JP2018136257A - 光学スケールユニット、光学スケールユニットの製造方法、エンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンター - Google Patents
光学スケールユニット、光学スケールユニットの製造方法、エンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンター Download PDFInfo
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Abstract
【課題】低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニットおよびその製造方法を提供する、また、この光学スケールユニットを備えるエンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンターを提供する。【解決手段】設置面110を有する支持部112と、設置面110に沿って配置され、中央部に孔121または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスク12と、ディスク12よりも線膨張係数の大きい材料で構成され、設置面110から突出して孔121または凹部内に配置されている凸部114と、ディスク12を設置面110に接着している接着剤13と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、光学スケールユニット、光学スケールユニットの製造方法、エンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンターに関する。
エンコーダーの一種として光学式のロータリーエンコーダーが一般に知られている(例えば特許文献1参照)。ロータリーエンコーダーは、例えば、回動可能な関節部を有するロボットアームを備えるロボットに用いられ、関節部の回転角度、回転位置、回転数、回転速度等の回動状態を検出する。
例えば、特許文献1に記載の回転角検出装置は、回転軸に支持され、表面に回転位置検出用パターンが形成された円盤形状のエンコーダースケールと、このエンコーダースケールのパターンを挟んで、上下に対をなす発光素子と受光素子を有する検出ヘッド部と、を有する。ここで、回転軸およびエンコーダースケールには、互いを組み合わせるために軸合わせ用のマークが設けられている。これら軸合わせ用のマークを調節することで、回転軸とエンコーダースケールとの芯出しを行うことができる。
しかし、特許文献1に記載の回転角検出装置では、人間が軸合わせ用のマークを視認しながら、エンコーダースケールと回転軸との位置合わせ作業を行う必要があり、当該作業が非効率であるがゆえに、生産性を高めることが難しく、その結果、低コスト化を図ることが難しいという問題がある。
本発明の目的は、低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニットおよびその製造方法を提供すること、また、この光学スケールユニットを備えるエンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンターを提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光学スケールユニットは、設置面を有する支持部と、
前記設置面に沿って配置され、中央部に孔または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスクと、
前記ディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成され、前記設置面から突出して前記孔または前記凹部内に配置されている凸部と、
前記ディスクと前記設置面とを接着している接着剤と、を備えることを特徴とする。
前記設置面に沿って配置され、中央部に孔または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスクと、
前記ディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成され、前記設置面から突出して前記孔または前記凹部内に配置されている凸部と、
前記ディスクと前記設置面とを接着している接着剤と、を備えることを特徴とする。
このような光学スケールユニットによれば、支持部の設置面から突出している凸部がディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成されているため、ディスクと支持部の設置面とを接着剤により接着して固定する前に、当該凸部をディスクの孔または凹部内に配置した状態で加熱することで、これらの熱膨張差により、これらを内外で接触させて位置合わせ(センタリング)を行うことができる。そのため、人間の目視により位置合わせを行う従来に比べて、位置合わせを効率的に行うことができ、光学スケールユニットの生産性を高めることができる。したがって、低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニットを提供することができる。
本発明の光学スケールユニットでは、前記凸部は、前記支持部と一体で構成されていることが好ましい。
これにより、部品点数を少なくすることができる。また、高い寸法精度の支持部および凸部を切削等により一括して容易に形成することができる。そのため、高精度な検出が可能な光学スケールユニットをより安価に製造することができる。
本発明の光学スケールユニットでは、前記接着剤は、硬化性接着剤であることが好ましい。
これにより、ディスクと支持部との間に硬化前の接着剤を介在させた状態で、凸部を加熱してディスクの位置合わせを行うことができる。そして、その位置合わせ後の所望時に接着剤を硬化させ、その位置合わせ状態を保ったままディスクと支持部の設置面とを接着剤により固定することができる。
本発明の光学スケールユニットでは、前記硬化性接着剤は、熱硬化性接着剤であることが好ましい。
これにより、凸部を加熱してディスクの位置合わせを行う際に、その加熱による熱を利用して接着剤を硬化させることができる。
本発明の光学スケールユニットでは、前記ディスクは、銅を含んで構成され、
前記凸部は、アルミニウムとステンレス鋼との少なくとも一方を含んで構成されていることが好ましい。
前記凸部は、アルミニウムとステンレス鋼との少なくとも一方を含んで構成されていることが好ましい。
銅は、フォトリソグラフィ法を利用したエッチングにより高精度な加工を行うことができる。そのため、ディスクが銅を用いて構成されていると、高い寸法精度を有するディスクを比較的容易に実現することができる。また、アルミニウムおよびステンレス鋼は、線膨張係数が比較的大きく、かつ、切削等の機械加工により高精度な加工を行うことができる。そのため、凸部がアルミニウムまたはステンレス鋼を用いて構成されていると、高い寸法精度を有する凸部を比較的容易に実現することができる。また、常温でのディスクの凹部または孔の幅(直径)と凸部の幅(直径)との差を比較的大きくすることができる。そのため、凸部をディスクの凹部または孔内に配置することが容易となる。
本発明の光学スケールユニットの製造方法は、中央部に孔または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスクと、設置面を有する支持部と、前記ディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成され、前記設置面から突出している凸部と、接着剤と、を準備する準備工程と、
前記凸部を前記孔または前記凹部内に配置し、かつ、前記ディスクと前記設置面との間に前記接着剤を配置する配置工程と、
前記凸部を加熱し、前記接着剤を硬化または固化させる加熱工程と、
前記凸部を常温以下まで冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
前記凸部を前記孔または前記凹部内に配置し、かつ、前記ディスクと前記設置面との間に前記接着剤を配置する配置工程と、
前記凸部を加熱し、前記接着剤を硬化または固化させる加熱工程と、
前記凸部を常温以下まで冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする。
このような光学スケールユニットの製造方法によれば、支持部の設置面から突出している凸部がディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成されているため、加熱工程において、ディスクと支持部の設置面とを接着剤により接着して固定する前に、当該凸部をディスクの孔または凹部内に配置した状態で加熱することで、これらの熱膨張差により、これらを内外で接触させて位置合わせ(センタリング)を行うことができる。そのため、人間の目視により位置合わせを行う従来に比べて、位置合わせを効率的に行うことができ、光学スケールユニットの生産性を高めることができる。したがって、低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニットの製造方法を提供することができる。
本発明の光学スケールユニットの製造方法では、前記接着剤は、熱硬化性接着剤であり、
前記加熱工程の加熱温度は、前記接着剤の硬化温度以上であることが好ましい。
これにより、加熱工程での加熱による熱を利用して接着剤を硬化させることができる。
前記加熱工程の加熱温度は、前記接着剤の硬化温度以上であることが好ましい。
これにより、加熱工程での加熱による熱を利用して接着剤を硬化させることができる。
本発明のエンコーダーは、本発明の光学スケールユニットを備えることを特徴とする。
このようなエンコーダーによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、エンコーダーの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能である。
このようなエンコーダーによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、エンコーダーの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能である。
本発明の駆動装置は、本発明の光学スケールユニットを備えることを特徴とする。
このような駆動装置によれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、駆動装置の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
このような駆動装置によれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、駆動装置の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
本発明のロボットは、本発明の光学スケールユニットを備えることを特徴とする。
このようなロボットによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、ロボットの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
このようなロボットによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、ロボットの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
本発明のプリンターは、本発明の光学スケールユニットを備えることを特徴とする。
このようなプリンターによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、プリンターの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
このようなプリンターによれば、光学スケールユニットの低コスト化を図ることで、プリンターの低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニットを用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
以下、本発明の光学スケールユニット、光学スケールユニットの製造方法、エンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンターを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
(駆動装置)
図1は、本発明の実施形態に係る駆動装置を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明を行う。ここで、各図においてX軸、Y軸およびZ軸を示す各矢印の先端側を「+」、基端側を「−」とする。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、+Z軸方向側を「上」、−Z軸方向側を「下」ともいう。
図1は、本発明の実施形態に係る駆動装置を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明を行う。ここで、各図においてX軸、Y軸およびZ軸を示す各矢印の先端側を「+」、基端側を「−」とする。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。また、+Z軸方向側を「上」、−Z軸方向側を「下」ともいう。
図1に示す駆動装置10は、モーター20と、モーター20の回転状態を検出するエンコーダー30と、を有する。ここで、エンコーダー30は、光学スケールユニット1を備える。まず、光学スケールユニット1の説明に先立ち、以下、駆動装置10の各部の構成を簡単に説明する。
モーター20は、例えば、2相ACブラシレスモーター、3相ACブラシレスモーター、3相同期モーター等の各種モーターである。このモーター20は、Z軸に平行な軸線aZに沿って配置されている回転軸201と、回転軸201に固定されているローター202と、ローター202の周囲に配置されているステーター203と、これらを収納しているとともにステーター203を支持している筒状のハウジング204と、回転軸201をハウジング204に対して軸線aZまわりに回転可能に支持している軸受205、206と、を有する。なお、モーター20の各部は、公知のモーターと同様に構成することができる。
このようなモーター20は、ハウジング204が例えばボルト等を用いて第1部材(図示せず)に固定されることで、当該第1部材に取り付られる。また、回転軸201のエンコーダー30とは反対側の端部には、第1部材とは異なる第2部材(図示せず)が接続される。これにより、モーター20の駆動力(回転力)を第1部材から第2部材に伝達することができる。なお、回転軸201は、必要に応じて、減速機等の歯車装置を介して、第2部材に接続されていてもよい。
エンコーダー30は、回転角度検出型の光学式エンコーダー31と、多回転検出型の磁気式エンコーダー32と、を有し、これらは、前述したモーター20のハウジング204に対して固定されているハウジング310内に収納されている。
光学式エンコーダー31は、モーター20の回転軸201の先端部に固定されている光学スケールユニット1と、光学スケールユニット1の回転状態を検出する光学センサー307と、を有する。ここで、光学センサー307は、基板308に実装(搭載)されている。この基板308は、配線基板であり、ハウジング310に対して固定的に設置され、ハウジング310の外部からの電気的な接続が可能となっている。
光学スケールユニット1は、回転軸201に固定されているハブ11と、ハブ11の支持部112に接着剤13により接着されているディスク12と、を有する。ここで、ハブ11は、回転軸201に対して圧入またはネジ止め等により固定されている。また、図1では図示しないが、ディスク12の上面には、ディスク12の回転量(角度)、回転速度等を検出し得る検出用パターン122として、軸線aZを中心とする周方向に沿って光の反射率の異なる2つの領域(反射部、非反射部)を交互に並べたパターンが形成されている(後述する図3参照)。なお、光学スケールユニット1については、後に詳述する。
光学センサー307は、図示しないが、光学スケールユニット1のディスク12に向けて光を出射するレーザダイオード、発光ダイオード等の発光素子と、ディスク12からの光(反射光)を受光するフォトダイオード等の受光素子と、を有する。このような光学センサー307は、ディスク12の上面(照射面)に前述した検出用パターン122が形成されているため、受光素子からの出力信号(電流値)の波形がディスク12の軸線aZまわりの回転に伴って変化する。このように、光学センサー307は、ディスク12の軸線aZまわりの回転の変化に伴って波形の変化する信号を出力する機能を有する。この信号に基づいて、ディスク12の回転状態(回転角度や回転速度等)を検出することができる。
磁気式エンコーダー32は、回転軸201の途中(前述した光学スケールユニット1とモーター20の軸受206との間)に固定されている主歯車301と、主歯車301に噛合している2つの副歯車302a、302bと、副歯車302a、302bに固定されている磁石303a、303bと、磁石303a、303bの回転状態を検出する磁気センサー304a、304bと、光学スケールユニット1に固定されている磁石309と、磁石309の回転状態を検出する磁気センサー306と、を有する。ここで、磁気センサー306は、前述した光学センサー307とともに基板308に実装(搭載)されている。磁気センサー304a、304bは、基板305に実装(搭載)されている。この基板305は、配線基板であり、ハウジング310に対して固定的に設置されている。また、基板305は、図示しない配線(例えばフレキシブル配線基板)を介して、基板308に電気的に接続されている。
主歯車301は、回転軸201と同軸的に設けられ、回転軸201と一括して軸線aZまわりに回転する。また、副歯車302aは、軸線aZに平行な軸線a11まわりに回転可能に設けられ、主歯車301の回転に伴って(主歯車301に従動して)、主歯車301との歯車比に応じた回転量で回転する。同様に、副歯車302bは、軸線aZに平行な軸線a12まわりに回転可能に設けられ、主歯車301の回転に伴って(主歯車301に従動して)、主歯車301との歯車比に応じた回転量で回転する。ここで、主歯車301、副歯車302aおよび副歯車302bの歯数は、互いに異なっている(例えば、互いに素の関係となっている)。
磁石309は、主歯車301と一括して(すなわち、回転軸201とともに)、軸線aZまわりに回転する。また、磁石303aは、副歯車302aと一括して、軸線a11まわりに回転する。同様に、磁石303bは、副歯車302bと一括して、軸線a12まわりに回転する。ここで、磁石309、303a、303bは、それぞれ、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石、ボンド磁石等の永久磁石であり、回転に伴って磁界の方向が変化するように構成(配置)されている。
磁気センサー306は、磁石309に対向して配置され、磁石309からの磁界の方向(すなわち主歯車301および磁石309の360°範囲内での回転角度)に応じた信号を出力する。磁気センサー304aは、磁石303aに対向して配置され、磁石303aからの磁界の方向(すなわち副歯車302aおよび磁石303aの360°範囲内での回転角度)に応じた信号を出力する。同様に、磁気センサー304bは、磁石303bに対向して配置され、磁石303bからの磁界の方向(すなわち副歯車302bおよび磁石303bの360°範囲内での回転角度)に応じた信号を出力する。このような磁気センサー306、304a、304bからの信号の値の組み合わせは、回転軸201の回転量(回転数および基準状態からの回転角度)に対応している。したがって、磁気センサー306、304a、304bからの信号に基づいて、回転軸201の回転量を検出することができる。
以上のようなエンコーダー30では、磁気式エンコーダー32の出力に基づいて、モーター20の回転軸201の基準状態からの回転量(回転数および基準状態からの大まかな回転角度)を検出することができる。また、光学式エンコーダー31の出力に基づいて、回転軸201の基準状態からの回転角度をより高精度に検出することができる。なお、エンコーダー20の構成、機能、検出項目、検出原理は、特に限定されず、例えば、磁気式エンコーダー32が省略され、光学式エンコーダー31のみで構成されていてもよい。
ここで、光学式エンコーダー31では、ディスク12が回転軸201に対して所望の位置からずれて(偏心して)固定されていると、検出精度の低下を招いてしまう。そこで、このような検出精度の低下を低減するべく、光学スケールユニット1では、そのようなディスク12の偏心が生じないように、ハブ11を介して回転軸201に固定されている。以下、この点について詳述する。
(光学スケールユニット)
図2は、図1に示す駆動装置が備えるエンコーダーの光学スケールユニットの縦断面図である。図3は、図2に示す光学スケールユニットの平面図である。
図2は、図1に示す駆動装置が備えるエンコーダーの光学スケールユニットの縦断面図である。図3は、図2に示す光学スケールユニットの平面図である。
図2に示す光学スケールユニット1は、前述したように、回転軸201に固定されているハブ11と、ハブ11に接着剤13により接着されているディスク12と、を有する。
ハブ11は、円板状をなしている支持部112と、支持部112の一方(図2中下側)の面(下面)から突出している突出部111と、支持部112の他方(図2中上側)の面(上面)から突出している凸部114と、突出部111の先端面(図2中下側の面)に開口している凹部113と、を有し、これらが軸線aZを中心として同軸的に設けられている。ここで、凹部113には、回転軸201の先端部が挿入(例えば圧入)された状態で固定される。なお、凹部113に代えて、回転軸201が挿入される貫通孔をハブ11に設けてもよい。また、ハブ11は、回転軸201と一体で構成されていてもよい。
支持部112の上面は、ディスク12が設置される設置面110である。このような支持部112の上面(設置面110)には、ディスク12の面内方向での位置決めを行うための位置決め部として機能する凸部114が設けられている。本実施形態では、凸部114の外形は、図3に示すように、軸線aZに沿った方向から見たとき(以下、「平面視」ともいう)、円形をなしている。この凸部114は、その中心軸が回転軸201の中心軸(軸線aZ)に一致するように形成されている。なお、凸部114の平面視での外形は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形でもよい。
ディスク12の中央部には、厚さ方向(図2中上下方向)に貫通している孔121が形成されている。この孔121には、前述した中心軸a2を中心とする凸部114が挿通されている。本実施形態では、孔121は、図3に示すように、平面視で円形をなしている。ここで、凸部114の直径(常温)は、孔121の直径(常温)より小さく設定されている。なお、孔121の平面視での外形は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形でもよく、また、前述した凸部114の平面視の外形と異なっていてもよい。また、凸部114および孔121の平面視での外形をともに多角形とすることで、後述するようなセンタリングだけでなく、周方向での位置合わせを行うことも可能である。
また、光学スケールユニット1の使用温度範囲内の温度(例えば常温)下において、孔121の平面視での幅(直径)は、前述した凸部114の幅(直径)よりも若干大きくなっている。したがって、凸部114の外周面と孔121の内周面との間には、隙間gが形成されている。
ここで、ハブ11の構成材料(すなわち凸部114の構成材料)の線膨張係数は、ディスク12の構成材料の線膨張係数よりも大きい。したがって、ハブ11およびディスク12を同じ温度で加熱したとき、ハブ11の方がディスク12よりも大きい割合で熱膨張することとなる。光学スケールユニット1では、後に詳述するように、ハブ11上にディスク12を設置した状態で、接着剤13による固定が完了する前に、ハブ11およびディスク12を光学スケールユニット1の使用温度範囲よりも高い所定温度以上に加熱することで、ハブ11の凸部114の外周面とディスク12の孔121の内周面とを接触(または接近)させ、これらの位置決め(センタリング)を行う。これにより、隙間gが周方向で一定となるように、すなわち、ディスク12の中心軸a2が凸部114の中心軸(軸線aZ)に一致するように、ディスク12がハブ11に対して接着剤13を介して固定されている。なお、隙間gは、孔121の半径と凸部114の半径との差であり、その値は、特に限定されないが、凸部114の半径の0.00005倍以上0.005倍以下であることが好ましい。
ハブ11の構成材料としては、ディスク12の構成材料よりも線膨張係数の大きい材料であれば、特に限定されないが、加工性、機械的特性等の観点から、例えば、各種樹脂材料(線膨張係数30×10−6〜200×10−6/K程度)、各種金属材料(線膨張係数10×10−6〜30×10−6/K程度)等を用いることができ、中でも、アルミニウム(線膨張係数23×10−6)、黄銅(線膨張係数19×10−6)、ステンレス鋼(SUS303の場合、線膨張係数17.3×10−6)、鉄(線膨張係数12.1×10−6)、銅(線膨張係数16.8×10−6)等の金属材料を用いることが好ましい。
一方、ディスク12の構成材料としては、ハブ11の構成材料よりも線膨張係数の小さい材料であれば、特に限定されないが、加工性、機械的特性等の観点から、例えば、各種ガラス材料(線膨張係数0.5×10−6〜8.5×10−6/K程度)、鉄(線膨張係数12.1×10−6)、銅(線膨張係数16.8×10−6)等の比較的線膨張係数の小さい各種金属材料(線膨張係数10×10−6〜30×10−6/K程度)等を用いることができる。例えば、ディスク12の構成材料としては、ハブ11の構成材料がアルミニウム、黄銅、ステンレス鋼または樹脂材料のいずれかである場合、銅またはガラス材料を用いることができ、ハブ11の構成材料が鉄である場合、ガラス材料を用いることができ、ハブ11の構成材料が銅である場合、鉄、ガラス材料を用いることができる。
また、接着剤13は、ディスク12を支持部112の上面(設置面)に対して接着、固定することができればよく、特に限定されないが、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等の硬化性(熱硬化性、光硬化性、嫌気硬化性等)接着剤を用いることが好ましく、特に、熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。これにより、後述するように、ハブ11およびディスク12の位置決めと同一工程で接着剤13を硬化させ、その位置決め状態をその後も維持することができ、光学スケールユニット1の製造が簡単となる。なお、図示では、接着剤13が設置面110の全域にわたって設けられているが、接着剤13の形成範囲は、設置面110の一部であってもよい。
以上のように、光学スケールユニット1は、設置面110を有する支持部112と、設置面110に沿って配置され、中央部に孔121(または有底の凹部でもよい)を有し、検出用パターン122が設けられているディスク12と、ディスク12よりも線膨張係数の大きい材料で構成され、設置面110から突出して孔121(または有底の凹部でもよい)内に配置されている凸部114と、ディスク12と設置面110とを接着している接着剤13と、を備える。
このような光学スケールユニット1によれば、支持部112の設置面110から突出している凸部114がディスク12よりも線膨張係数の大きい材料で構成されているため、ディスク12と支持部112の設置面110とを接着剤13により接着して固定する前に、当該凸部114をディスク12の孔121(または凹部)内に配置した状態で加熱することで、これらの熱膨張差により、これらを内外で接触させて位置合わせ(センタリング)を行うことができる。このように、少なくとも凸部114を加熱するという比較的簡単な操作で、凸部114の中心軸とディスク12の中心軸との位置合わせ(調心)を自動的に行うことができる。そのため、人間の目視により位置合わせを行う従来に比べて、位置合わせを効率的に行うことができ、光学スケールユニット1の生産性を高めることができる。したがって、低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニット1を提供することができる。
また、光学スケールユニット1の使用温度範囲内の温度下では、凸部114とディスク12との間に隙間gが形成されており、環境温度が変化しても、凸部114とディスク12とが接触せず、凸部114の熱膨張によりディスク12が変形することを防止することができる。また、光学スケールユニット1の使用環境において、支持部112とディスク12との熱膨張差が生じても、支持部112の熱膨張の影響がディスク12に伝わるのを接着剤13で緩和することができる。このように、環境温度が変化しても、ディスク12の変形を低減することができるため、高精度な検出を行うことができる。
また、エンコーダー30(または光学式エンコーダー31)は、光学スケールユニット1を備える。このようなエンコーダー30(または光学式エンコーダー31)によれば、光学スケールユニット1の低コスト化を図ることで、エンコーダー30(または光学式エンコーダー31)の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニット1を用いた高精度な検出が可能である。
また、駆動装置10は、光学スケールユニット1(エンコーダー30または光学式エンコーダー31)を備える。このような駆動装置10によれば、光学スケールユニット1の低コスト化を図ることで、駆動装置10の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニット1を用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
ここで、凸部114は、支持部112と一体で構成されている。これにより、部品点数を少なくすることができる。また、高い寸法精度の支持部112および凸部114を切削等により一括して容易に形成することができる。そのため、高精度な検出が可能な光学スケールユニット1をより安価に製造することができる。なお、凸部114は、支持部112と別体で構成されていてもよく、この場合、例えば、凸部114を含む部材と、支持部112を含む部材とを公知の接合法(例えば、圧入、ネジ止め等)により接合すればよい。また、凸部114は、回転軸201の一部(先端部)で構成することも可能である。この場合でも、軸線aZを中心軸とする凸部114を容易に形成することが可能である。
また、接着剤13は、光硬化(例えばUV硬化)性接着剤、熱硬化性接着剤、嫌気硬化性接着剤等の硬化性接着剤であることが好ましい。これにより、ディスク12と支持部112との間に硬化前の接着剤13を介在させた状態で、凸部114を加熱してディスク12の位置合わせを行うことができる。そして、その位置合わせ後の所望時に接着剤13を加熱や光照射等により硬化させ、その位置合わせ状態を保ったままディスク12と支持部112の設置面110とを接着剤13により固定することができる。
特に、接着剤13として用いる硬化性接着剤は、熱硬化性接着剤であることが好ましい。これにより、凸部114を加熱してディスク12の位置合わせを行う際に、その加熱による熱を利用して接着剤13を硬化させることができる。そのため、製造工程数を少なくすることができる。
また、ディスク12は、銅を含んで構成され、凸部114は、アルミニウムとステンレス鋼との少なくとも一方を含んで構成されていることが好ましい。銅は、フォトリソグラフィ法を利用したエッチングにより高精度な加工を行うことができる。そのため、ディスク12が銅を用いて構成されていると、高い寸法精度を有するディスク12を比較的容易に実現することができる。例えば、銅を用いて構成されたディスク12は、表面に銅の酸化膜を形成し、その酸化膜をエッチングすることで、高精度な検出用パターン122を形成することができる。また、アルミニウムおよびステンレス鋼は、線膨張係数が比較的大きく、かつ、切削等の機械加工により高精度な加工を行うことができる。そのため、凸部114がアルミニウムまたはステンレス鋼を用いて構成されていると、高い寸法精度を有する凸部114を比較的容易に実現することができる。また、常温でのディスク12の孔121(または凹部)の幅(直径)と凸部114の幅(直径)との差を比較的大きくすることができる。そのため、凸部114をディスク12の孔121(または凹部)内に配置することが容易となる。
(光学スケールユニットの製造方法)
図4は、図2に示す光学スケールユニットの製造方法を説明するためのフローチャートである。
図4は、図2に示す光学スケールユニットの製造方法を説明するためのフローチャートである。
光学スケールユニット1の製造方法は、図4に示すように、準備工程S10と、配置工程S20と、加熱工程S30と、冷却工程S40と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[準備工程S10]
まず、図示しないが、ハブ11、ディスク12および接着剤13を準備する。
まず、図示しないが、ハブ11、ディスク12および接着剤13を準備する。
ハブ11の製造方法としては、ハブ11の構成材料に応じて適宜選択され、特に限定されず、例えば、切削加工等を用いることができる。また、ディスク12の製造方法としては、ディスク12の構成材料、ディスク12に形成するスケールの種類等に応じて適宜選択され、特に限定されず、例えば、機械加工、エッチング等を用いることができる。得られたハブ11およびディスク12は、常温において、(孔121の直径)−(凸部114の直径)が、前述した隙間gの2倍に等しいものとする。
[配置工程S20]
図5は、図4に示す配置工程(塗布工程)を説明するための縦断面図である。図6は、図4に示す配置工程(載置工程)を説明するための縦断面図である。図7は、図4に示す配置工程を説明するための平面図である。
図5は、図4に示す配置工程(塗布工程)を説明するための縦断面図である。図6は、図4に示す配置工程(載置工程)を説明するための縦断面図である。図7は、図4に示す配置工程を説明するための平面図である。
図5に示すように、ハブ11の設置面110に硬化前の接着剤13Aを塗布する。なお、接着剤13Aの塗布は、ハブ11の設置面110に代えてまたは加えて、ディスク12の下面に行ってもよい。また、接着剤13Aの塗布は、ハブ11とディスク12との間の形状等によっては、ディスク12をハブ11の設置面110上に載置した後に毛細管現象等を利用してハブ11とディスク12との間に接着剤13Aを供給して行うことも可能である。
そして、図6に示すように、ハブ11の設置面110上に接着剤13Aを介してディスク12を載置する。このとき、ハブ11およびディスク12は、接着剤13Aが硬化または固化する温度よりも低い温度(例えば常温程度)の雰囲気下にある。そのため、ハブ11の凸部114の外周面とディスク12の孔121の内壁面との間には、隙間が形成されている。したがって、図6および図7に示すように、ハブ11の設置面上110にディスク12を載置したとき、通常、その隙間の大きさの範囲内で、ハブ11およびディスク12の位置関係がずれることとなる。図6および図7では、ディスク12の中心軸a2が凸部114の中心軸(軸線aZ)に対して偏心量dずれている。この偏心量dの最大値は、前述した隙間gに等しい。
[加熱工程S30]
図8は、図4に示す加熱工程を説明するための縦断面図である。図9は、図4に示す加熱工程を説明するための平面図である。
図8は、図4に示す加熱工程を説明するための縦断面図である。図9は、図4に示す加熱工程を説明するための平面図である。
図8に示すように、ハブ11およびディスク12を加熱する。このとき、ハブ11およびディスク12に熱Hが供給されることで、ハブ11およびディスク12のそれぞれが熱膨張する。ここで、前述したように、ハブ11の構成材料の線膨張係数がディスク12の構成材料の線膨張係数よりも大きいため、ハブ11およびディスク12を加熱したとき、図8および図9中αで示す方向に、ハブ11の方がディスク12よりも大きい割合で熱膨張し、ハブ11の凸部114の外周面とディスク12の孔121の内周面とが接触する。これにより、ディスク12の中心軸a2が凸部114の中心軸(軸線aZ)に一致するように、ハブ11およびディスク12の位置決め(センタリング)が行われる。また、本工程では、ハブ11およびディスク12とともに接着剤13Aが加熱される。これにより、接着剤13Aが硬化して接着剤13となり、ディスク12がハブ11に対し接着、固定される。
例えば、本工程では、ハブ11およびディスク12を接着剤13Aの硬化温度まで所定速度で昇温させていき、その後、その温度状態を接着剤13が所望の硬化状態となるまで所定時間保持する。ここで、ハブ11およびディスク12の昇温過程では、接着剤13は完全には硬化していないため、ハブ11およびディスク12は相対的に移動可能である。また、この昇温過程では、ハブ11の凸部114およびディスク12の孔121の互いの幅(直径)の差が温度上昇に伴って小さくなる。これに伴って、ハブ11およびディスク12は、互いの中心軸が一致するように相対的に移動する。そして、ハブ11およびディスク12のセンタリング完了後に接着剤13Aが硬化して接着剤13となる。
ここで、ハブ11およびディスク12を接着剤13Aの硬化温度まで昇温させていく間、凸部114の幅(直径)と孔121の幅(直径)とが等しくならなくても、偏心量dによっては、ハブ11およびディスク12のある程度の位置決めが可能である。ただし、位置合わせの製品ごとのバラつきを低減する等の観点から、この間に、凸部114の幅(直径)と孔121の幅(直径)とが等しくなることが好ましい。また、この間、凸部114の外周面と孔121の内周面とが全周にわたって接触していなくてもよいが、これらの位置合わせ(調心)が可能なように少なくとも3か所で接触していることが好ましい。
また、本工程の加熱温度は、凸部114および孔121の幅(直径)の差(2・g)、線膨張係数差等によって決められるものであり、接着剤13が接着力を発揮することができ、かつ、前述した位置合わせを行うことができる範囲であればよく、特に限定されないが、例えば、接着剤13Aとして熱硬化性接着剤を用いる場合、80℃以上300℃以下程度である。ここで、本工程の加熱温度が高すぎると、後述する冷却工程S40後にハブ11とディスク12との間に生じる残留応力が大きくなる。
[冷却工程S40]
図10は、図4に示す冷却工程を説明するための縦断面図である。図11は、加熱工程を行った場合(熱硬化)と行わない場合(常温硬化)の検出誤差を示すグラフである。
図10は、図4に示す冷却工程を説明するための縦断面図である。図11は、加熱工程を行った場合(熱硬化)と行わない場合(常温硬化)の検出誤差を示すグラフである。
前述した接着剤13の硬化後、図10に示すように、ハブ11、ディスク12および接着剤13の冷却を行う。この冷却の方法は、自然冷却(放冷)、強制冷却(空冷等)等のいずれの方法でもよく、冷却速度も特に限定されない。この冷却により、ハブ11およびディスク12のそれぞれが収縮する。
ここで、前述したように、ハブ11の構成材料の線膨張係数がディスク12の構成材料の線膨張係数よりも大きいため、ハブ11およびディスク12を冷却したとき、図10中βで示す方向(直径方向)に、ハブ11の方がディスク12よりも大きい割合で収縮し、ハブ11の凸部114の外周面とディスク12の孔121の内周面との間に隙間が形成される。このとき、ハブ11、ディスク12ともに冷却による直径方向の収縮率は、ハブ11およびディスク12の周方向に沿って等しいため、凸部114の外周面と孔121の内周面との間の隙間は、周方向に沿ってほぼ等しいもの、すなわち、周方向のいずれの箇所でも隙間gと同じ値に近いものとなる。これにより、前述の加熱によりなされたセンタリング(中心軸a2と軸線aZとの一致)は、冷却後も維持され、高精度な検出が可能な光学スケールユニット1が得られる。
以上のようにして、光学スケールユニット1を製造することができる。
以上のようにして、光学スケールユニット1を製造することができる。
以上のように、光学スケールユニット1の製造方法は、準備工程S10と、配置工程S20と、加熱工程S30と、冷却工程S40と、を含む。ここで、準備工程S10では、中央部に孔121(または凹部)を有し、検出用パターン122が設けられているディスク12と、設置面110を有する支持部112と、ディスク12よりも線膨張係数の大きい材料で構成され、設置面110から突出している凸部114と、接着剤13Aと、を準備する。配置工程S20では、凸部114を孔121(または凹部)内に配置し、かつ、ディスク12と設置面110との間に接着剤13Aを配置する。加熱工程S30では、少なくとも凸部114を加熱し、接着剤13Aを硬化または固化させて接着剤13を形成する。冷却工程S40では、凸部114を常温以下まで冷却する。なお、常温とは、日本工業規格 JIS Z 8703−1983により定められた標準状態の温度15級であり、5〜35℃の温度範囲をいう。したがって、常温以下とは35℃以下と言い換えることができる。
このような光学スケールユニット1の製造方法によれば、支持部112の設置面110から突出している凸部114がディスク12よりも線膨張係数の大きい材料で構成されているため、加熱工程S30において、ディスク12と支持部112の設置面110とを接着剤13(13A)により接着して固定する前に、当該凸部114をディスク12の孔121(または凹部)内に配置した状態で加熱することで、これらの熱膨張差により、これらを内外で接触させて位置合わせ(センタリング)を行うことができる。そのため、人間の目視により位置合わせを行う従来に比べて、位置合わせを効率的に行うことができ、光学スケールユニット1の生産性を高めることができる。したがって、低コスト化を図りつつ、高精度な検出が可能な光学スケールユニット1の製造方法を提供することができる。
このように、凸部114とディスク12の位置合わせを行うと、図11に示すように、位置合わせを行わない場合に比べて、偏心量が大幅に減少し、その結果、検出精度を高める(検出誤差を小さくする)ことができる。なお、図11中、「熱硬化」は、接着剤13として熱硬化性接着剤を用い、加熱による位置合わせとともに接着剤13の硬化を行った結果を示し、「常温硬化」は、接着剤13として常温硬化型接着剤を用い、前述したような加熱による位置合わせを行わずに接着剤13の硬化を行った結果を示す。
ここで、接着剤13(13A)は、熱硬化性接着剤であることが好ましく、この場合、加熱工程S30の加熱温度は、接着剤13(13A)の硬化温度以上であることが好ましい。これにより、加熱工程S30での加熱による熱を利用して接着剤13(13A)を硬化させることができる。
(ロボット)
以下、本発明のロボットについて単腕ロボットを例に説明する。
以下、本発明のロボットについて単腕ロボットを例に説明する。
図12は、本発明のロボットの実施形態を示す斜視図である。
図12に示すロボット1000は、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。このロボット1000は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース1010と、ベース1010に回動自在に連結されたアーム1020と、アーム1020に回動自在に連結されたアーム1030と、アーム1030に回動自在に連結されたアーム1040と、アーム1040に回動自在に連結されたアーム1050と、アーム1050に回動自在に連結されたアーム1060と、アーム1060に回動自在に連結されたアーム1070と、これらアーム1020、1030、1040、1050、1060、1070の駆動を制御する制御部1080と、を有している。また、アーム1070にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット1000に実行させる作業に応じたエンドエフェクター1090が装着されている。
図12に示すロボット1000は、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。このロボット1000は、6軸ロボットであり、床や天井に固定されるベース1010と、ベース1010に回動自在に連結されたアーム1020と、アーム1020に回動自在に連結されたアーム1030と、アーム1030に回動自在に連結されたアーム1040と、アーム1040に回動自在に連結されたアーム1050と、アーム1050に回動自在に連結されたアーム1060と、アーム1060に回動自在に連結されたアーム1070と、これらアーム1020、1030、1040、1050、1060、1070の駆動を制御する制御部1080と、を有している。また、アーム1070にはハンド接続部が設けられており、ハンド接続部にはロボット1000に実行させる作業に応じたエンドエフェクター1090が装着されている。
また、ロボット1000が有する複数の関節部のうちの全部または一部には駆動装置10が搭載されており、この駆動装置10の駆動によって各アーム1020、1030、1040、1050、1060、1070が回動する。駆動装置10の駆動は、制御部1080によって制御される。なお、図示では、駆動装置10は、アーム1040とアーム1050との間の関節部に設けられている。
以上のようなロボット1000は、光学スケールユニット1を備える。このようなロボット1000によれば、光学スケールユニット1の低コスト化を図ることで、ロボット1000の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニット1を用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
なお、ロボット1000が有するアームの数は、図示では6本であるが、これに限定されず、1〜5本または7本以上であってもよい。
(プリンター)
図13は、本発明のプリンターの実施形態を示す斜視図である。
図13に示すプリンター3000は、インクジェット記録方式のプリンターである。このプリンター3000は、装置本体3010と、装置本体3010の内部に設けられている印刷機構3020、給紙機構3030および制御部3040と、を備えている。
図13は、本発明のプリンターの実施形態を示す斜視図である。
図13に示すプリンター3000は、インクジェット記録方式のプリンターである。このプリンター3000は、装置本体3010と、装置本体3010の内部に設けられている印刷機構3020、給紙機構3030および制御部3040と、を備えている。
装置本体3010には、記録用紙Pを設置するトレイ3011と、記録用紙Pを排出する排紙口3012と、液晶ディスプレイ等の操作パネル3013とが設けられている。
印刷機構3020は、ヘッドユニット3021と、キャリッジモーター3022と、キャリッジモーター3022の駆動力によりヘッドユニット3021を往復動させる往復動機構3023と、を備えている。ヘッドユニット3021は、インクジェット式記録ヘッドであるヘッド3021aと、ヘッド3021aにインクを供給するインクカートリッジ3021bと、ヘッド3021aおよびインクカートリッジ3021bを搭載したキャリッジ3021cと、を有している。往復動機構3023は、キャリッジ3021cを往復移動可能に支持しているキャリッジガイド軸3023aと、キャリッジモーター3022の駆動力によりキャリッジ3021cをキャリッジガイド軸3023a上で移動させるタイミングベルト3023bと、を有している。
給紙機構3030は、互いに圧接している従動ローラー3031および駆動ローラー3032と、駆動ローラー3032を駆動する駆動装置10(給紙モーター)と、を有している。
制御部3040は、例えばパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから入力された印刷データに基づいて、印刷機構3020や給紙機構3030等を制御する。
このようなプリンター3000では、給紙機構3030が記録用紙Pを一枚ずつヘッドユニット3021の下部近傍へ間欠送りする。このとき、ヘッドユニット3021が記録用紙Pの送り方向とほぼ直交する方向に往復移動して、記録用紙Pへの印刷が行なわれる。
以上のように、プリンター3000は、光学スケールユニット1を備える。このようなプリンター3000によれば、光学スケールユニット1の低コスト化を図ることで、プリンター3000の低コスト化を図ることができる。また、光学スケールユニット1を用いた高精度な検出が可能であるため、その検出結果を用いて高精度な駆動制御が可能となる。
以上、本発明の光学スケールユニット、光学スケールユニットの製造方法、エンコーダー、駆動装置、ロボットおよびプリンターを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明のロボットは、アームを有していれば、単腕ロボットに限定されず、例えば、双腕ロボット、スカラーロボット等の他のロボットであってもよい。
また、前述した実施形態では光学スケールユニット、エンコーダーおよび駆動装置をロボットおよびプリンターに適用した構成について説明したが、光学スケールユニット、エンコーダーおよび駆動装置は、これら以外の各種電子機器にも適用することができる。また、エンコーダーおよび駆動装置は、プリンターに用いる場合、プリンターの紙送りローラーの駆動源に限定されず、例えば、プリンターのインクジェットヘッドの駆動源等に適用することもできる。
また、本発明のエンコーダーおよび駆動装置は、ロボット以外の機器に組み込んでもよく、例えば、自動車等の移動体に搭載してもよい。
1…光学スケールユニット、10…駆動装置、11…ハブ、12…ディスク、13…接着剤、13A…接着剤、20…モーター、30…エンコーダー、31…光学式エンコーダー、32…磁気式エンコーダー、110…設置面、111…突出部、112…支持部、113…凹部、114…凸部、121…孔、122…検出用パターン、201…回転軸、202…ローター、203…ステーター、204…ハウジング、205…軸受、206…軸受、301…主歯車、302a…副歯車、302b…副歯車、303a…磁石、303b…磁石、304a…磁気センサー、304b…磁気センサー、305…基板、306…磁気センサー、307…光学センサー、308…基板、309…磁石、310…ハウジング、1000…ロボット、1010…ベース、1020…アーム、1030…アーム、1040…アーム、1050…アーム、1060…アーム、1070…アーム、1080…制御部、1090…エンドエフェクター、3000…プリンター、3010…装置本体、3011…トレイ、3012…排紙口、3013…操作パネル、3020…印刷機構、3021…ヘッドユニット、3021a…ヘッド、3021b…インクカートリッジ、3021c…キャリッジ、3022…キャリッジモーター、3023…往復動機構、3023a…キャリッジガイド軸、3023b…タイミングベルト、3030…給紙機構、3031…従動ローラー、3032…駆動ローラー、3040…制御部、H…熱、P…記録用紙、S10…準備工程、S20…配置工程、S30…加熱工程、S40…冷却工程、a11…軸線、a12…軸線、a2…中心軸、aZ…軸線、d…偏心量、g…隙間
Claims (11)
- 設置面を有する支持部と、
前記設置面に沿って配置され、中央部に孔または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスクと、
前記ディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成され、前記設置面から突出して前記孔または前記凹部内に配置されている凸部と、
前記ディスクと前記設置面とを接着している接着剤と、を備えることを特徴とする光学スケールユニット。 - 前記凸部は、前記支持部と一体で構成されている請求項1に記載の光学スケールユニット。
- 前記接着剤は、硬化性接着剤である請求項1または2に記載の光学スケールユニット。
- 前記硬化性接着剤は、熱硬化性接着剤である請求項3に記載の光学スケールユニット。
- 前記ディスクは、銅を含んで構成され、
前記凸部は、アルミニウムとステンレス鋼との少なくとも一方を含んで構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学スケールユニット。 - 中央部に孔または凹部を有し、検出用パターンが設けられているディスクと、設置面を有する支持部と、前記ディスクよりも線膨張係数の大きい材料で構成され、前記設置面から突出している凸部と、接着剤と、を準備する準備工程と、
前記凸部を前記孔または前記凹部内に配置し、かつ、前記ディスクと前記設置面との間に前記接着剤を配置する配置工程と、
前記凸部を加熱し、前記接着剤を硬化または固化させる加熱工程と、
前記凸部を常温以下まで冷却する冷却工程と、を含むことを特徴とする光学スケールユニットの製造方法。 - 前記接着剤は、熱硬化性接着剤であり、
前記加熱工程の加熱温度は、前記接着剤の硬化温度以上である請求項6に記載の光学スケールユニットの製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学スケールユニットを備えることを特徴とするエンコーダー。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学スケールユニットを備えることを特徴とする駆動装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学スケールユニットを備えることを特徴とするロボット。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学スケールユニットを備えることを特徴とするプリンター。
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