JP2018135696A - ソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置 - Google Patents

ソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ソイルセメントの配合から将来の発現強度を早期に推定することのできるソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置を提供する。【解決手段】セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢における供試体の弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求めるステップS1と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定するステップS2と、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求めるステップS3と、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップS4とを備えるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、ソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置に関するものである。
従来、地盤改良工事や杭工事などにおいて、セメント系材料と原位置土とを混合したソイルセメントが広く用いられている。例えば杭工法の一つに、既製杭の先端に高強度のソイルセメントからなる拡大した根固め部を築造して、高い支持力を得るようにした埋込み杭工法がある。
この工法では、根固め部の固結後のソイルセメントが構造設計上必要とされる強度を満足している必要がある。その強度確認は、通常、本杭とは別孔で施工試験を行って根固め部の未固結試料をボーリング等によって採取し、28日材齢で圧縮試験を行って強度を確認する方法や、3日ないし7日材齢で圧縮試験を行って28日材齢の強度を推定する方法などにより行われている。
一方、ソイルセメントからなる改良地盤の強度の推定方法に関して、本特許出願人は例えば特許文献1〜3に示すような方法を既に提案している。特許文献1の方法は、あらかじめ室内試験によってソイルセメントの水分量と強度との相関関係を求めておき、その後、改良地盤から採取した試料の水分量を算出し、算出した水分量に対応する強度を上記相関関係から推定するものである。
特許文献2の方法は、一軸圧縮強さquとせん断波速度Vsの関係曲線(以下、qu〜Vs曲線という。)が改良対象土質に応じて一義的に決まることを利用したものである。より具体的には、あらかじめ室内試験によってqu〜Vs曲線を求めておき、その後、原位置試験によって改良地盤のせん断波速度Vsを測定し、この測定値に対応する一軸圧縮強さquを測定時点の強度としてqu〜Vs曲線から推定するものである。
特許文献3の方法は、上記のqu〜Vs曲線が、改良土の乾燥密度によって決定できることを利用したものである。より具体的には、あらかじめ室内試験によって乾燥密度区分ごとのqu〜Vs曲線を求めておき、その後、改良地盤の乾燥密度とせん断波速度Vsを測定し、測定した乾燥密度に対応するqu〜Vs曲線を用いてせん断波速度Vsから一軸圧縮強さquを推定するものである。
特開平4−244939号公報 特開2004−53586号公報 特開2006−329809号公報
しかしながら、上記の従来のソイルセメントの強度の推定方法は、強度確認ができるのは通常28日後であり、強度発現まで長い期間を要するという問題や、未固結試料の採取場所が本杭のものではないといった問題がある。
本杭の未固結試料を杭の建込み直前に採取し、その時点で発現強度を推定できれば、リアルタイムに施工の可否判断が可能となり、信頼性の高い施工管理が可能となる。このような背景から、ソイルセメントの未固結試料から固結後の発現強度を早期に推定できる方法が望まれていた。
これに対し本発明者は、ソイルセメントの弾性波速度(せん断波速度Vs、疎密波速度Vp)が、対象とする土質、添加するセメント量、および水量と密接な関係にあると考えて、未固結試料から発現強度を早期に推定する方法に関して鋭意研究を行った。この結果、ソイルセメントの未固結試料の配合から将来の発現強度を早期に推定できる以下の本発明に至った。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ソイルセメントの配合から将来の発現強度を早期に推定することのできるソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法は、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢における供試体の弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求めるステップと、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法は、上述した発明において、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求めるステップと、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法は、上述した発明において、粒度分布が異なる土質材料ごとに前記供試体を作製し、前記相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求めるステップとをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定装置は、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する装置であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して作製され、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体について、所定の材齢における弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求める手段と、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置は、上述した発明において、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求める手段と、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置は、上述した発明において、粒度分布が異なる土質材料ごとに作製した前記供試体について前記相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求める手段とをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理方法は、上述したソイルセメントの強度特性の推定方法を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理するステップを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理装置は、上述したソイルセメントの強度特性の推定装置を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢における供試体の弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求めるステップと、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとを備えるので、例えばソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求めるステップと、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとをさらに備えるので、任意の材齢でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、粒度分布が異なる土質材料ごとに前記供試体を作製し、前記相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求めるステップとをさらに備えるので、ソイルセメントに含まれる土質材料に適した相関関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する装置であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して作製され、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体について、所定の材齢における弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求める手段と、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とを備えるので、例えばソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求める手段と、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とをさらに備えるので、任意の材齢でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、粒度分布が異なる土質材料ごとに作製した前記供試体について前記相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求める手段とをさらに備えるので、ソイルセメントに含まれる土質材料に適した相関関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理方法によれば、上述したソイルセメントの強度特性の推定方法を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理するステップを備えるので、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期に根固め部のソイルセメントの強度特性を推定することで、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理装置によれば、上述したソイルセメントの強度特性の推定装置を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理する手段を備えるので、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期に根固め部のソイルセメントの強度特性を推定することで、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置の実施の形態を示すフローチャート図である。 図2は、ソイルセメントの作製に用いた土質材料の粒径加積曲線を示す図である。 図3は、ソイルセメントのVs〜C/W関係を示す図であり、(1)は砂、(2)は土丹、(3)は粘土、(4)は礫を用いた場合である。 図4は、Vs〜C/W関係の近似式に用いた係数一覧表を示す図である。 図5は、ソイルセメントのVp〜C/W関係を示す図であり、(1)は砂、(2)は土丹、(3)は粘土、(4)は礫の場合である。 図6は、Vp〜C/W関係の近似式に用いた係数一覧表を示す図である。 図7は、ソイルセメントのVs〜材齢関係を示す図であり、(1)は砂、(2)は粘土の場合である。 図8は、発現Vsの推定チャートを示す図であり、(1)は砂、(2)は粘土の場合である。 図9は、杭施工時の根固め部の一例を示す側断面図である。 図10は、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置の実施の形態を示すフローチャート図である。
以下に、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(ソイルセメントの強度特性の推定方法)
まず、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るソイルセメントの強度特性の推定方法は、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、ステップS1〜S4の工程からなる。
ステップS1は、セメント系材料と土質材料と水とを混合して、所定のセメント水比C/W(質量比)でソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)における供試体の弾性波速度Vと、C/Wとの相関関係(V〜C/W関係)をあらかじめ取得するものである。ここで、弾性波速度Vは、せん断波速度Vsまたは疎密波速度Vpであり、Cはソイルセメント1m3に含まれるセメント量(kg/m3)、Wはソイルセメント1m3に含まれる水分量(kg/m3)である。供試体に使用する土質材料は、推定対象の改良土の土質材料と同じものか、または粒度分布が近い土質材料であることが好ましい。なお、相関関係を取得する材齢は、材齢3日、7日、28日以外の材齢であってもよい。
ステップS2は、推定対象の改良土などからソイルセメントの未固結試料を採取し、この試料のC/Wを測定するものである。ここで、C/Wを測定する際の試料中の水分量Wの算出には、例えば赤外線水分計や電子レンジを用いて水分を逸散させる方法を使用することができる。また、セメント量Cの算出には、例えば水分量Wを測定した後の試料を所定量の塩酸に溶解させて水酸化ナトリウムで滴定を行う方法や、酸に溶解させた際の溶解熱の算出により求める方法を使用することができる。こうして算出した水分量Wとセメント量CとからC/Wを求めることができる。
ステップS3は、ステップS2で測定したC/Wに対応する弾性波速度Vを上記の相関関係(V〜C/W関係)から推定するものである。
ステップS4は、ステップS3で求めた弾性波速度Vに基づいて、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)におけるソイルセメントの強度特性を推定するものである。ここで、ソイルセメントの弾性波速度Vと一軸圧縮強さquは一義的な関係にあることが知られている。したがって、この関係を利用して、推定したVに対応する一軸圧縮強さquを求めることにより、ソイルセメントの強度を推定することができる。
このようにすることで、ソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、上記の推定方法を利用して、例えば材齢3日、7日、28日以外の任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定することも可能である。この場合、あらかじめ上記の相関関係(V〜C/W関係)に基づいて、供試体の弾性波速度Vと材齢(材齢3日、7日、28日)との関係をあらかじめ求めておく。このようにすれば、この関係に基づいて、材齢3日、7日、28日以外の任意の材齢(例えば材齢20日など)におけるソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、粒度分布が異なる土質材料ごとに供試体を作製し、各供試体ごとに上記の相関関係をあらかじめ求めておいてもよい。この場合、推定対象のソイルセメントの未固結試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて上記の相関関係(V〜C/W関係)を選定する。そして、未固結試料から測定したC/Wに対応する弾性波速度Vを、選定した相関関係(V〜C/W関係)から推定する。このようにすれば、ソイルセメントに含まれる土質材料に適した相関関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができる。
(実施例)
次に、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法の実施例について説明する。以下では、弾性波速度Vとしてせん断波速度Vsを用いて強度特性を推定する方法と、疎密波速度Vpを用いて強度特性を推定する方法とに分けて説明するものとし、さらに、任意の材齢における強度特性の推定方法についても説明する。なお、せん断波速度Vsおよび疎密波速度Vpは、ソイルセメントによる改良土の地盤特性(ヤング率、せん断弾性係数)を把握する際にも用いられる。
[せん断波速度を用いた推定方法]
まず、せん断波速度を用いて強度特性を推定する方法の実施例について説明する。
本実施例では、粒度分布が異なる4種類の土質材料(砂、土丹、粘土、礫)について、それぞれセメント水比C/Wが異なる配合でソイルセメントの供試体を作製し、この供試体を用いてせん断波速度Vsとセメント水比C/Wの相関関係を調べた。なお、各C/Wにおいて、土質材料の配合量は質量比で10%、25%、40%の3ケースとした。
図2に、使用した土質材料の粒度分布を示す。図3(1)〜(4)に、この室内試験で得られたソイルセメントのVs〜C/W関係を、土質材料ごとに示す。図3の各図では、材齢3日、7日、28日における供試体のせん断波速度Vsの測定値を、供試体作製時のC/Wに応じてプロットしている。各材齢のプロットに対しては、原点を通る形で以下のような近似式を設定することができる。
Figure 2018135696
ここに、a,b,cはフィッティングパラメータである。図3(1)〜(4)には上記の(1)式で近似した結果を実線で併記した。図4に、(1)式での近似に用いた係数a,b,cの一覧表を示す。
図3および図4に示すように、係数cを一定とし、係数a,bを変化させることで、(1)式によっていずれのソイルセメントのVs〜C/W関係も表現することができる。すなわち、ソイルセメントにおける未固結試料のC/Wから、任意の配合(ただし、本実施例ではC/W≦2.5に限る)に対して、砂、土丹、粘土、礫を用いたソイルセメントの材齢3日、7日、28日でのVsが推定可能となる。
例えば、土質材料として砂を用いたソイルセメント(C/W=1.5)の材齢28日におけるせん断波速度Vsは、図3(1)のVs〜C/W関係から1500m/s程度と読み取れる。
上述したように、ソイルセメントのせん断波速度Vsと一軸圧縮強さquは一義的な関係にあることが知られている。そこで、この関係を利用して、読み取ったVsに対応する一軸圧縮強さquを求めることにより、ソイルセメントの強度を推定する。こうすることで、ソイルセメントの未固結試料のC/Wから、材齢28日の強度を推定することができる。
したがって、本実施例によれば、ソイルセメントにおける未固結試料のC/Wから、砂、土丹、粘土、礫を用いたソイルセメントの材齢3日、7日、28日での強度を早期に推定することができる。
なお、本実施例では、施工現場で簡易に推定できるように、図2に示すような粒度分布の土質材料(砂、土丹、粘土、礫)のいずれかを使用したソイルセメントの場合を例にとり説明した。施工現場においては、施工前の土質調査により取得した改良対象の土質材料の粒度分布が、砂、土丹、粘土、礫のいずれに近いかを図2を用いて判定した後、判定した土質材料に対応するVs〜C/W関係を図3から選択してVsを推定すればよい。土質材料の粒度分布が近ければ、同様の相関関係が成り立つと推察されるため、Vsの概略値を把握することができる。
[疎密波速度を用いた推定方法]
次に、疎密波速度を用いて強度特性を推定する方法の実施例について説明する。
本実施例では、上記の「せん断波速度を用いた推定方法」と同様にして、図2に示すような粒度分布が異なる4種類の土質材料(砂、土丹、粘土、礫)について、それぞれセメント水比C/Wが異なる配合でソイルセメントの供試体を作製し、この供試体を用いて疎密波速度Vpとセメント水比C/Wの相関関係を調べた。なお、各C/Wにおいて、土質材料の配合量は質量比で10%、25%、40%の3ケースとした。
図5(1)〜(4)に、この室内試験で得られたソイルセメントのVp〜C/W関係を、土質材料ごとに示す。図5の各図では、材齢3日、7日、28日における供試体の疎密速度Vpの測定値を、供試体作製時のC/Wに応じてプロットしている。各材齢のプロットに対しては、原点を通る形で以下のような近似式を設定することができる。
Figure 2018135696
ここに、a,b,cはフィッティングパラメータである。図5(1)〜(4)には上記の(2)式で近似した結果を実線で併記した。図6に、(2)式での近似に用いた係数a,b,cの一覧表を示す。
図5および図6に示すように、係数cを一定とし、係数a,bを変化させることで、(2)式によっていずれのソイルセメントのVp〜C/W関係も表現することができる。すなわち、ソイルセメントにおける未固結試料のC/Wから、任意の配合(ただし、本実施例ではC/W≦2.5に限る)に対して、砂、土丹、粘土、礫を用いたソイルセメントの材齢3日、7日、28日でのVpが推定可能となる。
例えば、土質材料として砂を用いたソイルセメント(C/W=1.5)の材齢28日における疎密波速度Vpは、図5(1)のVp〜C/W関係から2700m/s程度と読み取れる。
ソイルセメントの疎密波速度Vpと一軸圧縮強さquは一義的な関係にあることが知られている。そこで、この関係を利用して、読み取ったVpに対応する一軸圧縮強さquを求めることにより、ソイルセメントの強度を推定する。こうすることで、ソイルセメントの未固結試料のC/Wから、材齢28日の強度を推定することができる。
したがって、本実施例によれば、ソイルセメントにおける未固結試料のC/Wから、砂、土丹、粘土、礫を用いたソイルセメントの材齢3日、7日、28日での強度を早期に推定することができる。
なお、本実施例では、施工現場で簡易に推定できるように、図2に示すような粒度分布の土質材料(砂、土丹、粘土、礫)のいずれかを使用したソイルセメントの場合を例にとり説明した。施工現場においては、施工前の土質調査により取得した改良対象の土質材料の粒度分布が、砂、土丹、粘土、礫のいずれに近いかを図2を用いて判定した後、判定した土質材料に対応するVp〜C/W関係を図5から選択してVpを推定すればよい。土質材料の粒度分布が近ければ、同様の相関関係が成り立つと推察されるため、Vpの概略値を把握することができる。
[任意の材齢における推定方法]
次に、任意の材齢における推定方法について説明する。なお、以下の説明では、上記の「せん断波速度を用いた推定方法」を利用して任意の材齢における強度を推定する場合を例にとり説明するが、本発明はこれに限るものではなく、上記の「疎密波速度を用いた推定方法」を利用して任意の材齢における強度を推定してもよい。
上記の「せん断波速度を用いた推定方法」では、ソイルセメントにおける未固結試料のセメント水比C/Wとせん断波速度Vsの関係を用いて、ソイルセメントの任意の配合におけるせん断波速度Vsを推定する近似式として上記の(1)式を設定した。しかしながら、この(1)式は材齢3日、7日、28日の供試体を対象とした室内試験結果を用いて定式化されたものであるため、任意の材齢におけるせん断波速度Vsを推定することはできない。
そこで、以下に説明するように、ソイルセメントにおける未固結試料のせん断波速度Vsと材齢の関係から、ソイルセメントの任意の材齢における発現強度を推定する。
本実施例では、図2に示した土質材料のうち砂と粘土に対してソイルセメントの供試体を作製し、Vsと材齢の相関関係を調べた。図7に、室内試験で得られたソイルセメントのVs〜材齢関係を示す。プロットは、材齢3日、7日、28日のVsを表している。
以下、材齢3日のVsをVs,3dと表記し、材齢28日のVsをVs,d28と表記するものとする。図8は、任意の材齢における、Vs,d28からVs,3dの増分に対するVsの増加率を示している。
ソイルセメントの任意の材齢における発現Vsは、例えば以下の手順で推定することができる。
(1)改良の対象とする土質材料を用いてソイルセメントの供試体を作製し、Vs〜C/W関係を求める。
(2)試験結果に基づき、例えば材齢3日と材齢28日に対する近似式(1)のフィッティングパラメータa,b,cを求める。
(3)原位置でソイルセメントの未固結試料を採取し、C/Wを求める。
(4)近似式(1)を用いて、材齢3日と材齢28日のVsを求める。
(5)図8の相関関係を用いて、任意の材齢におけるVsを求める。
この推定方法の一例として、砂を用いたソイルセメント(C/W=1.25)の材齢20日における発現Vsを推定する場合を例にとり説明する。まず、ソイルセメントの材齢3日、28日におけるせん断波速度Vsは、図7(1)からVs,3d=660m/s、Vs,d28=1400m/sとなる。
次に、Vs,d28からVs,3dの増分740m/sに対して、図8(1)から、材齢20日(480時間)で80%程度のVsの発現が読み取れる。したがって、材齢20日におけるせん断波速度Vsは、Vs,3d+(740×0.8)=660+592=1252となるので、1250m/s程度と推定できる。
上述したように、ソイルセメントのせん断波速度Vsと一軸圧縮強さquは一義的な関係にあることが知られている。そこで、この関係を利用して、推定したVsに対応する一軸圧縮強さquを求めることにより、ソイルセメントの強度を推定する。こうすることで、ソイルセメントの未固結試料のC/Wおよび材齢3日と材齢28日のVsから、材齢20日の強度を推定することができる。
なお、上記の実施例では、砂を用いたソイルセメントと、粘土を用いたソイルセメントの場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、土丹を用いたソイルセメントや礫を用いたソイルセメントの場合であってもよい。また、材齢3日と材齢28日のVsから、任意の材齢の強度を推定する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、別の異なる材齢のVsから、任意の材齢の強度を推定してもよい。
(ソイルセメントの強度特性の推定装置)
次に、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定装置の実施の形態について説明する。
本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定装置は、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する装置であって、ソイルセメントの供試体について、所定の材齢における弾性波速度V(せん断波速度Vsまたは疎密波速度Vp)と、C/Wとの相関関係(V〜C/W関係)を求める手段と、推定対象のソイルセメントの未固結試料のC/Wを測定する手段と、測定したC/Wに対応する弾性波速度VをV〜C/W関係から求める手段と、求めた弾性波速度Vに基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とを備える。
ここで、上記の各手段は、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法の各ステップに対応するものであるから、以下の説明では上記の推定方法において説明した内容と重複する内容については説明を省略する。
上記の未固結試料のC/Wを測定する手段としては、例えばセメント量Cや水分量Wを上記の方法で測定・算出する各種測定機器により構成することができる。
上記のV〜C/W関係を求める手段、C/Wに対応する弾性波速度VをV〜C/W関係から求める手段、ソイルセメントの強度特性を推定する手段としては、例えば供試体の配合より得られるC/W、供試体から測定した弾性波速度V、未固結試料から測定したC/W、qu〜V(Vsなど)曲線、材齢などに関する情報が格納されたデータベースまたはメモリと、このデータベースまたはメモリに格納された上記情報を読み出して、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する演算処理部を有するコンピュータとにより構成することができる。
このように構成したソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、上記の推定方法と同様に、ソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
なお、上記の実施の形態において、V〜C/W関係に基づいて、供試体の弾性波速度Vと材齢との関係を求める手段と、求めた弾性波速度Vと材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とをさらに備えてもよい。これにより、任意の材齢でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
上記の実施の形態において、粒度分布が異なる土質材料ごとに作製した供試体についてV〜C/W関係を求める手段と、未固結試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいてV〜C/W関係を選定する手段と、測定したC/Wに対応する弾性波速度Vを、選定したV〜C/W関係から求める手段とをさらに備えてもよい。これにより、ソイルセメントに含まれる土質材料に適したV〜C/W関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができる。
(杭施工時における根固め部の品質管理方法)
次に、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理方法の実施の形態について、高い支持力を得るようにした高支持力埋込み杭工法に適用する場合を例にとり説明する。
まず、根固め部の施工方法について概略説明する。図9に示すように、杭施工時において支持地盤1まで杭穴2を掘削するとともに、杭穴2内に既製杭3を設置する。地上のプラントで適切に配合したセメントミルクを既製杭3の先端の拡径した杭穴4に注入しつつ撹拌混合することで、既製杭3の先端に高強度のソイルセメントからなる拡大した根固め部5を築造する。ソイルセメントは原位置土とセメント系材料と水とからなる。このソイルセメントの施工品質は、上記の推定方法を利用して適切に品質管理される。
より具体的には、図10に示すように、まず、原位置土を採取して(ステップS11)、粒度試験を行い(ステップS12)、原位置土の粒度分布を得る。なお、施工前に実施された地盤調査報告書に記載の粒度分布を利用してもよい。この場合には、上記ステップS11、S12を省略することができる。得られた原位置土の粒度分布から、図2を利用して土質材料の大まかな系統分けを行っておく。
次に、本杭の根固め部のソイルセメントの未固結試料を採取し(ステップS13)、この試料のセメント水比C/Wを測定する(ステップS14)。
次に、系統分けした土質材料に対応するVs〜C/W関係(またはVp〜C/W関係)を選定する(ステップS15)。続いて、選定したVs〜C/W関係を用いて、測定したC/Wに対応する所定の材齢でのVsを推定する。さらに、任意の材齢での発現Vsを推定する(ステップS16)。推定したVsから、この材齢における本杭の根固め部のソイルセメントの強度を推定する。
このようにすれば、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期(例えば1時間以内)に根固め部のソイルセメントの将来の発現強度を推定して、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができる。特に簡易な方法であることから、杭施工者が容易に実施することが可能である。
(杭施工時における根固め部の品質管理装置)
次に、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理装置の実施の形態について説明する。
本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理装置は、上述したソイルセメントの強度特性の推定装置を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理する手段を備える。
上記のソイルセメントの品質を管理する手段としては、例えば供試体の配合より得られるC/W、供試体から測定した弾性波速度V、未固結試料から測定したC/W、qu〜V(Vsなど)曲線、材齢、設計基準強度などに関する情報が格納されたデータベースまたはメモリと、このデータベースまたはメモリに格納された上記情報を読み出して、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定し、推定した強度特性に基づいて根固め部の施工品質の合否を判定する演算処理部を有するコンピュータとにより構成することができる。
このように構成した杭施工時における根固め部の品質管理装置によれば、上記の品質管理方法と同様に、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期に根固め部のソイルセメントの強度特性を推定することで、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができる。
以上説明したように、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢における供試体の弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求めるステップと、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとを備えるので、例えばソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求めるステップと、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとをさらに備えるので、任意の材齢でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定方法によれば、粒度分布が異なる土質材料ごとに前記供試体を作製し、前記相関関係を求めるステップと、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定するステップと、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求めるステップとをさらに備えるので、ソイルセメントに含まれる土質材料に適した相関関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができる。
また、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する装置であって、セメント系材料と土質材料と水とを混合して作製され、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体について、所定の材齢における弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求める手段と、求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とを備えるので、例えばソイルセメントの未固結試料のセメント水比C/Wから、所定の材齢(例えば材齢3日、7日、28日)でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求める手段と、求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とをさらに備えるので、任意の材齢でのソイルセメントの強度特性を早期に推定することができる。
また、本発明に係る他のソイルセメントの強度特性の推定装置によれば、粒度分布が異なる土質材料ごとに作製した前記供試体について前記相関関係を求める手段と、推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定する手段と、測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求める手段とをさらに備えるので、ソイルセメントに含まれる土質材料に適した相関関係を用いて、ソイルセメントの強度特性を精度よく早期に推定することができる。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理方法によれば、上述したソイルセメントの強度特性の推定方法を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理するステップを備えるので、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期に根固め部のソイルセメントの強度特性を推定することで、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができる。
また、本発明に係る杭施工時における根固め部の品質管理装置によれば、上述したソイルセメントの強度特性の推定装置を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理する手段を備えるので、ソイルセメントの未固結試料の採取から早期に根固め部のソイルセメントの強度特性を推定することで、根固め部の施工品質の合否判定を簡易かつ早期に実施することができる。
以上のように、本発明に係るソイルセメントの強度特性の推定方法、推定装置、杭施工時における根固め部の品質管理方法、品質管理装置は、地盤改良工事や杭工事などにおいて使用されるソイルセメントの発現強度を判定するのに有用であり、特に、未固結の段階で早期に判定するのに適している。
1 支持地盤
2,4 杭穴
3 既製杭
5 根固め部

Claims (8)

  1. セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する方法であって、
    セメント系材料と土質材料と水とを混合して、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体を作製し、所定の材齢における供試体の弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求めるステップと、
    推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定するステップと、
    測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求めるステップと、
    求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとを備えることを特徴とするソイルセメントの強度特性の推定方法。
  2. 前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求めるステップと、
    求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のソイルセメントの強度特性の推定方法。
  3. 粒度分布が異なる土質材料ごとに前記供試体を作製し、前記相関関係を求めるステップと、
    推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定するステップと、
    測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求めるステップとをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のソイルセメントの強度特性の推定方法。
  4. セメント系材料と土質材料と水とを混合してなるソイルセメントの所定の材齢における強度特性を推定する装置であって、
    セメント系材料と土質材料と水とを混合して作製され、セメントと水の質量比が所定の値であるソイルセメントの供試体について、所定の材齢における弾性波速度と、前記質量比との相関関係を求める手段と、
    推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれるセメントと水の質量比を測定する手段と、
    測定した質量比に対応する弾性波速度を前記相関関係から求める手段と、
    求めた弾性波速度に基づいて、所定の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とを備えることを特徴とするソイルセメントの強度特性の推定装置。
  5. 前記相関関係に基づいて、供試体の弾性波速度と材齢との関係を求める手段と、
    求めた弾性波速度と材齢との関係に基づいて、任意の材齢におけるソイルセメントの強度特性を推定する手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のソイルセメントの強度特性の推定装置。
  6. 粒度分布が異なる土質材料ごとに作製した前記供試体について前記相関関係を求める手段と、
    推定対象の未固結状態のソイルセメントの試料に含まれる土質材料の粒度分布に基づいて前記相関関係を選定する手段と、
    測定した質量比に対応する弾性波速度を、選定した前記相関関係から求める手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載のソイルセメントの強度特性の推定装置。
  7. 請求項1〜3のいずれか一つに記載のソイルセメントの強度特性の推定方法を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理するステップを備えることを特徴とする杭施工時における根固め部の品質管理方法。
  8. 請求項4〜6のいずれか一つに記載のソイルセメントの強度特性の推定装置を用いて推定した強度特性に基づいて、杭施工時における根固め部のソイルセメントの品質を管理する手段を備えることを特徴とする杭施工時における根固め部の品質管理装置。
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