JP2018127899A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】過給機付きのエンジンを搭載する車両の駆動力を制御するにあたり、特に、アクセル装置の微増操作が行われた場合の駆動力の制御性を向上させ、車両のドライバビリティを向上させる。【解決手段】過給機を有するエンジンを搭載し、アクセル装置の操作量および車速に基づいて駆動力を制御する車両の制御装置において、前記操作量および前記車速に基づいて目標エンジントルクを算出し、前記アクセル装置が所定の微小操作量で前記操作量が増大する方向に操作される微増操作の有無を判断し、前記過給機が作動していない状態で前記微増操作が行われ、かつ、前記目標エンジントルクが、自然吸気状態で前記エンジンが出力可能な最大NAエンジントルクよりも大きい場合は、実エンジントルクが前記最大NAエンジントルクに到達した後に、前記過給機による過給を開始する(ステップS10〜S13)。【選択図】図3
Description
この発明は、運転者のアクセル操作に対応して駆動力を制御する車両の制御装置に関し、特に、駆動力源として過給機を有するエンジンを搭載した車両の駆動力を制御する制御装置に関するものである。
特許文献1には、ドライバビリティの低下を抑制しつつ燃費の向上を図ることを目的とした過給機の制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された制御装置は、過給が不要な運転領域(非過給領域)では、エアバイパスバルブおよびウェストゲートバルブを強制的に開弁させて燃費の向上を図る。また、非過給領域から過給が必要な運転領域(過給領域)に移行して過給圧を上昇させる場合には、エアバイパスバルブおよびウェストゲートバルブを非同期に閉弁させることにより、エンジントルクの急激な上昇を抑制する。運転領域が過給領域であるか非過給領域であるかは、アクセル開度およびエンジン回転数に基づいて決められる。
また、特許文献2には、機械式過給機を有するエンジンの制御装置が記載されている。この特許文献2に記載された制御装置は、走行要求度合が低い場合は、過給機非作動状態におけるアクセル開度に対する所定の出力特性を設定してエンジン出力を制御するとともに、その出力特性で得られる最高出力以上の走りが要求されるときにのみ過給機を作動させる。一方、走行要求度合が高い場合には、過給機作動状態におけるアクセル開度に対する所定の出力特性を設定してエンジン出力を制御する。
また、特許文献3には、過給機を有するエンジンを駆動力源とする車両の動力制御装置が記載されている。この特許文献3に記載された制御装置は、車両の加速時に、エンジンの動作点が、過給を行うことができない運転領域(非過給領域)内に位置し、かつ、加速時の目標動作点が過給を行うことができる運転領域(過給領域)内に位置する場合は、動作点が過給領域内に移行するまでエンジン回転数を上昇させる。動作点が過給領域内に入った後は、エンジン回転数を低下させて動作点を目標動作点に移行させる。また、この特許文献3には、非過給領域から過給領域に移行する際に、アクセル開度の変化量が小さい場合は、運転者は急激な加速を要求していないと推測できるため、モータによって過給機の動作を制御し、エンジン回転数を必要以上に上昇させることなく、エンジントルクを増大させることが記載されている。
そして、特許文献4には、過給機を有するエンジンおよび無段変速機を備えた車両の制御装置が記載されている。この特許文献4に記載された制御装置は、アクセル開度に基づく要求パワーを達成して走行するように、エンジンおよび無段変速機を制御する。エンジンの運転領域が非過給領域から過給領域へ移行する際には、エネルギ効率を良好にするエンジン回転数と非過給領域で最大となるエンジントルクとで一時的にエンジンを運転する。その後、過給領域に移行して走行するように、エンジンおよび無段変速機を制御する。
上記の各特許文献に記載されているような過給機を有するエンジンを制御する場合、アクセル開度(具体的には、アクセルポジションセンサによって検出されるアクセルペダルの操作量)に基づいて、エンジンおよび過給機が制御される。例えば、運転者によってアクセルペダルが踏み込まれると、その踏み込み操作の操作量と車速とに応じて設定される目標駆動力(要求駆動力)を達成するように、エンジンの出力および過給機によって発生する過給圧が制御され、エンジントルクが増大させられる。
一方で、従来、過給機を作動させてエンジントルクを制御する場合、過給機の不可避的な応答遅れにより、運転者によるアクセル操作の後に、エンジントルクが安定しない場合がある。特に、アクセルペダルがわずかに踏み込まれた状態では、踏み込み操作後のアクセルペダルの操作量(もしくはアクセルポジション)が一定に保たれているにもかかわらず、エンジントルクが変動し、それに起因して車両の加速度が変化してしまう場合がある。そのようなエンジントルクや加速度の変動が生じると、運転者に違和感を与えてしまったり、あるいは、運転者に追加のアクセル操作の手間を煩わせてしまったりする場合がある。その結果、車両のドライバビリティを低下させてしまうおそれがある。
この発明は上記の技術的課題に着目して考え出されたものであり、過給機付きのエンジンを駆動力源とする車両の駆動力を制御するにあたり、特に、アクセルペダルがわずかに踏み込まれるような微増操作が行われた場合の駆動力の制御性を向上させ、車両のドライバビリティを向上させることができる車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、過給機を有するエンジンと、運転者によるアクセル装置の操作量を検出するアクセルポジションセンサと、車速を検出する速度センサと、前記エンジンおよび前記過給機の動作を制御するコントローラとを備え、前記アクセルポジションセンサで検出した前記操作量および前記速度センサで検出した前記車速に基づいて駆動力を制御する車両の制御装置において、前記コントローラは、少なくとも前記アクセルポジションセンサで検出した前記操作量および前記速度センサで検出した前記車速に基づいて目標エンジントルクを算出し、前記アクセル装置が所定の微小操作量で前記操作量が増大する方向に操作される微増操作の有無を判断し、前記過給機が作動していない状態で前記微増操作が行われ、かつ、前記目標エンジントルクが、前記過給機による過給なしで前記エンジンが出力可能な最大NAエンジントルクよりも大きい場合は、前記微増操作によって増大する実エンジントルクが前記最大NAエンジントルクに到達した後に、前記過給機を作動させて前記過給を開始することを特徴とするものである。
この発明によれば、運転者によってアクセル装置が微増操作された場合は、仮にエンジンの目標動作点が過給領域に入っていたとしても、過給機を直ぐには作動させずに、自然吸気の状態でエンジンを稼動させる。すなわち、アクセル装置が微増操作された直後は、過給機を作動させた過給状態と比較して、応答性がよい自然吸気状態でエンジントルクを出力する。そのため、運転者のアクセル操作に対応して車両の駆動力を応答性よく増大させ、車両の加速応答性を向上させることができる。その結果、車両のドライバビリティを向上させることができる。
この発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、この発明を具体化した場合の一例に過ぎず、この発明を限定するものではない。
図1に、この発明の実施形態で制御対象とする車両Veの駆動系統および制御系統の一例を示してある。図1に示す車両Veは、代表的に、エンジン(ENG)1、変速機(TM)2、前輪3、後輪4、アクセルペダル5、および、コントローラ(ECU)6を備えている。
エンジン1は、車両Veの駆動力源であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関である。エンジン1は、出力の調整、ならびに、始動および停止の動作などが電気的に制御されるように構成されている。ガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。
さらに、この発明の実施形態におけるエンジン1は、過給機7を有している。過給機7は、エンジン1の吸入空気圧を高めるための圧縮機である。過給機7は、従来一般的な構成のものを用いることができ、この発明の実施形態では、エンジン1の排気エネルギを利用してタービン(図示せず)を駆動する排気駆動式のいわゆるターボチャージャーによって構成されている。この排気駆動式の過給機7には、例えば、電動のウェストゲートバルブ(図示せず)が設けられており、ウェストゲートバルブの開閉動作を制御することにより、過給機7で発生させる過給圧や、過給の開始および停止のタイミングなどを制御することができる。
なお、過給機7は、エンジン1の出力トルクを利用してタービンを駆動する機械駆動式のいわゆるスーパーチャージャーによって構成することもできる。その場合、機械駆動式の過給機7では、例えば、エンジン1の出力軸と過給機7の回転軸との間に設けられる電磁クラッチ(図示せず)の係合動作を制御することにより、過給機7で発生させる過給圧や、過給の開始および停止のタイミングなどを制御することができる。
図1に示す例では、車両Veは、エンジン1が出力するエンジントルクを、変速機2を介して、前輪(駆動輪)3へ伝達するように構成されている。変速機2は、エンジントルクを変換して駆動輪側へ伝達する。この発明の実施形態における変速機2は、例えば自動変速機であり、あるいは、手動変速機であってもよい。図1には、変速機2として、自動変速機を搭載した車両Veの一例を示してある。なお、図1には、前輪3が駆動輪となる前輪駆動車の構成を示しているが、この発明の実施形態における車両Veは、後輪4が駆動輪となる後輪駆動車であってもよい。あるいは、前輪3および後輪4の両方を駆動輪とする四輪駆動車であってもよい。
この発明の実施形態で制御対象とする車両Veは、従来一般的な構成の車両であって、駆動力を増大して車両Veの加速操作を行うためのアクセルペダル5が設けられている。アクセルペダル5を踏み込むことにより、そのアクセルペダル5の踏み込み量(操作量)に対応してスロットル開度(エンジン1のスロットルバルブの開度)が増大する。その結果、エンジントルクが増大し、車両Veの駆動力が増大する。すなわち、アクセルペダル5は、運転者の操作によって車両Veの駆動力を制御するアクセル装置である。このアクセルペダル5には、運転者によるアクセルペダル5の操作量および操作速度を検出するアクセルポジションセンサ8が設けられている。
上記のような車両Veを制御するためのコントローラ6が設けられている。コントローラ6は、例えばマイクロコンピュータを主体にして構成される電子制御装置である。コントローラ6には、代表的に、上記のアクセルポジションセンサ8、車両Veの車速を検出するための速度センサ9、および、車両Veの前後加速度を検出するための加速度センサ10などの検出信号が入力される。そして、コントローラ6は、入力された各種データおよび予め記憶させられているデータや計算式等を使用して演算を行うとともに、その演算結果を制御指令信号として出力し、車両Veを制御するように構成されている。例えば、アクセルポジションセンサ8で検出したアクセルペダル5の操作量、および、速度センサ9で検出した車速に基づいて、エンジン1の目標エンジントルクを算出する。そして、その目標エンジントルクに基づいて、エンジン1の出力、および、過給機7で発生させる過給圧を制御する。
前述したように、上記のような過給機7を有するエンジン1を駆動力源とする車両Veにおいて、過給機7を作動させてエンジントルクを制御する場合、従来の制御では、過給機7の不可避的な応答遅れにより、エンジントルクが不安定になってしまう場合がある。例えば、図2のタイムチャートに示すように、時刻t1でアクセルペダル5がわずかに踏み込まれ、アクセル操作量が微増した状態では、先ず、過給効果がない自然吸気の状態でエンジントルクが増大する。その後、過給圧の目標値(一点鎖線)に対して過給圧の実際値(実線)が応答遅れを伴って徐々に増大する。過給圧が増大することにより過給状態でエンジントルクが増大する。ただし、過給状態では、自然吸気状態と比較して応答性が低いため、エンジントルクは、自然吸気状態と比較して増大速度が遅くなる方向に上昇勾配が変化する。エンジントルクの上昇勾配が変化することに伴い、車両Veの前後加速度の上昇勾配も変化する。そして、車両Veの前後加速度が変動することにより、例えば運転者がアクセルペダル5を踏み戻したり、踏み直したりして、アクセル操作量が安定しなくなってしまう。その間に、運転者は、違和感を覚えたり、アクセル操作の繰り返しを煩わしく感じたりする場合がある。
このように、従来の制御では、過給圧の応答遅れが要因となり、特に、アクセルペダル5がわずかに踏み込まれるような微増操作が行われた場合に、車両Veのドライバビリティが低下してしまうおそれがある。そこで、この発明の実施形態におけるコントローラ6は、上記のようなアクセルペダル5の微増操作が行われた場合に、過給機7の作動開始のタイミングを遅らせてエンジントルクを増大させる制御(過給遅延制御)を実行するように構成されている。そのような過給遅延制御の一例を、図3のフローチャートに示してある。
この図3のフローチャートに示す制御は、過給機7が作動していない状態であることを前提に実行される。図3のフローチャートにおいて、先ず、通常の目標エンジントルクTenmlが算出される(ステップS1)。この場合の「通常」は、この発明の実施形態における過給遅延制御が実行されていない状態を示す。このステップS1では、具体的には、アクセルポジションセンサ8で検出したアクセルペダル5のアクセル操作量PAP、速度センサ9で検出した車速V、および、変速機2で設定されている変速比(ギヤ比)に基づいて、目標エンジントルクTenmlが算出される。
続いて、ステップS2では、アクセルペダル5の微増操作の有無を示すフラグFlagが更新される。この発明の実施形態では、アクセルペダル5が所定の微小操作量で操作量が増大する方向に操作されることを、アクセルペダル5の微増操作と定義している。
上記のフラグFlagは、「アクセル操作量PAPが定常状態(PAP=0で一定の場合も含む)」、かつ、「車速Vが定常状態、または、減速状態」、かつ、「“車速Vが定常状態、または、減速状態”からアクセルペダル5が+20%以内で踏み込まれた場合」、かつ、「アクセルペダル5が踏み込まれる前のエンジントルクが、過給機7による過給なしでエンジンが出力可能なエンジントルクの最大値(最大NAエンジントルクTenamax)よりも所定値α以上小さい」場合に、「Flag=1」にセットされる。具体的には、フラグFlagは、セット条件として、下記の(a)項および(b)項に示す条件が全て成立した場合に、「Flag=1」にセットされる。
(a)(ΔPAP-1=0)and(Gx-1≦0)and(ΔPAP>0)and(PAP-1<PAP<PAP-1+20%)
(b) Tenml-1<Tenamax−α
なお、ΔPAPは、アクセル操作量の変化率、Gxは、車両Veの前後加速度である。また、ΔPAP-1、Gx-1、PAP-1、Tenml-1は、それぞれ、前回の演算周期(ルーチン)で算出された、アクセル操作量の変化率ΔPAP、前後加速度Gx、アクセル操作量PAP、目標エンジントルクTenmlを示している。
(a)(ΔPAP-1=0)and(Gx-1≦0)and(ΔPAP>0)and(PAP-1<PAP<PAP-1+20%)
(b) Tenml-1<Tenamax−α
なお、ΔPAPは、アクセル操作量の変化率、Gxは、車両Veの前後加速度である。また、ΔPAP-1、Gx-1、PAP-1、Tenml-1は、それぞれ、前回の演算周期(ルーチン)で算出された、アクセル操作量の変化率ΔPAP、前後加速度Gx、アクセル操作量PAP、目標エンジントルクTenmlを示している。
一方、フラグFlagは、アクセルペダル5の踏み込み操作が戻された場合に、「Flag=0」にリセットされる。具体的には、フラグFlagは、リセット条件として、
ΔPAP<0
が成立した場合に、「Flag=0」にリセットされる。
ΔPAP<0
が成立した場合に、「Flag=0」にリセットされる。
続いて、ステップS3では、フラグFlagが「Flag=1」にセットされているか否か、すなわち、アクセルペダル5の微増操作が行われたか否かが判断される。フラグFlagが「Flag=0」にリセットされていること、すなわち、未だアクセルペダル5の微増操作が行われていないこと、または、アクセルペダル5の微増操作が行われた後に、アクセルペダル5の踏み込み操作が戻されてフラグFlagが「Flag=0」にリセットされたことにより、このステップS3で否定的に判断された場合は、ステップS4へ進む。
ステップS4では、経過時間Pvが、「Pv=0」にリセットされる。経過時間Pvは、例えば、アクセルペダル5の微増操作が行われた時点から作動が開始されるカウンタのカウント値である。したがって、未だアクセルペダル5の微増操作が行われていない場合は、「Pv=0」にリセットされている状態が維持される。このステップS4で、経過時間Pvが「Pv=0」にリセットされる、または、「Pv=0」の状態が維持されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
一方、フラグFlagが「Flag=1」にセットされていること、すなわち、アクセルペダル5の微増操作が行われたことにより、ステップS3で肯定的に判断された場合には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、経過時間Pvがカウントアップされる。具体的には、「Pv=Pv-1+1」が最新の経過時間Pvとしてセットされる。なお、Pv-1は、前回の演算周期(ルーチン)でセットされた経過時間Pvを示している。
続いて、ステップS6では、ステップS1で算出された目標エンジントルクTenmlが、最大NAエンジントルクTenamaxよりも大きいか否かが判断される。言い換えると、目標エンジントルクTenmlが、過給機7による過給を必要とする過給領域であるか、過給を必要としない非過給領域であるかが判断される。目標エンジントルクTenmlが最大NAエンジントルクTenamax以下であること、すなわち、過給機7による過給なしでエンジン1が目標エンジントルクTenmlを出力することが可能であることにより、このステップS6で否定的に判断された場合は、ステップS7へ進む。
ステップS7では、エンジントルク指示値Tetagとして目標エンジントルクTenmlが設定される。すなわち、エンジントルク指示値Tetagが、「Tetag=Tenml」に設定される。したがって、この場合は、過給機7による過給を行うことなく、エンジン1で目標エンジントルクTenmlが出力される。このステップS7で、エンジントルク指示値Tetagが「Tetag=Tenml」に設定されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
一方、目標エンジントルクTenmlが最大NAエンジントルクTenamaxよりも大きいこと、すなわち、エンジン1が目標エンジントルクTenmlを出力するためには過給機7による過給が必要であることにより、ステップS6で肯定的に判断された場合は、ステップS8へ進み、ステップS8からステップS13に示す過給遅延制御が実行される。
この発明の実施形態における過給遅延制御では、先ず、ステップS8で、エンジントルク指示値Tetagとして最大NAエンジントルクTenamaxが設定される。すなわち、エンジントルク指示値Tetagが、「Tetag=Tenamax」に設定される。
ステップS9では、経過時間Pvが、過給許可時間Ptbを超えたか否かが判断される。過給許可時間Ptbは、この過給遅延制御において過給機7による過給の開始時期を遅延させる時間であって、アクセルペダル5の微増操作によって増大し始める実際のエンジントルクが、最大NAエンジントルクTenamaxに到達するために十分な時間に設定されている。過給許可時間Ptbは、例えば、走行実験やシミュレーション等の結果を基に予め設定されている。
経過時間Pvが未だ過給許可時間Ptbを超えていないことにより、このステップS9で否定的に判断された場合は、以降の制御を実行することなく、このルーチンを一旦終了する。それに対して、経過時間Pvが過給許可時間Ptbを超えたことにより、ステップS9で肯定的に判断された場合には、ステップS10へ進む。ステップS10以降の制御では、アクセルペダル5の微増操作から過給許可時間Ptbが経過したことにより、過給機7を作動して、過給機7による過給が行われる。
ステップS10では、推定加速度Gxestが算出される。推定加速度Gxestは、エンジン1が目標エンジントルクTenmlを出力して車両Veが走行する場合の前後加速度Gxの推定値である。具体的には、推定加速度Gxestは、
Gxest=(Tenml×ギヤ比×トルク比/タイヤ径−走行抵抗)/車重
の演算式によって算出される。なお、トルク比は、エンジン1と変速機(自動変速機)2との間に設けられるトルクコンバータ(図示せず)における入力トルクと出力トルクとの比である。
Gxest=(Tenml×ギヤ比×トルク比/タイヤ径−走行抵抗)/車重
の演算式によって算出される。なお、トルク比は、エンジン1と変速機(自動変速機)2との間に設けられるトルクコンバータ(図示せず)における入力トルクと出力トルクとの比である。
ステップS11では、加速度増加量ΔGxが算出される。一般に、アクセル操作が一定に保たれている状態では、車両Veの前後加速度Gxは、時間の経過に伴って緩やかに低下していく。そのような前後加速度Gxの緩やかな低下の傾向を維持するように、加速度増加量ΔGxが求められる。具体的には、加速度増加量ΔGxは、
ΔGx=(Gx-1−Gxest)×Gain
の演算式によって算出される。ここで、Gainは、加速度増加量ゲインであり、0よりも大きく、かつ、1よりも小さい値に設定される。この加速度増加量ゲインGainが大きいほど、通常の目標エンジントルクTenmlまで早期に復帰させることができる。しかしながら、その場合は、前後加速度Gxの早急な変化を運転者にとって違和感となってしまう可能性がある。そのため、加速度増加量ゲインGainは、運転者に違和感を与えることがない値となるように、例えば、走行実験やシミュレーション等の結果を基に予め設定されている。
ΔGx=(Gx-1−Gxest)×Gain
の演算式によって算出される。ここで、Gainは、加速度増加量ゲインであり、0よりも大きく、かつ、1よりも小さい値に設定される。この加速度増加量ゲインGainが大きいほど、通常の目標エンジントルクTenmlまで早期に復帰させることができる。しかしながら、その場合は、前後加速度Gxの早急な変化を運転者にとって違和感となってしまう可能性がある。そのため、加速度増加量ゲインGainは、運転者に違和感を与えることがない値となるように、例えば、走行実験やシミュレーション等の結果を基に予め設定されている。
ステップS12では、トルク増加量ΔTeが算出される。トルク増加量ΔTeは、上記のステップS11で算出した加速度増加量ΔGxを、エンジントルクに換算したものである。具体的には、トルク増加量ΔTeは、
ΔTe=ΔGx×車重/ギヤ比/トルク比×タイヤ径
の演算式によって算出される。
ΔTe=ΔGx×車重/ギヤ比/トルク比×タイヤ径
の演算式によって算出される。
そして、ステップS13では、エンジントルク指示値Tetagに、トルク増加量ΔTeが加算される。ただし、その場合、トルク増加量ΔTeを加算したエンジントルク指示値Tetagが、通常の目標エンジントルクTenmlよりも大きくならないように、上限処理される。具体的には、このステップS13で設定されるエンジントルク指示値Tetagは、
Tetag=MIN(Tetag+ΔTe,Tenml)
の演算式で示すように、「Tetag+ΔTe」と、「Tenml」とのミニマムセレクトによって設定される。すなわち、「Tetag+ΔTe」と「Tenml」との大小が比較され、それらの小さい方が、エンジントルク指示値Tetagとして設定される。このステップS13で、エンジントルク指示値Tetagが設定されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
Tetag=MIN(Tetag+ΔTe,Tenml)
の演算式で示すように、「Tetag+ΔTe」と、「Tenml」とのミニマムセレクトによって設定される。すなわち、「Tetag+ΔTe」と「Tenml」との大小が比較され、それらの小さい方が、エンジントルク指示値Tetagとして設定される。このステップS13で、エンジントルク指示値Tetagが設定されると、その後、このルーチンを一旦終了する。
上記のように、図3のフローチャートで示した過給遅延制御を実行した場合の実エンジントルクTe、過給機7により発生する過給圧、および、車両Veの前後加速度Gx等の変化を、図4のタイムチャートに示してある。時刻t11で、アクセルペダル5の微増操作が行われると、従来の制御であれば、アクセルペダル5の微増操作に対応して設定される通常の目標エンジントルクTenml(一点鎖線)が過給領域であることから、過給機7が作動し、過給圧(二点鎖線)が増大する。その場合、前述したように、過給圧は不可避的な応答遅れを伴って変化する。
それに対して、この発明の実施形態における過給遅延制御では、上記のようにアクセルペダル5の微増操作に対応する目標エンジントルクTenmlが過給領域であっても、エンジントルク指示値Tetagが、最大NAエンジントルクTenamaxに設定される。そのため、アクセルペダル5の微増操作に対しては、当初は過給機7を作動させず、過給のない自然吸気の状態で実エンジントルクTeが増大する。その結果、実エンジントルクTeは、過給機7が作動する場合と比較して、最大NAエンジントルクTenamaxに到達するまで応答性よく増大する。それに伴い、車両Veの前後加速度Gxも、アクセルペダル5の微増操作に対して応答性よく上昇する。
そして、この発明の実施形態における過給遅延制御では、アクセルペダル5の微増操作が行われた時点(時刻t11)から、過給許可時間Ptbが経過した時刻t12で、過給機7による過給を開始する。すなわち、上記のようにアクセルペダル5の微増操作が行われ、その際の目標エンジントルクTenmlが最大NAエンジントルクTenamaxよりも大きい場合は、アクセルペダル5の微増操作によって増大する実エンジントルクTeが最大NAエンジントルクTenamaxに到達した後に、過給機7を作動させて過給を開始する。
前述したように、車両Veの前後加速度Gxは、通常、アクセル操作量PAPが一定の下では、時間の経過に伴って緩やかに低下する。そのため、この発明の実施形態における過給遅延制御では、上記のようにアクセルペダル5の微増操作に対応して上昇した後の前後加速度Gxの下降傾向を乱さないように、過給を開始した後の実エンジントルクTeを徐々に増大させる。すなわち、前述の図3のフローチャートにおけるステップS10からステップS13の制御を実行することにより、この図4のタイムチャートで時刻t12から時刻t13の期間に示すように、過給機7の過給圧および実エンジントルクTeが徐々に増大する。それにより、前後加速度Gxは、アクセル操作量PAPが一定の下で、大きく変動することなく、安定して、緩やかに低下する。
時刻t13で、実エンジントルクTeが通常の目標エンジントルクTenmlに到達すると、実エンジントルクTeの増大を停止するとともに、この発明の実施形態における過給遅延制御を終了する。そして、通常の目標エンジントルクTenmlに基づいた通常制御に復帰する。
1…エンジン(ENG)、 2…変速機(TM)、 3…前輪(駆動輪)、 4…後輪、 5…アクセルペダル(アクセル装置)、 6…コントローラ(ECU)、 7…過給機、 8…アクセルポジションセンサ、 9…速度センサ、 10…加速度センサ、 Ve…車両。
Claims (1)
- 過給機を有するエンジンと、運転者によるアクセル装置の操作量を検出するアクセルポジションセンサと、車速を検出する速度センサと、前記エンジンおよび前記過給機の動作を制御するコントローラとを備え、前記アクセルポジションセンサで検出した前記操作量および前記速度センサで検出した前記車速に基づいて駆動力を制御する車両の制御装置において、
前記コントローラは、
少なくとも前記アクセルポジションセンサで検出した前記操作量および前記速度センサで検出した前記車速に基づいて目標エンジントルクを算出し、
前記アクセル装置が所定の微小操作量で前記操作量が増大する方向に操作される微増操作の有無を判断し、
前記過給機が作動していない状態で前記微増操作が行われ、かつ、前記目標エンジントルクが、前記過給機による過給なしで前記エンジンが出力可能な最大NAエンジントルクよりも大きい場合は、前記微増操作によって増大する実エンジントルクが前記最大NAエンジントルクに到達した後に、前記過給機を作動させて前記過給を開始する
ことを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017019487A JP2018127899A (ja) | 2017-02-06 | 2017-02-06 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017019487A JP2018127899A (ja) | 2017-02-06 | 2017-02-06 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018127899A true JP2018127899A (ja) | 2018-08-16 |
Family
ID=63172344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017019487A Pending JP2018127899A (ja) | 2017-02-06 | 2017-02-06 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018127899A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021175891A (ja) * | 2020-05-01 | 2021-11-04 | 株式会社Subaru | 車両制御装置 |
-
2017
- 2017-02-06 JP JP2017019487A patent/JP2018127899A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021175891A (ja) * | 2020-05-01 | 2021-11-04 | 株式会社Subaru | 車両制御装置 |
JP7393293B2 (ja) | 2020-05-01 | 2023-12-06 | 株式会社Subaru | 車両制御装置 |
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