JP2018135892A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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加藤 弘之
Hiroyuki Kato
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Abstract

【課題】転がり軸受が油浴潤滑方式で潤滑される転がり軸受装置において、撹拌による潤滑油の温度上昇を抑制する。【解決手段】転がり軸受12は、複列の外側軌道面41を備えた外輪13と、複列の内側軌道面46を備えた内輪14と、外輪13と内輪14とで径方向に画定された環状空間Kに配置された複数の転動体15と、保持器17とを備える。油浴は、少なくとも外輪13の外周とつながる油だまり25を備えている。外輪13は、複列の外側軌道面41の間で、環状空間Kと油だまり25とを径方向に連通する流路44を有するとともに、当該流路44を流れる潤滑油の流量を調整する流量調整部材37を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、油浴潤滑方式で潤滑される転がり軸受装置に関する。
鉄道車両の軸箱などの転がり軸受装置では、車輪を回転支持する転がり軸受として、円すいころ軸受や円筒ころ軸受等が使用される。転がり軸受を潤滑する方式として、油浴潤滑方式とグリース潤滑方式が、用途に応じて選択的に利用される。鉄道車両の用途では、転がり軸受の軌道面に潤滑油を確実に供給するために、油浴潤滑方式が使用される場合がある。油浴潤滑方式とは、転がり軸受の一部を潤滑油内に浸漬させ、転がり軸受が回転するときに公転運動をする転動体が潤滑油をかき上げて、全周にわたって軌道面を潤滑する潤滑方式である。図6は、特許文献1に記載されている軸箱10の軸方向断面図である。
特許文献1の転がり軸受12は、複列円すいころ軸受であって、外輪13が軸箱10に固定されており、回転自在である内輪14に車軸20が嵌め合わされている。車軸20には、図示しない車輪が一体に組付けられている。軸箱10には車軸20の軸端部を覆うフロントカバー21が設置されており、転がり軸受12とフロントカバー21との間に、油浴としての第1油だまり24が形成されている。図6に示すように、潤滑油は、鉛直方向下方の円すいころ15(転動体)が浸る程度の深さまで注入されている。
転がり軸受12の鉛直方向下方では、外輪13が嵌め合わされている嵌め合い面の内周に、第1油だまり24と連通する第2油だまり25が設けられている。
転がり軸受12の外輪13には、径方向に貫通する油孔16が設けられている。油孔16は、外輪13の外周に向けて開口しており、第2油だまり25の潤滑油が、外輪13の内側に流入することができる。
これにより、複列の軌道面により確実に潤滑油を供給することができる。
特開2010−38253号公報
油浴潤滑方式では、グリース潤滑方式等に比べて多量の潤滑油を連続的に供給できるので信頼性が高い反面、潤滑油が撹拌されることによって潤滑油の温度(油温)が上昇する。油温が過度に上昇すると、潤滑油が劣化して潤滑性能が低下したり、軸箱10の周辺に組み込まれたゴム製の部品が熱で劣化したりする場合がある。
一方、潤滑油の撹拌を低減するために、油孔16から供給される潤滑油の量を少なくした場合には、軌道面に供給される潤滑油量が減少し、焼き付きなどの不具合を生じるおそれがある。
そこで、本発明は、転がり軸受を油浴潤滑方式で潤滑する場合に、軌道面に確実に潤滑油を供給するとともに、撹拌による潤滑油の温度上昇を抑制した転がり軸受装置を提供することを目的としている。
本発明は、回転体を回転支持する転がり軸受を備え、前記転がり軸受は、内周に複列の外側軌道面を備えた環状の外輪と、前記外輪の内側に同軸に配置され外周に複列の内側軌道面を備えた環状の内輪と、前記外輪と前記内輪とで径方向に画定された環状空間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備えるとともに、油浴に貯留した潤滑油で潤滑される転がり軸受装置であって、前記油浴は、少なくとも前記外輪の外周とつながる油だまりを備えており、前記外輪は、前記複列の外側軌道面の間で前記環状空間と前記油だまりとを径方向に連通する流路を有するとともに、当該流路を流れる潤滑油の流量を調整する流量調整部材を備えている。
本発明によると、転がり軸受を油浴潤滑方式で潤滑する場合に、軌道面に確実に潤滑油を供給するとともに、撹拌による潤滑油の温度上昇を抑制することができる。
本発明の第1実施形態である鉄道車両用軸箱の軸方向断面における要部拡大図である。 電磁弁の構成を説明する模式図である。 第2実施形態における外輪単体の軸方向断面図である。 第3実施形態の鉄道車両用軸箱の軸方向断面における要部拡大図である。 図4におけるA−Aの位置から矢印の向きに見た断面図である。 従来の鉄道車両用軸箱の軸方向断面図である。
(第1実施形態)
本発明にかかる転がり軸受装置の一実施形態(以下「第1実施形態」)を、図によって詳細に説明する。図1は、第1実施形態である鉄道車両用軸箱30(以下、単に「軸箱」という)の軸方向断面の要部拡大図である。第1実施形態の軸箱30は、外輪13に、潤滑油の流量を調整する流量調整部材としての電磁弁37を設けた点に特徴がある。従来の軸箱10と共通する構成については、図6を参照しつつ同一の符号を付して説明する。
軸箱30は、車輪(図示を省略した)が一体に組付けられた回転体としての車軸20を回転支持する装置である。
軸箱30は、車両の台車に固定される筐体と、転がり軸受12としての複列円すいころ軸受を備えている。転がり軸受12は、筐体に固定されている。
車軸20は、軸方向両端で転がり軸受12によって回転自在に支持されている。図1は、軸方向の一方の端部における転がり軸受12を示しており、特に、鉛直方向下方において、転がり軸受12の近傍に潤滑油が貯留されている状態を示している。
以下の説明では、車軸20の軸線方向を「軸方向」といい、軸方向と直交する方向を「径方向」、車軸20の回りを周回する方向を「周方向」という。
図1に示すように、転がり軸受12は、一つの外輪13と、一対の内輪14,14と、転動体としての複数の円すいころ15と、複数の保持器17とで構成されている。
外輪13は、環状で、軸受鋼などの高炭素鋼で製造されている。外輪13の外周は、略円筒形状である。軸方向の中央には環状の凹部18が形成されており、全周にわたって両外側の外径寸法より小径となっている。
内周には、二列の外側軌道面41,41が形成されている。外側軌道面41,41は、軸方向で互いに逆向きのテーパ面であり、それぞれ、軸方向両側の開口端に近づくにしたがって拡径する向きに形成されている。また、二列の外側軌道面41,41は、それぞれの小径側が互いに内周面42でつながっている。内周面42は、外周面43と同軸の円筒形状である。
外輪13には、径方向に貫通する電磁弁取付孔44(流路)が設けられている。電磁弁取付孔44は、円筒形状で、凹部18の周方向の1カ所に形成されている。電磁弁取付孔44は、外輪13の内周側では、二列の外側軌道面41,41で軸方向に挟まれた内周面42に開口している。電磁弁取付孔44には、電磁弁37が組み込まれている。転がり軸受12が軸箱30に組付けられたときには、電磁弁取付孔44は、鉛直方向で最も下方に位置するように組み付けられている。
図2は、電磁弁37の構成を説明する模式図である。電磁弁37は、電磁コイル38とプランジャ39を備えている。プランジャ39は、磁力によって軸方向に変位し、弁40を開閉する。第1実施形態では、外輪13に電磁弁37を設置することによって、電磁弁取付孔44を流れる潤滑油の流量を調整することができる。
なお、電磁弁37は、電気信号のON―OFFによって弁40の開閉を切り替えるものであってもよいし、入力される電気信号の大きさに応じて弁40が開口する大きさを連続的に可変とするものであってもよい。
再び図1によって説明する。一対の内輪14,14は、互いに同一形状である。各内輪14は、環状で、軸受鋼などの高炭素鋼で製造されている。内周は円筒形状である。外周にはそれぞれ単列の内側軌道面46が形成されている。内側軌道面46は、軸方向の一方の側に向かうにしたがって拡径するテーパ面である。内側軌道面46の大径側と小径側には、それぞれ全周にわたって径方向外方に延在する大鍔47と小鍔48が形成されている。大鍔47には、円すいころ15を周方向に案内する案内面49が形成されている。
一対の内輪14,14は、小鍔48が形成されている側(正面側)の端面が互いに向き合うように組み合わされている。
円すいころ15は、円錐台の形状であって、軸受鋼などの高炭素鋼で製造されている。その外周面は、母線の向きが外側軌道面41及び内側軌道面46の母線の向きと同一となるように形成されている。
保持器17は、薄肉の圧延鋼板をプレス成型することによって、略円筒形状に形成されている。円筒面には、円すいころ15の外形と略同一形状の抜き孔(ポケット)が、周方向に所定の間隔で複数形成されている。円すいころ15は、各ポケットに挿入されて、周方向に等しい間隔で保持されている。
こうして、転がり軸受12では、外輪13と一対の内輪14,14とが同軸に組み合わされており、外輪13と内輪14,14とで径方向に画定される環状の空間(以下、「環状空間K」という)が形成されている。円すいころ15は、当該環状空間Kに配置されて、外側軌道面41と内側軌道面46との間で転動自在である。
筐体は、転がり軸受12を固定するハウジング31と、その軸方向両端部にそれぞれ設置されるフロントカバー21及びリアカバー22(図6参照)を備えている。
ハウジング31には、内周に軸受装着孔32が形成されている。軸受装着孔32の内周は円筒形状であって、外輪13の外周が嵌め合わされている。軸受装着孔32のフロントカバー21側の端部には、径方向内方に突出した鍔33が形成されている。外輪13が鍔33と当接することによって、転がり軸受12が、軸方向の所定の位置に組み付けられている。
内輪14,14の内周には車軸20が嵌め合わされている。車軸20の外周に螺合したナットを締め付けることによって、内輪14,14が車軸20に固定されている。
ハウジング31の一方の開口部には、フロントカバー21が取り付けられている。フロントカバー21は車軸20の軸端部を覆った状態で設置されており、転がり軸受12とフロントカバー21との間には、密閉された密閉空間Eが形成されている。フロントカバー21とハウジング31との嵌め合い部にはOリング54が装着されていて、潤滑油の漏出が防止されている。
また、ハウジング31の他方の開口部には、リアカバー22が取り付けられている。リアカバー22の内周にはゴム製のオイルシールが装着されるとともに、ラビリンスが形成されており、車軸20とリアカバー22との間から潤滑油が漏出するのを防いでいる。さらに、リアカバー22とハウジング31との嵌め合い部にはOリング55が装着されていて、当該嵌め合い部からの潤滑油の漏出が防止されている。
次に、図1によって、第1実施形態における潤滑油の流れについて説明する。
密閉空間Eには、潤滑油が注入されており、その鉛直方向下方に第1油だまり24が形成されている。第1油だまり24では、潤滑油が、転がり軸受12の鉛直方向で最も下方にある円すいころ15が浸る程度に注入されている。
第1油だまり24に貯留されている潤滑油は、内輪14と外輪13との間の環状の開口部から環状空間Kに、直接流入している。
軸受装着孔32の内周には、鉛直方向下方に、第2油だまり25が形成されている。第2油だまり25の密閉空間Eの側には、第1油だまり24と連通する流入溝26が設けられており、第1油だまり24に注入された潤滑油は、流入溝26を通って第2油だまり25に流入している。
第2油だまり25が、軸受装着孔32の内周面に開口する開口部の大きさは、軸方向では、外輪13の軸方向寸法より小さく、周方向では、軸受装着孔32の内周の1/4〜1/3程度である。第2油だまり25は、転がり軸受12の外輪13の外周と、軸方向のほぼ中央で向き合う位置に形成されている。
こうして、軸箱30では、第1油だまり24及び第2油だまり25は、転がり軸受12に供給する潤滑油を貯留する「油浴」を形成している。
外輪13に、径方向に貫通する電磁弁取付孔44を設けることによって、環状空間Kと第2油だまり25とが連通している。電磁弁取付孔44には、電磁弁37が装着されているので、第1油だまり24に貯留されている潤滑油は、第2油だまり25及び電磁弁37を経由して、環状空間Kに流入している。
電磁弁取付孔44は、外輪13の内周面42に開口している。内周面42の位置が、第1油だまり24の潤滑油の油面高さより低いので、特に、ポンプ等の装置を使用しなくても、第1油だまり24の潤滑油が、環状空間Kに流入することができる。
こうして、環状空間Kには、潤滑油が、次のように、二つの経路から環状空間Kに流入している。第1の経路は、外輪13と内輪14との間の開口部から、直接環状空間Kに流入する経路である。第2の経路は、第1油だまり24の潤滑油が第2油だまり25及び電磁弁37を経由して、環状空間Kに流入する経路である。
環状空間Kでは、鉛直方向下方において、円すいころ15と保持器17の一部が、潤滑油に浸漬されている。
内輪14,14が回転すると、円すいころ15は、外側軌道面41及び内側軌道面46上を転動し、保持器17とともに軸線の周りを公転する。
このとき、環状空間K内で鉛直方向下方にある潤滑油は、円すいころ15及び保持器17にかき上げられて環状空間K内を移動し、軌道面の全周にわたって潤滑油が供給される。
また、第1実施形態では、外側軌道面41がテーパ面であり、開口端に向かうにしたがって拡径する向きに傾斜している。このため、円すいころ15及び保持器17によってかき上げられた潤滑油が、遠心力によって外側軌道面41に押し付けられて、外側軌道面41に沿って流動し、密閉空間Eに向けて流出する。密閉空間Eに流出した潤滑油は、第1油だまり24に還流している。
こうして、軸箱30では、鉛直方向下方で、転がり軸受12の一部に流入している潤滑油が、円すいころ15及び保持器17によってかき上げられ、その後、速やかに密閉空間Eに向けて排出される。これに伴って、上記の第1の経路と第2の経路を通って、潤滑油が連続的に供給されている。
このように、潤滑油が激しく撹拌されるとその油温が上昇するが、第1実施形態では、外輪13に電磁弁37を設けることによって、油温が過度に上昇するのを抑制している。以下に、電磁弁37の効果について説明する。
図2を参照する。電磁弁37は、潤滑油の温度に応じて弁40を開閉することができる。例えば、第1油だまり24や密閉空間Eにサーミスタなどの油温センサ51を設置することによって、潤滑油の温度を測定することができる。測定した温度が所定の値を越えたときに、制御装置52から電磁弁37に電気信号Vを送信し、弁40を閉じることができる。これにより、環状空間Kに流入する潤滑油の流量が減少するので、撹拌を抑制し、潤滑油の昇温を低く抑えることができる。
一方、潤滑油の温度が低い場合には、電磁弁37への電気信号Vの送信を停止し、弁40を開放する。これによって、環状空間Kに多量の潤滑油を供給することができる。こうして、円すいころ15と外側軌道面41及び内側軌道面46との転がり接触部に確実に潤滑油を供給することができるので、焼き付きなどの不具合を確実に防止することができる。
なお、電磁弁37が作動する条件は、上記の例に限定されるものではない。例えば、回転速度センサを設置し、車軸20の回転速度に応じて、電磁弁37を作動させてもよい。車軸20の回転速度が所定の値を超えたときに弁40を閉じることによって、流入する潤滑油の流量を低減し、撹拌による温度上昇を抑制することができる。
また、第1実施形態では、外輪13には円周方向の1カ所に、電磁弁37が取り付けられているが、複数の電磁弁37を設けてもよい。
以上説明したように、第1実施形態の軸箱30では、外輪13に電磁弁37を設けて環状空間Kに流入する潤滑油の量を制限できる。このため、環状空間K内の潤滑油の量を調整することができる。これによって、潤滑油の撹拌を抑制することができるので、潤滑油の昇温を抑制することができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態における外輪81単体の軸方向断面図を示している。第2実施形態の軸箱80(転がり軸受装置)では、転がり軸受12の外輪81が、一対の環状の外側レース82,82とその間に設けられた環状の間座83とで構成される点が、第1実施形態と異なる。
外側レース82,82は、環状で、軸受鋼などの高炭素鋼で製造されている。外側レース82の外周は円筒形状である。内周には、単列の外側軌道面41が形成されている。
間座83は、円筒形状であって、炭素鋼で製造されている。軸方向両側の側面84,84は互いに平行である。間座83には、軸方向の略中央に径方向に貫通する電磁弁取付孔44が設けられており、電磁弁取付孔44には電磁弁37が組み込まれている。電磁弁37の形態は、第1実施形態における電磁弁37と同様である。
第2実施形態の外輪81では、一対の外側レース82,82と間座83とが軸方向に同軸に組み合わされている。各外側軌道面41は、軸方向で互いに逆向きのテーパ面となる向きに組み合わされており、それぞれ、間座83の反対側の開口端に向かうにしたがって拡径している。
転がり軸受12をハウジング31に組付けた後、リアカバー22を装着することによって、外側レース82,82と間座83とが互いに軸方向に密着して組み付けられる。
こうして、外側レース82,82と間座83とが組み合わされた外輪81は、全体として、第1実施形態における外輪13と同一の形態である。したがって、第2実施形態の軸箱80においても、環状空間Kには、内輪14と外輪81との間の環状の開口部から第1油だまり24の潤滑油が流入するとともに、間座83に設けた電磁弁37を通って、第2油だまり25の潤滑油が流入する。
第2実施形態の軸箱80では、第1実施形態の軸箱30と同様に、外輪81に電磁弁37を設けることによって、第2油だまり25から環状空間Kに流入する潤滑油の量を制限できる。このため、環状空間K内の潤滑油の量を調整することができる。これによって、潤滑油の撹拌を抑制することができるので、潤滑油の昇温を抑制することができる。
さらに、間座83を、外側レース82と別体とすることによって、外輪81への電磁弁37の組み付けが容易になる。また、間座83と電磁弁37とを組み合わせた組立品を、ユニットとして製造できるので外輪81の製造工程を効率化することができる。
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態の軸箱90(転がり軸受装置)の軸方向断面の要部拡大図である。図5は、図4におけるA−Aの位置で、矢印の向きに見た形態を示している。軸箱90では、フロントカバー21の内周に、潤滑油が環状空間Kに向けて直接流入するのを防止する流入防止手段としての仕切り板91が装着されている点が、第1実施形態の転がり軸受装置と異なる。以下の説明では、第1実施形態と共通する構成については説明を簡単にする。なお、図5では、仕切り板91の形態を明確にするために、ハッチングを付している。
図4に示すように、仕切り板91は、円板状であって、その軸方向断面は、軸方向に浅いコの字状である。仕切り板91は、冷間圧延鋼板をプレス成型することによって製造されており、外周が全周にわたって軸方向に折り曲げられている仕切り部92と、固定部93とで構成されている。
固定部93は、円筒形状であり、その外周は、フロントカバー21の内周に締まりばめの状態で組み付けられている。
図5を参照して、仕切り部92には、径方向に偏心した位置に車軸貫通孔94が形成されている。車軸貫通孔94は、円弧95と弦96とで構成されている。仕切り板91を軸箱90に組み付けたときには、円弧95を形成する円の中心Cは、車軸20と同軸に位置している。円弧95の直径寸法は、外側軌道面41の大端径(正面側の寸法である)と同等かこれよりわずかに大きい値である(図4参照)。
弦96の向きは水平方向に形成されている。弦96は、第1油だまり24に貯留された潤滑油の油面の高さより高い位置に設けられている。(注:第1実施形態の場合と油面の高さが異なります)これにより、第1油だまり24と環状空間Kとが仕切られるので、第1油だまり24の潤滑油が、直接環状空間Kに向けて流入するのを防止することができる。
車軸貫通孔94の下方には、軸方向に貫通する連通孔97が形成されている。連通孔97は、流入溝26と軸方向で略対向する位置に形成されている。連通孔97を設けることによって、第1油だまり24と第2油だまり25が連通している。
第3実施形態における潤滑油の流れについて説明する。
第1実施形態と同様に、密閉空間Eの下方には、所定の深さまで潤滑油が注入されて、第1油だまり24が形成されている。同時に、軸受装着孔32の内周には、鉛直方向下方に、第2油だまり25が形成されている。
内輪14,14が回転すると、環状空間K内で鉛直方向下方にある潤滑油は、円すいころ15及び保持器17にかき上げられて環状空間K内を移動し、軌道面の全周にわたって潤滑油が供給される。外側軌道面41がテーパ面であり、開口端に向かうにしたがって拡径する向きに傾斜しているので、第1実施形態と同様に、遠心力によって外側軌道面41に押し付けられた潤滑油が、外側軌道面41に沿って流動し、密閉空間Eに向けて流出する。このとき、車軸貫通孔94では、円弧95の内径寸法が、外側軌道面41の大端径より大きいので、潤滑油が密閉空間Eに流出するときに、仕切り板91が障害となることがない。こうして、潤滑油は、密閉空間Eを通って第1油だまり24に還流している。
以上説明したように、第3実施形態では、転がり軸受12と第1油だまり24との間に仕切り部92が設置されている。車軸貫通孔94の弦96の位置は、第1油だまり24の油面の高さより上方にある。すなわち、車軸20より鉛直方向下方において、車軸貫通孔94の内周が、第1油だまり24における油面の高さより上方にあるので、第1油だまり24に還流した潤滑油が、環状空間Kに直接流入することがない。
これによって、第3実施形態では、潤滑油は、第1の経路である外輪13と内輪14との間の開口部から環状空間Kへの流入が抑制され、第2の経路である第2油だまり25及び電磁弁37を装着した電磁弁取付孔44から流入している。
このとき、第1実施形態と同様に、電磁弁取付孔44が環状空間Kに開口する開口部は、第1油だまり24の潤滑油の油面高さより低い位置に設けられている。このため、ポンプ等の装置を使用しなくても、第1油だまり24の潤滑油が、第2油だまり25及び電磁弁37を通って環状空間Kに流入している。
このため、環状空間K内の潤滑油の量は、電磁弁37から流入する潤滑油量で決定される。したがって、第2の経路に電磁弁37を設置することによって、環状空間Kに流入する潤滑油の量をより正確に調整することができる。
電磁弁37は、例えば潤滑油の温度に応じて開閉される。この場合には、油温センサ51で潤滑油の温度を測定し、その温度が所定の値を越えたときに、電磁弁37に電気信号Vを送信し、弁40を閉じている(図2参照)。これにより、環状空間Kに流入する潤滑油の流量が減少するので、撹拌を抑制し、潤滑油の昇温を低く抑えることができる。
また、潤滑油の温度が低い場合には、電磁弁37への電気信号Vの送信を停止し、弁40を開放することによって環状空間Kに多量の潤滑油を供給することができる。これによって、円すいころ15と外側軌道面41及び内側軌道面46との転がり接触部に確実に潤滑油を供給することができるので、焼き付きなどの不具合を確実に防止することができる。
こうして、第3実施形態では、環状空間Kにおいて撹拌される潤滑油の量をより正確に調整できるので、撹拌による潤滑油の温度上昇をより確実に抑制することができる。
10:軸箱(従来技術)、12:転がり軸受、13:外輪、14:内輪、15:円すいころ、16:油孔、20:車軸、21:フロントカバー、22:リアカバー、24:第1油だまり、25:第2油だまり、26:流入溝、30:軸箱(第1実施形態)、31:ハウジング、32:軸受装着孔、37:電磁弁、40:弁、41:外側軌道面、42:内周面、44:電磁弁取付孔(流路)、46:内側軌道面、80:軸箱(第2実施形態)、82:外側レース、83:間座、90:軸箱(第3実施形態)、91:仕切り板、94:車軸貫通孔、97:連通孔

Claims (6)

  1. 回転体を回転支持する転がり軸受を備え、
    前記転がり軸受は、内周に複列の外側軌道面を備えた環状の外輪と、前記外輪の内側に同軸に配置され外周に複列の内側軌道面を備えた環状の内輪と、前記外輪と前記内輪とで径方向に画定された環状空間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備えるとともに、油浴に貯留した潤滑油で潤滑される転がり軸受装置であって、
    前記油浴は、少なくとも前記外輪の外周とつながる油だまりを備えており、
    前記外輪は、複列の前記外側軌道面の間で前記環状空間と前記油だまりとを径方向に連通する流路を有するとともに、当該流路を流れる潤滑油の流量を調整する流量調整部材を備えていることを特徴とする転がり軸受装置。
  2. 前記転がり軸受が複列の円すいころ軸受であって、複列の前記外側軌道面が、前記外輪の軸方向両側の開口端に近づくにしたがって拡径する向きに形成されたテーパ面であることを特徴とする請求項1に記載する転がり軸受装置。
  3. 前記外輪は、互いに軸方向に同軸に配置された一対の外側レース及びその間に設けられた環状の間座とで構成されており、それぞれの前記外側レースの内周には単列の前記外側軌道面が形成されており、前記流路が前記間座に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する転がり軸受装置。
  4. 前記流量調整部材は、入力される電気信号に応じて流量を調整する電磁弁であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載する転がり軸受装置。
  5. 前記油浴は、前記環状空間の軸方向外側に形成された第1油だまりと、前記外輪の外周とつながる第2油だまりとを備えており、前記第1油だまりに貯留した潤滑油が、前記環状空間に直接流入するのを防止する流入防止手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載する転がり軸受装置。
  6. 前記流入防止手段は、前記外輪と前記第1油だまりとの間に設けられた仕切り板で、前記回転体より鉛直方向下方において、前記第1油だまりに貯留された潤滑油の油面より上方に設けられているとともに、前記第1油だまりと前記第2油だまりとを連通する連通孔を備えたことを特徴とする請求項5に記載する転がり軸受装置。
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