JP2014211347A - エンコーダ、駆動装置及びロボット装置 - Google Patents

エンコーダ、駆動装置及びロボット装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誤検出を低減することが可能なエンコーダ、駆動装置及びロボット装置を提供すること。【解決手段】樹脂材料を用いて形成され、所定の回転軸に装着され、所定のパターンが設けられたスケールと、所定のパターンを検出する検出部が設けられ、回転軸の軸線方向視で検出部と回転軸の中心とを結ぶ仮想直線について線対称に配置される固定位置において回転軸とは異なる対象物に固定された本体部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、エンコーダ、駆動装置及びロボット装置に関する。
モータの回転軸などを含む回転体の回転数、回転角度、回転位置といった回転情報を検出する装置として、エンコーダが知られている。(例えば、特許文献1参照)。このようなエンコーダは、例えば回転軸に接続され所定のパターンが形成されたスケールと、パターンを検出する検出部とを有している。検出部は、回転軸とは異なる対象物に固定されており、スケールとの間で相対的に移動可能となっている。エンコーダは、回転軸の回転に伴ってスケール及びパターン形成部を回転させ、当該回転によるパターンの変化を検出部において検出することで該回転情報を検出する。
特開2008−185561号公報
しかしながら、上記構成においては、周囲の温度が変動すると、検出部を固定する固定部材が膨張及び収縮し、検出部がスケールの回転方向に移動するおそれがある。この場合、回転軸を回転させなくても、スケールと検出部との間が相対的に移動するため、回転が誤検出されてしまうことになる。
以上のような事情に鑑み、本発明は、誤検出を低減することが可能なエンコーダ、駆動装置及びロボット装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に従えば、樹脂材料を用いて形成され、所定の回転軸に装着され、所定のパターンが設けられたスケールと、所定のパターンを検出する検出部が設けられ、回転軸の軸線方向視で検出部と回転軸の中心とを結ぶ仮想直線について線対称に配置される固定位置において回転軸とは異なる対象物に固定された本体部とを備えるエンコーダが提供される。
本発明の第二の態様に従えば、回転軸と、この回転軸を軸線周りに回転させる駆動部と、回転軸の回転情報を検出するエンコーダとを備え、エンコーダとして、本発明の第一の態様に従うエンコーダが用いられている駆動装置が提供される。
本発明の第三の態様に従えば、移動体と、この移動体を駆動する駆動装置とを備え、駆動装置として、本発明の第二の態様に従う駆動装置が搭載されているロボット装置が提供される。
本発明の態様によれば、誤検出を低減することが可能なエンコーダ、駆動装置及びロボット装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るモータ装置の構成を示す断面図。 本実施形態に係るエンコーダの構成を示す平面図。 本実施形態に係るエンコーダの変形の様子を示す平面図。 変形例に係るエンコーダの構成を示す平面図。 変形例に係るエンコーダの構成を示す平面図。 変形例に係るエンコーダの構成を示す平面図。 実施形態に係るロボット装置の構成を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る駆動装置(測定対象)の一例としてモータ装置MTRの構成を示す断面図である。
図1に示すように、モータ装置MTRは、所定の回転軸SFと、当該回転軸SFを回転させる駆動部であるモータ本体BDと、回転軸SFの移動情報(例、回転情報)を検出するエンコーダECとを備えている。
エンコーダECは、回転軸SFに固定された回転部Rと、当該回転部Rと相対的に移動する検出部Dとを有している。エンコーダECは、検出部Dに回転部Rが収容された状態で用いられる。なお、本実施形態のエンコーダECは、回転部Rが回転方向に移動する構成である。
回転部Rは、スケールS及び磁石Mを有している。
スケールSは、回転軸SFの端部に固定されている。スケールSは、回転軸SFを中心軸として当該回転軸SFと一体的に回転する。スケールSは、例えばポリカーボネート樹脂(熱膨張係数:約70ppm/℃)などの樹脂材料を用いて形成されている。スケールSが樹脂材料を用いて形成されているため、ガラスや金属材料を用いて形成される場合に比べて、加工が容易であり、加工コストが抑えられる。
スケールSは、回転軸SFに固定される固定部20と、軸線周りの方向に沿って環状に形成された円板部21と、磁石Mを収容する磁石収容部22とを有している。
固定部20は、−Z側に凹部20aを有している。凹部20aには、モータ装置MTRの回転軸SFが挿入されている。固定部20の+Z側には、例えばネジなどの不図示の固定部材が取り付けられている。当該固定部材により、固定部20と回転軸SFとが一体的に固定されている。
円板部21は、スケールSの外周縁に配置されている。円板部21の+Z側の表面である第一面Saは、例えば平坦に形成されている。当該第一面Saは平坦に形成されており、鏡面加工された状態となっている。第一面Saには、光反射パターン24が形成されている。光反射パターン24は、例えばスケールSの円周方向に沿って環状に形成された一回転情報である。
磁石収容部22は、スケールSの径方向について固定部20と円板部21との間に円環状に形成されている。磁石収容部22は、固定部20及び円板部21の+Z側の表面に対して−Z側に凹んだ形状を有している。このように磁石収容部22は、回転軸SFの軸線を中心としてθZ方向に沿って溝状に形成されている。
磁石Mは、スケールSとは異なる部品として設けられており、回転部Rに対して独立部品として設けられている。磁石Mは、磁石収容部22に収容されており、接着剤などの固定部(不図示)を用いてスケールSに固定されている。磁石Mは、スケールSの回転方向に沿って円環状に形成された永久磁石である。磁石Mには、所定の磁気パターン25が形成されている。磁気パターン25は、例えば、磁石Mの周方向に沿って環状に形成された多回転情報である。
また、検出部Dは、上記の光反射パターン24及び磁気パターン25による磁場を検出する部分である。検出部Dは、検出基板30、基板固定部材35、光センサ31及び磁気センサ32を有している。
検出基板30は、例えば円板状に形成されている。検出基板30は、スケールSを構成する樹脂材料との間で熱膨張係数がほぼ等しい樹脂材料を用いて形成されている。このような樹脂材料として、例えばスケールSを構成する樹脂材料と同一の材料(例、ポリカーボネート樹脂、熱膨張係数:約70ppm/℃)を用いることができる。
検出基板30は、例えばネジなどの固定部材41、42、43によって基板固定部材35に一体的に固定されている。基板固定部材35は、例えば円筒状に形成されている。基板固定部材35は、例えばネジなどの不図示の固定部材により、モータ本体BDに固定されている。このように、基板固定部材35は、回転軸SFとは異なる対象物であるモータ本体BDに固定されている。したがって、回転軸SFが回転した場合、基板固定部材35及びこの基板固定部材35に固定された検出基板30は、モータ本体BDとの相対位置が変化しないようになっている。
検出基板30は、基板固定部材35の+Z側の端部に配置されている。検出基板30及び基板固定部材35は、スケールS及び磁石Mを収容する。スケールS及び磁石Mは、回転軸SFの軸方向に見たときに、それぞれの中心が検出基板30の中心に一致するように位置合わせされた状態で収容されている。
光センサ31は、検出基板30に実装されている。光センサ31は、光反射パターン24へ向けて光を射出し、反射光を読み取ることで光反射パターン24を検出するセンサである。光センサ31は、例えばスケールSの光反射パターン24に対して、回転軸SFの軸方向に見て重なる位置に配置されている。光センサ31は、光を射出する発光部及び反射光を受光する受光部を有する。発光部としては、例えばLEDなどが用いられる。受光部としては、例えば光電素子などが用いられる。受光部によって読み取られた光は、電気信号として不図示の制御装置に送信されるようになっている。
磁気センサ32は、検出基板30に保持されている。磁気センサ32は、例えば磁石Mに対して回転軸SFの軸方向に見て重なる位置に一対配置されている(磁気センサ32A及び32B)。各磁気センサ32A及び32Bは、バイアス磁石(不図示)及び磁気抵抗素子(不図示)を有している。
バイアス磁石は、磁石Mの磁場との間で合成磁場を形成する磁石である。バイアス磁石を構成する材料として、例えばサマリューム・コバルトなどの磁力の大きい希土類磁石などが挙げられる。バイアス磁石は、磁気抵抗素子に接触したり、隣接したりしない位置に配置されている。
磁気抵抗素子は、例えば金属配線などによって形成された直交する2つの繰り返しパターンを有している。磁気抵抗素子は、磁場の方向が当該繰り返しパターンに流れる電流の方向の垂直方向に近くなると電気抵抗が低下するようになっている。磁気抵抗素子は、この電気抵抗の低下を利用して磁場の方向を電気信号に変換するようになっている。磁気抵抗素子は、磁石Mの磁場及びバイアス磁石の磁場による合成磁場を検出するようになっている。検出結果は、電気信号として上記の制御装置(不図示)に送信されるようになっている。
検出部Dは、移動情報(例、回転情報)として、光センサ31において一回転情報を検出し、磁気センサ32において多回転情報を検出する。制御装置は、光センサ31から出力される一回転情報に基づいて回転軸SFの回転角度を求めると共に、磁気センサ32A及び32Bから出力される多回転情報に基づいて回転軸SFの回転数を求める処理を行う。
図2は、エンコーダEC(検出部D)を+Z側から見たときの構成を示す平面図である。
図2に示すように、検出基板30を基板固定部材35に固定する3つの固定部材41、42、43は、中心軸AXを中心とした同一円周上に配置されている。このうち、固定部材41、42は、仮想直線Lについて線対称となる位置(固定位置)P1、P2に配置されている。したがって、検出基板30は、この仮想直線Lについて線対称となる位置P1、P2において、基板固定部材35に固定されている。
また、固定部材43は、光センサ31と中心軸AXとを結んだ仮想直線L上の位置(第二固定位置)Q1に配置されている。このように、検出基板30は、固定部材41、42とは異なる位置Q1においても、基板固定部材35に固定されている。中心軸AXを基準として、光センサ31と固定部材43とは、互いに反対側に配置されている。このため、検出基板30のうち光センサ31の外周側(仮想直線L上の位置)には、固定部材は配置されていない。
3つの固定部材41、42、43は、検出基板30の周方向に等ピッチで配置されている。固定部材41、42、43は、中心軸AXを中心として、120°おきに配置されている。このように、検出基板30は、周縁部が周方向にバランスよく固定された状態となっている。
次に、上記のように構成されたエンコーダECを製造する場合、まず、スケールSを形成する。スケールSは、樹脂材料を用いて所定の形状に成型し、光反射パターン24を配置することにより形成される。スケールSを樹脂材料によって形成することにより、低コストで容易にスケールSを形成することができる。
その後、スケールSの磁石収容部22に磁石Mを取り付けることで、回転部Rが得られる。なお、磁石Mには、予め磁気パターン25を着磁形成しておく。更に、検出部Dを別途形成することにより、エンコーダECを得ることができる。
その後、回転部R及び検出部Dをモータ装置MTRに取り付ける。まず、スケールSの固定部20に形成される凹部20aに回転軸SFを挿入することで、エンコーダECの回転部R(スケールS)をモータ装置MTRの回転軸SFに取り付ける。
回転部Rを回転軸SFに取り付けた後、検出部Dをモータ装置MTRのモータ本体BDに取り付ける。この工程では、まず、不図示の固定部材を用いて基板固定部材35をモータ本体BDに固定する。次に、固定部材41、42、43を用いて、検出基板30を基板固定部材35に固定する。このとき、固定部材41、42、43の位置関係が、上記の位置関係となるようにする。これにより、図1に示すエンコーダECが取り付けられたモータ装置MTRを得ることができる。
上記構成のエンコーダECを用いる際、エンコーダECの周囲の温度が変動すると、例えば光センサ31を固定する検出基板30が膨張及び収縮する。この場合、検出基板30の固定位置によっては、検出基板30がスケールSの回転方向に変形し、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するおそれがある。このように、回転軸SFの回転以外の要因で、スケールSと光センサ31との間が相対的に移動するため、回転軸SFの回転が誤検出されてしまうことになる。
図3は、検出基板30及びスケールSが変形する際の様子を示す平面図である。
図3に示すように、本実施形態では、検出基板30が固定部材41、42、43によって固定されているため、当該固定部分において、検出基板30の変形が規制されることになる。このとき、本実施形態では、回転軸SFの軸線方向視で光センサ31と回転軸SFの中心軸AXとを結ぶ仮想直線Lについて線対称に配置される固定位置P1、P2において固定されているため、検出基板30の変形の規制力が仮想直線Lについて線対称に作用することになる。
この規制力の作用により、検出基板30のうち光センサ31が配置される部分(以下、「センサ配置部33」と表記する)については、変形の方向が径方向(仮想直線Lに平行な方向)となるように規制される。このため、当該センサ配置部33のθZ方向への変形(スケールSの回転方向への変形)が抑制される。これにより、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するのを抑えることができる。
また、図3に示すように、エンコーダECの周囲の温度が変動した場合、スケールSにおいても変形が生じる。スケールSは、中心軸AXを中心として放射状に拡大する(又は縮小する)ように変形する。スケールSに形成された光反射パターン24は、この変形に追従するように放射状に移動する。
このとき、本実施形態では、検出基板30がスケールSを構成する樹脂材料との間で熱膨張係数がほぼ等しい樹脂材料を用いて形成されているため、エンコーダECの周囲の温度が変動した場合、スケールSと検出基板30との間で径方向にほぼ同じ変形量の熱変形が生じることになる。この場合、スケールS及び検出基板30に熱変形が生じた場合であっても、光反射パターン24の移動量と光センサ31の移動量とが同程度となるため、光反射パターン24と光センサ31との相対的な位置の変化が抑制されることになる。これにより、エンコーダECの周囲の温度が変動する場合であっても、検出精度が維持されることになる。
以上のように、本実施形態では、樹脂材料を用いて形成され、所定の回転軸SFに装着され、光反射パターン24が設けられたスケールSと、光反射パターン24を検出する光センサ31が設けられ、回転軸SFの中心軸AXの軸線方向視で光センサ31と回転軸SFの中心とを結ぶ仮想直線Lについて線対称に配置される固定位置P1、P2において、回転軸SFとは異なる対象物であるモータ本体BDに固定された本体部Dとを備えるため、エンコーダECの周囲の温度が変動し、検出基板30が膨張又は収縮した場合、センサ配置部33の変形の方向が径方向となるように規制される。これにより、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するのを抑えることができるため、回転の誤検出を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、検出基板30のうち光センサ31の外周側(仮想直線L上の位置)には、固定部材が配置されていないため、センサ配置部の径方向への変形が抑制されずに済む。これにより、センサ配置部が径方向に変形しやすくなる。
また、本実施形態では、回転の誤検出を抑制することができるエンコーダECが用いられているため、回転精度の高いモータ装置MTRを提供することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、固定部材41、42、43が検出基板30の周方向に等ピッチで配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。
図4は、変形例に係るエンコーダEC2を+Z側から見たときの構成を示す平面図である。
図4に示すように、固定部材41、42は、仮想直線Lについて線対称の位置(固定位置)P3、P4に配置されている。このように、固定部材41、42(位置P3、P4)と中心軸AXとが一直線上に配置されている。
この構成によれば、エンコーダEC2の周囲の温度が変動し、検出基板30が膨張及び収縮した場合、光センサ31が配置される部分の変形の方向が径方向となるように規制される。これにより、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するのを抑えることができるため、回転の誤検出を抑制することができる。なお、図4に示す構成において、固定位置のバランスの観点から、固定部材43が設けられない構成であってもよい。
また、上記実施形態では、検出基板30の全体が同一材料によって形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることはない。
図5は、変形例に係るエンコーダEC3を+Z側から見たときの構成を示す平面図である。
例えば図5に示すように、検出基板30Aは、リジット基板(第二基材)34及びフレキシブル基板(第一基材)36を有する構成(リジットフレキシブル基板)である。図5の構成では、検出基板30Aは、直線状に切り欠かれた部分(切り欠き部34a)が設けられたリジット基板34と、切り欠き部34aに接続されたフレキシブル基板36とを有している。検出基板30Aは、中心軸AXの軸線方向視において円形に形成されている。検出基板30Aは、光センサ31と中心軸AXとを結ぶ仮想直線Lに垂直な直線によってリジット基板34とフレキシブル基板36とに分割されている。
リジット基板34は、固定部材41、42、43によって基板固定部材35の所定の位置(第二固定位置)Q2、Q3、Q4に固定されている。リジット基板34としては、例えば例えばガラスエポキシ基板(熱膨張係数:約10〜15ppm/℃)などを用いることができる。
フレキシブル基板36は、例えばポリイミド(熱膨張係数:約20〜40ppm/℃)などの樹脂材料を用いて形成されている。このように、フレキシブル基板36は、リジット基板34よりも熱膨張係数の大きい材料を用いて形成されている。フレキシブル基板36には、光センサ31が実装されている。フレキシブル基板36は、固定部材44、45によって基板固定部材35に固定されている。
固定部材44、45は、仮想直線Lについて線対称となる位置(固定位置)P5、P6に配置されている。したがって、フレキシブル基板36は、この仮想直線Lについて線対称となる位置において、基板固定部材35に固定されている。また、フレキシブル基板36は、リジット基板34との接続部分P7(切り欠き部34a)において基板固定部材35に固定されている。なお、フレキシブル基板36のうち光センサ31の外周側(仮想直線L上の位置)には、固定部材は配置されていない。
この構成によれば、エンコーダEC3の周囲の温度が変動し、検出基板30A(リジット基板34、フレキシブル基板36)が膨張及び収縮した場合、センサ配置部33Aであるフレキシブル基板36の変形の方向が径方向となるように規制される。これにより、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するのを抑えることができるため、回転の誤検出を抑制することができる。
また、リジット基板34を構成する材料の熱膨張係数よりも、フレキシブル基板36を構成する材料の熱膨張係数の方が大きいため、センサ配置部であるフレキシブル基板36が径方向に変形しやすくなる。
また、図6は、変形例に係るエンコーダEC4を+Z側から見たときの構成を示す平面図である。
図6に示すように、検出基板30Bは、リジット基板(第二基材)37及びフレキシブル基板(第一基材)38を有する構成(リジットフレキシブル基板)であって、図5とは異なる態様である。
図6の構成では、検出基板30Bは、矩形状に切り欠かれた部分(切り欠き部37a)が設けられたリジット基板37と、切り欠き部37aに接続されたフレキシブル基板38とを有している。フレキシブル基板38には、光センサ31が実装されている。検出基板30Bは、中心軸AXの軸線方向視において円形に形成されている。
リジット基板37は、固定部材41、42、43によって基板固定部材35の所定の位置(第二固定位置)Q5、Q6、Q7に固定されている。リジット基板37としては、例えば例えばガラスエポキシ基板(熱膨張係数:約10〜15ppm/℃)などを用いることができる。
切り欠き部37aは、光センサ31と中心軸AXとを結ぶ仮想直線Lに沿った方向に形成されている。切り欠き部37aは、仮想直線Lに平行な2辺と、この仮想直線Lに直交する1辺とを有している。切り欠き部37aは、仮想直線Lについて線対称の形状に形成されている。
フレキシブル基板38は、例えばポリイミド(熱膨張係数:約10〜40ppm/℃)などの樹脂材料を用いて形成されている。このように、フレキシブル基板38は、リジット基板37よりも熱膨張係数の大きい材料を用いて形成されている。
フレキシブル基板38は、切り欠き部37aの3辺(固定位置)P8、P9、P10においてリジット基板37に固定されている。このように、フレキシブル基板38は、リジット基板38との接続部分において固定されると共に、仮想直線Lについて線対称となる位置において、リジット基板37(及び基板固定部材35)に固定されている。
この構成によれば、エンコーダEC4の周囲の温度が変動し、検出基板30B(リジット基板37、フレキシブル基板38)が膨張及び収縮した場合、センサ配置部33Bであるフレキシブル基板38の変形の方向が径方向となるように規制される。これにより、光センサ31がスケールSの回転方向に移動するのを抑えることができるため、回転の誤検出を抑制することができる。
また、リジット基板37を構成する材料の熱膨張係数よりも、フレキシブル基板38を構成する材料の熱膨張係数の方が大きいため、センサ配置部であるフレキシブル基板38が径方向に変形しやすくなる。
次に、上記のように構成されたモータ装置MTRの適用例として、ロボット装置の構成を説明する。
図7は、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(指部分の先端)の構成を示す図である。
同図に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
中節部102は、筐体102a及びモータ装置ACTを有している。モータ装置ACTは、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを用いることができる。モータ装置ACTは、筐体102a内に設けられている。モータ装置ACTには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。
上記のように構成されたロボット装置RBTは、モータ装置ACTの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。
歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
以上のように、本実施形態によれば、駆動特性に優れ、安定した推進力を得ることが可能なモータ装置ACTを搭載することにより、直接末節部101の回転の制御を高精度に行うことができる。
MTR、ACT…モータ装置 SF…回転軸 BD…モータ本体 EC、EC2、EC3、EC4…エンコーダ R…回転部 D…検出部 S…スケール AX…中心軸 L…仮想直線 RBT…ロボット装置 24…光反射パターン 30、30A、30B…検出基板 31…光センサ 34、37…リジット基板 34a、37a…切り欠き部 35…基板固定部材 36、38…フレキシブル基板 37…リジット基板 41、42、43、44、45…固定部材

Claims (12)

  1. 樹脂材料を用いて形成され、所定の回転軸に装着され、所定のパターンが設けられたスケールと、
    前記所定のパターンを検出する検出部が設けられ、前記回転軸の軸線方向視で前記検出部と前記回転軸の中心とを結ぶ仮想直線について線対称に配置される固定位置において前記回転軸とは異なる対象物に固定された本体部と
    を備えるエンコーダ。
  2. 前記本体部は、前記スケールを構成する樹脂材料との間で熱膨張係数がほぼ等しい樹脂材料を用いて形成されている
    請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 前記本体部は、前記固定位置とは異なる第二固定位置において前記対象物に固定されている
    請求項1又は請求項2に記載のエンコーダ。
  4. 前記固定位置及び前記第二固定位置は、前記回転軸の軸線を中心とした同一円周上に配置されている
    請求項3に記載のエンコーダ。
  5. 前記第二固定位置は、当該第二固定位置と前記検出部との間に前記回転軸が配置されるように設けられている
    請求項3に記載のエンコーダ。
  6. 前記本体部は、前記検出部を支持する第一基材と、前記第一基材に接続された第二基材とを有し、
    前記第一基材は、前記仮想直線について線対称な形状に形成されている
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  7. 前記第一基材及び前記第二基材は、互いに異なる種類の樹脂材料を用いて形成されている
    請求項6に記載のエンコーダ。
  8. 前記第一基材及び前記第二基材は、熱膨張係数が異なっている
    請求項7に記載のエンコーダ。
  9. 前記第一基材は、前記第二基材よりも熱膨張係数が大きい
    請求項7又は請求項8に記載のエンコーダ。
  10. 前記固定位置は、前記第一基材と前記第二基材との接続部分に設けられる
    請求項6から請求項9のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  11. 回転軸と、
    前記回転軸を軸線周りに回転させる駆動部と、
    前記回転軸の回転情報を検出するエンコーダと
    を備え、
    前記エンコーダとして、請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載のエンコーダが用いられている
    駆動装置。
  12. 移動体と、
    前記移動体を駆動する駆動装置と
    を備え、
    前記駆動装置として、請求項11に記載の駆動装置が搭載されている
    ロボット装置。
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