JP2018126378A - 採得器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】術者の技術によらず、正確に咬合採得を行うことのできる咬合採得器具を提供することを課題とする。
【解決手段】咬合採得が必要な歯列の長さを有し、硬質素材からなり、一方の面に咬合位置を採得する上部採得面と、他方の面に咬合位置を採得する、又は印象を採得する下部採得面とを有する咬合採得部2a、3a、4aと、咬合紙ホルダー把持部2b、3b、4bを備える採得器具1。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯科治療に用いる咬合採得、印象採得を行う器具に関する。
歯科治療は、通常、歯科医師の作業である診断、治療計画の作成、支台歯形成、印象採得、咬合採得、装着、調整など、主として歯科クリニックで患者に対して行う作業と、歯科医師の指示のもとに、歯にかぶせるクラウン、ブリッジ、義歯等の補綴物、また、顎位を適正な位置に誘導する治療のためにスプリントを作製する歯科技工士が行う作業が連携して行われている。
欠損歯の治療は、歯科医師によって印象材による印象採得が行われ、この印象をもとにして作業模型が作られた後、正しい噛み合わせの位置を決定するため、ワックス等を使用して咬合採得が行われる。咬合採得とは、歯科治療において、補綴物を作製する際に、咬合平面や咬合高径を決めるために噛み合わせの型をとることをいう。解剖学的には、咬合採得とは位置の定まった上顎に対して、下顎の位置を採得すること、すなわち中心咬合位における上顎に対する下顎の位置を採得することである。
咬合採得は、上下顎の3次元的な位置関係を決定することにより顎位を調整し、中心位と中心咬合位が一致するような安定した咀嚼を得て、咀嚼機能を回復することが目的である。また、咀嚼機能の回復だけではなく、歯の欠損に伴う顔貌の変形の修復を行う審美的な目的のためにも重要な工程である。さらに、顎関節症の治療におけるスプリント療法においても、咬合採得を行い、咬合接触の状態を確認することは重要な工程である。したがって、歯科医院で正確に咬合採得が行われ、歯科技工士に患者の咬合の状況が正確に伝達され、補綴物が作製される必要がある。
歯科クリニックでは、一般的にはパラフィンワックスを用いた咬合床による咬合採得法が行われている。例えば、総義歯治療の場合、咬合採得は以下のようにして行われる。咬合床を患者に試適し調整した後、咬合高径を決定する。安静咬合位での上下間距離と、咬合床を口腔内に試適した状態が一致するように調整を行う。次に咬合床を取り出し、咬合平面を軟化して口腔内に戻した後、患者に中心咬合位で咬合を行わせ咬合採得を行う。また、クラウンなど部分的な補綴物作製の場合には、軟化したワックスを患者に咬合嵌合位で噛んでもらい、硬化を待ち口腔外に取り出す。
しかしながら、咬合採得は、例えば、義歯製作の場合、部分歯牙欠損と全部床義歯製作とでは咬合採得の難易度が大きく異なる。部分歯牙欠損の場合、天然歯が残存していることから、残存している天然歯の位置による相互関係が複雑であり、症例ごとにその難易度は大きく左右される。また、総義歯の咬合採得を行う場合には、咬合高径などの有歯顎時の状態が不明であることから、その設定が難しいものとなる。そのため、歯科医師はそれぞれ最適と考える方法にしたがって、咬合採得を行っているのが現状である。また、咬合採得を行ったのち、術者の経験により誤差やずれを補正して補綴物を作製しているのが現状である。
正確な咬合採得を行うために、種々の器具や方法が開示されている(特許文献1、2)。特許文献1には、第1の採得層と第2の採得層を備えた平坦な芯材に、上下の歯の傾斜面で生じるスライドを防止するために、金網や小突起のようなスライド防止手段を備えている咬合採得用具が開示されている。スライド防止手段により、咬合採得用具の貫通や破断を防止し、咬合状態における下顎のずれを防止することができる。スライド防止手段を備えた芯材の両面に位置する第1の採得層、第2の採得層はパラフィンまたはワックスからなり、患者の咬合状態を記録することができるようになっている。
特許文献2には、上下顎に適合する上下顎基礎床のうち、一方の基礎床の左右臼歯部に板状の描記ブレードを取り付け、他方の基礎床の左右臼歯部に記録ブロックを取り付け、これらを口腔内に装着した状態で、描記ブレード、または記録ブロックの高さを調節することにより下顎位を決定する咬合採得方法が開示されている。描記ブレード、記録ブロックからなる咬合採得器具を用いた方法では、生理的な咬合感覚が患者によく分かり、正確で再現性のある下顎位を記録することができる。
特開2005−261510号公報 特開2005−152106号公報
特許文献1の咬合採得用具は、顎関節が顆頭安定位で安定した中心位が存在する患者の咬合採得には有効であるが、顎関節が不安定な患者の場合には、下顎安定位にならず、咬合採得することができない。また、多数の歯を欠損しており、同時に治療している場合や、遊離端部位の治療では、支持領域が少なく、安定した咬合採得ができないという問題がある。また、特許文献2の咬合採得器具は、総義歯治療に用いることはできるが、残存歯がある場合には、咬合採得を行うことができない。
また、現在、一般的に行われているワックスを用いた咬合採得法では、患者の咬合によりワックスが破断したり変形することから、患者の咬合形状の再現が困難であるという問題がある。また、ワックスは温めて軟化させて使用することから、軟化が均一ではなく、硬い部分が生じ、咬合位が誘導されやすいという問題も生じている。また、ワックスは温度が下がると接触したまま硬化するため、接触面の誘導位置から顆頭が安定位に移動することができない。
さらに、フルマウス(全顎)治療の場合には、咬合採得で中心位(筋肉位)を採得することが難しい。中心位には領域が存在するため、採得の度に位置が変化するからである。クラウン・ブリッジによる歯冠修復治療の場合には、形成前の中心咬合位でクリアランスを確保していても、形成後に中心位の咬合採得をするとクリアランス不足になることが多い。また、術者の技術が低い場合には、咬合採得時に患者が強く噛みすぎて本来の咬合平面より沈下した状態であることに気付かないまま咬合を決定してしまうこともある。
また、印象採得では、上の歯、あるいは下の歯14歯全てのマージン(補綴物と歯の境界部)を鮮明に再現することが困難である。例えば、シリコーン印象材は、通常、適用部位で流動性の有無や硬化後の硬さを使い分けることから、14歯すべてについて一度に印象採得を行うことは困難であった。
本発明は、上記問題を解決し、術者の技術等によらず下顎の位置合わせを精度よく咬合採得を行うことのできる咬合採得器具を提供することを目的とする。また、咬合採得と印象採得を同時に行うことのできる採得器具を提供することを課題とする。
本発明は以下の採得器具、及び採得器具の使用方法に関する。
(1)硬質素材からなり、一方の面に咬合採得を行う上部採得面と、他方の面に咬合採得を行う、又は印象採得を行う下部採得面とを有する採得部と、咬合紙ホルダー把持部を備える採得器具。
(2)前記上部採得面で咬合採得を行い、前記下部採得面で印象採得を行う採得器具であって、前記採得部が患者の歯冠に類似した形状である(1)記載の採得器具。
(3)前記上部採得面で咬合採得を行い、前記下部採得面で印象採得を行う採得器具であって、前記上部採得面が1若しくは複数の凸状、又は平面状に形成されている(1)記載の採得器具。
(4)前記上部採得面、及び前記下部採得面で咬合採得を行う採得器具であって、前記採得部が略平坦な部材からなる(1)記載の採得器具。
(5)前記採得器具の厚さが、0.1〜5.0mmである(1)〜(4)のいずれか1つ記載の採得器具。
(6)患者の顎の大きさに合わせて選択することができるように、異なる大きさのものが用意されている(1)〜(5)のいずれか1つ記載の採得器具。
(7)近遠径に合わせて切断可能な(1)〜(6)のいずれか1つ記載の採得器具。
(8)誤飲防止機構を備えている(1)〜(7)のいずれか1つ記載の採得器具。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つ記載の咬合採得器具の前記咬合紙ホルダー把持部を把持し、前記上部採得面、及び前記下部採得面に印象材を載置し、患者の上下の歯の咬合採得、又は咬合採得と印象採得を同時に行う採得法。
実施例1の咬合採得器具を示す図。 実施例1の咬合採得器具の誤嚥防止機構を示す図。 実施例1の咬合採得器具の使用方法を示す図。 歯冠形状のダブル採得器具を示す図。図4Aは実施例2の、図4B、4Cは実施例3のダブル採得器具を示す。 支台歯形成に用いるダブル採得器具を示す図。図5A、5Bは実施例4の一歯用のダブル採得器具を、図5C、5Dは実施例5の複数歯用のダブル採得器具を示す。
本明細書で開示する採得器具は、術者の技術や経験によらず、歯冠修復におけるフルマウス治療の全顎用咬合採得印象器具、歯冠修復におけるクラウン・ブリッジ治療、インプラントや義歯治療など、あらゆるタイプの歯科補綴治療の際に行われる咬合採得、印象採得に対応することができる。
本明細書では、上下の歯の咬合採得を同時に行うことのできる器具、及び咬合採得と印象採得を同時に行うことのできる器具を開示する。本明細書では、上下の歯の咬合採得を同時に行うことのできる器具を咬合採得器具と称し、咬合採得と印象採得を同時に行うことのできる器具をダブル採得器具と称し、両者を併せて採得器具と称する。
ここで、顎位とは、上顎に対する下顎の三次元的な位置を指し、咀嚼時に必要な上下顎の接触位置関係を定めたものである。上顎骨は頭骸骨の一部であるため位置が固定されるのに対して、下顎骨は左右に顎関節があり垂直に移動するだけではなく水平方向にも移動する。また、中心位の定義には諸説あるため、ここでは「中心位=タッピングポイント(筋肉位)=顆頭安定位」と仮定する。
顆頭安定位の咬合採得に必要なことは、咬合採得の際に上下の歯列が接触してからも水平位は自由に移動できることである。水平的自由移動を与えると下顎頭は下顎窩の中で無理無く安定した一定の位置、顆頭安定位に移動する。下顎頭の移動後に咬合採得を行い、その位置に適切な咬頭嵌合位を人工歯で与えると中心咬合位が定めることができ、中心位と中心咬合位は一致することになる。
すなわち、水平的な負荷をゼロにして顎関節が最も噛み易い位置(顆頭安定位=中心位=生理的咬合)を咬合採得して、その位置に人工歯の排列や補綴を行い咬頭嵌合位(中心咬合位=補綴的咬合)を与えれば、中心位と中心咬合位は一致する。しかしながら、このようにして咬合採得を行う方法や器具は今までにはなかった。本発明は、中心位と中心咬合位を一致させて咬合採得を行うことができる器具に関する。
以下、図面を参照しながら、咬合採得器具について詳細に説明する。
[実施例1]
図1に、平板状の咬合採得器具の例を示す。
本実施例の咬合採得器具1は、咬合採得が必要な歯列の長さの採得部を備えた平坦なシート状の部材からなる。咬合採得は、咬合採得器具の上下の面にシリコーン系印象材、WAX系材料、レジン系材料、印象用石膏などの印象材を載せ、上歯の咬合位置、下歯の咬合位置を同時に採得する。
咬合採得器具1は、一定の硬さを備えたシートであればどのようなものを用いてもよい。一定の硬さとは、患者が噛み込んだ際に破断せず、口腔外に出しても変形しない程度の硬さをいう。例えば、歯科用コンポジットレジン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、厚紙/板紙、セラミック紙、防水紙、PPフィルム加工紙、銅板、亜鉛板、アルミ板、真鍮板、鉄板、ステンレス板、ニッケル板、銀板、チタン板、鉛板などの金属板などの素材を用いることができる。
シートの厚さは、0.1〜5.0mm程度であればよい。後述する平板形状の咬合採得器具の場合には、クリアランスによって厚みを選択すれば良く、クリアランスが大きい場合には、1.0〜5.0mm程度の厚さのものを用いることができる。また、クリアランスが小さい場合には、0.1〜3.0mm程度、より好ましくは0.3〜1.0mm程度の厚さのものを用いれば良い。
シートの厚みが5.0mmより厚い場合には、咬合採得を行った際に、シートの厚みが咬合高径に影響を及ぼし、正確に咬合採得を行うことができない場合がある。また、シートの厚みが0.1mmよりも薄い場合には、咬合採得器具1に使用するシートの材質にもよるが、患者が噛み込んだ際に変形したり、破断したりすることから好ましくない。シートの厚みが0.3〜1.0mmであれば、咬合高径に影響を与えることがなく、また、どのような材質のシートを選択しても、患者が噛み込んだ際に変形したり、破断したりすることがない。
また、後述するように本発明の採得器具は咬合紙ホルダーによって把持して用いる。咬合採得は患者が口を閉じた状態で行うため、ピンセットや鉗子などの器具では、閉口状態の患者、特に奥歯の部分に採得器具を挿入することができない。その結果、正確に咬合採得、印象採得を行うことができない。そのため、把持部は咬合紙ホルダーによって把持することができる厚みである必要がある。咬合紙ホルダーによって把持可能な厚みとは15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。また、用いる材質にもよるが撓むなど形状が変化することのないように0.1mm以上の厚さであることが好ましい。
咬合採得器具1は、歯科補綴治療の歯冠修復におけるクラウン・ブリッジ作製などに用いる部分歯用咬合採得器具2、3、フルマウス治療用の補綴物作製の場合に用いる全顎用咬合採得器具4がある。
部分歯用咬合採得器具2、3は、補綴治療する歯の数に応じた長さのものが選択できるように、歯列方向に長さの異なるものが用意されている。また、部分歯用咬合採得器具、全顎用咬合採得器具、いずれの場合にも、患者の体格、顎の大きさに応じて適切なサイズが選択できるように数種類の異なるサイズのものが用意されている。
咬合採得器具1は、咬合採得部2a、3a、4a、及び咬合紙ホルダー把持部2b、3b、4bを備えている。咬合採得部2a、3a、4aは、両面に印象材を配置し、咬合採得を行う部分である。咬合採得部は、シリコーン、ゲル、ワックスなどの印象材が絡みやすくなるように、小孔5を設けてもよい。小孔5を設けることによって、咬合採得部の上下両面の印象材が咬合採得部を挟んで小孔5で繋がることから外れにくくなる。小孔5は、用いる印象材と咬合採得器具1の材質、及び咬合採得を必要とする領域によって、適宜設けることができる。
また、咬合採得器具1は、術者が咬合紙ホルダーで把持することができるように咬合紙ホルダー把持部2b、3b、4bを備えている。ここでは、部分歯用咬合採得器具の咬合紙ホルダー把持部2b、3bを片側に設ける構成としているが、両側に設ける構成としてもよい。また、咬合紙ホルダー把持部2b、3b、4bには、患者の誤嚥を防止するために、誤嚥防止機構を備えたものとしてもよい。
部分歯用咬合採得器具2、3は、咬合採得を必要とする歯の領域が狭い場合には、非常に小さい器具となることから、患者の誤嚥を防止する機構を設けることが好ましい。誤嚥防止機構は、咬合紙ホルダーと部分歯用咬合採得器具2、3が接着する、あるいは糸状部材によって繋止される構成とすることができる(図2)。
接着面を備えた誤嚥防止機構6は、部分歯用咬合採得器具2の咬合紙ホルダー把持部2bに設けられ、接着面が咬合紙ホルダーに接着するように構成されている(図2上)。接着面は、例えば両面テープを咬合紙ホルダー把持部に接着することによって作製される。使用時に剥離紙7を剥がし、咬合紙ホルダーの先端部に接着して用いることにより、咬合紙ホルダーからはずれることがなく、誤嚥を防止することができる。
また、部分歯用咬合採得器具2の咬合紙ホルダー把持部2bに繋合する糸状部材を用いた誤嚥防止機構8としてもよい(図2中央)。誤嚥防止機構8は、糸状部材からなり、糸状部材の一端は、部分歯用咬合採得器具2の咬合紙ホルダー把持部2bに固定することにより繋合させる。糸状部材の他端は、輪を作っておき、咬合紙ホルダーの持ち手部分に引っ掛けて用いればよい。患者の口腔内で、部分歯用咬合採得器具2が咬合紙ホルダーAから外れた場合であっても、誤嚥防止機構8によって繋止されているため、誤嚥を防止することができる。
また、誤嚥防止機構9は、糸状部材の他端をクリップ状にして咬合紙ホルダーに繋合する構成となっている(図2下)。誤嚥防止機構9の糸状部材の一端が部分歯用咬合採得器具2の咬合紙ホルダー把持部2bに固定することにより繋合されていることは同じであるが、他端はクリップに繋合している。クリップ部分で咬合紙ホルダーの持ち手部分を挟み、部分歯用咬合採得器具2を把持して用いることによって、患者の口腔内で、部分歯用咬合採得器具2が咬合紙ホルダーAから外れた場合であっても、誤嚥を防止することができる。
次に、実施例1の咬合採得器具の使用方法について説明する(図3)。ここでは、部分歯用咬合採得器具2’を用いた場合について説明する。部分歯用咬合採得器具2’は、小孔5を備え、咬合採得部2aの歯列に直交する方向の両側に咬合紙ホルダー把持部を備えた形状のものであるが、他の形状の部分歯用咬合採得器具を用いた場合でも同様に使用することができる。また、全顎用咬合採得器具を使用した場合でも基本的な使用方法は同様である。
最初に部分歯用咬合採得器具2’、咬合紙ホルダーA、印象材を装填したカートリッジディスペンサーBを用意する(図3ステップ1)。次に、咬合紙ホルダーAで、部分歯用咬合採得器具2’の咬合紙ホルダー把持部を把持し、印象材を咬合採得部の上部採得面10、下部採得面11の両面に載せる(図3ステップ2)。次に、患者の口腔内に印象材を盛った部分歯用咬合採得器具2’を挿入し、患者に印象材を盛った部分歯用咬合採得器具2’を噛んでもらい咬合採得を行う(図3ステップ3)。所定の時間経過後、患者の口腔内で印象材が硬化したことを確認した後、部分歯用咬合採得器具2’を患者の口腔内から取り出す(図3ステップ4)。上部採得面10には上歯の、下部採得面11には下歯の咬合を同時に採得することができる。
本実施例の咬合採得器具は、上述のようにアクリル樹脂、ポリカーボネートのような硬質素材で製造されているため、患者が噛みこんでも破断せず、口腔外に出しても変形しない。そのため、術者の技術に関わらず、正確に咬合採得を行うことができる。
従来はワックスなど、噛むことにより変形する素材を用いての咬合採得や、ペーストが硬化するシリコーン印象やレジン重合の咬合採得が行われており、硬質素材のタッピング法を用いた咬合採得が行われることはなかった。しかしながら、硬質素材のタッピング法を用いた咬合採得を行うことにより外側翼突筋が活動する。外側翼突筋の活動する状態で咬合採得を行うことにより、イミディサイドシフトを抑制することができる。その結果、この方法で得られた咬合採得は最終補綴物と同条件になるため、従来法で困難とされたターミナル・ヒンジアキシスを再現することができる。そのため、実施例で示すような硬質素材からなる咬合採得器具を用いることによって、患者の最も噛みやすい顎位を再現した咬合採得で最終補綴物を作製することができる。
ここで、最適な咬合採得を行うためには、咀嚼の際の筋肉、下顎骨の動き、関節の役割の理解が重要となってくる。咀嚼は、側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4種類の筋肉によって行われる動作である。側頭筋、咬筋、内側翼突筋は全て閉口筋として下顎骨を挙上させる筋肉である。これに対し、外側翼突筋は、上頭と下頭の二種類に分かれており、異なる機能を備えているものと考えられる。
外側翼突筋下頭は、蝶形骨翼状突起外側板外面に起始し、後上方および外側に向かい、おもに下顎頭頸部に停止している。左右の外側翼突筋下頭が同時に収縮すると、下顎頭は関節結節の下方に牽引され、下顎骨は前突する。一側が収縮すると同側の下顎頭の内側回転運動が生じ、反対側の下顎骨の側方運動を生じる。外側翼突筋が下顎下制筋とともに機能すると下顎骨は下降し、下顎骨は関節結節に沿って前下方に滑走する。
外側翼突筋上頭は、外側翼突筋下頭よりも小さく、蝶形骨大翼の側面下面に起始し、ほぼ水平に後外側に向かい、関節包、円板と関節突起頸部上に停止する。外側翼突筋上頭は、下顎挙上筋と連動するときにのみ活動する。すなわち、上下の歯が接触しているときに活動する。外側翼突筋は、内部に位置する筋肉であるため筋電位を取りにくく、その動作についての詳細な解析が困難である。しかし、咀嚼運動は開口筋と閉口筋の交互作用で成り立つため、上顎翼突筋上頭は閉口運動が口腔内のバーチカルストップで止まったことを、関節包・関節円板と関節突起頸部上の動きで感知し、生体信号を上顎翼突筋下頭に送る役割を果たすものと考えられる。すなわち、外側翼突筋上頭は、咀嚼筋の働きを調節するカウンターバランスの役割を果たすものと考えられる。
しかし、顎関節が老化などにより摩耗している場合には、磨耗した顎関節空間での関節包・関節円板と関節突起頸部上の動きである顎運動は、正常な場合とは異なるものとなる。そのため、外側翼突筋上頭は、本来の役割を果たすことができない。側方運動時に平衡側顆頭が中心位から動き始めてすぐに横ズレするように内方に移動することをイミディドサイドシフトと称するが、外側翼突筋上頭は、カウンターバランスの役割を果たすと同時に、イミディドサイドシフトの原因となると考えられる。
側頭筋・咬筋・内側翼突筋・外側翼突筋は全て咀嚼機能を担う上で重要であるが、特に咀嚼機能の調節を行っている外側翼突筋上頭が活動している状態で咬合採得を行うことは、生体が噛みやすい位置での咬合採得を行うことに他ならない。従来法の上下の未接触状態や軟化素材の咬合採得では、外側翼突筋上頭の活動が再現されない状態で咬合採得されることになると考えられることから、適正な咬合採得が行われない場合も生じてくる。これに対し、本実施例で示す硬質素材からなる咬合採得器具を用いることによって、外側翼突筋上頭の活動を再現することが可能となり、簡便な方法でありながら、精度の高い咬合採得を行うことができる。
[実施例2]
次に、咬合採得と印象採得を同時に行うことのできる採得器具について説明する。図4Aに、咬合採得と印象採得を同時に行うダブル採得器具の一例を示す。ダブル採得器具21には、全顎印象用ダブル採得器具22と部分印象用ダブル採得器具23がある。ダブル採得器具21の材質、厚みは実施例1の咬合採得器具と同様のものを用いればよい。ダブル採得器具21は歯冠形状の採得部24と頬側に設けられた咬合紙ホルダー把持部である頬側把持部22a、23a、舌側に設けられた咬合紙ホルダー把持部である舌側把持部22bからなっている。
図4A上に示す全顎印象用ダブル採得器具22は上歯用のものである。全顎印象用ダブル採得器具22は、患者の歯冠(臨床的歯冠)に類似した形状をしている。全顎印象用ダブル採得器具22は、患者の体格、顎の大きさによって、患者の歯と同程度の大きさを備えたものを選択できるように、サイズの異なるものが数種類用意されている。
全顎印象用ダブル採得器具22には、歯冠毎に頬側、舌側に頬側把持部22a、舌側把持部22bを備えており、咬合紙ホルダーにより把持できるようになっている。下歯用の全顎印象用ダブル採得器具はここには示していないが、上歯と同様にサイズの異なるものを数種類用意しておき、患者の顎、歯の大きさによって適宜選択できるようにしておく。
図4A下に示す部分印象用ダブル採得器具23は、右側下歯用のものであって、中切歯から第二大臼歯までを備えた部分印象用ダブル採得器具を示している。咬合紙ホルダーにより把持するための頬側把持部23aが歯冠毎に設けられている。ここでは頬側把持部23aのみを備えた形状のものを示しているが、舌側把持部を合わせ持つ形状としてもよい。
また、全顎印象用ダブル採得器具22、部分印象用ダブル採得器具23は、歯冠毎に必要な部分だけカットして用いてもよい。歯冠と歯冠との間には、切れ込みを入れておくことによって、容易にカットすることができるように構成することができる。また、実施例1の咬合採得器具と同様の誤嚥防止機構を設けておけば、カットして用いた場合であっても、患者が誤って飲み込むことはない。
ダブル採得器具21の使用方法について説明する。咬合紙ホルダーでダブル採得器具21を把持し、ダブル採得器具の両面、すなわち歯冠の外側である上部採得面25と、内側である下部採得面26に印象材を載せる。次に、患者の口腔内に印象材を両面に盛ったダブル採得器具21を挿入し、患者にダブル採得器具21を噛んでもらうことにより、印象採得と咬合採得を同時に行うことができる。所定の時間経過後、患者の口腔内で印象材が硬化したことを確認した後、ダブル採得器具21を患者の口腔内から取り出す。歯冠に面した内側の下部採得面26では印象採得が、歯冠の外側の上部採得面25では咬合採得をすることができる。
実施例2に示すダブル採得器具21は、クリアランス不足を印象前にチェックすることができるとともに、ブリッジ治療の場合にはブリッジの平衡性の確認も同時に行うことができる。
また、咬合採得部が歯冠形状となっているために即時仮歯として使用することができる。仮歯形態が、印象時と同様になるため、仮歯による歯肉短縮が起こらないので、院内に歯科技工士がいない場合であっても、誰でも歯形態を再現することが可能となる。さらに、口腔内の治療中の三次元的空間を、インナートレーで簡易的に再現修復したものを、二次印象で口腔外の模型にトランスファーするので技工物の精度が上がり、最終補綴物セット時の口腔内調整量が微量に抑えられる。
本実施例のダブル採得器具21は、印象採得と咬合採得を同時に行うことができるため、迅速に治療を進めることができる。また、ダブル採得器具21は、実施例1で示した咬合採得器具と同様にアクリル樹脂、ポリカーボネートのような、硬質素材で製造されているため、患者が噛みこんでも破断せず、口腔外に出しても変形しない。さらに、クリアランス不足を印象前にチェックできるので、術者の技術に関わらず、正確に咬合採得を行うことができる。なお、適用する歯の位置、患者の体格に合わせてサイズの異なるものが用意されていることは、実施例1と同様である。
[実施例3]
ワイヤーを備えた歯冠形状のダブル採得器具のバリエーションについて説明する(図4B、4C)。図4Bは、ワイヤーを備えた全顎印象用ダブル採得器具31を一例として示す。全顎印象用ダブル採得器具31は歯冠の中央部分にワイヤー33を備えている他は、実施例2で示した全顎印象用ダブル採得器具22と同じ構造をしている。すなわち、歯冠毎に頬側に頬側把持部32a、舌側に舌側把持部32bを備えており、咬合紙ホルダーにより把持できるようになっている。ワイヤーは歯列矯正に用いるワイヤーのように柔軟性があるものを用いている。
例えば、患者の歯並びが悪く歯列が全顎印象用ダブル採得器具31とずれた形状となっている場合には、ワイヤー以外の部分に切れ目を入れ患者の歯列に沿うようにして用いることができる。その結果、より正確に咬合採得、印象採得を行うことができる。
図4Cに、ワイヤーを備えた部分印象用採得器具のバリエーションを示す。部分印象用ダブル採得器具32は、頬側把持部33aが歯冠毎に独立しておらず連続した形状となっている。ワイヤー34は、頬側把持部33a中央に配置されている。部分印象用ダブル採得器具32は、上述の全顎印象用ダブル採得器具と同様に、歯冠の間をワイヤーを残して切断することによって、歯並びの悪い患者であっても部分印象用ダブル採得器具を配置し、咬合採得、印象採得を行うことができる。
ここでは、全顎印象用ダブル採得器具31の歯冠部分、あるいは部分印象用ダブル採得器具32の頬側把持部33aにワイヤーを備えた採得器具を示したが、全顎印象用ダブル採得器具の把持部、部分印象用ダブル採得器具の歯冠部にワイヤーを備えた構造としてもよい。なお、適用する歯の位置、患者の体格に合わせてサイズの異なるものが用意されていることは、実施例1等と同様である。
[実施例4]
次に、支台歯形成に用いるダブル採得器具について説明する。図5Aに、一歯用ダブル採得器具41の斜視図、側面図、咬合床側から見た図を示す。一歯用ダブル採得器具の材質、厚みは実施例1の咬合採得器具と同様のものを用いればよい。また、適用する歯の位置、患者の体格に合わせてサイズの異なるものが用意されていることは、実施例1等と同様である。一歯用ダブル採得器具41は略半球状の採得部42と咬合紙ホルダー把持部43からなっている。半球状の形態の上部(凸側)の上部採得面44は咬合面であり、咬合採得部として機能する。また、咬合面の反対側は凹部形状になっており、支台歯の印象を採得する下部採得面45となっている。また、咬合紙ホルダー把持部43には、実施例1の咬合採得器具と同様に誤飲防止機構を設けてもよい。
上部採得面44、下部採得面45には、咬合採得、印象採得を行った後に印象材の口腔内での位置を明確にし、また、印象材と採得器具の接着性を増すように、位置合わせマーク46、47が形成されている。上部採得面44の位置合わせマーク46は、上部採得面44の咬合床側に形成されており、咬合採得を行った後の印象材の位置関係が明らかになるように構成されている。さらに、ここでは示していないが上部採得面44には縦方向の溝を位置合わせマークとしてさらに形成することにより、前後の位置もわかるように構成することができる。
下部採得面45の内部の位置合わせマーク47は、下部採得面45の咬合床側に形成されている。下部採得面45に印象材を盛り印象採得を行った後に、ダブル採得器具から型取りした印象材をはずしても、位置合わせマーク47が付与されていることから位置関係が明らかとなる。下部採得面45の位置合わせマークにも、上部採得面の溝と同様に縦方向の溝を形成してもよい。また、ここでは位置合わせマークは溝形状のものを例として挙げているが、位置が分かればとのようなものでもよく凸状に形成してもよい。
次に、一歯用ダブル採得器具のバリエーションを示す。図5Bは、一歯用ダブル採得器具48の斜視図、側面図、咬合面側から見た図を示す。一歯用ダブル採得器具48は、図5Aに示した一歯用ダブル採得器具と同様に、採得部42と咬合紙ホルダー把持部43からなっている。採得部42の上面には3つの浅いドーム型の凸部49が形成されている。凸部49により咬合採得を行う際に複数の点で接触することができるため、より安定して咬合採得を行うことができる。ここでは凸部49が3つのものを示しているが、2〜5個程度とすることができる。
図5A、5Bには、上部採得面が一点、あるいは3点で接触し咬合採得を行う半球状の器具を例として示したが、例えば採得部の形状を円柱状とし、上部採得面を平面形状とするように構成してもよい。
一歯用ダブル採得器具41を例に、使用方法を説明する。まず、ダブル採得器具の咬合紙ホルダー把持部43を咬合紙ホルダーにより挟み、患者の口腔内の高さに併せて調整した後、上部採得面44、下部採得面45に夫々印象材を載せ、咬合採得、印象採得が必要な領域に設置し咬合採得と同時に印象採得を行う。一歯用ダブル採得器具41も、実施例1の採得器具と同様に硬質素材を用いていることから、正確に咬合採得を行うことができる。
[実施例5]
次に、複数歯用ダブル採得器具について説明する。図5Cは、複数歯用ダブル採得器具51の斜視図、側面図、咬合床側から見た図を示す。複数歯用ダブル採得器具51は、一歯毎に採得部52、咬合紙ホルダー把持部53を備えた採得器具が連結部54により連結された構成となっている。採得部52の咬合床側には、載置部55が採得部52の外縁に沿って設けられている。載置部55を設けていることから、患者の口腔内で咬合採得、印象採得を行う場合に安定した位置に載置することができる。ここでは載置部55は角を丸くした四角形状のものを例として挙げているが円形であってもよい。
また、載置部55、連結部54には、小孔56を設けることにより、印象材、ワックス等と絡みやすくなる。また、一歯用ダブル採得器具と同様に位置合わせマークを設けることができる。ここでは、溝形状の位置合わせマーク59を下部採得面58に設ける構成を示しているが、上部採得面57にも位置合わせマークを設けてもよい。
複数歯用ダブル採得器具51も、一歯用ダブル採得器具と同様に、上部採得面57、下部採得面58に印象材を載せ、咬合採得、印象採得を行うことにより、複数歯の咬合採得、印象採得を同時に行うことができる。
次に、複数歯用ダブル採得器具のバリエーションを示す。図5Dは、複数歯用ダブル採得器具60の斜視図、側面図、咬合床側から見た図を示す。複数歯用ダブル採得器具60は、図5Cに示した複数歯用ダブル採得器具と同様に、一歯毎に採得部52、舌側の咬合紙ホルダー把持部53の他に頬側把持部62を備えている。複数歯用ダブル採得器具60では、採得部52が、頬側把持部62の連結部63により連結された構成となっている。細い連結部で連結されているため、若干の歯列の歪みにも対応することができる。
ここでは、2歯用のダブル採得器具を示したが、3歯以上の歯に対応するように連結部で採得部を連結させる構成としてもよい。さらに連結部にワイヤーを配置し、多少の歪みに対して対応できるような構成とすることもできる。また、採得部の形状も半球状、円柱状、凸部を備えたものとしてもよい。
[応用例]
次に、ダブル採得器具を咬合採得に用いる応用例について示す。上述のとおり、外側翼突筋上頭の活動を促しても、口腔内に早期接触があれば中心位(筋肉位)採取の妨げとなる。特に、上下同時治療以外の対合歯が存在する治療では咬合面の凹凸が問題となる。その場合に、術者が口腔内で高さ調整(主に削合)が必要となるため、単純な凸形態の咬合採得器具は調整がしやすく使いやすい場合がある。
ダブル採得器具41、51は、上部採得面44、57が咬合採得部として機能することから、義歯作製の場合などの咬合採得器具として用いることができる。咬合紙ホルダー把持部43、53を咬合紙ホルダーなどにより挟み、患者の口腔内の高さに併せて調整した後、上部採得面44、57に印象材を盛り、咬合採得が必要な咬合床の領域に設置し咬合採得を行う。上部採得面には印象材を載せて咬合採得を行う際に、患者が採得器具を噛み込むことから蝋堤に圧痕が残り、咬合採得後に位置合わせを行うことができる。
ダブル採得器具41、51は、歯列方向に大きさの異なるもののほか、高さの異なるものが用意されていることから、患者の歯の大きさに合わせて適切サイズのものを選択することができる。また、高さに関しては口腔内で削合することにより簡単に高さ調整を行うことができる。咬合床から咬合採得部の頂点までの高さは、2mm〜15mm程度の大きさとなる。ここでは、図5A、5Cに示す器具を用いて咬合採得を行う方法について説明したが、他の形状の器具を用いた場合でも同様に咬合採得を行うことができる。
1…咬合採得器具、2、3、2’…部分歯用咬合採得器具、4…全顎用咬合採得器具、2a、3a、4a…咬合採得部、2b、3b、4b、43、53…咬合紙ホルダー把持部、5、56…小孔、6、8、9…誤嚥防止機構、7…剥離紙、10、25、44、57…上部採得面、11、26、45、58…下部採得面、21…ダブル採得器具、22、31…全顎印象用ダブル採得器具、23、32…部分印象用ダブル採得器具、24、42、52…採得部、22a、23a、32a、33a、62…頬側把持部、22b、32b…舌側把持部、33、34…ワイヤー、41、48…一歯用ダブル採得器具、46、47、59…位置合わせマーク、49…凸部、51、60…複数歯用ダブル採得器具、54、63…連結部、55…載置部、A…咬合紙ホルダー、B…印象材カートリッジディスペンサー
本発明は以下の採得器具、及び採得器具の使用方法に関する。
(1)補綴治療する歯の数に応じた長さの部分歯用採得器具であって、硬質素材からなり、一方の面に咬合採得を行う上部採得面と、他方の面に咬合採得を行う、又は印象採得を行う下部採得面とを有する採得部と、頬側に設けられた咬合紙ホルダー把持部を備える採得器具。
(2)硬質素材からなり、一方の面に咬合採得を行う上部採得面と、他方の面に印象採得を行う下部採得面とを有する採得部と、咬合紙ホルダー把持部を備える採得器具であって 、前記採得部が患者の歯冠に類似した形状である採得器具。
(3)一歯毎に前記上部採得面で咬合採得を行い、前記下部採得面で印象採得を行う採得器具であって、対合歯、又は咬合床と点接触するように前記上部採得面が1若しくは複数の凸状、又は平面状に形成されている請求項1記載の採得器具。
(4)前記上部採得面、及び前記下部採得面で咬合採得を行う採得器具であって、前記採得部が略平坦な部材からなる(1)記載の採得器具。
(5)前記採得器具の厚さが、0.1〜5.0mmである(1)〜(4)のいずれか1つ記載の採得器具。
(6)患者の顎の大きさに合わせて選択することができるように、異なる大きさのものが用意されている(1)〜(5)のいずれか1つ記載の採得器具。
(7)補綴治療をする歯の数に応じた近遠に切断可能な(1)〜(6)のいずれか1つ記載の採得器具。
(8)誤飲防止機構を備えている(1)〜(7)のいずれか1つ記載の採得器具。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つ記載の採得器具の前記咬合紙ホルダー把持部を把持し、前記上部採得面、及び前記下部採得面に印象材を載置し、患者の上下の歯の咬合採得、又は咬合採得と印象採得を同時に行う採得法。

Claims (9)

  1. 硬質素材からなり、
    一方の面に咬合採得を行う上部採得面と、
    他方の面に咬合採得を行う、又は印象採得を行う下部採得面とを有する採得部と、
    咬合紙ホルダー把持部を備える採得器具。
  2. 前記上部採得面で咬合採得を行い、
    前記下部採得面で印象採得を行う採得器具であって、
    前記採得部が患者の歯冠に類似した形状である請求項1記載の採得器具。
  3. 前記上部採得面で咬合採得を行い、
    前記下部採得面で印象採得を行う採得器具であって、
    前記上部採得面が1若しくは複数の凸状、又は平面状に形成されている請求項1記載の採得器具。
  4. 前記上部採得面、及び前記下部採得面で咬合採得を行う採得器具であって、
    前記採得部が略平坦な部材からなる請求項1記載の採得器具。
  5. 前記採得器具の厚さが、0.1〜5.0mmである請求項1〜4のいずれか1項記載の採得器具。
  6. 患者の顎の大きさに合わせて選択することができるように、
    異なる大きさのものが用意されている請求項1〜5のいずれか1項記載の採得器具。
  7. 近遠径に合わせて切断可能な請求項1〜6のいずれか1項記載の採得器具。
  8. 誤飲防止機構を備えている
    請求項1〜7のいずれか1項記載の採得器具。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の咬合採得器具の前記咬合紙ホルダー把持部を把持し、
    前記上部採得面、及び前記下部採得面に印象材を載置し、
    患者の上下の歯の咬合採得、又は咬合採得と印象採得を同時に行う採得法。
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