JP2018137670A - 異物除去装置及びそれを備えたカメラ装置 - Google Patents
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この場合、ノズル部に噴出口が複数箇所あると、各噴出口から噴出される流体の圧力はさらに低下するため、異物を良好に除去できなくなる虞がある。
そのため、カメラ装置の透明窓の異物を流体の噴出で除去する異物除去装置は、設置環境の制約などによってノズル部に限られた圧力でしか流体を供給できない場合でも、できるだけ異物を良好に除去できることが望まれている。
1) カメラレンズの前方に配置された透明の窓部に沿って所定角度範囲で往復回動すると共に、前記窓部に向かって流体を所定のスプレー角度で噴出する複数の噴出口が回動半径方向に並設されているワイパアームを備え、
前記複数の噴出口の内の一つの噴出口が、前記所定角度範囲の回動において前記カメラレンズの光軸位置を通過することを特徴とする異物除去装置である。
2) カメラレンズ及び前記カメラレンズの前方に配置された透明の窓部を有する本体部と、
前記窓部に沿って所定角度範囲で往復回動すると共に前記窓部に向かって流体を所定のスプレー角度で噴出する複数の噴出口が回動半径方向に並設されているワイパアームを備え、前記複数の噴出口の内の一つの噴出口が、前記所定角度範囲の回動において前記カメラレンズの光軸位置を通過する異物除去装置と、
を備え、
前記ワイパアームは、前記回動において、前記窓部における前記本体部の撮像画角に対応した長方形の利用領域の長手方向に移動することを特徴とするカメラ装置である。
まず、図1〜図5を参照して、異物除去装置52及びカメラ装置51の構成などを説明する。
図1はカメラ装置51の上面図、図2は前面図である。図3は、カメラ装置51の設置例を説明する図である。図4は、異物除去装置52に備えられたワイパアーム部12のアーム12aを説明するための斜視図である。図5は、アーム12aの前面図である。
図1において、本体部1は、内部前方に配置されたカメラレンズとしてのレンズ部1aと、レンズ部1aの後方に配置された撮像素子1b及び信号処理部1cと、レンズ部1aの前方に配置された透明部材である窓部1dと、を有する。
窓部1dは、カメラ装置51の撮像画角に対応した利用領域N(図7参照)を含む大きさ及び形状で形成された透明部材であって、レンズ部1aの前玉(レンズ)を保護すべく前玉の前方に配置されている。
窓部1dは、例えば、透明の、アクリル板やガラス板などで形成されている。
信号処理部1cは、撮像素子1bから入来した出力信号を処理し、映像信号SG1(図3)として外部に出力する。
ワイパアーム部12は、パイプ部121及びパイプ部121の一端部に連結されたノズル部122を有するアーム12aと、アーム12aのパイプ部121を挿通支持すると共にモータMの出力軸Maに連結されたホルダ12bと、を有する。
パイプ部121の他端部には、ホース13が取り付けられている。
噴出口14a〜14cは、パイプ部121の延在方向である回動半径方向に並設され、その延在方向に概ね直交する方向(カメラ装置51においては後方)に流体を噴出する。以下、噴出口14a〜14cをまとめて噴出口群14とも称する。
図2及び図5に示されるように、アーム12aの幅方向の中心軸線を軸線CL12とすると、噴出口14a〜14cは、軸線CL12上に並設されている。
角度θL,θR,θWは、例えば、制御部53bにより設定される。この設定については後述する。
すなわち、ワイパアーム部12の回動において、ノズル部122は、光軸CL1の位置を通過する噴出口を一つ有する。
光軸CL1の位置を通過する噴出口は、噴出口が奇数箇所ある場合は、中央の噴出口とし、偶数箇所ある場合は、中央の二つの内のいずれかにすることが望ましい。
この設置例は、カメラ装置51をサーキットのコースを走る競争車を撮影すべく設置するものである。
異物除去装置52を備えたカメラ装置51は、コース近傍の設置柱3の上部に取り付けられている。
そして、異物除去装置52の動作を含むカメラ装置51の動作は、設置場所近傍の地中などに設置された制御装置53を介して、コースから数km離れた制御室Rから遠隔制御される。
カメラ装置51と制御室Rとの間は、制御装置53を通してケーブル15,16により接続されている。
また、設置場所の近傍には、制御装置53により動作制御されるコンプレッサ54が配置されている。コンプレッサ54は、制御装置53に含めて設置されていてもよい。
これにより、カメラ装置51で撮影された映像が画像表示装置31に表示される。
制御部53bは、スイッチ信号SG2のON又はOFFの指示に基づいて、コンプレッサ54の動作をリレー回路53cを介して制御すると共に、異物除去装置52のモータMの動作を、モータ制御信号SG3を送出して制御する。
図6は、ノズル部122から噴出する高圧空気の噴流について説明する部分側面図であり、ワイパアーム部12が、起立位置12CTにある状態で示されている。この状態で、既述のように、噴出口14bは、光軸CL1上にある。
噴流Fa〜Fcは、所定のスプレー角度及びスプレーパターンで噴出し、窓部1dに噴射領域Fa1〜Fc1として噴射される。スプレーパターンは、例えば円形であり、その場合、噴射領域Fa1〜Fc1も円形領域となる。
窓部1dにおける噴射領域Fa1〜Fc1の大きさ、及びワイパアーム部12の回動における角度θL,θRは、例えば次のように設定するとよい。
ここで、噴射領域Fa1〜Fc1は、同じ直径の円形領域に設定するものとする。すなわち、噴出口14a〜14cのスプレー角度を同じに設定する。
ワイパアーム部12の回動中心である軸線CLmと隅点N1との間の距離を求め、起立位置12CTにおける軸線CLmからその距離に対応する位置を基準点N2とする。
そして、基準点N2と光軸CL1との間の上下方向の距離Lhを3等分した値を、噴射領域Fa1〜Fc1に対し共通に設定する半径r1の最小値とする。
すなわち、距離Lh/3≦半径r1とする。
ワイパアーム部12の、角度θLと角度θRとを加えた角度範囲θLRの回動で、窓部1dにおける噴射領域Fa1〜Fc1の通過領域は、太い二点鎖線で囲まれた幅広弧状の回動噴射領域FKとなる。回動噴射領域FKは、利用領域Nを包含する領域となる。
制御部53bは、送受信部53aを介してスイッチ32からのスイッチ信号SG2を受信したら、コンプレッサ54を動作させて、ノズル部122の噴出口14a〜14cから高圧空気を噴出させる。
ワイパアーム部12を所定の回数往復回動させたら、コンプレッサ54を停止すると共にワイパアーム部12を待機位置12Wに移動し、異物除去動作を終了する。
ワイパアーム部12を往復回動させる回数は、操作員がスイッチ32から指定できるようにしてもよい。
これにより、撮影画像の少なくとも中央部分の異物が優先的に良好に除去される。通常、画像の中央部分にターゲットとなる被写体を位置させるので、撮影画像から得られる情報の有用性が確保される。
これにより、利用画像の上半分と下半分との異物除去を担う噴出口が同数又は一つ違いの近い数になるので、異物除去効果が平均化され良好な撮影画像が得られる。
より詳しくは、利用領域Nの長辺に直交し、光軸CL1と交わる直線(図7における軸線CL12a)上に設定している。
これにより、ノズル部122は、ワイパアーム部12の回動により、長方形の利用領域Nの長手方向に沿って移動する。
そのため、ワイパアーム部12の回動中心である軸線CLmを、利用領域Nの短辺に直交し光軸CL1と交わる直線上に設定した場合と比べて、回動噴射領域FKのワイパアーム部12に沿う方向の幅を小さくできるので、噴射領域Fa1〜Fc1の直径を小さく設定できる。すなわち、スプレー角をより小さくすることができる。
そのため、利用領域Nの全域を回動噴射領域FKに含みつつ、噴射領域Fa1〜Fc1の半径を可能な限り小さく設定できる。
これにより、コンプレッサ54がノズル部122に供給する高圧空気の圧力に対し、噴流Fa〜Fcによって噴射領域Fa1〜Fc1に与えることができる圧力をより大きくすることができ、その結果、回動噴射領域FKに与える圧力もより大きくできる。そのため、窓部1dの利用領域Nに付着した水滴や塵埃を噴流の圧力及びその流れによって良好に除去することができる。
ワイパアーム部12の回動中心となる軸線CLmは、窓部1dの下方ではなく上方に設定してもよい。
すなわち、ワイパアーム部12の1往復毎に流体を噴出する噴出口を一つずつ変えてもよい。
例えば、ノズル部122に噴出口がn(n:2以上の整数)箇所ある場合に、制御部53bは、k(1≦k≦n)回目の回動往復で、k番目の噴出口のみから流体を噴出させるように弁部を制御する。
これにより、利用領域N全領域に流体を噴射するために必要なワイパアーム部12の往復回動回数は増えるものの、噴流Fa〜Fcから噴出される流体の圧力が高くなるので、異物が窓部1dから取れにくい場合でも、より良好に除去することができる。
1a レンズ部、 1b 撮像素子、 1c 信号処理部
1d 窓部
2 載置台
3 設置柱
11 ハウジング
12 ワイパアーム部
12a アーム、 12b ホルダ
12CT 起立位置、 12E 隅位置、 12L 左回動位置
12R 右回動位置、 12W 待機位置
13 ホース
14 噴出口群、 14a〜14c 噴出口
15,16 ケーブル
31 画像表示装置、 32 スイッチ
51 カメラ装置、 52 異物除去装置
53 制御装置
53a 送受信部、 53b 制御部、 53c リレー回路
54 コンプレッサ
121 パイプ部、 122 ノズル部
AR 空気取り入れ口
CL1 光軸、 CL12,CL12a,CLm 軸線
Fa〜Fc 噴流
Fa1〜Fc1 噴射領域、 FK 回動噴射領域
H 被写体
L1,Lab,Lbc,Lh 距離
M モータ、 Ma 出力軸
N 利用領域
N1 隅点、 N2 基準点
R 制御室
r1 半径
SG1 映像信号、 SG2 スイッチ信号、 SG3 モータ制御信号
θL,θR 角度、 θLR 角度範囲
Claims (4)
- カメラレンズの前方に配置された透明の窓部に沿って所定角度範囲で往復回動すると共に、前記窓部に向かって流体を所定のスプレー角度で噴出する複数の噴出口が回動半径方向に並設されているワイパアーム部を備え、
前記複数の噴出口の内の一つの噴出口が、前記所定角度範囲の回動において前記カメラレンズの光軸位置を通過することを特徴とする異物除去装置。 - 前記複数は奇数であって、前記一つの噴出口は、中央の噴出口であることを特徴とする請求項1記載の異物除去装置。
- 請求項1又は請求項2に記載の異物除去装置と、
前記カメラレンズ及び前記窓部を有する本体部と、
を備え、
前記ワイパアーム部は、前記回動において、前記窓部における前記本体部の撮像画角に対応した長方形の利用領域の長手方向に移動することを特徴とするカメラ装置。 - 前記所定角度範囲は、前記利用領域の長手方向の距離に応じて設定されることを特徴とする請求項3記載のカメラ装置。
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