JP2018131554A - 放熱絶縁フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導性及び絶縁性を有し、電気・電子機器などに利用される放熱絶縁フィルムであって、屈曲性に優れた放熱絶縁フィルムを提供すること。【解決手段】本発明の放熱絶縁フィルム1は、脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)と酸発生剤(C)とを含む樹脂組成物の硬化物と、前記硬化物中に分散した無機フィラーとを含むことを特徴とする。また、脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)との合計量に占める脂環式エポキシ化合物(A)の量の割合は50〜80質量%の範囲内にあることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、熱伝導性及び絶縁性を有し、電気・電子機器などに利用される放熱絶縁フィルムに関する。
電気・電子機器などに用いられる電子デバイスの発熱部材から発生する熱を逃すため、前記発熱部材と筐体などとの間に、放熱部材として熱伝導性フィルムを介在させている。この熱伝導性フィルムは、一般的にバインダー樹脂と熱伝導性無機フィラーとからなるが、バインダー樹脂は金属材料などの無機物に比べて熱伝導性が低い。このため、熱伝導性無機フィラーをバインダー樹脂に対して高い割合で配合することにより、熱伝導性フィルムの熱伝導性を向上させる試みがなされている。
さらに、電子デバイスは、電気回路などに対する障害を防止する観点から、絶縁性を有することが好ましく、前記無機フィラーとしては絶縁性無機フィラーが利用されている。
例えば特許文献1には、バインダー樹脂にエポキシ樹脂を用い、無機フィラーを樹脂組成物全体の70〜85体積%含む絶縁シートが記載されている。しかし、このように無機フィラーの割合が多いシートでは、屈曲性が低く、近年の高性能化や小型化により微小な凹凸形状を有する発熱部材の形状に追従して接着することができないといった問題がある。
また特許文献2には、無機フィラーの含有量を多くしても優れた放熱絶縁性能を有するシートが記載されている。しかし、特許文献2のバインダー樹脂の組成では、十分な屈曲性が得られず、特許文献1と同様に発熱部材の形状に追従して接着することができないといった問題がある。
国際公開第2011/048885号 特許第5768496号明細書
以上の問題点を鑑み、本発明者は、従来技術に係る放熱絶縁フィルムには、その屈曲性について未だ改善の余地があることを見出した。
そこで本発明は、屈曲性に優れた放熱絶縁フィルムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、所定のエポキシ樹脂からなる自立膜としてのフィルムに無機フィラーを含ませることによって上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、以下のフィルムにより達成される。
<1>脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)と酸発生剤(C)とを含む樹脂組成物の硬化物と、前記硬化物中に分散した無機フィラーとを含むことを特徴とする放熱絶縁フィルム。
<2>前記脂環式エポキシ化合物(A)と前記ポリオール化合物(B)との合計量に占める前記脂環式エポキシ化合物(A)の量の割合は50〜80質量%の範囲内にあること
を特徴とする<1>に記載の放熱絶縁フィルム。
<3>前記酸発生剤(C)の量は、前記脂環式エポキシ化合物(A)と前記ポリオール化合物(B)との合計量100質量部に対して0.05〜0.5質量部の範囲内にあることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の放熱絶縁フィルム。
<4>前記無機フィラーの平均粒径は1〜150μmの範囲内であることを特徴とする<1>〜<3>に記載の放熱絶縁フィルム。
<5>前記無機フィラーの含有率は5〜50体積%の範囲内であることを特徴とする<1>〜<4>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<6>前記無機フィラーは前記放熱絶縁フィルムの厚み方向全体に均一に分布していることを特徴とする<1>〜<5>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<7>前記脂環式エポキシ化合物(A)は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、又はε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの少なくとも一方を含むことを特徴とする<1>〜<6>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<8>前記ポリオール化合物(B)は、ポリカプロラクトントリオール又はポリカーボネートジオールの少なくとも一方を含むことを特徴とする<1>〜<7>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<9>前記酸発生剤(C)は電離放射線照射又は加熱処理によりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤を含むことを特徴とする<1>〜<8>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<10>前記ポリオール化合物(B)は、数平均分子量が200〜100000g/molの範囲内にあり、水酸基価が190〜550KOHmg/gの範囲内にあることを特徴とする<1>〜<9>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
<11>膜厚が10〜300μmの範囲内にあることを特徴とする<1>〜<10>の何れかに記載の放熱絶縁フィルム。
本発明によると、屈曲性に優れた放熱絶縁フィルムが提供される。
本発明の一実施形態に係る放熱絶縁フィルムを概略的に示す断面図。 本発明の放熱絶縁フィルムを製造するフィルム製造装置の一例を概略的に示す図。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではない。
<放熱絶縁フィルム>
図1は、本発明の一実施形態に係る放熱絶縁フィルム1を概略的に示す断面図である。
この放熱絶縁フィルム1は、単層構造を有している自立膜である。ここで使用する用語「自立膜」とは、基板などの支持体によって支持されなくとも、それ自体を単独で取り扱うことができるフィルムを意味している。また、ここで使用する用語「フィルム」は、薄層形状及び可撓性を有している物品を意味し、厚さは特に限定されない。
図1に示すように、本発明に係る放熱絶縁フィルム1は、後述する樹脂組成物の硬化物3と、硬化物3中に分散した無機フィラー2とを含んだ混合物からなる。ここで使用する「硬化物」とは、前述のバインダー樹脂と同義である。
<樹脂組成物>
前記樹脂組成物は、脂環式エポキシ化合物(A)と、ポリオール化合物(B)と、酸発生剤(C)とを含んでいる。以下に、各成分について説明する。
[脂環式エポキシ化合物(A)]
脂環式エポキシ化合物(A)は、1分子内に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを含んだ化合物である。エポキシ基は、脂環において互いに隣り合った2つの炭素原子と酸素原子とで構成されていてもよく(以下、そのようなエポキシ基を「脂環エポキシ基」と称する)、脂環に単結合で直接結合していてもよい。
脂環式エポキシ化合物(A)が1分子内に含む脂環構造の数は、1であってもよく、2以上であってもよい。また、脂環式エポキシ化合物(A)が1分子内に含むエポキシ基の数は、1であってもよく、2以上であってもよい。一例によれば、脂環式エポキシ化合物(A)は、1分子内に、2つの脂環構造と、2つのエポキシ基とを含み、それらエポキシ基は別々の脂環構造の炭素原子を含んだ脂環エポキシ基である。
脂環エポキシ基を有する化合物としては、公知または慣用のものの中から任意に選択して使用することができる。脂環エポキシ基を有する化合物は、シクロヘキサン環において互いに隣り合った2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基を有すること、すなわち、シクロヘキセンオキシド基を有する化合物であることが好ましい。
脂環エポキシ基を有する化合物としては、特に、耐熱性、耐摩耗性の点で、下記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物(脂環式エポキシ樹脂)が好ましい。
上記一般式(I)において、R1〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。
有機基としては、例えば、炭化水素基であっても、炭素原子とハロゲン原子とからなる基であっても、炭素原子及び水素原子とともに、ハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、及びケイ素原子のようなヘテロ原子を含むような基であってもよい。ハロゲン原子の例としては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。
有機基としては、炭化水素基と、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基と、ハロゲン化炭化水素基と、炭素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基と、炭素原子、水素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基とが好ましい。
有機基が炭化水素基である場合、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でも、脂肪族炭化水素基でも、芳香族骨格と脂肪族骨格とを含む基でもよい。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基等の鎖状アルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、2−n−プロペニル基(アリール基)、1−n−ブテニル基、2−n−ブテニル基、及び3−n−ブテニル基等の鎖状アルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ビフェニル−4−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−2−イル基、アントリル基、及びフェナントリル基等のアリール基;並びに、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、α−ナフチルエチル基、及びβ−ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基の具体例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、及びパーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、及びパーフルオロデシル基等のハロゲン化鎖状アルキル基;2−クロロシクロヘキシル基、3−クロロシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘキシル基、2,4−ジクロロシクロヘキシル基、2−ブロモシクロヘキシル基、3−ブロモシクロヘキシル基、及び4−ブロモシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、及び4−フルオロフェニル基等のハロゲン化アリール基;並びに、2−クロロフェニルメチル基、3−クロロフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、2−ブロモフェニルメチル基、3−ブロモフェニルメチル基、4−ブロモフェニルメチル基、2−フルオロフェニルメチル基、3−フルオロフェニルメチル基、及び4−フルオロフェニルメチル基等のハロゲン化アラルキル基が挙げられる。
炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、及び4−ヒドロキシ−n−ブチル基等のヒドロキシ鎖状アルキル基;2−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−ヒドロキシシクロヘキシル基、及び4−ヒドロキシシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,3−ジヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、2,5−ジヒドロキシフェニル基、2,6−ジヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、及び3,5−ジヒドロキシフェニル基等のヒドロキシアリール基;2−ヒドロキシフェニルメチル基、3−ヒドロキシフェニルメチル基、及び4−ヒドロキシフェニルメチル基等のヒドロキシアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、及びn−イコシルオキシ基等の鎖状アルコキシ基;ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−n−プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、1−n−ブテニルオキシ基、2−n−ブテニルオキシ基、及び3−n−ブテニルオキシ基等の鎖状アルケニルオキシ基;フェノキシ基、o−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、p−トリルオキシ基、α−ナフチルオキシ基、β−ナフチルオキシ基、ビフェニル−4−イルオキシ基、ビフェニル−3−イルオキシ基、ビフェニル−2−イルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α−ナフチルメチルオキシ基、β−ナフチルメチルオキシ基、α−ナフチルエチルオキシ基、及びβ−ナフチルエチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロピルオキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロピルオキシエチル基、3−メトキシ−n−プロピル基、3−エトキシ−n−プロピル基、3−n−プロピルオキシ−n−プロピル基、4−メトキシ−n−ブチル基、4−エトキシ−n−ブチル基、及び4−n−プロピルオキシ−n−プチル基等のアルコキシアルキル基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−プロピルオキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−n−プロピルオキシエトキシ基、3−メトキシ−n−プロピルオキシ基、3−エトキシ−n−プロピルオキシ基、3−n−プロピルオキシ−n−プロピルオキシ基、4−メトキシ−n−ブチルオキシ基、4−エトキシ−n−ブチルオキシ基、及び4−n−プロピルオキシ−n−ブチルオキシ基等のアルコキシアルコキシ基;2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、及び4−メトキシフェニル基等のアルコキシアリール基;2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、及び4−メトキシフェノキシ基等のアルコキシアリールオキシ基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、及びデカノイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基、α−ナフトイル基、及びβ−ナフトイル基等の芳香族アシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、及びn−デシルオキシカルボニル基等の鎖状アルキルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、α−ナフトキシカルボニル基、及びβ−ナフトキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、及びデカノイルオキシ基等の脂肪族アシルオキシ基;並びに、ベンゾイルオキシ基、α−ナフトイルオキシ基、及びβ−ナフトイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基が挙げられる。
R1〜R18は、特に硬化性の樹脂組成物を用いて得られる硬化物3(図1)の硬度の観点から、全てが水素原子であることがより好ましい。
また、上記一般式(I)において、Xは、単結合又は連結基(1以上の原子を有する2価の基)である。
上記連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、カルボニル基、エーテル基(エーテル結合)、チオエーテル基(チオエーテル結合)、エステル基(エステル結合)、カーボネート基(カーボネート結合)、アミド基(アミド結合)、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、及び、2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。炭素数が1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びトリメチレン基が挙げられる。
2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、及びシクロヘキシリデン基等の2価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)が挙げられる。
上記連結基Xとしては、酸素原子を含有する連結基が好ましい。そのような連結基Xとしては、例えば、−CO−(カルボニル基)、−O−CO−O−(カーボネート基)、−COO−(エステル基)、−O−(エーテル基)、−CONH−(アミド基)、これらの基が複数個連結した基、及びこれらの基の1又は2以上と2価の炭化水素基の1又は2以上とが連結した基が挙げられる。2価の炭化水素基としては、例えば、上記で例示したものが挙げられる。
上記一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、商品名「セロキサイド2021P」及び「セロキサイド2081」(何れも(株)ダイセル製)等の市販品を使用することもできる。また、一般式(I)で表される脂環式エポキシ化合物のうちXが単結合であるものとして、例えば、商品名「セロキサイド8000」((株)ダイセル製)などの市販品を用いることもできる。
脂環式エポキシ化合物(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記の中でも、脂環式エポキシ化合物(A)としては、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(商品名「セロキサイド2021P」)、及びε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの少なくとも一方を使用することが特に好ましい。
脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)との合計量に占める脂環式エポキシ化合物(A)の量の割合は、50〜80質量%の範囲内にあることが好ましく、70〜75質量%の範囲内にあることがより好ましい。この割合が小さすぎると、樹脂組成物の硬化物3において架橋密度が低くなり、高い耐熱性が得られない可能性がある。この割合が大きすぎると、樹脂組成物の硬化物3は、硬く脆い性状となり、高い屈曲性が得られない可能性がある。
[ポリオール化合物(B)]
樹脂組成物にポリオール化合物(B)を含めることにより、高い屈曲性を有している硬化物3を形成でき、また、樹脂組成物の硬化物3のみで自立することができるフィルムの製造が可能となる。
ポリオール化合物(B)とは、1分子内に2個以上の水酸基を有し、数平均分子量が例えば200以上の重合体(オリゴマー又はポリマー)である。ポリオール化合物(B)には、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールが含まれる。なお、ポリオール化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリオール化合物(B)が有する水酸基(2個以上の水酸基)は、アルコール性水酸基であってもよいし、フェノール性水酸基であってもよい。また、ポリオール化合物(B)が1分子内に有する水酸基の数は、2以上であればよく、特に限定されない。
ポリオール化合物(B)における水酸基(2個以上の水酸基)の位置は、特に限定されないが、硬化剤との反応性の観点で、ポリオール分子の少なくとも一方の末端(重合体主鎖の末端)に存在することが好ましく、ポリオール分子の少なくとも両末端に存在するこ
とが特に好ましい。
ポリオール化合物(B)は、その他の成分と配合した後に液状の樹脂組成物を形成できればよく、それ自体は、固体であってもよいし、液体であってもよい。
ポリオール化合物(B)の数平均分子量は、特に限定されないが、例えば200以上であり、200〜100000の範囲内にあることが好ましく、300〜1000の範囲内にあることがより好ましい。数平均分子量が小さすぎると、樹脂組成物を塗工する基材から樹脂組成物の硬化物3が主になるフィルムを剥離する際に、フィルムに破断やクラックが発生する場合がある。一方、数平均分子量が大きすぎると、液状の樹脂組成物においてポリオール化合物が析出するか、又は、ポリオール化合物を他の成分中に溶解させることができない場合がある。なお、ポリオール化合物(B)の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される、標準ポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
ポリオール化合物(B)は、水酸基価が190〜550KOHmg/gの範囲内にあることが好ましい。水酸基価が小さすぎると、樹脂組成物の硬化物3において架橋密度が低くなり、高い耐熱性が得られない可能性がある。水酸基価が大きすぎると、エポキシ基の量に対し、水酸基の量が過剰となり、反応に寄与しない浮遊モノマーが硬化物3中に発生する可能性がある。その結果、熱重量変化が大きくなり、耐熱性の低下、更には吸湿性の増加を生じる可能性がある。
ポリオール化合物(B)としては、例えば、分子内にエステル骨格(ポリエステル骨格)を有するポリエステルポリオール(ポリエステルポリオールオリゴマーを含む)、分子内にエーテル骨格(ポリエーテル骨格)を有するポリエーテルポリオール(ポリエーテルポリオールオリゴマーを含む)、及び分子内にカーボネート骨格(ポリカーボネート骨格)を有するポリカーボネートポリオール(ポリカーボネートポリオールオリゴマーを含む)などが挙げられる。ポリオール化合物(B)には、その他化合物、例えば、フェノキシ樹脂、エポキシ当量が1000g/eq.を超えるビスフェノール型高分子エポキシ樹脂、水酸基を有するポリブタジエン類、及びアクリルポリオールも含まれる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸(多塩基酸)又はヒドロキシカルボン酸の縮合重合(例えば、エステル交換反応)により得られるポリエステルポリオールや、ラクトン類の開環重合により得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールを得るための縮合重合に使用するポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ジヒドロキシアセトン、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールを得るための縮合重合に使用するポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アゼライン酸、クエン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シトラコン酸、1,10−デカンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、無水ピロメリット酸、及び無水トリメリット酸が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールを得るための縮合重合に使用するヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、りんご酸、グリコール酸、ジメチロールプロピオン酸、及びジメチロールブタン酸が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールを得るための開環重合に使用するラクトン類としては、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、及びγ−ブチロラクトンが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、商品名「プラクセル205」、「プラクセル205H」、「プラクセル205U」、「プラクセル205BA」、「プラクセル208」、「プラクセル210」、「プラクセル210CP」、「プラクセル210BA」、「プラクセル212」、「プラクセル212CP」、「プラクセル220」、「プラクセル220CPB」、「プラクセル220NP1」、「プラクセル220BA」、「プラクセル220ED」、「プラクセル220EB」、「プラクセル220EC」、「プラクセル230」、「プラクセル230CP」、「プラクセル240」、「プラクセル240CP」、「プラクセル210N」、「プラクセル220N」、「プラクセルL205AL」、「プラクセルL208AL」、「プラクセルL212AL」、「プラクセルL220AL」、「プラクセルL230AL」、「プラクセル305」、「プラクセル308」、「プラクセル312」、「プラクセルL312AL」、「プラクセル320」、「プラクセルL320AL」、「プラクセルL330AL」、「プラクセル410」、「プラクセル410D」、「プラクセル610」、「プラクセルP3403」、及び「プラクセルCDE9P」(何れも(株)ダイセル製)等の市販品を使用することができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオール類への環状エーテル化合物の付加反応により得られるポリエーテルポリオール、及びアルキレンオキシドの開環重合により得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、より具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(テトラメチレングリコール)、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,12−ドデカンジオール、ポリブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ジヒドロキシアセトン、ヘキシレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジトリメチロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、及びペンタエリスリトールなどのポリオール類の多量体;上記ポリオール類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、及びエピクロロヒドリン等のアルキレンオキサイドとの付加物;並びにテトラヒドロフラン類などの環状エーテルの開環重合体(例えば、ポリテトラメチレングリコール)が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、商品名「PEP−101」(フロイント産業(株)製)、商品名「アデカプルロニックL」、「アデカプルロニックP」、「アデカプルロニックF」、「アデカプルロニックR」、「アデカプルロニックTR」、及び「アデカPEG」(何れもアデカ(株)製);商品名「PEG#1000」、「PEG#1500」、及び「PEG#11000」(何れも日油(株)製);商品名「ニューポールPE−34」、「ニューポールPE−61」、「ニューポールPE−78」、「ニューポールPE−108」、「PEG−200」、「PEG−600」、「PEG−2000」、「PEG−6000」、「PEG−10000」、及び「PEG−20000」(何れも三洋化成工業(株)製);商品名「PTMG1000」、「PTMG1800」、及び「PTMG2000」(何れも三菱化学(株)製);並びに「PTMGプレポリマー」(三菱樹脂(株)製)等の市販品を使用することができる。
上記ポリカーボネートポリオールとは、分子内に2個以上の水酸基を有するポリカーボネートである。中でも、上記ポリカーボネートポリオールとしては、分子内に2個の末端水酸基を有するポリカーボネートジオールが好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールは、通常のポリカーボネートポリオールを製造する方法と同じく、ホスゲン法、又は、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートのようなジアルキルカーボネート又はジフェニルカーボネートを用いるカーボネート交換反応(特開昭62−187725号公報、特開平2−175721号公報、特開平2−49025号公報、特開平3−220233号公報、特開平3−252420号公報等)などにより合成される。上記ポリカーボネートポリオールにおけるカーボネート結合は熱分解を受けにくいため、ポリカーボネートポリオールを含む樹脂組成物の硬化物3は高温高湿下でも優れた安定性を示す。
上記ジアルキルカーボネート又はジフェニルカーボネートと共にカーボネート交換反応で用いられるポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ブタジエンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、プロピレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、商品名「プラクセルCD205PL」、「プラクセルCD205HL」、「プラクセルCD210PL」、「プラクセルCD210HL」、「プラクセルCD220PL」、及び「プラクセルCD220HL」(何れも(株)ダイセル製);商品名「UH−CARB50」、「UH−CARB100」、「UH−CARB300」、「UH−CARB90(1/3)」、「UH−CARB90(1/1)」、及び「UC−CARB100」(何れも宇部興産(株)製);並びに、商品名「PCDL T4671」、「PCDL T4672」、「PCDL T5650J」、「PCDL T5651」、及び「PCDL T5652」(何れも旭化成ケミカルズ(株)製)等の市販品を使用することができる。
上記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオール以外のポリオールとしては、例えば、商品名「YP−50」、「YP−50S」、「YP−55U」、「YP−70」、「ZX−1356−2」、「YPB−43C」、「YPB−43M」、「FX−316」、「FX−310T40」、「FX−280S」、「FX−293」、「YPS−007A30」、及び「TX−1016」(何れも新日鐵化学(株)製)や、商品名「jER1256」、「jER4250」、及び「jER4275」(何れも三菱化学(株)製)などのフェノキシ樹脂;商品名「エポトートYD−014」、「エポトートYD−017」、「エポトートYD−019」、「エポトートYD−020G」、「エポトートYD−904」、「エポトートYD−907」、及び「エポトートYD−6020」(何れも新日鐵化学(株)製)や、商品名「jER1007」、「jER1009」、「jER1010」、「jER1005F」、「jER1009F」、「jER1006FS」、及び「jER1007FS」(何れも三菱化学(株)製)などのエポキシ当量が1000g/eq.を超えるビスフェノール型高分子エポキシ樹脂;商品名「Poly bd R−45HT」、「Poly bd R−15HT」、「Poly ip」、及び「KRASOL」(何れも出光興産(株)製)や、商品名「α−ωポリブタジエングリコール G−1000」、「α−ωポリブタジエングリコール G−2000」、及び「α−ωポリブタジエングリコール G−3000」(何れも日本曹達(株)製)などの水酸基を有するポリブタジエン類;並びに、商品名「ヒタロイド3903」、「ヒタロイド3904」、「ヒタロイド3905」、「ヒタロイド6500」、「ヒタロイド6500B」、及び「ヒタロイド3018X」(何れも日立化成工業(株)製)や、商品名「アクリディックDL−1537」、「アクリディックBL−616」、「アクリディックAL−1157」、「アクリディックA−322」、「アクリディックA−817」、「アクリディックA−870」、「アクリディックA−859−B」、「アクリディックA−829」、及び「アクリディックA−49−394−IM」(何れもDIC(株)製)、商品名「ダイヤナールSR−1346」、「ダイヤナールSR−1237」、及び「ダイヤナールAS−1139」(何れも三菱レイヨン(株)製)などのアクリルポリオール等の市販品を使用することができる。
なお、上記ポリオール化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ポリオール化合物(B)は、ポリエステルポリオール、例えば商品名「プラクセル305」及び「プラクセル308」(何れも(株)ダイセル製)などのポリカプロラクトントリオール、あるいは、商品名「プラクセルCD205PL」((株)ダイセル製)などのポリカーボネートジオールの少なくとも一方であることが特に好ましい。
脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)との合計量に占めるポリオール化合物(B)の量の割合は、20〜50質量%の範囲内にあることが好ましく、25〜30質量%の範囲内にあることがより好ましい。この割合が小さすぎると、樹脂組成物の硬化物3は、硬く脆い性状となり、高い屈曲性が得られない可能性がある。この割合が大きすぎると、樹脂組成物の硬化物3において架橋密度が低くなり、エポキシ基の量に対して水酸基の量が過剰となり、樹脂組成物を十分に硬化させることができない可能性がある。
[酸発生剤(C)]
酸発生剤(C)は、樹脂組成物中のエポキシ基を有する化合物の重合を開始させる働きを有する。酸発生剤(C)としては、紫外線照射などの電離放射線照射又は加熱処理を施すことによりカチオン種を発生して、脂環式エポキシ化合物(A)の重合を開始させるカチオン重合開始剤が好ましい。酸発生剤(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
電離放射線照射によりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤としては、例えば、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアルゼネート塩、トリアリルスルホニウム塩及びその誘導体、並びに、ジアリルヨウドニウム塩及びその誘導体を挙げることができる。
トリアリルスルホニウム塩及びその誘導体としては、例えば、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩及びその誘導体、並びに、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩及びその誘導体が挙げられる。ジアリルヨウドニウム塩及びその誘導体としては、例えば、ジアリルヨウドニウムヘキサフルオロホスフェート塩及びその誘導体、並びに、ジアリルヨウドニウムテトラフルオロボレート塩及びその誘導体が挙げられる。これらのカチオン重合開始剤(カチオン触媒)は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
このようなカチオン重合開始剤としては、例えば、商品名「UVACURE1590」(ダイセル・サイテック(株)製);商品名「CD−1010」、「CD−1011」、及び「CD−1012」(何れも米国サートマー社製);商品名「イルガキュア264」及び「イルガキュア250」(何れもチバ・ジャパン(株)製);商品名「CIT−1682」(日本曹達(株)製);商品名「CPI−101A」、「CPI−100P」、「CPI−210S」、及び「CPI−110A」(何れもサンアプロ(株)製);商品名「アデカオプトマーSP−170」、「アデカオプトマーSP−172」、及び「アデカオプトマーSP−150」(何れも(株)ADEKA製);並びに、商品名「シリコリース UV CATA211」(荒川化学工業(株)製)等の市販品を使用できる。好ましくは、商品名「SP−170」及び「SP−172」(何れも(株)ADEKA製)、並びに、商品名「CPI−210S」、「CPI−101A」及び「CPI−110A」(何れもサンアプロ(株)製)の1以上である。
加熱処理を施すことによりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、及びアレン−イオン錯体が挙げられる。
このようなカチオン重合開始剤としては、例えば、商品名「PP−33」、「CP−66」、及び「CP−77」(何れもADEKA(株)製);商品名「FC−509」(スリーエム(株)製);商品名「UVE1014」(G.E.(株)製);商品名「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」、及び「サンエイド SI−150L」(何れも三新化学工業(株)製);並びに、商品名「CG−24−61」(チバ・ジャパン(株)製)等の市販品を使用できる。
更に、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とトリフェニルシラノール等のシラノールとの化合物、又は、アルミニウムやチタンなどの金属とアセト酢酸若しくはジケトン類とのキレート化合物とビスフェノールS等のフェノール類との化合物も、上記カチオン重合開始剤として使用できる。
酸発生剤(C)の量は、脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)との合計量100質量部に対して、0.05〜0.5質量部の範囲内にあることが好ましく、0.05〜0.1質量部の範囲内にあることがより好ましい。酸発生剤(C)の量が少なすぎると、樹脂組成物の硬化物3において架橋密度が小さくなり、高い耐熱性が得られない可能性がある。酸発生剤(C)の量を多くすると、酸発生剤(C)は高価なため原材料費が嵩みコスト競争において不利になる。
<無機フィラー>
図1に示す無機フィラー2は、上述の樹脂組成物の硬化物3中に均一に分散している。無機フィラー2としては、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、炭化珪素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムのいずれかが好ましいが、特に限定しない。
無機フィラー2の平均粒径は、好ましくは1〜150μmの範囲内であり、より好ましくは10〜100μmの範囲内である。平均粒径が小さすぎると無機フィラー2が凝集しやすく、均一な放熱性能及び絶縁性能が得られない。また、平均粒径が大きすぎると、放熱絶縁フィルム1の表面に無機フィラーが露出し、表面粗さが大きくなり、電子デバイスに接着する際に不適である。なお平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって測定した体積平均径のことである。
無機フィラー2の材質および粒径は、要求される放熱性能及び絶縁性能によって適切に選定される。この際、無機フィラー2の粒径は、平均粒径の−10%〜+10%の範囲内にあることが好ましく、−5%〜+5%の範囲内にあることがより好ましい。均一な粒径の無機フィラー2を用いることで、均一な放熱性能及び絶縁性能を有する放熱絶縁フィルムを作製できる。
また、放熱絶縁フィルム1中の無機フィラー2の含有率は、好ましくは5〜50体積%の範囲内であり、より好ましくは10〜30体積%の範囲内である。無機フィラー2は、その平均粒径および放熱絶縁フィルム1の厚みに応じて適切な含有率に調整して使用される。
<樹脂組成物と無機フィラーとの混合物の調製>
上述した成分を均一に混合することにより得られた樹脂組成物中に、無機フィラー2を分散させて均一に混合する。これにより、樹脂組成物と無機フィラー2との混合物を得る。この混合には、例えば、特に限定されないが、ディスパーミキサ、ウルトラミキサ、ホモジナイザ、及び遊星攪拌脱泡機等の攪拌機を用いることができる。この混合は、酸発生剤(C)の活性化を防止するため、電離放射線が照射されない環境下で行うことが好ましい。
<フィルムの製造>
図1に示す放熱絶縁フィルム1は、例えば、上記の樹脂組成物と無機フィラー2との混合物からなる塗膜を支持体上に形成し、この塗膜に電離放射線を照射し、更に、塗膜をポストベークに供して、塗膜を硬化させ、その後、硬化した膜を支持体から剥離することにより得る。放熱絶縁フィルム1の製造には、例えば、図2に示す装置を利用することができる。
図2は、フィルム製造装置の一例を概略的に示す図である。
このフィルム製造装置100は、ロール・ツー・ロール式のダイコータである。このフィルム製造装置は、巻出ロール110と、キャリアフィルム120と、ガイドロール130a〜130eと、バックアップロール140と、ダイヘッド150と、電離放射線照射機160と、ヒータ170と、剥離ロール180と、巻取ロール190a及び190bとを含んでいる。
巻出ロール110には、放熱絶縁フィルムの支持体となるキャリアフィルム120が巻かれている。巻出ロール110は、キャリアフィルム120を巻き出す。
キャリアフィルム120は、帯形状を有している。キャリアフィルム120上には、上述した樹脂組成物と無機フィラー2との混合物をダイヘッド150によって塗布し、このキャリアフィルム120上でこの混合物からなる塗膜の硬化を行う。
キャリアフィルム120は、樹脂組成物の硬化物3を剥離可能に支持し得るものである。キャリアフィルム120としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム(CAPフィルム)、セルローストリアセテート及びセルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、アクリルフィルム、及びポリアリレート系フィルムを挙げることができる。
キャリアフィルム120の厚さは、制限を設けるわけではないが、6〜500μmの範囲内にあることが好ましく、25〜250μmの範囲内にあることがより好ましい。
ガイドロール130a〜130eは、巻出ロール110から巻き出されたキャリアフィルム120を、ダイヘッド150とバックアップロール140との間の領域、電離放射線照射機160の正面の領域、ヒータ170、及び巻取ロール190aへと順次案内する。
バックアップロール140は、ダイヘッド150と向き合うように設置されている。バックアップロール140は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の裏面上を転動して、キャリアフィルム120とダイヘッド150との距離を一定に保つ役割を果たす。
ダイヘッド150は、ダイヘッド150とバックアップロール140との間を通過するキャリアフィルム120の表面上に、樹脂組成物と無機フィラー2との混合物を供給する。これにより、キャリアフィルム120の表面上に、この混合物からなる塗膜を形成する。
ここでは、樹脂組成物と無機フィラー2との混合物の塗工にダイヘッド150を利用するダイコート法について説明しているが、この混合物の塗工には他の方法を利用してもよい。樹脂組成物と無機フィラー2との混合物の塗工には、例えば、ディッピング法、ワイヤーバーを使用する方法、ロールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、カーテン法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、及びグラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。
樹脂組成物と無機フィラー2との混合物からなる塗膜の硬化後の厚さ、即ち、放熱絶縁フィルム1の厚さは、10〜300μmの範囲内にあることが好ましい。薄すぎる場合、放熱絶縁フィルム1の強度が低く、放熱絶縁フィルム1をキャリアフィルム120から剥離する際に破断してしまう可能性が高い。厚すぎる場合、反応熱が高くなることで硬化物の貯蔵弾性率が非常に高くなり、その結果、放熱絶縁フィルム1は、硬く脆い性状となり、屈曲性が不十分となる可能性がある。
電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の表面と向き合うように設置されている。キャリアフィルム120上の塗膜に対して、電離放射線を照射する。キャリアフィルム120が電離放射線を透過させるものである場合、電離放射線照射機160は、キャリアフィルム120の裏面と向き合うように設置してもよい。
ここで、用語「電離放射線」は、樹脂組成物が含む成分、具体的には酸発生剤を分解(電離)させて、樹脂組成物中に酸を発生させ得る高エネルギーな放射線、例えば、X線又は紫外線を意味している。電離放射線としては、典型的には、紫外線を利用する。
電離放射線照射機160は、塗膜に電離放射線を照射することにより、樹脂組成物が含んでいる酸発生剤を活性化させる。即ち、酸発生剤を分解(電離)させて、樹脂組成物中に酸を発生させる。酸は、樹脂組成物中での重合や架橋を促進する触媒としての役割を果たす。従って、塗膜への電離放射線照射により、樹脂組成物では重合や架橋が進行し、その結果、塗膜は硬化する。
電離放射線照射機160の光源としては、酸発生剤(C)の分解に適した波長の光を放射するものを適宜選択する。この光源としては、400nm以下の波長を放射するランプが好ましい。そのようなランプとしては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、及び可視光ハロゲンランプが挙げられる。
電離放射線照射は、空気中で行ってもよいし、窒素及びアルゴン等の不活性ガス中で行ってもよい。
電離放射線の積算光量は、10〜3000mJ/cmの範囲内とすることが好ましく、100〜1000mJ/cmの範囲内とすることがより好ましく、200〜500mJ/cmの範囲内とすることが更に好ましい。
ヒータ170は、電離放射線を照射した塗膜に対して加熱によるポストベークを行う。ポストベークを行うことにより、樹脂組成物中での硬化反応を完結させる。ポストベークを行うと、放熱絶縁フィルム1における架橋密度を高めることができる。
ヒータ170による加熱には、例えば、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、及び赤外線照射等の加熱方法を、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。加熱温度は、80〜160℃の範囲内とすることが好ましい。加熱時間は、30〜600秒の範囲内とすることが好ましい。
剥離ロール180は、キャリアフィルム120に支持された放熱絶縁フィルム1上を転動するように設置されている。剥離ロール180は、キャリアフィルム120の移動方向に対して、放熱絶縁フィルム1の移動方向を急激且つ大きく異ならしめ、これにより、放熱絶縁フィルム1をキャリアフィルム120から剥離する。
巻取ロール190aは、放熱絶縁フィルム1を剥離したキャリアフィルム120を巻き取る。また、巻取ロール190bは、キャリアフィルム120から剥離した放熱絶縁フィルム1を巻き取る。
巻取ロール190aは、キャリアフィルム120に張力を与える。巻取ロール190aがキャリアフィルム120に与える張力は、キャリアフィルム120の厚さや材質によって異なるが、10〜500N/mの範囲内とすることが好ましい。
放熱絶縁フィルム1は、例えば、以上のようにして製造する。
以下に、本発明の実施例を記載する。
(実施例1)
図1に示す放熱絶縁フィルム1を以下の手順で作製した。
まず、80質量部の脂環式エポキシ化合物(A)と、20質量部のポリオール化合物(B)と、0.05質量部の酸発生剤(C)と、無機フィラー2とを、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて30分間攪拌し、塗液を調製した。脂環式エポキシ化合物(A)としては、セロキサイド2021P((株)ダイセル製)を使用した。また、ポリオール化合物(B)としては、プラクセル305((株)ダイセル製)を使用した。酸発生剤(C)としては、アデカオプトマーSP−170((株)ADEKA)を使用した。無機フィラー2としては、平均粒径20μmのアルミナ(Al2O3)を用い、放熱絶縁フィルム1中の含有率が30体積%となる量に調整した。
次に、この塗液を用いて、図2を参照しながら説明した方法により、厚さが200μmの放熱絶縁フィルム1を製造した。ここでは、キャリアフィルム120として、厚さが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(メリネックスS、帝人デュポンフィルム(株)製)を使用した。電離放射線照射機160の光源としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用した。露光は、積算光量が500mJ/cmとなるように行った。また、ポストベークは、150℃にて180秒間にわたって行った。なお、キャリアフィルム120は、50N/mの張力で巻き取った。
(実施例2)
無機フィラー2に平均粒径10μmのシリカ(SiO)を用い、その放熱絶縁フィルム1における含有率を50体積%とし、放熱絶縁フィルム1の厚さを150μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で放熱絶縁フィルム1を製造した。
(比較例1)
基材表面に、バインダー樹脂と無機フィラーとを含んだ塗液を塗布し、塗膜を乾燥及び硬化させて放熱絶縁フィルムを製造した。基材には厚さが125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(メリネックスS、帝人デュポンフィルム(株)製)を使用した。無機フィラーとしては、平均粒径20μmのアルミナ(Al)を用い、放熱絶縁フィルム中の含有率が30体積%となる量に調整した。バインダー樹脂としては、ウレタン系熱可塑性エラストマー(クラミロンU9180、(株)クラレ製)を5質量%含有するテトラヒドロフラン溶液を200質量部と、ポリイソシアネート(デスモジュールL75C、住化バイエルウレタン(株))を5質量部と、溶剤としてのメチルエチルケトンを30質量部とを混合したものを使用した。塗液は、バインダー樹脂と無機フィラーとを、遊星攪拌脱泡機(マゼルスターKK5000、KURABO製)を用いて30分間攪拌することにより調製した。
基材への塗液の塗布にはダイコータを用い、乾燥膜厚が200μmになるよう塗布した。乾燥および硬化は、150℃にて180秒間行い、放熱絶縁フィルムを製造した。
<放熱絶縁フィルムの評価>
実施例1及び2並びに比較例1で製造した放熱絶縁フィルムの屈曲性を評価するため、放熱絶縁フィルムを20mm×150mmの短冊状に切り出し、直径16mm、14mm、12mm、10mm、8mmの円筒形のマンドレル試験棒を使用して屈曲性試験を行った。屈曲性試験後、ひび割れ等の外観変化が発生しないか目視にて確認した。その結果を表1に示す。尚、表1では、屈曲性試験後に外観に変化が生じなかった場合は○、外観に変化が生じた場合は×と表記している。
表1に示すように、実施例1に係る放熱絶縁フィルムは、屈曲性試験後に外観の変化が生じなかった。また、実施例2に係る放熱絶縁フィルムも、屈曲性試験後に外観の変化がなかった。
一方、比較例1では、直径12mmのマンドレル試験棒での屈曲性試験後にひび割れが確認された。
上記の結果に示すように、従来の製造方法により製造した比較例1の放熱絶縁フィルムよりも、実施例1および実施例2に係る放熱絶縁フィルムの方が屈曲性に優れていた。
以上から、本発明により屈曲性に優れた放熱絶縁フィルムが提供できた。
本発明に係る放熱絶縁フィルムは、屈曲性が高く、発熱部材の形状に追従して接着することができるため、高性能化や小型化により微小な凹凸形状を有する発熱部材に対しても利用できる。
1…放熱絶縁フィルム、2…無機フィラー、3…硬化物、
100…フィルム製造装置、110…巻出ロール、120…キャリアフィルム、
130a〜130e…ガイドロール、140…バックアップロール、150…ダイヘッド、160…電離放射線照射機、170…ヒータ、180…剥離ロール、
190a及び190b…巻取ロール

Claims (11)

  1. 脂環式エポキシ化合物(A)とポリオール化合物(B)と酸発生剤(C)とを含む樹脂組成物の硬化物と、前記硬化物中に分散した無機フィラーとを含むことを特徴とする放熱絶縁フィルム。
  2. 前記脂環式エポキシ化合物(A)と前記ポリオール化合物(B)との合計量に占める前記脂環式エポキシ化合物(A)の量の割合は50〜80質量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の放熱絶縁フィルム。
  3. 前記酸発生剤(C)の量は、前記脂環式エポキシ化合物(A)と前記ポリオール化合物(B)との合計量100質量部に対して0.05〜0.5質量部の範囲内にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の放熱絶縁フィルム。
  4. 前記無機フィラーの平均粒径は1〜150μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3に記載の放熱絶縁フィルム。
  5. 前記無機フィラーの含有率は5〜50体積%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  6. 前記無機フィラーは前記放熱絶縁フィルムの厚み方向全体に均一に分布していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  7. 前記脂環式エポキシ化合物(A)は、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、又はε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  8. 前記ポリオール化合物(B)は、ポリカプロラクトントリオール又はポリカーボネートジオールの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  9. 前記酸発生剤(C)は電離放射線照射又は加熱処理によりカチオン種を発生するカチオン重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  10. 前記ポリオール化合物(B)は、数平均分子量が200〜100000g/molの範囲内にあり、水酸基価が190〜550KOHmg/gの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
  11. 膜厚が10〜300μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の放熱絶縁フィルム。
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