JP2018134283A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエストギャザーの密着性能を部分的に調整し,局所的な尿漏れを防止する。【解決手段】使い捨ておむつは,前身頃1及び後身頃2の両方又はいずれか一方の身頃に,複数の弾性伸縮部材43が長手方向に間隔を空けて幅方向に沿った伸長状態で固定されている。弾性伸縮部材43は,身頃を幅方向に完全に伸ばした状態で,幅方向の中央部分における伸長率と,少なくとも幅方向の左右いずれかの側方部分における伸長率が異なる。【選択図】図2

Description

本発明は,使い捨ておむつに関する。
従来から,乳幼児用や高齢者用の使い捨てのおむつが知られている。使い捨ておむつの型には様々なものがあり,例えば,パンツ型の使い捨ておむつや,テープ型の使い捨ておむつが知られている(特許文献1,特許文献2,及び特許文献3)。
パンツ型の使い捨ておむつは,前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである。パンツ型使い捨ておむつとしては,吸収性本体が載置される外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型(特許文献1)や,外装体が前身頃及び後身頃で分離され,前身頃外装体と後身頃外装体の間に吸収性本体が架け渡すように連結された分離型(特許文献2)が知られている。また,テープ型の使い捨ておむつは,前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられ,着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させるタイプの使い捨ておむつである(特許文献3)。
使い捨ておむつは,一般的に,前身頃と後身頃を接着して形成されたウエスト開口部の周縁に,複数の伸縮部材が伸長状態で固定されている。これら伸縮部材が,着用者のウエスト周りを締めこむことによってウエストギャザーを形成し,着用者の動きや排泄物の重さに伴っておむつが下方にずり落ちずないようにしている。このように,ウエスト開口部の周縁にウエストギャザーを形成しておむつのずり落ちを防止するための機能は,重要な機能となる。
特開2009−254662号公報 特開2010−233733号公報 特開2005−323685号公報
ところで,使い捨ておむつの装着時において,ウエストギャザーが形成されたウエスト周り部分には,着用者の肌に密着しやすい部分と,肌から浮きやすい部分とが存在する。例えば,幅方向の中央部分(着用者の腹に接する部分)はおむつが肌に密着しやすいものの,幅方向の側方部分(腰骨辺りに接する部分)はおむつが肌から浮きやすい場合が多く,またその逆の場合もある。このため,おむつが肌から浮きやすい部分においては,尿漏れが発生することが懸念される。しかしながら,従来の使い捨ておむつは,ウエストギャザーの密着性能が一様であり,局所的に発生する尿漏れを防止することが困難であった。
そこで,本発明は,ウエストギャザーの密着性能を部分的に調整し,局所的な尿漏れを防止することを主たる目的とする。
本発明の発明者は,上記目的を達成する手段について鋭意検討した結果,前身頃及び/又は後身頃の腹周りに複数の弾性伸縮部材をおむつの幅方向に沿った伸長状態で固定してウエストギャザーを形成し,これら弾性伸縮部材の幅方向の中央部分における伸長率と,幅方向の側方部分における伸長率とを異ならせるという知見を得た。このように,弾性伸縮部材の伸長率を部分的に変えて前身頃や後身頃に固定することで,着用者の肌に対する密着性を部分的に調整することができる。従って,例えば肌から浮きやすい部位の伸長率を高めれば,その部分から尿漏れが発生することを防止できる。そして,本発明者は,上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
本発明は,使い捨ておむつに関する。本発明は,パンツ型とテープ型の両方の使い捨ておむつに適用できる。特に,本発明は,パンツ型の使い捨ておむつに適用することが好ましい。使い捨ておむつは,その長手方向に,前身頃1,後身頃2,及びこれらの間に位置する股下部3に区分される。前身頃1及び後身頃2の両方又はいずれか一方の身頃には,複数の弾性伸縮部材43が,長手方向に間隔を空けて,幅方向に沿った伸長状態で固定されている。これにより,前身頃1や後身頃2の腹周り部分にウエストギャザーが形成される。ここで,弾性伸縮部材43は,幅方向の中央部分43Cと,幅方向の左右の側方部分43L,43Rとを有する。この場合に,弾性伸縮部材43は,身頃を幅方向に完全に伸ばした状態で,中央部分43Cにおける伸長率と,少なくとも左右いずれかの側方部分43L,43Rにおける伸長率が異なることを特徴とする。
なお,「伸長率」とは,収縮状態(自然状態)の弾性伸縮部材の長さを100%として,伸長状態の弾性伸縮部材の長さの増加分を示した割合である。例えば10cmの弾性伸縮部材を20cmまで伸長したときの伸長率は,200%となる。また,「身頃を幅方向に完全に伸ばした状態」とは,弾性伸縮部材が固定された身頃を,当該身頃に破断や裂損が生じない程度に幅方向に最大限引き伸ばした状態を意味する。
上記構成のように,弾性伸縮部材43の伸長率を中央部分43Cと側方部分43L,43Rとで異ならせることにより,ウエストギャザーの密着性能を部分的に調整することができる。例えば,おむつの側方部分43L,43Rにおいておむつが肌から浮きやすい場合には,その側方部分において弾性伸縮部材43の伸長率を高めることで,おむつの密着性を良化することができる。また,おむつの中央部分43Cにおいておむつが肌から浮きやすい場合には,その中央部分43Cにおける弾性伸縮部材43の伸長率を高めればよい。
本発明に係る使い捨ておむつにおいて,弾性伸縮部材43は,側方部分43L,43Rにおける伸長率が中央部分43Cにおける伸長率よりも高いことが好ましい。例えば,側方部分43L,43Rにおける伸長率は,中央部分43Cにおける伸長率に対して,1.1倍以上であればよく,1.2倍以上,又は1.5倍以上であることが好ましい。
一般的に,おむつの側方部分は着用者の肌から浮きやすく,この部分からの尿漏れを改善することが好ましい。そこで,上記構成のように,弾性伸縮部材43の側方部分43L,43Rにおける伸長率を高くすることで,このような問題を効果的に解消できる。
本発明に係る使い捨ておむつは,いわゆる「フルート構造」を有することが好ましい。すなわち,使い捨ておむつは,前身頃1及び前記後身頃2の両方又はいずれか一方の身頃にクッション部40が形成される。クッション部40は,上記の弾性伸縮部材43と,内側シート41と,外側シート42と,クッション形成シート44を含む。外側シート42は,内側シート41の肌非対向面側に位置する。クッション形成シート44は,内側シート41と外側シート42の両方又はいずれか一方に対して,長手方向に延びる接合部51と非接合部52が幅方向に沿って交互に連続するように間欠的に接合されている。弾性伸縮部材43は,幅方向に沿った伸長状態で内側シート41と外側シート42の間に挟んで固定されている。
上記構成のように,フルート構造は,弾性伸縮部材43を挟んで固定するための一対のシート41,42と,その上に間欠的な接合部51によって接合された皺形成用のクッション形成シート44を有する。フルート構造では,弾性伸縮部材43が収縮すると,クッション形成シート44が,非接合部52において浮いた状態となる。このようにして,クッション形成シート44と,弾性伸縮部材43を挟んだ一対のシートの間に通気路(空間)を形成することにより,弾性伸縮部材43を挟んだ一対のシートの硬さが直接肌に伝わりにくくなる。このため,フルート構造を形成することで,ウエストギャザー全体に通気性,柔軟性,及びクッション性を付与することができる。
本発明に係る使い捨ておむつにおいて,側方部分43L,43Rにおける接合部51の幅方向の間隔は,中央部分43Cにおける接合部51の幅方向の間隔よりも広いことが好ましい。
上記したとおり,本発明は,弾性伸縮部材43の伸長率を部分的に高くすることにより,おむつの密着性能を高めている。ただし,伸長率が高い部分においては締め付けが強くなり,着用者に圧迫感や締め付け感を与えるおそれがある。この点,上記のように,弾性伸縮部材43の伸長率が高い部分(側方部分43L,43R)において,フルート構造を形成するための接合部51同士の間隔を広くすることで,その部分において高い緩衝作用を持つ比較的大きめの通気路(クッション)を形成することができる。これにより,おむつの密着性能を高めつつ,着用者に圧迫感などを与えることを回避できる。
本発明に係る使い捨ておむつは,さらに,吸収性本体30を備える。吸収性本体30は,股下部3から前身頃1及び後身頃2まで長手方向に延在するように設けられる。吸収性本体30は,吸収体31と,吸収体31の肌対向面側に配置されたトップシート32と,吸収体31の肌非対向面側に配置されたバックシート33と,トップシート32の肌対向面側の左右両側に配置された一対のサイドシート34とを有する。サイドシート34は,いわゆる「立体ギャザー」を形成する。すなわち,サイドシート34は,長手方向に沿って延びる接合線61と,接合線61よりも幅方向の外側においてトップシート32の肌対向面に接合された接合領域62と,接合線61よりも幅方向の内側の起立領域63と,を有する。起立領域63の少なくとも一部は,トップシート32に接合されていない自由部分63aとなっており,自由部分63aには,長手方向に沿った伸長状態で一又は複数の立体ギャザー伸縮部材35が固定されている。ここで,立体ギャザー伸縮部材35は,サイドシート34を長手方向に完全に伸ばした状態で,長手方向の中央部分35Cにおける伸長率と,少なくとも長手方向の前後いずれかの端部分35F,35Rにおける伸長率が異なることが好ましい。なお,「サイドシートを幅方向に完全に伸ばした状態」とは,立体ギャザー伸縮部材35が固定されたサイドシート34を,当該サイドシート34に破断や裂損が生じない程度に長手方向に最大限引き伸ばした状態を意味する。
上記のように,ウエストギャザーを形成する弾性伸縮部材43だけでなく,立体ギャザーを形成する立体ギャザー伸縮部材35の伸長率も部分的に調整することが好ましい。これにより,立体ギャザーの立ち上り性能や密着性能を,使い捨ておむつのタイプやサイズに合わせて適宜調整することができる。例えば,尿漏れが発生しやすい部位において立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を高めるようにすればよい。
本発明において,立体ギャザー伸縮部材35は,端部分35F,35Rにおける伸長率が,中央部分35Cにおける伸長率よりも高いことが好ましい。例えば,端部分35F,35Rにおける伸長率は,中央部分35Cにおける伸長率に対して,1.1倍以上であればよく,1.2倍以上,又は1.5倍以上であることが好ましい。
上記構成のように,立体ギャザー伸縮部材35の長手方向前後の端部分35F,35Rにおける伸長率を高くする。一般的に,長手方向前後部分は立体ギャザーが着用者の肌から離れやすい部分であるため,この部分において立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を高めることで,立体ギャザーが肌に密着しやすくなり,尿漏れを効果的に防止できる。
本発明によれば,ウエストギャザーの密着性能を部分的に調整し,局所的な尿漏れを防止することができる。
図1は,本発明に係る使い捨ておむつの実施形態を示した外観斜視図である。 図2は,本発明に係る使い捨ておむつの実施形態を示した展開図である。 図3は,図2に示したIII−III線における断面図である。 図4は,外装体を概念的に抽出して示した拡大展開図である 図5は,吸収性本体を概念的に抽出して示した拡大展開図である 図6は,図5に示したVI−VI線における断面図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本明細書において,「前身頃」とは,着用者におむつを装着した際に,着用者の腹側(身体前方)を覆う部分を意味する。また,「股下部」とは,着用者におむつを装着した際に,着用者の股下を覆う部分を意味する。また,「後身頃」とは,着用者におむつを装着した際に,着用者の背側(身体後方)を覆う部分を意味する。
また,本願明細書において,「長手方向」とは,基本的に,使い捨ておむつの前身頃と後身頃を結ぶ方向(Y方向)を意味する。また,「幅方向」とは,基本的に,使い捨ておむつの長手方向に直交する方向(X方向)を意味する。
また,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する
[1.使い捨ておむつの全体構成]
本発明は,例えば,公知のパンツ型の使い捨ておむつ及びテープ型の使い捨ておむつに広く適用可能である。パンツ型の使い捨ておむつとは,前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである(例えば特許文献1)。また,テープ型の使い捨ておむつとは,前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられ,着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させるタイプの使い捨ておむつである(例えば特許文献3)。また,パンツ型の使い捨ておむつには,前身頃から後身頃にかけて外装体が一体になった一体タイプのもの(例えば特許文献1)や,前身頃の外装体と後身頃の外装体が分離した分離タイプのもの(例えば特許文献2)がある。以下では,これらの種々のタイプの使い捨ておむつのうち,パンツ型使い捨ておむつの分離タイプを例に挙げて,本発明の内容を具体的に説明する。
図1は,使い捨ておむつ100を前身頃側から見た例を示す外観斜視図である。また,図2は,使い捨ておむつの例を示す展開図であって,使い捨ておむつを肌対向面側から見た状態を示している。図2の展開図に示されるように,使い捨ておむつ100は,その長手方向に,装着された際に着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,着用者の股下にあてがわれる股下部3とに区分される。本実施形態において,使い捨ておむつ100は,前身頃外装体10によって前身頃1が構成され,後身頃外装体20によって後身頃2が構成される。そして,前身頃外装体10と後身頃外装体20の間の股下部3には,吸収性本体30が架け渡すように配置されている。つまり,吸収性本体30の一端は,前身頃外装体10に固定され,吸収性本体30の他端は,後身頃外装体20に固定されている。
図2に示された展開状態から,前身頃外装体10と後身頃外装体20の幅方向両端部を接合することにより,図1に示される状態に組み上がる。図1に示されるように,前身頃外装体10の上端縁と後身頃外装体20の上端縁により,ウエスト開口部4が形成される。また,前身頃外装体10と後身頃外装体20の両端部同士が接合されることにより,装着時に着用者の脚部周りに位置するレッグ開口部5が形成される。このため,着用者は,ウエスト開口部4から両脚部を入れ,それぞれの脚部をレッグ開口部5から出すことで,使い捨ておむつ100を装着できる。
また,図2に示されるように,本実施形態において,前身頃外装体10と後身頃外装体20には,それぞれ,クッション部40が形成されている。クッション部40は,ウエスト開口部4を形成する端縁に沿って,幅方向に延びるように形成されたものである。クッション部40は,複数のウエスト伸縮部材43(弾性伸縮部材)を含む。また,クッション部40には,複数のタミー伸縮部材46(弾性伸縮部材)が含まれていてもよい。複数のウエスト伸縮部材43は,ウエスト開口部4の開口縁に相当する前身頃外装体10の端部と後身頃外装体20の端部に沿って,使い捨ておむつの幅方向に延びている。複数のウエスト伸縮部材43は,伸長状態で固定されており,この複数のウエスト伸縮部材43が収縮することにより,ウエスト開口部4近傍に,ウエストギャザーが形成される。また,複数のタミー伸縮部材46は,ウエスト伸縮部材43よりも股下部寄りの位置において,幅方向に沿って延びている。複数のタミー伸縮部材46は,伸長状態で固定されており,この複数のタミー伸縮部材46が収縮することにより,タミーギャザーが形成される。なお,図2に示されるように,タミー伸縮部材46は,吸収性本体30重なる部分において切断することにより収縮力を失わせることが好ましい。これにより,タミー伸縮部材46が収縮したときに,吸収性本体30が撓むことを回避できる。
本実施形態において,クッション部40は,前身頃外装体10と後身頃外装体20の両方に設けられている。ただし,本発明において,クッション部40は,前身頃外装体10と後身頃外装体20の少なくともいずれか一方に設けられていればよい
[2.使い捨ておむつの各部構成]
次に,図面を用いて,使い捨ておむつ100の各部の構成の一例について説明する。
[2−1.クッション部の基本構成]
図3は,図2に示したIII−III線における断面図を示している。なお,図3の断面図では,使い捨ておむつを構成する各種のシート部材に概念的な厚みをもたせて描画しているが,通常,使い捨ておむつを構成するシート部材は,非常に薄いものである。
図3に示されるように,前身頃外装体10と後身頃外装体20(以下,併せて「外装体10,20」ともいう)は,クッション部40を含んで構成されている。クッション部40は,使い捨ておむつのウエスト開口部4の周縁に,ウエストギャザーを形成する手段であり,複数のシート部材と伸縮部材とから構成される。
図3の断面図に示されるように,クッション部40は,肌対向面側に位置する内側シート41と,肌非対向面側に位置する外側シート42と,これらの内側シート41と外側シート42の間に固定された複数のウエスト伸縮部材43及びタミー伸縮部材46(本願明細書では合わせて「弾性伸縮部材」ともいう)とを含む。図3に示されるように,内側シート41と外側シート42は,共に,使い捨ておむつの長手方向の端縁を形成している。つまり,内側シート41と外側シート42は,使い捨ておむつのウエスト開口部4に沿った端縁を形成するものである。また,図2の平面図に示されているように,複数の弾性伸縮部材43,46は,使い捨ておむつの幅方向に沿って平行に延びている。また,複数の弾性伸縮部材43,46は,使い捨ておむつの長手方向に所定間隔をあけて配置されている。なお,図3に示した例において,内側シート41と外側シート42はそれぞれ分離されているが,これらのシート41,42は,繋がって一体的に形成されていてもよい。つまり,一枚のシート部材をウエスト端縁において折り返して,肌対向面側の部分を内側シート41とし,肌非対向面側の部分を外側シート42としてもよい。
複数の弾性伸縮部材43,46は,幅方向に沿って伸長した状態で,内側シート41と外側シート42の間に固定されている。複数のウエスト伸縮部材43が固定される際の伸張率は,例えば,150〜400%,180〜380%,又は200〜360%の範囲内であることが好ましい。このように,内側シート41と外側シート42の間に伸長状態にある弾性伸縮部材43,46が形成されているため,弾性伸縮部材43,46が収縮したときに,内側シート41と外側シート42に皺(ギャザー)が形成される。なお,弾性伸縮部材43,46としては,糸状弾性ゴム又は帯状弾性ゴムを適用することが好ましい。このようなゴム材としては,スチレン系ゴム,オレフィン系ゴム,ウレタン系ゴム,エステル系ゴム,ポリウレタン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレンブタジエン,シリコーン,又はポリエステル等の素材を用いることができる。
さらに,本実施形態において,クッション部40は,内側シート41の肌対向面側に配置されたクッション形成シート44を含む。クッション形成シート44は,使い捨ておむつの装着者の肌に直接触れるシート部材であり,内側シート41の肌対向面側に,皺(ギャザー)を形成する機能を持つ。なお,クッション形成シート44は,さらに,外側シート42の肌非対向面側に配置されていてもよい。また,内側シート41に重ねられたクッション形成シート44と,外側シート42に重ねられたクッション形成シート44は,一体的に繋がっていてもよい。
クッション形成シート44と内側シート41の接合部51は,おむつの幅方向(X方向)に沿って間欠的に形成されている。すなわち,クッション形成シート44と内側シート41は,おむつの幅方向に沿って,接合部51と非接合部52が交互に連続するようにして接合されている。接合部51の幅方向の間隔は,例えば,5〜20mm,6〜18mm,又は7〜16mmの範囲であることが好ましい。接合部51においては,ホットメルト接着剤等によってクッション形成シート44と内側シート41を接合することとしてもよいし,ヒートシールや超音波シールによってクッション形成シート44と内側シート41を融着してもよい。また,接合部51は,基本的に,おむつの長手方向(Y方向)に沿って直線的に形成されている。各接合部51は,1本の直線状の接合線によって形成されていてもよい。また,各接合部51は,複数の直線状又はドット状(点状)の接合点が長手方向(Y方向)に間欠的に形成された接合点の郡によって形成されていてもよい。各接合部51の横幅は,非接合部52の幅よりも狭く,好ましくは非接合部52の幅の1/2以下である。図に示した例では,1つの接合部51が,複数の直線状の接合点の郡によって形成されており,各接合点の間には所定の空隙(0.5〜2mm程度)が設けられている。少なくとも,ある接合部51を構成する各接合点同士の長手方向の間隔は,接合部51同士の幅方向の間隔よりも小さくなる。
弾性伸縮部材43,46は,内側シート41と外側シート42の間に,伸長状態で挟み込んで固定されている。また,クッション形成シート44は,幅方向に間欠的に形成された接合部51において,内側シート41の肌対向面側に接合されている。弾性伸縮部材43,46の収縮に伴って,クッション形成シート44に皺が形成される。つまり,弾性伸縮部材43,46が収縮すると,非接合部52において,クッション形成シート44が,内側シート41から離れて,クッション形成シート44と内側シート41との間に,通気路(空間)が形成される。このような構造を,本願明細書では「フルート構造」と称している。このようにして,間欠的に形成された接合部51の間において,通気路を形成することにより,弾性伸縮部材43,46を挟んでいる内側シート41の硬さが,着用者の直接肌に伝わりにくくなる。また,「フルート構造」を形成することで,ウエストギャザー全体に通気性,柔軟性,及びクッション性を付与することができる。
また,本実施形態では,図3に示されるように,内側シート41が,おむつの股下部3の方向へと延在している。そして,内側シート41の一部は,吸収性本体30の長手方向の端部の上(肌対向面)に重畳している。このように,内側シート41の一部を吸収性本体30に重畳させることで,吸収性本体30が,外装体10,20にしっかりと固定されて,外れにくくなる。
また,外装体10,20は,インナーシート45と,タミー伸縮部材46と,をさらに含んで構成されている。すなわち,図3に示されるように,本実施形態において,外側シート42は,股下部3の方向へと延在し,その一部が,吸収性本体30の肌非対向面側に位置している。ここで,外側シート42の延在部分の肌対向面側には,インナーシート45が配置されている。そして,外側シート42の延在部分とインナーシート45との間には,一又は複数本のタミー伸縮部材46が,挟んで固定されている。タミー伸縮部材46は,弾性伸縮部材43,46と同様に,おむつの幅方向に沿った伸長状態で,外側シート42の延在部分とインナーシート45との間に固定される。
[2−3.弾性伸縮部材の伸長率]
続いて,ウエストギャザーを形成する弾性伸縮部材(特にウエスト伸縮部材43)についてさらに詳しく説明する。図4は,後身頃外装体20を拡大して示したものである。図4(a)は,後身頃外装体20の典型例を示し,図4(b)は,後身頃外装体20の変形例を示している。なお,ここでは,後身頃外装体20を例に示しているが,前身頃外装体10に置き換えることもできる。このため,ここでは外装体10,20の両方について説明する。
図4(a)に示されるように,外装体10,20のウエスト周り領域,具体的には吸収性本体30の長手方向端縁とウエスト開口部の端縁の間の領域には,複数のウエスト伸縮部材43が幅方向に沿った伸長状態で固定されている。このため,複数のウエスト伸縮部材43は,吸収性本体30と重ならないように配置されている。また,各ウエスト伸縮部材43は,中央部分43Cと,中央部分43Cの左側方に位置する左側方部分43Lと,中央部分43Cの右側方に位置する右側方部分43Rを有する。図4(a)に示した例では,長手方向にみて吸収性本体30が存在している部分を中央部分43Cとし,長手方向にみて吸収性本体30が存在していない左右両側の部分をそれぞれ左側方部分43L,右側方部分43Rとしている。
ここで,ウエスト伸縮部材43は,外装体10,20に固定される時に,中央部分43Cにおける伸長率が,左側方部分43L及び右側方部分43Rの両方又は少なくとも何れか一方における伸長率が異なっている。中央部分43Cにおける伸長率は,左側方部分43L及び右側方部分43Rの両方の伸長率と異なっていてもよいし,左側方部分43Lと右側方部分43Rのいずれか一方の伸長率と異なり,いずれか他方の伸長率と同じであってもよい。本発明においては,中央部分43Cにおける伸長率は,左側方部分43L及び右側方部分43Rの両方の伸長率と異なり,かつ,左側方部分43Lと右側方部分43Rの伸長率が実質的に同じことが好ましい。
より具体的に説明すると,ウエスト伸縮部材43は,左右の側方部分43L,43Rにおける伸長率が,中央部分43Cにおける伸長率よりも高いことが好ましい。例えば,左右の側方部分43L,43Rにおける伸長率は,中央部分43Cにおける伸長率に対して,1.1倍〜3倍であることが好ましく,1.2倍〜2.5倍,又は1.5倍〜2倍であることが好ましい。ただし,ウエスト伸縮部材43の各部(43C,43L,43R)における伸長率は,150〜400%,180〜380%,又は200〜360%の範囲内であることが好ましい。なお,左右の側方部分43L,43Rの少なくとも一部における伸長率は,中央部分43Cの少なくとも一部における伸長率よりも高く設定されていればよく,必ずしも左右の側方部分43L,43R全体の伸長率が,中央部分43C全体の伸長率よりも高く設定されている必要はない。なお,ウエスト伸縮部材43の伸長率を測定する際には,このウエスト伸縮部材43が固定されている外装体10,20を幅方向に完全に伸ばした状態で測定を行う。具体的には,外装体10,20を幅方向に完全に伸ばした状態で,ウエスト伸縮部材43の各部(43C,43L,43R)を所定長さα(例:α=30mm)ずつ切り取る。そして,切り取った各片の自然状態(収縮状態)の長さβと上記所定長さαを比較して,伸長率(α/β)を求める。
このように,ウエスト伸縮部材43の伸長率を中央部分43Cと側方部分43L,43Rとで異ならせることにより,ウエストギャザーの密着性能を部分的に調整することができる。例えば,おむつの側方部分43L,43Rにおいておむつが肌から浮きやすい場合には,その側方部分において弾性伸縮部材43の伸長率を高めることで,おむつの密着性を良化することができる。また,おむつの中央部分43Cにおいておむつが肌から浮きやすい場合には,その中央部分43Cにおけるウエスト伸縮部材43の伸長率を高めればよい。特に,おむつの側方部分は着用者の肌から浮きやすくなっているため,この部分からの尿漏れを改善することが好ましい。そこで,上記構成のように,弾性伸縮部材43の側方部分43L,43Rにおける伸長率を高くすることで,このような問題を効果的に解消できる。
ウエスト伸縮部材43を外装体10,20に固定するときには,ウエスト伸縮部材43を内側シート41と外側シート42の間に挟み込む。例えば,ウエスト伸縮部材43自体に接着剤を塗布し,接着剤が塗布されたウエスト伸縮部材43を内側シート41と外側シート42の間に挟み込めばよい。また,例えば,内側シート41と外側シート42の両方又はいずれか一方に接着剤を塗布した後,これらのシート41,42の間にウエスト伸縮部材43を挟み込んで固定することもできる。このように,ウエスト伸縮部材43を外装体10,20に固定する際に,部分的にウエスト伸縮部材43の伸長率を高くしたり低くしたりする。これにより,ウエスト伸縮部材43の伸長率を部分的に調整することができる。
次に,図4(b)は,上記図4(a)に示した実施形態の変形例を示している。図4(b)の実施形態は,左右の側方部分43L,43Rにおける伸長率を中央部分43Cにおける伸長率よりも高く設定する点においては,図4(a)の実施形態と同じである。他方で,図4(b)の実施形態において,フルート構造を形成するための接合部51同士の間の間隔は,左右の側方部分43L,43Rにおける間隔のほうが,中央部分43Cにおける間隔よりも広く設定されている。
具体的に説明すると,図4(b)には,側方部分43L,43Rにおける接合部51の間隔が符号S1で示され,中央部分43Cにおける接合部51の間隔が符号S2で示されている。例えば,間隔S1は,間隔S2に対して,1.1倍〜2.5倍又は1.2倍〜2倍に設定されることが好ましい。ただし,接合部51の幅方向の間隔S1,S2は,5〜20mm,6〜18mm,又は7〜16mmの範囲内であることが好ましい。このように,側方部分43L,43Rにおける接合部51の間隔S1を広くすることで,ウエスト伸縮部材43が収縮したときに側方部分43L,43Rに形成される通気路(空間)の幅が大きくなる。幅の大きい通気路は,高い緩衝性(クッション性)を持つ。上記のとおり,本実施形態では,側方部分43L,43Rにおいてウエスト伸縮部材43の伸長率を部分的に高くすることによりおむつの密着性能を高めているため,着用者に圧迫感や締め付け感を与えるおそれがあるが,このウエスト伸縮部材43の伸長率の高く設定されている部分において,接合部51同士の間隔を広くして緩衝作用を高めることで,おむつの密着性能を高めつつ,着用者に圧迫感などを与えることを回避できる。
[2−4.吸収性本体]
図2や図3に示されるように,吸収性本体30は,前身頃外装体10と後身頃外装体20の間に架け渡された状態で保持され,使い捨ておむつ100の着用時おいて,着用者の股下部に位置し,着用者が排泄した尿などの液体を吸収保持する。吸収性本体30は,使い捨ておむつの股下部3を中心に,前身頃1及び後身頃2にかけて配置される。また,図5は,吸収性本体30を抽出して示した平面図であり,図6は,図5のVI−VI線における断面図である。図5及び図6に示されるように,吸収性本体30は,吸収体31と,トップシート32と,バックシート33と,サイドシート34,立体ギャザー伸縮部材35,レッグ伸縮部材36,及びカバーシート37を備えている。
吸収体31は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体31は,液透過性のトップシート32と,液不透過性のバックシート33の間に配置される。吸収体31は,トップシート32を透過した液体を吸収する機能を有し,吸収性材料により構成される。吸収体31を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては,例えば,フラップパルプ,高吸収性ポリマー,又は親水性シートを用いることとしてもよい。吸収体31は,コアラップシート31aよって,被包することが好ましい。コアラップシート31aとしては,ティシュペーパー,吸収紙,親水化処理を行った不織布等を適宜用いることができる。
トップシート32は,着用者の股下部の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体31へ透過させるための部材である。このため,トップシート32は,柔軟性が高い液透過性材料で構成される。また,トップシート32は,吸収体31の肌当接面側を被覆するように配置される。トップシート32を構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,トップシート32としては,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
バックシート33は,トップシート32を透過し吸収体31に吸収された液体が,おむつの外側へ漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート33は,液不透過性材料によって構成される。バックシート33は,吸収体31の底面からの液漏れを防止するため,吸収体31を肌非当接面側から被覆する。バックシート33を構成する不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
続いて,立体ギャザーを形成するための構造について説明する。図5及び図6に示されるように,トップシート32の肌対向面側の幅方向左右両側には,長手方向の全体に亘って,一対のサイドシート34が重ね合わされている。一対のサイドシート34は,吸収体31の両側縁に沿って起立して,尿の横漏れを防止する立体ギャザーを形成するためのシート部材である。このため,サイドシート34は,液不透過性材料によって構成される。特に,サイドシート34としては,撥水性と通気性を有するシート部材を採用することが好ましい。例えば,サイドシート34としては,スパンボンド不織布(SS,SSS等)や,SMS不織布(SMS,SSMMS等),メルトブロー不織布等の柔軟性に優れた不織布に,シリコンなどによる撥水処理を施したものを好適に用いることができる。特にサイドシート34としては,防水性及び通気性が高いSMSやSMMS等の不織布シートに撥水処理を施したものを用いることが好ましい。
図5に示されるように,一対のサイドシート34は,それぞれ,接合線61と,接合領域62と,起立領域63とからなる。サイドシート34の接合線61は,長手方向に沿って真っ直ぐに延びた直線状に形成されており,接合領域62と起立領域63の間の境界線となっている。また,図2に示されるように,サイドシート34の接合線61は,トップシート32の肌対向面上に形成されていることが好ましい。
サイドシート34の接合領域62は,接合線61よりも幅方向の外側に位置する領域である。この接合領域62において,サイドシート34は,トップシート32の肌対向面に全面的に接合されている。サイドシート34とトップシート32の接合には,ホットメルト接着剤などの公知の接着剤を用いてもよいし,熱シールや超音波シールなどによって融着させてもよい。ま
サイドシート34の起立領域63は,接合線61よりも幅方向の内側に位置する領域である。この起立領域63は,長手方向の中央の股下部3に位置する自由部分63aと,前身頃1側に位置する接合部分63bと,後身頃2側に位置する接合部分63cに区分されている。前後の接合部分63b,63cにおいて,サイドシート34は,トップシート32の肌対向面上に接合されている。他方,接合部分63b,63cの間に位置する自由部分63aにおいて,サイドシート34は,トップシート32の肌対向面上に接合されていない。このため,サイドシート34は,起立領域63の自由部分63aにおいて,トップシート32から離れており,自由に立ち上がることができるようになっている。起立領域63の自由部分63aは,立体ギャザーを形成する部分となる。このため,起立領域63の自由部分63aは,長手方向に見て,少なくとも股下部3の全体に亘っており,前身頃1及び後身頃2に到達する長さで形成されていることが好ましい。
また,図6に示されるように,サイドシート34の起立領域63は,幅方向内側の先端部分(端縁)が折り返されて,シート部材が2重に重なった折返部64を有することが好ましい。サイドシート34の折返部64は,サイドシート34の長手方向全体に亘って形成されている。折返部64は,サイドシート34の内側端縁を,幅方向の内側に向かって折り返すようにして形成されたものであってもよい。また,図示は省略するが,折返部64は,サイドシート34の内側端縁を,幅方向の外側に向かって折り返すようにして形成されたものであってもよい。このサイドシート34の折返部64には,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材35を挟み込んで固定することができる。
一対のサイドシート34の起立領域63の自由部分63aには,それぞれ,一又は複数の立体ギャザー伸縮部材35が取り付けられている。立体ギャザー伸縮部材35は,長手方向に沿った伸長状態で,サイドシート34の自由部分63aに固定されている。具体的には,立体ギャザー伸縮部材35は,サイドシート34の自由部分63aに形成された折返部64に挟み込んで固定されていることが好ましい。このようにして,各立体ギャザー伸縮部材35が伸長状態で固定されていることで,これらの立体ギャザー伸縮部材35が収縮したときに,サイドシート34の自由部分63aが長手方向に縮まる。これにより,サイドシート34の自由部分63aが,立体ギャザー伸縮部材35の収縮力を利用して,トップシート32の肌対向面から離れるように起立する。また,立体ギャザー伸縮部材35が収縮すると,これを固定しているサイドシート34の自由部分63aに皺(ギャザー)が形成される。従って,サイドシート34の自由部分63aによって,着用者の肌の方向に向かって起立する立体ギャザーが形成されることとなる。立体ギャザー伸縮部材35をサイドシート34に固定するときには,立体ギャザー伸縮部材35に接着剤を直接塗布して,引き伸ばされた状態のままで,サイドシート34に固定すればよい。また,サイドシート34に接着剤を塗布した後,引き伸ばされた状態の立体ギャザー伸縮部材35をサイドシート34に取り付けることとしてもよい。立体ギャザー伸縮部材35は,各サイドシート34に対して,1本,2本,又は3本以上設けることが可能である。
ここで,図5に示されるように,立体ギャザー伸縮部材35は,中央部分35Cと,中央部分35Cの長手方向前側に位置する前端部分35Fと,中央部分35Cの長手方向後側に位置する後端部分35Rを有する。この場合に,立体ギャザー伸縮部材35は,サイドシート34に固定される時に,中央部分35Cにおける伸長率が,前端部分35F及び後端部分35Rの両方又は少なくとも何れか一方における伸長率が異なっていることが好ましい。中央部分35Cにおける伸長率は,前端部分35F及び後端部分35Rの両方の伸長率と異なっていてもよいし,前端部分35Fと後端部分35Rのいずれか一方の伸長率と異なり,いずれか他方の伸長率と同じであってもよい。本発明においては,中央部分35Cにおける伸長率は,前端部分35F及び後端部分35Rの両方の伸長率と異なり,かつ,前端部分35Fと後端部分35Rの伸長率が実質的に同じことが好ましい。
より具体的に説明すると,立体ギャザー伸縮部材35は,前後の端部分35F,35Rにおける伸長率が,中央部分35Cにおける伸長率よりも高いことが好ましい。例えば,前後の端部分35F,35Rにおける伸長率は,中央部分35Cにおける伸長率に対して,1.1倍〜3倍であることが好ましく,1.2倍〜2.5倍,又は1.5倍〜2倍であることが好ましい。ただし,立体ギャザー伸縮部材35の各部(35C,35F,35R)における伸長率は,260%〜410%,280%〜370%,又は310%〜340%の範囲内であることが好ましい。なお,前後の端部分35F,35Rの少なくとも一部における伸長率は,中央部分35Cの少なくとも一部における伸長率よりも高く設定されていればよく,必ずしも前後の端部分35F,35R全体の伸長率が,中央部分35C全体の伸長率よりも高く設定されている必要はない。ただし,好ましい実施形態においては,前後の端部分35F,35R全体の伸長率が,中央部分35C全体の伸長率よりも高くなる。なお,立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を測定する際には,この立体ギャザー伸縮部材35が固定されているサイドシート34を長手方向に完全に伸ばした状態で測定を行う。具体的には,サイドシート34を長手方向に完全に伸ばした状態で,立体ギャザー伸縮部材35の各部(35C,35F,35R)を所定長さα(例:α=30mm)ずつ切り取る。そして,切り取った各片の自然状態(収縮状態)の長さβと上記所定長さαを比較して,伸長率(α/β)を求める。
このように,立体ギャザーを形成する立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を部分的に調整することで,立体ギャザーの立ち上り性能や密着性能を,使い捨ておむつのタイプやサイズに合わせて適宜調整することができる。例えば,尿漏れが発生しやすい部位において立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を高めるようにすればよい。特に,立体ギャザー伸縮部材35の長手方向前後の端部分35F,35Rにおける伸長率を高くする。一般的に,長手方向前後部分は立体ギャザーが着用者の肌から離れやすい部分であるため,この部分において立体ギャザー伸縮部材35の伸長率を高めることで,立体ギャザーが肌に密着しやすくなり,尿漏れを効果的に防止できる。
また,図6の断面図に示されるように,吸収性本体30は,バックシート33の肌非対向面側を被覆するカバーシート37をさらに有していてもよい。カバーシート37は,バックシート33を補強し,かつ,その手触りを良くするための部材である。カバーシート37を構成する材料としては,織布や不織布が用いられる。特に,カバーシート37を構成する材料として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,使い捨ておむつの製造業などにおいて好適に利用し得る。
1…前身頃 2…後身頃
3…股下部 4…ウエスト開口部
5…レッグ開口部 10…前身頃外装体
20…後身頃外装体 30…吸収性本体
31…吸収体 32…トップシート
33…バックシート 34…サイドシート
35…立体ギャザー伸縮部材 35C…中央部分
35F…前端部分 35R…後端部分
36…レッグ伸縮部材 37…カバーシート
40…クッション部 41…内側シート
42…外側シート 43…ウエスト伸縮部材
43C…中央部分 43L…左側方部分
43R…右側方部分 44…クッション形成シート
45…インナーシート 46…タミー伸縮部材
51…接合部 52…非接合部
61…接合線 62…接合領域
63…起立領域 63a…自由部分
63b…接合部分 63c…接合部分
64…折返部 100…使い捨ておむつ

Claims (6)

  1. 長手方向に,前身頃(1),後身頃(2),及び前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の間に位置する股下部(3)に区分された使い捨ておむつであって,
    前記前身頃(1)及び前記後身頃(2)の両方又はいずれか一方の身頃に,複数の弾性伸縮部材(43)が,長手方向に間隔を空けて,幅方向に沿った伸長状態で固定されており,
    前記弾性伸縮部材(43)は,前記身頃を幅方向に完全に伸ばした状態で,幅方向の中央部分(43C)における伸長率と,少なくとも幅方向の左右いずれかの側方部分(43L,43R)における伸長率が異なる
    使い捨ておむつ。
  2. 前記弾性伸縮部材(43)は,前記側方部分(43L,43R)における伸長率が,前記中央部分(43C)における伸長率よりも高い
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記前身頃(1)及び前記後身頃(2)の両方又はいずれか一方の身頃にクッション部(40)が形成されており,
    前記クッション部(40)は,
    前記弾性伸縮部材(43)と,
    内側シート(41)と,
    前記内側シート(41)の肌非対向面側に位置する外側シート(42)と,
    前記内側シート(41)と前記外側シート(42)の両方又はいずれか一方に対して,前記長手方向に延びる接合部(51)と非接合部(52)が前記幅方向に沿って交互に連続するように間欠的に接合されたクッション形成シート(44)と,を含み,
    前記弾性伸縮部材(43)が,幅方向に沿った伸長状態で前記内側シート(41)と前記外側シート(42)の間に挟んで固定されている
    請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記側方部分(43L,43R)における前記接合部(51)の幅方向の間隔は,前記中央部分(43C)における前記接合部(51)の幅方向の間隔よりも広い
    請求項3に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記股下部(3)から前記前身頃(1)及び前記後身頃(2)まで長手方向に設けられた吸収性本体(30)を備え,
    前記吸収性本体(30)は,
    吸収体(31)と,
    前記吸収体(10)の肌対向面側に配置されたトップシート(32)と,
    前記吸収体(10)の肌非対向面側に配置されたバックシート(33)と,
    前記トップシート(32)の肌対向面側の左右両側に配置された一対のサイドシート(34)と,
    前記サイドシート(34)は,
    長手方向に沿って延びる接合線(61)と,
    前記接合線(61)よりも幅方向の外側において,前記トップシート(32)の肌対向面に接合された接合領域(62)と,
    前記接合線(61)よりも幅方向の内側の起立領域(63)と,を有し,
    前記起立領域(63)の少なくとも一部が,前記トップシート(32)に接合されていない自由部分(63a)となっており,
    前記自由部分(63a)には,長手方向に沿った伸長状態で一又は複数の立体ギャザー伸縮部材(35)が固定されており,
    前記立体ギャザー伸縮部材(35)は,前記サイドシート(34)を長手方向に完全に伸ばした状態で,長手方向の中央部分(35C)における伸長率と,少なくとも長手方向の前後いずれかの端部分(35F,35R)における伸長率が異なる
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記立体ギャザー伸縮部材(35)は,前記端部分(35F,35R)における伸長率が,前記中央部分(35C)における伸長率よりも高い
    請求項5に記載の使い捨ておむつ。
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