JP2018135863A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2018135863A
JP2018135863A JP2017032807A JP2017032807A JP2018135863A JP 2018135863 A JP2018135863 A JP 2018135863A JP 2017032807 A JP2017032807 A JP 2017032807A JP 2017032807 A JP2017032807 A JP 2017032807A JP 2018135863 A JP2018135863 A JP 2018135863A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
spring
valve
back pressure
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017032807A
Other languages
English (en)
Inventor
和則 津久井
Kazunori Tsukui
和則 津久井
元 紺野
Hajime Konno
元 紺野
渡 後藤
Wataru Goto
渡 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Appliances Inc
Original Assignee
Hitachi Appliances Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Appliances Inc filed Critical Hitachi Appliances Inc
Priority to JP2017032807A priority Critical patent/JP2018135863A/ja
Publication of JP2018135863A publication Critical patent/JP2018135863A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、背圧制御弁を構成する差圧弁バネの姿勢の安定化を図り、常時安定した背圧を維持する構造を提供する事にある。【解決手段】上記目的を達成する為に本発明は、前記背圧制御弁を構成する、前記固定スクロールに圧入されたバネ受けとその先端に弁体とバネとを有し、バネの内側にはバネ受けの中央部から延びた凸部を備え、且つ、装着時に、弁バネの内側とバネ受けの中央部から延びた凸部には隙間を有する。又、この凸部は、弁体開時にストッパとなる事を特徴とするスクロール圧縮機である。【選択図】 図2

Description

本発明は、旋回スクロールの背面に背圧室を設けて、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける様に構成されたスクロール圧縮機に関する。
背圧室の圧力を調整する為の背圧制御弁を備えている従来のスクロール圧縮機としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1のスクロール圧縮機は、固定スクロールと旋回スクロールとの圧縮作用により、両スクロールを互いに引き離そうとする力が発生する。旋回スクロールが固定スクロールから引き離されない様にするために、旋回スクロールの背面に吐出圧力と吸込圧力の中間の圧力となる背圧室を設け、この背圧室の圧力である背圧によって、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける様にしている。
これにより、旋回スクロール及び固定スクロールのラップ部の漏れを低減し、性能向上が図れる。そして、この背圧は、固定スクロールに配置され、作動流体を閉じ込んだ後の圧縮室と背圧室を連通する流路の途中に設けられた背圧制御弁により調整される。
この背圧制御弁は、バネ受けと弁板とこの弁板を押す弁バネから構成され、弁板下部には、背圧室と連通し、弁板と当接する弁座(シート面)を形成し、弁板と弁座の開閉により背圧を調整している。
弁バネは、バネ受け中央部に配置した凸部に圧入、固定され、この状態で固定スクロールに圧入される。この弁バネにより、背圧を前記圧縮室よりも一定値だけ高くなる様に、調整している。そして、背圧制御弁の弁板に起動直後より背圧が常に加わり、この背圧は圧縮機起動開始から吐出圧力と共に上昇し、背圧室と前記圧縮室との差がある所定値以上になると、背圧制御弁が開く構造となっている。
特開2014−80873号公報
しかし、特許文献1の様に、背圧制御弁を形成する弁バネを、バネ受け中央部に配置した凸部に圧入、固定する構造は、例えば、バネ受け中央部に配置した凸部に弁バネを圧入、固定する際の挿入不足や、弁バネ製造時のバネ傾き等により、弁バネが傾くリスクが高くなる。その状態で弁板を押すと、弁バネの荷重中心と弁板と当接する弁座中心にずれが生じ、弁板を傾かせようとするモーメントが発生し、弁板が早く動作してしまう為、背圧値が設定よりも低下し、その結果、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける力が弱まり、旋回スクロール及び固定スクロールのラップ部の漏れが増加し、性能が低下する課題がある。
特に、作動流体として二酸化炭素(R744冷媒)を使用したスクロール圧縮機においては、設計圧力(吐出圧力)が13〜15MPaと高く、両スクロールを互いに引き離そうとする力が大きくなる為、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける為の背圧を大きく設定しなくてはならず、背圧を上げる為には、弁バネの荷重値を上げて対応しなければならない。
弁バネの荷重値を上げる為には、第1にバネ線径を太くする、第2にバネたわみ量を大きくする(バネ自然長を長くする、バネ巻数を増やす)等で対応する方法がある。
しかし、前者は、バネ線径を太くした結果、細いバネよりも製造が難しくなり、製造上におけるバネ傾きが起こり易くなる。
他方、後者は、バネたわみ量を大きくしたり、バネ巻数を増やす事でバネ自然長が長くなる。この為、弁バネの傾き量が増加傾向となり、弁バネが傾くリスクが更に高くなる。この結果、弁バネの荷重中心と弁板と当接する弁座中心にずれが生じ、弁板を傾かせようとするモーメントが発生し、弁板が早く動作してしまう。そして、前記したように背圧値が設定よりも低下し、その結果、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける力が弱まり、旋回スクロール及び固定スクロールのラップ部の漏れが増加し、性能が低下するといった課題がある。
本発明の目的は、背圧制御弁の弁板の傾きを抑制したスクロール圧縮機を提供することにある。
上記目的は、固定鏡板とこれに立設する固定ラップを有する固定スクロールと、旋回鏡板とこれに立設する旋回ラップを有する旋回スクロールと、圧縮前の作動流体を吸入し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールで形成される圧縮室に導く為の吸込領域と、前記圧縮室で圧縮された作動流体を吐出する為の吐出領域と、前記旋回スクロールの背面に形成され、旋回スクロールを前記固定スクロールに押付ける為に、吸込圧力と吐出圧力との間の圧力に保持される背圧室と、この背圧室と前記圧縮室を連通すると共に、途中に前後の差圧を一定に保持する様に構成される背圧制御弁を備えたスクロール圧縮機において、前記背圧制御弁は、前記固定スクロールに圧入されたバネ受けとその先端に弁板と弁バネとを有し、弁バネの内側にはバネ受けの中央部から延びた凸部を備え、且つ、少なくとも設置された圧縮状態で弁バネの内側とバネ受けの中央部から延びた凸部には隙間を有することにより達成される。
本発明によれば、背圧制御弁の弁板の傾きを抑制したスクロール圧縮機を提供することができる。
本発明の第1実施形態のスクロール圧縮機の一例を示す縦断面図。 図1の弁板閉時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図。 図1の弁板開時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図。 図1の固定スクロール圧入前のバネ受け−弁バネ周辺拡大縦断面図。 図1の固定スクロール圧入後のバネ受け−弁バネ周辺拡大縦断面図。 本発明の第2実施形態の弁板開時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
尚、図1は、本発明の第一実施形態のスクロール圧縮機の一例を示す縦断面図、図2は、図1の弁板閉時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図、図3は、図1の弁板開時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図、図4は、図1の固定スクロール圧入前のバネ受け−弁バネ周辺拡大縦断面図、図5は、図1の固定スクロール圧入後のバネ受け−弁バネ周辺拡大縦断面図、図6は、本発明の第2実施形態の弁板開時の背圧制御弁付近の拡大縦断面図である。
まず全体構成を説明する。図1に示すスクロール圧縮機1は、固定スクロール2と、旋回スクロール3と、フレーム4と、オルダムリング5と、クランク軸6と、モータ7と、密閉容器8と、を備えている。クランク軸6の中央には、縦に貫通する給油穴6bが形成されている。又、クランク軸6の下端には、給油パイプ6xが圧入されている。副軸受25は、球面軸受25aと副軸ハウジング25bから構成され、クランク軸6がたわんでも片当りが生じない構成となっている。副軸受25の副軸ハウジング25bは、下フレーム35へねじ止め、又は溶接により固定配置されている。
モータ7は、クランク軸6に固定されたロータ7aとケース8aに焼き嵌め、又は圧入、又は溶接したステータ7bと、を備えて構成され、モータ7に電力を供給するモータ線がハーメチック端子220と接続されている。密閉容器8は、ケース8aと、ケース8aの上部に溶接される蓋チャンバ8bと、ケース8aの下部に溶接される底チャンバ8cとを備えて構成され、固定スクロール2、旋回スクロール3、フレーム4、クランク軸6、モータ7等を取り囲む様になっている。これにより、固定スクロール2の上部には、固定背面室120が形成される。ケース8aには、内部にフレーム4が溶接されて固定配置され、側面に吐出パイプ55が溶接、又はロウ付けされて固定配置され、下部に副軸受25を支持する下フレーム35が溶接、又はロウ付けされて固定配置されている。
固定スクロール2の固定台板部2qの外周部には、上下方向に延びる溝が形成され、同様にフレーム4の外周部にも上下方向に延びる溝が形成されている。固定スクロール2がフレーム4にネジ固定されると、密閉容器8内部の上部空間(固定背面室120) と、密閉容器8内部のモータ上部空間(モータ7が配置される空間)とを連通する通路が形成される様になっている。
蓋チャンバ8bには、ハーメチック端子220と固定スクロール2に圧入してある吸込パイプ50が溶接、又はロウ付けされて固定配置されている。又、密閉容器8内部には、組立ての適当な段階で油を封入する様になっている。これにより、下フレーム35と底チャンバ8cの間に、貯留部125が形成される。
固定スクロール2には、吸込口2sが形成されており、スクロール圧縮機1の外部から作動流体を固定スクロール2へ導入する吸込パイプ50が圧入されている。又、スクロール圧縮機1の停止直後の作動流体の逆流を防止する為に逆止弁21が吸込パイプ50の下部に設けられている。
旋回スクロール3は、旋回鏡板3aの上面である旋回鏡板上面(旋回スラスト面)3a1に旋回ラップ3bが立設され、又、固定スクロール2には、固定鏡板2aの下面側に固定ラップ2bが立設され、これらの固定ラップ2b、及び旋回ラップ3bを噛み合わせ、圧縮室100が形成されている。又、固定スクロール2の中央付近には、圧縮した作動流体を吐出させる吐出穴2dが形成されている。又、その外周側には、複数のバイパス穴2eが形成され、各々にバイパス弁22が設けられている。バイパス弁22は、圧縮室100の圧力が密閉容器8内部の圧力よりも等しくなるかわずかに所定値以上高くなると、開弁する様になっている。又、固定スクロール2は、固定ラップ2bの外辺部である固定台板部2qの下面(固定台板面(スラスト支持面)2u)の外周部をフレーム4にねじ固定する様になっている。
一方、旋回スクロール3は、背面に旋回軸受23が形成されており、旋回軸受23にクランク軸6の偏心部であるピン部6aが挿入される。旋回スクロール3は、主軸受24で回転支持されるクランク軸6が回転する事により、旋回運動する様になっている。又、この旋回運動は、旋回スクロール3とフレーム4との間に配置されたオルダムリング5により、旋回スクロール3の自転運動を防止することによって達成されている。そして、旋回スクロール3の背面(旋回スクロール3とフレーム4との間)には、背圧室110が形成される様になっている。
次に、スクロール圧縮機1の定常運転時における基本動作を説明する。図1に示す様に、モータ7でクランク軸6を回転させ、旋回スクロール3を旋回運動させる。これにより、吸込パイプ50を経由して、吸込口2sから流入する作動流体は、旋回スクロール3と固定スクロール2との噛み合わせにより形成される圧縮室100に導かれる。ここで、圧縮室100に取り込まれた作動流体は、圧縮室100がスクロール中心方向に移動するに従い容積が縮小し、圧縮室100内の作動流体が圧縮される。圧縮された作動流体は、固定スクロール2の固定鏡板2aの略中央に設けられた吐出穴2dから密閉容器8内部の上部空間である吐出領域の固定背面室120へ流出する。これにより、密閉容器8内部の圧力は吐出圧力となり、いわゆる高圧チャンバ方式のスクロール圧縮機1になる。
尚、過圧縮条件では、圧縮室100の内部圧力が吐出圧力よりも高くなる為、バイパス弁22が開いて、バイパス穴2eを介して、圧縮室100内部の作動流体を固定背面室120へ流出させる。この様な構成により、過圧縮を抑制出来る為、スクロール圧縮機1の性能が向上する効果がある。固定背面室120へ流出した作動流体は、その後、固定スクロール2とフレーム4の外周部の溝に経由し、モータ7の上部空間へ流出し、吐出パイプ55から外部へ吐出される。
次に、油の流れについて説明する。図1に示す様に、貯留部125の油は、吐出圧力(密閉容器8内の圧力)と背圧(背圧室110内の圧力)の差圧により、貯留部125から給油パイプ6x、クランク軸6内の給油穴6bを通って旋回軸受23と主軸受24を潤滑した後、背圧室110へと流入する。ここで、ピン部6a上部の旋回軸受室115の圧力は、吐出圧力となる為、旋回スクロール3を固定スクロール2へ付勢する押付力付加手段となる。
又、副軸受25へは、給油穴6bから遠心力によって給油する様になっている。又、この背圧室110への給油によって、オルダムリング5の潤滑を行う。この後、背圧室110へ流入した油は、油集中流出口60a、背圧制御弁26、圧縮給油路60を経由して閉込み開始直後の圧縮室100へ流入する。
そして、圧縮室100へ供給した油は、吐出穴2dとバイパス穴2eを通って作動流体と共に、固定背面室120へ吐出される。その後、油は、密閉容器8の内壁や密閉容器8内の構成要素に付着して作動流体と分離する。そして、油は、付着した密閉容器8内壁や構成要素を伝い、スクロール圧縮機1の底部の貯留部125へ最終的に戻る。
次に本発明の第1実施形態の背圧制御弁26について説明する。図2及び図3に示す様に、背圧制御弁26は、固定スクロール2に形成され、圧縮給油路60の背圧室110側の開口部(油集中流出口60a)と圧縮室100側の開口部(圧縮流入口60b)の途中に設けられている。この背圧制御弁26は、吐出圧力と吸込圧力との中間の圧力に制御する為のものである。
背圧制御弁26は、圧縮給油路60内の下流側に臨む弁座(シート面)26fと、この弁座26fに当接される弁板26eと、この弁板26eを弁座26f側に押付ける弁バネ26dとバネ受け26bで構成されている。
弁座26fは、背圧弁ピース26aに形成され、固定スクロール2に圧入されている。弁座26f中央部には、背圧室110と背圧制御弁26を形成する空間を連通する貫通穴(油集中流出口60aのある穴)が形成されている。弁板26eは、弁バネ26dによって弁座26f(シート面)に押付けられ、前記貫通穴を塞ぐ様になっている。
弁バネ26dは、圧縮コイルバネで構成され、一側端部が弁板26eに当接され、他側端部がバネ受け26bで受けている。バネ受け26bは、背圧制御弁26を形成する空間とバネ受け26b上部の吐出圧とを隔絶する様に、固定スクロール2に圧入して設置されている。バネ受け26b中央部には、凸部26cを配置し、バネ受け凸部26cには、弁バネ26dが配置されている。
図4及び5に示す様に、バネ受け凸部26c外径と弁バネ26d内径は、ほぼ同一寸法としている為、バネ受け凸部26c外径と弁バネ26d内径間には殆ど隙間はなく、ほぼ圧入状態となっている為、固定スクロール2に圧入する際は、弁バネ26d側を下にしてもバネ受け凸部26cより弁バネ26dが落下する事はなく、作業性が悪くなる事はない。
その後、固定スクロール2にバネ受け26bを圧入すると、弁バネ26dは、バネが圧縮するに伴い、圧縮コイルバネの特性上、バネ内径が拡大する為、バネ受け凸部26cにほぼ圧入状態で配置した弁バネ26dは、固定スクロール2にバネ受け26bを圧入する事で、弁バネ26dが圧縮し、弁バネ26d内径が拡大し、バネ受け凸部26c外径と弁バネ26d内径間には隙間(α)が出来る。この隙間(α)により、バネ受け凸部26cと弁バネ26dの可動部は干渉する事がない為、所定のバネ荷重を弁板26eに伝える事が出来、安定した背圧を維持する事が出来る。
次に作動流体に二酸化炭素(R744冷媒)を使用した場合の背圧制御弁26の仕様について説明する。表1に示す様に、作動流体として二酸化炭素(R744冷媒)を使用したスクロール圧縮機1は、設計圧力(吐出圧力)が従来のR410A冷媒を使用したスクロール圧縮機1に対し、約3.3倍高く、その影響で両スクロールを互いに引き離そうとする力が大きくなり、旋回スクロール3及び固定スクロール2のラップ部間の漏れを抑える為には、背圧を約4.1倍に大きくする必要があり、その背圧にする為には、弁バネ26dのバネ荷重を約6.1倍まで上げる必要がある。
Figure 2018135863
特許文献1に示すように、従来のR410A冷媒を使用したスクロール圧縮機1の場合、背圧制御弁の弁バネをストッパ構造(コイルバネが接触するまで圧縮させることによって弁板がそれ以上移動しない、すなわちストッパとなる)としている為、弁バネは全圧縮するまで可動させる構造としている。二酸化炭素(R744冷媒)を使用したスクロール圧縮機にて弁バネを従来と同様の弁バネが全圧縮するストッパ構造とした場合、背圧はR410A冷媒に対し、約4.1倍と大きくなる為、弁板が開く際に発生するエネルギーも同じく大きくなり、弁バネのみでそのエネルギーを全て受け止める事となる。この為、弁バネ自体にストレスが蓄積し、その状態で運転をし続けると弁バネが破損する恐れがある。
その為、二酸化炭素(R744冷媒)を使用したスクロール圧縮機1の背圧制御弁26においては、図3に示すように、バネ受け凸部26cをストッパ構造にする事で、弁板26eが開く際に発生するエネルギーをバネ受け凸部26cで全て吸収してくれる為、本構造は有効であり、弁バネ26dが破損する事はない。
又、本実施形態においては、バネ受け凸部26cの長さ(L1)と弁バネ26dの長さ(L2)は、L1>L2としている。この事により、弁バネ26dは構造上、全圧縮しない為、背圧室110の圧力が高まることで背圧制御弁26が作動後、弁板26eが上昇していくと、バネ受け凸部26cの先端部に接触し、弁板26eが開く際に発生するエネルギーをバネ受け凸部26cで全て吸収してくれる為、弁バネ26dが破損する事はない。
又、バネ受け凸部26cの先端面をバネ受け凸部26cの軸方向に対し、垂直になる様に構成している。この事により、弁板26eが開き、バネ受け凸部26cに接触した場合、弁板26eと弁座(シート面)26fが平行状態となり、又、バネ受け凸部26cにより、弁バネ26dの荷重中心と弁座(シート面)26fの中心がほぼ同一直線上となる為、弁板26eは、その状態で下降していき、弁座(シート面)26に接触する。この為、弁板26eが弁座(シート面)26fに片当たりする事はなく、弁板26eの動きがスムーズになるので、背圧が安定し易くなり、弁座(シート面)26fへのダメージも抑える事が可能となる。
バネ荷重をP、バネ定数をk、バネたわみ量をδ、横弾性係数をG、有効巻数をNa、バネ平均径をD、バネ線径をdとした場合、バネ荷重(P)及びバネ定数(k)、は、下記式で表す事が出来る。
P=kδ=Gdδ/8NaD ・・・数1
k=Gd/8NaD ・・・数2
バネ荷重(P)を大きくする為には、主にバネ定数(k)を大きくする必要があり、バネ定数(k)を大きくする為には、バネ線径(d)や有効巻数(Na)を変化させる必要がある。その結果、二酸化炭素(R744冷媒)を使用したスクロール圧縮機1に使用する弁バネ26dのバネ定数(k)は、R410A冷媒に対し、約6.1倍大きくする必要がある。それに伴い、バネ線径(d)は約2.5倍、バネ自然長(h)は約2.3倍まで大きくする必要がある。その結果、弁バネ26dの製造に関しては、バネ線径(d)を太くする事により、細いバネよりも製造が難しくなり、製造上におけるバネ傾きが起こり易くなる。又、バネ自然長(h)を長くすると、弁バネの傾き量が増加傾向となる為、弁バネが傾くリスクが更に高くなる。この為、弁バネの荷重中心と弁板と当接する弁座中心にずれが生じ、弁板を傾かせようとするモーメントが発生し、弁板が早く動作してしまう。この為、背圧値が設定よりも低下し、その結果、旋回スクロールを固定スクロールに押し付ける力が弱まり、旋回スクロール及び固定スクロールのラップ部の漏れが増加し、性能低下する恐れがある。
しかし、弁バネ26dの中心にバネ受け凸部26cを配置する事でバネ受け凸部26cが弁バネ26dの案内軸となり、弁バネ26dの傾きを抑制し、常にバネ荷重を弁座26f中心に向わせる事が出来る。このことから、弁閉時の弁バネ26dと、弁板26eと、弁座26fの位置関係は常に変わらない為、弁板26eを押し上げる力のばらつきが小さくなり、背圧も安定し、性能を安定化させる事が出来る。
以上、本実施形態によれば、背圧制御弁を形成する弁バネのバネ傾きを抑制する事で、弁板が閉じた時に弁バネと弁板と弁座(シート面)の位置関係が常に変わらず、弁板を押し上げる力のばらつきが小さく出来る事で、安定した背圧を維持し、性能を安定化させる構造を実現する事が出来る。
次に第2実施形態の背圧制御弁26について説明する。図6に示す様に、バネ受け26b中央部には、凸部26cを配置し、且つ、その中心部には、凹部26c1を形成している。
このように構成にする事により、背圧制御弁26が作動後、弁板26eが上昇し、バネ受け凸部26cの先端部に接触する際、凹部26c1が背圧制御弁26内に介在する油および冷媒の逃し溝の役割を果たし、押し潰される際に発する油叩き音を防止する事が出来る。
1…スクロール圧縮機、2…固定スクロール、2a…固定鏡板、2b…固定ラップ、2d…吐出穴、2e…バイパス穴、2q…固定台板部、2s…吸込口、2u…固定台板面(スラスト支持面)、3…旋回スクロール、3a…旋回鏡板、3a1…旋回鏡板上面(旋回スラスト面)、3b…鏡板ラップ、4…フレーム、5…オルダムリング、6…クランク軸、6a…ピン部、6b…給油穴、6x…給油パイプ、7…モータ、7a…ロータ、7b…ステータ、8…密閉容器、8a…ケース、8b…蓋チャンバ、8c…底チャンバ、21…逆止弁、22…バイパス弁、23…旋回軸受、24…主軸受、25…副軸受、25a…球面軸受、25b…副軸ハウジング、26…背圧制御弁、26a…背圧弁ピース、26b…バネ受け、26c…バネ受け凸部、26c1…中空部、26d…弁バネ、26e…弁板、26f…弁座(シート面)、35…下フレーム、50…吸込パイプ、55…吐出パイプ、60 …圧縮給油路、60a…油集中流出口、60b…圧縮流入口、100…圧縮室、110…背圧室、115…旋回軸受室、120…固定背面室、125…貯油部、220…ハーメチック端子

Claims (5)

  1. 固定鏡板とこれに立設する固定ラップを有する固定スクロールと、旋回鏡板とこれに立設する旋回ラップを有する旋回スクロールと、圧縮前の作動流体を吸入し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールで形成される圧縮室に導く為の吸込領域と、前記圧縮室で圧縮された作動流体を吐出する為の吐出領域と、前記旋回スクロールの背面に形成され、旋回スクロールを前記固定スクロールに押付ける為に、吸込圧力と吐出圧力との間の圧力に保持される背圧室と、この背圧室と前記圧縮室を連通すると共に、途中に前後の差圧を一定に保持する様に構成される背圧制御弁を備えたスクロール圧縮機において、
    前記背圧制御弁は、前記固定スクロールに圧入されたバネ受けとその先端に弁板と圧縮状態で設置される弁バネとを有し、弁バネの内側にはバネ受けの中央部から延びた凸部を備え、且つ、少なくとも設置された圧縮状態で弁バネの内側とバネ受けの中央部から延びた凸部は隙間を有する事を特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 固定鏡板とこれに立設する固定ラップを有する固定スクロールと、旋回鏡板とこれに立設する旋回ラップを有する旋回スクロールと、圧縮前の作動流体を吸入し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールで形成される圧縮室に導く為の吸込領域と、前記圧縮室で圧縮された作動流体を吐出する為の吐出領域と、前記旋回スクロールの背面に形成され、旋回スクロールを前記固定スクロールに押付ける為に、吸込圧力と吐出圧力との間の圧力に保持される背圧室と、この背圧室と前記圧縮室を連通すると共に、途中に前後の差圧を一定に保持する様に構成される背圧制御弁を備えたスクロール圧縮機において、
    前記背圧制御弁は、前記固定スクロールに圧入されたバネ受けとその先端に弁板と圧縮状態で設置される弁バネとを有し、弁バネの内側にはバネ受けの中央部から延びた凸部を備え、且つ、前記凸部長さを前記弁バネの全圧縮長よりも長くした事を特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 前記凸部の先端面を、前記凸部の軸方向に対して垂直とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記凸部の先端面に凹部を設ける事を特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 作動冷媒として二酸化炭素を用いた請求項1乃至4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
JP2017032807A 2017-02-24 2017-02-24 スクロール圧縮機 Pending JP2018135863A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032807A JP2018135863A (ja) 2017-02-24 2017-02-24 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017032807A JP2018135863A (ja) 2017-02-24 2017-02-24 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018135863A true JP2018135863A (ja) 2018-08-30

Family

ID=63365349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017032807A Pending JP2018135863A (ja) 2017-02-24 2017-02-24 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018135863A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0556756U (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 自動車機器株式会社 動力舵取装置の操舵力制御装置
US6065948A (en) * 1998-06-17 2000-05-23 American Standard Inc. Discharge check valve in a scroll compressor
JP2012180752A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JP2013113123A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Hitachi Appliances Inc スクロール圧縮機
JP2013148043A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Toyota Industries Corp 差圧弁及び差圧弁を備える電動圧縮機
JP2016109046A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 日立アプライアンス株式会社 密閉型電動圧縮機及び空気調和機

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0556756U (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 自動車機器株式会社 動力舵取装置の操舵力制御装置
US6065948A (en) * 1998-06-17 2000-05-23 American Standard Inc. Discharge check valve in a scroll compressor
JP2012180752A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JP2013113123A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Hitachi Appliances Inc スクロール圧縮機
JP2013148043A (ja) * 2012-01-20 2013-08-01 Toyota Industries Corp 差圧弁及び差圧弁を備える電動圧縮機
JP2016109046A (ja) * 2014-12-08 2016-06-20 日立アプライアンス株式会社 密閉型電動圧縮機及び空気調和機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9850904B2 (en) Scroll compressor
JP5199951B2 (ja) スクロール圧縮機
JP4471034B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5260608B2 (ja) スクロール圧縮機
US20140017108A1 (en) Scroll compressor
US20080304994A1 (en) Scroll Fluid Machine
JP2010525240A (ja) 圧縮機及びそのオイル供給構造
JP4519489B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2007138868A (ja) スクロール圧縮機
JP2010101188A (ja) スクロール圧縮機
JP2018048649A (ja) スクロール圧縮機
JP4930022B2 (ja) 流体機械
KR100657038B1 (ko) 유체압축기
EP1544470A2 (en) Scroll compressor eccentric coupling device
JP2018135863A (ja) スクロール圧縮機
JP5209279B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2006342810A (ja) 圧力調整弁装置
JP2006257882A (ja) スクロール圧縮機
JP2010261353A (ja) スクロール圧縮機
JP7373939B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6972391B2 (ja) スクロール圧縮機
WO2022244240A1 (ja) 圧縮機
JP4593448B2 (ja) 冷媒圧縮機
JP4385917B2 (ja) スクロール圧縮機
JPH06249164A (ja) スクロール圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170227

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190917

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210525