JP2018131020A - 車両用サンルーフ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンルーフの開閉動作に不快感を与えにくい車両用サンルーフ装置を提供する。
【解決手段】車両用サンルーフ装置は、パネル開口部を開閉する可動パネルを支持し、チルト動作及びスライド動作が許容される機能ブラケット33と、アクチュエータの駆動に伴い、ガイドレールに沿って変位し、機能ブラケット33をチルト動作及びスライド動作させる駆動シュー31と、機能ブラケット33に設けられる係合スライド突起42と、駆動シュー31に設けられる弾性スライド突起44とを備える。係合スライド突起42と弾性スライド突起44は、機能ブラケット33がスライド動作するときに係合し、これらの一方は、駆動シューが設定位置に到達したとき、係合状態の解消を許容するように弾性スライド突起を押圧する斜面を備える。
【選択図】図5
【解決手段】車両用サンルーフ装置は、パネル開口部を開閉する可動パネルを支持し、チルト動作及びスライド動作が許容される機能ブラケット33と、アクチュエータの駆動に伴い、ガイドレールに沿って変位し、機能ブラケット33をチルト動作及びスライド動作させる駆動シュー31と、機能ブラケット33に設けられる係合スライド突起42と、駆動シュー31に設けられる弾性スライド突起44とを備える。係合スライド突起42と弾性スライド突起44は、機能ブラケット33がスライド動作するときに係合し、これらの一方は、駆動シューが設定位置に到達したとき、係合状態の解消を許容するように弾性スライド突起を押圧する斜面を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両用サンルーフ装置に関する。
従来、ルーフ開口部に設けられたサンルーフを開閉させる車両用サンルーフ装置が周知である。
特許文献1の車両用サンルーフ装置は、可動パネルに取り付けられる支持部材と、前後方向に延びるレールに沿って変位する制御スライドを有する。この制御スライドは、車幅方向外側に突出する爪部がレールに挿入されることにより、レールに対して相対変位可能とされている。また、支持部材には、後方に向かうにつれて徐々に上昇するガイド溝が設けられている。制御スライドは、ガイド溝に挿入されるガイドピンを有している。
特許文献1の車両用サンルーフ装置は、可動パネルに取り付けられる支持部材と、前後方向に延びるレールに沿って変位する制御スライドを有する。この制御スライドは、車幅方向外側に突出する爪部がレールに挿入されることにより、レールに対して相対変位可能とされている。また、支持部材には、後方に向かうにつれて徐々に上昇するガイド溝が設けられている。制御スライドは、ガイド溝に挿入されるガイドピンを有している。
制御スライドがレールに沿って前後方向に変位することにより、可動パネルは、チルト動作したり、制御スライドに連れ動き、すなわち前後方向に変位したりする。
特許文献1の車両用サンルーフ装置は、可動パネルが全開時に車両ルーフ内側に位置するいわゆるインナータイプのサンルーフ装置である。このような、インナータイプのサンルーフ装置では、任意の位置における可動パネルのチルト動作を許容するために、制御スライドの爪部がレールに対して離脱及び進入するための孔部が設けられている。
ところで、車両が高速で走行する場合など、車両内外の圧力差に起因して可動パネルに対し上方向荷重、いわゆる吸い出し荷重がかかる。この吸い出し荷重がかかった状態で可動パネルが変位する場合、制御スライドとレールとが強く干渉した状態となる。このため、制御スライドの爪部がレールの孔部に対して離脱及び進入する際に、レールをはじくことになる。レールがはじかれることにより大きな音が発生するため、車両用サンルーフ装置の使用者が不快感を覚えるおそれがある。
本発明の目的は、サンルーフの開閉動作時に不快感を与えにくい車両用サンルーフ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、車両用サンルーフ装置は、車両上部に設定されるパネル開口部を開閉する可動パネルを支持し、車両上下方向へのチルト動作及び車両前後方向へのスライド動作が許容される機能ブラケットと、アクチュエータの駆動に伴い、車両前後方向に延在するガイドレールに沿って変位し、前記機能ブラケットとの協働により前記機能ブラケットをチルト動作及びスライド動作させる駆動シューと、前記機能ブラケット及び前記駆動シューの一方に設けられて他方に向かって突出する係合部と、前記機能ブラケット及び前記駆動シューの他方に設けられて一方に向かって突出するとともに一方に対して離間する方向へ弾性変形可能とされる弾性部とを備え、これら前記係合部及び前記弾性部は、前記機能ブラケットがスライド動作するときに係合し、前記機能ブラケットと前記駆動シューとの協働による前記機能ブラケットのチルト動作を規制するものであって、前記駆動シューが設定位置に到達したとき、前記係合部と前記弾性部との係合状態の解消を許容するように前記弾性部を弾性変形させる押圧部と、を備えることを要旨とする。
この構成によれば、駆動シューが設定位置に到達しなければ、係合部と弾性部とが係合した状態にあるので、機能ブラケットのチルト動作が規制されている。これにより、可動パネルに吸い出し荷重がかかっても、駆動シューが設定位置に到達するまで、ガイドレールに負荷される力は小さい。したがって、機能ブラケットのチルト動作時にガイドレールをはじいてしまうことが抑制される。これにより、従来のように、可動パネルの開閉時に、可動パネルに吸いだし荷重がかかっても、異音が発生するおそれが少なく、車両使用者に不快感を与えにくい。
上記構成において、前記ガイドレールは、前記設定位置に設けられて前記弾性部の弾性変形を許容する逃げ部と、前記設定位置を除く位置に設けられて前記弾性部の弾性変形を規制する規制部とを有することが好ましい。
この構成によれば、駆動シューが設定位置以外に位置するとき、弾性部の弾性変形が規制されている。したがって、車両用サンルーフ装置の動作(チルト動作及びスライド動作)の信頼性が高い。
上記構成において、前記押圧部は、前記係合部及び前記弾性部の少なくとも一方に、前記駆動シューの変位方向に対して傾斜する斜面により構成されることが好ましい。
この構成によれば、斜面という簡易的な構成によって押圧部を構成することができるため、製造が容易である。また、押圧部を係合部及び弾性部とは別体で設ける必要がないため、車両用サンルーフ装置の小型化にも寄与する。
この構成によれば、斜面という簡易的な構成によって押圧部を構成することができるため、製造が容易である。また、押圧部を係合部及び弾性部とは別体で設ける必要がないため、車両用サンルーフ装置の小型化にも寄与する。
上記構成において、前記機能ブラケットは、前記駆動シューの変位方向に対して傾斜するガイド孔を有し、前記駆動シューは、前記ガイド孔に挿入されるガイドピンを有し、前記駆動シューの変位方向に対する前記押圧部を構成する斜面の傾斜角は、前記駆動シューの変位方向に対する前記ガイド孔の傾斜角よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、駆動シューが変位するとき、機能ブラケットがチルト動作する方向において、ガイドピンがガイド孔を押圧する力よりも、斜面が弾性部を押圧する力が小さい。このため、機能ブラケットのスライド動作時に、係合部と弾性部との係合が解消されるおそれが小さい。ひいては、車両用サンルーフ装置のスライド動作時の動作信頼性が高い。
上記構成において、前記機能ブラケットは、スライド動作時に前記ガイドレールにチルト動作方向への変位が規制される制御スライドを有し、前記ガイドレールは、前記機能ブラケットのチルト動作とスライド動作とが切り替わる部位に前記制御スライドのチルト動作方向への変位を許容するチェック孔を有することが好ましい。
この構成によれば、車両用サンルーフ装置のスライド動作時の動作信頼性が高い。
本発明の車両用サンルーフ装置は、サンルーフの開閉動作に不快感を与えにくいという効果を有する。
以下、車両用サンルーフ装置の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1及び図2に示すように、車両1は、略矩形状のルーフ開口部3が設けられたルーフパネル2を備える。また、車両1は、ルーフ開口部3を開放する位置とこれを閉塞する位置との間を変位する略平板状の可動パネル10を備える。さらに、車両1は、この可動パネル10を開閉駆動させる車両用サンルーフ装置11を備える。
図1及び図2に示すように、車両1は、略矩形状のルーフ開口部3が設けられたルーフパネル2を備える。また、車両1は、ルーフ開口部3を開放する位置とこれを閉塞する位置との間を変位する略平板状の可動パネル10を備える。さらに、車両1は、この可動パネル10を開閉駆動させる車両用サンルーフ装置11を備える。
車両用サンルーフ装置11は、ルーフ開口部3の車幅方向両縁部3a,3bに設けられる左右一対の開閉駆動装置12と、モータ13を駆動源として各開閉駆動装置12を駆動させるアクチュエータ装置15とを備える。
各開閉駆動装置12は、車両の前後方向に延びるガイドレール21と、このガイドレール21に沿って変位する移動体22とを備える。これら移動体22は、ルーフ開口部3の前方に位置するフロントハウジング23に設けられる可撓性を有し且つ延伸方向に摺動可能な駆動ベルト25により接続されている。
アクチュエータ装置15は、フロントハウジング23に設けられている。アクチュエータ装置15は、駆動ベルト25の往復動を通じて、各ガイドレール21に設けられる移動体22を前後方向に変位させる。これら各移動体22の前後移動により、可動パネル10が開閉する。
具体的には、車両用サンルーフ装置11は、可動パネル10の後端を上げ下げ(チルトアップ及びチルトダウン)させるチルト開閉動作と、可動パネル10を前後移動させるスライド開閉動作とが可能とされている。アクチュエータ装置15は、車両1の利用者が選択する開閉動作(チルト開閉動作及びスライド開閉動作)に対応するように、駆動ベルト25を駆動する。
詳述すると、図3(a)及び図3(b)に示すように、移動体22は、ガイドレール21上を移動可能に設けられた駆動シュー31及び従動シュー32と、これらの駆動シュー31及び従動シュー32に連結された機能ブラケット33と、を備える。可動パネル10は、機能ブラケット33の上部に支持されている。
従動シュー32は、駆動シュー31の前方(図2中、左側)に設けられている。また、従動シュー32は、機能ブラケット33の前端部33aを回動可能に支持する。
駆動シュー31は、従動シュー32の後方に設けられ、駆動ベルト25に連結されている。駆動シュー31は、駆動ベルト25の往復動により前後方向に変位する。なお、駆動シュー31は、車幅方向に突設されたガイドピン35を有する。
駆動シュー31は、従動シュー32の後方に設けられ、駆動ベルト25に連結されている。駆動シュー31は、駆動ベルト25の往復動により前後方向に変位する。なお、駆動シュー31は、車幅方向に突設されたガイドピン35を有する。
機能ブラケット33は、前後方向に延在する部材であって、当該機能ブラケット33の長手方向、すなわち前後方向に延びるガイド孔34を有する。ガイド孔34には、駆動シュー31に設けられるガイドピン35が挿入されている。
なお、ガイド孔34は、全体として前端部34aから後端部34bに向かうにつれて徐々に位置が高くなるように傾斜が設定されている。図5に示すように、駆動シュー31のスライド方向に対するガイド孔34の傾き、より正確には中央部34cから後端部34bにかけての傾きを、傾斜角θ1とする。
図3(a)に示すように、可動パネル10がルーフ開口部3を閉塞している状態にあるとき、駆動シュー31は、ガイド孔34の中央部34cに位置する。アクチュエータ装置15の駆動により、駆動シュー31がガイド孔34の中央部34cから前端部34a側に変位すると、前方に向かって変位するガイドピン35がガイド孔34の内壁を上方に向かって押し上げる。機能ブラケット33の前端部33aは、従動シュー32により回動可能に支持されているので、機能ブラケット33は、その後端部33bが上昇するように前端部33aを中心として回動する。これにより、可動パネル10は、チルトアップする。
一方、図3(b)に示すように、アクチュエータ装置15の駆動により、駆動シュー31がガイド孔34の中央部34cから後端部34b側に変位すると、ガイドピン35がガイド孔34の内壁を下方に向かって押し下げる。機能ブラケット33の前端部33aは、従動シュー32により回動可能に支持されているので、機能ブラケット33は、その後端部33bが下降するように前端部33aを中心として回動する。これにより、可動パネル10は、チルトダウンする。
さらに、図4に示すように、この可動パネル10がチルトダウンした状態において、アクチュエータ装置15の駆動により、駆動シュー31がガイド孔34の後端部34bに位置する状態からさらに後方に変位する場合、機能ブラケット33は、従動シュー32とともに駆動シュー31に連れ動きして後方に変位する。これにより、機能ブラケット33に支持される可動パネル10は、ルーフパネル2の下方に潜り込むように収容される、すなわち、スライド開動作される(インナースライド)。
なお、スライド開動作される可動パネル10は、その傾きがガイドレール21と略並行になるように移動体22を構成する各部位が設計されている。
さらに、車両用サンルーフ装置11は、機能ブラケット33の移動領域、すなわち可動パネル10の少なくとも一部がルーフパネル2の下方に潜り込むように収容される領域において、機能ブラケット33の上方への変位、すなわち、可動パネル10の上方への変位を規制するチェック機構40を備える。
さらに、車両用サンルーフ装置11は、機能ブラケット33の移動領域、すなわち可動パネル10の少なくとも一部がルーフパネル2の下方に潜り込むように収容される領域において、機能ブラケット33の上方への変位、すなわち、可動パネル10の上方への変位を規制するチェック機構40を備える。
図5及び図6に示すように、チェック機構40は、機能ブラケット33の後端下部に設けられる制御スライド41及び係合スライド突起42と、ガイドレール21を構成する上壁部21aに設けられるチェック溝43とを備える。さらに、チェック機構40は、駆動シュー31の後端部に設けられる弾性スライド突起44と、ガイドレール21を構成する下壁部21bに設けられるチェック凹部45とを備える。なお、係合スライド突起42は係合部に、弾性スライド突起44は弾性部に、それぞれ相当する。
図5及び図6に示すように、制御スライド41は、機能ブラケット33の後端下部より車幅方向に板状に突設された部位である。制御スライド41の板厚は、ガイドレール21の上壁部21aと下壁部21bとの間の距離よりも短く設定されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、ガイドピン35がガイド孔34の前端部34aから中央部34cにかけて位置するとき、制御スライド41は、上壁部21aより上方に位置する。一方、図4に示すように、ガイドピン35がガイド孔34の後端部34bに位置するとき、制御スライド41は、上壁部21aと下壁部21bとの間に位置する。
図5及び図6に示すように、係合スライド突起42は、制御スライド41よりも前方に設けられて車幅方向に板状に突設された部位である。係合スライド突起42の板厚は、ガイドレール21の上壁部21aと下壁部21bとの間の距離よりも短く設定されている。この係合スライド突起42の後端部は、後方側に向かうにつれて上昇する第1係合斜面42aとされている。なお、駆動シュー31のスライド方向に対する第1係合斜面42aの傾きを傾斜角θ2とする。傾斜角θ2は、駆動シュー31のスライド方向に対するガイド孔34の傾きである傾斜角θ1よりも大きく設定されている(図3(a)及び図3(b)参照)。
図5及び図6に示すように、チェック溝43は、上壁部21aに設けられて機能ブラケット33側に臨む切り欠きであって、機能ブラケット33がチルト動作する位置に対応するように設けられている。
図7及び図8に示すように、チェック溝43の前後方向の寸法は、制御スライド41の前後方向の寸法よりも若干長く設定されている。これにより、制御スライド41は、チェック溝43を上下方向に通過することが可能とされている。一方で、機能ブラケット33がスライド動作するとき、制御スライド41は、チェック溝43を通過することができない。言い換えれば、機能ブラケット33がスライド動作するとき、制御スライド41の上側に、ガイドレール21の上壁部21aが位置するため、機能ブラケット33のチルト動作が規制されている。
図5及び図6に示すように、弾性スライド突起44は、駆動シュー31の後端部から後方に向かって延びる板状の弾性板部44aと、弾性板部44aの先端部(車両後方側の端部)に連続し弾性板部44aよりも上下方向寸法が長い態様で膨出する先端係合部44bとを備える。
弾性板部44aは、その基端部を中心にして上下方向への弾性変形が可能とされている。なお、弾性板部44aの前後方向寸法、すなわち、弾性板部44aの基端部から先端部までの間の寸法は、係合スライド突起42の前後方向寸法よりも長く設定されている。
先端係合部44bは、その先端側(車両後方側)に向かうにつれて上昇する第2係合斜面44cとされている。駆動シュー31のスライド方向に対する第2係合斜面44cの傾きは、先述した駆動シュー31のスライド方向に対する第1係合斜面42aの傾きと等しい傾斜角θ2に設定されている。なお、先端係合部44bの上下方向寸法は、ガイドレール21の上壁部21aと下壁部21bとの間の距離よりも短く、且つ、係合スライド突起42の板厚(上下方向の寸法)と足し合わせたときガイドレール21の上壁部21aと下壁部21bとの間の距離よりも長く設定されている。
図5及び図6に示すように、チェック凹部45は、下壁部21bに設けられて滑らかに下方に向かって凹む窪みである。チェック凹部45は、駆動シュー31が中央部34cから後端部34bにスライド変位し、ガイドピン35がガイド孔34の後端部34bに位置したとき、係合スライド突起42の下方に位置するように設けられている。このとき、係合スライド突起42と弾性スライド突起44とが係合する。すなわち、チェック凹部45は、駆動シュー31が機能ブラケット33のチルト動作とスライド動作とが切り替わる設定位置に到達したとき、弾性スライド突起44の下方に位置する。
チェック凹部45の凹設量は、当該凹設量と、上壁部21aと下壁部21bとの間の距離とを足し合わせた寸法が、先端係合部44bの上下方向寸法と係合スライド突起42の板厚(上下方向の寸法)とを足し合わせた寸法よりも若干長くなるように設定されている。なお、下壁部21bは、弾性スライド突起44の下方への弾性変形を規制する規制部に相当し、チェック凹部45は、弾性スライド突起44の下方への弾性変形を許容する逃げ部に相当する。
次に、チェック機構40の作用及びその効果について説明する。
図3(a)及び図4に示すように、アクチュエータ装置15の駆動により、駆動シュー31がガイド孔34の中央部34cから後端部34b側に変位すると、可動パネル10は、チルトダウンする。すなわち、機能ブラケット33は、その前端部33aを中心として回動し、後端部33bは下降(チルトダウン)する。そして、駆動シュー31は、機能ブラケット33のチルト動作とスライド動作とが切り替わる設定位置に到達する。
図3(a)及び図4に示すように、アクチュエータ装置15の駆動により、駆動シュー31がガイド孔34の中央部34cから後端部34b側に変位すると、可動パネル10は、チルトダウンする。すなわち、機能ブラケット33は、その前端部33aを中心として回動し、後端部33bは下降(チルトダウン)する。そして、駆動シュー31は、機能ブラケット33のチルト動作とスライド動作とが切り替わる設定位置に到達する。
このとき、制御スライド41とチェック溝43との前後方向位置が対応しているので、機能ブラケット33の後端部33bの下降に伴い、制御スライド41も下降し、当該制御スライド41は、チェック溝43を通過して、ガイドレール21の内部、すなわち上壁部21aと下壁部21bとの間に至る。
なお、機能ブラケット33の後端部33bの下降に伴い、係合スライド突起42も下降し、当該係合スライド突起42の第1係合斜面42aと弾性スライド突起44の第2係合斜面44cとが対向する状態に至る。
上述した通り、駆動シュー31の更なる後方への変位に伴い、機能ブラケット33は、駆動シュー31に連れ動きし、可動パネル10は、ルーフ開口部3を全開状態にする全開位置に至る。このとき、制御スライド41は、チェック溝43よりも後方に変位しているため、当該制御スライド41は、その上方に上壁部21aが位置する状態となる。
なお、機能ブラケット33がチルトダウンしてから駆動シュー31に連れ動きしている間、第1係合斜面42aと第2係合斜面44cとが対向している状態が維持される。
さて、可動パネル10を全開位置から全閉位置に変位させるべく、アクチュエータ装置15が駆動するとき、駆動シュー31は、前方に変位する。
さて、可動パネル10を全開位置から全閉位置に変位させるべく、アクチュエータ装置15が駆動するとき、駆動シュー31は、前方に変位する。
これにより、係合スライド突起42の第1係合斜面42aと弾性スライド突起44の第2係合斜面44cとが当接する。これにより、駆動シュー31の前方への変位に、係合スライド突起42、すなわち機能ブラケット33が前方に向かって連れ動きする。したがって、可動パネル10も前方へ変位する。なお、当該連れ動きは、制御スライド41とチェック溝43とが上下方向において対向する位置、すなわち駆動シュー31が設定位置に到達するまで継続される。
駆動シュー31が設定位置に到達すると、制御スライド41とチェック溝43とが上下方向において対向するので、機能ブラケット33の上方への変位が許容される。なお、このとき、弾性スライド突起44とチェック凹部45とが上下方向において対向するので、弾性スライド突起44の下方への変位が許容される。
ここで、さらに駆動シュー31が前方へ変位するとき、ガイド孔34にかけて設定されている傾斜により、機能ブラケット33は上方に向かう力を受ける。
また、第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cに設定されている傾斜により、弾性スライド突起44は下方に向かう力を受ける。弾性スライド突起44は、この下方に向かう力を受けることにより、チェック凹部45に進入するように下方へ変位する。これにより、駆動シュー31の前方への変位が許容される。
また、第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cに設定されている傾斜により、弾性スライド突起44は下方に向かう力を受ける。弾性スライド突起44は、この下方に向かう力を受けることにより、チェック凹部45に進入するように下方へ変位する。これにより、駆動シュー31の前方への変位が許容される。
前述したように、ガイドピン35とガイド孔34との関係により、機能ブラケット33がチルトアップするため、制御スライド41がチェック溝43を通過する。これにより、可動パネル10は、ルーフ開口部3を全閉状態にする全閉位置に到達する。
本例の車両用サンルーフ装置11によれば、可動パネル10が全開位置から全閉位置へ変位する過程において、弾性スライド突起44がチェック凹部45に到達することにより、すなわち、駆動シュー31が設定位置に到達することにより、機能ブラケット33がチルト動作(チルトアップ)が許容される。
このため、車両が高速走行するなどして、可動パネル10に上方向に向かう力、いわゆる吸いだし荷重が作用しても、制御スライド41がチェック溝43に臨むガイドレール21の上壁部21aをはじくことが抑制される。したがって、本例の車両用サンルーフ装置11によれば、従来のように、ガイドレールをはじくことに伴い発生する大きな音が発生しない。これにより、車両の使用者は、従来と比較して、車両用サンルーフ装置11の駆動時に不快感を覚えにくい。言い換えれば、車両用サンルーフ装置11は、可動パネル10の開閉動作時に不快感を与えにくい。
なお、本例の車両用サンルーフ装置11によれば、駆動シュー31のスライド方向に対する第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cの傾斜角θ2は、駆動シュー31のスライド方向に対するガイド孔34の傾斜角θ1よりも大きく設定されている。
これにより、駆動シュー31が前方へ変位する際、第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cにより、機能ブラケット33を上方へ押し上げる力は、ガイドピン35がガイド孔34を通じて機能ブラケット33を上方へ押し上げる力よりも小さい。この点も、制御スライド41がチェック溝43に臨むガイドレール21の上壁部21aをはじくことの抑制に効果がある。
また、係合スライド突起42に第1係合斜面42aを、弾性スライド突起44に第2係合斜面44cを、それぞれ設けた。そして、これら第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cの駆動シュー31のスライド方向に対する傾斜角θ2を、機能ブラケット33に設けられるガイド孔34の中央部34cから後端部34bにかけて設けられる傾斜角θ1よりも大きく設定した。
これにより、斜面という簡易的な構成によって弾性スライド突起44を弾性変形させる下方に向かって向に押圧する押圧部を構成することができるため、製造が容易である。また、押圧部を係合スライド突起42及び弾性スライド突起44とは別体で設ける必要がないため、車両用サンルーフ装置11の小型化にも寄与する。
さらに、機能ブラケット33のスライド動作時、第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cが弾性スライド突起44を押圧する力は、ガイドピン35がガイド孔34を押圧する力よりも小さい。このため、係合スライド突起42と弾性スライド突起44との係合が解消されるおそれが小さい。ひいては、車両用サンルーフ装置11のスライド動作時の動作信頼性が高い。
また、スライド動作時には、制御スライド41の上方にガイドレール21の上壁部21aが位置する。この位置関係も、機能ブラケット33のチルト動作(チルトアップ)を規制するため、車両用サンルーフ装置11のスライド動作時の動作信頼性が高い。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、弾性変形しない係合スライド突起42が機能ブラケット33に、弾性変形する弾性スライド突起44が駆動シュー31に、それぞれ設けられたが、これらは逆の関係であってもよい。
・上記実施形態では、弾性変形しない係合スライド突起42が機能ブラケット33に、弾性変形する弾性スライド突起44が駆動シュー31に、それぞれ設けられたが、これらは逆の関係であってもよい。
すなわち、図9に示すように、機能ブラケット33に上下方向に弾性変形する弾性スライド突起91を、駆動シュー31に弾性変形しない係合スライド突起92を、それぞれ設ける。このように構成した場合であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、このように構成した場合、弾性スライド突起91の弾性変形方向が上記実施形態における弾性スライド突起44の弾性変形方向と逆転する。したがって、図示は省略するが、逃げ部としてのチェック凹部をガイドレール21に設定する場合、上壁部21aに設定することが好ましい。
・上記実施形態では、係合スライド突起42及び弾性スライド突起44の両方に、弾性スライド突起44を押圧可能な斜面(第1係合斜面42a、第2係合斜面44c)を設けたが、どちらか一方に設けられればよい。
例えば、図9に示すように、弾性スライド突起91のみに第2係合斜面93を設けたが、当該第2係合斜面93により弾性スライド突起91は押圧されて、弾性変形可能である。
なお、この場合、機能ブラケット33のスライド動作を容易なものとするため、係合スライド突起92に弾性スライド突起91と係合する係合溝94を設定することが好ましい。
・上記実施形態において、駆動シュー31のスライド方向に対する第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cの傾斜角θ2は、ガイド孔34の傾斜角θ1よりも大きく設定されたが、小さく設定されてもよい。なお、第1係合斜面42a及び第2係合斜面44cの傾斜角θ2が、ガイド孔34の傾斜角θ1よりも大きいことにより、機能ブラケット33のスライド動作時に、当該機能ブラケット33が駆動シュー31に連れ動きしやすいという効果がある。
・上記実施形態において、制御スライド41は、省略されてもよい。
θ1,θ2…傾斜角、1…車両、10…可動パネル、11…車両用サンルーフ装置、15…アクチュエータ、21…ガイドレール、21a…上壁部、21b…下壁部、31…駆動シュー、33…機能ブラケット、34…ガイド孔、35…ガイドピン、41…制御スライド、42,92…係合スライド突起(係合部)、42a…第1係合斜面、43…チェック溝、44,91…弾性スライド突起(弾性部)、44c,93…第2係合斜面、45…チェック凹部(逃げ部)。
Claims (5)
- 車両上部に設定されるパネル開口部を開閉する可動パネルを支持し、車両上下方向へのチルト動作及び車両前後方向へのスライド動作が許容される機能ブラケットと、
アクチュエータの駆動に伴い、車両前後方向に延在するガイドレールに沿って変位し、前記機能ブラケットとの協働により前記機能ブラケットをチルト動作及びスライド動作させる駆動シューと、
前記機能ブラケット及び前記駆動シューの一方に設けられて他方に向かって突出する係合部と、
前記機能ブラケット及び前記駆動シューの他方に設けられて一方に向かって突出するとともに一方に対して離間する方向へ弾性変形可能とされる弾性部とを備え、
これら前記係合部及び前記弾性部は、前記機能ブラケットがスライド動作するときに係合し、前記機能ブラケットと前記駆動シューとの協働による前記機能ブラケットのチルト動作を規制するものであって、
前記駆動シューが設定位置に到達したとき、前記係合部と前記弾性部との係合状態の解消を許容するように前記弾性部を弾性変形させる押圧部と、を備える車両用サンルーフ装置。 - 請求項1に記載の車両用サンルーフ装置において、
前記ガイドレールは、前記設定位置に設けられて前記弾性部の弾性変形を許容する逃げ部と、前記設定位置を除く位置に設けられて前記弾性部の弾性変形を規制する規制部とを有する車両用サンルーフ装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用サンルーフ装置において、
前記押圧部は、前記係合部及び前記弾性部の少なくとも一方に、前記駆動シューの変位方向に対して傾斜する斜面により構成される車両用サンルーフ装置。 - 請求項3に記載の車両用サンルーフ装置において、
前記機能ブラケットは、前記駆動シューの変位方向に対して傾斜するガイド孔を有し、
前記駆動シューは、前記ガイド孔に挿入されるガイドピンを有し、
前記駆動シューの変位方向に対する前記押圧部を構成する斜面の傾斜角は、前記駆動シューの変位方向に対する前記ガイド孔の傾斜角よりも大きい車両用サンルーフ装置。 - 請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の車両用サンルーフ装置において、
前記機能ブラケットは、スライド動作時に前記ガイドレールにチルト動作方向への変位が規制される制御スライドを有し、
前記ガイドレールは、前記機能ブラケットのチルト動作とスライド動作とが切り替わる部位に前記制御スライドのチルト動作方向への変位を許容するチェック孔を有する車両用サンルーフ装置。
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JP2017025054A JP2018131020A (ja) | 2017-02-14 | 2017-02-14 | 車両用サンルーフ装置 |
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Cited By (1)
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US20210061076A1 (en) * | 2019-08-30 | 2021-03-04 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Sunroof device |
-
2017
- 2017-02-14 JP JP2017025054A patent/JP2018131020A/ja active Pending
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US20210061076A1 (en) * | 2019-08-30 | 2021-03-04 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Sunroof device |
US11498400B2 (en) * | 2019-08-30 | 2022-11-15 | Aisin Corporation | Sunroof device |
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