JP2018127342A - バッファクリアランス調整装置およびバッファクリアランス調整方法 - Google Patents

バッファクリアランス調整装置およびバッファクリアランス調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】緩衝装置のタイプに拘わらずバッファクリアランスの調整が可能なバッファクリアランス調整装置を提供する。
【解決手段】実施形態のバッファクリアランス調整装置は、緩衝ユニットと、調整ブロックと、取付部材と、を含む。緩衝ユニットは、エレベータの昇降路を降下した昇降体が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置を昇降体の昇降方向に移動可能に支持する。調整ブロックは、緩衝ユニットを昇降路のピット底面に対して支持するとともに、ピット底面と緩衝ユニットとの間の距離を調整可能であり、少なくとも一つが備えられる。取付部材は、調整ブロックを着脱可能なように緩衝ユニットを昇降方向に移動させる昇降ユニットを取り付け可能である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、バッファクリアランス調整装置およびバッファクリアランス調整方法に関する。
エレベータの駆動方式の一つとして、乗りかごとカウンターウェイトとが、ロープで連結された、いわゆるつるべ式のエレベータがある。この種のエレベータでは、最下階のさらに下部のピット内に緩衝装置が設けられ、カウンターウェイトや乗りかごが降下して接触した際に衝撃を緩和できるようになっている。通常、カウンターウェイトや乗りかごに対して、緩衝装置を非接触となるように所定距離の隙間(バッファクリアランス)が設定されているが、ロープには、設置からの時間経過や運行状況等に応じた「伸び」が生じる。つまり、バッファクリアランスが設定値より小さくなる。ロープに損傷等の機能上の問題がない場合、ロープの「伸び」は当該ロープを切って短くする、いわゆる「切り詰め」で対応することができる。しかし、ロープの切り詰めは大掛かりな作業であり、切り詰め以外の方法でバッファクリアランスを設定値に戻す方法の提案がされている。
特開2009−263102号公報
従来技術の方法は、緩衝装置がコイルばねで構成される場合に適用可能な方法であるが、緩衝装置としては、油圧ダンパ等種々のタイプが存在するので、緩衝装置のタイプに拘わらずバッファクリアランスの調整が実行できれば、汎用性の向上が図れて、さらに有意義である。
実施形態のバッファクリアランス調整装置は、緩衝ユニットと、調整ブロックと、取付部材と、を含む。緩衝ユニットは、エレベータの昇降路を降下した昇降体が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置を昇降体の昇降方向に移動可能に支持する。調整ブロックは、緩衝ユニットを昇降路のピット底面に対して支持するとともに、ピット底面と緩衝ユニットとの間の距離を調整可能であり、少なくとも一つが備えられる。取付部材は、調整ブロックを着脱可能なように緩衝ユニットを昇降方向に移動させる昇降ユニットを取り付け可能である。
図1は、実施形態のバッファクリアランス調整装置を適用可能なエレベータの構成を示す模式図である。 図2は、実施形態1のバッファクリアランス調整装置の一例を示す模式的な側面図である。 図3は、実施形態1のバッファクリアランス調整装置の具体的な構造例を示す上面図である。 図4は、実施形態1のバッファクリアランス調整装置の調整ブロック周辺の具体的な構造例を示す斜視図である。 図5は、実施形態1のバッファクリアランス調整装置を用いたバッファクリアランスの調整手順の一例を説明するフローチャートである。 図6は、実施形態2のバッファクリアランス調整装置の一例を示す模式的な側面図である。 図7は、実施形態3のバッファクリアランス調整装置の一例を示す模式的な側面図である。 図8は、実施形態4のバッファクリアランス調整装置の一例を示す模式的な側面図である。 図9は、実施形態5のバッファクリアランス調整装置の一例を示す模式的な側面図である。
以下に、実施形態に係るバッファクリアランス調整装置およびバッファクリアランス調整方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれ、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態のバッファクリアランス調整装置を適用可能なエレベータシステム(エレベータ10)の構成を示す模式図である。エレベータ10は、建物(ビル、マンション、展望台等の高層建造物)等に設置される昇降路12を乗りかご14が昇降し、各階床16に設けられた乗り場18の間を移動する。このエレベータ10は、乗りかご14と、カウンターウェイト20とをロープ22で連結した、いわゆるつるべ式のエレベータとして構成されている。
昇降路12は、エレベータ10を備える建物の鉛直方向に沿って設けられており、鉛直方向が昇降方向になるように建物内の複数の階床16に渡って設けられている。また、昇降路12の昇降方向上側には、乗りかご14を昇降移動させる巻上機24(モータ26、メインシーブ28等を含む)やそらせシーブ30等を設置する機械室32が設けられている。また、昇降路12には、乗りかご14が昇降する際のガイドとなる昇降方向に伸びるガイドレール34が設置されている。
昇降路12の各階床16の乗り場18に対応する位置には、例えば長方形の乗り場開口部12aが設けられ、乗りかご14が各階床16の乗り場18に移動して停止する場合、乗りかご14のかご扉36が乗り場開口部12aの位置と一致する。各乗り場18には、乗り場開口部12aを塞ぐように、開閉自在な乗り場扉38が設けられている。乗り場扉38は、通常は閉鎖状態になっており、ロック機構(図示省略)により、開状態への動作が規制されている。これにより、乗り場扉38は、通常時は乗り場18側と昇降路12側との間を遮っている。乗り場扉38は、乗りかご14が目的階に到着して、かご扉36が閉状態から開状態に動作するのに連動して、ロック機構によるロックを解除すると共に、閉状態から開状態となる。
また、各乗り場18には、制御盤40と無線や有線のネットワークを介して接続された乗り場操作盤42が設けられている。この乗り場操作盤42は、利用者が乗りかご14を、当該利用者がいる乗り場18に呼ぶ際に操作する入力装置である。同様に、乗りかご14には、かご内操作盤44が設けられている。かご内操作盤44は、乗りかご14に乗り込んだ利用者が、行先階を指定したり、かご扉36を開閉したりする際に用いる入力装置である。
乗りかご14は、利用者や荷物を乗せることが可能な例えば箱形状であり、乗りかご14の内部と乗り場18との間で、利用者や荷物の出入りを可能にするかご開口部14aが形成されている。そして、かご開口部14aを塞ぐように開閉自在なかご扉36が設けられている。
カウンターウェイト20は、ロープ22を介して乗りかご14に連結された釣り合いおもりであり、昇降路12内で乗りかご14と連動して昇降する。カウンターウェイト20は、ウェイト用ガイドレール46に沿って昇降する。このカウンターウェイト20は、乗りかご14が所定積載量(例えば、最大積載量に対して1/2程度)の場合に、機械室32に配設される巻上機24を挟んで、乗りかご14と釣り合うように重量が設定されている。ロープ22は、昇降路12の上部に設けられた巻上機24のメインシーブ28やそらせシーブ30等に掛けられて、一端に乗りかご14が接続され、他端にカウンターウェイト20が接続されることにより、双方を連結している。
巻上機24は、例えばモータ26と、モータ26に連結されたメインシーブ28を有し、モータ26で発生する動力でロープ22を巻き上げる。巻上機24は、機械室32内に配置された制御盤40により駆動制御が可能になっている。
制御盤40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、予め用意された参照データ、エレベータ10の仕様等の情報を記憶するバックアップRAM及び入出力ポート装置を有するマイクロコンピュータ及び駆動回路等を備える。制御盤40は、種々のセンサ、検出器やエレベータ10の各部と電気的に接続され、各部の動作を統括的に制御する。なお、エレベータ10の仕様によっては、機械室32がない場合もある。この場合、制御盤40は、昇降路12の壁面や三方枠等に設置されることがある。
最下階の階床16のさらに下部に設けられたピット48には、カウンターウェイト20用の緩衝装置50および乗りかご14用の緩衝装置52が設置されている。緩衝装置50は、ウェイト用ガイドレール46にガイドされながら降下したカウンターウェイト20が何らかの原因により十分な減速ができずに接触した場合に、衝撃を緩和するとともに、カウンターウェイト20を受け止める。同様に、緩衝装置52は、ガイドレール34にガイドされながら降下した乗りかご14が何らかの原因により十分な減速ができずに接触した場合に、衝撃を緩和するとともに、乗りかご14を受け止める。なお、緩衝装置50,52は、それぞれ複数設置されてもよい。
緩衝装置50とカウンターウェイト20および緩衝装置52と乗りかご14は、通常運行時には接触しないように所定の隙間(バッファクリアランス)が設定されているが、ロープ22が経時変化により伸びた場合、所定のバッファクリアランスが維持できなくなる。つまり、バッファクリアランスが減少する。例えば、ロープ22に伸びが生じている場合でも乗りかご14は、基本的には最下階の階床16に対応する位置で停止する。一方、カウンターウェイト20は、乗りかご14が最上階に移動した場合に、最下階に向かい移動するが、ロープ22が伸びていた場合、カウンターウェイト20の減速等が通常通りに実行されていても緩衝装置50と接触し、接触音や衝撃が発生してしまう場合がある。そこで、本実施形態のバッファクリアランス調整装置では、バッファ(緩衝装置)の位置を調整可能とすることで、ロープ22に「伸び」が生じた場合でも容易にバッファクリアランスを所定の値に調整できるようにする。
<実施形態1>
以下、実施形態1のバッファクリアランス調整装置54を図2の模式図およびより具体的な構造を示す図3の上面図、図4の斜視図を用いて説明する。なお、ロープ22に「伸び」が生じた場合のバッファクリアランスの調整は、主としてカウンターウェイト20側で実施されるので、以下の説明では、カウンターウェイト20用の緩衝装置50のバッファクリアランスの調整について説明する。
バッファクリアランス調整装置54は、緩衝ユニット56と、調整ブロック58と、取付部材60と、を含む。
緩衝ユニット56は、エレベータ10の昇降路12を降下したカウンターウェイト20(昇降体)が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置50をカウンターウェイト20の昇降方向に移動可能に支持する。緩衝装置50は、例えば油圧ダンパ(オイルバッファ)であり、例えば円筒状のシリンダ部50aと当該シリンダ部50aの軸方向に対して進退するロッド部50bで構成される。実施形態1の場合、例えば2台の緩衝装置50がカウンターウェイト20の幅方向(図2の紙面左右方向)に平行に配置されている。
緩衝装置50のシリンダ部50aは、図2、図3に示されるように、例えばUボルト62により、一対のウェイト用ガイドレール46を跨ぐように配置されてウェイト用ガイドレール46に沿って昇降方向に移動可能なキャリヤ64に設けられたブラケット62aに固定されている。キャリヤ64は、例えば2本のキャリヤバー64aを平行に配置して構成され、各キャリヤバー64aの両端部にはウェイト用ガイドレール46と接触し、かつ転動するガイドローラ66が設けられている。キャリヤバー64aは、例えば、L形状の山形鋼で構成することができる。また、ウェイト用ガイドレール46が例えばT形鋼で形成されている場合、キャリヤバー64aの各端部に設けられたブラケット66aには、T形鋼を三方向から挟むように、ガイドローラ66が3個ずつ設けられている。キャリヤ64は、調整ブロック58との接続(締結)が解除されたときに、ウェイト用ガイドレール46に沿って昇降方向に移動可能となる。
緩衝ユニット56は、ピット48のピット底面48aに対して固定可能に積層された調整ブロック58によって固定位置(ピット底面48aからの高さ)が決定される。つまり、緩衝装置50のロッド部50bの先端部と降下したカウンターウェイト20の下端部との間の隙間(距離)、すなわち、バッファクリアランスが決定される。なお、図2の場合、ピット底面48aに固定された設置ブロック68の上に複数の調整ブロック58(図2の場合4個)が積層されている例が示されているが、調整ブロック58の積層数は、ロープ22の「伸び」に対する調整量に応じて設定可能であり、1個以上であればよい。
図4は、調整ブロック58および設置ブロック68の形状およびその接続状態の詳細を示す斜視図である。調整ブロック58は、例えば、H形鋼を所定の長さで切断し、切断面に板状のフランジ58aを例えば溶接等で固定して形成されている。フランジ58aの例えば四隅には、貫通孔58bが形成され、当該貫通孔58bに締結部材として、例えばボルト70aを差し込みナット70bで締め込むことにより、上下の調整ブロック58の締結を実現する。設置ブロック68は、図4に示すように、例えば、円筒鋼を所定の長さで切断し、切断面に板状のフランジ68aを例えば溶接等で固定して形成されている。フランジ68aの例えば四隅には、貫通孔68bが形成され、当該貫通孔68bに締結部材として、例えばボルト70aを差し込みナット70bで締め込むことにより、上方の調整ブロック58との締結を実現する。
設置ブロック68は、ピット底面48aに固定可能なベース台72に、例えば複数のボルト70aで固定される。ベース台72は、例えば溝形鋼で形成され、図示を省略したアンカーボルト等によりピット底面48aに固定される。図4は、緩衝ユニット56の位置(高さ)の微調整を行うためのスペーサ74をフランジ68aとベース台72との間に介在させているが、調整ブロック58や設置ブロック68等の長さによって微調整が可能な場合には省略してもよい。また、ベース台72には、ウェイト用ガイドレール46の設置高さを調整するためのレールスペーサ76を支持するブラケット76aが設けられている。図4では、レールスペーサ76をブロック形状としているが、複数の板状部材でもよく、さらに微調整を可能にしてもよい。
緩衝ユニット56は、ボルト70aおよびナット70bが取り外されて非締結状態になった調整ブロック58を着脱する際に昇降方向に移動する。そのため、ベース台72の幅方向の例えば中央位置には、緩衝ユニット56を昇降方向に移動させる昇降ユニットが支持されている。昇降ユニットの一例として、図4の場合、油圧ジャッキ78が示されている。油圧ジャッキ78は、電動タイプでも手動タイプでもよい。油圧ジャッキ78は、シリンダ部78aと当該シリンダ部78aの軸方向に対して進退するロッド部78b(進退部)を備える。シリンダ部78aは、例えばブラケット78cおよび支持バー78dを介して設置ブロック68に固定される。なお、支持バー78dは、例えばUボルト62を用いて設置ブロック68に固定することができる。また、油圧ジャッキ78もスペーサ74を用いて、高さ調整を行うようにしてもよい。
油圧ジャッキ78を挟んで左右に位置する調整ブロック58は、当該調整ブロック58の対向面に油圧ジャッキ78のロッド部78bの先端部78e(荷重受け部)が接続(取付)可能な取付部材60(例えば梁部材)を固定することができる。図4に示す例の場合、取付部材60は例えばH形鋼で構成されている。取付部材60は、その両端部の上面が固定ブラケット80で押さえ込まれるとともに、取付部材60の例えば下面の中央部に接続されたロッド部78bの先端部78eで押し上げられる。その結果、調整ブロック58に対して取付部材60が固定される。そして、取付部材60が固定された調整ブロック58およびその調整ブロック58より上方に存在する緩衝ユニット56は、ロッド部78bの進退動作にしたがって昇降させられる。固定ブラケット80は、調整ブロック58の側面に複数形成された貫通孔58cを用いてボルト70aおよびナット70bにより固定される。調整ブロック58には昇降方向に複数の貫通孔58cが形成されている。したがって、使用する油圧ジャッキ78のサイズやストロークに応じて固定ブラケット80の位置、すなわち取付部材60の固定位置を選択することができる。
上述のように構成されるバッファクリアランス調整装置54を用いたバッファクリアランス調整手順を図5のフローチャートを用いて説明する。
バッファクリアランス調整は、エレベータ10の施工後、定期点検等のために作業者がピット48に入った際に実行される。例えば、最下点に移動したカウンターウェイト20と緩衝装置50のロッド部50bの先端との最小隙間(カウンターランバイ)、すなわち、バッファクリアランスが所定値A以上の場合(S100のNo)、バッファクリアランスの調整は不要と判定して、このフローを一旦終了する。一方、バッファクリアランスが所定値A未満の場合(S100のYes)、ロープ22が経時変化等により伸びたと判定できるので、調整が実行可能となる。なお、この場合、ロープ22の伸びの原因が経時変化によるもので、損傷等によるものではないことが確認できていることを前提とする。「バッファクリアランス<所定値A」であるか否かの判定は、センサ等を用いてバッファクリアランスを測定して所定値Aと比較することにより自動的に行ってもよいし、作業者による測定により行ってもよい。センサを用いる場合、「バッファクリアランス<所定値A」であることが検出された場合、制御盤40や上位の制御システム、ピット48内に配置された調整用制御装置、作用者が携帯可能な携帯端末等にバッファクリアランスの調整を促す通知を出力するようにしてもよい。したがって、定期点検以外のタイミングでも必要に応じてバッファクリアランスの調整が実行されてもよい。
バッファクリアランスの調整作業が必要な場合、調整ブロック58の抜き取りで調整可能か否かの判定が行われる(S102)。例えば、積層された調整ブロック58の昇降方向の長さが所定値A以上の場合、調整ブロック58の抜き取りでバッファクリアランスの調整が可能と判定される。逆に、積層された調整ブロック58の昇降方向の長さが所定値A未満の場合、調整ブロック58の抜き取りでは、バッファクリアランスの調整ができないと判定される。この判定もセンサ等により検出した調整ブロック58の現在の積層数(調整ブロック58全体の長さ)と予め設定されているバッファクリアランスの所定値Aとの比較を調整用制御装置等により自動的に行ってもよいし、作業者が測定して確認することで行ってもよい。
調整ブロック58による調整が可能な場合で(S102のYes)、カウンターウェイト20(C/W)が上昇済みではない場合(S104のNo)、カウンターウェイト20を所定位置まで上昇させる(S106)。すなわち、乗りかご14を最上階より下の階に移動させる。なお、既に、カウンターウェイト20が上昇済みの場合(S104のYes)、S106の処理をスキップする。
続いて、抜き取り対象の調整ブロック58を決定するとともに、決定した調整ブロック58より上に存在する調整ブロック58に取付部材60を設置する(S108)。例えば、決定した調整ブロック58の一つ上の調整ブロック58に取付部材60を取り付ける。なお、抜き取り対象の調整ブロック58を常に最下部に位置する調整ブロック58と定めておけば、取付部材60は下から2番目の調整ブロック58に取り付けられることになる。決定した調整ブロック58が緩衝ユニット56に接続されている場合(調整ブロック58が一つしか存在しない場合)は、取付部材60をキャリヤバー64aに接続する。また、別の例では、抜き取り対象の調整ブロック58を常に最上部に位置する調整ブロック58と定めておけば、取付部材60は常にキャリヤバー64aに接続されることになる。このように抜き取り対象の調整ブロック58を決めておくことにより、取付部材60の装着位置を自動で案内することが可能になる。
さらに、抜き取り対象の調整ブロック58を締結している上下のボルト70aおよびナット70bを外して、他の部材との接続を解除する(S110)。なお、抜き取り対象の調整ブロック58が緩衝ユニット56と接続されている場合は、調整ブロック58と緩衝ユニット56との接続を解除する。
そして、取付部材60の下面に油圧ジャッキ78の先端部78eを固定するとともに、油圧ジャッキ78を動作させてロッド部78bを伸長させることで、抜き取り対象の調整ブロック58より上方に位置する調整ブロック58および緩衝ユニット56を上昇させる(S112)。その後、抜き取り対象の調整ブロック58を抜き取り(S114)、ロッド部78bを縮長させて、上方に移動させていた調整ブロック58および緩衝ユニット56を降下させる(S116)。最後に、抜き取り後に残った調整ブロック58をピット48側に固定する(S118)。例えば、調整ブロック58と設置ブロック68とをボルト70aおよびナット70bで締結して、バッファクリアランスの調整を完了する。調整ブロック58を抜き取った結果、調整ブロック58がなくなった場合、緩衝ユニット56を例えば設置ブロック68に固定することになる。なお、ロープ22の伸び量が大きい場合には、昇降方向に複数積層された調整ブロック58を複数個抜き取るようにして、大幅調整に対応するようにしてもよい。
S102で、調整ブロック58を抜き取ることではバッファクリアランスを所定値Aにできないと判定された場合(S102のNo)、カウンターウェイト20を例えばピット48内で作業可能な高さまで降下させる(S120)。例えば、これまでの調整により調整ブロック58を抜き取り尽くしている場合や、ロープ22の伸び量が調整ブロック58の昇降方向の長さより大きい場合は、調整ブロック58によるバッファクリアランスの調整が不能となる。したがって、バッファクリアランスの調整は、ロープ22の長さを切り詰めることで対応することになる。この場合、作業位置まで降下させたカウンターウェイト20を例えば、ウェイト用ガイドレール46上で固定する(S120)。また、乗りかご14は、例えばチェーンブロック等を用いて吊り上げる(S122)。つまり、ロープ22のテンションを抜く(緩める)。
続いて、カウンターウェイト20をロープ22から取り外し(S124)、ロープ22を当該ロープ22の伸びに応じて切り詰める(S126)。つまり、ロープ22の切り詰めにより、バッファクリアランスを所定値Aに調整する。なお、この場合のロープ22の切り詰め量は、所定値Aのバッファクリアランスを確保できる長さと、調整ブロック58を所定数、例えば5層(例えば最大数)に重ねた場合の昇降方向の長さとを合算した値とすることができる。つまり、将来ロープ22が再び伸びた場合に、調整ブロック58の抜き取りでバッファクリアランスの調整が可能なように、調整ブロック58を挿入することで緩衝ユニット56が上昇する分を考慮したロープ22の切り詰め量を決定する。
そして、切り詰めが完了したロープ22にカウンターウェイト20を取り付け(S128)、乗りかご14の吊り上げを解除して降下させる(S130)。
このような、ロープ22の切り詰めによる対応が必要な場合、調整ブロック58は抜き尽くされ、緩衝ユニット56がピット底面48aに固定されていることになる。したがって、緩衝ユニット56を上昇させるための取付部材60を緩衝ユニット56のキャリヤバー64aに設置(接続)し(S132)、その後、緩衝ユニット56とピット底面48aとの接続(固定)を解除する(S134)。そして、油圧ジャッキ78を動作させて、緩衝ユニット56を上昇させ(S136)、所定数(例えば、昇降方向に5個)の調整ブロック58を挿入する(S138)。
そして、緩衝ユニット56を降下させ(S116)、挿入した調整ブロック58と緩衝ユニット56との固定や調整ブロック58同士の固定を行い、緩衝ユニット56をピット底面48aに対して固定して(S118)、一連の調整を終了する。なお、油圧ジャッキ78のストロークにより緩衝ユニット56の上昇量が定まるので、複数の調整ブロック58を挿入する場合、一度で全ての調整ブロック58を挿入できない場合がある。その場合は、少数の調整ブロック58を複数回に分けて挿入し固定する処理を繰り返すようにしてもよい。
このように、実施形態1のバッファクリアランス調整装置54を用いることにより、ロープ22が伸びた場合のバッファクリアランスの調整を緩衝装置のタイプに拘わらず容易に実行することができる。また、バッファクリアランス調整装置54を用いることで、ロープ22の切り詰め頻度を低減することができるので、バッファクリアランスの調整を伴うエレベータ10の保守点検作業の軽減に寄与できる。
<実施形態2>
図6は、実施形態2のバッファクリアランス調整装置54の一例を模式的に示す側面図である。なお、基本的な構成は、図2に示す実施形態1の構成と同じであり、同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
実施形態2のバッファクリアランス調整装置54も実施形態1のバッファクリアランス調整装置54と同様に、ロープ22(図2参照)の伸びによりバッファクリアランスを調整する必要が生じた場合、調整ブロック58を抜き取りによる調整が可能な場合は、その調整を実行する。すなわち、調整ブロック58のピット底面48aに対する固定を解除(調整ブロック58と設置ブロック68の締結解除等)を行った上で、油圧ジャッキ78のロッド部78bを伸長させることで、調整ブロック58に固定された取付部材60を押し上げる。つまり、取付部材60が固定された調整ブロック58、それより上に位置する調整ブロック58および緩衝ユニット56をウェイト用ガイドレール46に沿って上方に移動させる。その結果、取付部材60が接続された調整ブロック58より下方に位置する調整ブロック58の抜き取りが可能になり、バッファクリアランスの調整が可能になる。
実施形態1の例の場合、油圧ジャッキ78により緩衝ユニット56や上層の調整ブロック58等を押し上げている間に非接続状態にされた調整ブロック58を抜き取る。この際、油圧ジャッキ78により押し上げられている緩衝ユニット56の直下の位置で調整ブロック58の抜き取り等が行われることになる。実施形態2の場合、油圧ジャッキ78により緩衝ユニット56や上層の調整ブロック58が押し上げられている場合の安全性を向上するために、押し上げた緩衝ユニット56等を支持する補助支持部材82を備える。補助支持部材82は、例えば、長さ調整が可能な支え体であり、例えば、筒体82aから軸方向に進退可能なロッド部82bを所望の長さ(取付部材60を支えられる長さ)でロック可能なロック機構を備える。図6の場合、補助支持部材82は、油圧ジャッキ78によって上方に持ち上げられた状態の取付部材60を支えるように、油圧ジャッキ78に隣接して配置される。その結果、何らかの原因で油圧ジャッキ78の油圧が低下した場合でも、持ち上げられた取付部材60の位置、すなわち、押上対象体である調整ブロック58や緩衝ユニット56の押上状態を維持して降下を回避することが可能になる。したがって、調整ブロック58の抜き取り作業等、油圧ジャッキ78による押上時の作業の安全性をより向上することができる。なお、補助支持部材82は、油圧ジャッキ78を設置ブロック68に固定している支持バー78dに固定されてもよいし、底部にフランジ等を設けて自立固定可能な構成としてもよい。
なお、図6では、補助支持部材82が取付部材60を支持する例を示したが、これに限らず、例えば、押し上げられた緩衝ユニット56を直接支持してもよく、同様な効果を得ることができる。また、補助支持部材82は、簡易的なジャッキ装置(例えば機械式ジャッキ)であってもよく、同様な効果を得ることができる。
<実施形態3>
図7は、実施形態3のバッファクリアランス調整装置54の一例を模式的に示す側面図である。なお、基本的な構成は、図2に示す実施形態1の構成と同じであり、同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施形態3のバッファクリアランス調整装置54は、設置ブロック68が省略されて最下層の調整ブロック58がピット底面48aに直接固定されている点と、油圧ジャッキ78のロッド部78bが固定される取付部材84の形状が異なる点が実施形態1と相違する。
実施形態3のバッファクリアランス調整装置54も実施形態1、実施形態2のバッファクリアランス調整装置54と同様に、ロープ22(図2参照)の伸びによりバッファクリアランスを調整する必要が生じた場合、調整ブロック58を抜き取りによる調整が可能な場合は、その調整を実行する。すなわち、調整ブロック58のピット底面48aに対する固定の解除を行った上で、油圧ジャッキ78のロッド部78bを伸長させることで、調整ブロック58に固定された取付部材84を押し上げる。つまり、取付部材84が固定された調整ブロック58、それより上に位置する調整ブロック58および緩衝ユニット56をウェイト用ガイドレール46に沿って上方に移動させる。その結果、取付部材84が接続された調整ブロック58より下方に位置する調整ブロック58の抜き取りが可能になり、バッファクリアランスの調整が可能になる。
前述したように、実施形態3のバッファクリアランス調整装置54の場合、実施形態1等で用いていた設置ブロック68を省略している。つまり、設置ブロック68の代わりに調整ブロック58がベース台72に固定される。その結果、調整ブロック58の着脱によるバッファクリアランスの調整量を増やすことができる。その一方で、実施形態1で示したような真っ直ぐな形状の取付部材60は、油圧ジャッキ78のシリンダ部78aの高さより低い位置の調整ブロック58に固定することができない。つまり、最下層の調整ブロック58を取り外した後に残った調整ブロック58をベース台72に接触する位置まで下ろすことができない。そこで、実施形態3の取付部材84は、水平に伸びる第1アーム84aと、斜め下方に伸びる第2アーム84bとで構成されている。第2アーム84bは、ロッド部78bがシリンダ部78aに収納された場合に、シリンダ部78aの上端部より下方に位置することができる。つまり、第2アーム84bが固定された調整ブロック58をベース台72に接触する位置まで下ろすことが可能になる。なお、設置ブロック68が省略されているため、油圧ジャッキ78は、実施形態1のような支持バー78dを用いたた支持に代えて、固定板78f等を用いて、ベース台72に固定されるようにしてもよい。なお、緩衝ユニット56に接続された調整ブロック58を抜き取る場合には、第2アーム84bをキャリヤ64のキャリヤバー64aや緩衝装置50に接続することで、緩衝ユニット56をベース台72に接触する位置まで下ろすことができる。
このように、実施形態3のバッファクリアランス調整装置54によれば、緩衝ユニット56をベース台72まで降下させることができるので、設置ブロック68を用いる場合に比べてバッファクリアランスの調整範囲を容易に拡大することができる。また、ピット48の深さが浅い場合でも、調整ブロック58の抜き取りによる調整回数を増やすことが可能である。その結果、例えば、ロープ22の切り詰めによる調整頻度を低くすることが可能で、バッファクリアランスの調整を伴うエレベータ10の保守点検作業の軽減に寄与できる。
<実施形態4>
図8は、実施形態4のバッファクリアランス調整装置86の一例を模式的に示す側面図である。なお、実施形態4のバッファクリアランス調整装置86は、昇降ユニットが異なる点を除き、基本的な構成は、図2に示す実施形態1のバッファクリアランス調整装置54の構成と同じであり、同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
バッファクリアランス調整装置86は、昇降ユニットとして、例えば、ボールナット88a、ボールねじ88bおよびモータ90等を含む駆動機構を用いている。ボールナット88aは、緩衝ユニット56のキャリヤ64のキャリヤバー64aに固定され、当該ボールナット88aに、昇降方向に回転可能に立設されたボールねじ88bが螺合している。この場合、キャリヤバー64aとボールナット88aとが例えば板状の取付部材92によって接続される。ボールねじ88bの一端には図示を省略したギヤ機構を介してモータ90が接続され、ボールねじ88bを回転駆動する。その結果、ボールナット88aを昇降方向に移動させる。つまり、緩衝ユニット56を昇降方向に移動可能としている。モータ90は、例えば、ピット48のいずれかの位置、望ましくは、ウェイト用ガイドレール46から離れた位置に配置された操作盤94によって駆動制御可能である。
調整ブロック58の抜き取りを行う場合には、他の実施形態と同様に、抜き取り対象の調整ブロック58を固定しているボルト70a、ナット70b(図4参照)を抜き取り、非締結状態にしておく。この状態でモータ90を駆動することにより、緩衝ユニット56および抜き取り対象の調整ブロック58よる上に位置する調整ブロック58を上方向に移動させて、抜き取り対象の調整ブロック58の抜き取り作業を行うことができる。この場合、緩衝ユニット56等の押上動作時に、作業者が押上対象体の周辺(例えば押上直下の位置)に近づくことなく、操作盤94の操作が可能となり、作業時の安全性の向上がさらに図れる。また、ボールナット88aとボールねじ88bとの噛合による押上動作になるので、押上対象体の押上状態(停止状態)の維持が容易かつ確実に行われる。また、押上対象体の昇降動作も安定して行うことができる。これらの点においても安全性の向上に寄与できる。なお、図8の場合、設置ブロック68を用いた例を示しているが、設置ブロック68に代えて調整ブロック58を用いてもよい。この場合、実施形態3と同様に、調整ブロック58の抜き取りによるバッファクリアランスの調整範囲の拡大が可能になり、ロープ22の切り詰め頻度の低減に寄与できる。
<実施形態5>
図9は、実施形態5のバッファクリアランス調整装置96の一例を模式的に示す側面図である。なお、実施形態5のバッファクリアランス調整装置96は、昇降ユニットが異なる点を除き、基本的な構成は、図2に示す実施形態1のバッファクリアランス調整装置54の構成と同じであり、同じ構成には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
バッファクリアランス調整装置96は、昇降ユニットとして、例えば、チェーンブロック98を用いている。チェーンブロック98は、昇降路12に設けられたウェイト用ガイドレール46を固定するためのレールブラケット46aや当該レールブラケット46aを固定するためのファスナ46b(壁面埋め込み金具)等に固定可能である。図9の場合、チェーンブロック98は、ファスナ46bに固定されている例である。チェーンブロック98のチェーン98aは、緩衝ユニット56のキャリヤ64のキャリヤバー64aに設けられた例えば、リング状の取付部材64bと接続される。
調整ブロック58の抜き取りを行う場合には、他の実施形態と同様に、抜き取り対象の調整ブロック58を固定しているボルト70a、ナット70b(図4参照)を外し、非締結状態にしておく。この状態でチェーンブロック98のチェーン98aを操作することにより、緩衝ユニット56および抜き取り対象の調整ブロック58よる上に位置する調整ブロック58が引き上げられ、抜き取り対象の調整ブロック58の抜き取り作業を行うことができる。この場合、緩衝ユニット56等の引き上げ動作時に、作業者は、ウェイト用ガイドレール46の側方、つまり、緩衝ユニット56の直下位置以外の位置でチェーンブロック98の操作が可能となり、作業時の安全性の向上がさらに図れる。なお、図9の場合、設置ブロック68を用いた例を示しているが、設置ブロック68に代えて調整ブロック58を用いてもよい。この場合、実施形態4と同様に、調整ブロック58の抜き取りによるバッファクリアランスの調整範囲の拡大が可能になり、ロープ22の切り詰め頻度の低減に寄与できる。
なお、上述した各実施形態において、昇降ユニット(油圧ジャッキ78、チェーンブロック98)は、常設としてもよいし、バッファクリアランスの調整作業のときに、ピット48に持ち込み設置するようにしてもよい。この場合、複数のエレベータ10に対して、昇降ユニットの共用が可能になり、保守点検コストの軽減に寄与できる。また、各実施形形態では、同型状(昇降方向に同じ長さ)の調整ブロック58を用いる例を示したが、これに限らず、複数の長さの調整ブロック58を準備して、異なる長さの調整ブロック58を積層して適用してもよい。同じ長さの調整ブロック58を用いる場合は、調整ブロック58が標準化されるため、部品コストの軽減や管理の容易性の向上等に寄与できる。また、異なる長さの調整ブロック58を用いる場合、バッファクリアランスの調整の自由度が向上できる。例えば、ロープ22が設置されてからの経過期間が少ない場合(新しい場合)、ロープ22の伸び率が大きくなる傾向がある。この場合、一回の調整長が長くなる。したがって、ロープ22が新しい期間には、長い調整ブロック58の抜き取りを行う。一方、ロープ22が設置されてから長期間経過している場合、ロープ22の伸び率が小さくなる傾向があるので、短い調整ブロック58の抜き取りによる調整を行う。その結果、一回の調整作業でより適切な調整を行い易くなる。
また、各実施形態では、調整ブロック58の積層数を4乃至5個とする例を説明したが、調整ブロック58は1個以上であれば、各実施形態と同様の効果を得ることが可能である。調整ブロック58の積層数は、エレベータ10の昇降路の長さ、つまり、ロープ22の長さに応じて設定すればよい。例えば、建造物が高層の場合、ロープ22が長くなり、所定期間の伸び量も大きくなる。そのためバッファクリアランスの調整量も大きくなる。したがって、調整ブロック58の積層数を多くしておく。一方、低層の場合、ロープ22が短くなり、所定期間の伸び量も小さくなる。そのためバッファクリアランスの調整量も小さくなる。また、ピット48も浅くなる。このような場合は、調整ブロック58の積層数を少なくする。このように、調整ブロック58の積層数を適切に設定することにより、より適切で効率のよいバッファクリアランスの調整作業を行うことができる。
また、調整ブロック58は、H形鋼で形成された例を示したが、これに限定されず、昇降方向の長さが確保され、取付部材60等の固定ができる形状であれば、いずれの形状でもよい。例えば、円柱形状や角柱形状でもよい。また、各実施形態では、緩衝装置50として油圧ダンパを示したが、コイルばね式ダンパ等他の形式の緩衝装置でもよく同様の効果を得ることができる。また、各実施形態では、緩衝ユニット56がウェイト用ガイドレール46に沿って昇降する例を示したが、これに限らず、ウェイト用ガイドレール46とは別に設けたガイドレールに沿って昇降する構成でもよい。この場合、キャリヤ64を既設のウェイト用ガイドレール46の設置幅に合わせる必要がなくなり、設計の自由度が向上するとともに、既設のエレベータ10にバッファクリアランス調整装置54(86,96)を適用しやすくなる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…エレベータ、12…昇降路、14…乗りかご、20…カウンターウェイト、22…ロープ、46…ウェイト用ガイドレール、48a…ピット底面、50…緩衝装置、54,86,96…バッファクリアランス調整装置、56…緩衝ユニット、58…調整ブロック、60,64b,84,92…取付部材、68…設置ブロック、78…油圧ジャッキ(昇降ユニット)、82…補助支持部材、98…チェーンブロック(昇降ユニット)。
調整ブロック58の抜き取りを行う場合には、他の実施形態と同様に、抜き取り対象の調整ブロック58を固定しているボルト70a、ナット70b(図4参照)を抜き取り、非締結状態にしておく。この状態でモータ90を駆動することにより、緩衝ユニット56および抜き取り対象の調整ブロック58より上に位置する調整ブロック58を上方向に移動させて、抜き取り対象の調整ブロック58の抜き取り作業を行うことができる。この場合、緩衝ユニット56等の押上動作時に、作業者が押上対象体の周辺(例えば押上直下の位置)に近づくことなく、操作盤94の操作が可能となり、作業時の安全性の向上がさらに図れる。また、ボールナット88aとボールねじ88bとの噛合による押上動作になるので、押上対象体の押上状態(停止状態)の維持が容易かつ確実に行われる。また、押上対象体の昇降動作も安定して行うことができる。これらの点においても安全性の向上に寄与できる。なお、図8の場合、設置ブロック68を用いた例を示しているが、設置ブロック68に代えて調整ブロック58を用いてもよい。この場合、実施形態3と同様に、調整ブロック58の抜き取りによるバッファクリアランスの調整範囲の拡大が可能になり、ロープ22の切り詰め頻度の低減に寄与できる。

Claims (5)

  1. エレベータの昇降路を降下した昇降体が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置を前記昇降体の昇降方向に移動可能に支持する緩衝ユニットと、
    前記緩衝ユニットを前記昇降路のピット底面に対して支持するとともに、前記ピット底面と前記緩衝ユニットとの間の距離を調整可能な少なくとも一つの調整ブロックと、
    前記調整ブロックを着脱可能なように前記緩衝ユニットを前記昇降方向に移動させる昇降ユニットを取り付け可能な取付部材と、
    を備えるバッファクリアランス調整装置。
  2. 前記昇降ユニットは、前記緩衝ユニットを押し上げ可能なジャッキ装置であり、
    前記取付部材は、前記調整ブロックまたは前記緩衝ユニットの少なくとも一方に設けられ、前記ジャッキ装置の進退部と接続可能である請求項1に記載のバッファクリアランス調整装置。
  3. 前記ジャッキ装置が前記緩衝ユニットを押し上げたときに、押上対象体を支持する補助支持部材をさらに備える請求項2に記載のバッファクリアランス調整装置。
  4. エレベータの昇降路を降下した昇降体が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置を前記昇降体の昇降方向に移動可能に支持する緩衝ユニットと、前記緩衝ユニットを前記昇降路のピット底面に対して支持するとともに、前記ピット底面と前記緩衝ユニットとの間の距離を調整可能な少なくとも一つの調整ブロックと、の接続を解除するステップと、
    前記緩衝ユニットを上昇させるステップと、
    前記調整ブロックを前記ピット底面と前記緩衝ユニットとの間から取り外すステップと、
    前記緩衝ユニットを前記ピット底面に対して固定するステップと、
    を含むバッファクリアランス調整方法。
  5. エレベータの昇降路を降下した昇降体が接触したときの衝撃を緩和する緩衝装置を前記昇降体の昇降方向に移動可能に支持する緩衝ユニットの前記昇降路のピット底面に対する固定を解除するステップと、
    前記緩衝ユニットを上昇させるステップと、
    前記緩衝ユニットを前記昇降路のピット底面に対して支持するとともに、前記ピット底面と前記緩衝ユニットとの間の距離を調整可能な少なくとも一つの調整ブロックを前記緩衝ユニットと前記ピット底面との間に介在させるステップと、
    前記緩衝ユニットを前記ピット底面に対して固定するステップと、
    を含むバッファクリアランス調整方法。
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