まで延び、後述のシール板15に固定されている。すなわち、サブモジュール下部断熱材12とサブモジュール側部断熱材13とはシール板15を介して接続されている。このように、サブモジュール下部断熱材12とサブモジュール側部断熱材13とは、内部に箱状の内側空間10を形成するように構成され、サブモジュール上部断熱材11はサブモジュール側部断熱材13との間で、SOFCカートリッジ203の熱膨張による上下方向変位を許容するように設置されている。
サブモジュール断熱材3は、圧力容器205の内部を外側空間9と内側空間10とに隔てている。外側空間9は、圧力容器205とサブモジュール断熱材3との間に形成された空間である。内側空間10は、サブモジュール断熱材3に囲まれた空間であって、複数のSOFCカートリッジ203やカートリッジ断熱材2等を収容している。すなわち、内側空間10は、発電室215を含んだ空間であり、内側空間10と発電室215とはカートリッジ断熱材2によって隔てられている。
側方外装板4は、厚さ2mmから5mm程度の金属板であり、耐熱性耐食性のある板材(例えば、SUS304)で形成された板枠状であって、内周面がサブモジュール側部断熱材13の周囲外周面との間で固定されている。また、側方外装板4は、下端に開口が形成され、下端の一部を後述の下方外装板5が覆っている。また、側方外装板4の上端には、側方外装板4の上縁で規定された開口が形成されている。側方外装板4の下端は、下部ケーシング229bの底面よりも下方となるように配置される。
下方外装板5は、板枠状の側方外装板4の下端から、SOFCサブモジュール202の中心軸方向に向かって略水平に下部ケーシング229bの側方端部まで延びる板状部材であって、厚さ2mmから5mm程度の金属板(例えば、SUS304)で形成されている。下方外装板5の上面と、下部ケーシング229bの上面とは空間を形成するように離間していて、この空間には、後述するシール板15が設けられている。また、図5及び図6に示すように、下方外装板5には、貫通穴16が形成され、下方外装板5は貫通穴16と連通するように下方に延びる筒状部(筒状部材)17を有している。図5に示すように、貫通穴16及び筒状部17には、酸化性ガス供給枝管212が挿通する。筒状部17と酸化性ガス供給枝管212とは、筒状部17の下端部分でシールして固定されている。また、筒状部17の一部は、上下方向の伸縮を許容する可撓性のフレキシブル管18で形成され、酸化性ガス供給枝管212の一部も同様に、上下方向の伸縮を許容する可撓性のフレキシブル管19で形成され、筒状部17と酸化性ガス供給枝管212との温度差による熱膨張差を許容している。
図6に示すように、下方外装板5の上面と、下部ケーシング229bの下面との間には、シール板15が設けられている。シール板15は、図7及び図8に示すように、外形がSOFCサブモジュール202の底面の面積と略同一である枠状の部材であって略中心部に開口が形成されている。シール板15は、矩形環状の水平部21と、水平部21の内周端の略全域から略鉛直上方に延びる鉛直部22とを備える。水平部21の下面は、下方外装板5の上面に溶接固定され、鉛直部22の上端は下部ケーシング229bの下面に溶接固定されている。また、シール板15の略中心部に形成された開口には、サブモジュール下部断熱材12が略全域に亘り嵌め込まれている。すなわち、鉛直部22の内周面には、サブモジュール下部断熱材12の外周面が固定されている。
カートリッジ断熱材2と金属製である酸化性ガス供給室221など周辺構造物との間は断熱膨張率の差により隙間が発生して酸化性ガスの漏出する可能性がある。このため、この間の隙間が生じ易い部分にはブランケット材(セラミックスファイバーを押し固めた弾力性のある断熱材)を設けて隙間の発生を防止しても良い。
また、下部ケーシング229bの下面からは、SOFCカートリッジ203を圧力容器205内で立設させるための6本の脚部23が下方に延びている。本実施形態の例では6本の脚部23があり、各脚部23の下面は、それぞれ、シール板15の水平部21の上面に固定されている。すなわち、6本の脚部23は、それぞれ、水平部21と下方外装板5とを介して、圧力容器205内に設けた架台(不図示)の上に載置されており、SOFCカートリッジ203がSOFCサブモジュール202内で立設されている。
次に、上述の燃料ガス供給枝管207a等とSOFCサブモジュール202との接続態様について説明する。
上部ケーシング229aの上面に形成された燃料ガス供給孔231aからは、複数(図4の記載例では2本)の燃料ガス供給枝管207aがサブモジュール上部断熱材11を貫通して上方に延びている。上方に延びた複数の燃料ガス供給枝管207aは、それぞれ曲折し、合流する。合流した燃料ガス供給枝管207aは、燃料ガス供給管207に接続している。また、下部ケーシング229bの下面に形成された燃料ガス排出孔231bからは、複数(図4の記載例では2本)の燃料ガス排出枝管209aがサブモジュール下部断熱材12を貫通して下方に延びている。下方に延びた複数の燃料ガス排出枝管209aは、それぞれ曲折し、合流する。合流した燃料ガス排出枝管209aは、燃料ガス排出管209に接続している。
上部ケーシング229aの側面に形成された酸化性ガス排出孔233bからは、酸化性ガス排出枝管214が延びている。酸化性ガス排出枝管214は、酸化性ガス排出孔233bから水平方向にサブモジュール側部断熱材13の内周面まで延び、サブモジュール側部断熱材13の内周面に沿うように上方に曲折し、サブモジュール上部断熱材11を貫通するように上方に延びている。上方に延びた酸化性ガス排出枝管214は、サブモジュール側部断熱材13の上端付近で、外方に曲折し、酸化性ガス排出管213に接続している。また、下部ケーシング229bの側面に形成された酸化性ガス供給孔233aからは、酸化性ガス供給枝管212が延びている。酸化性ガス供給枝管212は、酸化性ガス供給孔233aから水平方向にサブモジュール側部断熱材13の内周面まで延び、サブモジュール側部断熱材13の内周面に沿うように下方に曲折している。曲折して下方に延びる酸化性ガス供給枝管212は、酸化性ガス供給管211に接続している。
SOFCモジュール201は、GTCC(Gas Turbine Combined Cycle:ガスタービンコンバインドサイクル発電)またはMGT(Micro Gas Turbine:マイクロガスタービン)と組み合わされて利用される複合発電システムに適用されることがある。このような複合発電システムでは、SOFCモジュール201から排気される排燃料ガスと排酸化性ガスとがガスタービンの燃焼器(不図示)に供給されて高温の燃焼ガスを生成し、この燃焼ガスをガスタービンで断熱膨張させることにより生成される回転動力により、圧縮機を駆動して圧縮された圧縮ガスが酸化性ガスとしてSOFCモジュール201の酸化性ガス供給管211に供給される。なお、酸化性ガスとは、酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用できる。
本実施形態に係るSOFCサブモジュール202の組立て方法について図9を用いて説明する。
まず、側方外装板4と下方外装板5を接続し、この側方外装板4と下方外装板5を接続したもの(以下、この段落において単に「外装板」という。)を所定の位置に配置する。次に、サブモジュール下部断熱材12とサブモジュール側部断熱材13とを接続したもの(以下、この段落において単に「サブモジュール断熱材」という。)を上方から外装板の内部にはめ込み、外装板の内部に配設する。次に、SOFCカートリッジ203の組立てを行う。具体的には、セルスタック101の配設、複数の断熱部材8aの組立て、複数の断熱部材8aを組立てたカートリッジ側部断熱材8の配設等を行う。次に、組立てたSOFCカートリッジ203を上方からサブモジュール断熱材の内部にはめ込み、サブモジュール断熱材の内部に配設する。そして、最後にサブモジュール上部断熱材11をSOFCカートリッジ203の上方からサブモジュール断熱材の内部にはめ込む。なお、SOFCサブモジュール202を解体する際には、この逆の手順により行われる。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、カートリッジ上部断熱材6とカートリッジ下部断熱材7とカートリッジ側部断熱材8とが、発電室215を囲っている。発電室215は、酸化性ガス供給隙間235a及び酸化性ガス排出隙間235b以外の残部では、カートリッジ上部断熱材6とカートリッジ下部断熱材7とカートリッジ側部断熱材8とによって、酸化性ガスの流入及び漏出が妨げられているので、圧力容器205の内部と発電室215との間で意図しない酸化性ガスの流入及び漏出を抑制することができる。したがって、圧力容器205内で発生する可能性のある、発電室215の内部と圧力容器205内の空間における発電室215の外部を上方から下方に向かい循環する酸化性ガスの自然対流循環の発生を抑制することができる。よって、酸化性ガスの自然対流循環に起因した圧力容器205外への放熱を抑制することができ、SOFCモジュール201の発電効率の低下を抑制することができる。
また、カートリッジ側部断熱材8が、上下の端面がカギ状の凹凸形状を有する複数の断熱部材8aで構成されている。したがって、カートリッジ側部断熱材8の組立て時の位置決めと密着化する作業を簡易にすることができる。また、複数の断熱部材8aは、上下に隣り合う断熱部材8a同士の凹凸が嵌め合わされるように接続されるいわゆるインロー構造となっていて、断熱部材8a同士の間に連続した隙間が発生しにくい構造として、酸化性ガスの通過を抑制しているので、断熱部材8a同士の隙間を流れる酸化性ガスの流通するためには圧損が高くなる。したがって、断熱部材8a同士の隙間からの酸化性ガスの流入及び漏出を抑制することができる。
また、側方外装板4を設けているので、SOFCサブモジュール202の側方から、発電室215内に流入しようとする酸化性ガスは、まず、側方外装板4によって妨げられ、発電室215から圧力容器205の内部に漏出する酸化性ガスは最終的には側方外装板4によって妨げられる。また、下方からSOFCサブモジュール202内に流入しようとする酸化性ガスは、まず、下方外装板5または下部ケーシング229bの底面によって妨げられる。このように、カートリッジ断熱材2よりも、外側でも酸化性ガスの流入を防止しているので、より確実に、発電室215内と圧力容器205の内部との間で意図しない酸化性ガスの流入や漏出を抑制することができる。したがって、より確実に発電室215の内部から漏出し、圧力容器205内の空間における発電室215の外部を上方から下方に向かい循環する酸化性ガスの自然対流循環を抑制することができる。よって、酸化性ガスの自然対流循環に起因した圧力容器205外への放熱を抑制することができ、SOFCモジュール201の発電効率の低下を抑制することができる。
また、下部ケーシング229bの底面が下方外装板5で覆われていない。燃料ガス排出枝管209aや集電棒等が下方外装板5を貫通する構造とした場合、下方外装板5の内側に酸化性ガスが流入しないように、燃料ガス排出枝管209aや集電棒の貫通箇所を個々に密閉構造とする必要があり、構造が複雑となる。特に、集電棒は、絶縁性を確保しつつ密閉構造とする必要があり、構造が複雑になる。本実施形態では、下部ケーシング229bの底面が下方外装板5で覆われていなく、シール板15を用いて下部ケーシング229bの底面と下方外装板5を接続し、シール板15の略中心部に形成された開口を形成しているので、燃料ガス排出室219に連通する燃料ガス排出枝管209aや集電棒等について、下方外装板5を貫通しない簡易な構造とすることができる。
また、SOFCサブモジュール202の組立てを行う際に、側方の位置決めについては、側方外装板4を基準として組み立てることができ、上下方向の位置決めは、下方外装板5を基準として組み立てを行うことができる。したがって、組立てを行う際の位置決め作業を容易にすることができる。
また、下方外装板5の上面と下部ケーシング229bの底面とを接続するシール板15が設けられている。これにより、図7の矢印に示すように、燃料ガス排出枝管209aがサブモジュール下部断熱材12を貫通する箇所から、酸化性ガスが流入した場合であっても、流入した酸化性ガスは、シール板15に阻まれ、発電室215までは至らない。したがって、下方外装板5の上面と下部ケーシング229bの底面との間に空間を形成し、脚部23を設けた構成であっても、SOFCサブモジュール202内に酸化性ガスが流入することを防止することができる。
また、側方外装板4の上端には、SOFCサブモジュール202の上方を覆い、側方外装板4の上端と接続して固定する蓋材が設けられていないので、SOFCサブモジュール202を構成する部材が高温により熱膨張した場合であっても、熱膨張を上方に許容することができる。
また、下方外装板5に貫通穴16が形成され、貫通穴16に連通する筒状部17が設けられている。これにより、下部ケーシング229bの下側に向かい配設が必要な配管、すなわち下部ケーシング229bの側方から下方に向かって延びる酸化性ガス供給枝管212を貫通穴16及び筒状部17の内部を挿通されることで、酸化性ガス供給枝管212をSOFCサブモジュール202の外部に配置されている酸化性ガス供給管211と連通させることができる。また、筒状部17の内部を挿通させているので、挿通部分が二重管構造として一端をシール固定する構造とすることで、酸化性ガス供給枝管212が下方外装板5を貫通する構造としても、貫通部分からSOFCサブモジュール202の内部に酸化性ガスが流入や、圧力容器205内の空間へ漏出することを抑制することができる。
また、筒状部17の一部が可撓性を有して上下方向への伸縮を許容するフレキシブル管18で形成されている。これにより、筒状部17または酸化性ガス供給枝管212が高温にさらされて筒状部17と酸化性ガス供給枝管212との温度差による熱膨張差を発生しても、フレキシブル管18が上下方向の伸縮を吸収するので、筒状部17と酸化性ガス供給枝管212との固定部分を拘束しないので配管に発生する応力を低減することができる。また、酸化性ガス供給枝管212の一部も可撓性を有するフレキシブル管19で形成されている。したがって、酸化性ガス供給枝管212側でも上下方向の伸縮を吸収することができるので、筒状部17と酸化性ガス供給枝管212との固定部分を拘束しないので配管に発生する応力を、より低減することができる。
また、酸化性ガス供給枝管212及び酸化性ガス排出枝管214が、側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13の内側で上下方向に延在しているので、酸化性ガス供給枝管212及び酸化性ガス排出枝管214と側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13とが干渉しない。これにより、側方外装板4に酸化性ガス供給枝管212及び酸化性ガス排出枝管214を貫通させるための構造を形成する必要がないので、簡易な構成とすることができる。
また、酸化性ガス供給枝管212及び酸化性ガス排出枝管214と側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13とが干渉しない構造となっているので、SOFCサブモジュール202の組立てを行う際に、側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13と、SOFCカートリッジ203とを別々に組立てることができる。側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13と、SOFCカートリッジ203とを別々に組立てたのちに、側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13に対して、SOFCカートリッジ203を上方からはめ込むことで、簡易にSOFCサブモジュール202の組立てることができる。また、分解する際も側方外装板4及びサブモジュール側部断熱材13からSOFCカートリッジ203を上方から引き抜くことで、簡易にSOFCサブモジュール202の分解を行うことができる。また、酸化性ガス供給枝管212及び酸化性ガス排出枝管214がサブモジュール側部断熱材13を貫通していないので、SOFCサブモジュール202を分解する際にサブモジュール側部断熱材13を破損させることなく分解することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、下方外装板5が、SOFCサブモジュール202の下方の一部のみを覆っているが、下方外装板は、SOFCサブモジュール202の下方の全部を覆っていてもよい。すなわち、下方外装板は、枠状に形成されている側方外装板4の下端に形成されている開口を全て覆うように設けてもよい。
このような構成とすれば、側方からSOFCサブモジュール202内に流入しようとする酸化性ガスは、側方外装板4によって妨げられるとともに、SOFCサブモジュール202の下方全体が下方外装板5で覆われているので、下方からSOFCサブモジュール202内に流入しようとする酸化性ガスは、確実に下方外装板5によって妨げられる。したがって、意図しない酸化性ガスが圧力容器205の内部と発電室215との間で流入や漏出するのをより確実に抑制することができる。
また、上記実施形態では、下方外装板5と下部ケーシング229bとをシール板15を介して固定しているが、下方外装板5と下部ケーシング229bとを離間しないように配置し、下方外装板5と下部ケーシング229bとを直接固定してもよい。
2 カートリッジ断熱材(密閉部材)
3 サブモジュール断熱材
4 側方外装板
5 下方外装板
6 カートリッジ上部断熱材
7 カートリッジ下部断熱材
8 カートリッジ側部断熱材
11 サブモジュール上部断熱材
12 サブモジュール下部断熱材
13 サブモジュール側部断熱材
15 シール板
16 貫通穴
17 筒状部(筒状部材)
23 脚部
101 セルスタック
103 基体管
105 燃料電池セル
201 SOFCモジュール(燃料電池モジュール)
202 SOFCサブモジュール(サブモジュール)
203 SOFCカートリッジ
205 圧力容器
207 燃料ガス供給管
207a 燃料ガス供給枝管
209 燃料ガス排出管
209a 燃料ガス排出枝管
211 酸化性ガス供給管
212 酸化性ガス供給枝管(酸化性ガス流通管)
213 酸化性ガス排出管
214 酸化性ガス排出枝管
215 発電室
217 燃料ガス供給室
219 燃料ガス排出室(燃料ガスヘッダ)
221 酸化性ガス供給室
223 酸化性ガス排出室
227a 上部断熱体
227b 下部断熱体
229a 上部ケーシング
229b 下部ケーシング
235a 酸化性ガス供給隙間(酸化性ガス供給部)
235b 酸化性ガス排出隙間(酸化性ガス排出部)

Claims (10)

  1. 圧力容器内にサブモジュールを収容した燃料電池モジュールであって、
    前記サブモジュールは、
    それぞれが、燃料ガスと酸化性ガスを供給することで発電する燃料電池セルを備える複数のセルスタックと、
    複数の前記セルスタックの少なくとも一部分を囲う密閉部材と、を備え、
    複数の前記セルスタックは、それぞれ、前記燃料電池セルが設けられる中央部と、前記燃料電池セルが設けられていない端部とを含み、
    前記密閉部材が囲う前記セルスタックの一部分は、前記燃料電池セルが設けられる前記中央部であり、
    前記密閉部材は、該密閉部材の内部の複数の前記セルスタック周囲に前記酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、該内部から前記酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出部とを備え、前記酸化性ガス供給部及び前記酸化性ガス排出部以外の残部では、該内部への酸化性ガスの流入及び該内部からの酸化性ガスの漏出を抑制する燃料電池モジュール。
  2. 前記密閉部材の周囲外側面で、前記密閉部材の側方を覆う側方外装板と、
    複数の前記セルスタックが接続され、複数の該セルスタックに前記燃料ガスの供給または複数の該セルスタックから前記燃料ガスの排出を行う燃料ガスヘッダと、
    一端が前記側方外装板の下端に接続され、他端が前記燃料ガスヘッダの側方端部に対して接続される下方外装板と、を備えた請求項1に記載の燃料電池モジュール。
  3. 前記下方外装板の鉛直方向上面と前記燃料ガスヘッダの底面とは、鉛直上下方向に離間し、
    前記下方外装板の鉛直方向上面と前記燃料ガスヘッダの底面とは、鉛直上下方向に延びるシール板を介して接続されている請求項2に記載の燃料電池モジュール。
  4. 前記サブモジュールの側方を規定し、下端に開口が形成される板枠状の側方外装板と、
    前記側方外装板の下端に形成された開口を塞ぐ下方外装板と、を備えた請求項1に記載の燃料電池モジュール。
  5. 前記側方外装板の上端には、上縁で規定された開口が形成されている請求項2から請求項4のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
  6. 前記下方外装板には、貫通穴が形成され、
    前記下方外装板は、前記貫通穴と連通し、鉛直下方に延びる筒状部材を備えている請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
  7. 前記筒状部材の内部を挿通する配管を備え、
    前記筒状部材の一部は、可撓性を備えるフレキシブル管で形成され、
    前記フレキシブル管で形成された部分は、前記筒状部材と前記配管とをシール固定する部分よりも鉛直上方に位置している請求項6に記載の燃料電池モジュール。
  8. 前記酸化性ガス供給部または前記酸化性ガス排出部と連通する酸化性ガス流通管を備え、
    前記酸化性ガス流通管は、前記側方外装板の内側で、鉛直上下方向に延在している請求項2から請求項7のいずれかに記載の燃料電池モジュール。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池モジュールと、
    前記燃料電池モジュールから排気される排燃料ガスと排酸化性ガスとを用いて回転動力を生成するガスタービンとを備え、
    前記燃料電池モジュールには、前記回転動力を用いて圧縮された前記酸化性ガスが供給され、
    複数の前記セルスタックは、前記燃料ガスと前記酸化性ガスとを用いて発電する複合発電システム。
  10. それぞれが、燃料ガスと酸化性ガスを供給することで発電する燃料電池セルを備える複数のセルスタックと、
    複数の前記セルスタックの少なくとも一部分を囲う密閉部材と、
    前記密閉部材の周囲外側面で、前記密閉部材の側方を覆う板枠状の側方外装板と、
    前記側方外装板の下端部から略水平方向に延びる下方外装板と、を備え、
    複数の前記セルスタックは、それぞれ、前記燃料電池セルが設けられる中央部と、前記燃料電池セルが設けられていない端部とを含み、
    前記密閉部材が囲う前記セルスタックの一部分は、前記燃料電池セルが設けられる前記中央部であり、
    前記密閉部材は、該密閉部材の内部の複数の前記セルスタック周囲に前記酸化性ガスを供給する酸化性ガス供給部と、該内部から前記酸化性ガスを排出する酸化性ガス排出部とを有し、前記酸化性ガス供給部及び前記酸化性ガス排出部以外の残部では、該内部への酸化性ガスの流入及び該内部からの酸化性ガスの排出を抑制するサブモジュールの組み立て方法であって、
    前記側方外装板と前記下方外装板を接続する接続工程と、
    複数の前記セルスタックの前記中央部を囲うように、前記密閉部材を組立てする密閉部材組み立て工程と、
    前記接続工程で接続した前記側方外装板に対して、鉛直上方から前記密閉部材組み立て工程で組立てた密閉部材を挿入する挿入工程と、を備えたサブモジュールの組み立て方法。
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