第1の実施の形態.
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の構成を示す図である。画像形成装置1は、筐体100の内部に、媒体の搬送路に沿って(図1における右側から左側に)4つの画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを配列したものである。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2C(プロセスユニット)は、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの現像剤像(トナー像)を形成するものである。
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの下側には、印刷用紙等の媒体を収容する媒体供給部としての給紙カセット24(媒体収容部)が配置されている。給紙カセット24の一方の側(ここでは右側)には、媒体を一枚ずつ送り出すための給紙ローラ11(媒体供給部)が配置されている。
給紙カセット24から画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cに至る媒体の搬送路に沿って、第1入口センサ12Lと、第1搬送ローラ14R,14Pと、第2入口センサ12Uと、第2搬送ローラ15R,15Pと、書込センサ13とが配置されている。
第1搬送ローラ14Rおよび第2搬送ローラ15Rは、後述する給紙モータ811(図4)によって回転する。第1搬送ローラ14Pおよび第2搬送ローラ15Pは、それぞれ第1搬送ローラ14Rおよび第2搬送ローラ15Rに押圧されている。第1搬送ローラ14Rと第2搬送ローラ15Rの回転により、給紙カセット24から送り出された媒体を、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cに向けて搬送する。第1入口センサ12L、第2入口センサ12Uおよび書込センサ13は、搬送路における媒体の位置を検知する。
画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cに対向するように、転写ユニット27が設けられている。転写ユニット27は、無端状ベルトである搬送ベルト18と、この搬送ベルト18が架け渡されたベルト駆動ローラ17およびベルト従動ローラ16とを有している。ベルト従動ローラ16は、スプリング等の付勢部材によってベルト駆動ローラ17から離れる方向に付勢され、搬送ベルト18に一定の張力を付与する。ベルト駆動ローラ17は、搬送ベルトモータ801(図4)によって回転し、搬送ベルト18を走行させる。搬送ベルト18は、表面(外周面)に媒体を静電吸着して搬送する。
また、搬送ベルト18の内周側には、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの感光体ドラム4K,4Y,4M,4C(後述)に搬送ベルト18を挟んで対向するように、転写部材としての転写ローラ10K,10Y,10M,10Cが配置されている。転写ローラ10K,10Y,10M,10Cには、転写電圧制御部770(図4)により、転写電圧が印加されている。
搬送ベルト18の走行によって、搬送ベルト18の表面に吸着された媒体は、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと転写ローラ10K,10Y,10M,10Cとの間(転写ニップ部)を通過して搬送される。
媒体の搬送方向において画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cおよび転写ユニット27の下流側に、定着ユニット28が配置されている。定着ユニット28は、内部にハロゲンランプなどの発熱体791(図4)を有する定着ローラ19と、この定着ローラ19に対して押圧されたバックアップローラ20とを有している。
定着ローラ19は、定着モータ793(図4)によって回転する。定着ローラ19の表面温度は、サーミスタ792(図4)によって検出される。定着ローラ19の内部の発熱体791は、サーミスタ792の出力温度に基づき、定着制御部790(図4)によって発熱制御される。定着ローラ19とバックアップローラ20で形成する定着ニップ部において、媒体を加熱および加圧する。
媒体の搬送方向において定着ユニット28の下流側には、媒体を検知する排出センサ21と、媒体を排出する排出ローラ22,23と、排出ローラ22,23によって排出された媒体を載置する排出トレイ31とが配置されている。排出ローラ23は、排出ローラ22に対して押圧されている。排出ローラ22は、定着モータ793(図4)によって回転し、媒体を搬送して排出口から排出する。
上述した画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cと、帯電部材としての帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cと、露光部としてのLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cと、現像剤担持体としての現像ローラ6K,6Y,6M,6Cと、現像剤供給部材としてのスポンジローラ9K,9Y,9M,9Cと、現像剤層形成部材としての現像ブレード8K,8Y,8M,8Cと、現像剤収容部としてのトナータンク7K,7Y,7M,7Cと、クリーニング部材26K,26Y,26M,26Cとを有している。
感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは、表面に感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を有する略円筒状の部材である。感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cは、駆動モータ781,782,783,784(図4)によって、図中時計回り方向に回転する。帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cは、帯電電圧制御部740(図4)によって帯電電圧を付与され、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面をそれぞれ一様に帯電させる。
LEDヘッド3K,3Y,3M,3Cは、ヘッド制御部750(図4)によって駆動制御され、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面を各色の画像情報に応じて露光し、静電潜像を形成する。
現像ローラ6K,6Y,6M,6Cは、現像電圧制御部760(図4)によって現像電圧を付与され、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面の静電潜像を各色のトナー(現像剤)によって現像する。スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cは、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cにトナーを供給する。トナータンク7K,7Y,7M,7Cは、スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cに対してトナーを補給する。また、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cは、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面に形成されるトナー薄層の厚さを規制する。
上述した転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に形成された各色のトナー像を、搬送ベルト18上の媒体に転写する。クリーニング部材26K,26Y,26M,26Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面に残った転写残トナーを除去する。
図1において、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを通過する際の媒体の搬送方向に平行な方向を、X方向とする。特に、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cを通過する際の媒体の搬送方向を+X方向(後方)とし、その反対方向を−X方向(前方)とする。また、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転軸の方向を、Y方向とする。Y方向は、X方向と直交する方向である。XY面(X方向およびY方向に平行な面)に直交する方向をZ方向とする。ここでは、XY面は水平面であり、Z方向は鉛直方向である。
なお、画像形成装置1は、両面印刷の際に、片面の印刷が完了した媒体を画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cに再搬送するための両面印刷ユニット25と、媒体の搬送路を排出側と両面印刷ユニット25側とで切り換えるソレノイド等を備えている。また、媒体の搬送路には、媒体の最小間隔よりも狭い間隔で図示しないローラが配置されている。これらについては、詳細説明を省略する。
以上の構成要素は、画像形成装置1の筐体100の内部に収容されている。また、給紙カセット24および画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cは、筐体100に対して、それぞれ着脱可能に取り付けられている。
画像形成装置1は、筐体100の上側にトップカバー43を備えている。トップカバー43は、筐体100により、Y方向の支軸43aを中心として回動可能に支持されている。トップカバー43を上方に回動させることにより、筐体100の内部の画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの着脱が可能になる。
<画像読取ユニットの構成>
図2は、画像形成装置1の外観を示す斜視図である。図2に示すように、画像形成装置1の上部には、回動ユニットとしての画像読取ユニット40が取り付けられている。この画像読取ユニット40は、筐体100上に設けられた上部支持体101によって支持されている。
画像読取ユニット40は、原稿を載置する原稿トレイ401と、原稿を搬送する搬送部402と、読取後の原稿を積載する媒体積載部403と、これらを支持するフラットベッド408とを有している。原稿トレイ401と搬送部402と媒体積載部403とは、自動原稿給紙装置(ADF)405を構成している。
図3は、画像読取ユニット40の基本構成を示す模式図である。フラットベッド408は、原稿を載置するガラス板からなる載置部407と、載置部407上の原稿の画像を光学的に読み取る読取部410とを有している。読取部410は、ADF405によって搬送されて所定の読取位置を通過する原稿の画像を読み取る。
搬送部402は、フィードローラ411および舌片412と、給紙ローラ413と、搬送路414と、給紙ローラ415と、排出ローラ416とを有している。フィードローラ411および舌片412は、原稿トレイ401に載置された原稿(符号Dで示す)を1枚ずつ分離して搬送路414に送り出す。給紙ローラ413,415は、原稿Dを搬送路414に沿って搬送し、読取部410の読取位置に搬送する。排出ローラ416は、読取位置を通過した原稿Dを、媒体積載部403上に排出する。
なお、ADF405は、フラットベッド408に対して、Y方向の支軸を中心として回動可能に支持されている。ADF405を上方に回動させた場合には、操作者が載置部407に原稿Dを載せ、読取部410をY方向に直進移動させて原稿Dの画像を読み取ることができるが、この点についての詳細説明は省略する。
<画像形成装置の制御システム>
図4は、本実施の形態の画像形成装置1における制御システムを示すブロック図である。画像形成装置1の画像形成制御部700は、上位装置から制御コマンドおよび印刷データを受信し、画像形成装置1の全体のシーケンス制御を行う。画像形成制御部700は、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポート、タイマ等を備える。
I/F制御部710は、パーソナルコンピュータ等の上位装置から受信した制御コマンドを解析し、上位装置から受信した印刷データを処理するインターフェイス制御部である。受信メモリ720は、上位装置から受信した印刷データを、I/F制御部710の制御に基づいて色毎に一時的に格納する。画像データ編集メモリ730は、受信メモリ720に一時的に格納された各色の印刷データを受け取り、その印刷データをヘッド制御部750へ出力するための画像データとして編集し、格納する。
操作部42は、画像形成装置1の状態を表示するための表示部42bと、操作者の指示を入力する入力部42cとを有する。表示部42bは、例えば液晶表示部等のディスプレイである。入力部42c(入力部とも称する)は、ボタンまたはタッチパネル等である。
各種センサ702は、媒体の搬送位置を検出するための複数のセンサ(第1入口センサ12L、第2入口センサ12U、書込センサ13、排出センサ21)を含む。各センサからの情報は、画像形成制御部700に出力される。
帯電電圧制御部740は、画像形成制御部700の指示に基づき、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cに印加する電圧を制御する。ヘッド制御部750は、画像形成制御部700の指示に基づき、画像データ編集メモリ730から出力された画像データに基づいてLEDヘッド3K,3Y,3M,3Cの発光を制御する。
現像電圧制御部760は、画像形成制御部700の指示に基づき、現像ローラ6K,6Y,6M,6Cに印加する現像電圧を制御する。転写電圧制御部770は、画像形成制御部700の指示に基づき、転写ローラ10K,10Y,10M,10Cに印加する転写電圧を制御する。
画像形成駆動制御部780は、画像形成制御部700の指示に基づき、駆動モータ781,782,783,784の回転を制御する。駆動モータ781,782,783,784の回転により、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cおよび現像ローラ6K,6Y,6M,6Cが回転する。なお、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cおよび転写ローラ10K,10Y,10M,10Cは、感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cに従動して回転する。
定着制御部790は、画像形成制御部700の指示に基づき、定着温度を制御する。すなわち、定着制御部790は、サーミスタ792で検知された定着ローラ19の表面温度に基づき、定着ローラ19の発熱体791に印加する電圧を制御する。定着制御部790は、また、定着モータ793の回転を制御する。定着モータ793の回転により、定着ローラ19および排出ローラ22が回転する。
搬送ベルト制御部800は、画像形成制御部700の指示に基づき、搬送ベルトモータ801の回転を制御する。搬送ベルトモータ801の回転により、ベルト駆動ローラ17が回転し、搬送ベルト18が走行する。
給紙・搬送駆動制御部810は、画像形成制御部700の指示に基づき、給紙モータ811および搬送モータ812の回転を制御する。給紙モータ811および搬送モータ812の回転により、給紙ローラ11、第1搬送ローラ14Rおよび第2搬送ローラ15Rが回転し、媒体を搬送ベルト18まで給紙、搬送する。
また、画像形成制御部700には、画像読取ユニット40の画像読取制御部900から、読取部410で読み取った原稿の画像データも入力される。この場合には、操作者が操作部42の入力部42cの例えばコピーボタンを押すことにより、画像読取制御部900がADF405と読取部410を制御して原稿の読み取りを行い、読み取った画像データを、印刷データとして制御コマンド(印刷指示)と共に画像形成制御部700に出力する。
ここでは、画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cの感光体ドラム4K,4Y,4M,4C等の駆動に個別の駆動モータ781、782,783,784を用いているが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、単一の駆動モータで駆動する構成であってもよい。
<画像形成装置の基本動作>
次に、本実施の形態における画像形成装置1の基本動作について説明する。画像形成制御部700は、I/F制御部710を介して上位装置から送信された印刷指示および印刷データを受信する。画像形成制御部700は、また、画像読取制御部900から印刷指示および印刷データを受信する場合もある。印刷指示を受け取ると、画像形成制御部700は、給紙・搬送駆動制御部810に所定の搬送速度を指示し、給紙ローラ11を回転させて給紙カセット24から媒体を1枚ずつ送り出す。
画像形成制御部700は、第1入口センサ12Lが媒体を検知したタイミングに基づいて、給紙ローラ11の給紙が正常に行われたかどうかを判断し、給紙が正常に行われなかった場合には再度給紙ローラ11による給紙動作を行う。また、画像形成制御部700は、第1入口センサ12Lが媒体の先端を検出したのち、所定時間経過後に第1搬送ローラ14Rの回転を開始させることにより、媒体の先端を第1搬送ローラ14R,14Pのニップ部に突き当てさせて媒体の斜行(スキュー)を矯正する。
第1搬送ローラ14R,14Pにより搬送された媒体は、さらに第2搬送ローラ15R,15Pによって画像形成ユニット2Kまで搬送される。画像形成ユニット2K,2Y,2M,2Cでは、給紙ローラ11の回転開始とほぼ同時に、画像形成駆動制御部780が感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転を開始している。
帯電電圧制御部740は、画像形成制御部700の指示に基づき、帯電ローラ5K,5Y,5M,5Cに帯電電圧(約−1000V)を印加し、これにより感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの表面をそれぞれ一様に帯電させる。トナータンク7K,7Y,7M,7Cから補給されたトナー(現像剤)は、スポンジローラ9K,9Y,9M,9Cを介して現像ローラ6K,6Y,6M,6Cに供給される。現像ローラ6K,6Y,6M,6Cの表面に付着したトナーは、現像ブレード8K,8Y,8M,8Cによって摩擦帯電され、一定の厚さのトナー薄層を形成する。また,感光体ドラム4K,4Y,4M,4Cの回転開始と同時に、給紙・搬送駆動制御部810がベルト駆動ローラ17の回転を開始し、搬送ベルト18が所定の速度で走行する。
書込センサ13が媒体の先端を検知してから所定時間が経過した後に、画像形成制御部700の指示に基づき、ヘッド制御部750がLEDヘッド3Kの発光制御を開始する。これにより、感光体ドラム4Kの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム4Kの表面に形成された静電潜像は、現像ローラ6Kに付着したトナーによって現像されてトナー像(この場合、ブラックのトナー像)となる。
感光体ドラム4Kと転写ローラ10Kとの間の転写ニップ部に媒体が到達した時点で、転写電圧制御部770が転写ローラ10Kに転写電圧(約+3000V)を印加し、感光体ドラム4Kの表面のトナー像を媒体に転写する。これにより、ブラックのトナー像が媒体に転写される。
イエロー、マゼンタおよびシアンのトナー像も、ブラックのトナー像と同様に、露光、現像および転写のプロセスを経て、媒体に転写される。すなわち、媒体の表面に、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナー像が順次転写される。
各色のトナー像が転写された媒体は、定着ユニット28に搬送される。定着ユニット28では、定着制御部790によって定着ローラ19が所定の表面温度に保たれ、また所定の速度で回転している。媒体は定着ローラ19とバックアップローラ20との間(定着ニップ部)で加熱および加圧され、媒体にトナー像が定着する。
定着ユニット28を通過した媒体は、先端が排出センサ21で検出された後、排出ローラ22,23によって排出され、排出トレイ31上に載置される。なお、排出センサ21の出力信号は、画像形成制御部700が、定着ユニット28における紙詰まり(ジャム)の検知および定着後の媒体長さの検出に用いられる。
<画像読取ユニットおよび操作部の支持構造>
本実施の形態では、画像読取ユニット40(回動ユニット)をY方向のユニット回動軸41を中心として回動させると、その回動と連動して、操作部42が回動するように構成されている。以下では、そのための構成について、詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1の筐体100の上部には、画像読取ユニット40を支持する上部支持体101が設けられている。画像読取ユニット40は、上部支持体101に設けられたY方向のユニット回動軸41を中心として回動可能に構成されている。なお、画像形成装置1の筐体100および上部支持体101は、画像形成装置1の本体部を構成している。
図5および図6は、画像読取ユニット40および操作部42の支持構造を上方から見た斜視図である。図5および図6において、X方向、Y方向およびZ方向は、画像読取ユニット40が基準位置(閉鎖位置)にある状態を基準として示す。後述する図7〜図27についても同様である。なお、画像読取ユニット40が基準位置にある状態で、ユニット回動軸41(図1)は画像読取ユニット40の+X方向端部(後端部)に位置し、操作部42は画像読取ユニット40の−X方向端部(前端部)に位置している。
操作部42は、例えば、略長方形状の表面に、表示部42bおよび入力部42cを備えている。表示部42bは、例えば液晶表示部などのディスプレイであり、画像形成装置1の状態を表示する。入力部42cは、例えばボタンまたはタッチパネルであり、操作者が画像形成装置1の動作条件の設定等を入力するために用いる。
画像読取ユニット40(図1)には、ベース板70が固定されている。ベース板70は、例えば平板状の板金を加工したものであり、Y方向両端に一対の側板部70aを有している。ベース板70の下側は、カバー部材63によって覆われている。
また、画像読取ユニット40には、この画像読取ユニット40を支持するための画像読取ユニット支持部44(回動ユニット支持部)が設けられている。画像読取ユニット支持部44は、固定支持部材46と挿入支持部材48(図6)とを有している。固定支持部材46は、画像読取ユニット40のフレーム40a(図19)に支軸45を中心として回動可能に設けられている。支軸45は、Y方向を軸方向としている。
固定支持部材46は、Y方向に対向する一対の側板部46aと、側板部46aの上端同士を接続する天板部46bとを有している。各側板部46aには、支軸45に係合する穴部45aが形成されている。
また、固定支持部材46の天板部46bには、円形状の孔部を有するシャフト支持部80が形成されている。このシャフト支持部80は、Y方向を軸方向とするリンクシャフト79が取り付けられている。リンクシャフト79は、後述するスライド部材69と連結されるリンクレバー73に、第1シャフト77を介して取り付けられている。
挿入支持部材48(図6)は、上部支持体101に固定された板金部材(図示せず)に対して、支軸47を中心として回動可能に取り付けられている。支軸47は、Y方向を軸方向としている。挿入支持部材48は、Y方向に対向する一対の側板部を有しており、各側板部には、支軸47に係合する穴部47aが形成されている。
挿入支持部材48は、固定支持部材46の内側に、固定支持部材46の長手方向(挿入支持部材48の長手方向でもある)にスライド可能に嵌合している。挿入支持部材48の移動可能な方向は、穴部45aと穴部47aとが並ぶ方向と一致している。挿入支持部材48のスライドにより、挿入支持部材48の固定支持部材46からの突出量が変化し、従って固定支持部材46と挿入支持部材48との重なり量が変化する。
挿入支持部材48のさらに内側には、コイルスプリング等の付勢部材49(図5)が配置されている。付勢部材49は、画像形成装置1の本体部に対して画像読取ユニット40を任意の回動位置で保持するための付勢力を発生するものである。
図7は、画像読取ユニット40および操作部42の支持構造を下方から見た斜視図である。図8は、操作部42の支持構造を下方から見た斜視図である。図7および図8に示すように、操作部42の底面(裏面)、すなわち表示部24bおよび入力部42c(図5)が形成された表面と反対側の面には、底板部42aが設けられている。この底板部42aは、操作部支持部52によって回動可能に支持されている。以下では、操作部支持部52の構成について説明する。
図9および図10は、図5および図6から操作部42およびカバー部材63を取り外して示す斜視図である。図9および図10において、操作部支持部52は、Y方向を軸方向とする第1回動軸55を中心として回動可能に支持されている。第1回動軸55は、ベース板70の側板部70aに形成された穴部に回転可能に取り付けられている。
操作部支持部52は、操作部42を支持する支持板53を有している。支持板53の上面には、Y方向に対向するように一対のブラケット部54が取り付けられている。ブラケット部54には、Y方向を軸方向とする第2回動軸50が取り付けられている。第2回動軸50には、上述した操作部42の底板部42aが回動可能に取り付けられている。すなわち、操作部42は、第2回動軸50を中心として回動可能に保持されている。
また、第2回動軸50には、底板部42aをY方向両側から挟み込むように、一対のスプリング51が取り付けられている。これら一対のスプリング51は、底板部42aのY方向両端面に押し当てられており、摩擦力を利用して、底板部42aの第2回動軸50を中心とする回動位置を規制している。従って、操作者が外力を加えることで、例えば後述する図24および図25に示すように、操作部42の第2回動軸50を中心とする回動位置を任意に変化させることができる。
図11および図12は、操作部支持部52の構成を示す分解斜視図である。支持板53は、Y方向に長い略長方形状の板金で構成され、その長手方向両端(Y方向両端)に一対の側板部53aを有している。各側板部53aには、第1回動軸55が貫通する溝部61が形成されている。溝部61は、X方向、すなわちユニット回動軸41と操作部42とを結ぶ方向に延在している。
なお、溝部61は、長手方向中央の溝幅が太くなるように形成されており、その溝幅が太い部分に第1回動軸55が回転可能に保持されている。すなわち、第1回動軸55は、溝部61の長手方向にスライドするものではない。
また、操作部支持部52を回動可能に支持する第1回動軸55の軸方向一端部(ここでは−Y方向の端部)には、トルクリミッタ56および駆動ギヤ57が配置されている。トルクリミッタ56は、動力を伝達するための第1伝達部58(図12)と第2伝達部59(図11)とを有している。トルクリミッタ56は、第2伝達部59を支持板53側に向け、第1伝達部58を駆動ギヤ57側に向けて取り付けられる。
トルクリミッタ56の第2伝達部59は、支持板53側に突出する凸部59aを有している。この凸部59aは、支持板53の上記の溝部61に嵌合する。トルクリミッタ56の第1伝達部58は円筒状の突起部を有しており、この円筒状の突起部には、後述するピン60に嵌合する溝部58a(図12)が形成されている。駆動ギヤ57には、第1伝達部58の溝部58aよりも半径方向外側でピン60に嵌合する溝部57a(図11)が形成されている。第1回動軸55には、ピン60を嵌合させる穴55aが形成されている。
ピン60を第1回動軸55の穴55aに嵌合させ、さらに当該ピン60を第1伝達部58の溝部58aと駆動ギヤ57の溝部57aにも嵌合させることにより、第1回動軸55と駆動ギヤ57と第1伝達部58とが互いに固定される。また、第2伝達部59の凸部59aを支持板53の溝部61に嵌合させることにより、第2伝達部59と支持板53とが互いに固定される。
トルクリミッタ56は、第1回動軸55を中心とする回転方向において、所定のトルク以上のトルクが発生した場合には、第1伝達部58と第2伝達部59との間の動力の伝達を遮断して空転するよう構成されている。
図9および図10に示すように、駆動ギヤ57は、アイドルギヤ66と噛み合っており、アイドルギヤ66はピニオンギヤ67と噛み合っている。ピニオンギヤ67は、ラックギヤ68と噛み合っており、ラックギヤ68はスライド部材69に固定されている。スライド部材69は、ベース板70の−Y側の側板部70aの内側に位置し、ベース板70上でX方向(すなわちユニット回動軸41と操作部42とを結ぶ方向)にスライド可能に設けられている。
図13は、スライド部材69の構成を示す斜視図である。スライド部材69は、Y方向に対向する一対の側板部69aと、側板部69aの下端部同士をつなぐ底板部69bとを有している。上記のラックギヤ68は、スライド部材69の底板部69bの上面に形成されている。
スライド部材69の各側板部69aには、取付穴69cがそれぞれ2つずつ形成されている。これらの取付穴69cには、Y方向を軸方向とする2本のスライドシャフト76(図9)が並んで取り付けられている。
ベース板70には、X方向(すなわちユニット回動軸41と操作部42とを結ぶ方向)に延在するスライド溝71(図5)が形成されている。このスライド溝71は、ベース板70の−Y側の側板部70a(図9)と、これに対向する規制板70c(図5)に形成されている。
スライド部材69に取り付けられた2本のスライドシャフト76は、スライド溝71に係合し、これによりスライド部材69はスライド溝71の長手方向にスライド可能となっている。また、スライド部材69がスライドすると、スライド部材69に設けられたラックギヤ68と噛み合うピニオンギヤ67が回動し、ピニオンギヤ67と噛み合うアイドルギヤ66、およびアイドルギヤ66と噛み合う駆動ギヤ57が回動する。
スライド部材69には、また、ベース板70のスライド溝71の長手方向と平行な方向に延在する長孔72が形成されている。この長孔72には、Y方向を軸方向とする第2シャフト78(図9)が摺動可能に係合している。第2シャフト78は、上述した画像読取ユニット支持部44と連結されたリンクレバー73(リンク部材)の一端に設けられている。この第2シャフト78は、また、ベース板70のスライド溝71(図5)にも摺動可能に係合している。
リンクレバー73の端部に設けられた第2シャフト78が、スライド構71および長孔72に沿って移動し、長孔72の前端部74(すなわち操作部42側の端部)および後端部75(すなわちユニット回動軸41側の端部)を押圧することにより、スライド部材69がスライド溝71の長手方向にスライドする。
リンクレバー73の第2シャフト78側とは反対側の端部には、Y方向を軸方向とする第1シャフト77が回動可能に設けられている。第1シャフト77は、固定支持部材46の上述したリンクシャフト79の内側に挿入されている。すなわち、リンクレバー73は、第1シャフト77を中心として回動可能となっている。
なお、スライド部材69、ラックギヤ68、ピニオンギヤ67、アイドルギヤ66、駆動ギヤ57およびトルクリミッタ56は、画像読取ユニット40の回動に応じて、第1回動軸55を中心とするトルクを操作部支持部52に伝達するトルク伝達部を構成している。また、この中で、トルクリミッタ56は、トルク制御部を構成している。
図14は、カバー部材63および操作部支持部52のカバー部を示す斜視図である。操作部支持部52は、操作部42側(図7では上側)を覆う上カバー部52aと、操作部42と反対の側(図7では下側)を覆う半円筒壁部52bとを有している。上述したブラケット部54(図9)は、上カバー部52aと半円筒壁部52bとの間に設けられた開口部から突出している。
操作部支持部52は、また、操作部支持部52の回動範囲を規制する回動位置規制部としての第1当接部62および第2当接部64を有している。第1当接部62は、操作部支持部52の回動位置に応じて、カバー部材63の前端面に当接する部分である。第2当接部64は、操作部支持部52の回動位置に応じて、カバー部材63のストッパ部65に当接する部分である。
図15および図16は、操作部支持部52の第1回動軸55を中心とする回動位置の規制を説明するための模式図である。なお、画像読取ユニット40は図15および図16では省略されているが、画像読取ユニット40の回動角度は、カバー部材63の回動角度と同じである。
操作部支持部52は、図15に示すように、第1当接部62がカバー部材63の前端部に当接することにより、時計回り方向の回動位置が規制される。また、操作部支持部52は、図16に示すように、第2当接部64がカバー部材63のストッパ部65に当接することにより、反時計回り方向の回動位置が規制される。
図17および図18は、操作部42の第2回動軸50を中心とする回動位置の規制を説明するための模式図である。なお、画像読取ユニット40は図17および図18では省略されているが、画像読取ユニット40の回動角度は、カバー部材63の回動角度と同じである。図17および図18では、画像読取ユニット40は閉鎖位置にあり、操作部支持部52の回動位置は同じである。
操作部42は、図17に示すように、底板部42aが操作部支持部52の上カバー部52aに当接することにより、反時計回り方向の回動位置が規制される。この状態で、操作部42の表面は略水平面となっており、やや前方側(−X側)が下方に傾斜している。また、操作部支持部52は、図18に示すように、底板部42aが第1当接部62の端面に当接することにより、時計回り方向の回動位置が規制される。この状態で、操作部42の表面は略鉛直面となっている。
<画像読取ユニットおよび操作部の回動動作>
次に、本実施の形態の画像読取ユニット40の開閉動作と、それに伴う操作部42の回動動作について説明する。まず、画像読取ユニット40を閉鎖位置(図19)から開放位置(図23)まで回動させる際の、画像読取ユニット40および操作部42の動作について説明する。
なお、閉鎖位置から開放位置に向かう画像読取ユニット40の回動方向を「開方向」とし、開放位置から閉鎖位置に向かう画像読取ユニット40の回動方向を「閉方向」とする。また、Y軸を中心とする回動方向については、+Y側から見た側面図(以下で説明する図19等)を基準として「時計回り方向」、「反時計回り方向」と説明する。
図19は、画像読取ユニット40が閉鎖位置にある状態での画像読取ユニット40および操作部42、並びにこれらの支持構造を示す図である。画像読取ユニット40は、上述したユニット回動軸41を中心として、全体が水平となる閉鎖位置と、閉鎖位置から所定角度だけ上方に回動した開放位置(図23)との間で回動する。
画像読取ユニット40が閉鎖位置にあるときに、画像読取ユニット支持部44の固定支持部材46と挿入支持部材48とがほぼ重なり合った状態(すなわち、挿入支持部材48が固定支持部材46から殆ど突出していない状態)にある。付勢部材49は、最も圧縮された状態にある。
このとき、固定支持部材46のシャフト支持部80とリンクレバー73の第1シャフト77との係合により、リンクレバー73の第2シャフト78が、スライド部材69の長孔72の前端部74を操作部42側(前方)に押圧しており、スライド部材69は定位置で保持される。スライド部材69に設けられたラックギヤ68とピニオンギヤ67との噛み合い、および、ピニオンギヤ67とアイドルギヤ66と駆動ギヤ57とのそれぞれの噛み合いにより、画像読取ユニット40が閉鎖位置にあるときには各ギヤが回転を停止している。すなわち、操作部42を、その自重による第1回動軸55を中心とする時計回り方向のトルクに抗して保持している。
画像読取ユニット40を、ユニット回動軸41を中心として閉鎖位置から開方向に回動させると、画像読取ユニット40の回動に伴って固定支持部材46が支軸45を中心に回動し、また挿入支持部材48が支軸47を中心に回動し、挿入支持部材48の固定支持部材46からの突出量が増加する(重なり量が減少する)。また、付勢部材49の圧縮量が減少する。
図20に示すように、画像読取ユニット40の開方向からの回動角度が増加するにつれて、固定支持部材46のシャフト支持部80とリンクレバー73の第1シャフト77との係合により、リンクレバー73の第2シャフト78が長孔72に沿ってユニット回動軸41に向けて移動する。このとき、操作部42の自重によって第1回動軸55を中心とする時計回り方向のトルクが発生しているため、第2シャフト78の移動に伴って、第1回動軸55を中心に駆動ギヤ57が時計回りに回転し、アイドルギヤ66が反時計回りに回転し、ピニオンギヤ67が時計回りに回転する。
ピニオンギヤ67の時計回り方向の回転に伴い、ラックギヤ68が設けられたスライド部材69がユニット回動軸41に向かう方向(すなわち後方)に移動し、スライド部材69の前端部74と第2シャフト78とが当接した状態が保持される。これにより、操作部支持部52の回動は、画像読取ユニット40の回動角度によって規制される。すなわち、操作部42は、画像読取ユニット40の回動角度に応じた角度で保持される。以上の動作を、動作1と称する。
画像読取ユニット40をさらに開方向に回動させると、図20を参照して説明した動作(動作1)が進行する。すなわち、リンクレバー73の第2シャフト78が長孔72に沿ってユニット回動軸41に向けて移動し、操作部42の自重によるトルクによって駆動ギヤ57、アイドルギヤ66およびピニオンギヤ67がそれぞれ回転し、スライド部材69がユニット回動軸41に向かう方向に移動し、スライド部材69の前端部74と第2シャフト78とが当接した状態が保持される。
さらに、画像読取ユニット40が図21に示す回動位置に達すると、操作部支持部52の第1当接部62がカバー部材63の前端部に当接することで(図15)、操作部支持部52の回転が規制される。すなわち、画像読取ユニット40に対する操作部42の回動位置は、図21に示す回動位置で停止する。
画像読取ユニット40をさらに開方向に回動させると、画像読取ユニット40に対する操作部42の回動位置を一定に保ったまま画像読取ユニット40が回動する。また、リンクレバー73の移動に伴って第2シャフト78が長孔72に沿ってユニット回動軸41に向けて移動し、図22に示すように、長孔72の後端部75に当接する。
画像読取ユニット40をさらに開方向に回動させると、リンクレバー73の移動に伴って第2シャフト78が長孔72の後端部75を押圧し、スライド部材69をユニット回動軸41に向けて移動させる。スライド部材69がユニット回動軸41に向かって移動すると、スライド部材69に設けられたラックギヤ68も同様に移動する。これに伴い、ラックギヤ68と噛み合うピニオンギヤ67が時計回りに回転し、アイドルギヤ66が反時計回りに回転し、駆動ギヤ57が時計回りに回転する。
ここで、駆動ギヤ57とトルクリミッタ56(図12)の第1伝達部58と第1回動軸55とはピン60によって互いに固定されているため、駆動ギヤ57の回転と共に第1伝達部58および第1回動軸55が回転する。しかしながら、トルクリミッタ56の第2伝達部59と操作部支持部52の溝部61とが嵌合しており、操作部支持部52の第1当接部62がカバー部材63の前端面(図15)に当接して操作部支持部52の回転を規制している。そのため、トルクリミッタ56にかかるトルクが所定の値を超え、第1伝達部58と第2伝達部59との間の動力の伝達を遮断して空転する。そのため、画像読取ユニット40に対する操作部42の回動位置は変化しない。
画像読取ユニット40をさらに開方向に回動すると、図23に示すように、リンクレバー73の移動に伴って第2シャフト78がユニット回動軸41に向かって移動し、ベース板70のスライド溝71のユニット回動軸41側の端部(後端部)に当接する。これにより、画像読取ユニット40の開方向への回転は規制され、画像読取ユニット40は図23に示す位置(開放位置)で回動を停止する。
画像読取ユニット40が開放位置にあるときには、挿入支持部材48の内側に設けられた付勢部材49(図9)は最も圧縮量が少ない状態にあるが、操作者が画像読取ユニット40から手を放しても画像読取ユニット40が下方に回動しないだけの付勢力を発生して、画像読取ユニット40を支えている。
そのため、画像読取ユニット40を開放位置まで回動させた状態で、例えば画像形成装置1のトップカバー43(図2)を開放して、画像形成装置1の内部の交換部品(消耗品)を交換し、あるいは紙詰まりを起こした媒体を除去することができる。
操作部42は、画像読取ユニット40が閉鎖位置にあるときの回動位置(図19)に対して、第1回動軸55を中心として時計回り方向に回動しており、図23に示すように操作部42の表面が画像形成装置1のほぼ正面(−X側)を向いている。そのため、画像形成装置1のほぼ正面にいる操作者にとって、操作部42の表示部42b(図2)の視認性が良く、また、入力部42c(図2)における各種設定を容易に行うことができる。
これにより、操作者は、操作部42の表示部42bを見ながら、交換部品の交換または媒体の除去等の作業を行うことができる。例えば、操作部42の表示部42bにメンテナンス時のガイダンス等を表示することができ、操作者によるセルフメンテナンスを簡単にし、且つ確実性を向上することができる。
また、操作部42は、操作部支持部52に対して第2回動軸50を中心として回動可能であるため、操作者の所望する回動位置で操作部42を保持することができる。例えば、操作者は、図24に示す回動位置から図25に示す回動位置まで、操作部42を手で回動させることができる。そのため、操作部42の表面の向きを操作者にとって見やすい向きに調整することができ、視認性がさらに向上する。
次に、画像読取ユニット40を開放位置から閉鎖位置まで回動させる動作について説明する。画像読取ユニット40を開放位置(図23)から閉方向に回動させると、画像読取ユニット40の回動に伴って固定支持部材46が支軸45を中心に回動し、挿入支持部材48が支軸47を中心に回動し、挿入支持部材48が固定支持部材46の内側に侵入する。すなわち、固定支持部材46と挿入支持部材48との重なり量が増加し、付勢部材49の圧縮量は増加する。
固定支持部材46のシャフト支持部80とリンクレバー73の第1シャフト77との係合のため、図26に示すようにリンクレバー73が移動し、リンクレバー73の第2シャフト78が、スライド部材69の長孔72に沿ってユニット回動軸41から離れる方向(操作部42に向かう方向)に移動する。このとき、操作部42の自重によって第1回動軸55を中心とする時計回り方向のトルクが発生し、また、操作部支持部52の第1当接部62がカバー部材63の前端面(図15)に当接して操作部支持部52の時計回り方向の回転が規制されているため、第2シャフト78が移動しても、操作部42および操作部支持部52は回転しない。
その結果、リンクレバー73の第2シャフト78が長孔72に沿って操作部42に向かう方向に移動し、第2シャフト78がスライド部材69の長孔72の前端部74に当接するまで画像読取ユニット40は回動する。ここまでの動作を、動作2と称する。
画像読取ユニット40をさらに閉方向に回動させると、操作部42の自重による第1回動軸55を中心とする時計回り方向のトルクに抗して、第2シャフト78がスライド部材69を操作部42に向かう方向に移動させる。これにより、スライド部材69に設けられたラックギヤ68が操作部42に向かう方向に移動し、ピニオンギヤ67が反時計回りに回転し、アイドルギヤ66が時計回りに回転し、駆動ギヤ57が反時計回りに回転する。
その結果、図27に示すように、駆動ギヤ57と共に操作部支持部52が反時計回りに回転し、操作部42も操作部支持部52と共に回転する。その後、操作部支持部52の第2当接部64が、カバー部材63のストッパ部65(図16)に当接することで操作部支持部52の回転が規制される。すなわち、画像読取ユニット40に対する操作部42の回動位置が規制される。このときの操作部42は、表面がほぼ水平面となっている。
画像読取ユニット40をさらに閉方向に回動させると、リンクレバー73の移動に伴って、第2シャフト78がスライド部材69の長孔72の前端部74を押圧し、スライド部材69を操作部42に向かう方向に移動させる。
スライド部材69が操作部42に向かう方向に移動することで、スライド部材69に設けられたラックギヤ68も移動し、ラックギヤ68の移動に伴ってピニオンギヤ67が反時計回りに回転し、アイドルギヤ66が時計回りに回転し、駆動ギヤ57が反時計回りに回転する。
上記の通り、駆動ギヤ57とトルクリミッタ56(図12)の第1伝達部58と第1回動軸55とはピン60によって互いに固定されているため、駆動ギヤ57の回転と共に第1伝達部58および第1回動軸55が回転する。しかしながら、トルクリミッタ56の第2伝達部59と操作部支持部52の溝部61とが嵌合しており、操作部支持部52の第1当接部62がカバー部材63のストッパ部65(図16)に当接して操作部支持部52の回転を規制している。そのため、トルクリミッタ56にかかるトルクが所定の値を超え、第1伝達部58と第2伝達部59との間の動力の伝達を遮断して空転する。そのため、画像読取ユニット40に対する操作部42の回動位置は変化しない。
画像読取ユニット40をさらに閉方向に回動すると、図19に示すように、リンクレバー73の移動に伴って第2シャフト78が操作部42に向かって移動し、ベース板70のスライド溝71の前端部に当接する。これにより、画像読取ユニット40は図19に示す閉鎖状態で回動を停止する。
このとき、操作部42の回動位置は、画像読取ユニット40を開閉する前の回動位置に戻っている。ここでは、操作部42の表面はほぼ水平面でやや前方側(−X方向側)が下方に傾斜している。そのため、操作部42を正面から見下ろす操作者にとって、操作部42の表示部42bの視認性が良く、入力部42cにおける各種設定等を容易に行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態では、画像読取ユニット40の回動に伴って操作部42が回動するため、操作部42の良好な視認性を保ち、操作部42における各種設定も容易に行うことができる。
また、画像読取ユニット40を開放した状態で画像形成装置1の内部の交換部品を交換し、あるいは画像形成装置1の内部から紙詰まりを起こした媒体を除去する場合に、操作部42を見ながら作業することができる。そのため、画像形成装置1の状態を操作部42に表示して、操作者に各種作業内容の実施を促すガイダンスを表示することで、操作者によるセルフメンテナンスを簡単にし、且つ確実性を向上することができる。
また、本実施の形態では、画像読取ユニット40の回動に伴って第1回動軸55を中心として回動する操作部支持部52に対し、操作部42がさらに第2回動軸50を中心として回動可能であるため、操作者が見やすい角度に操作部42の向きを調整することができる。
また、本実施の形態では、画像読取ユニット40の回動に応じて、操作部支持部52に第1回動軸55を中心とするトルクを伝達するトルク伝達部(トルクリミッタ56、駆動ギヤ57、アイドルギヤ66、ピニオンギヤ67、ラックギヤ68およびスライド部材69)を設けたため、画像読取ユニット40の回動と操作部支持部52の回動(すなわち操作部42の回動)とを連動させる構成を実現することができる。
また、トルクリミッタ56により所定のトルク以上のトルクを遮断するようにしたため、通常使用範囲内のトルクでは、画像読取ユニット40に対する操作部支持部52の回動角度を一定に保った状態で、画像読取ユニット40を回動させることができる。また、操作者が必要以上の力で操作部42を回転させた場合には、トルクリミッタ56に所定のトルク以上の力が作用して空転するため、ギヤ列の歯飛び等の故障を防止することができる。
なお、ここでは、操作部42が、回動ユニットとしての画像読取ユニット40の回動と連動して回動する構成について説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、回動ユニットをトップカバーとし、操作部42がトップカバーの回動と連動して回動する構成が可能である。
また、操作部42が表示部42bおよび入力部42cを有するものと説明したが、表示部42bおよび入力部42cの少なくとも一方を有していればよい。
また、第1回動軸55および第2回動軸50は、図10,11に示したシャフト状の部材に限らず、操作部支持部52および操作部42の回動中心を規定できるものであればよい。
また、画像読取ユニット40が上方に回動する構成について説明したが、画像読取ユニット40は例えば横方向に回動するものであってもよい。
また、本実施の形態では、4色の画像形成ユニットを備えた画像形成装置について説明したが、本発明はそのような画像形成装置に限定されるものではなく、例えば、ブラック色等の単色の画像形成装置であってもよい。また、上記の実施の形態では、露光ユニットにLEDヘッドを用いる画像形成装置について説明したが、本発明はそのような画像形成装置に限定されるものではなく、例えば、小型のレーザとポリゴンミラーとを備えたレーザ露光ユニットを用いても良い。
また、本実施の形態では、直接転写方式の画像形成装置について説明したが、中間転写体(例えば中間転写ベルト)を用いた中間転写方式の画像形成装置であってもよい。また、上記の実施の形態では、画像読取ユニットを備えたプリンタについて説明したが、他の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ等であってもよい。