JP2018128888A - 貨幣処理システム及び貨幣処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要に応じて取引時に見つかった偽の現金の金額を入金金額に算入して取引を実行する。【解決手段】貨幣を処理する貨幣処理システムを、貨幣の入金を受け付ける入金部と、入金部に受け付けた貨幣の金種及び真偽を識別する識別部と、識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が所定条件に合致する場合に、この貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行する制御部とを含んだ構成とする。【選択図】図2

Description

この発明は、貨幣の入金処理を行う貨幣処理システム及び貨幣処理装置に関する。
従来、銀行店舗及び流通店舗では、貨幣を処理する貨幣処理システムが利用されている。貨幣処理システムは、貨幣(紙幣及び硬貨)の入金処理を行う貨幣処理装置を含んで構成される。貨幣処理装置は、様々な態様で利用される。例えば、銀行店舗で顧客から預かった貨幣の中に偽の紙幣(偽券)が含まれていた場合、顧客に返却せず回収するよう銀行に義務付けられている地域がある。貨幣処理装置を利用すれば、装置内で紙幣の真偽を識別する識別部が、偽券であると識別した紙幣、及び偽券の疑いがあると識別した紙幣(サスペクト券)を、装置内の収納部に収納して回収することができる。
市場の偽券を回収するには、銀行店舗だけではなく、流通店舗でも偽券を回収することが好ましい。特許文献1に開示された精算システムを利用すれば、流通店舗に設置した貨幣処理装置で偽券と識別した紙幣及びサスペクト券と識別した紙幣を、顧客に返さず装置内に回収することができる。
特開2013−20301号公報
しかしながら、上記従来技術によれば、偽の貨幣の取扱方法として考え得る様々な方法に対応できないという問題があった。各地域の法制度、顧客に提供する商品やサービス、各店舗の運用等によって、偽の貨幣の取扱方法が異なる場合がある。例えば、所定条件を満たす場合には、装置が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を行いたいとする店舗があっても従来技術ではこれに対応することができない。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたもので、装置が偽又は偽の可能性があると識別した貨幣の金額を入金金額に算入可能な貨幣処理システム及び貨幣処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、貨幣を処理する貨幣処理システムであって、貨幣の入金を受け付ける入金部と、前記入金部に受け付けた貨幣の金種及び真偽を識別する識別部と、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が所定条件に合致する場合に、前記貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が前記所定条件に合致しない場合は、前記貨幣の金額を入金金額に算入せずに入金処理を実行することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の金種が、予め設定した所定金種である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の総量が、予め設定した所定閾値金以下である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の通貨が、予め設定した所定通貨である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣を所持していた顧客を特定する顧客識別情報を入力するための入力部をさらに備え、前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣を所持していた顧客を特定する顧客識別情報が入力された場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする。
また、本発明は、貨幣処理装置であって、貨幣の入金を受け付ける入金部と、前記入金部に受け付けた貨幣の金種及び真偽を識別する識別部と、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が所定条件に合致する場合に、前記貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、貨幣処理システムに紙幣と硬貨の少なくともいずれか一方の貨幣による入金を受け付ける入金処理で、識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が見つかった場合に、この貨幣が所定条件と合致するか否かを判定することができる。そして、所定条件に合致した場合には、偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行することができる。これにより、例えば、店舗での取引時に、偽又は偽の疑いがあると識別された貨幣の金額が所定金額以下であれば入金金額に算入して取引を行うといった運用が可能となる。偽又は偽の疑いがあると識別された貨幣を中央銀行等の所定機関で鑑定した結果、真の貨幣であると鑑定された場合に顧客に迷惑を掛けることがなく、顧客とのトラブルを回避することができる。
図1は、本実施形態に係る貨幣処理システムの外観を示す模式図である。 図2は、硬貨処理装置の構成を説明するためのブロック図である。 図3は、硬貨処理装置内の硬貨の搬送を示す模式図である。 図4は、偽貨収納部に、偽貨及びサスペクト貨を取引別に収納する例を示す模式図である。 図5は、偽貨収納部に、偽貨及びサスペクト貨を取引別に収納する別の例を示す模式図である。 図6は、硬貨処理装置で実行可能な偽貨及びサスペクト貨の処理方法を説明するための図である。 図7は、偽貨及びサスペクト貨の現物及び金額の取扱方法を自動切替する場合の判定条件の例を示す図である。 図8は、偽貨の現物を返却設定で処理して偽貨の金額を非算入設定で処理する場合を説明する模式図である。 図9は、偽貨の現物を取込設定で処理して偽貨の金額を非算入設定で処理する場合を説明する模式図である。 図10は、偽貨の現物を取込設定で処理して偽貨の金額を算入設定で処理する場合を説明する模式図である。 図11は、顧客から偽貨の所有権放棄の同意を得る画面を説明するための図である。 図12は、プリンタから出力されるレシートを説明するための図である。 図13は、硬貨処理装置内の硬貨の在高情報を説明するための図である。 図14は、硬貨処理装置を利用して行われた取引の取引情報を説明するための図である。 図15は、操作表示部に表示される画面例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る貨幣処理システム及び貨幣処理装置について説明する。本実施形態では、商品を販売する流通店舗で、チェックアウトカウンターに設けられた貨幣処理システムを例に説明する。図1は、本実施形態に係る貨幣処理システム1の外観を示す模式図である。貨幣処理システム1は、店舗のチェックアウトカウンターに設けられたキャッシュレジスタ10と、操作表示部20と、プリンタ30と、硬貨処理装置100及び紙幣処理装置200から成る貨幣処理装置2とを含む。顧客が、チェックアウトカウンターで、購入する商品の精算処理を行う際に、貨幣処理システム1を利用して、商品代金として顧客から受け取った現金の入金処理、及び顧客へ返す釣銭の出金処理が行われる。
具体的には、チェックカウンターで精算処理を担当する店舗の店員が、キャッシュレジスタ10の操作部11を操作してバーコードリーダ等の入力装置を利用し、顧客が購入する各商品の価格をキャッシュレジスタ10に入力する。各商品の名称及び価格、各商品の価格を合計した商品代金等の情報が、店員に向けて設置された表示部12の画面と、顧客に向けて設置された操作表示部20の画面とに表示される。操作表示部20の画面を確認した顧客は、商品代金として支払う紙幣を紙幣処理装置200の入金部210に投入し、硬貨を硬貨処理装置100の入金部110に投入する。紙幣処理装置200は、投入された紙幣を識別計数して紙幣の入金金額を算出し、硬貨処理装置100は、投入された硬貨を識別計数して硬貨の入金金額を算出する。紙幣入金額及び硬貨入金額の合計が商品代金を上回り、顧客に釣銭を返す必要がある場合は、釣銭を構成する紙幣が紙幣処理装置200の出金部220から排出され、釣銭を構成する硬貨が硬貨処理装置100の出金部120から排出される。プリンタ30は、取引日時、各商品の商品名及び価格、商品代金、顧客が支払った現金の入金金額、釣銭金額等の情報を印字したレシートを出力する。
このように、貨幣処理システム1は、硬貨処理装置100及び紙幣処理装置200から成る貨幣処理装置2を利用して、硬貨及び紙幣を処理可能な装置である。紙幣と硬貨は同様に処理することができるため、以下、硬貨を処理する硬貨処理装置100を例に詳細を説明する。
まず、図2〜図5を参照しながら硬貨処理装置(貨幣処理装置)100の構成について説明する。図2は、硬貨処理装置100の構成を説明するためのブロック図である。硬貨処理装置100、キャッシュレジスタ10、操作表示部20及びプリンタ30は、通信可能に接続されている。なお、図1及び図2には示していないが、貨幣処理システム1が、LAN等のネットワークを介して貨幣処理装置2と通信可能に接続された現金管理装置を含んでいてもよい。現金管理装置は、例えば店舗のバックヤードに設置され、貨幣処理装置2内に収納されている紙幣及び硬貨の種類、枚数(金額)等を管理するために利用される。
キャッシュレジスタ10は、各種情報を入力するための操作部11と、各種情報を表示する液晶表示装置から成る表示部12とを有する。店員の操作を受けて、キャッシュレジスタ10が、各商品の価格から、顧客に支払いを求める商品代金を算出する。キャッシュレジスタ10として、例えば、図示しないPOSサーバと通信可能に接続されたPOSレジスタを利用する。
操作表示部20は、例えば、画面を顧客に向けて設置されたタッチパネル式の液晶表示装置である。操作表示部20は、店舗が顧客に支払いを求める商品代金等、顧客に確認を求める情報を表示する表示部として機能する。また、操作表示部20は、例えば顧客に承認を求める際に承認又は非承認を選択する操作を行う操作部として機能すると共に、顧客の身分を証明する免許証番号、社会保障番号、店舗で管理する顧客番号等を入力する入力部としても機能する。
プリンタ30は、顧客が購入した商品の種類及び価格に関する情報、顧客が貨幣処理装置2に投入した硬貨の種類及び枚数(金額)に関する情報等を印字したレシートを出力する。硬貨処理装置100が偽と識別した硬貨又は偽の疑いがあると識別した硬貨が見つかった場合、レシートには、この硬貨に関する情報も印字される。
硬貨処理装置100は、入金部110、出金部120、搬送部130、識別部140、収納部170及び回収カセット171に加えて、偽貨出金部150及び偽貨収納部160を有する。また、硬貨処理装置100は、これら各部を制御する制御部190と、各種プログラム及びデータを保存する記憶部180と、外部装置との間でデータを送受信する通信部195とを有している。
出金部120は、収納部170から繰り出した硬貨を装置外へ排出する。搬送部130は、装置内の搬送路で硬貨を搬送する。収納部170は、入金処理時には硬貨を金種別に収納し、出金処理時には、収納している硬貨を一枚ずつ搬送路へ繰り出す。回収カセット171は、収納部170に収納できない硬貨等を収納する。釣銭を出金する出金処理時には、収納部170が搬送路に硬貨を繰り出して、搬送部130が、繰り出された硬貨を出金部120へ搬送し、出金部120が装置外へ排出する。
入金部110は、入金処理時に投入された硬貨を一枚ずつ装置内の搬送路に繰り出す。搬送部130は、搬送路に繰り出された硬貨を搬送する。図3は、硬貨処理装置100内の硬貨の搬送を示す模式図である。
図3に矢印で示したように、入金処理時には、入金部110が装置内の搬送路に繰り出した硬貨が、識別部140へ搬送される。識別部140は、搬送されてきた硬貨の金種、真偽、正損、新旧、数量等を識別する。
以下、識別部140が真の硬貨であると識別した硬貨を真貨、偽の硬貨であると識別した硬貨を偽貨、偽の疑いがある、すなわち偽貨の疑いがあると識別した硬貨をサスペクト貨と記載する。なお、硬貨処理装置100が、偽貨又はサスペクト貨と識別した硬貨については、後日、中央銀行等の所定機関による鑑定が行われ、鑑定の結果、真貨とされる可能性もあるし偽貨とされる可能性もある。以下、中央銀行が真貨であるか偽貨であるかの鑑定を行うものとして説明する。
搬送部130は、識別部140による識別結果に基づいて、硬貨を、出金部120、偽貨出金部150、偽貨収納部160、収納部170及び回収カセット171のいずれかへ収納する。具体的には、識別部140は、金種等を識別できない硬貨をリジェクト硬貨とする。リジェクト硬貨は、出金部120から排出されて顧客に返却される。識別部140が金種等を識別した硬貨のうち、出金用に再使用可能な真貨は、収納部170へ搬送されて金種別に収納される。収納部170が満杯(フル状態)で収納できなかった真貨、傷みや汚れのため出金に適さない真貨(損貨)は、回収カセット171へ収納される。識別部140が金種等を識別した硬貨のうち、偽貨及びサスペクト貨は、偽貨取扱に係る設定に応じて偽貨出金部150又は偽貨収納部160へ搬送されるが詳細は後述する。
偽貨出金部150は装置外へ偽貨及びサスペクト貨を排出する。取引時に偽貨及びサスペクト貨を装置外へ排出すると、店員は、偽貨及びサスペクト貨を取引別に管理する。店員が偽貨及びサスペクト貨を取り出しやすいように、偽貨出金部150は、チェックアウトカウンターで店員が居る側に設けられる。例えば、図1に示すように、硬貨処理装置100の前面に設けられた入金部110に顧客が自ら硬貨を投入する構成では、偽貨出金部150は、硬貨処理装置100の背面に設けられる。また、例えば、顧客が支払う硬貨を店員が受け取って、硬貨処理装置100の前面に設けられた入金部110に投入する構成では、偽貨出金部150は、入金部110と同じく前面に設けられる。リジェクト硬貨は出金部120から排出して、偽貨及びサスペクト貨は偽貨出金部150から排出する構成とすることにより、例えば取引中にリジェクト硬貨及び偽貨の両方が発生した場合も、これらを区別することができる。
偽貨収納部160は偽貨及びサスペクト貨を取引別に収納する。図4は、偽貨収納部160に、偽貨及びサスペクト貨を取引別に収納する例を示す模式図である。図4(a)に示す偽貨収納部160は、底面が閉塞され上面が開口した円筒形状を有し、搬送部130によって搬送された偽貨400及びサスペクト貨400を積層状態で収納する。偽貨収納部160の内径は、硬貨処理装置100が処理する最大の硬貨径より大きくかつ最小の硬貨径の2倍より小さく、各硬貨400を1枚ずつ積層状態で収納するようになっている。これにより、取引時に発生した偽貨及びサスペクト貨の情報を取引別に管理して、例えば、偽貨収納部160の一番底にある1枚の硬貨400が一取引分、底から2枚目及び3枚目の硬貨400が一取引分というように、各取引の硬貨400を区別することができる。
図4(b)に示す偽貨収納部160も底面が閉塞され上面が開口した円筒形状を有し、搬送部130によって搬送された偽貨400及びサスペクト貨400を収納するが、複数の仕切部材161を利用して硬貨400を取引別に分けて収納する点が図4(a)と異なっている。薄板形状の仕切部材161は、円筒形状の偽貨収納部160の外側に、円筒形状の軸方向に等間隔で複数設けられている。偽貨収納部160の側面には、各仕切部材161に対応して周方向に長い貫通孔が形成されている。各仕切部材161は、進退可能に設けられている。例えば、一取引で1枚の偽貨400aを収納すると、図4(b)に示すように、仕切部材161aが、側面の貫通孔から偽貨収納部160の内部へ進入する。その後に行われた別の取引で2枚のサスペクト貨400bを収納すると、これら2枚の硬貨400bは、仕切部材161aの上に収納される。2枚の硬貨400bを積層した際の高さが仕切部材161bの配置高さを超えるため、仕切部材161cが、側面の貫通孔から偽貨収納部160の内部へ進入する。そして、また別の取引で偽貨400cを収納すると、この硬貨400cは仕切部材161cの上に収納され、次の取引との間を仕切るために仕切部材161dが偽貨収納部160内へ進入する。このように、偽貨収納部160内に収納した硬貨400の高さに応じて仕切部材161を挿入することにより、硬貨400を取引別に収納することができる。偽貨収納部160の底面は開閉可能に設けられている。底面を開放して1枚の硬貨400aを取り出した後、下から順に仕切部材161を後退させることにより、2枚の硬貨400b、1枚の硬貨400cというように、取引別に硬貨400を回収することができる。
図5は、偽貨収納部160に、偽貨及びサスペクト貨を取引別に収納する別の例を示す模式図である。図5(a)に示すドラム型の偽貨収納部160は、円筒部径方向に設けた隔壁によって区切られた複数の収納空間160a〜160dを有する。偽貨収納部160の円筒部には、各収納空間160a〜160dに対応して、開閉可能な蓋体162(162a〜162d)が設けられている。偽貨収納部160の円筒中心軸廻りの回転を制御して、搬送部130が搬送する硬貨400を収納空間160aに収納する位置で偽貨収納部160が停止する。そして、この位置で、通常は閉じた状態にある蓋体162aを開く。取引時に見つかった偽貨400を収納空間160aに収納すると、蓋体162aを閉じて偽貨収納部160が時計回りに回転する。そして、搬送部130が搬送する硬貨400を別の収納空間160bに収納可能な位置で偽貨収納部160が停止し、蓋体162bが開く。この動作を繰り返すことにより、各収納空間160a〜160dに取引別に硬貨400を収納することができる。
図5(b)に示す偽貨収納部160は、隔壁によって区切られた複数の収納空間160a〜160dを有し、上面が開口した箱形形状の各収納空間160a〜160dに取引別に硬貨400を収納する。搬送部130が硬貨400を搬送する搬送路には、各収納空間160a〜160dに対応して、開閉可能なゲート163(163a〜163d)が設けられている。ゲート163の上面は、搬送路の上面と同一平面を形成している。偽貨収納部160の上方で硬貨400を搬送する際にゲート163を開き、硬貨400を落下させて各収納空間160a〜160dに収納する。例えば、取引時に偽貨400が見つかると、通常は閉じた状態にあるゲート163aを開いて収納空間160aに収納してゲート163aを閉じる。そして、その後に行われた別の取引で偽貨又はサスペクト貨が見つかった際には、別の収納空間160bに対応するゲート163bを開いて収納する。この動作を繰り返すことにより、各収納空間160a〜160dに取引別に硬貨400収納することができる。
次に、入金処理時に見つかった偽貨及びサスペクト貨の処理方法の種類について説明する。図6は、硬貨処理装置100で実行可能な偽貨及びサスペクト貨の処理方法を説明するための図である。図6に「現物取扱」として示したように、偽貨及びサスペクト貨の現物の取扱方法に係る設定は、手動又は自動で切り替えることができる。具体的には、キャッシュレジスタ10の操作部11で所定の操作を行うことにより、偽貨及びサスペクト貨を顧客に返却する返却設定(A1)と、店舗が取り込む取込設定(A2〜A5)とを、手動で切り替えることができる。また、硬貨処理装置100の制御部190が、予め設定した判定条件に基づいて、返却設定と(A6)と、取込設定(A7〜A10)とを自動で切り替えることもできる。ここで、返却設定とは、顧客との取引中に見つかった偽貨及びサスペクト貨の現物をそのまま顧客に返却する設定を言う。また、取込設定とは、顧客との取引中に見つかった偽貨及びサスペクト貨の現物を顧客に返却せず、店舗が取り込んで管理する設定を言う。取込設定での処理中に得られた偽貨及びサスペクト貨は、偽貨収納部160に取引別に収納するか、偽貨出金部150から装置外へ排出させるかを設定できるようになっている。装置外へ排出する場合、店員が、排出された偽貨及びサスペクト貨を取引別に管理する。
図6に「金額取扱」として示したように、現物取扱を返却設定とした場合には、偽貨及びサスペクト貨の金額を入金金額に算入しない非算入設定となる(A1、A6)。一方、現物取扱を取込設定とした場合には(A2〜A5、A7〜A10)、偽貨及びサスペクト貨の金額を入金金額に算入する算入設定と算入しない非算入設定とのいずれかに、手動又は自動で切り替えることができる。具体的には、キャッシュレジスタ10の操作部11で所定の操作を行って算入設定又は非算入設定に手動で切り替える設定とすることができる(A2又はA3、A7又はA8)。また、硬貨処理装置100の制御部190が、予め設定した判定条件に基づいて、算入設定又は非算入設定に自動で切り替える設定とすることもできる(A4又はA5、A9又はA10)。
図7は、偽貨及びサスペクト貨の現物及び金額の取扱方法を自動切替する場合の判定条件の例を示す図である。図7に「判定項目」として示す項目が、「判定条件」として示す条件を満たすときに自動切替が行われる。制御部190は、図7に示す判定条件を記憶部180で管理している。
例えば、取引時に偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、対象金種である場合に、この硬貨を返却設定で処理するか取込設定で処理するかを自動切替するように設定することができる。また、取引時に偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、対象外金種である場合に、この硬貨を返却設定で処理するか取込設定で処理するかを自動切替するように設定することができる。対象金種として一又は複数の金種を設定することができる。同様に対象外金種として一又は複数の金種を設定することができる。
具体的には、例えば、500円硬貨を取込設定の対象金種に設定すると、偽貨及びサスペクト貨が、500円硬貨である場合は取込設定で処理され、他の金種の硬貨である場合は返却設定で処理される。また、例えば、1円硬貨及び10円硬貨を取込設定の対象外金種に設定すると、偽貨及びサスペクト貨が、1円硬貨又は10円硬貨である場合は返却設定で処理され、他の金種の硬貨である場合は取込設定で処理される。
金額取扱についても、取引時に偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、対象金種である場合に、この硬貨を算入設定で処理するか非算入設定で処理するかを自動切替するように設定することができる。また、取引時に偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、対象外金種である場合に、この硬貨を算入設定で処理するか非算入設定で処理するかを自動切替するように設定することができる。対象金種として一又は複数の金種を設定することができる。同様に対象外金種として一又は複数の金種を設定することができる。
具体的には、例えば、500円硬貨を非算入設定の対象金種に設定すると、偽貨及びサスペクト貨が、500円硬貨である場合は非算入設定で処理され、他の金種の硬貨である場合は算入設定で処理される。また、例えば、1円硬貨及び10円硬貨を非算入設定の対象外金種に設定すると、偽貨及びサスペクト貨が、1円硬貨又は10円硬貨である場合は算入設定で処理され、他の金種の硬貨である場合は非算入設定で処理される。
また、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨の総量(合計金額又は合計枚数)が、予め設定した所定量(所定金額又は所定枚数)を超えた場合に、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。
また、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、予め設定した対象通貨である場合に、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。同様に、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が、予め設定した対象外通貨である場合に、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。対象通貨として一又は複数の通貨を設定することができる。同様に対象外通貨として一又は複数の通貨を設定することができる。
また、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨が実際に偽貨である確率が、予め設定した所定レベル以上である場合に、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。偽貨である確率は、識別部140による識別結果に基づいて判定される。
また、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨を使用しようとした顧客が、免許証番号、社会保障番号、店舗で管理する顧客番号等、顧客の身分を証明する顧客識別情報を有するか否かに基づいて、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。また、偽貨又はサスペクト貨と識別された硬貨を使用しようとした顧客が、店舗の常連客や得意客である等、所定条件を満たす特定の顧客であるか否かに基づいて、取込設定と返却設定のいずれの設定で処理するか、算入設定と非算入設定のいずれの設定で処理するかを設定することもできる。
次に、入金処理時に見つかった偽貨及びサスペクト貨の処理について具体的に説明する。偽貨と識別された硬貨とサスペクト貨と識別された硬貨とは同様に処理されるため、以下では、偽貨と識別された硬貨を例に説明する。
図8は、偽貨の現物を返却設定で処理して偽貨の金額を非算入設定で処理する場合を説明する模式図である。この処理は、図6に示すA1及びA6の設定で行われる処理である。図8(a)は入金処理を示し、図8(b)は追加入金処理を示し、図8(c)は入金キャンセル処理を示す。
チェックアウトカウンターで取引が開始された後、キャッシュレジスタ10で、顧客が購入する商品代金P円が算出される。顧客が、図8(a)に示すように、商品代金P円を超えるX円分の硬貨を入金部110に投入すると、硬貨処理装置100内の識別部140が各硬貨の金種、真偽等を識別する。制御部190は、識別部140による真偽の識別結果及び返却設定に基づいて、偽貨をリジェクト硬貨として処理して出金部120から顧客に返却する。一方、制御部190は、真貨を収納部170に金種別に収納する。また、制御部190は、識別部140による識別結果及び非算入設定に基づいて、偽貨の合計金額がY円であった場合、この金額Y円を入金金額に算入せず、硬貨処理装置100に入金された硬貨の入金金額を(X−Y)円とする。
入金金額(X−Y)円が商品代金P円に満たない場合(X−Y<P)、図8(b)に示すように、追加入金の処理が行われる。顧客が、返却されたY円の偽貨に代えて、再びY円分の硬貨を入金部110に投入すると、識別部140が各硬貨の金種、真偽等を識別する。これらの硬貨がY円分の真貨であった場合、制御部190は、収納部170に金種別に収納する。また、制御部190は、入金金額を(X−Y)円からX円に更新する。入金金額X円が商品代金P円を超えると(X>P)、制御部190は、釣銭金額を(X−P)円と算出する。そして、制御部190は、収納部170から釣銭金額分の真貨を繰り出して、釣銭として出金部120に排出して取引を終了する。取引終了時の最終的な入金金額は、商品代金分のP円となる。
図8(a)に示す状態で顧客が取引をキャンセルすると、図8(c)に示すように、入金キャンセルの処理が行われる。顧客が、店員に取引のキャンセルを告げると、店員がキャッシュレジスタ10の操作部11を操作して入金処理をキャンセルする。この操作を受けて、制御部190は、入金済みの(X−Y)円分の真貨を収納部170から繰り出して出金部120へ排出する。こうして、Y円分の偽貨と真貨とを合わせて合計X円分の硬貨を返却して取引を終了する。
このように、返却設定では、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨のうち、偽貨はリジェクト硬貨として出金部120から顧客に返却され、真貨は収納部170に金種別に収納される。非算入設定では、偽貨の合計金額Y円は入金金額には算入されず、投入金額X円から偽貨金額Y円を差し引いた金額(X−Y)円を入金金額として処理が進められる。すなわち、顧客が投入した真貨の金額を入金金額として処理が進められる。そして、必要に応じて、入金金額から商品代金を差し引いた釣銭金額分の真貨が釣銭として出金される。一方、返却設定かつ非算入設定で行われる取引が途中でキャンセルされた場合は、顧客が硬貨処理装置100に投入した偽貨はそのまま返却されて真貨も返却される。すなわち、偽貨は偽貨のまま投入金額全額が顧客に返却される。
図9は、偽貨の現物を取込設定で処理して偽貨の金額を非算入設定で処理する場合を説明する模式図である。この処理は、図6に示すA2、A4、A7及びA9の設定で行われる処理である。図9(a)は入金処理を示し、図9(b)は追加入金処理を示し、図9(c)は入金キャンセル処理を示す。取込設定で処理した硬貨は、硬貨処理装置100内の偽貨収納部160に取引別に収納して管理する態様であってもよいし、偽貨出金部150から装置外へ排出して店舗内で取引別に管理する態様であってもよいが、以下では、偽貨収納部160で管理するものとして説明する。
チェックアウトカウンターで取引が開始された後、キャッシュレジスタ10で、顧客が購入する商品代金P円が算出される。顧客が、図9(a)に示すように、商品代金P円を超えるX円分の硬貨を入金部110に投入すると、硬貨処理装置100内の識別部140が各硬貨の金種、真偽等を識別する。制御部190は、識別部140による真偽の識別結果及び取込設定に基づいて、偽貨を偽貨収納部160に取引別に収納する。一方、制御部190は、真貨を収納部170に金種別に収納する。また、制御部190は、識別部140による識別結果及び非算入設定に基づいて、偽貨の合計金額がY円であった場合、この金額Y円を入金金額に算入せず、硬貨処理装置100に入金された硬貨の入金金額を(X−Y)円とする。
このとき硬貨処理装置100内に取り込んだ偽貨の所有権は、顧客のままとする。後日、店舗から中央銀行に、硬貨処理装置100に取り込んだ偽貨の鑑定を依頼する。店舗は、真貨であるとの鑑定結果が得られた場合は硬貨を顧客に返却し、偽貨であるとの鑑定結果が得られた場合は硬貨を警察等に届ける。
入金金額(X−Y)円が商品代金P円に満たない場合(X−Y<P)、図9(b)に示すように、追加入金の処理が行われる。顧客が、再びY円分の硬貨を入金部110に投入すると、識別部140が各硬貨の金種、真偽等を識別する。これらの硬貨がY円分の真貨であった場合、制御部190は、収納部170に金種別に収納する。また、制御部190は、入金金額を(X−Y)円からX円に更新する。入金金額X円が商品代金P円を超えると(X>P)、制御部190は、釣銭金額を(X−P)円と算出する。そして、制御部190は、収納部170から釣銭金額分の真貨を繰り出して、釣銭として出金部120に排出して取引を終了する。取引終了時の最終的な入金金額は、商品代金分のP円となる。
図9(a)に示す状態で顧客が取引をキャンセルすると、図9(c)に示すように、入金キャンセルの処理が行われる。顧客が、店員に取引のキャンセルを告げると、店員がキャッシュレジスタ10の操作部11を操作して入金処理をキャンセルする。この操作を受けて、制御部190は、入金済みの(X−Y)円分の真貨を収納部170から繰り出して出金部120へ排出する。こうして、Y円分の偽貨は装置内に取り込んだまま、顧客が投入したX円分の硬貨のうち、偽貨を除く(X−Y)円分の真貨のみを返却して取引を終了する。
このように、取込設定では、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨のうち、偽貨は硬貨処理装置100内に取り込まれて顧客には返却されず、真貨は収納部170に金種別に収納される。非算入設定では、偽貨の合計金額Y円は入金金額には算入されず、投入金額X円から偽貨金額Y円を差し引いた金額(X−Y)円を入金金額として処理が進められる。すなわち、顧客が投入した真貨の金額を入金金額として処理が進められる。そして、必要に応じて、入金金額から商品代金を差し引いた釣銭金額分の真貨が釣銭として出金される。一方、取込設定かつ非算入設定で行われる取引が途中でキャンセルされた場合は、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨のうち偽貨は硬貨処理装置100内に取り込まれて返却されず、真貨だけが顧客に返却される。すなわち、投入金額から偽貨金額を差し引いた金額分の真貨のみが顧客に返却される。
図10は、偽貨の現物を取込設定で処理して偽貨の金額を算入設定で処理する場合を説明する模式図である。この処理は、図6に示すA3、A5、A8及びA10の設定で行われる処理である。図10(a)は入金処理を示し、図10(b)は入金キャンセル処理を示す。
チェックアウトカウンターで取引が開始された後、キャッシュレジスタ10で、顧客が購入する商品代金P円が算出される。顧客が、図10(a)に示すように、商品代金P円を超えるX円分の硬貨を入金部110に投入すると、硬貨処理装置100内の識別部140が各硬貨の金種、真偽等を識別する。制御部190は、識別部140による真偽の識別結果及び取込設定に基づいて、偽貨を偽貨収納部160に取引別に収納する。一方、制御部190は、真貨を収納部170に金種別に収納する。また、制御部190は、識別部140による識別結果及び算入設定に基づいて、偽貨の合計金額がY円である場合も、この金額Y円を入金金額に算入して、硬貨処理装置100に入金された硬貨の入金金額をX円とする。
このとき硬貨処理装置100内に取り込んだ偽貨の所有権は、顧客から店舗に移す。後日、店舗から中央銀行に、硬貨処理装置100に取り込んだ偽貨の鑑定を依頼する。例えば、偽貨とされた貨幣金額を鑑定前に店舗の売上に加算する店舗では、鑑定で真貨であるとの結果が得られた場合は売上データ変更の処理は行わず、偽貨であるとの鑑定結果が得られた場合は偽貨を警察に届けると共に、店舗の売上データから、鑑定前に加算していた貨幣金額を減算する処理を行う。また、例えば、偽貨とされた貨幣金額を鑑定後に店舗の売上に加算する店舗では、鑑定で真貨であるとの結果が得られた場合に売上データに貨幣金額を加算する処理を行い、偽貨であるとの鑑定結果が得られた場合は売上データ変更の処理は行わず偽貨を警察に届ける。
算入設定では、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨の中に偽貨が含まれていた場合も、この偽貨の金額が入金金額に算入されるため、図8及び図9に示す場合のように、顧客が追加入金を行う必要は生じない。偽貨を含む全硬貨の入金金額X円が商品代金P円を超えると(X>P)、制御部190は、釣銭金額を(X−P)円と算出する。そして、制御部190は、収納部170から釣銭金額分の真貨を繰り出して、釣銭として出金部120に排出して取引を終了する。取引終了時の最終的な入金金額は、商品代金分のP円となる。
図10(a)に示す処理の途中で顧客が取引をキャンセルすると、図10(b)に示すように、入金キャンセルの処理が行われる。顧客が、店員に取引のキャンセルを告げると、店員がキャッシュレジスタ10の操作部11を操作して入金処理をキャンセルする。この操作を受けて、制御部190は、X円分の真貨を、収納部170から繰り出して出金部120へ排出して取引を終了する。すなわち、顧客が投入したY円分の偽貨も、Y円分の真貨に代えて顧客に返却する。
このように、取込設定では、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨のうち、偽貨は硬貨処理装置100内に取り込まれて顧客には返却されず、真貨は収納部170に金種別に収納される。算入設定では、投入したX円分の硬貨にY円分の偽貨が含まれていた場合も、偽貨の金額Y円が入金金額に算入されて、投入金額X円をそのまま入金金額として処理が進められる。すなわち、顧客が投入した真貨及び偽貨の合計金額を入金金額として処理が進められる。そして、必要に応じて、入金金額から商品代金を差し引いた釣銭金額分の真貨が釣銭として出金される。一方、取込設定かつ算入設定で行われる取引が途中でキャンセルされた場合は、顧客が硬貨処理装置100に投入した硬貨のうち偽貨は硬貨処理装置100内に取り込まれて返却されず、全て真貨で顧客に返却される。すなわち、投入金額全額分が真貨で顧客に返却される。
硬貨処理装置100では、図9に示すように取込設定かつ非算入設定で処理を行う場合、事前に、顧客の承認を得る処理を実行することができる。取引時に見つかった偽貨の合計金額を入金金額に算入せず、偽貨を装置内に取り込んで店舗が回収するため、硬貨処理装置100は、顧客の承認を得る処理を実行する。
硬貨処理装置100で取込設定及び非算入設定で取引を開始すると、制御部190は、顧客が硬貨処理装置100に硬貨を投入するより前のタイミングで、顧客用に設けられた操作表示部20の画面上に、顧客の承認を得るための画面を表示する。図11は、顧客から偽貨の所有権放棄の承認を得る画面を説明するための図である。図11に示す画面表示を確認した顧客が、操作表示部20を操作して「はい」のボタンを選択し、偽貨の所有権放棄に同意すると、顧客は、商品代金の支払いに硬貨を使用することができる。この結果、図9を参照しながら説明したように処理が進められる。一方、顧客が、図11に示す画面で「いいえ」のボタンを選択し、偽貨の所有権放棄に同意しなかった場合、顧客は、商品代金の支払いに硬貨を使用することができない。具体的には、硬貨処理装置100は、入金部110に投入された硬貨を装置内に取り込まず、顧客は硬貨を使用した支払いを行うことができない。このため、顧客は、例えば紙幣やクレジットカード等、硬貨以外の有価媒体を使用して商品代金を支払うことになる。
硬貨処理装置100で偽貨と識別された硬貨は、後日、店舗から中央銀行に鑑定に出される。中央銀行が偽貨と鑑定した場合、既に顧客から所有権放棄の同意を得ているため、店舗は偽貨を警察等の所定機関に届け出る。一方、中央銀行が真貨と鑑定した場合、店舗は、この真貨を顧客に返却する。
硬貨処理装置100で偽貨と識別された硬貨を鑑定に出して、真貨であるとの鑑定結果が得られた場合に、この硬貨を顧客に返却できるように、硬貨処理装置100の制御部190は、プリンタ30を利用して顧客にレシートを出力する。
図12は、プリンタ30から出力されたレシートを説明するための図である。レシートには、店舗の名称300、取引日時301、支店識別情報302、レジ識別情報303が印字され、レシートを出力した日時と、店舗、支店及びレジとを特定できるようになっている。レシートには、顧客が購入した各商品の名称、各商品の価格、商品の合計金額(図中「合計」)、硬貨処理装置100に入金された入金金額(図中「お預り」)、顧客に返された釣銭金額(図中「お釣り」)等の取引情報304が印字される。
また、レシートには、顧客が硬貨処理装置100に入金した硬貨の内訳情報305と、取引番号306と、顧客識別情報307(図中「顧客ID」)と、鑑定日情報308とが印字される。内訳情報305には、硬貨処理装置100の識別部140が真貨と識別した硬貨の合計金額と、偽貨と識別した硬貨の合計金額と、金種別の偽貨の枚数及び金額とが含まれる。
取引番号306は、店舗で行われた各取引を区別するための番号である。顧客識別情報307は、取引時に取得した顧客の免許証番号、社会保障番号、店舗で管理する顧客番号等、各顧客を識別するための情報である。鑑定日情報308は、偽貨を中央銀行で鑑定する予定日を示す情報である。顧客は、後日、鑑定日情報308の日付を過ぎてから店舗を訪れ、取引番号306に基づいて中央銀行による鑑定結果を確認する。そして、中央銀行によって真貨であるとの鑑定結果が得られていれば、この真貨を返却してもらうことができる。なお、鑑定日情報308として、偽券の鑑定予定日を顧客に通知する態様に限定されない。例えば、鑑定日情報308として、中央銀行での鑑定で真貨と鑑定された場合に、店舗が顧客に真貨を返却する期限となる日付を鑑定日情報308として通知する態様であってもよい。また、鑑定日情報308として、鑑定予定日及び返却期限の両方を通知する態様であってもよい。
図13は、硬貨処理装置100内の硬貨の在高情報を説明するための図である。硬貨処理装置100の制御部190は、図13に示すように、真貨を収納する収納部170の在高と、偽貨を収納する偽貨収納部160の在高とを分けて、記憶部180で管理している。収納部170を構成する各収納部については、収納する硬貨の金種が予め設定金種として設定されている。収納部170の在高は、この設定金種と、各収納部に収納中の硬貨の枚数及び金額とによって管理される。一方、偽貨収納部160の在高は、図13に第1偽貨収納部、第2偽貨収納部として例示したように、各収納部に収納中の偽貨の取引番号と、偽貨の合計金額と、偽貨の金種及び枚数の内訳とによって管理される。
図14は、硬貨処理装置100を利用して行われた取引の取引情報を説明するための図である。硬貨処理装置100の制御部190は、図14に示すように、取引番号、取引日時、支店識別情報、レジ識別情報、投入金額、入金金額及び偽貨情報を記憶部180で管理している。図12〜図14の取引番号が対応しており、取引番号に基づいて、図12に示すレシートに印字された偽貨と、図13に示す在高情報に含まれる偽貨収納部160と、図14に示す取引情報に示す取引との対応を認識できるようになっている。
図14に示す偽貨情報には、取引番号で示す一取引中に硬貨処理装置100内で識別部140が偽貨と識別した硬貨の金額、金種、枚数、所有権、顧客識別情報、鑑定日、鑑定結果、顧客返却情報が含まれる。一取引中に複数の偽貨が見つかった場合は、金額として偽貨の合計金額が記録され、金種及び枚数として各偽貨の金種及び枚数が記録される。
所有権の項目は、偽貨の所有権を示す情報で、図9で説明したように、偽貨の金額を入金金額に算入しない非算入設定で処理した場合には所有権者は顧客と記録され、図10で説明したように偽貨の金額を入金金額に算入する算入設定で処理した場合には所有権者は店舗と記録される。これにより、制御部190が偽貨の取扱方法を自動切替する設定である場合も、算入設定と非参入設定のいずれの設定で処理された偽貨であるかを確認できるようになっている。
顧客識別情報の項目は、免許証番号、社会保障番号、店舗で管理する顧客番号等、顧客の身分を証明する情報である。例えば、図9で説明したように取引時に見つかった偽貨を硬貨処理装置100内に取り込んで所有権者を顧客としたまま店舗が預かる場合に、店員がキャッシュレジスタ10の操作部11を操作して又は顧客が操作表示部20を操作して、顧客識別情報を入力する。このとき入力された情報が、顧客識別情報として取引情報に記録される。
鑑定日の項目は、店舗から中央銀行へ偽貨の鑑定を依頼する鑑定予定日、又は中央銀行が実際に偽貨を鑑定した鑑定実施日である。具体的には、鑑定結果が「未」と記録されている場合は、中央銀行に鑑定を依頼する鑑定予定日を示している。例えば、月末、2ヶ月毎の月末というように、予め店舗から中央銀行に鑑定を依頼する予定日を設定しておくことにより、鑑定予定日が自動的に記録されるようになっている。鑑定予定日は、図12に示すようにレシートにも印字される。
中央銀行で鑑定が行われた後、キャッシュレジスタ10の操作部11、操作表示部20等を利用して鑑定結果が入力され、取引情報が更新される。なお、鑑定結果の入力については操作部11や操作表示部20を利用して手入力する態様に限定されず、鑑定結果が自動入力される態様であってもよい。例えば、鑑定結果を示す2次元バーコード等のデータを、該データを読取可能な読取装置で読み取って自動入力する態様であってもよい。また、例えば、硬貨処理装置100の通信部195と、中央銀行に設置された所定の端末や装置等の外部装置とが通信可能に接続され、外部装置に入力された中央銀行による鑑定結果が通信部195を介して自動入力される態様であってもよい。例えば、中央銀行が偽貨であると鑑定した場合、鑑定結果が入力されると、鑑定日の日付が鑑定予定日から鑑定実施日に更新され、鑑定結果が「未」から「偽」に更新される。偽貨は顧客に返却しないため顧客返却の項目は「−」から「不要」に更新される。また、中央銀行が真貨であると鑑定した場合は、鑑定日の日付が鑑定予定日から鑑定実施日に更新され、鑑定結果が「未」から「真」に更新される。所有権者が顧客である場合は、真貨と鑑定された硬貨を顧客に返却する必要があるため、顧客返却の項目が「−」から「未」に更新される。顧客が、店舗にレシートを持参して、真貨と鑑定された硬貨を受け取ると、これを示す情報がキャッシュレジスタ10の操作部11、操作表示部20等から入力され、取引情報の顧客返却の項目が「未」から「済」に更新される。
偽貨の所有権が店舗にある場合は、中央銀行による鑑定結果によらず、鑑定日の日付が鑑定予定日から鑑定実施日に更新され、顧客返却の項目が「−」から「不要」に更新される。また、鑑定結果が「未」から、中央銀行による鑑定結果を示す「偽」又は「真」に更新される。
このように、硬貨処理装置100は、偽貨情報を含む取引情報を記録すると共に、硬貨処理装置100内で硬貨現物を真貨と偽貨とに分けて管理することができる。また、硬貨処理装置100は、プリンタ30を利用して、偽貨に関する情報を印字したレシートを顧客に発行することができる。これにより、所有権を顧客に残したまま、店舗が顧客から偽貨を預かって硬貨処理装置100内で管理することができる。そして、店舗から中央銀行に鑑定を依頼し、鑑定結果に応じて顧客への返却、警察への届出等を行うことができる。顧客は、店舗が発行したレシートを保管しておいて、中央銀行による鑑定結果が出た後、再び店舗に赴いて鑑定結果を確認し、真貨であるとの鑑定結果が出ていれば、この真貨を受け取ることができる。
硬貨処理装置100で取引を行う際には、チェックアウトカウンターに設けられた操作表示部20の画面上に、商品代金、入金金額、釣銭金額等の情報が表示される。図15は、操作表示部20に表示される画面例を示す図である。取引中に偽貨が見つからなければ、図15(a)に示すように、商品代金と、商品代金を支払うために顧客が硬貨処理装置100に入金した入金金額と、硬貨処理装置100から出金される釣銭金額とが表示される。一方、取引中に偽貨が見つかった場合は、図15(b)に示すように、商品代金と、商品代金を支払うために顧客が硬貨処理装置100に投入した投入金額と、見つかった偽貨の合計金額を示す偽貨金額と、硬貨処理装置100に入金された硬貨の合計金額を示す入金金額と、硬貨処理装置100から出金される釣銭金額とが表示される。図10で説明したように入金キャンセル時に偽貨を真貨に代えて返却する場合に、偽貨金額を操作表示部20の画面上に表示して店舗が偽貨を認識していることを示すことで、悪意ある偽貨の使用に対する抑止力とすることができる。
上述してきたように、本実施形態に係る貨幣処理装置によれば、識別部140が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣現物を、顧客に返却する返却設定、又は装置内に取り込んで店舗で管理する取込設定で処理することができる。また、偽又は偽の疑いがあると識別された貨幣の金額を、入金金額に算入する算入設定、又は算入しない非算入設定で処理することができる。返却設定又は取込設定と、算入設定又は非算入設定とを組み合わせることで、偽又は偽の疑いがあると識別された貨幣を様々な方法で処理することができる。また、判定条件を設定すれば、判定条件に応じて設定を自動的に切り替えることもできる。これにより、店舗の様々な運用に対応することができる。
以上のように、本発明に係る貨幣処理システム及び貨幣処理装置は、必要に応じて偽の現金の金額を入金金額に算入するために有用である。
1 貨幣処理システム
2 貨幣処理装置
10 キャッシュレジスタ
11 操作部
12 表示部
20 操作表示部
30 プリンタ
100 硬貨処理装置
110 入金部
120 出金部
130 搬送部
140 識別部
150 偽貨出金部
160 偽貨収納部
170 収納部
171 回収カセット
180 記憶部
190 制御部
195 通信部
200 紙幣処理装置
210 入金部
220 出金部

Claims (7)

  1. 貨幣を処理する貨幣処理システムであって、
    貨幣の入金を受け付ける入金部と、
    前記入金部に受け付けた貨幣の金種及び真偽を識別する識別部と、
    前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が所定条件に合致する場合に、前記貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行する制御部と
    を備えることを特徴とする貨幣処理システム。
  2. 前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が前記所定条件に合致しない場合は、前記貨幣の金額を入金金額に算入せずに入金処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の貨幣処理システム。
  3. 前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の金種が、予め設定した所定金種である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の貨幣処理システム。
  4. 前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の総量が、予め設定した所定閾値金以下である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
  5. 前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣の通貨が、予め設定した所定通貨である場合に、前記所定条件に合致すると判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
  6. 前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣を所持していた顧客を特定する顧客識別情報を入力するための入力部
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣を所持していた顧客を特定する顧客識別情報が入力された場合に、前記所定条件に合致すると判定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の貨幣処理システム。
  7. 貨幣の入金を受け付ける入金部と、
    前記入金部に受け付けた貨幣の金種及び真偽を識別する識別部と、
    前記識別部が偽又は偽の疑いがあると識別した貨幣が所定条件に合致する場合に、前記貨幣の金額を入金金額に算入して入金処理を実行する制御部と
    を備えることを特徴とする貨幣処理装置。
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