JP2018127150A - 鉄道車両の振動制御装置 - Google Patents

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【課題】簡素な構成にてストッパ衝突による乗り心地の悪化を好適に防止する。【解決手段】鉄道車両の振動制御装置は、アクチュエータに推力指令値を出力する制御器と、軌道情報データ及び車両位置情報に基づいて前記鉄道車両の軌道上の走行位置を検出する走行位置検出器と、を備え、前記制御器は、前記鉄道車両が曲線区間の直前の所定範囲からなる入口直線区間を走行していると前記走行位置検出器が検出すると、前記車体が前記曲線区間の内軌側に相対変位する向きに前記アクチュエータを動作させるオフセット指令値を発生し、前記オフセット指令値を前記推力指令値に加算する。【選択図】図1

Description

本発明は、台車に対する車体の左右変位を許容範囲内に制限するストッパを備えた鉄道車両の振動制御装置に関する。
鉄道車両では、走行中に車体と台車との間の左右の相対変位が大きくなって車体が車両限界を超えて変位することを防ぐために、台車に対する車体の左右変位を許容範囲内に制限するストッパが設けられている。曲線走行中には、遠心力の作用により車体が外軌側に大きく変位して、ストッパの衝突が発生する可能性がある。ストッパの衝突が発生すると、その振動が車体に伝わるために乗客の乗り心地が悪化する。
特許文献1に開示された技術では、ストロークセンサから取得したストローク量によって走行中の線路が直線区間であるか曲線区間であるかを判定し、曲線区間の走行中であると判定されると、ヨー制御スカイフック制御指令値を出力してストッパ当たりを防止している。
特許第5255780号公報
しかし、特許文献1の技術では、車両が曲線区間に進入した後にストッパ当たりを防止する制御を開始するため、推力の小さいアクチュエータを用いた場合には、車体の変位抑制が不十分となり、ストッパ当たりが生じる可能性がある。
そこで本発明は、簡素な構成にてストッパ衝突による乗り心地の悪化を好適に防止することを目的とする。
本発明の一態様に係る鉄道車両の振動制御装置は、台車に対する車体の左右変位を許容範囲内に制限するストッパと、前記車体を前記台車に対して左右に相対変位させるアクチュエータとを備えた鉄道車両の振動制御装置であって、前記アクチュエータに推力指令値を出力する制御器と、軌道情報データ及び車両位置情報に基づいて前記鉄道車両の軌道上の走行位置を検出する走行位置検出器と、を備え、前記制御器は、前記鉄道車両が曲線区間の直前の所定範囲からなる入口直線区間を走行していると前記走行位置検出器が検出すると、前記車体が前記曲線区間の内軌側に相対変位する向きに前記アクチュエータを動作させるオフセット指令値を発生し、前記オフセット指令値を前記推力指令値に加算する。
前記構成によれば、車両が曲線区間に進入する前に、台車に対して車体が曲線区間の内軌側に相対変位する向きにアクチュエータが動作するので、ストッパまでの距離が事前に拡げられる。そのため、曲線区間走行中に遠心力により車体が外軌側に移動しても、ストッパの衝突が発生し難くなる。
本発明によれば、簡素な構成にて乗り心地を向上させることができる。
実施形態に係る振動制御装置を備えた鉄道車両の模式図である。 図1に示す振動制御装置のブロック図である。 図2に示す振動制御装置による制御を説明するフローチャートである。 図3に示すオフセット制御を説明するフローチャートである。 図3に示す抑制制御を説明するフローチャートである。 オフセット制御及び抑制制御の一例を模式的に説明するグラフである。 オフセット制御及び抑制制御の別例を模式的に説明するグラフである。 オフセット制御の有無を対比したアクティブサスペンション制御のシミュレーション結果を示すグラフである。 抑制制御の有無を対比したオフセット制御付きアクティブサスペンション制御のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。なお、以下の説明では、鉄道車両が走行する方向である車両長手方向を前後方向と称し、それに直交する車幅方向(横方向)を左右方向と称する。
図1は、実施形態に係る振動制御装置10を備えた鉄道車両1の模式図である。図1に示すように、鉄道車両1は、客室Sを有する車体2と、車体2を支持する台車3と、車体2と台車3との間に介設された二次サスペンション4(例えば、空気バネ)とを備える。台車3は、台車枠3aと、輪軸3bと、輪軸3bを回転自在に支持する軸箱3cと、台車枠3aと軸箱3cとの間に介設された一次サスペンション3d(例えば、コイルバネ)とを有する。車体2は、主に二次サスペンション4の弾性変形により台車3に対して左右に相対変位し得る。
車体2の台枠2aには、下方に突出する車体側ブラケット2bが設けられ、台車枠3aには、上方に突出する台車側ブラケット3eが設けられている。車体側ブラケット2bと台車側ブラケット3eとの間には、アクチュエータ5が介設されている。アクチュエータ5は、左右方向に水平直進運動を行い、車体2を台車枠3aに対して左右に相対移動させるよう構成されている。アクチュエータ5には、電磁式アクチュエータが用いられるが、他の方式(例えば、空気圧式又は油圧式)のアクチュエータが用いられてもよい。
台車枠3aには、車体側ブラケット2bの左右両側において上方に突出した一対のストッパ6が設けられている。車体2の左右方向中心が台車3の左右方向中心に一致した状態では、車体側ブラケット2bは、一対のストッパ6に対して隙間をあけて一対のストッパ6の間の中心に配置されている。ストッパ6は、台車3に対する車体2の左右変位を許容範囲内に制限する。即ち、車体2が台車3に対して左右に大きく相対変位するとき、車体側ブラケット2bがストッパ6に当たることで車体が車両限界を超えることが防がれる。但し、車体側ブラケット2bがストッパ6に衝突すると、その衝撃により車体2に振動が伝達されることになる。
鉄道車両1が走行する線路7の曲線区間においては、曲線の内側にあるレール7a(内軌)よりも曲線の外側にあるレール7b(外軌)が高くなるようにレール載置面にカント8(高低差)が設けられている。カント8により車体2には内軌側に向けた力が掛かり、その力が、曲線走行中の鉄道車両1にかかる外軌側に向けた遠心力を相殺するように作用する。遠心力は曲線走行する際の走行速度に依存する。曲線走行により車体2に掛かる外軌側に向けた遠心力とカント8により車体2に掛かる内軌側に向けた力とが釣り合う走行速度を均衡速度と称する。
車体2には、左右方向の加速度を検出する加速度センサ9が搭載されている。車体2には、加速度センサ9で検出される左右加速度等に応じてアクチュエータ5を制御するコントローラである振動制御装置10が搭載されている。以下、振動制御装置10の構成及び動作について、詳しく説明する。
図2は、図1に示す振動制御装置10のブロック図である。図2に示すように、振動制御装置10は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及びI/Oインターフェース等を有する。振動制御装置10は、アクティブサスペンション制御部11、軌道情報記憶部12、走行位置検出部13、オフセット制御部14、判定部15及び抑制制御部16を有する。アクティブサスペンション制御部11、走行位置検出部13、オフセット制御部14,判定部15及び抑制制御部16は、不揮発性メモリに保存されたプログラムに基づいてプロセッサが揮発性メモリを用いて演算処理することで実現される。軌道情報記憶部12は、不揮発性メモリにより実現される。
アクティブサスペンション制御部11は、車体2の左右方向の振動速度に対して逆位相の速度で車体2を台車3に対して相対変位させるようにアクチュエータ5を制御する。例えば、アクティブサスペンション制御部11は、加速度センサ9で検出された左右加速度を積分して左右方向の振動速度を算出し、公知のスカイフック制御により当該振動速度に対して逆位相の速度で車体2を台車3に対して相対変位させるアクティブサスペンション指令値Fsusを発生し、当該アクティブサスペンション指令値Fsusをアクチュエータ5に出力する。即ち、アクティブサスペンション指令値Fsusは、後述の走行位置検出部13の検出結果にかかわらず出力される値である。
軌道情報記憶部12は、いわゆるキロ程マップを軌道情報として事前に記憶しており、当該軌道情報は軌道上における曲線区間の場所を判別可能な情報を含んでいる。走行位置検出部13は、鉄道車両1に搭載された車輪回転数センサ17で検出された車輪回転数の積算により鉄道車両1の走行距離を車両位置情報として算出し、その走行距離から軌道情報記憶部12の軌道情報に基づいて軌道上における現在の走行位置を検出する。なお、走行位置検出部13は、他の方式によって鉄道車両1の軌道上の現在の走行位置を検出してもよく、例えば、GPS等の他の手段を用いて車両位置を取得し、その車両位置と軌道情報とに基づいて鉄道車両1の軌道上の現在の走行位置を検出してもよい。
オフセット制御部14は、鉄道車両1が曲線区間の直前の所定範囲からなる入口直線区間を走行していると走行位置検出部13が検出すると車体2が曲線区間の内軌側に相対変位する向きにアクチュエータ5を動作させるオフセット指令値Foffを発生し、当該オフセット指令値Foffをアクチュエータ5に出力する。入口直線区間は、例えば、曲線区間の手前側に隣接する直線区間のうち曲線区間入口から手前側に所定距離範囲の区間である。
判定部15は、鉄道車両1が曲線区間を走行していると走行位置検出部13が検出すると、アクティブサスペンション指令値Fsusが台車3に対して車体2が曲線区間の外軌側に相対変位する向きの値であるか否かを判定する。例えば、アクチュエータ5の推力が正値(伸長)であるときに車体2が台車3に対して右側に変位し、アクチュエータ5の推力が負値(収縮)であるときに車体2が台車3に対して左側に変位し、曲線区間が左側に向けて曲がっている(即ち、左側が内軌側となり、右側が外軌側となる)場合には、判定部15は、アクティブサスペンション指令値Fsusが正値であるか否かを判定する。
抑制制御部16は、アクティブサスペンション指令値Fsusに乗じる抑制係数w(0<w≦1)を設定する。抑制制御部16は、鉄道車両1が曲線区間を走行していると走行位置検出部13が検出し、かつ、アクティブサスペンション指令値Fsusが台車3に対して車体2が曲線区間の外軌側に相対変位する向きの値であると判定部15が判定すると、図3又は4に示すように、車体2が曲線区間の外軌側に相対変位する向きにおけるアクティブサスペンション指令値Fsusのピーク値を抑制するように抑制係数wを決定する(w<1)。
図3は、図2に示す振動制御装置10による制御を説明するフローチャートである。図4は、図3に示すオフセット制御を説明するフローチャートである。図5は、図3に示す抑制制御を説明するフローチャートである。図2及び5に示すように、アクティブサスペンション制御部11は、加速度センサ9から車体2の左右加速度を取得する(ステップS1)。アクティブサスペンション制御部11は、その取得した左右加速度を積分して左右方向の振動速度を算出し、スカイフック制御により当該振動速度に対して逆位相の速度で車体2を台車3に対して相対変位させるアクティブサスペンション指令値Fsusを発生する(ステップS3)。また、それに並行して、オフセット制御ルーチン(ステップS3)及び抑制制御ルーチン(ステップS4)も実行される。
図2及び4に示すように、オフセット制御ルーチン(図3のステップS3)では、まず、走行位置検出部13が、車輪回転数センサ17で検出された車輪回転数の積算により鉄道車両1の走行距離を車両位置情報として算出し、その走行距離から軌道情報記憶部12の軌道情報に基づいて軌道上における現在の走行位置(地点)を検出する(ステップS11)。そして、走行位置検出部13は、鉄道車両1が曲線区間の直前の所定距離範囲からなる入口直線区間又は曲線区間を走行しているか否かを検出する(ステップS12)。ステップS12でNoの場合には、次の曲線区間から遠く離れた直線区間を走行中であるためにオフセット制御は不要と判断し、オフセット指令値Foffをゼロとして出力する(ステップS17)。
ステップS12で入口直線区間を走行中と判定された場合には、車輪回転数センサ17から得られる現在の走行速度Vが、次の曲線区間の走行時に車体2に掛かる外軌側に向けた遠心力とカント8により車体2に掛かる内軌側に向けた力とが釣り合う走行速度である均衡速度Veより大きいか否かを判定する(ステップS13)。なお、曲線区間の曲率及びカント8の角度に関する情報は、軌道情報記憶部12に軌道情報として記憶されている。ステップS13でNoの場合には、車体2には外軌側に向けた超過遠心力が生じないためにオフセット制御は不要と判断し、オフセット指令値Foffをゼロとして出力する(ステップS17)。
ステップS13でYesの場合には、オフセット制御部14は、軌道情報記憶部12に記憶された軌道情報から次の曲線区間の曲線の向き、即ち、次の曲線区間が左曲がりであるのか右曲がりであるのかの情報を取得する(ステップS14)。次いで、オフセット制御部14は、車体2が台車3に対して次の曲線区間の内軌側に向けて相対変位するようにオフセット指令値Foffを演算する(ステップS15)。例えば、アクチュエータ5の推力が正値(伸長)であるときに車体2が台車3に対して右側に変位し、アクチュエータ5の推力が負値(収縮)であるときに車体2が台車3に対して左側に変位し、曲線区間が左曲がりの(即ち、左側が内軌側となり、右側が外軌側となる)場合には、オフセット制御部14は、オフセット指令値Foffを負値に設定する。これにより、図6又は7に示すように、アクティブサスペンション指令値Fsusが負側にオフセットされる(Fsus+Foff)。なお、本実施形態では、オフセット指令値Foffの絶対値を一定値とするが、可変値としてもよい。
そして、オフセット制御部14は、アクチュエータ5に出力される推力指令値の変化率が大きくなり過ぎて乗客の乗り心地が悪化しないように、オフセット指令値Foffに変化率リミッタを掛けてからオフセット指令値Foffを出力する(ステップS16)。なお、ステップS12において曲線区間を走行中と判定された場合にも、オフセット制御部14は、前述したステップS13〜16を実行する。
図2及び5に示すように、抑制制御ルーチン(図3のステップS4)では、まず、走行位置検出部13が、前述のステップS11と同様に、鉄道車両1の軌道上における現在の走行位置(地点)を検出する(ステップS21)。そして、走行位置検出部13は、鉄道車両1が入口直線区間又は曲線区間を走行しているか否かを検出する(ステップS22)。ステップS22でNoの場合には、ストッパ衝突が発生しないためアクティブサスペンション指令値Fsusの抑制制御は不要と判断し、抑制係数wを1として出力する(ステップS27)。
ステップS22で入口直線区間又は曲線区間を走行中と判定された場合には、前述のステップ13と同様に、現在の走行速度Vが均衡速度Veより大きいか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23でNoの場合には、車体2には外軌側に向けた超過遠心力が生じないために抑制制御は不要と判断し、抑制係数wを1として出力する(ステップS27)。
ステップS23でYesの場合には、抑制制御部16は、前述のステップS14と同様に、曲線区間の曲線の向きを取得する(ステップS24)。次いで、判定部15は、アクティブサスペンション指令値Fsusが台車3に対して車体2が曲線区間の外軌側に相対変位する向きの値であるか否かを判定する。例えば、アクチュエータ5の推力が正値(伸長)であるときに車体2が台車3に対して右側に変位し、アクチュエータ5の推力が負値(収縮)であるときに車体2が台車3に対して左側に変位し、曲線区間が左曲がりの(即ち、左側が内軌側となり、右側が外軌側となる)場合には、判定部15は、アクティブサスペンション指令値Fsusが正値であるか否かを判定する。
ステップS25でNoの場合には、アクティブサスペンション指令値Fsusがストッパ衝突を発生させない向きの値であるためアクティブサスペンション指令値Fsusの抑制制御は不要と判断し、抑制係数wを1として出力する(ステップS27)。ステップS25でYesの場合には、抑制制御部16は、車体2が曲線区間の外軌側に相対変位する向きにおけるアクティブサスペンション指令値Fsusのピーク値を抑制するように抑制係数wを決定する(ステップS26)。例えば、図6に示すように(w・Fsus+Foff)、アクティブサスペンション指令値Fsusの外軌側のピーク値を滑らかに抑制するように抑制係数wを決定してもよいし、図7に示すように、アクティブサスペンション指令値Fsusの外軌側のピーク値にリミッタを設けるように抑制係数wを決定してもよい。
図3に戻って、アクティブサスペンション制御部11は、ステップS2〜S4で出力された値に基づき、以下の数式1によりアクチュエータ5に指令する推力指令値Fを算出する(ステップS5)。即ち、アクティブサスペンション指令値Fsusが、抑制係数wで補正されるとともに、オフセット指令値Foffにより内軌側にオフセットされる。
[数式1]
F=w・Fsus+Foff
アクティブサスペンション制御部11は、推力指令値Fをアクチュエータ5に指令する際には、アクチュエータ5が動作限界を超えないように設定されたアクチュエータリミッタを介して出力する。即ち、アクティブサスペンション制御部11は、推力指令値Fが所定の限界値Lを超ない場合には、推力指令値Fをそのままアクチュエータ5に指令し、当該限界値Lを超える場合には限界値Lを推力指令値としてアクチュエータ5に指令する(ステップS6)。
図8は、オフセット制御の有無を対比したアクティブサスペンション制御のシミュレーション結果を示すグラフである。図8のシミュレーション結果によれば、車両が入口直線区間に入った段階で、オフセット制御が実行されることによりアクチュエータ推力が低下している。なお、二次サスペンションの空気バネの復元力の影響により、入口直線区間の後半ではオフセット量が少し減ってから一定のオフセット量のところに収束している。そして、車両が曲線区間に入ってからは、オフセット制御のないアクティブサスペンション制御(Fsus)では、ストッパ衝突(左右動ストッパ変位量=40mm)を繰り返している。これにより、車体に生じる左右加速度には、ストッパ衝突による急激な変動が発生している。それに対し、オフセット制御のあるアクティブサスペンション制御(Fsus+Foff)では、左右動ストッパ変位量が40mm未満をキープしてストッパ衝突が回避されている。これにより、車体に生じる左右加速度の急激な変動の発生が防止されている。
図9は、抑制制御の有無を対比したオフセット制御付きアクティブサスペンション制御のシミュレーション結果を示すグラフである。図9のシミュレーション結果によれば、車両が入口直線区間に入った段階で、オフセット制御が実行されることによりアクチュエータ推力が低下している。なお、二次サスペンションの空気バネの復元力の影響により、入口直線区間の後半ではオフセット量が少し減ってから一定のオフセット量のところに収束している。そして、車両が曲線区間に入ってからは、オフセット制御のないアクティブサスペンション制御(Fsus)では、ストッパ衝突(左右動ストッパ変位量=40mm)を繰り返している。これにより、車体に生じる左右加速度には、ストッパ衝突による急激な変動が発生している。それに対し、オフセット制御のあるアクティブサスペンション制御(Fsus+Foff)では、左右動ストッパ変位量が40mm未満をキープしてストッパ衝突が回避されている。これにより、車体に生じる左右加速度の急激な変動の発生が防止されている。
以上に説明した構成によれば、鉄道車両1が曲線区間に進入する前に、台車3に対して車体2が曲線区間の内軌側に相対変位する向きにアクチュエータ5が動作するので、車体側ブラケット2bから外軌側のストッパ6までの距離が事前に拡げられる。そのため、曲線区間走行中に遠心力により車体2が外軌側に移動しても、ストッパ6の衝突が発生し難くなる。よって、簡素な構成にて乗り心地を向上させることができる。
また、車体2の車幅方向の振動速度に対して逆位相の速度で車体2を台車3に対して相対変位させるアクティブサスペンション制御に使うアクチュエータ5を利用してオフセット制御が行われるため、オフセット制御専用にアクチュエータを設けずに済み、コスト増加を抑制できる。また、走行速度が均衡速度よりも大きい場合、即ち、ストッパ6の衝突が発生する可能性が低い場合には、オフセット制御が行われないため、アクチュエータ5の無駄な動作を無くすことができる。また、曲線区間進入後にはアクティブサスペンション指令値Fsusのうち車体2を外軌側に相対変位させる向きのピーク値が抑制されるので、推力の小さいアクチュエータ5を用いた場合でもストッパ6の衝突の発生可能性を更に減らすことができる。
なお、前述の実施形態では、ストッパ衝突を回避する制御としてオフセット制御と抑制制御との両方を実行したが(F=w・Fsus+Foff)、オフセット制御をせずに抑制制御のみを実行してもよい(F=w・Fsus)。また、前述の実施形態では、抑制制御を入口直線区間と曲線区間との両方で実行したが、入口直線区間又は曲線区間の一方のみで実行してもよい。前述の実施形態では、アクティブサスペンション制御としてスカイフック制御を用いたが、車体2の左右方向の振動速度に対して逆位相の速度で車体2を台車3に対して相対変位させる制振制御であれば他の制御態様を用いてもよい。
1 鉄道車両
2 車体
3 台車
5 アクチュエータ
6 ストッパ
10 振動制御装置
11 アクティブサスペンション制御部(制御器)
13 走行位置検出部
14 オフセット制御部(制御器)
15 判定部
16 抑制制御部(制御器)

Claims (4)

  1. 台車に対する車体の左右変位を許容範囲内に制限するストッパと、前記車体を前記台車に対して左右に相対変位させるアクチュエータとを備えた鉄道車両の振動制御装置であって、
    前記アクチュエータに推力指令値を出力する制御器と、
    軌道情報データ及び車両位置情報に基づいて前記鉄道車両の軌道上の走行位置を検出する走行位置検出器と、を備え、
    前記制御器は、前記鉄道車両が曲線区間の直前の所定範囲からなる入口直線区間を走行していると前記走行位置検出器が検出すると、前記車体が前記曲線区間の内軌側に相対変位する向きに前記アクチュエータを動作させるオフセット指令値を発生し、前記オフセット指令値を前記推力指令値に加算する、鉄道車両の振動制御装置。
  2. 前記制御器は、前記走行位置検出器の検出結果にかかわらず、前記車体の左右方向の振動速度に対して逆位相の速度で前記車体を前記台車に対して相対変位させるように前記アクチュエータを動作させるアクティブサスペンション指令値を発生し、前記アクティブサスペンション指令値を前記推力指令値に加算する、請求項1に記載の鉄道車両の振動制御装置。
  3. 前記鉄道車両が前記入口直線区間又は前記曲線区間を走行していると前記走行位置検出器が検出すると、前記アクティブサスペンション指令値が前記台車に対して前記車体が前記曲線区間の外軌側に相対変位する向きの値であるか否かを判定する判定器を更に備え、
    前記制御器は、前記鉄道車両が前記曲線区間を走行していると前記走行位置検出器が検出し、かつ、前記アクティブサスペンション指令値が前記台車に対して前記車体が前記曲線区間の外軌側に相対変位する向きの値であると前記判定器が判定すると、前記車体が前記曲線区間の外軌側に相対変位する向きにおける前記アクティブサスペンション指令値のピーク値を抑制するように前記推力指令値を補正する、請求項2に記載の鉄道車両の振動制御装置。
  4. 前記制御器は、前記曲線区間の走行により前記車体に掛かる外軌側に向けた遠心力と前記曲線区間のカントにより前記車体に掛かる内軌側に向けた力とが釣り合う走行速度である均衡速度よりも現在の走行速度が大きい場合には、前記オフセット指令値をゼロにする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄道車両の振動制御装置。
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