[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。トルク検出用モジュール1は、例えば継手などの構成であり、第1回転体SF1と第2回転体SF2とを接続する。第1回転体SF1は、例えば、電動モータなどの駆動装置におけるシャフトである。第1回転体SF1は、駆動装置のシャフトに変速機を介して接続される回転部材でもよい。
トルク検出用モジュール1は、第1回転体SF1とともに回転し、第1回転体SF1のトルクを第2回転体SF2へ伝達する。トルク検出用モジュール1は、第1回転体SF1から伝わるトルクを受けることで、自身に変形が発生する。トルク検出用モジュール1は回転位置情報に基づいて自身のねじりの変形を検出し、その検出結果に基づいて、トルク検出用モジュール1に働くトルクが算出される。算出されたトルクは、例えば、第1回転体SF1の駆動を制御することに利用される。このように、トルク検出用モジュール1は、回転軸方向(例、回転軸AXの軸方向)において、第1回転体SF1と第2回転体SF2とに接続され、第1回転体SF1(第2回転体SF2)の回転に伴って、後述の弾性部が弾性変形して捩じれが生じるように構成されている。
本実施形態におけるトルク検出用モジュール1は、後述する2つの接続部(第1接続部4、第2接続部5)によって第1回転体SF1と第2回転体SF2とに接続できるため、第1回転体SF1と第2回転体SF2とに対して固定及び取り外しが容易で脱着可能な構造である。したがって、トルク検出用モジュール1は、メンテナンス等において交換が簡単にでき効率的なメンテナンス作業が可能である。
以下の説明において、適宜、図1等に示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系において、Z方向は、トルク検出用モジュール1の回転軸AXと平行な方向(アキシャル方向)である。トルク検出用モジュール1の回転軸AXは、例えば、第1回転体SF1の回転軸および第2回転体SF2の回転軸のそれぞれと同軸である。X方向およびY方向は、それぞれ、Z方向に垂直な方向である。また、上記のアキシャル方向に垂直な方向(例、X方向、Y方向)を、適宜、ラジアル方向と称す。また、X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれについて、適宜、矢印と同じ側を+側(例、+Z側)と称し、矢印と反対側を−側(例、−Z側)と称する。
図2は、第1実施形態に係るトルク検出用モジュール1をラジアル方向(例、Y方向)から見た図である。トルク検出用モジュール1は、弾性変形する弾性部(弾性体)2と、弾性部2の内部に設けられる検出部3と、を備える。弾性部2の少なくとも一部は、弾性を有する。本実施形態において、弾性部2は、第1接続部4、第2接続部5、本体部6、及び支持部材7を備える。このように、トルク検出用モジュール1の弾性部2は、検出部3(例、スケール11および検出ヘッド12)が内蔵されている構成である。
第1接続部4および第2接続部5は、第1回転体SF1と第2回転体SF2とに基づいて、第1回転体SF1又は第2回転体SF2の回転軸(回転軸AX)の軸方向に沿って互いに対向するように配置される。第1接続部4と第2接続部5は、Z方向において、互いに離れて配置される。第1接続部4と第2接続部5とは、Z方向においてギャップを有する。弾性部2は、その内部に空間SPを有する。図2において、空間SPは、Z方向(回転軸AXの軸方向)において第1接続部4と第2接続部5とに挟まれる領域を含む空間(ギャップ)である。空間SPは、Z方向(回転軸AXの軸方向)において第1接続部4と第2接続部5との間の空間を含む。空間SPは、Z方向から見た場合(回転軸視した場合)に、第1接続部4および第2接続部5の一方または双方と重なる領域を含む。
第1接続部4は、第1回転体SF1と接触して固定される。第1接続部4は、第1回転体SF1が挿入される孔部4aを有する。第1回転体SF1は、孔部4aに挿入された状態において、固定部材8によって第1接続部4と固定される。固定部材8は、例えば、ネジ(例、イモネジ、止めネジ、セットスクリュー)を含む。固定部材8は、Z方向周りの第1接続部4と第1回転体SF1との相対的な回転を抑制するように、第1接続部4と第1回転体SF1とを固定する。
第2接続部5は、第2回転体SF2と接触して固定される。第2接続部5は、第2回転体SF2が挿入される孔部5aを有する。第2回転体SF2は、その先端が孔部5aに挿入された状態において、固定部材9によって第2接続部5と固定される。固定部材9は、固定部材8と同様である。固定部材9は、Z方向周りの第2接続部5と第2回転体SF2との相対的な回転を抑制するように、第2接続部5と第2回転体SF2とを固定する。
なお、固定部材8および固定部材9は、それぞれ、ネジ以外でもよく、例えばピン、キーなどでもよい。また、第1接続部4は、第1回転体SF1に取り外し可能に固定されてもよいし、第1回転体SF1に対して取り外し不能に固定されてもよい。第1接続部4は、接着あるいは溶接などによって、第1回転体SF1と固定されてもよい。また、第2接続部5は、第2回転体SF2に取り外し可能に固定されてもよいし、第2回転体SF2に対して取り外し不能に固定されてもよい。第2接続部5は、接着あるいは溶接などによって、第2回転体SF2と固定されてもよい。
図2では、Z方向において、第1接続部4と第2接続部5との間に単一の支持部材7が設けられている。支持部材7は、第1接続部4と接触し、第1接続部4に固定されている。弾性部2の本体部6は、Z方向において第1接続部4と第2接続部5とに挟まれて配置される。本体部6は、支持部材7と第2接続部5との間に配置される。また、例えば、支持部材7を基準にして、Z方向において支持部材7の一方の面に対向する側に第1接続部4が配置され、支持部材7の他方の面に対向する側に第2接続部5が配置される。
本体部6は、第1接続部4および第2接続部5を備え、第1接続部4および第2接続部5と一体化されている。本体部6は、支持部材7と接触し、支持部材7が固定されている。また、本体部6は、第2接続部5と接触し、第2接続部5と固定されている。本体部6は、弾性を有し、弾性部2の一部を構成している。
本体部6は、第1接続部4と第2接続部5とが相対的に回転した場合に、弾性変形する。本体部6は、例えば、Z方向における第1接続部4と第2接続部5との間の空間SPの少なくとも一部に配置(例、充填)された樹脂を含む。弾性部2(例、本体部6)は、第1の対象領域A1と第2の対象領域A2と検出部3とを覆う(例、封止する)樹脂を含む。本体部6は、例えば、樹脂が充填されることによって検出部3を封止する封止部(例、樹脂封止部)を含んでもよい。
また、弾性部2には、上記の樹脂のように弾性部2の弾性率を調整する弾性調整部が設けられてもよい。弾性調整部の少なくとも一部は、弾性部2の外部に設けられて、弾性部2の弾性率を調整してもよい。例えば、上記の弾性調整部は、弾性部2の外面(例、外周)に所定の厚みで形成(塗布)された樹脂を含んでもよい。
検出部3は、弾性部2の内部(例、空間SP)に設けられる。弾性部2の内部は、例えば、アキシャル方向(Z方向)において、弾性部2のうち第1回転体SF1と接触する部分(例、第1接続部4)から、弾性部2のうち第2回転体SF2と接触する部分(例、第2接続部5)までの領域の少なくとも一部を含む。また、弾性部2の内部は、例えば、ラジアル方向(例、X方向、Y方向)において、弾性部2の外周よりも内側の領域である。
検出部3は、回転軸AXと交差する面方向(XY面方向)に配置され、回転軸AX(例、第1回転体SF1)の回転に基づく弾性部2のねじれ方向(例、回転方向)の変形を検出する。検出部3(位置検出部、回転位置検出部)は、弾性部2のねじれ方向の変形を検出するために、弾性部2の内部における第1の対象領域A1と該第1の対象領域A1とは設けられる位置が異なる第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報(位置情報)を検出する。回転位置情報は、弾性部2の1回転未満の角度位置を含む。なお、回転位置情報は、回転の数を示す多回転情報を含んでもよい。
第1の対象領域A1と第2の対象領域A2とは、弾性部2におけるZ方向において互いに離れた位置に設定される。第1の対象領域A1(例、後述のセンサ14)と第2の対象領域A2(例、後述のスケール11)とは、Z方向において位置決めされた状態(Z方向のギャップが定められた状態)で、弾性部2の内部(例、空間SP)に配置される。
第1の対象領域A1は、例えば、弾性部2の内部において第1回転体SF1の側(−Z側)に配置される。本実施形態において、第1の対象領域A1は、検出部3のセンサ14(後述する)が配置された領域を含む。また、第2の対象領域A2は、例えば、本体部6において第2回転体SF2の側(+Z側)に配置される。本実施形態において、第2の対象領域A2は、検出部3のスケール11(後述する)が配置された領域を含む。
上記の回転位置情報は、例えば1回転未満の角度位置(例、5°)を示す角度位置情報を含む。例えば、検出部3が検出する回転位置情報は、トルク検出用モジュール1の回転軸AXを中心とする第1の対象領域A1と第2の対象領域A2とのねじれ角を含む。本実施形態において、検出部3は、第1の対象領域A1の位置(角度位置)を基準(例、0°)として、第1の対象領域A1に対する第2の対象領域A2の角度位置(回転位置、回転角、ねじれ角)を検出する。
検出部3は、スケール11および検出ヘッド12を備える。本実施形態において、検出部3は、光学式エンコーダを含む。スケール11は光学パターンを含み、検出ヘッド12は、スケール11を光学的に検出する。スケール11の光学パターンは、例えばインクリメンタルパターンとアブソリュートパターンとの一方または双方を含む。
検出部3は、回転方向のねじれを検出するために、所定面(例、トルク検出用モジュール1に対して水平方向を含む面)に沿って配置される。上記の所定面は、アキシャル方向に垂直な面(アキシャル方向に垂直な面に平行な面)、回転方向を含む面(回転方向を含む面に平行な面)などである。例えば、スケール11の光学パターンは、上記の所定面(例、第2接続部5の面5b)に沿うように設けられる。また、検出ヘッド12は、上記の所定面(例、支持部材7の面7a)に沿うように設けられる。
スケール11の光学パターンは、回転軸AXを中心とする円周上の角度位置によって、光学特性(例、反射率、透過率、光吸収率)が変化する。スケール11は、弾性部2の内部の第2接続部5の面5b上に設けられている。スケール11は、例えば、回転軸AXを中心とする円環状の領域(360°の範囲にわたって)に連続的に設けられる。スケール11は、回転軸AXを中心とする円環状の領域のうち一部の角度範囲のみに設けられてもよい。
検出ヘッド12は、スケール11と対向するように、配置される。支持部材7は、検出部3の少なくとも一部(例、検出ヘッド12)を支持する。支持部材7は、例えば、プリント基板などの処理基板を含む。支持部材7は第1接続部4に固定されており、検出ヘッド12は、支持部材7においてスケール11と対向する面7aに設けられている。
検出ヘッド12は、照射部13およびセンサ14を含む。照射部13(発光部、光源部)は、スケール11に光を照射する。照射部13は、例えば、LED(発光ダイオード)などの発光素子(例、固体光源)を含む。センサ14(センサ部、受光部、受光センサ、光学センサ、磁気センサ)は、照射部13から照射されてスケール11を経由した光を検出する。センサ14は、例えば、フォトダイオードなどの受光素子(例、光電変換素子)を含む。
本実施形態において、本体部6に充填された樹脂は、スケール11を経由した光が透過する。センサ14は、スケール11を経由して本体部6を透過した光を検出する。樹脂は、照射部13からスケール11へ向かう光の光路およびスケール11からセンサ14へ向かう光の光路の双方を除く部分については、透光性を有してもよいし、透光性を有さなくてもよい。本実施形態において、検出部3は、反射型検出部(例、反射型エンコーダ)である。検出部3は、照射部13から照射されてスケール11で反射した光を、センサ14によって検出する。検出部3は、透過型検出部(透過型エンコーダ)を含んでもよい。
本実施形態において、トルク検出用モジュール1は、電子部品15およびバッテリー16を備える。電子部品15およびバッテリー16は、支持部材7に実装される。電子部品15は、例えば、処理回路(例、ASIC、FPGA)が形成された表面実装デバイス(Surface Mount Device)を含む。電子部品15は、後に図3に示す送信部17および処理部18を含む。
電子部品15は、検出ヘッド12の検出結果を処理し、検出ヘッド12から得られる情報を弾性部2の外部へ送信する。例えば、電子部品15は、検出ヘッド12の検出結果を処理して、第1の対象領域A1(例、スケール11)と第2の対象領域A2(例、センサ14)との相対的な回転位置情報(例、角度位置)を算出する。電子部品15は、算出した回転位置情報を弾性部2の外部のデバイスへ送信する。
バッテリー16は、トルク検出用モジュール1で消費される電力の少なくとも一部を供給する。バッテリー16は、一次電池と二次電池との一方または双方を含む。バッテリー16は、照射部13が光を照射する際に消費する電力を供給する。バッテリー16は、センサ14が光を検出する際に消費する電力を供給する。バッテリー16は、電子部品15が処理を実行する際に消費する電力を供給する。
図3は、第1実施形態に係るトルク検出用モジュール、駆動装置、及び制御装置を示すブロック図である。駆動装置50は、制御部51、駆動部52、及びトルク検出用モジュール1を備える。駆動部52は、例えば、3相(U相、V相、W相)の電動モータ(モータ本体部)を含む。駆動部52は、可動子(例、電気子)に電流が供給されることで、可動子が固定子(例、永久磁石)に対して回転する。駆動部52の可動子は、図1に示した第1回転体SF1と接続される。
制御部51は、電流制御部53、駆動回路54、電力調整部55、及び電力検出部56を備える。制御部51は、制御装置60(上位制御装置)から供給される指令(制御信号)に基づいて、駆動部52を制御する。電流制御部53は、制御装置60から指令として、駆動部52の回転に関する目標値(例、シャフトの角速度、角度位置)を受け取る。電流制御部53は、制御装置60から指令に基づいて、駆動部52に供給される電流(以下、供給電流という)の目標値を決定する。電流制御部53は、供給電力の目標値を駆動回路54に出力する。
電力調整部55は、例えば、パワーMOSFETなどのパワーデバイスを含む。電力調整部55は、駆動部52に供給される電力を調整する。例えば、電力調整部55は、駆動部52に対する供給電流を調整する。駆動回路54は、例えば、FETドライバを含む。駆動回路54は、電流制御部53から出力される供給電流の目標値に基づいて、電力調整部55を駆動する。
電力検出部56は、駆動部52に供給される電力を検出する。電力検出部56は、例えば電流センサを含み、駆動部52に供給される電力として供給電流を検出する。電力検出部56は、検出した供給電流を電圧に変換し、電流制御部53に出力する。電流制御部53は、電力検出部56の検出結果に基づいて、供給電流の目標値として駆動回路54に出力する値を更新する。
トルク検出用モジュール1は、検出部3、及び送信部17を備える。検出部3は、スケール11、センサ14、及び処理部18を備える。処理部18は、センサ(例、光学センサ、磁気センサ)14の検出結果を処理し、回転位置情報を算出する。処理部18は、図2に示した弾性部2の内部(例、空間SP)に設けられる。処理部18は、例えば、図2に示した電子部品15に実装されて設けられる。処理部15(例、電子部品15)は、図2に示した支持部材7に固定されて支持される。支持部材7は、図2に示した弾性部2の内部に固定されて設けられる。
送信部17(通信部)は、検出部3から得られる情報を、有線または無線によって外部へ送信する。例えば、送信部17は、検出部3から得られる情報として、処理部18の処理結果(回転位置情報)を送信する。送信部17は、処理部18が算出した回転位置情報を無線で外部のデバイスに送信する。送信部17は、回転位置情報を算出部19に送信する。
上記の処理部18および送信部17は、例えば、図2に示した電子部品15に設けられる。検出部3および送信部17は、それぞれ、バッテリー16から供給される電力によって動作する。なお、検出部3および送信部17の少なくとも一部は、トルク検出用モジュール1の外部から無線又は有線で電力が供給されてもよい。例えば、検出部3および送信部17の少なくとも一部は、ワイヤレス電力伝送などの非接触型給電によって電力を供給されることで動作してもよい。また、検出部3および送信部17の少なくとも一部は、ブラシなどの接触型給電によって電力を供給されることで動作してもよい。
また、検出部3および送信部17の少なくとも一部は、バッテリー16(例、1次電池、2次電池)による給電と、上記の非接触給電と、上記の接触型給電とのうち2種以上の給電の組み合わせによって動作してもよい。また、バッテリー16が二次電池である場合、バッテリー16は、上記の非接触給電と上記の接触型給電との一方または双方によって充電されてもよい。
また、トルク検出用モジュール1(例、送信部17)は、バッテリー16(例、1次電池、2次電池)の残量を示す情報を、トルク検出用モジュール1の外部へ出力してもよい。例えば、トルク検出用モジュール1(例、送信部17)は、バッテリー16の残量が所定量以下であることが検出された場合に、バッテリー16の残量が所定量以下であることを知らせる報知信号(例、エラー信号、警告信号)を外部のデバイス(例、上位コントローラ)に出力してもよい。
次に、算出部19は、トルク検出用モジュール1の検出部3から得られる情報(例、回転位置情報)に基づいて、トルク検出用モジュール1(例、図2の弾性部2(本体部6))に働くトルクを算出する。算出部19は、図2の弾性部2(本体部6)に働くトルクを推定する(トルクの推定値を算出する)。ここで、図2の弾性部2を線形バネで近似し、そのZ方向の長さをL(m)とし、Z方向に垂直な断面積をA(m2)とする。算出部19は、処理部18が算出した回転位置情報に基づいて、弾性部2の歪εを算出する。例えば、算出部19は、弾性部2がトルクを受けていない状態(例、第1回転体SF1が回転していない状態)を基準とし、基準に対する回転位置情報の変化(例、スケール11の番地の変化)に基づいて、歪εを算出する。また、算出部19は、算出した歪εと、弾性部2の弾性係数E(N/m2)とを用いて、トルクの推定値σとしてσ=E×εを算出する。弾性係数Eは、予め、試験あるいは構造解析などによって求められる。
算出部19は、検出部3の検出結果(例、スケールとセンサとの相対的な位置)から得られるねじり角と、弾性部2の弾性率(例、本体部6の剛性、弾性係数)とに基づいて、弾性部2(例、本体部6)に働くトルクを算出してもよい。例えば、弾性部2を中実の円柱であると近似し、その直径をdとし、その剛性(剛性率、せん断弾性係数、横弾性係数)をGとする。ねじれ角をψとし、弾性部2に働くトルクをTとすると、T=π/32×ψ×G×d4/Lで近似される。
弾性部2(例、本体部6)の弾性は、例えば、トルク検出用モジュール1を用いて測定可能なトルクのレベル(例、測定範囲、上限値、下限値、設計値、感度)に基づいて、設定される。例えば、弾性部2(例、本体部6)の弾性が高い場合、トルクに対する弾性部2の変形量(例、ねじれ角)が小さくなり、測定可能なトルクの上限値(許容トルク)が高くなる。また、弾性部2(例、本体部6)の弾性が低い場合、トルクに対する弾性部2の変形量(例、ねじれ角)が大きくなり、トルクに対する感度が高くなる。弾性部2の弾性は、例えば、弾性部2のうち弾性を有する部分(例、本体部6)の材料選択によって、調整可能(設定可能)である。例えば、弾性部2(本体部6)は、第1接続部4と第2接続部5とを接続する板バネ等の弾性体を含んでもよい。また、弾性部2(本体部6)は、金属製のバネ(弾性体)および上記の樹脂(弾性体)を含んでもよい。
なお、算出部19は、検出部3の検出結果から得られるねじれ角と弾性部2(本体部6)に働くトルクとの関係を示す参照情報を用いて、弾性部2(本体部6)に働くトルクを算出してもよい。上記の参照情報は、例えば、構造解析あるいは試験などで予め求められ、記憶部に予め記憶される。上記の参照情報は、数式で表されてもよいし、ねじれ角とトルクとを一組にしたテーブルデータで表されてもよい。算出部19は、検出部3の検出結果から得られるねじれ角と、上記の参照情報とに基づいて、弾性部2に働くトルクを算出してもよい。
算出部19は、有線または無線によって制御装置60と通信可能に接続される。算出部19は、算出したトルクを制御装置60に送信する。制御装置60は、算出部19が算出したトルクに基づいて駆動装置50を制御する。例えば、駆動装置50がロボット装置のアームを駆動する場合、アームが障害物あるいは人体などの物体に衝突すると、駆動装置50のシャフトの回転が抑制され、トルクの推定値が閾値よりも大きくなる。制御装置60は、例えば、算出部19が算出したトルクが閾値を超える場合、駆動装置50による駆動を抑制(例、角速度を低下)あるいは停止(例、回転を停止)させる。
以上のような本実施形態に係るトルク検出用モジュール1(図2参照)は、弾性部2の内部(空間SP)に第1の対象領域A1、第2の対象領域A2、及び検出部3が設けられるので、例えば、検出の対象物(第1回転体SF1、第2回転体SF2)に容易に取り付けることができる。例えば、トルク検出用モジュール1は、第1接続部4と第1回転体SF1とが固定され、第2接続部5と第2回転体SF2とが固定されることで、トルクに関する情報(例、ねじれ角)を測定可能になる。
なお、算出部19は、算出したトルクを制御装置60に出力しなくてもよく、算出したトルクを制御装置60と別の装置に出力してもよい。例えば、算出部19は、データロガーなどの記憶部に、算出したトルクを記憶させてもよい。この記憶部は、算出部19から得られるトルクの時間履歴を記憶してもよい。また、算出部19は、算出したトルクを報知装置に出力してもよい。この報知装置は、算出部19が算出したトルクが所定の条件を満たす場合に、報知信号(例、アラーム、警報)を出力してもよい。また、この報知装置は、算出部19が算出したトルクを、数値あるいはグラフとして表示する表示装置を含んでもよい。
なお、算出部19は、トルク検出用モジュール1に設けられてもよいし、トルク検出用モジュール1以外の装置(例、制御装置60)に設けられてもよい。この場合、トルクは、回転位置情報に基づいて、外部のデイバス(例、制御装置60)に設けられた算出部19によって算出される。駆動装置50は、制御装置60を備えてもよい。駆動装置50は、第1回転体SF1および第2回転体SF2の双方に駆動力を供給してもよい。また、実施形態に係るトルク検出用モジュール1は、駆動装置50と別に提供されてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図4は、第2実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。本実施形態において、トルク検出用モジュール1は、第1の対象領域A1の回転位置情報と第2の対象領域A2の回転位置情報とを、それぞれ検出する。第1の対象領域A1の回転位置情報および第2の対象領域A2の回転位置情報は、第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報として利用可能である。
図4において、弾性部2は、その内部に空間SPを有する中空状の形状である。空間SPは、単一の支持部材7によって区切られた、空間SP1および空間SP2を含む。支持部材7(支持部材7の面7b)は、Z方向において、第1接続部4とギャップ(空間SP1)を介して配置される。支持部材7(支持部材7の面7b)は、第1接続部4と対向するように配置される。また、支持部材7(支持部材7の面7a)は、Z方向において、第2接続部5とギャップ(空間SP2)を介して配置される。支持部材7(支持部材7の面7a)は、第2接続部5と対向するように配置される。
支持部材7は、第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との相対的な回転の回転軸(例、回転軸AX)に平行なアキシャル方向(Z方向)において、第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との間に配置される。検出部3の少なくとも一部は、支持部材7に支持される。
弾性部2の本体部6は、第1弾性部21および第2弾性部22を含む。第1弾性部21は、空間SP1に配置される。第1弾性部21は、空間SP1の少なくとも一部に充填された樹脂を含む。第1弾性部21は、第1接続部4と支持部材7とに挟まれている。第1弾性部21は、第1接続部4と接触して、第1接続部4に固定される。また、第1弾性部21は、支持部材7と接触して、支持部材7に固定される。
第2弾性部22は、空間SP2に配置される。第2弾性部22は、空間SP2の少なくとも一部に充填された樹脂を含む。第2弾性部22、第2接続部5と支持部材7とに挟まれている。第2弾性部22は、第2接続部5と接触して、第2接続部5に固定される。また、第2弾性部22は、支持部材7と接触して、支持部材7に固定される。
本実施形態において、検出部3は、第1検出部23および第2検出部24を備える。第1検出部23は、第1の対象領域A1の回転位置情報を検出する。例えば、第1検出部23は、所定の基準(例、支持部材7の面7b)に対する第1の対象領域A1の回転位置情報を算出する。第2検出部24は、第2の対象領域A2の回転位置情報を検出する。例えば、第2検出部24は、上記の所定の基準(例、支持部材7の面7a)に対する第2の対象領域A2の回転位置情報を検出する。第1検出部23および第2検出部24は、いずれも所定の基準に対する回転位置情報を検出する。
第1検出部23は、アキシャル方向(例、Z方向)において支持部材7に対して第1側(例、−Z側)に配置される。第2検出部24は、アキシャル方向において支持部材7に対して第1側と反対側の第2側(例、+Z側)に配置される。第2検出部24は、支持部材7に対して第1検出部23と反対側に配置される。
第1検出部23は、スケール25および検出ヘッド26を備える光学式エンコーダを含む。スケール25は光学パターン(例、反射パターン)を含み、検出ヘッド26は、スケール25を光学的に検出する。スケール25は、図2で説明したスケール11と同様の構成である。スケール25は、弾性部2の第1接続部4の面4bに設けられている。
第1の対象領域A1は、スケール25が配置された領域を含む。検出ヘッド26は、支持部材7において第1接続部4と対向する面7bに設けられている。検出ヘッド26は、図2で説明した検出ヘッド12と同様の構成である。検出ヘッド26は、図2の照射部13と同様の照射部27、及び図2のセンサ14と同様のセンサ28を備える。
第2検出部24は、スケール30および検出ヘッド31を備える光学式エンコーダを含む。スケール30は光学パターン(例、反射パターン)を含み、検出ヘッド31は、スケール30を光学的に検出する。スケール30は、図2で説明したスケール11と同様の構成である。スケール30は、弾性部2の第2接続部5の面5bに設けられている。第2の対象領域A2は、スケール30が配置された領域を含む。
検出ヘッド31は、支持部材7において第2接続部5と対向する面(表面)7aに設けられている。面7aは、支持部材7において、検出ヘッド26が設けられる面(裏面)7bと反対側の面である。検出ヘッド31は、図2で説明した検出ヘッド12と同様の構成である。検出ヘッド31は、図2の照射部13と同様の照射部32および図2のセンサ14と同様のセンサ28を備える。
第1接続部4の面4bおよび第2接続部5の面5bは、それぞれ、弾性部2の内部を規定する面(例、内面)である。弾性部2の側面は、例えば面4bおよび面5bのそれぞれに垂直であり、面4bおよび面5bのそれぞれに連続する面(面4bと面5bとを結ぶ面)である。
図4において、支持部材7には、電子部品15aおよび電子部品15bが実装されて設けられる。電子部品15aおよび電子部品15bは、それぞれ、図2で説明した電子部品15と同様の構成である。電子部品15aは、支持部材7において、検出ヘッド26と同じ面7bに設けられる。電子部品15aは、検出ヘッド26の検出結果を処理し、第1の対象領域A1(スケール25)の回転位置情報を算出する。電子部品15aは、算出した第1の対象領域A1の回転位置情報を外部のデバイスに送信する。
電子部品15bは、支持部材7において、検出ヘッド31と同じ面7aに設けられる。電子部品15bは、検出ヘッド31の検出結果を処理し、第2の対象領域A2(スケール30)の回転位置情報を算出する。電子部品15bは、算出した第2の対象領域A2の回転位置情報を外部のデバイスに送信する。なお、電子部品15aと電子部品15bとは、1つの電子部品(電子回路)に統合されていてもよい。
上述のように、第1検出部23は、支持部材7と第1の対象領域A1との相対的な回転位置情報(以下、θ1で表す)を検出する。また、第2検出部24は、支持部材7と第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報(以下、θ2で表す)を検出する。本実施形態において、検出部3は、上記のθ1およびθ2によって、第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報を取得可能である。第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報は、θ1とθ2との差(Δθ=θ1−θ2)の情報を含んでもよいし、θ1とθ2とを一組にした情報を含んでもよい。
図5は、第2実施形態に係るトルク検出用モジュール、駆動装置、及び制御装置を示すブロック図である。トルク検出用モジュール1は、第1検出部23、第2検出部24、送信部34、及び送信部35を備える。
第1検出部23は、スケール25、センサ28、及び処理部36を備える。センサ28は、スケール25を検出する。処理部36は、センサ28の検出結果を処理し、スケール25(図4の第1の対象領域A1)の回転位置情報を算出する。
送信部34(通信部)は、第1検出部23から得られる情報を、有線または無線によって外部へ送信する。例えば、送信部34は、第1検出部23から得られる情報として、処理部36の処理結果(回転位置情報)を送信する。送信部34は、処理部36が算出した回転位置情報を無線で外部に送信する。送信部34は、回転位置情報を算出部19に送信する。上記の処理部36および送信部34は、例えば、図4に示した電子部品15aに設けられる。第1検出部23および送信部34は、それぞれ、バッテリー16から供給される電力によって動作する。
第2検出部24は、スケール30、センサ33、及び処理部37を備える。センサ33は、スケール30を検出する。処理部37は、センサ33の検出結果を処理し、スケール30(図4の第2の対象領域A2)の回転位置情報を算出する。
送信部35(通信部)は、第2検出部24から得られる情報を、有線または無線によって外部へ送信する。例えば、送信部35は、第2検出部24から得られる情報として、処理部37の処理結果(回転位置情報)を送信する。送信部35は、処理部37が算出した回転位置情報を無線で外部に送信する。送信部35は、回転位置情報を算出部19に送信する。上記の処理部37および送信部35は、例えば、図4に示した電子部品15bに設けられる。第2検出部24および送信部35は、それぞれ、バッテリー16から供給される電力によって動作する。
そして、算出部19は、トルク検出用モジュール1の検出部3(第1検出部23、第2検出部24)から得られる情報(例、少なくとも2つの回転位置情報)に基づいて、トルク検出用モジュール1(例、図5の本体部6)に働くトルクを算出する。算出部19は、図5の弾性部2(本体部6)に働くトルクの推定する(トルクの推定値を算出する)。算出部19は、第1検出部23から得られる回転位置情報と、第2検出部24から得られる回転位置情報との演算(例、差分)により、図5に示した第1の対象領域A1と第2の対象領域A2との相対的な回転位置情報を取得する。算出部19は、図3の説明と同様に、相対的な回転位置情報に基づいてトルクを算出する。
図6は、変形例に係るトルク検出用モジュール1を示すブロック図である。図6(A)において、センサ28およびセンサ33は、それぞれ、検出結果を1つの処理部18に出力する。処理部18は、センサ28の検出結果およびセンサ33の検出結果に基づいて、第1の対象領域A1(図4参照)と第2の対象領域A2(図4参照)との相対的な回転位置情報を算出する。処理部18は、算出した回転位置情報を送信部17に出力する。送信部17は、処理部18が算出した回転位置情報を算出部19に送信する。そして、上述した通り、算出部19は、送信部17から受信した回転位置情報に基づいてトルクを算出する。
図6(B)において、トルク検出用モジュール1は、上述の算出部19を備える。処理部18は、図6(A)と同様に、センサ28の検出結果およびセンサ33の検出結果に基づいて、第1の対象領域A1(図4参照)と第2の対象領域A2(図4参照)との相対的な回転位置情報を算出する。処理部18は、算出した回転位置情報を算出部19に出力する。算出部19は、処理部18から出力された回転位置情報に基づいてトルクを算出する。算出部19は、算出したトルクを送信部17に出力する。送信部17は、算出部19から出力されたトルクを外部(例、図5の制御装置60)に送信する。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図7は、第3実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。本実施形態において、検出部3は透過型検出部(例、光透過型エンコーダ)を含む。検出部3は、第1検出部23および第2検出部24を含み、第1検出部23および第2検出部24はいずれも透過型検出部である。
第1検出部23は、スケール25、照射部27、及びセンサ28を備える。スケール25は、支持部材7に設けられる。照射部27は、スケール25に対して、第2回転体SF2と同じ側(+Z側)に配置される。照射部27は、例えば接続部5の面5b上に配置される。照射部27は、例えば接続部5に固定され、接続部5に支持される。照射部27は、支持部材7に設けられたスケール25(透過パターン)に光を照射する。
センサ28は、スケール25に対して、第1回転体SF1と同じ側(−Z側)に配置される。センサ28は、スケール25に対して照射部27と反対側に配置される。センサ28は、スケール25を透過した光を検出する。本実施形態において、第1の対象領域A1は、センサ28が配置される領域を含む。このように、第1検出部23は、支持部材7(スケール25)と第1の対象領域A1(センサ28)との相対的な回転位置情報を検出する。
第2検出部24は、スケール30(透過パターン)、照射部32、及びセンサ33を備える。スケール30は、支持部材7に設けられる。スケール30は、回転軸AXを中心とする円周の1周分(360°)の範囲に連続して設けられてもよい。この場合、スケール30は、スケール25と同じ(共用)でもよい。スケール30は、回転軸AXを中心とする円周の一部に設けられ、スケール25と別に設けられてもよい。
照射部32は、スケール30に対して、第1回転体SF1と同じ側(−Z側)に配置される。照射部32は、例えば接続部4の面4b上に配置される。照射部32は、例えば接続部4に固定され、接続部4に支持される。照射部32は、支持部材7に設けられたスケール30に光を照射する。
センサ33は、スケール30に対して、第2回転体SF2と同じ側(+Z側)に配置される。センサ33は、スケール30に対して照射部27と反対側に配置される。センサ33は、スケール30を透過した光を検出する。本実施形態において、第2の対象領域A2は、センサ33が配置される領域を含む。このように、第2検出部24は、支持部材7(スケール30)と第2の対象領域A2(センサ33)との相対的な回転位置情報を検出する。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図8は、第4実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。本実施形態において、トルク検出用モジュール1の弾性部2は、外力(第1回転体SF1又は第2回転体SF2の回転力)によって回転可能な軸部41を備える。軸部41の回転軸(中心軸)は、回転軸AXと同軸である。軸部41は、第1回転体SF1に固定される第1接続部41a(例、第1端部)と、第2回転体SF2に固定される第2接続部41b(例、第2端部)とを備える。
軸部41は、第1回転体SF1と第2回転体SF2とに接続する。軸部41は、Z方向(回転軸AXの軸方向)の周りで第1回転体SF1に対して回転しないように(滑りが生じないように)、第1回転体SF1と固定される。また、軸部41は、Z方向の周りで第2回転体SF2に対して回転しないように(滑りが生じないように)、第2回転体SF2と固定される。軸部41には、例えば第1回転体SF1から第2回転体SF2へ伝達されるトルクによってねじれの変形が生じ、検出部3は、弾性部2を用いて軸部41のねじれの変形を検出する。
本実施形態において、弾性部2は、軸部41、支持部材7、支持部材42、及び支持部材43を備える。軸部41、支持部材7、支持部材42、及び支持部材43は、2以上が一体的に形成されてもよいし、それぞれが互いに独立した部品として形成されてもよい。支持部材7は、軸部41に固定されている。支持部材7は、Z方向の周りで軸部41に対して回転しないように固定される。なお、支持部材7は、Z方向の周りで軸部41に対して回転可能なように固定(支持)されてもよい。
支持部材42は、支持部材7に対して第1回転体SF1と同じ側(−Z側、面7bに対向する側)に配置される。支持部材42は、例えば板状の部材であり、支持部材7と対向するように配置される。支持部材42は、Z方向の周りで軸部41の第1接続部41aに対して回転しないように、軸部41に固定される。
第1の対象領域A1および第1検出部23は、弾性部2の内部(空間SP)に設けられる。第1の対象領域A1および第1検出部23は、例えば、軸部41の外周よりも外側(軸部41の周囲)、かつ弾性部2の外周よりも内側に配置される。弾性部2の内部は、例えば、アキシャル方向(Z方向)において、支持部材42から支持部材43までの領域の少なくとも一部を含む。また、空間SPは、空間SP1および空間SP2を含む。第1の対象領域A1(スケール25)および第1検出部23は、空間SP1に設けられる。空間SP1は、Z方向において、支持部材7と支持部材42とに挟まれる領域を有する空間を含む。空間SP1は、Z方向から見た(回転軸AXの軸方向視)場合に支持部材7と支持部材42との一方または双方と重なる領域である。
第1検出部23のスケール25(第1の対象領域A1)は、支持部材42に設けられる。スケール25は、支持部材42において支持部材7と対向する面42aに設けられる。第1検出部23の検出ヘッド26は、支持部材7において、支持部材42と対向する面7bに設けられる。
支持部材43は、支持部材7に対して第2回転体SF2と同じ側(+Z側、面7aに対向する側)に配置される。支持部材43は、例えば板状の部材であり、支持部材7と対向するように配置される。支持部材43は、Z方向の周りで軸部41の第2接続部41bに対して回転しないように、軸部41に固定される。
第2の対象領域A2および第2検出部24は、弾性部2の内部(空間SP)に設けられる。第2の対象領域A2および第2検出部24は、例えば、軸部41の外周よりも外側(軸部41の周囲)、かつ弾性部2の外周よりも内側に配置される。第2の対象領域A2(スケール30)および第2検出部24は、空間SPのうち空間SP2に設けられる。空間SP2は、Z方向において支持部材7と支持部材43とに挟まれる領域を有する空間を含む。空間SP2は、Z方向から見た(回転軸AXの軸方向視)場合に支持部材7と支持部材43との一方または双方と重なる領域である。
第2検出部24のスケール30は、支持部材43に設けられる。スケール30は、支持部材43において支持部材7と対向する面43aに設けられる。第2検出部24の検出ヘッド31は、支持部材7において支持部材43と対向する面7aに設けられる。
本実施形態に係るトルク検出用モジュール1は、弾性部2の剛性を、軸部41に持たせること(軸部41によって調整すること)ができる。トルク検出用モジュール1は、例えば、軸部41の材料選択によって弾性部2の剛性を設定することが容易である。例えば、第1回転体SF1から第2回転体SF2へ伝わることが想定されるトルクのレベル(程度)に基づいて、軸部41の剛性を設定することが容易である。例えば、軸部41の剛性が高い場合、トルクに対する弾性部2の変形量(例、ねじれ角)が小さいので、測定可能なトルクの上限が高くなる。また、例えば、軸部41の剛性が低い場合、トルクに対する弾性部2の変形量(例、ねじれ角)が大きいので、トルクに対する感度(検出精度)が高くなる。
実施形態に係るトルク検出用モジュール1において、弾性部2は、図2などに示した本体部6の少なくとも一部と、図8などに示した軸部41の少なくとも一部との一方または双方を含む。例えば、軸部41が設けられない場合、弾性部2は、本体部6(図2参照)の少なくとも一部を含む。また、軸部41が設けられる場合、弾性部2は、本体部6の少なくとも一部を備えてもよいし、本体部6を備えなくてもよい。
なお、図8において、空間SP1および空間SP2は、それぞれ空隙である。空間SP1には、図4に示した第1弾性部21が設けられてもよい。また、空間SP2には、図4に示した第2弾性部22が設けられてもよい。また、第1回転体SF1および第2回転体SF2は、それぞれ、所定部材に対して回転し、支持部材7は、この所定部材に対して回転しないように固定されてもよい。この場合、第1検出部23は、第1回転体SF1の回転位置情報を検出してもよい。また、第2検出部24は、第2回転体SF2の回転位置情報を検出してもよい。
上記の回転位置情報は、回転の数を表す多回転情報と、1回転未満の角度位置を表す角度位置情報との一方または双方を含む。トルク検出用モジュール1は、例えば、第1回転体SF1から伝わるトルクと、第1回転体SF1の回転位置情報とを検出してもよい。この場合、トルク検出用モジュール1の検出結果に基づいて、第1回転体SF1に働く馬力が算出されてもよい。
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図9は、第5実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。本実施形態において、弾性部2は、中空の軸部41を備える。第1の対象領域A1、第2の対象領域A2、及び検出部3は、弾性部2の内部であって、中空の軸部41の内部に設けられる(後の図10に示す)。
図10は、第5実施形態に係るトルク検出用モジュールをラジアル方向(例、Y方向)から見た図である。図10において、弾性部2は、第1接続部4、第2接続部5、軸部41、及び支持部材7を備える。第1接続部4は、Z方向の周りで第1回転体SF1に対して回転しないように、第1回転体SF1と固定される。第2接続部5は、Z方向の周りで第2回転体SF2に対して回転しないように、第2回転体SF2と固定される。
軸部41は、Z方向において、第1接続部4と第2接続部5とに挟まれている。軸部41は、例えば、円筒状の部材である。軸部41は、Z方向の周りで第1接続部4に対して回転しないように、固定部材45によって第1接続部4と固定されている。軸部41は、Z方向の周りで第2接続部5に対して回転しないように、固定部材46によって第2接続部5と固定されている。支持部材7は、軸部41の内側に配置され、軸部41の内壁に固定されている。
なお、第1接続部4と第2接続部5との一方または双方は、軸部41の一部でもよい。例えば、第1接続部4と第2接続部5との一方または双方は、鋳型あるいは型成形などによって軸部41と一体的に形成された部材(軸部、軸部材)でもよい。実施形態に係る弾性部2の軸部は、第1接続部4と第2接続部5との一方または双方と、軸部41(軸本体部)とを備えてもよい。
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図11は、第6実施形態に係るトルク検出用モジュールを示す図である。本実施形態において、トルク検出用モジュール1は、磁気式エンコーダを備える。
検出部3は、スケール11およびセンサ14を備える磁気式エンコーダを含む。スケール11は、回転軸AXの周りの角度位置によって磁界が変化する磁気パターンを含む。磁気パターンは、回転軸AXを中心とする回転方向に着磁された磁石でもよい。磁気パターンは、回転軸AXを中心とする回転方向に複数の磁極を有する磁石でもよい。
検出部3は、回転方向のねじれを検出するために、所定面に沿って配置される。上記の所定面は、アキシャル方向(Z方向)に垂直な面(XY面)、アキシャル方向に垂直な面に平行な面)、回転方向を含む面、回転方向を含む面に平行な面などである。例えば、スケール11の磁気パターンは、上記の所定面(例、第2接続部5の面5b)に沿うように設けられる。また、センサ14は、上記の所定面(例、支持部材7の面7a)に沿うように設けられる。
センサ14は、スケール11と対向するように、配置される。支持部材7は、検出部3の少なくとも一部(例、センサ14)を支持する。支持部材7は、例えば、プリント基板などの処理基板を含む。支持部材7は第1接続部4に固定されており、センサ14は、支持部材7においてスケール11と対向する面7aに設けられている。センサ14は、スケール11を磁気的に検出する。センサ14は、例えば、ホール素子あるいはMRセンサなどの磁気センサを含む。
図12は、変形例に係るトルク検出用モジュール1を示す図である。図12(A)および図12(B)のそれぞれにおいて、検出部3は、第1検出部23および第2検出部24を含む。第1検出部23および第2検出部24は、それぞれ、磁気式エンコーダを含む。第1検出部23および第2検出部24は、それぞれ、図11の検出部3と同様の構成である。
図12(A)において、弾性部2(本体部6)は、第1弾性部21および第2弾性部22を含む。第1弾性部21は、支持部材7と第1接続部4との間の空間SP1に充填された樹脂を含む。第1検出部23は、空間SP1に配置されている。第1検出部23のスケール25(磁気スケール)は、第1接続部4に設けられる。第1検出部23のセンサ28(磁気センサ)は、第1接続部4の面4bと対向する位置に配置される。第1検出部23のセンサ28は、支持部材7においてスケール25と対向する位置に配置される。
また、第2弾性部22は、支持部材7と第2接続部5との間の空間SP2に充填された樹脂を含む。第2検出部24は、空間SP2に配置されている。第2検出部24のスケール30(磁気スケール)は、第2接続部5に設けられる。第2検出部24のセンサ33(磁気センサ)は、第2接続部5の面5bと対向する位置に配置される。第2検出部24のセンサ33は、支持部材7においてスケール30と対向する位置に配置される。
図12(B)において、弾性部2は、軸部41を備える。軸部41は、第1回転体SF1と第2回転体SF2とを接続する。支持部材7は、Z方向において第1回転体SF1と第2回転体SF2との間の軸部41に固定される。支持部材42は、Z方向において第1回転体SF1と支持部材7との間の軸部41に固定される。支持部材43は、Z方向において支持部材7と第2回転体SF2との間の軸部41に固定される。
第1検出部23は、Z方向において支持部材7と支持部材42との間の空間SP1に配置される。第1検出部23のスケール25(磁気スケール)は、支持部材42に設けられる。第1検出部23のセンサ28(磁気センサ)は、支持部材7においてスケール25と対向する位置に配置される。第2検出部24は、Z方向において支持部材7と支持部材43との間の空間SP2に配置される。第2検出部24のスケール30(磁気スケール)は、支持部材43に設けられる。第2検出部24のセンサ33(磁気センサ)は、支持部材7においてスケール30と対向する位置に配置される。
なお、図12において、第1検出部23および第2検出部24は、一方の検出部(例、第1検出部23)が磁気式エンコーダ(磁気式検出部)を含み、他方の検出部(例、第2検出部24)が光学式エンコーダ(光学式検出部)を含んでもよい。また、上記した各実施形態において、第1検出部23の検出結果に基づいて第1のトルクが算出され、第2検出部24の検出結果に基づいて第2のトルクが算出されていもよい。第1のトルクは、例えば図12(A)の場合、アキシャル方向において、支持部材7と第1回転体SF1との間の部分(例、第1弾性部21)に働くトルクである。第1のトルクは、例えば、第1検出部23の検出結果から得られるねじれ角に基づいて、第1実施形態で説明した手法により算出される。また、第2のトルクは、例えば図12(A)の場合、アキシャル方向において、支持部材7と第2回転体SF1との間の部分(例、第2弾性部22)に働くトルクである。第2のトルクは、例えば、第2検出部24の検出結果から得られるねじれ角に基づいて、第1実施形態で説明した手法により算出される。上記の第1のトルクと第2のトルクとは、弾性体2の内部の力が釣り合っている状態において、ほぼ同じになる。例えば、上記の第1のトルクと第2のトルクとの比較によって、トルク検出の信頼性が向上する。
[ステージ装置]
次に、実施形態に係るステージ装置について説明する。図13は、実施形態に係るステージ装置を示す図である。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
このステージ装置STGは、駆動装置50の第1回転体SF1に、トルク検出用モジュール1および第2回転体SF2を介して回転テーブルTB(ステージ、移動体、回転体)を取り付けた構成である。ステージ装置STGは、駆動装置50を駆動して第1回転体SF1を回転させる。この回転は、トルク検出用モジュール1を介して回転テーブルTBに伝達される。第1回転体SF1が回転する際に、トルク検出用モジュール1は、第1回転体SF1と第2回転体SF2との間に働くトルクに関する情報(例、図2の本体部6のねじれ角)を検出する。
ステージ装置STGは、トルク検出用モジュール1の検出結果に基づいて、駆動装置50を制御する。例えば、ステージ装置STGは、トルク検出用モジュール1の検出結果から算出されるトルクの推定値が閾値を超える場合、第1回転体SF1の角速度を低下させ、あるいは第1回転体SF1の回転を停止させる。なお、ステージ装置STGは、第2回転体SF2の回転運動を直線運動に変換してステージを駆動する構成でもよい。例えば、ステージ装置STGは、Xステージ、XYステージ、あるいはXYZステージ等のように、ステージを直線的に移動させてもよい。
[ロボット装置]
次に、実施形態に係るロボット装置について説明する。図14は、実施形態に係るロボット装置を示す図である。なお、図14には、ロボット装置RBTの一部(関節部分)を模式的に示した。以下の説明において、上記した実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略装置または簡略化する。
このロボット装置RBTは、第1アームAR1と、第2アームAR2と、関節部JTとを有している。第1アームAR1は、関節部JTを介して、第2アームAR2と接続されている。
第1アームAR1は、腕部101、軸受101a、及び軸受101bを備えている。第2アームAR2は、腕部102および接続部102aを有する。接続部102aは、関節部JTにおいて、軸受101aと軸受101bの間に配置されている。接続部102aは、回転体SFRと一体的に設けられている。回転体SFRは、関節部JTにおいて、軸受101aと軸受101bの両方に挿入されている。回転体SFRのうち軸受101bに挿入される側の端部は、軸受101bを貫通して減速機RGに接続されている。
駆動装置50の回転体は、トルク検出用モジュール1を介して減速機RGに接続される。減速機RGは、駆動装置50の回転を例えば100分の1等に減速して回転体SFRに伝達する。ロボット装置RBTは、駆動装置50の回転体を回転させる。回転体SFの回転は、トルク検出用モジュール1および減速機RGを介して、回転体SFRに伝達される。接続部102aは回転体SFRと一体的に回転し、第2アームAR2は、接続部102aの回転によって第1アームAR1に対して回転する。なお、トルク検出用モジュール1は、減速機RGと回転体SFRとの間のトルクの伝達経路に設けられてもよい。
第1アームAR1と第2アームAR2とが相対的に回転する際に、トルク検出用モジュール1は、駆動装置50の回転体に働くトルクに関する情報(例、図2の本体部6のねじれ角)を検出する。ロボット装置RBTは、トルク検出用モジュール1の検出結果に基づいて、駆動装置50を制御する。例えば、ロボット装置RBTは、トルク検出用モジュール1の検出結果から算出されるトルクの推定値が閾値を超える場合、駆動装置50の回転体の角速度を低下させ、あるいは駆動装置50の回転体の回転を停止させる。なお、ロボット装置RBTは、上記の構成に限定されず、駆動装置50は、関節を備える各種ロボット装置に適用できる。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。