JP2018129316A - 熱伝導装置および電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、熱伝導ブロックにスライド可能に接触する熱伝導ディスクを半導体素子に接触させて熱伝導する技術が開示されている。
特許文献2には、ヒートシンクと半導体チップとの間に熱伝導面に沿って移動可能な熱伝導部材を配置し、この熱伝導部材が移動することにより、高さの異なる半導体チップを設けることによるヒートシンク内面との隙間を埋めて熱伝導性能を担保する技術が開示されている。
特許文献3には、熱伝導性を有するディスクをばねによってチップに押し付けて熱伝導性を向上させる技術が開示されている。
特許文献2にあっては、熱伝導部材が半導体チップに対してスライドすることが必須であるため、特許文献1と同様の課題があった。
特許文献3にあっては、チップがディスクに固定されているものの、ディスクから外側のハットへの接触抵抗を小さくするために、ディスクとハットとの間の接触圧力、接触面積を適切に維持しつつハットとディスクとを高精度に加工して密着状態に取り付けることは難しい。また、ばねは線径が小さいため熱抵抗が大きく、ばねを経由した熱伝導による放熱性能の向上に多くを期待することはできない。
また、発熱部品と放熱部品との間にシリコーン樹脂等の柔軟性の高い熱伝導性のシートを挟み込むことも考えられるが、シリコーン樹脂等の熱伝導性のシートは、特許文献1〜3に記載された金属製の熱伝導部材に比して熱伝導性能が悪く、近年の高密度の集積回路等、発熱量の大きな電子部品に適用することが難しいという課題がある。
本発明の熱伝導装置は、発熱部品または放熱部品のいずれか一方から熱伝導を受ける第一の熱伝導部材と、この第一の熱伝導部材から伝導される熱を前記発熱部品または放熱部品のいずれか他方へ伝導する第二の熱伝導部材と、これら第一、第二の熱伝導部材を相対的に回転する方向へ付勢する付勢部材と、前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との間にあって、前記付勢部材から受けた力を前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材とが前記回転の中心軸線に沿って互いに離れる方向への力に変換する傾斜面とを有する。
図1を参照して、本発明の最少構成を有する第1実施形態を説明する。
図1に符号1で示すものは、例えば半導体チップ等の発熱部品に接触させられて発熱部品の熱が伝導される第一の熱伝導部材、符号2で示すものは、例えばヒートシンク等の放熱部品に接触して放熱部品へ熱伝導する第二の熱伝導部材である。前記第一の熱伝導部材1は、付勢部材3から図1の矢印で示す反時計回りへの力を受け、第一の熱伝導面11と、第二の熱伝導面21とが傾斜面として互いに接触することにより、第一の熱伝導部材1と第二の熱伝導部材2とが離れる方向(図1の上下方向)へ付勢されるようになっている。
図2〜図4を参照して、本発明の第2実施形態に係る熱伝導装置を備えた電子部品を説明する。なお図1と共通の構成要素には同一符号を付し、説明を簡略化する。
符号5は電子基板であって、この電子基板5の表面には、例えば半導体チップ等の発熱部品6が実装されている。この発熱部品6は、例えばはんだバンプ等により電子基板5と電気的および機械的に接続されている。前記発熱部品6の表面(図4の下面)は、前記第一の熱伝導部材1の上面に接している。前記発熱部品6と第一の熱伝導部材1とは、図4(B)に示すように電子基板5を放熱部品7に取り付けることによってこれらの間に挟み込まれる。
前記電子基板5には、ヒートシンクなどの放熱部品7が取り付けられている。この放熱部品7の上面71には、前記第二の熱伝導部材2が接触している。また放熱部品7の下面には、複数の放熱フィン72が突出して設けられている。すなわち、放熱部品7の下面には、表面積を大きくして放熱性を高めるためのフィン、凹凸、粗面加工等が施されている。
このように第一の熱伝導部材1が第二の熱伝導部材2に接近しようとする動作に伴い、前記付勢部材3としてのぜんまいばねは、渦巻きが縮む方向に弾性変形するとともに、軸線C1方向に竹の子状にずれるよう変形する。なお案内軸4を第二の熱伝導部材2に対して回転を拘束し、かつ軸線C1方向へのスライド移動可能に取付孔22に挿入する支持構造としておくことにより、前記ぜんまいばねとして、軸線C1方向へ変形させることなく、単なる渦巻き状の変形(同一平面内の変形)のみが可能なものを採用することができる。
2 第二の熱伝導部材
3 付勢部材
4 案内軸
5 電子基板
6 発熱部品(半導体チップ)
7 放熱部品(ヒートシンク)
8 連結部材(ボルト)
11 第一の熱伝導面(傾斜面)
21 第二の熱伝導面(傾斜面)
Claims (9)
- 発熱部品または放熱部品のいずれか一方から熱伝導を受ける第一の熱伝導部材と、この第一の熱伝導部材から伝導される熱を前記発熱部品または放熱部品のいずれか他方へ伝導する第二の熱伝導部材と、これら第一、第二の熱伝導部材を相対的に回転する方向へ付勢する付勢部材と、前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との間にあって、前記付勢部材から受けた力を前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材とが前記回転の中心軸線に沿って互いに離れる方向への力に変換する傾斜面と、を有する熱伝導装置。
- 前記第一の熱伝導部材に前記中心軸線と直交する面に対して傾斜した第一の熱伝導面が設けられ、前記第二の熱伝導部材に前記中心軸線と直交する面に対して傾斜した第二の熱伝導面が設けられ、これら第一の熱伝導面と第二の熱伝導面との間で熱伝導が行われる請求項1に記載の熱伝導装置。
- 前記第一熱伝導面および第二の熱伝導面は、前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材の相対回転方向に沿って、複数個所に設けられた請求項1または2のいずれか一項に記載の熱伝導装置。
- 前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材との互いに対向する面の一部に前記第一の熱伝導面と第二の熱伝導面とが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱伝導装置。
- 前記付勢部材は、ぜんまいばねであって、前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材とのいずれか一方に外周端が連結され、いずれか他方に内周端が連結された請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱伝導装置。
- 前記ぜんまいばねの内周端は、前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材とのいずれか一方と一体に回転する軸に連結された請求項5に記載の熱伝導装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱伝導装置と、
前記第一の熱伝導部材と第二の熱伝導部材とのいずれか一方に接触する発熱部品と、
いずれか他方に接触する放熱部品と、
を有する電子部品。 - 前記発熱部品は、前記第一の熱伝導部材または第二の熱伝導部材のいずれか一方に接触する面と反対側の面で電子基板に固定された請求項7に記載の電子部品。
- 前記放熱部品は、前記第一の熱伝導部材または第二の熱伝導部材のいずれか他方に接触する面と反対側の面に放熱フィンを有する請求項7または8のいずれか一項に記載の電子部品。
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